JP4884213B2 - 芳香族ポリカーボネート成形体及び樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、機械的特性、溶融安定性並びに難燃性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂成形体及び組成物に関する。更に詳しくは薄肉の成形体においてもこれらの特性に優れた難燃性の芳香族ポリカーボネート樹脂成形体及び組成物に関する。
芳香族ポリカーボネートは、耐衝撃性などの機械的特性に優れ、しかも耐熱性に優れた樹脂材料であることから、デスクトップパソコン及びノート型パソコンなどの各種コンピューター、プリンター、ワードプロセッサー、コピー機などのハウジング材料や部品材料などに広く利用されている。
近年、芳香族ポリカーボネートからなる成形体に関して、特にハウジングに使用する場合に軽量化を目的とした薄肉化が強く求められている。更に薄肉ハウジングとした場合、外部応力による変形や、内部部品による変形が起こりやすいために、芳香族ポリカーボネートに対して高い剛性と寸法精度が要求される。
芳香族ポリカーボネートの剛性や寸法精度を改良するために、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、マイカ、ワラストナイト等の無機化合物を、強化材及び/または充填材としてポリカーボネートに配合する方法が試みられている。
しかしながら、これらの無機化合物を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物では、成形加工時において、無機化合物により芳香族ポリカーボネートの分解劣化が促進されるという問題がある。特に、タルクやマイカなどの塩基性の無機化合物を使用した場合において、芳香族ポリカーボネートの溶融安定性が著しく低下し、材料の物性が大きく損なわれるという問題があった。
この問題に対して、特許文献1の特開平2−283760号公報ではリン化合物を併用することにより、特許文献2の特開平3−21664号公報では有機酸を併用することにより、また、特許文献3の特開平10−60248号公報では、スルホン酸ホスホニウム塩を併用することによって、芳香族ポリカーボネートの分子量の低下を抑制する方法が提案されているが、これらの方法では溶融安定性、特に高温での溶融安定性が不十分であることから、成形加工温度範囲が制限されるという問題があった。
一方、OA機器や電気・電子機器用として使用される芳香族ポリカーボネート樹脂組成物では、高い剛性と寸法精度だけでなく、高度な難燃性も求められており、最近では、環境に対する配慮から、難燃剤として、臭素系化合物あるいはリン系化合物を使用しない難燃性の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物による成形体が求められている。
特許文献4の特開2002−80709号公報では、芳香族ポリカーボネートに対して無機充填材、有機リン化合物難燃剤、及び有機酸アルカリ金属塩を配合した樹脂組成物において、0.8mm厚みの試験片においてUL94規格でV−0が達成されているが、リン系難燃剤を使用しており、また、同組成物を用いた成形体は高温高湿下での物性の低下が著しいという欠点がある。
特許文献5の特開2003−82218号公報や特許文献6の特開2003−268226号公報では、芳香族ポリカーボネートに対して有機酸金属塩、アルコキシシラン化合物、含フッ素ポリマー、無機充填剤、場合により更に、有機シロキサン化合物を配合した樹脂組成物が開示されている。同組成物は、有機シロキサン化合物を配合した場合において0.8mm厚みの試験片においてUL94規格でV−0が達成されているが、有機シロキサン化合物の熱安定性が不十分であるために、高い溶融樹脂温度では容易に変色する、揮発成分の発生量が多くなる等の欠点がある。
特許文献5の特開2003−82218号公報、特許文献6の特開2003−268226号公報では、芳香族ポリカーボネートに対してフッ素含有樹脂、及び珪酸塩化合物を配合した樹脂組成物が開示されているが、同組成物の難燃性、並びに溶融安定性は、十分なものではない。
すなわち、従来技術では、無機化合物を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物であって、難燃剤として、臭素系化合物あるいはリン系化合物を使用することなく、薄肉の成形体での高度難燃性(例えば、製品厚み0.7mm未満で、UL94規格でV−0を達成できるような高度な難燃性、または、0.1mm以下でVTM−0が達成できるような高度な難燃性)を有し、且つ、成形材料としての溶融安定性や機械的強度に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物による薄肉成形体は、未だ得られておらず、その開発が望まれていた。
更に、電気・電子部品の内部部材として難燃性、絶縁性を有する薄肉シート、フィルムの要求も高まっている。
特開平2−283760号公報 特開平3−21664号公報 特開平10−60248号公報 特開2002−80709号公報 特開2003−82218号公報 特開2003−268226号公報
本発明の課題は、機械的特性、溶融安定性並びに難燃性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂成形体、更に詳しくは薄肉の成形体においてもこれらの特性に優れた難燃性の芳香族ポリカーボネート樹脂成形体及び組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した。その結果驚くべき事に、芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂(A)、無機化合物(B)、有機酸性化合物および有機酸性化合物誘導体より選ばれる少なくとも1種の化合物(C)、有機酸アルカリ金属塩及び有機酸アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の有機酸金属塩(D)、を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を用いた成形体であって、特に薄肉成形体とした際に少なくとも一方向に配向するように成形した薄肉成形品が、従来技術と比較して非常に高い難燃レベルの難燃性(例えば、製品厚み0.7mm未満或いは0.5mm以下で、UL94規格でV−0またはVTM−0を達成できるような高度な難燃性)を、難燃剤として臭素系化合物あるいはリン系化合物を使用することなく達成できるだけでなく、飛躍的に向上した溶融安定性を有し、且つ耐湿熱性、剛性及び耐衝撃性に優れるということを見出した。
更に本発明の組成物及び成形体は薄肉の成形体において、効果を発揮する。一般にUL規格UL94におけるV−0及びVTM−0を達成するためには、成形品着火時に滴下物が発生しないように滴下防止剤を添加することが多い。しかしながら、V試験の薄肉成形体の場合、燃焼試験時に試験片の収縮が大きいとクランプまでの有炎燃焼が観察され、NC(NCは、non−classification(分類不能)の判定となることがある。これらの現象を鑑みた結果、本発明では滴下防止剤の量と成形品の配向性を制御することにより所望の難燃性を得ることを見出した。また、滴下が発生しても所定の時間内に着火した火が消えることで得られるV−2やVTM−2に関しては、V−0やVTM−0とは逆に滴下物があえて発生するように本発明の組成物に滴下防止剤を含まないほうが好ましいことも見出した。
これら新しい知見に基づき本発明を完成したものである。従って、本発明の1つの目的は、難燃剤として、臭素系化合物或いはリン系化合物を使用することなく高度な難燃性を有するポリカーボネート樹脂を提供することである。本発明の別の目的は、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を用いて、従来の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を用いて製造した薄肉成形体と比較して、極めて高度な難燃性を有するのみならず、優れた溶融安定性、耐湿熱性、剛性及び耐衝撃性を有する芳香族ポリカーボネート成形体を提供することである。
本発明の上記及びその他の諸目的、諸特徴並びに諸利益は、以下の詳細な説明及び請求の範囲の記載から明らかになる。
本発明の基本的な態様によれば、芳香族ポリカーボネートまたは芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂(A)100重量部に対して、無機化合物(B)0.1〜200重量部、有機酸性化合物および有機酸性化合物誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)0.001〜10重量部、有機酸アルカリ金属塩および有機酸アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩(D)0.001〜1重量部を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなるポリカーボネート薄肉成形体であって、該ポリカーボネート薄肉成形体の表面積の少なくとも50%に相当する部分が0.7mm未満の厚みを有し、かつ温度170℃雰囲気下に30分間放置した時に、該ポリカーボネート薄肉成形体の成形流動方向の収縮率S1(%)が下式(1)を満足するポリカーボネート薄肉成形体を提供できる。
−60 < S1 < −1 (1)式
次に本発明の理解を容易にするために、まずは発明の基本的特長及び好ましい諸態様を列挙する。
即ち、本発明は、下記1−の発明である。
1.芳香族ポリカーボネートまたは芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂(A)100重量部、無機化合物(B)0.1〜200重量部、有機酸性化合物および有機酸性化合物誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)0.001〜10重量部、及び有機酸アルカリ金属塩および有機酸アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩(D)0.001〜1重量部を含む樹脂組成物からなる少なくとも一方向に配向するように押出シート成形したシートあるいはフィルムの形状を有するポリカーボネート薄肉成形体であって、該ポリカーボネート薄肉成形体の表面積の少なくとも50%に相当する部分が0.5mm以下の厚みを有し、該ポリカーボネート薄肉成形体が、UL94規格における試験法にて、V−0またはVTM−0で示される難燃性を有し、かつ170℃の雰囲気下に30分間放置した時に、該ポリカーボネート薄肉成形体の成形流動方向の収縮率S1(%)が下式(1)を満足するポリカーボネート薄肉成形体。
−60 < S1 ≦ −10.5 (1)式
2.該ポリカーボネート薄肉成形体の複屈折率が、0.00001以上0.002以下である項目1に記載のポリカーボネート薄肉成形体。
3.該樹脂組成物が、更にフルオロポリマー(E)1重量部以下を含む項目1に記載のポリカーボネート薄肉成形体。
4.該化合物(C)が、該無機化合物(B)と該化合物(C)との混合物のpH値が4〜8となる量含まれている項目1に記載のポリカーボネート薄肉成形体。
5.該金属塩(D)の該樹脂組成物に占める割合がX重量%、該フルオロポリマー(E)のフッ素化合物成分の該樹脂組成物に占める割合がY重量%のとき、XとYが、(2)式かつ(3)式を満足する項目3に記載のポリカーボネート薄肉成形体。
0.15≦X≦0.5 (2)式
0.05≦Y≦0.4 (3)式
6.XとYが、(4)式かつ(5)式かつ(6)式を満足する項目5に記載のポリカーボネート薄肉成形体。
0.15≦X (4)式
0.05≦Y (5)式
X+Y≦0.5 (6)式
.該ポリカーボネート薄肉成形体が絶縁シートまたは絶縁フィルムである項目1に記載のポリカーボネート薄肉成形体。
.該ポリカーボネート薄肉成形体が、電気または電子機器用成形体である項目1に記載のポリカーボネート薄肉成形体。
本発明の薄肉成形体は、機械的特性、溶融安定性並びに難燃性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂成形体、更に詳しくは薄肉の成形体においてもこれらの特性に優れた難燃性の芳香族ポリカーボネート樹脂成形体及び組成物である。
本発明のシート押出成型の概念図である。 ダイを図1(a)の下部から見た時の概念図である。
以下、発明を詳細に説明する。
本発明において成分(A)は、芳香族ポリカーボネートまたは芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂である。
本発明において、芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂とは、該樹脂の総量を100重量部とした場合に該樹脂中の芳香族ポリカーボネートの量が50重量部を超えるものを意味する。成分(A)は芳香族ポリカーボネート単独でもよく、また、成分(A)は芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂を含有してもよい。
本発明の成分(A)として好ましく用いられる芳香族ポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物より誘導される芳香族ポリカーボネートであり、芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルスルフィド等のジヒドロキシアリールスルフィド類、4、4’−ジヒドロキシジフェニルスルオキシド、4、4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルスルホキシド等のジヒドロキシアリールスルホキシド類、4、4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3、3’−ジメチルフェニルスルホン等のジヒドロキシアリールスルホン類などを挙げることができる。
これらの中で、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称、ビスフェノールA)が特に好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の成分Aとして好ましく用いられる芳香族ポリカーボネートとしては、公知の方法で製造したものを使用することができる。具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応せしめる公知の方法、例えば芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(例えばホスゲン)を水酸化ナトリウム水溶液及び塩化メチレン溶媒の存在下に反応させる界面重合法(例えばホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(例えばジフェニルカーボネート)などを反応させるエステル交換法(溶融法)、ホスゲン法または溶融法で得られた結晶化カーボネートプレポリマーを固相重合する方法(特開平1−158033、特開平1−271426、特開平3−68627)などの方法により製造されたものを用いることができる。
本発明の成分(A)として使用される芳香族ポリカーボネートとして特に好ましいものは、二価フェノール(芳香族ジヒドロキシ化合物)と炭酸ジエステルとからエステル交換法にて製造された実質的に塩素原子を含まない芳香族ポリカーボネートである。
上記芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)は、通常、5,000〜500,000であり、好ましくは10,000〜100,000であり、より好ましくは13,000から50,000、更に好ましくは15,000〜30,000、特に好ましくは17,000〜26,000であり、最も好ましくは17,000〜23,000である。
本発明において、芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて行うことができ、テトラヒドロフランを溶媒として、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から下式による換算分子量較正曲線を用いて求めることができる。
MPC=0.3591MPS1.0388
(MPCは芳香族ポリカーボネートの分子量、MPSはポリスチレンの分子量)
また、本発明の(A)として、分子量が異なる2種類以上の芳香族ポリカーボネートを組み合わせて使用しても良い。例えば、Mwが通常14,000〜16,000の範囲にある光学ディスク用材料の芳香族ポリカーボネートと、Mwが通常20,000〜50,000の範囲にある射出成形用あるいは押出成形用の芳香族ポリカーボネートを組み合わせて使用することができる。
上記芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂(A)において、好ましく使用することができる芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS樹脂)、ブチルアクリレート・アクリロニトリル・スチレン樹脂(BAAS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン樹脂(MBS樹脂)、ブチルアクリレート・アクリロニトリル・スチレン樹脂(AAS樹脂)、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアリレート、コア/シェル型の耐衝撃性改良エラストマー、シリコーンエラストマーなどの熱可塑性樹脂を挙げることができる。特にAS樹脂、BAAS樹脂は流動性を向上させるのに好ましく、ABS樹脂、MBS樹脂は耐衝撃性を向上させるのに好ましく、またポリエステル樹脂は耐薬品性を向上させるのに好ましい。
上記ポリカーボネートを主体とする樹脂(A)において、芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂の使用量は、成分(A)の総量100重量部に対して、0.1〜30重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜15重量部である。
本発明において成分(B)は、無機化合物である。なお、成分(B)は、固体無機化合物であることが好ましい。
本発明において、成分(B)の使用により、樹脂組成物の高度な難燃性を獲得できると共に、組成物の剛性や強度の向上(強化材としての機能)や、寸法精度の向上(充填材としての機能)を図ることもできる。
本発明において成分(B)としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カルシウムウィスカー、ロックウール、窒化ケイ素ウィスカー、ボロン繊維、テトラポット状酸化亜鉛ウィスカー、ワラステナイトなどを挙げることができる。
板状の成分(B)としては、例えば、タルク、マイカ、パールマイカ、ガラスフレーク、カオリンなどを挙げることができる。
球状(もしくは擬球状)の成分(B)としては、例えば、ガラスビーズ、ガラスバルーン、カーボンブラック、ガラスパウダー、シリカ(天然シリカ及び合成シリカ)等を挙げることができる。
本発明で使用される成分(B)としては、本発明の樹脂組成物における芳香族ポリカーボネートとの界面親和力を向上させるために表面改質されているものを使用することもできる。ここでいう表面改質は、あらかじめ新油性の有機化合物を吸着させる方法や、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤で処理する方法によって行うことができる。
本発明では、成分(B)として、炭素繊維、またはタルク、マイカ、パールマイカ、ワラステナイト、カオリン、ガラス繊維、ガラスフレーク等の珪酸塩化合物が好ましい。
本発明の成分(B)としてより好ましく使用することができる上記珪酸塩化合物の中でも特に好ましい珪酸塩化合物は、金属酸化物成分とSiO成分とからなる珪酸塩化合物である。成分(B)として使用することができる珪酸塩化合物中に存在する珪酸イオンの形態としては、オルトシリケート、ジシリケート、環状シリケート、鎖状シリケート、層状シリケート等のいずれの形態であっても良い。
上記珪酸塩化合物は、複合酸化物、酸素酸塩、固溶体のいずれの化合物でも良く、更に複合酸化物は2種類以上の異なる単一酸化物の組み合わせ、及び単一酸化物と酸素酸塩との組み合わせのいずれであってもよく、更に固溶体は2種類以上の異なる金属酸化物の固溶体、及び2種類以上の異なる酸素酸塩の固溶体のいずれであっても良い。
また、上記珪酸塩化合物は水和物であっても良い。水和物における結晶水の形態は、Si−OHの形で水素珪酸イオンとして含まれるもの、金属陽イオンに対して水酸イオン(OH−)として含まれるもの、構造の隙間に水分子として含まれるものなどいずれであってもよい。
また、上記珪酸塩化合物は、天然物及び人工合成物のいずれも使用することができる。人工合成物としては、従来公知の各種の方法、例えば固体反応、水熱反応、及び超高圧反応などを利用した各種の合成法から得られた珪酸塩化合物が利用できる。
本発明の成分(B)として特に好ましく使用される珪酸塩化合物は、好ましくはその組成が実質的に下記式(10)で示されるものである。
xMO・ySiO・zHO (10)
(ここでx及びyは自然数を表し、zは0以上の整数を表し、MOは金属酸化物成分を表し、複数の異なる金属酸化物成分であっても良い。)
上記金属酸化物MOにおける金属Mの例としては、カリウム、ナトリウム、リチウム、バリウム、カルシウム、亜鉛、マンガン、鉄、コバルト、マグネシウム、ジルコニウム、アルミニウム、チタンなどを上げることができる。
上記式(1)の珪酸塩化合物は、金属酸化物MOとして、CaO及び/またはMgOを含むことが好ましく、実質的にCaO及び/又はMgOのみを含むことが更に好ましく、実質的にMgOのみを含むことが特に好ましい。
本発明の成分(B)として好ましく使用される珪酸塩化合物の具体例としては、タルク、マイカ、ワラステナイト、ゾノトライト、カオリンクレー、モンモリロナイト、ベントナイト、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ローソナイト、スメクタイト等を挙げることができる。
また、上記したように珪酸塩化合物は、任意の形状(板状、針状、球状、繊維状等)のものが使用できるが、板状、針状及び繊維状のものが好ましく、中でも特に、板状の粒子であるものが本発明の成分(B)として最も好ましく使用できる。ここで板状の粒子とは、下記の方法で求めた、板状の成分(B)のメディアン径として求められる平均粒子径を(a)とし、厚みを(c)とした場合に、(a)/(c)の比が5〜500である形状のものであり、好ましくは(a)/(c)の比が10〜300、更に好ましくは20〜200である形状のものである。
本発明において、成分(B)の上記の平均粒子径(a)は、0.001〜500μmが好ましく、0.01〜100μmがより好ましく、0.1〜50μmが更に好ましく、1〜30μmが特に好ましい。
尚、上記の平均粒子径は、成分(B)の粒子径のおよその分布範囲により、以下2つの方法のいずれかを用いて測定する。
成分(B)の粒子径がおよそ0.001〜0.1μmの範囲に分布する場合は、透過型電子顕微鏡の観察写真を撮影し、得られた顕微鏡写真から、樹脂組成物中における100個以上の個々の無機化合物粒子に対して、写真上での各粒子の面積をそれぞれ計測し、S(上記写真上での面積を顕微鏡の倍率で除した値)を用いて(4S/π)0.5を各粒子の粒子径として求め、数平均粒子径を平均粒子径(a)とする。
成分(B)の粒子径がおよそ0.1〜300μmの範囲分布する場合は、レーザー回折法により(例えば、日本国島津製作所製SALD−2000を使用して)粒子径を計測し、メディアン径を平均粒子径とする。
本発明において、板状の成分(B)の厚み(c)は、0.01〜100μmが好ましく、0.03〜10μmがより好ましく、0.05〜5μmが更に好ましく、0.1〜3μmが特に好ましい。
成分(B)として用いる板状粒子の厚み(c)は、例えば透過型電子顕微鏡の観察写真を撮影し、得られた顕微鏡写真から、樹脂組成物中における10個以上の個々の粒子に対して、写真上での各粒子の厚みをそれぞれ計測し、上記写真上での厚みを顕微鏡の倍率で除した値を各粒子の厚みとして求め、その平均値を厚み(c)とする。
本発明の成分(B)として使用することができる板状の珪酸塩化合物の中でも、特に好ましいものは、タルク、及びマイカである。
本発明の成分(B)として、特に好ましく使用できるタルクとは、層状構造を持つ含水珪酸マグネシウムであり、化学式4SiO・3MgO・HOで表され、通常、SiO約63重量%、MgO約32重量%、HO約5重量%、その他Fe、CaO、Alなどを含有しており、比重は約2.7である。
また、本発明の成分(B)として、焼成タルクや、塩酸や硫酸等の酸で洗浄して不純物を除いたタルクなども好ましく使用することができる。さらに、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等で表面疎水性処理を行ったタルクも使用することができる。
一方、本発明の成分(B)として、特に好ましく使用できるマイカとは、アルミニウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、鉄などを含んだ珪酸塩鉱物の粉砕物である。マイカには白雲母(マスコバルト、化学式:K(AlSi10)(OH)Al(AlSi10)K)、金雲母(フロゴパイト、化学式K(AlSi10)(OH)Mg(OH)(AlSi10)K),黒雲母(バイオタイト、化学式K(AlSi10)(OH)(Mg,Fe)(OH)(AlSi10)K)、人造雲母(フッ素金雲母、化学式K(AlSi10)(OH)Mg(AlSi10)K)等があり、本発明においてはいずれのマイカも使用できるが、好ましくは白雲母である。
また、かかるマイカはシランカップリング剤やチタネートカップリング剤等で表面疎水性処理されていても良い。
本発明において成分(B)の使用量は、成分(A)100重量部に対して0.1〜200重量部であり、0.3〜100重量部が好ましく、0.5〜50重量部がより好ましく、0.8〜30重量部が更に好ましく、1〜20重量部が特に好ましい。成分(B)が200重量部を超える場合、溶融安定性の低下が顕著となり、樹脂組成物の機械的物性の低下が大きい。また、成分(B)が0.1重量部未満の場合、樹脂組成物の難燃性が低下する傾向にあり、本発明の目的とする高い難燃性が達成できない。
また、本発明において成分(B)として、板状の形態であるもの、例えば、タルク及びマイカを使用する場合は、薄肉の成形体であってもとりわけ優れた難燃性を達成できるとともに、樹脂組成物の耐衝撃性、寸法安定性、絶縁性や耐トラッキング性等の電気的特性も向上させることができるので本発明の実施形態として最も好ましい。
本発明で用いられる成分(C)は、有機酸性化合物および有機酸性化合物誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物である。また、成分(C)は、有機酸、有機酸エステル、有機酸無水物、有機酸ホスホニウム塩、有機酸アンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
本発明において成分(C)の使用量は、成分(A)100重量部に対して0.001〜10重量部であり、0.001〜3重量部であることが好ましく、0.005〜2重量部が更に好ましく、0.01〜1重量部が更に好ましく、0.05〜0.8重量部が更に好ましく、0.08〜0.5重量部が特に好ましい。成分(C)が10重量部を超える場合、あるいは0.001重量部未満の場合は溶融安定性の低下が顕著となり、樹脂組成物の機械的物性の低下が大きく、また、樹脂組成物の難燃性が低下する傾向にあり、本発明の目的とする高い難燃性が達成できない。
本発明では成分(C)を成分(B)と組み合わせて使用し、成分(C)の使用量を、成分(B)と成分(C)との混合物のpH値が4〜8の範囲となるように調整することにより、樹脂組成物の難燃性や溶融安定性を飛躍的に向上させることができ、特に好ましい。
本発明の成分(C)として用いられる有機酸性化合物は、有機酸であることが好ましい。また、有機酸としては、−SOH基、−COOH基、及び−POH基からなる群から選ばれる基を分子構造中に少なくとも1つ含む有機化合物、即ち有機スルホン酸、有機カルボン酸、有機リン酸であることが好ましい。本発明ではこれらの中でも有機スルホン酸、有機カルボン酸が好ましく、特に有機スルホン酸が好ましい。
また、本発明の成分(C)として用いられる有機酸性化合物誘導体は、有機酸エステル、有機酸無水物、有機酸ホスホニウム塩及び有機酸アンモニウム塩であることが好ましい。これらは、上記有機酸の誘導体である。上記有機酸誘導体は、樹脂組成物を成形する際に分解し、酸として機能すると考えられる。従って例えば成分(B)として、塩基性を示す無機化合物を用いた場合、成分(C)はこれを中和する機能を発揮するものと考えられる。即ち本発明の組成物において、成分(C)はpH調節機能を発揮するものである。
上記化合物(C)は、単量体などの低分子化合物のみならず、オリゴマー状あるいはポリマー状のものを使用することができる。
本発明において、成分(C)は二種以上を併用することもできる。
本発明の成分(C)として、特に、有機スルホン酸及び/または有機スルホン酸エステル、有機スルホン酸ホスホニウム塩、有機スルホン酸アンモニウム塩から選ばれる有機スルホン酸誘導体、有機カルボン酸を好ましく使用することができる。
中でも、成分(C)として有機スルホン酸及び/または有機スルホン酸エステルを使用する場合には、樹脂組成物の溶融安定性が特に優れており、揮発成分の発生も低レベルに抑えることができるために、広い温度範囲で成形加工が行えると共に、成形品の外観にも極めて優れている。
本発明の成分(C)として、好ましく使用することができる有機スルホン酸として、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸、ジイソブチルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などの方向族スルホン酸、炭素数8〜18の脂肪族スルホン酸、スルホン化ポリスチレン、アクリル酸メチル・スルホン化スチレン共重合体等のポリマーまたはオリゴマー状の有機スルホン酸などを挙げることができる。
さらに本発明において、成分(C)として好ましく使用される有機スルホン酸は、分子構造中に−SOH基の他に、−OH基、−NH基、−COOH基、ハロゲン基などを含む有機スルホン酸化合物であっても良く、たとえばナフトールスルホン酸、スルファミン酸、ナフチルアミンスルホン酸、スルホ安息香酸、クロル基により全置換もしくは部分置換された有機スルホン酸(クロル基含有有機スルホン酸)、フルオロ基により全置換もしくは部分置換された有機スルホン酸(フルオロ基含有有機スルホン酸)等を挙げることができる。
本発明において用いられる成分(C)として、芳香族スルホン酸化合物が特に好ましく、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などは最も好ましい例として挙げる事ができる。
本発明において、成分(C)の含有量は、成分(B)と成分(C)との混合物のpH値が、4〜8の範囲となる量が好ましい。本発明においてpH値は、JIS K5101に基づいて測定することができる。
JIS K5101のpH値の測定法では、操作法として煮沸法と常温法があるが、本発明では煮沸法を用いる。
また、本発明における成分(B)と成分(C)の混合物のpH値の測定では、成分(C)の水に対する溶解度が低い場合は、エタノールやイソプロピルアルコール等のアルコール類を懸濁液の分散剤として使用する。
本発明における成分(C)の使用量は、成分(B)の種類や形状や量、或いは成分(C)の種類に応じて変化する。
成分(C)の使用量は、成分(B)と成分(C)の混合物のpHが4.2〜7.8の範囲となる量であることがより好ましく、4.5〜7.2の範囲にあることがさらに好ましい。
本発明において、成分(D)は有機酸アルカリ金属および有機酸アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の有機酸金属塩である。成分(D)は、芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂(A)に対して、燃焼時に芳香族ポリカーボネートの脱炭酸反応を促進する作用がある。
本発明の成分(D)として好ましく用いられる有機酸金属塩は、有機スルホン酸の金属塩および/または硫酸エステルの金属塩であり、これらは単独の使用だけでなく2種類以上を混合して使用することも可能である。
本発明の成分(D)に含まれるアルカリ土類金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられ、アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カリウム、ストロンチウム、バリウムが挙げられる。本発明において、特に好ましいアルカリ金属はリチウム、ナトリウム、カリウムであり、最も好ましいのはナトリウム、カリウムである。
本発明で好ましく使用することができる上記有機スルホン酸の金属塩としては、脂肪族スルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩、芳香族スルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩などが挙げられる。尚、本明細書中で「アルカリ/アルカリ土類金属塩」は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩のいずれも含む意味で使用する。
脂肪族スルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩としては、炭素数1〜8のアルカンスルホン酸のアルカリ/アルカリ/アルカリ土類金属塩、またはかかるアルカンスルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩のアルキル基の一部がフッ素原子で置換されたスルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩、さらには炭素数1〜8のパーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩を好ましく使用することができ、特に好ましい具体例として、パーフルオロエタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩を挙げることができる。
本発明における成分(D)の中で、より好ましいアルカリ/アルカリ土類金属塩として、芳香族スルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩およびパーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩を挙げることができる。
本発明において成分(D)の使用量は、成分(A)100重量部に対して0.001〜1重量部であり、0.01〜0.9重量部が好ましく、0.1〜0.8重量部が更に好ましく、0.4〜0.7が最も好ましい。成分(D)が1重量部を超える場合、溶融安定性の低下が顕著であり、樹脂組成物の機械的物性の低下が大きい。また成分(D)が0.001重量部未満の場合、樹脂組成物の難燃性が低下する傾向にあり、本発明の目的とする高い難燃性を達成できない。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、フルオロポリマー(E)を含んでもよい。これは、燃焼物の滴下を防止する目的で使用される。本発明で好ましく使用することができるフルオロポリマーは、フィブリル形成能力を有するフルオロポリマーであり、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・プロピレン共重合体のテトラフルオロエチレンポリマーを好ましく使用することができ、特に好ましくはポリテトラフルオロエチレンである。
フルオロポリマーは、ファインパウダー状のフルオロポリマー、フルオロポリマーの水性ディスパージョン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)やポリメチルメタクリレート(PMMA)等の第2の樹脂との紛体状混合物等、様様な形態のフルオロポリマーを使用することができる。
本発明で好ましく使用できるフルオロポリマーの水性ディスパージョンとして、三井デュポンフロロケミカル(株)製「テフロン30J(登録商標)」、ダイキン工業(株)製「ポリフロンD−1(登録商標)」、「ポリフロンD−2(登録商標)」、「ポリフロンD−2C(登録商標)」、「ポリフロンD−2CE(登録商標)」、を例示することができる。
また、フルオロポリマーとして、ASやPMMA等の第2の樹脂との紛体状混合物としたフルオロポリマーも好適に使用することができるが、これらの第2の樹脂との紛体状混合物としたフルオロポリマーに関する技術は、特開平9−95583号公報、特開平11−49912号公報、特開2000−143966号公報、特開2000−297189号公報等に開示されている。本発明において好ましく使用できる、これら第2の樹脂との紛体状混合物としたフルオロポリマーとして、米国GEスペシャリティケミカルズ製「Blendex 499(登録商標)」、三菱レーヨン(株)製「メタブレンA−3800(登録商標)」を例示することができる。
本発明におけるフルオロポリマー(E)の配合量は、成分(A)100重量部に対して1重量部以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5重量部以下、特に好ましくは0.2重量部以下である。また、フルオロポリマー(E)の配合量は、成分(A)100重量部に対して0.01〜1重量部であることが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.8重量部、特に好ましくは0.1〜0.7重量部である。本フルオロポリマーは、滴下防止剤として使用するものであり、薄肉成形品に配向性があり、フルオロポリマーを使用しなくても、燃焼時に滴下が防止されて所望の難燃性が得られる場合は使用する必要が無い。具体的には、所望の難燃性がUL94規格でV−2、あるいはVTM−2である場合、フルオロポリマーをあえて使用する必要は無い。
近年、環境問題から樹脂組成物中のハロゲン化合物含有量が少ない材料が望まれている。
しかしながら、ポリカーボネート製の薄肉成形品において安定かつV−0、VTM−0といった高度な難燃性を発現させるにはフッ素化合物を少量含有されることが有効であることを見出した。本発明における金属塩(D)がフッ素化合物である場合、該(D)成分の樹脂組成物に占める割合(X重量%)とフルオロポリマー(E)に占めるフッ素化合物成分の樹脂組成物に占める割合(Y重量%)の総和は、少ない方が望ましい。好ましくは、Xが0.15重量%以上、0.5重量%以下でかつ、Yが0.05重量%以上0.4重量%以下であることが望ましく、更に好ましくは、Xが0.15重量%以上かつYが0.05重量%以上かつX+Yが0.5重量%以下となる量である。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物では、必要に応じて、更に着色剤、滑剤、離型剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、導電材料などの添加剤を添加することもできる。
紫外線吸収剤は、ポリカーボネート樹脂に一般に使用されるものであれば特に制限は無く、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、などがあげられる。また、耐候性を更に改良するためにヒンダードアミン系の光安定剤や各種酸化防止剤を含んでも良い。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1’,3,3’−テトラメチルブチル)フェノン、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’, 5’−ジフェニル−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’, 5’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、メチル−3−[3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート−ポリエチレングリコールとの縮合物などが挙げられる。
上記添加剤の使用量は、樹脂組成物の総量100重量部に対して通常15重量部以下、好ましくは10重量部以下、より好ましくは3重量部以下、最も好ましくは1重量部以下である。
次に本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の樹脂組成物は上記の各成分(A)〜(D)、必要に応じて(E)やその他の成分を上記の組成割合で配合し、押出機等の溶融混練することにより得ることが出来る。このときの各構成成分の配合、および溶融混練は一般に使用されている装置、たとえばタンブラー、リボンブレンダー等の予備混合装置、単軸押出機や二軸押出機、コニーダー等の溶融混練装置を使用することが出来る。また、溶融混練装置への原材料の供給は、予め各成分を混合した後に供給することも可能である。それぞれの成分を独立して溶融混練装置に供給することも可能である。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造にあたり、成分(A)の形状に関しては特に制限は無いが、例えば、ペレット状、パウダー状、フレーク状などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物を製造するにあたり、成分(B)は、予めその表面及び内部を、成分(C)によって、共有結合、イオン結合、分子間力、水素結合等を介して、化学的または物理的に表面処理した後に、溶融混練装置に供給されることが好ましい。
成分(B)を成分(C)により、予め表面処理する方法としては、例えば以下の方法を示すことができる。成分(B)に対して、成分(C)を所定量配合し、必要により成分(C)は、溶融状態、溶液状態、あるいはガス状態として、噴霧、滴下、湿潤、浸漬などの方法により成分(B)に接触させ、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサー、Vブレンダー、タンブラー等の機械的混合装置を用いて混合攪拌処理を行い、しかる後に過剰成分の脱気及び乾燥処理を行う方法を例示することが出来る。該混合攪拌処理は、成分(C)の融点以下の温度で行っても良いが、成分(C)の融点以上の温度まで加熱昇温して行うことがより効果的である。該混合攪拌に要する時間は混合装置の種類にもよるが、通常1分〜3時間、好ましくは2分〜1時間、より好ましくは3分〜40分、更に好ましくは5分〜30分である。混合装置としては、加熱装置付きのヘンシェルミキサー、ナウターミキサーを特に好ましく使用することが出来る。また、混合攪拌処理の後に過剰の(C)成分を減圧及び/または過熱により脱揆除去し、十分に乾燥させることが好ましい。
本発明の樹脂組成物を製造するための溶融混練装置として、通常は押出機、好ましくは2軸押出機が使用される。成分(B)は押出機の途中からサイドフィードすることもできる。溶融混練は、通常、押出機のシリンダー設定温度を200〜300℃、好ましくは220〜270℃とし、押出機回転数100〜700rpm、好ましくは、200〜500rpmの範囲で適宜選択して行うことができるが、溶融混練に際し、過剰の発熱を与えないように配慮する。さらに、押出機の後段部分に開口部を設けて、開放脱揮、必要に応じて減圧脱揮を行うことも有効である。また、原料樹脂の押出機内滞留時間は通常、10〜60秒の範囲で適宜選択される。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品を得るための成形方法は通常の成型方法で良く、シート状の薄肉成形品を作成する場合には、シート押出、インフレーション成形、カレンダー成形が好ましく用いられる。また、射出成形、圧縮成形、射出圧縮成形、ブロー成形も用いることができる。特に好ましい薄肉成形体を得る方法は、射出成形、シート押出しが好ましく用いられる。射出成形の場合、薄肉成形品を作成するための特殊な手法として溶融樹脂内に窒素又は二酸化炭素を可塑剤として溶解させ、溶融樹脂の流動性を向上させる方法を用いても良い。窒素や二酸化炭素は、適宜射出成形機シリンダーにベント部を設けてそこから注入しても良い。また、成形品の転写性を向上させたり、前記窒素や二酸化炭酸を溶融樹脂に溶解した樹脂を金型内に充填するときの外観上の不具合(スワールマーク)を防止するために溶融樹脂を金型内に充填する前に、予め金型内に窒素ガスや二酸化炭素を充填しておいても良い。この場合、転写性を向上させる目的では、二酸化炭素が好ましく用いられる。
本発明における成形体は、特に薄肉成形品においてこれまでに達成することが困難であった高レベルの難燃効果を有する成形体とすることができる。具体的には、成形体表面の全面積の少なくとも50%に相当する部分が0.7mm未満の厚さを有する成形体、更には、成形体表面の全面積の少なくとも50%に相当する部分が、0.5mm以下の厚さを有する成形体においてもUL規格でV−0、V−1、V−2の難燃性、好ましくはV−0を有する成形体を挙げることができる。また、より薄肉のフィルムの場合、例えば0.4mm以下においてUL規格でVTM−0、VTM−1、VTM−2の難燃性、好ましくはVTM−0の難燃性を有する成形体を上げることができる。肉厚の下限値は、好ましくは、0.001mmであり、発明課題を総合加味して、より好ましくは、0.03mmである。成形体における全面積すなわち成形品面積とは、射出成形、射出圧縮成形等の凸型、凹型がある場合は、一般に外表面を形成する凹型の成形品を形成するキャビティ部分の面積を示す。また、シート押出等によってシート、フィルム状の成形体を作成する場合、該シートやフィルムの面積を示す。また、ブロー成形等のように成形品の片面のみが金型に接するものの成形体では、樹脂が接する外表面の面積を示す。
本発明における温度170℃雰囲気下に30分間放置した時に、成形流動方向の収縮率S1(%)が下式(1)となるポリカーボネート薄肉成形体とは、高温時にある一定範囲の収縮性を持った成形品を意味する。
−60 < S1 < −1 (1)式
収縮率の測定は、該シートから、JIS K6873 に準じた加熱伸縮率試験片(縦120mm、横120mm)を切り出す。切り出した加熱伸縮率試験片に、十字型の標線を付ける。標線は、押出方向に対する平行線(長さ100mm)と垂直線(100mm)を交差点がシートの中心となるような十字型とする。このシートを170℃雰囲気下に30分間放置し、取り出した成形品の収縮率を測定する。加熱収縮率の計算は、下式(11)を用いて算出した。
S=(l−l)/l×100 (11)
(但し、Sは加熱収縮率(%)、lは加熱前の標線間距離(mm)、lは加熱後の標線間距離(mm)を意味する。)
本発明による組成を有する薄肉成形体が、上記(11)式で示された一定の収縮率を有することにより、製品である薄肉成形品が火炎にさらされたときに、短い消炎時間を有することを見出した。収縮率が、−1%以上だと着火時に滴下を伴う恐れが大きく、逆に−60%以下だと着火時に成形体が縮みすぎて製品である薄肉成形体としての機能を失ってします。同時に、UL試験片においても収縮率が−1%以上だと着火時に滴下を伴い、V−0、V−1、VTM−0、VTM−1の達成が困難となり、逆に−60%以下だと燃焼試験時に成形体が縮みすぎてV試験不能(NOT−V)、VTM試験不能(NOT−VTM)といった結果となる。
本発明の収縮率の好ましい範囲としては、成形流動方向に対して−60%より大きく−1%より小さいこと、より好ましくは、成形流動方向に対して−30%より大きく−1%より小さいことである。
他の好ましい形態としては、2軸方向に収縮する薄肉成形体である。一般に押し出し成形にて作成されたシートやフィルムは、高温下(例えば本発明の薄肉成形体が170℃雰囲気下)に暴露されたときに成形方向と垂直方向の収縮率S2は、0%を超えることがある。そのために、製品において何らかの原因で火種がシートに接炎して着火した場合に二方向に収縮することによって炎を包み込むように消炎することが可能となる。
2軸方向に収縮する薄肉成形体の収縮率の好ましい範囲としては、成形流動方向の収縮率が、−60%より大きく−1%より小さいこと、成形垂直方向の収縮率が、−60%より大きく−1%より小さいことが望ましい。
2軸延伸の方法としては、シートを押し出し後に2軸の延伸しても良いし、押し出し方向は押し出し時に延伸して、押し出し後に押し出しと垂直方向のみ延伸しても良い。
本発明の薄肉成形体の好ましい別の特徴としては、複屈折率が所定の範囲にある成形体あって、該複屈折率が好ましくは0.00001以上0.002以下、より好ましくは、0.0001以上0.001以下である。
ここでいう複屈折率とは、下式(12)で表される数値である。
ΔN=Γ/d (12)
(但し、ΔNは複屈折率、Γはリターデイション、dは試験片厚みを意味する。)
ΔNは試験片に入射した光が、2方向に屈折し通過速度の速いほうの屈折率をNf、遅いほうをNsとした時の差(Ns−Nf)を意味する。式(12)からΔNはΓに比例し、試験片厚みに反比例する。本発明においてはΓを測定し、試験片厚みdで除した値として複屈折率ΔNを求めた。ΔNは成形品の配向の度合いを表し、配向が強いほど大きな値となる。また試験片の配向が強いほどS1、ΔNは大きくなることから、本発明における収縮率S1と複屈折率ΔNは相関があり、S1が大きい試験片ほどΔNが大きくなると考えられる。
また、本発明における組成物を用いた成形品では、フルオロポリマー(E)を用いない場合、あるいはフルオロポリマー(E)が0.2重量部以下、更に0.1重量部以下のごく少量の場合、少なくとも一方向に配向した薄肉成形体が望ましい。本発明の薄肉成形体は、シートあるいはフィルムの形状を有することが好ましい。また、シート、フィルム成形時に配向するように成形することにより顕著な効果がある。一般に射出成形では、流動方向に配向するために難燃試験時に収縮し、滴下が防止されることがある。これに対して延伸しない押出シート成形では、配向がかかりにくいために、滴下防止剤が効果的に効力を発揮せず、滴下現象が発生することがある。押出シート成形において、シートを延伸する方法の一例をあげると、樹脂が溶融状態にあるシート押出直後にロールの回転数を上げて押出し方向に樹脂を引き伸ばす方法や、押し出し直後の第一のロールとその後の第二以降のロール速度に差をつけて半溶融状態にあるシートを延伸する方法、更にシート材料がTg以下の固化状態にあるものを機械的に延伸する方法などが挙げられる。
本発明の成形品作成方法の具体例としては、シート押出しを上げることが出来、シートを作成するダイのスリット幅をW、最終製品のシート厚みをTとしたときに、 T/W<1になるように延伸した薄肉成形品が好まく、より好ましくは0.1<T/W<0.9、更に好ましくは、0.4<T/W<0.8である。
延伸させる方法としては、延伸射出ブローなども同様に使用することができる。
図1には、本発明で用いられるシート押出成形法の一例を示したものである。図中(A)は、シート押出成形の概念図を(B)は、ダイを(A)の下部から見た時の概略図を示したものである。ここでダイのスリット幅をW、薄肉成形体の肉厚をTとする。
ダイより押し出されたシート状の樹脂は、ロールA〜Iによって搬送される。成形体の肉厚は、ダイスリット幅Wとロールの回転数によって所望の肉厚成形品を得ることが出来る。ここで、Wが一定のとき、ロールの回転数を上げるほど成形品肉厚Tを薄くすることができる。また、A,B,Cの回転数よりもD移行のロールの回転数を上げることにより更に配向性の大きい延伸シートを作成することが可能となる。
成形品肉厚とは、上記成形品面積を形成する平面に対して垂直方向の肉厚をノギス、マイクロメーター、厚み計で測定した厚みのことを示す。
本発明の薄肉成形体の例としては、デスクトップパソコンやノート型パソコンなどのコンピューター部品、携帯電話部品、電気・電子機器、携帯情報端末、家電製品部品などに用いられる。特に、本発明の薄肉成形体は、絶縁フィルム、絶縁シートとすることが好ましい。更に近年薄肉成形体の要望が高まっているバッテリーケース、プラスチックフレームなども好適な用途として挙げることができる。
以下、実施例及び比較例において以下の成分(A)、(B)、(C)、(D)及びその他の成分を使用し、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を用いて薄肉成形体を作製した。
1.成分(A):芳香族ポリカーボネート
ビスフェノールAとジフェニルカーボネートから、溶融エステル交換法により製造されたビスフェノールA系ポリカーボネートであり、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを300ppm含むもの。
重量平均分子量(Mw)=21,500
フェノール性末端基比率(フェノール性末端基が全末端基数に占める割合)=32モル%
フェノール性末端基比率は、核基磁気共鳴法(NMR法)で測定した。
2.成分(B):無機化合物
以下の特性を有するタルク。
平均粒子径=5μm
白色度=96%
嵩比容積=2.3ml/g
比表面積=8.5m2/g
水分=0.2%
吸油量=51ml/100g
pH=9.3
平均粒子径測定方法は、島津製作所社製SALD−2000分析装置を使用し、レーザー回折法により各粒子に対する粒子径を測定し、タルクの平均粒子径はメディアン径とした。
白色度は、JIS P8123に準拠した測定方法で実施し、東洋精機製作所社製デジタルハンターSTにより測定した。
比表面積は気相吸着法によるBET法で測定し、島津製作所製フローソープ2300を用いて測定した。
水分はJISK 5101に準拠した測定方法で実施し、島津製作所社製STAC−5100を使用して測定した。
吸油量、及び嵩比容積はJIS K5101に準拠した測定方法で実施した。
pHは、JIS K5101規格に準拠したpH測定法(煮沸法)で実施した。
3.成分(C):有機酸性化合物および有機酸性化合物誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物
p−トルエンスルホン酸(特級試薬、和光純薬工業株式会社製)
4.成分(D):有機酸アルカリ金属塩及び有機酸アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の有機酸金属塩
パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩(大日本インキ工業(株)製、商品名「メガファックF114」)
5.その他の成分
(滴下防止剤)
フルオロポリマー
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)の50/50(重量比)紛体状混合物(米国GEスペシャリティケミカルズ社製、「Blendex 449」(登録商標))
(紫外線吸収剤)
ベンゾトリアゾール系の2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1’, 3,3’ −テトラメチルブチル)フェノンを用いた。(永光化学社製「Eversorb72」)
(離型剤)
ペンタエリスリトールテトラステアレート(日本国日本油脂(株)製、「ユニスターH476」(登録商標))
参考実施例1、実施例2〜6、及び、比較例1〜6
成分(A)、(B)、(C)、(D)及び、その他の成分を表1に示す量(単位は重量部)で二軸押出機を用いて溶融混練してポリカーボネート難燃樹脂組成物を得た。具体的な製造方法及び製造条件は以下の通りである。
表1、表2に表す組成比の成分(B)と成分(C)との混合物のpH値をJIS K5101に準拠して測定した結果、表1、表2に記載する値となった。
溶融混練装置は2軸押出機(ZSK−25、L/D=37、ドイツ国Werner&Pfleiderer社製)を使用して、シリンダー設定温度250℃、スクリュー回転数250rpm、混練樹脂の吐出速度20kg/hrの条件で溶融混練を行った。
溶融混練中に、押出機ダイ部で熱電対により測定した溶融樹脂の温度は260〜270℃であった。また、押出機の後段部分にベント口を設けて減圧脱揮(0.005MPa)を行った。
2軸押出機への原材料の投入は、成分(B)と成分(C)は、溶融混練を行う前に、表1に示す配合比率で、ジャケット温度200℃に設定した10リットルのヘンシェルミキサーに投入し、スクリュー回転数1,450rpmで10分間攪拌処理の予備混合処理を行ったものを使用した。尚、該予備混合処理のpH値をJIS K5101に準拠して測定したところ、表1、表2に示す結果となった。
得られた樹脂組成物のペレットを120℃で4時間乾燥し、所望厚みのシートを押出成形し、以下の各試験を実施した。
難燃性試験
所望の厚みのシートを、燃焼試験用短冊薄肉成形体として切り出し、試験片として使用した。試験片は、温度23℃、湿度50%の環境下に2日間保持した後、UL94規格に準じて50W(20mm)垂直燃焼試験を行い、V−0、V−1、V−2、NC(NCは、non−classification(分類不能))に分類した。
(難燃焼性の程度(左を良好とする):V−0>V−1>V−2>NC)
シートの押出はTダイを装着した65mm単軸押出機(GMエンジニアリング株式会社製 GM 65−25)により実施し、シリンダー設定温度270℃、スクリュー回転数15〜40rpm、吐出量10〜15kg/hrの条件にて、シートを成形した。装置構成の概念図は図1に示す。
シートを延伸する場合は、押出方向に1軸延伸、あるいは押出方向に対して垂直方向に1軸延伸した。得られたシートの収縮率、複屈折率は表1、2に示す値となった。
収縮率の測定
収縮率の測定は、作成シートから、JIS K6873 に準じた加熱伸縮率試験片(縦120mm、横120mm)を切り出し、押出方向に対する平行線(長さ100mm)と垂直線(100mm)との交差点が、シートの中心となるような十字型標線を標した。このシートを170℃雰囲気下に30分間放置し、取り出した成形品の収縮率を測定する。加熱収縮率の計算は、下式(11)を用いて算出した。
S=(l−l)/l×100 (11)
(但し、Sは加熱収縮率(%)、lは加熱前の標線間距離(mm)、lは加熱後の標線間距離(mm)を意味する。)
複屈折率の測定
複屈折率は、下式(12)を用いて算出した。
ΔN=Γ/d (12)
(但し、ΔNは複屈折率、Γはリターデイション、dは試験片厚みを表す。)
リターデイションの値はリターデイション測定装置(大塚電子株式会社製の形式RETS−100)を使用し、回転検光子法により10nm間隔に測定し、550nmの値を用いて算出した。試験片厚みはマイクロゲージにより測定した。
Tダイは、スリット幅0.8mm、スリット長さ380mmとした。
Tダイより押出されたシートは、ロールにより、ロール回転数0.8〜1.2m/minの範囲で調節し、吐出量とのバランスをとりながら所望の厚みのシートとした。ロールA、B、Cの設定温度は120℃とした。0.5mm肉厚の押出シートはT/W=0.625、0.4mm肉厚の押出シートはT/W=0.5であった。
成形したシートを、幅12.7mm、長さ127mm(但し、シート押出方向を長さ方向とした。)を切り出し、UL94Vテスト規格に準じて20mm垂直燃焼試験を行った。また幅50mm、長さ200mm(但し、シート押出方向を長さ方向とした。)を切り出し、UL94VTMテスト規格に準じて20mm垂直燃焼試験を行った。結果を表1、2に記す。
(*)押出方向に対して垂直方向に1軸延伸した試験片
(*)押出方向に1軸延伸した試験片
参考実施例1に示すようにフルオロポリマーを添加せず、押出方向に対して垂直方向に1軸延伸した場合、滴下が発生しV−0は困難であったが、試験片の着火部分がクランプまで縮みあがってNCとなることは無く、かつ滴下と同時に消炎しV−2を確実に取得するには有効であることがわかった。
実施例2では、0.4mm肉厚でも良好な難燃性V−0を示した。
実施例3、4、5、6、7では、収縮が大きく炎がクランプまで達するためVテストではNCであったが、VTMテストでは良好なVTM−0が得られた。
実施例4、5、6の組成物は紫外線吸収剤を添加したが、ブラックパネル温度63℃、照射及び噴霧の方法が120分間サイクル(雨有り)のサンシャインウェザーメーター暴露試験(JIS B 7753−1993)を2000時間実施した結果、参考実施例1、
実施例2、3の成形品に比べて耐候性に優れていることがわかった。参考実施例1、実施例2、3の組成物による成形品の表面には細かなクラックが認められたのに対して、実施例4、5,6の組成物による成形品の表面にはクラックは発生しなかった。
比較例1の組成では、消炎時間が長くなりVTMテストにおいても炎が標線まで達するためNCとなった。
比較例2の組成では、試験片の収縮が大きく、試験時の炎がクランプまで達したためNCとなった。
比較例3では、押出方向に対して1軸延伸した試験片の結果であるが、VTMテストにおいても試験片の収縮が大きく、試験時の炎が標線まで達したためNCとなった。
比較例4は、消炎効果が小さく滴下が発生し、なおかつ炎が標線まで達したためVTMテストにおいてもNCとなった。
比較例5は、消炎効果が小さく、炎が標線まで達したためVTMテストにおいてもNCとなった。
本発明の薄肉成形体は、機械的特性、溶融安定性並びに難燃性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂成形体、更に詳しくは薄肉の成形体においてもこれらの特性に優れた難燃性の芳香族ポリカーボネート成形体であった。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2004年4月27日出願の日本特許出願(特願2004−130819)、2004年6月15日出願の日本特許出願(特願2004−177241)、及び2004年10月29日出願の日本特許出願(特願2004−315059)、に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の薄肉成形体の例としては、デスクトップパソコンやノート型パソコンなどのコンピューター部品、携帯電話部品、電気・電子機器、携帯情報端末、家電製品部品などに用いられる。特に薄肉成形シートとしては、絶縁フィルム、絶縁シートなどが挙げられる。更に近年薄肉成形体の要望が高まっているバッテリーケース、プラスチックフレームなども好適な用途として挙げることができる。

Claims (8)

  1. 芳香族ポリカーボネートまたは芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂(A)100重量部、無機化合物(B)0.1〜200重量部、有機酸性化合物および有機酸性化合物誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)0.001〜10重量部、及び有機酸アルカリ金属塩および有機酸アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩(D)0.001〜1重量部を含む樹脂組成物からなる少なくとも一方向に配向するように押出シート成形したシートあるいはフィルムの形状を有するポリカーボネート薄肉成形体であって、該ポリカーボネート薄肉成形体の表面積の少なくとも50%に相当する部分が0.5mm以下の厚みを有し、該ポリカーボネート薄肉成形体が、UL94規格における試験法にて、V−0またはVTM−0で示される難燃性を有し、かつ170℃の雰囲気下に30分間放置した時に、該ポリカーボネート薄肉成形体の成形流動方向の収縮率S1(%)が下式(1)を満足するポリカーボネート薄肉成形体。
    −60 < S1 ≦ −10.5 (1)式
  2. 該ポリカーボネート薄肉成形体の複屈折率が、0.00001以上0.002以下である請求項1に記載のポリカーボネート薄肉成形体。
  3. 該樹脂組成物が、更にフルオロポリマー(E)1重量部以下を含む請求項1に記載のポリカーボネート薄肉成形体。
  4. 該化合物(C)が、該無機化合物(B)と該化合物(C)との混合物のpH値が4〜8となる量含まれている請求項1に記載のポリカーボネート薄肉成形体。
  5. 該金属塩(D)の該樹脂組成物に占める割合がX重量%、該フルオロポリマー(E)のフッ素化合物成分の該樹脂組成物に占める割合がY重量%のとき、XとYが、(2)式かつ(3)式を満足する請求項3に記載のポリカーボネート薄肉成形体。
    0.15≦X≦0.5 (2)式
    0.05≦Y≦0.4 (3)式
  6. XとYが、(4)式かつ(5)式かつ(6)式を満足する請求項5に記載のポリカーボネート薄肉成形体。
    0.15≦X (4)式
    0.05≦Y (5)式
    X+Y≦0.5 (6)式
  7. 該ポリカーボネート薄肉成形体が絶縁シートまたは絶縁フィルムである請求項1に記載のポリカーボネート薄肉成形体。
  8. 該ポリカーボネート薄肉成形体が、電気または電子機器用成形体である請求項1に記載のポリカーボネート薄肉成形体。
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