JP2005179415A - 液晶性ポリマー組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた摺動特性を有し、かつ良好な機械物性を有する成形体を与える液晶性ポリマー組成物を提供する。
【解決手段】 液晶性ポリマー(A) に対して、周期律表の1Aまたは2A族に属する金属の酸化物、過酸化物、複酸化物、及び炭酸化物から選ばれた少なくとも1種以上の化合物(B) 3〜60重量%(全組成物中)、重合後、一旦成形工程を経た後に粉末化され、一定条件下で流動を起こさないフッ素樹脂(C) 0.1〜30重量%(全組成物中)を配合する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、優れた摺動特性を有し、かつ良好な機械物性を有する成形体を与える液晶性ポリマー組成物に関する。
近年の軽薄短小化の進展に伴い、種々の機構部品用途においても、軽量化、コストダウンの要求が強まり、合成樹脂が使われることが多くなってきた。こうした、機構部品用途においては、良好な摺動特性が要求される場合も多く、従来から、ポリアセタール等の樹脂、あるいは、それらに固体潤滑剤、潤滑油等を摺動性改良材として添加した組成物等が使用されてきた。これらは、通常の機械使用温度雰囲気、たとえば、−40℃〜70℃の温度範囲においては良好な摺動特性を示すものの、高温多湿の条件下では、摩耗量の増大、寸法変化、変形などを起こし使用することができなくなる。また、OA機器や、電子部品などにおいて、部品の高密度化や表面実装等の組立工程における高温雰囲気下では、ポリアセタール等の汎用エンジニアリングプラスチックは、耐熱性が不足し、変形はおろか、溶融を起こして使用に耐えなかった。また、このような汎用エンジニアリングプラスチックでは、成形収縮率や線膨張係数が大きいため、小型精密機構部品などで要求される寸法精度を満足することができなかった。
一方、液晶性ポリマーは、耐熱性、機械的物性に優れた熱可塑性樹脂に近年需要を伸ばしている。このような液晶性ポリマーにガラス繊維等の充填材を配合し、上記摺動部品に適用することが試みられている。かかる摺動部品に要求される性能の一つとして、相手材が硬質部材であっても軟質部材であっても優れた摺動性(低摩擦係数)を示すと共に、自身および相手材を傷つけにくい(低磨耗量)という点が挙げられる。従来、特許文献1には、液晶ポリエステルに充填材としてガラス状炭素を用いることが提案されているが、この場合、相手材がステンレス鋼などの硬質の金属に対しては良好な摺動特性を示すものの、アルミニウムのような軟質金属に対しては、相手材を磨耗させてしまうため好ましくない。また、特許文献2には、液晶ポリエステルに充填剤として特定の金属酸化物、及び特定のフッ素樹脂を配合したものを用いることが提案されているが、磨耗量の低減に関してはその効果は十分とは言えなかった。
特開平4−4296号公報 特開平10−25402号公報
本発明は、以上の問題点を解決して、優れた摺動特性を有すると共に比摩耗量が少なく、かつ良好な機械物性を有する成形体を与える液晶性ポリマー組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、液晶性ポリマーに周期律表の1Aまたは2A族に属する金属の酸化物、過酸化物、複酸化物、及び炭酸化物から選ばれた少なくとも1種以上の化合物と、特定の限定されたフッ素樹脂とをそれぞれ特定量配合することにより上記目的が達成される液晶性ポリマー組成物が得られ、該組成物を用いることにより摺動特性に優れた摺動部品を提供し得ることを見出し本発明に至った。
即ち本発明は、液晶性ポリマー(A) に対して、周期律表の1Aまたは2A族に属する金属の酸化物、過酸化物、複酸化物、及び炭酸化物から選ばれた少なくとも1種以上の化合物(B) 3〜60重量%(全組成物中)、重合後、一旦成形工程を経た後に粉末化され、下記の試験条件で流動を起こさないフッ素樹脂(C) 0.1〜30重量%(全組成物中)を配合してなる液晶性ポリマー組成物である。
(フッ素樹脂の流動試験条件)
内径1mm、長さ20mmのノズルを持つキャピラリー式レオメーターを用い、360℃の条件で剪断速度を10sec-1から10000sec-1の範囲内で変化させる。
本発明の液晶性ポリマー組成物は、優れた摺動特性を示し、且つ良好な機械物性を有する成形品を与えることができ、優れた摺動部品を提供し得る。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で使用する液晶性ポリマー(A) とは、光学異方性溶融相を形成し得る性質を有する溶融加工性ポリマーを指す。異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣用の偏光検査法により確認することが出来る。より具体的には、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微鏡を使用し、Leitzホットステージに載せた溶融試料を窒素雰囲気下で40倍の倍率で観察することにより実施できる。本発明に適用できる液晶性ポリマーは直交偏光子の間で検査したときに、たとえ溶融静止状態であっても偏光は通常透過し、光学的に異方性を示す。
前記のような液晶性ポリマー(A) としては特に限定されないが、芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドであることが好ましく、芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドを同一分子鎖中に部分的に含むポリエステルもその範囲にある。これらは60℃でペンタフルオロフェノールに濃度0.1重量%で溶解したときに、好ましくは少なくとも約2.0dl/g、さらに好ましくは2.0〜10.0dl/gの対数粘度(I.V.)を有するものが使用される。
本発明に適用できる液晶性ポリマー(A) としての芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドとして特に好ましくは、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンの群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物を構成成分として有する芳香族ポリエステル、芳香族ポリエステルアミドである。
より具体的には、
(1)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上からなるポリエステル;
(2)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(b)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(c)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオールおよびその誘導体の少なくとも1種又は2種以上、とからなるポリエステル;
(3)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンおよびその誘導体の1種又は2種以上と、(c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上、とからなるポリエステルアミド;
(4)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンおよびその誘導体の1種又は2種以上と、(c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(d)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオールおよびその誘導体の少なくとも1種又は2種以上、とからなるポリエステルアミドなどが挙げられる。さらに上記の構成成分に必要に応じ分子量調整剤を併用してもよい。
本発明に適用できる前記液晶性ポリマー(A) を構成する具体的化合物の好ましい例としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、下記一般式(I)および下記一般式(II)で表される化合物等の芳香族ジオール;テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸および下記一般式(III)で表される化合物等の芳香族ジカルボン酸;p−アミノフェノール、p−フェニレンジアミン等の芳香族アミン類が挙げられる。
Figure 2005179415
(但し、X :アルキレン(C1〜C4)、アルキリデン、-O- 、-SO-、-SO- 、-S-、-CO-より選ばれる基、Y :-(CH)-(n =1〜4)、-O(CH)O-(n =1〜4)より選ばれる基)
本発明が適用される特に好ましい液晶性ポリマー(A) としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸からなる芳香族ヒドロキシカルボン酸を主構成単位成分とする芳香族ポリエステルおよび芳香族ポリエステルアミドである。
尚、本発明は、糸引き現象が発生しやすい、比較的溶融粘度の低い液晶性ポリマーに対して特に有効であり、具体的には、融点より10〜15℃高い温度での剪断速度1000sec-1の溶融粘度が5〜50Pa・sの液晶性ポリマーに著しい効果を発揮するものである。
次に、本発明で用いられる(B) 成分について説明する。本発明で用いられる周期律表の1Aまたは2A族に属する金属の酸化物、過酸化物は、一般式M2O、M’OまたはM’O2(これらの式中、Mは1A族、M’は2A族に属する金属元素である。)で表されるものである。特にMはNa、Kから選ばれたものが好ましく、M’はMg,Ca,Baから選ばれたものであることが好ましい。この例としては、和光純薬工業(株)より入手できる酸化カルシウム(99.9%)、酸化マグネシウム(重質、試薬特級)、酸化バリウム(化学用)、過酸化バリウム(和光一級)、協和化学工業(株)より入手できる商品名パイロキスマ3320、ミクロマグ3-30などが挙げられるがこれに限定されるものではない。
また、本発明で用いられる、周期律表の1Aまたは2A族に属する金属を含む複酸化物とは、一般式M2O・mM”O2・xH2O、pM’O・mM”O2・xH2O、M2O・pM'''23・mM”O2・xH2OまたはM2O・pM’OmM'''23・nM”O2・xH2O(これらの式中、Mは1A族に属する金属元素、M’は2A族に属する金属元素、M”は4価の金属元素、M'''は3価の金属元素、p,m,nは1以上の正数、xは0以上の正数)で表されるものである。特に、MはKであることが好ましく、M’はMg,Ca,Baから選ばれたものであることが好ましい。この例としては、タルク、ウォラストナイト、アタパルジャイト、セリサイト、マイカ、チタン酸カリウム、チタン酸バリウムなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また、本発明で用いられる、周期律表の1Aまたは2A族に属する金属を含む炭酸化物とは、一般式M2CO3、M’CO3またはM’・M”(CO32(これらの式中、Mは1A族、M’およびM”は2A族に属する金属元素)で表されるものである。特に、MはKであることが好ましく、M’およびM”はMg,Ca,Baから選ばれたものであることが好ましい。この例としては、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、ドロマイトなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらのうち、タルク、ウォラストナイト、ドロマイト、酸化マグネシウム、チタン酸カリウムであることが好ましく、ウォラストナイト、タルクであることが特に好ましい。これらは、単独で、または1種以上を同時に用いることができる。また、本発明で用いられる周期律表の1A、または2A族に属する金属の酸化物、過酸化物、複酸化物、及び炭酸化物から選ばれた少なくとも1種以上の化合物の粒子の大きさは、300メッシュパス以下のものが好ましい。300メッシュパスよりも大きい場合、液晶ポリエステルに摺動特性を付与する効果は、300メッシュパス以下のものとさほど変わらないが、成形品の外観、成形品中での均一分散性などの面から好ましくない。
本発明で用いられるフッ素樹脂(C) とは、分子中にフッ素原子を含むオレフィンからなる重合体で、具体的な例としてはポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEと略す)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリトリクロロフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体などであるが、特にPTFEが好ましい。
本発明で用いられるフッ素樹脂は、重合後、一旦焼成等の成形工程を経た後に粉末化され流動を起こさないことを特徴としている。流動を起こさないとは、具体的には、内径1mm、長さ20mmのノズルを持つキャピラリー式レオメーターを用い、360℃の条件で剪断速度を10sec-1から10000sec-1の範囲内で変化させるという流動試験条件の下で流動を起こさないものを意味する。該条件下で流動するフッ素樹脂は、摺動性改善の点で好ましくない。
また、フッ素樹脂の平均粒径は100μm 以下であることが摺動性改善のために望ましく、更に望ましくは30μm 以下のものである。このようなフッ素樹脂の例としては、(株)喜多村より入手できる商品名KT600M等が挙げられる。また、フッ素樹脂の粉末化の手法としては、機械的粉砕、放射線による粉砕等があるが、ガス発生の点で、機械的粉砕によるものが好ましい。
本発明の液晶性ポリマー組成物において、周期律表の1Aまたは2A族に属する金属の酸化物、過酸化物、複酸化物、及び炭酸化物から選ばれた少なくとも1種以上の化合物(B) の配合割合は3〜60重量%(全組成物中)であり、好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは20〜40重量%である。(B) 成分の配合割合が60重量%よりも多い場合は、成形加工時の流動性が悪くなり、良好な成形品を得ることが難しくなるため好ましくない。また、(B) 成分の配合割合が3重量%未満の場合は、十分な機械特性が得られないため好ましくない。
本発明の液晶性ポリマー組成物において、特定のフッ素樹脂(C) の配合割合は0.1〜30重量%(全組成物中)であり、好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは3〜10重量%である。フッ素樹脂の配合割合が30重量%より多い場合は、機械強度の低下や耐熱性の低下を招く好ましくない。また、フッ素樹脂の配合割合が0.1重量%未満の場合は、本発明の目的である摺動性の発現が十分ではないため好ましくない。
また、本発明の組成物には、液晶性ポリマー(A) に加え、本発明の効果を損なわない範囲で補助的に少量の異方性溶融相を形成しない熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を配合してもよい。このような異方性溶融相を形成しない樹脂は、液晶性ポリマー(A) と相溶であってもよいし、非相溶であってもよい。
異方性溶融相を形成しない熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデン、ポリスチレン、アクリル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、BS樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド等を挙げることができ、異方性溶融相を形成しない熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等を挙げることができる。
また、本発明の組成物には、必要に応じて、例えば可塑剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、難燃剤、染料や顔料等の着色剤、発泡剤、ジビニル系化合物、過酸化物や加硫剤等の架橋剤、流動性や離型性改善のための滑剤としての低分子有機化合物等を適宜配合することができる。
本発明の液晶性ポリマー組成物を製造するには、原料成分を前記組成割合で含有させ、混練すればよく、通常、押出機で混練し、ペレット状に押出し、射出成形等に用いるが、このような押出機による混練に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例中の物性の測定および試験は次の方法で行った。
(1) 摺動性試験
鈴木式摺動試験機を用い、内径20mm、外径25.6mm、高さ15mmの円筒状試験片を使用し、S55C製φ10mmのピンを相手材として、圧力3.92MPa、速度30cm/secの条件下で24時間摺動させた後の比磨耗量を測定した。
(2) 溶融粘度
φ1mm、L=20mmのオリフィスを使用し、温度360℃にて剪断速度1000sec-1の時の溶融粘度を測定した。
(3) 曲げ試験
ISO178に準拠し、曲げ強度の測定を行った。
実施例1〜6
液晶性ポリエステル(LCP;ポリプラスチックス(株)製、ベクトラE950i)と表1に示す成分を表1に示す割合でドライブレンドした後、二軸押出機((株)日本製鋼所製、TEX−30α型)にて溶融混練し、ペレット化した。このペレットから射出成形機により上記試験片を作成し、評価した。結果を表1に示す。
実施例で使用した各成分は以下のものである。
(B) 成分
・ウォラストナイト−1:Nyglos8(NYCO社製)
・ウォラストナイト−2:Nyglos5(NYCO社製)
・チタン酸カリウム:TISMO N(大塚化学社製)
・マイカ:A−41(山口雲母社製)
・タルク:クラウンタルクPP(松村産業社製)
(C) 成分
・PTFE−1:KT600M(喜多村社製;前記流動試験で流動せず)
・PTFE−2:KT400M(喜多村社製;前記流動試験で流動せず)
比較例1〜9
比較例として、(C) 成分を配合しない場合(比較例1〜4)、(B) 成分に代えてガラス繊維を用いた場合(比較例5)、本発明の要件を満たさないPTFE−3〜4を用いた場合(比較例6〜7)、成分(C) 、成分(B) の配合量が過大の場合(比較例6〜7)について、実施例と上記試験片を作成し、評価した。結果を表1に示す。
比較例で使用した各成分は以下のものである。
配合した量
(C) 成分(比較品)
・PTFE−3:セフラルルーブI(セントラル硝子製;前記流動試験で流動)
・PTFE−4:KTL610(喜多村社製;前記流動試験で流動)
その他
・ガラス繊維:CS03JA419(旭ファイバーグラス社製)
Figure 2005179415

Claims (5)

  1. 液晶性ポリマー(A) に対して、周期律表の1Aまたは2A族に属する金属の酸化物、過酸化物、複酸化物、及び炭酸化物から選ばれた少なくとも1種以上の化合物(B) 3〜60重量%(全組成物中)、重合後、一旦成形工程を経た後に粉末化され、下記の試験条件で流動を起こさないフッ素樹脂(C) 0.1〜30重量%(全組成物中)を配合してなる液晶性ポリマー組成物。
    (フッ素樹脂の流動試験条件)
    内径1mm、長さ20mmのノズルを持つキャピラリー式レオメーターを用い、360℃の条件で剪断速度を10sec-1から10000sec-1の範囲内で変化させる。
  2. 周期律表の1Aまたは2A族に属する金属の酸化物、過酸化物、複酸化物、及び炭酸化物から選ばれた少なくとも1種以上の化合物(B) が、タルク、ウォラストナイト、ドロマイト、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム、マイカから選ばれる少なくとも1種以上の化合物である請求項1記載の液晶性ポリマー組成物。
  3. フッ素樹脂(C) が、機械的粉砕により粉末化されたものである請求項1又は2記載の液晶性ポリマー組成物。
  4. 請求項1〜3の何れか1項記載の液晶性ポリマー組成物からなる成形品。
  5. 請求項1〜3の何れか1項記載の液晶性ポリマー組成物からなる摺動部品。
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