JP4021042B2 - ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
〔発明の背景〕
本発明は、プロピレン重合体とエチレンプロピレン共重合体とからなるポリプロピレン樹脂組成物に関するものである。更に詳しくは、本発明は、構成成分であるプロピレン重合体とエチレンプロピレン共重合体との相溶性が良好で、結晶化速度が抑制されたポリプロピレン樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プロピレン重合体とエチレンプロピレン共重合体とからなるポリプロピレン樹脂組成物は、物理的性質、特に耐衝撃性、に優れた工業材料として有用なものである。このようなポリプロピレン樹脂組成物は、それに配合されるエチレンプロピレン共重合体の種類等によって、組成物の性質が変化することが知られており、目的に応じた最適な配合技術に関して多くの技術が知られている。
【0003】
このようなポリプロピレン樹脂組成物の性質が変化する原因の一つは、プロピレン重合体とエチレンプロピレン共重合体との親和性、即ち分子レベルでの相溶性、に依存して、組成物の分散構造ないし分散状態が変化することによるものと考えられている。また、プロピレン重合体の重要な物理特性である結晶化特性は、エチレンプロピレン共重合体の配合によって変化する場合があって、エチレンプロピレン共重合体の配合によって結晶化度が変化したり、結晶化速度が低下することが報告されている(Martuscelli E.,POLYMER,1982、23巻、229頁)。これらの結晶化特性の変化もプロピレン重合体とエチレンプロピレン共重合体と親和性(ないし相溶性)に依存しているものと考えられている。
【0004】
プロピレン重合体とエチレンプロピレン共重合体と親和性(ないし相溶性)に関しては、上記の他に学問的にもさかんに研究されている。例えば、中性子散乱による研究(Lohse,D.J.,;Polymer Engineering Science 26, 1500(1986))、形態的観察(Coppola,F.et.al;Polymer 28,47(1987)) 、NMR(Nirabella F.M.et.al.;Polymer 37,931(1996)) による研究等があり、いずれもプロピレン重合体とエチレンプロピレン共重合体とは、固相において、更には加熱下の溶融した状態においても、非相溶であると結論づけられている。これらの研究は、広い組成分布をもつエチレンプロピレン共重合体についてなされている。エチレンプロピレン共重合体の詳細構造、例えば、分子量分布、プロピレンとエチレンとの共重合組成、更にはプロピレン連鎖の立体構造など、が制御された場合の相容性の変化についての検討はない。
【0005】
そして、溶媒中に溶解させたプロピレン重合体とエチレンプロピレン共重合体との均一混合物を非溶媒中に投じて得た緊密混合物を加熱下において溶融状態とした場合においても、脱混合(相分離)がすすみ、脱混合の程度によって、固化したときの結晶構造が変化することが報告されている(Hashimoto T.Macromolecules,19、1690(1986))。この検討で用いられたプロピレン重合体とエチレンプロピレン共重合体とは、両成分ともに分子量が大きく、分子量分布が広いものである。
【0006】
そして、エチレンプロピレン共重合体の一部がポリプロピレンの非晶部に溶解したもの、および三次元的に擬網目状となったエチレンプロピレン共重合体相とから形成された非晶連続相に、ポリプロピレンの結晶ラメラが分散相として存在する組成物も知られている(高分子討論会 予稿集 42,3932(1993))が、該組成物は依然として海/島構造を形成したものとなっている。このように、プロピレン重合体とエチレンプロピレン共重合体と親和性(ないし相溶性)が十分でない場合には、両重合体を分子レベルで緊密に混合することが困難で、一方の重合体からなる分散相がもう片方の重合体相に、ある程度の大きさで分散している所謂海/島構造が光学顕微鏡で観察されることがある。この文献では、溶解の程度について力学分散温度の低下による検討がなされているが、分子サイズでの相溶性についてはなんらの示唆もされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
〔発明の概要〕
<要旨>
本発明は、結晶化速度を安定的に抑制した、すなわち結晶化速度の遅い、プロピレン重合体とエチレンプロピレン共重合体とからなるポリプロピレン樹脂組成物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
したがって、本発明によるポリプロピレン樹脂組成物は、下記の成分(A)100重量部と成分(B)20〜1000重量部とからなり、下記式〔I〕で算出されるkaiが0.01以上であること、を特徴とするものである。
【0009】
成分(A):下記の条件(a)〜(c)を充足するプロピレン重合体。
条件(a):立体規則性の指標であるアイソタクティックペンタッド連鎖(mmmm)の分率が97%以上であること、
条件(b):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とから計算される分子量分布の指標であるMw/Mn(Q値)が4以下であること、
条件(c):重量平均分子量(Mw)が1000〜500000であること。
【0010】
成分(B):下記の条件(d)〜(g)を充足するエチレンプロピレン共重合体。
条件(d):プロピレン含有量が30〜95モル%であること、
条件(e):組成の分子量依存性において、平均組成からの変動が10%以下であること、
条件(f):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とから計算される分子量分布の指標であるMw/Mn(Q値)が4以下であること、
条件(g):重量平均分子量(Mw)が1000〜1000000であること。
【0011】
式〔I〕
【数2】
Figure 0004021042
〔式中、mは成分(A)の重量平均重合度を示し、mは成分(B)の重量平均重合度を示す。〕
<効果>
本発明によるポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン重合体とエチレンプロピレン共重合体との相溶性が良好で、ポリプロピレン重合体の結晶化速度が十分抑制されているので、射出成形、押し出し成形など熱可塑性樹脂に対する種々の成形や接着あるいは粘着などの加工条件において、安定した軟質成形体を得ることができる。例えばプロテクトフィルムなどで軟質性、透明性、耐熱性などの必要に応じて、プロピレン重合体特性とエチレンプロピレン共重合体特性とを調和よく選定することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
<成分(A)>
本発明によるポリプロピレン樹脂組成物の成分(A)は、下記の条件(a)〜(c)を満足するプロピレン重合体(以下、このプロピレン重合体を「PP」と示すことがある)、好ましくはプロピレンの単独重合体、である。
条件(a):立体規則性の指標であるアイソタクティックペンタッド連鎖(mmmm)の分率が97%以上であること、
条件(b):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とから計算される分子量分布の指標であるMw/Mn(Q値)が4以下であること、
条件(c):重量平均分子量(Mw)が1000〜500000であること。
【0013】
ここで、条件(a)は、具体的には、13C−NMRスペクトル解析よる定法(例えば、Randall J. C., J.Polymer Sci.,12,703(1974)参照)によって決定される立体規則性の指標であるアイソタクティックペンタッド連鎖(mmmm)の分率が97%以上、好ましくは98%以上、であるという条件である。立体規則性が低いと、目的ポリプロピレン樹脂組成物の融点が低下し、耐熱性が低下する。なお、本発明での成分(A)は、アタクティックポリマー成分含量が低いことが好ましく、沸騰ヘプタン可溶分で定義されるアタクティックポリマー成分は、5%以下、好ましく3%以下、特に好ましくは1%以下、である。
【0014】
条件(b)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とから計算される分子量分布の指標であるMw/Mn(Q値)が4以下であること、というものである。ここで、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、いずれもGPCにより測定したときのものであって(具体的な測定法は、後述する)、本発明での成分(A)は、Mw/Mn(Q値)が4以下、好ましくは3.5以下、特に好ましくは3.0以下、である。Mw/Mnが4を越えると、相溶性の低下する高分子量成分の存在が無視できなくなり、限界的なkai(詳細後記)が変動し、他の条件が本発明の範囲であっても相溶性が低下する結果、結晶化が十分抑制されない場合がある。
【0015】
条件(c)は、成分(A)の重量平均分子量に関する条件である。本発明での成分(A)は、重量平均分子量(Mw)が1000〜500000であること、という条件を満足する。ここでの、重量平均分子量(Mw)もGPC測定によるときのものである。重量平均分子量(Mw)が1000未満であると、エチレンプロピレン共重合体(成分(B))との相溶性は向上するが、衝撃強度、破断伸びなどの機械特性を十分に高くすることが困難なので、得られる組成物が成形材料として適さなくなる。一方、重量平均分子量(Mw)が500000を越えると、熱可塑成形する際の流動性が低下して、一般的な成形材料として適当でない。好ましい重量平均分子量(Mw)は、10000〜400000である。
【0016】
本発明での成分(A)は、上記の条件(a)〜(c)を満たすものであるが、本発明では、中でも融点に関して次の条件(条件(h))を満足するものが特に好ましい。この条件(h)は、融点が150℃以上、好ましくは155℃以上、であること、というものである。融点が150℃未満であると、成形品の耐熱性が十分でなく、日常的な使用温度範囲での剛性の温度依存性が大きく、粘着材などでの用途が限定されることがある。
【0017】
このような成分(A)は、公知の方法で製造することができる。具体的には、公知の立体規則性重合触媒(好ましくは、例えば塩化マグネシウム担持四価のチタン化合物とトリエチルアルミニウムなどの有機金属成分とを組合わせた触媒(例えば、特開平1−20204号、特開平1−24806号、特開平2−77413号、特開平2−107610号各公報に記載の触媒など)を使用して、生成したポリマーをソックスレー抽出等の操作により分子量分布(Q=Mw/Mn)を本発明に使用する範囲としたもの、あるいは立体規則性重合触媒として、アイソタクチック重合体を製造するメタロセン系触媒、例えば、(r)−ジメチルシリレンビス(2‐エチル‐4‐フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドおよび(r)−ジメチルシリレンビス(2‐メチル‐4,5‐ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリドなどの特開平8−208733号公報に記載のメタロセン化合物、(r)−ジメチルシリレンビス(2,4‐ジメチル‐4‐ヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリドなどの特開平6−239914号公報に記載のメタロセン化合物、(r)−エチレンビス(4,4‐ジメチル‐4,5,6,7‐テトラヒドロ‐4‐シラインデニル)ジルコニウムジクロリドなどの特開平6−239915号公報に記載のメタロセン化合物、などを使用して製造することができる。
【0018】
メタロセン遷移金属化合物を活性化する助触媒成分は、特に限定されず、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機金属化合物とモンモリロナイトなどのイオン交換性層状珪酸塩化合物との組合せ、メチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサンなどのオキシアルミニウム化合物などの使用、(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフランなどのホウ素化合物で活性化されたメタロセン錯体としての使用、などが例示できる。
【0019】
成分(A)を製造するときに採用される重合法は、回分式、連続式、半回分式等制限はなく、ペンタン、ヘキサン、トルエン、シクロヘキサンなどの不活性炭化水素媒質を使用する重合法、使用する単量体自身を媒質として使用する重合法、媒質を使用せずまたは実質的に不存在下に気相で重合を行う方法等、いずれでもよい。重合温度は通常0〜280℃程度、重合圧力は通常1〜2000kg/cmであり、水素などの分子量調節剤を使用して分子量を制御して製造することもできる。
<成分(B)>
本発明によるポリプロピレン樹脂組成物の成分(B)は、下記の条件(d)〜(g)を充足するエチレンプロピレン共重合体(以下、このエチレンプロピレン重合体を「EPR」と示すことがある)である。
条件(d):プロピレン含有量が30〜95モル%であること、
条件(e):組成の分子量依存性において、平均組成からの変動が10%以下であること、
条件(f):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とから計算される分子量分布の指標であるMw/Mn(Q値)が4以下であること、
条件(g):重量平均分子量(Mw)が1000〜1000000であること。
条件(d)は、成分(B)のプロピレン含有量に関するものである。成分(B)のプロピレン含有量は、30〜95モル%、好ましくは50〜90モル%、特に好ましくは50〜75モル%、である。プロピレン含有量が30モル%より少ないと、成分(A)との相溶性が低下し、結晶化速度の抑制効果が無いか極めて小さなものとなる。更に、プロピレン重合体(成分(A))とエチレンプロピレン共重合体(成分(B))との界面の親和性が低下して、組成物の機械的特性、例えば引張り伸度、衝撃強度等、が低下する。プロピレン含有量が95モル%を越えると、成分(A)のプロピレン重合体との相溶性は増加するものの、ガラス転移温度が上昇してしまうので、組成物の低温衝撃強度の低下や脆化温度の上昇が起こって、エチレンプロピレン共重合体(成分(B))の配合の利点が低下する。
【0020】
条件(e)は、組成の分子量依存性に関するものである。一般に共重合機構に依存して、共重合体中のプロピレン含有量が分子量に対して不均一になる場合がある。分子量分布が比較的広い場合、高分子量区分に平均組成よりもプロピレン含有量が高い成分があると、相容性が低下する。分子量依存性はGPCによって分子量分別された各々の区分のプロピレン含有量を評価する(方法は後述する)。本発明での成分(B)は、平均組成からの変動が10%以下、好ましくは5%以下、更に好ましくは3%以下、である。
【0021】
条件(f)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とから計算される分子量分布の指標であるMw/Mn(Q値)が4以下であること、というものである。ここで、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、いずれも成分(A)の場合と同様に、GPCにより測定したときのものであって、本発明での成分(A)は、Mw/Mn(Q値)が4以下、好ましくは3.5以下、特に好ましくは3.0以下、である。Mw/Mnが4を越えると、相溶性が低下する結果、結晶化抑制効果が減少する。
【0022】
条件(g)は、成分(B)の重量平均分子量(Mw)に関する条件である。本発明での成分(B)は、重量平均分子量(Mw)が1000〜1000000であること、という条件を満足する。ここでの、重量平均分子量(Mw)もGPC測定によるときのものである。重量平均分子量(Mw)が1000未満であると、破断伸びなどの機械的特性が低いので実用的ではない。一方、重量平均分子量(Mw)が1000000超過であると、組成物を熱可塑成形する際の流動性が低下する。好ましくは、重量平均分子量(Mw)が10000〜800000のエチレンプロピレン共重合体を用いる。
【0023】
このような本発明での成分(B)として使用するエチレンプロピレン共重合体は、公知の方法で製造することができる。本発明では立体規則性重合触媒、例えばメタロセン系触媒、を用いて製造されたものが好ましい。そのようなアイソタクチック重合体を製造するメタロセン系触媒の好ましい具体例は、例えば成分(A)のプロピレン重合体の製造に関して前記した公知文献の中に見出すことができる。
【0024】
メタロセン遷移金属化合物を活性化する助触媒成分は、特に限定されず、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機金属化合物とモンモリロナイトなどのイオン交換性層状珪酸塩化合物との組合せ、メチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサンなどのオキシアルミニウム化合物などの使用、(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフランなどのホウ素化合物で活性化されたメタロセン錯体としての使用、などが例示できる。
【0025】
成分(B)を製造するときに採用される重合法も、前記の成分(A)の時と同様に、回分式、連続式、半回分式等、制限はなく、ペンタン、ヘキサン、トルエン、シクロヘキサンなどの不活性炭化水素媒質を使用する重合法、使用する単量体自身を媒質として使用する重合法、媒質を使用せずまたは実質的に不存在下に気相で重合を行う方法等、いずれでもよい。重合温度は通常0〜280℃程度、重合圧力は通常1〜2000kg/cmであり、水素などの分子量調節剤を使用して分子量を制御して製造することもできる。
<ポリプロピレン樹脂組成物>
本発明によるポリプロピレン樹脂組成物は、先ず、上記の成分(A)100重量部と成分(B)20〜1000重量部とからなるものである。成分(B)の配合量が多いと組成物の剛性が低下する傾向があって、成分(B)の配合量が1000重量部を越えると、高温剛性保持、非粘着などの成分(A)配合の効果が失われる。成分(B)の配合量が20重量部未満であると、低温衝撃強度、危化温度低下などの成分(B)配合の目的に合った効果が得られない。成分(B)の配合量は、成分(A)100重量部に対して、好ましくは40〜100重量部である。
【0026】
成分(A)と成分(B)との混合は、合目的的な任意の方法によって行うことができる。例えば、両成分の共通溶媒(好ましくは、例えば熱キシレン、熱トルエンなど)に両成分を溶解させたのち、沈殿剤(好ましくは、例えばメタノール、エタノールおよびアセトン)を用いて、両成分の混合物を回収するあるいは溶媒を留去する方法、例えば押し出し機、バンバリミキサなどによって両成分を溶融混合する方法、および各種の熱可塑成型法(好ましくは、例えば射出成型および押出し成型)において、成型機に両成分を混合投入する方法などがある。また、本発明では、重合を二段階で行い、第一段目の重合生成物(例えば成分(A))の存在下に、引き続いて第二段階目の重合(例えば、成分(B)の生成)を行って、両段階での重合生成物の混合物を得る、所謂重合ブレンド、の方法も採用することができる。
【0027】
そして、本発明によるポリプロピレン樹脂組成物は、上記の要件を満足することに加えて、下記式〔I〕で算出されるkaiが0.01以上であることを特徴としている。
【0028】
【数3】
Figure 0004021042
〔式中、mは成分(A)の重量平均重合度を示し、mは成分(B)の重量平均重合度を示す。〕
この式〔I〕は、Scottにより導出された熱力学理論より導かれたポリマー/ポリマー等量2成分系の相溶性の限界の相互作用パラメータを与える式として広く知られているもの(秋山ら、「ポリマーブレンド」18ページ、(株)シーエムシー(1981))である。用いられるポリマーの種類が定まると固有の相互作用パラメータkai,c(=kaiの臨界値:詳細後記)が存在する。この系において、用いる2種のポリマーの重合度が決まると、式〔I〕によって使用する2種の重合体の相互作用パラメーター値(kai)が算出できる。そして、使用する2種の重合体を選択した場合に求まるkaiが、kai,cより大きい場合に、2成分は溶融状態において相溶する。
【0029】
以下は、本発明によるポリプロピレン樹脂組成物、ならびに成分(A)および成分(B)を規定する各要件に関し、以下に測定方法を記載し定義する
(1) 重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)はGPC測定による。いずれも、標準ポリスチレンにより較正したのち、成分(A)では粘度式、η=KMα ただし、Log[K]=−3.407、α=0.733とし、エチレンプロピレン共重合体ではNMRで求めたエチレンモル分率(φC2)を用いてη=KMα ただし、Log[K]=φC2(−3.616)+(1−φC2)(−3.407)、α=0.733を用い、ユニバーサルカリブレーション法により算出した値に0.5を乗じた値である。測定は、WATERS製 ALC−GP C1500を用い、カラムにはショーデックスAD801MSを用いた。オルトジクロロベンゼン、140℃、2mg/mlを0.2cc注入し、1cc/分で流し、赤外3420cm−1で検出した。
(2) 重合度とは、GPCによって得られた重量平均分子量(Mw)もしくは数平均分子量(Mn)を繰り返し単位の平均分子量で割った値と定義する。すなわち、プロピレン重合体であればMw/42であり、50モル%のエチレンを含むエチレンプロピレン共重合体であれば、前出の重量平均分子量(Mw)を28×0.5+42×0.5で割った値となる。
(3) 成分(A)のプロピレン重合体のアイソタクティックペンタッド連鎖(mmmm)の分率は、日本電子社製、JNM GSX270を用い、2mlのオルトジクロロベンゼンにポリマーを溶解後、0.5mlの重水素化ベンゼンをロッキング溶媒として加えて130℃にて測定した。S/N比を向上させるために10000回積算を行った。解析はJ.C.Randallによって既に提案されている方法(Jounal of polymer science 12、703、(1974)) を用いて、[mmmm]を見積もった。
(4) 成分(B)のプロピレン含有量は、日本電子社製、JNM GSX270を用い、2mlのオルトジクロロベンゼンにポリマーを溶解後、0.5mlの重水素化ベンゼンをロッキング溶媒として加えて130℃にて測定した。十分なS/N比を得るために10000回積算を行った。解析はH.N.Chengらによって既に提案されている方法(Macromolecules 1984年、Vol17、P1950) を用いた。
(5) 成分(B)中のエチレン組成の分子量依存性は、waters社製のGPCを用いてカラムにはショーデックス806MSを、フローセルにBARNES社製Zero−Dead,vol,cl,を用い、検出器にニコレ社製IRを使用した。クロロフォルム4mg/mlに調製された成分(B)溶液200mlを常温にて流速1mlで流し測定を行った。このときの分解能は4cm−1とした。解析は、オムロック社製の解析ソフトを用いて2950cm−1の強度と2180cm−1の強度をそれぞれ測定した。各溶出時間におけるこの強度の比(I 2950 / I 2180)はエチレン分率に比例している。組成変動率10%以内とは各分子量での強度比が、平均強度比の±5%以内であることを示す。
(6) kai,cの決定は、下記の通りにして行った。
【0030】
プロピレン重合体(成分(A))およびエチレンプロピレン共重合体(成分(B))の割合がそれぞれ変更したものであるが、それら成分(A)と成分(B)の合計量がキシレン溶液の濃度として0.2重量%となるよう135℃キシレン溶液を調製した。チバ社製 IRGANOX 1010を少量添加した。キシレン溶液は撹拌下にて10分間恒温後、10倍量のドライアイスメタノール溶液に投じた。得られた沈殿物を濾過後、常温で真空乾燥して混合試料とした。
【0031】
後記の製造例4において、エチレンプロピレン共重合体の重合時のCをCに変える以外は同様の重合操作によって重水素化エチレンプロピレン共重合体(D−EPR50)を得た。このD−EPR50をGPC分取し、表2に示される試料D−EPR50EおよびD−EPR50Iを得た。製造例1、2および4で得られたPP1、PP2およびEPR50を併せて用いた。
【0032】
測定は、東京大学物性研究所所有の中性子散乱装置SANS−Uを用いて、高分子実験学(共立出版、高分子の固体構造1)に記載された方法に基づいて行った。プロピレン重合体(成分(A))の重合度はオルトジクロロベンゼン/重水素化キシレン溶液の混合溶液(1.0/1.6[g/g])にプロピレン重合体を溶かし、溶液濃度1〜5%の異なる4つの濃度について、129℃で測定を行ない、Zimmプロットして、Maconnachie A.at.al.Polymer 19、739(1978)) を参考にして絶対分子量と、プロピレン濃度Zeroにおける慣性半径を決定した。
【0033】
前出のD−EPR50IとEPR50Iの等体積分率ブレンド試料および、D−EPR50EとEPR50Eの等体積分率ブレンド試料(matched−pair)を調製した。中性子散乱測定は160℃で行ない、Graessly,W.W. Mocromolecules 26,1137(1993)を参考にしてエチレンプロピレン共重合体の慣用半径と絶対分子量を決定した。この際プロトンと重水素間の相互作用は、パラメータを4×10-4とした。前出のブレンド物についての測定は、重水素化エチレンプロピレン共重合体とエチレンプロピレン共重合体それぞれを秤量後、クロロフォルムに溶解後混合した後、クロロフォルムを吸引乾燥することで行った。
【0034】
前述の方法によって求められたPP1、PP2および重水素化エチレンプロピレン共重合体それぞれの重合度、慣性半径を用いて(表2)、プロピレン重合体とエチレンプロピレン共重合体における相互作用パラメータkai,cを文献(Peter A.Weimann、et.al.Macromolecules、30、3650(1997))を参考にし、RPA理論に準じて(de-Gennes,P,G Scalling concepts in polymer physics,Conell University press:New york,1979)、温度160℃から220℃で決定した。
【0035】
ブレンド試料は、測定に際して、プロピレン重合体とエチレンプロピレン共重合体を加熱トルエンにて溶解後、メタノールへ投じ、沈殿した成分を濾過乾燥して得られた試料を石英セルにつめて中性子散乱を行うことによって、kai,cを求めた。表3に示されているように、kai,cは0.01であった。
(7) 球晶成長速度の決定
結晶化速度の評価は、230℃に加熱したブレンド試料を窒素雰囲気下で7分間恒温し、70度/分で、135℃まで冷却し、等温結晶化過程をオリンパス社製BH2偏光顕微鏡を用いて観察した。観察にはヒートステージとしてリンカム社製TC−600PHを用いた。結晶化速度は、観察される球晶形態の成長速度より、時間(秒)あたりの半径増加(μm)として、時間−温度関係の比例部分の傾きより求める。30個の球晶の成長速度より平均値を求めることによって得た値G(μm/s)を結晶化速度として表4に示す。
【0036】
【実施例】
下記の実施例および比較例において用いられたプロピレン重合体(成分(A))およびエチレンプロピレン共重合体(成分(B))は、下記の製造例の通りにして製造されたものである。
<製造例1>
[成分(A)(PP1)の製造]
固体触媒成分の製造
充分に窒素置換したフラスコに、脱水および脱酸素したn−ヘプタン200ミリリットルを導入し、次いでMgCl2 を0.4モルおよびTi(O−n−C4 9 4 を0.8モル導入し、95℃で2時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いでメチルヒドロポリシロキサン(20センチストークスのもの)を48ミリリットル導入し、3時間反応させた。生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
【0037】
次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で0.24モル導入した。次いでn−ヘプタン25ミリリットルにSiCl4 0.4モルを混合して30℃、30分間でフラスコへ導入し、70℃で3時間反応させた。反応終了後、反応物をn−ヘプタンで洗浄した。次いでn−ヘプタン25ミリリットルにフタル酸クロライド0.024モルを混合して、70℃、30分間でフラスコへ導入し、90℃で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いでSiCl4 0.4モルを導入して80℃で6時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して固体成分を得た。このもののチタン含量は1.3重量%であった。次いで、充分に窒素置換したフラスコに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で合成した固体成分を5グラム導入し、(t−C4 9 )(CH3 )Si(OCH3 2 1.2ミリリットル、(C5 9 2 Si(OCH3 2 1.2ミリリットルおよびAl(C2 6 3 1.7グラムを30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し、塩化マグネシウムを主体とする固体触媒成分を得た。このもののチタン含量は、1.1重量%であった。
【0038】
プロピレンの重合
攪拌および温度制御装置を有する内容積1.5リットルのステンレス鋼製オートクレーブに、充分に脱水および脱酸素したn−ヘプタンを500ミリリットル、トリエチルアルミニウムを100ミリグラムおよび上記で製造した固体触媒成分を15ミリグラム、次いで水素を2000ミリリットル導入し、昇温昇圧し、重合圧力=5kg/cm2 G、重合温度=75℃、重合時間=2時間の条件でプロピレンを重合させた。重合終了後、得られたポリマースラリーを濾過により分離し、ポリマーを乾燥させた。その結果、190.6グラムのポリマーが得られた。濾過液からは、0.6グラムのポリマーが得られた。また、得られたポリマーは、MFR=500(g/10分)、ポリマー嵩密度=0.48(g/cc)、ポリマー密度=0.9083(g/cc)であり、13C−NMRによるアイソタクチックペンタッド分率[mmmm]=98.3(mol%)であった。
得られたプロピレン重合体を沸騰ヘプタンにてソックスレイ抽出し、可溶成分をメタノールに投じ、濾過した後乾燥してプロピレン重合体(PP1)を得た(表2)。
【0039】
<製造例2>
[成分(A)(PP2)の製造]
上記のPP1の製造条件におけるプロピレンの重合過程で水素量を1800mlとした以外は同様の条件で重合操作を行なって、MFR=400(g/10分)のプロピレン重合体を得た。このものについてPP1と同様の条件で抽出濾過を行ってプロピレン重合体(PP2)を得た。これは[mmmm]が98%のものであった(表2)。
【0040】
<製造例3>
[成分(A)(PP3)の製造]
上記のPP1の条件におけるプロピレンの重合過程で水素量を1600mlとした以外は同様の条件で重合操作を行なって、MFR=300(g/10分)のプロピレン重合体を得て、そのまま抽出せずに試料とした。このものの[mmmm]は98%であった(表1)。
【0041】
<製造例4>
[成分(B)(EPR50A、B、D、F、I、およびJ)の製造]
EPR50(エチレン/プロピレン=50/50)の共重合体の合成
エチレン−プロピレン−水素(体積比49.6:49.6:0.8)の混合ガスで置換した内温65℃、内容積1Lの攪拌式オートクレーブに、ヘプタン500mLを入れ、さらに上述の混合ガスを追加して内圧0kg/cm2 Gとした。このオートクレーブに、メチルイソブチルアルモキサンをA1原子換算で5.0mmol、ジメチルシリレン(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリドを5.0μmol導入し、その後内圧が0.2kg/cm2 Gとなるようにエチレン−プロピレン−水素(体積比49.2:49.2:1.6)の混合ガスを追加導入しつつ83分重合操作を行った。生成したポリマーのヘプタン溶液からヘプタンを留去して24gのポリマーを得た。数平均分子量(Mn)は1500、重量平均分子量(Mw)は36200、分子量分布(Mw/Mn)は2.41であった。
このようにして得られたエチレンプロピレン共重合体(EPR1)は、エチレン含有量が全体で47mol%で、組成変動率が2%のものであった。Mw/Mnは2.0であった。
得られたエチレンプロピレン共重合体についてクロロホルム5%溶液として、日本分析工業社製 LC908分種GPC、同社製カラムAJ3Hを用いて表1、表2記載の各分子量毎に分取した。分取エチレン含量50%のエチレンプロピレン共重合体からEPR50J、EPR50I、EPR50F、EPR50D、EPR50B、EPR50Aを得た(表1、表2)。
【0042】
<製造例5>
[成分(B)(EPR25A、DおよびEPR25W)の製造]
EPR25
(エチレン/プロピレン=75/25)の共重合体の合成
エチレン−プロピレン−水素(体積比18.6:79.2:2.2)の混合ガスで置換した内温65℃、内容積1Lの攪拌式オートクレーブに、ヘプタン500mLを入れ、さらに上述の混合ガスを追加して内圧0kg/cm2 Gとした。このオートクレーブにメチルイソブチルアルモキサンをAl原子換算で5.0mmol、ジメチルシリレン(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリドを5.0μmol導入し、その後内圧が0.2kg/cm2 Gとなるようにエチレン−プロピレン−水素(体積比18.6:79.2:2.2)の混合ガスを追加導入しつつ72分重合操作を行った。生成したポリマーのヘプタン溶液からヘプタンを留去して10gのポリマーを得た。
このようにして得られたエチレンプロピレン共重合体(EPR25)はエチレン含有量が25mol%であり、組成変動率が1%のものであった。Mw/Mnは2.1であった。また、前記のEPR25をクロロホルムに溶解後、濾過して触媒残渣を取りのぞき、乾燥固化してEPR25Wとした。
前述にて得られたエチレンプロピレン共重合体(EPR25)についてクロロホルム5%溶液として、日本分析工業社製 LC908分種GPC、同社製カラムAJ3Hを用いて表1記載の各分子量毎に分取した。分取エチレン含量50%のエチレンプロピレン共重合体からEPR25A、EPR25Dを得た(表1)。
【0043】
<実施例1>
前記のPP1(密度0.91g/cm3 )にEPR50D(密度0.86g/cm3 )を20容量%になるように添加し、酸化防止剤を全ポリマーに対して0.1重量%添加した。これを135℃の熱キシレン2%溶液として15分間恒温攪拌して、均一溶液とした。これにキシレンの10倍量のドライアイス/メタノールに熱キシレン溶液を投じ、沈殿析出物を濾過後、常温にて真空乾燥した。
得られた試料をガラススライド上に置き135℃で球晶の成長速度Gを観察した。
【0044】
<実施例2〜6>
表4に示される通りに、成分(A)および成分(B)を配合して得られた樹脂組成物(実施例2〜6)について、実施例1と同様に135℃で球晶の成長速度Gを観察した。
【0045】
<比較例1>
前記のPP1に対して酸化防止剤IRGANOX1010を0.1重量%添加した。これを135℃の熱キシレン2%溶液として15分間恒温攪拌して、均一溶液とした。キシレンの10倍量のドライアイス/メタノールに熱キシレン溶液を投じ、沈殿析出物を濾過後、常温にて真空乾燥した。
得られた試料をガラススライド上に置き135℃で球晶の成長速度Gを観察した。
【0046】
<比較例2および3>
成分(A)としてPP2またはPP3を用いる以外は比較例1と同様にして135℃で球晶の成長速度Gを観察した。
【0047】
<比較例4>
前記のPP1に、EPR50Aを20重量%になるように添加し、酸化防止剤Irganox1010を全ポリマーに対して0.1重量%添加した。これを135℃の熱キシレン2%溶液として15分間恒温攪拌して、均一溶液とした。キシレンの10倍量のドライアイス/メタノールに熱キシレン溶液を投じ、沈殿析出物を濾過後、常温にて真空乾燥した。
得られた試料をガラススライド上に置き135℃で球晶の成長速度Gを観察した。
【0048】
<比較例5および6>
表4に示される通りに各成分を配合して得られた樹脂組成物(比較例5〜6)について、比較例4と同様に球晶の成長速度Gを観察した。
【0049】
<比較例7>
前記のPP2に、EPR50Bを40容量%になるよう添加し、酸化防止剤Irganox1010を全ポリマーに対して0.1重量%添加した。これを135℃の熱キシレン2%溶液として15分間恒温攪拌して、均一溶液とした。キシレンの10倍量のドライアイス/メタノールに熱キシレン溶液を投じ、沈殿析出物を濾過後、常温にて真空乾燥した。
得られた試料をガラススライド上に置き135℃で球晶の成長速度Gを観察した。
【0050】
<比較例8>
前記のPP3に、EPR50Bを20容量%になるよう添加し、酸化防止剤Irganox1010を全ポリマーに対して0.1重量%添加した。これを135℃の熱キシレン2%溶液として15分間恒温攪拌して、均一溶液とした。キシレンの10倍量のドライアイス/メタノールに熱キシレン溶液を投じ、沈殿析出物を濾過後、常温にて真空乾燥した。
得られた試料をガラススライド上に置き135℃で球晶の成長速度Gを観察した。
【0051】
【表1】
Figure 0004021042
【0052】
【表2】
Figure 0004021042
【0053】
【表3】
Figure 0004021042
【0054】
【表4】
Figure 0004021042
【0055】
【発明の効果】
本発明によるポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン重合体とエチレンプロピレン共重合体との相溶性が良好で、ポリプロピレン重合体の結晶化速度が十分抑制されているので、射出成形、押し出し成形など熱可塑性樹脂に対する種々の成形や接着あるいは粘着などの加工条件において、安定した軟質成形体を得ることができる。例えばプロテクトフィルムなどで軟質性、透明性、耐熱性などの必要に応じて、プロピレン重合体特性とエチレンプロピレン共重合体特性とを調和よく選定することが可能であることは、発明の概要の項において前記したところである。

Claims (1)

  1. 下記の成分(A)100重量部と成分(B)20〜1000重量部とからなり、下記式〔I〕で算出されるkaiが0.01以上であることを特徴とする、ポリプロピレン樹脂組成物。
    成分(A):下記の条件(a)〜(c)を充足するプロピレン重合体。
    条件(a):立体規則性の指標であるアイソタクティックペンタッド連鎖(mmmm)の分率が97%以上であること、
    条件(b):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とから計算される分子量分布の指標であるMw/Mn(Q値)が4以下であること、
    条件(c):重量平均分子量(Mw)が1000〜500000であること。
    成分(B):下記の条件(d)〜(g)を充足するエチレンプロピレン共重合体。
    条件(d):プロピレン含有量が30〜95モル%であること、
    条件(e):組成の分子量依存性において、平均組成からの変動が10%以下であること、
    条件(f):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とから計算される分子量分布の指標であるMw/Mn(Q値)が4以下であること、
    条件(g):重量平均分子量(Mw)が1000〜1000000であること。
    式〔I〕
    Figure 0004021042
    〔式中、mは成分(A)の重量平均重合度を示し、mは成分(B)の重量平均重合度を示す。〕
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