JP4360874B2 - 芳香族ポリカーボネート難燃樹脂組成物 - Google Patents
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Description
近年、芳香族ポリカーボネート材料に対して、軽量化を目的とした製品の薄肉化が求められており、このため薄肉成形体に対する高度な難燃性が求められている。同時に、環境に対する配慮から、臭素系難燃剤のみならず、リン系難燃剤を使用しない難燃性の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が求められている。
さらに、成形加工上の観点から溶融安定性に優れた成形加工温度範囲が広い芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が求められている。
臭素系難燃剤やリン系難燃剤を使用せずに難燃性の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を得る目的で、難燃剤としてシリコーン化合物や有機スルホン酸アルカリ金属塩を使用する試みが種々提案されているが、薄肉の成形体において優れた難燃性を有すると共に、溶融安定性、耐熱性、及び、表面光沢性が同時に優れる難燃性の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は未だ得られていないのが現状である。
また、国際公開(WO)第00/50511号公報では、芳香族ポリカーボネートに対してアルカリ土類金属スルフェート及び/またはオキサイドとフッ素化スルホン酸金属塩を含む組成物が開示されているが、珪酸塩化合物の使用に関する記載はない。
すなわち本発明は、下記[1]〜[3]である。
[3]該芳香族ポリカーボネート(A)の重量平均分子量(Mw)が15,000〜20,000であることを特徴とする前記[1]、[2]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
本発明の成分(A)として好ましく用いられる芳香族ポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物より誘導される芳香族ポリカーボネートであり、芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルフィド等のジヒドロキシアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルホキシド等のジヒドロキシアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルホン等のジヒドロキシアリールスルホン類、等を挙げることができる。
本発明の成分(A)として用いられる芳香族ポリカーボネートは、公知の方法で製造したものを使用することができる。具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応せしめる公知の方法、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(例えばホスゲン)を水酸化ナトリウム水溶液及び塩化メチレン溶媒の存在下に反応させる界面重合法(例えばホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(例えばジフェニルカーボネート)などを反応させるエステル交換法(溶融法)、ホスゲン法または溶融法で得られた結晶化カーボネートプレポリマーを固相重合する方法(特開平1−158033(米国特許第4,948,871号に対応)、特開平1−271426、特開平3−68627(米国特許第5,204,377号に対応))などの方法により製造されたものを用いることができる。
本発明の成分(A)として使用される芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)は、通常5,000〜500,000であり、10,000〜100,000が好ましく、11,000〜50,000がより好ましく、12,000〜30,000が更に好ましく、13,000〜25,000が特に好ましく、14,000〜22,000がとりわけ好ましく、15,000〜20,000が最も好ましい。
MPC=0.3591MPS 1.0388
(MPCは芳香族ポリカーボネートの分子量、MPSはポリスチレンの分子量)
成分(B)は複合酸化物、酸素酸塩、固溶体、のいずれの化合物でもよく、更に複合酸化物は単一酸化物の2種以上の組合せ、および単一酸化物と酸素酸塩との2種以上の組合せ、のいずれであってもよく、更に固溶体は2種以上の金属酸化物の固溶体、2種以上の酸素酸塩の固溶体、のいずれであってもよい。
また、成分(B)は、天然物および人工合成物のいずれも使用することができる。人工合成物としては、従来公知の各種の方法、例えば固体反応、水熱反応、および超高圧反応などを利用した各種の合成法、から得られた珪酸塩化合物が利用できる。
xMO・ySiO2・zH2O (1)
(ここでxおよびyは自然数を表し、zは0以上の整数を表し、MOは金属酸化物成分を表し、複数の金属酸化物成分であってもよい。)
上記金属酸化物MOにおける金属Mは、カリウム、ナトリウム、リチウム、バリウム、カルシウム、亜鉛、マンガン、鉄、コバルト、マグネシウム、ジルコニウム、アルミニウム、チタンなどを挙げることが出来る。
成分(B)の具体例としては、タルク、マイカ、ワラストナイト、ゾノトライト、カオリンクレー、モンモリロナイト、ベントナイト、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ローソナイト、スメクタイト、等を挙げることができる。
また、成分(B)は、任意の形状(板状、針状、粒状、繊維状等)のものが使用できるが、中でも、板状の形態であるものが本発明の成分(B)として最も好ましく使用できる。
尚、本発明でいう平均粒子径は成分(B)のおよその粒子径の分布範囲により、以下の方法を用いて測定する。
成分(B)の粒子径がおよそ0.001〜0.1μmの範囲に分布する場合は、透過型電子顕微鏡の観察写真を撮影し、100個以上の粒子に対して粒子の面積Sを求め、Sを用いて(4S/ π)0.5を各粒子の粒子径として求め、数平均粒子径を求める。
成分(B)の粒子径がおよそ0.1〜300μmの範囲に分布する場合は、レーザー回折法により(例えば、島津製作所製SALD−2000を使用して)平均粒子径を求める。
本発明の成分(B)として好ましく使用できるタルクとは、層状構造を持つ含水ケイ酸マグネシウムであり、化学式4SiO2・3MgO・2H2Oで表され、通常、SiO2 約63 重量%、MgO 約32%、H2O 約5重量%、その他Fe2O3、CaO、Al2O3などを含有しており、比重は約2.7である。
また、本発明の成分(B)として使用できるタルクとして、焼成タルクや、塩酸や硫酸等の酸で洗浄して不純物を除いたタルク、等も好ましく使用することができる。さらに、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等で表面疎水性処理を行ったタルクも使用することができる。
また、かかるマイカはシランカップリング剤やチタネートカップリング剤等で表面疎水性処理されていてもよい。
本発明において成分(B)の使用量は、成分(A)100重量部に対して0.01〜1重量部であり、0.05〜0.9重量部が好ましく、0.1〜0.8重量部がより好ましく、0.2〜0.7重量部が更に好ましく、0.3〜0.6重量部が特に好ましい。
本発明で用いられる成分(C)は、有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体であり、本発明では成分(C)を使用することにより、樹脂組成物の溶融安定性を飛躍的に向上させることができる。
前記「有機酸性化合物」とは、−SO3H基、−COOH基、−POH基、−SH基、−OH基からなる群から選ばれる基を分子構造中に少なくとも1つ含む有機化合物であり、これらの中でも、−SO3H基、−COOH基、−POH基からなる群から選ばれる基を分子構造中に少なくとも1つ含む有機化合物が好ましく、−SO3H基、−COOH基からなる群から選ばれる基を分子構造中に少なくとも1つ含む有機化合物がより好ましく、−SO3H基を分子構造中に少なくとも1つ含む有機化合物が特に好ましい。
前記「有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体」は、低分子化合物のみならず、オリゴマー状あるいはポリマー状のものを使用することができる。
本発明の成分(C)として、特に好ましく使用することができる有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体は、有機スルホン酸化合物および/または有機スルホン酸化合物誘導体である。
前記「有機スルホン酸化合物」とは、−SO3H基を分子構造中に少なくとも1つ含む有機化合物を表し、また、前記「有機スルホン酸化合物誘導体」とは、前記有機スルホン酸化合物から誘導される、スルホン酸エステル、スルホン酸アンモニウム塩、スルホン酸ホスホニウム塩、等を表す。
また、本発明の成分(C)として使用することができる有機スルホン酸化合物誘導体の中で、好ましく使用できるスルホン酸エステルとして、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸プロピル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸プロピル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸フェニル、ナフタレンスルホン酸メチル、ナフタレンスルホン酸エチル、ナフタレンスルホン酸プロピル、ナフタレンスルホン酸ブチル、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2−プロピル、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2−ブチル、等を挙げることができる。
本発明において、成分(C)として使用される有機スルホン酸化合物および/または有機スルホン酸化合物誘導体は、上記例示の化合物に限定されず、また、二種以上を併用することもできる。
本発明において用いられる成分(C)として、芳香族スルホン酸化合物を特に好ましく使用することができ、例えば、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、等はとりわけ好ましい。
すなわち、成分(C)の使用量は、成分(B)の種類や形状や量、あるいは成分(C)の種類によって変化する。
成分(C)の使用量は、成分(B)と成分(C)の混合物をJIS K5101に基づいてpH値を測定したときに、該混合物のpH値が4.2〜7.8の範囲となる重量部数である場合が好ましく、4.5〜7.6の範囲となる重量部数である場合がより好ましく、5.0〜7.4の範囲となる重量部数である場合が更に好ましく、5.5〜7.2の範囲となる重量部数である場合が特に好ましい。
本発明の成分(D)として好ましく用いられる有機アルカリ金属塩および有機アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩は、有機スルホン酸の金属塩、および/または、硫酸エステルの金属塩であり、これらは単独の使用だけでなく2種以上を混合して使用することも可能である。尚、本発明のアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられ、アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが挙げられ、特に好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウムである。
脂肪族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩としては、炭素数1〜8のアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩、またはかかるアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩のアルキル基の一部がフッ素原子で置換したスルホン酸アルカリ(土類)金属塩、さらには炭素数1〜8のパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ(土類)金属塩を好ましく使用することができ、特に好ましい具体例として、パーフルオロエタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩、を挙げることができる。
また、上記芳香族カルボン酸およびエステルのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、5−スルホイソフタル酸カリウム、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、ポリエチレンテレフタル酸ポリスルホン酸ポリナトリウムを挙げることができる。
また、上記モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸カリウム、ベンゼンスルホン酸ストロンチウム、ベンゼンスルホン酸マグネシウム、p−ベンゼンジスルホン酸ジカリウム、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸ジカリウム、ビフェニル−3,3’−ジスルホン酸カルシウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸カリウムを挙げることができる。
上記芳香族ケトンのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、α,α,α−トリフルオロアセトフェノン−4−スルホン酸ナトリウム、ベンゾフェノン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウムを挙げることができる。
上記芳香族スルホキサイドのスルホン酸アルカリ(土類)金属塩は、その好ましい例として、ジフェニルスルホキサイド−4−スルホン酸カリウムを挙げることができる。
上記芳香族スルホン酸アルカリ(土類)金属塩のメチレン型結合による縮合体は、その好ましい例として、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物を挙げることができる。
上記に挙げた成分(D)の中で、より好ましいアルカリ(土類)金属塩として、芳香族スルホン酸のアルカリ(土類)金属塩およびパーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ(土類)金属塩を挙げることができる。
本発明の成分(E)はフルオロポリマーであり、燃焼物の滴下を防止する目的で使用される。本発明で好ましく使用することができる成分(E)は、フィブリル形成能力を有するフルオロポリマーであり、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・プロピレン共重合体等のテトラフルオロエチレンポリマー、を好ましく使用することができ、特に好ましくはポリテトラフルオロエチレンである。
本発明で好ましく使用できるフルオロポリマーの水性ディスパージョンとして、三井デュポンフロロケミカル(株)製「テフロン(登録商標)30J」、ダイキン工業(株)製「ポリフロンD−1(登録商標)」、「ポリフロンD−2(登録商標)」、「ポリフロンD−2C(登録商標)」、「ポリフロンD−2CE(登録商標)」を例示することができる。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物では、成分(A)以外の樹脂成分、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS樹脂)、ブチルアクリレート・アクリロニトリル・スチレン樹脂(BAAS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン樹脂(MBS樹脂)、ブチルアクリレート・アクリロニトリル・スチレン樹脂(AAS樹脂)、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアリレート、コア/シェル型の耐衝撃性改良エラストマー、シリコーンエラストマー、等の熱可塑性樹脂を含むことができる。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物では、必要に応じて、さらに、着色剤、滑剤、離型剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などを添加することもできる。
次に、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の樹脂組成物は前記の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、必要に応じてその他の成分を本明細書記載の組成割合で配合し、押出機等の溶融混練装置を用いて溶融混練することにより得ることが出来る。このときの各構成成分の配合及び溶融混練は一般に使用されている装置、例えば、タンブラー、リボンブレンダー等の予備混合装置、単軸押出機や二軸押出機、コニーダー等の溶融混練装置を使用することが出来る。また、溶融混練装置への原材料の供給は、予め、全成分、もしくは特定の成分(例えば、粉体成分同士)で予備混合した後に、供給することも可能であるが、それぞれの成分を独立して溶融混練装置に供給することも可能である。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品を得るための成形方法は特に限定されないが、例えば、射出成形、ガスアシスト成形、押出成形、圧縮成形等が挙げられるが、中でも射出成形と押出成形が好ましく使用され、射出成形が特に好ましく使用される。
以下、実施例、及び比較例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例あるいは比較例においては、以下の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、及びその他の成分を使用し、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造した。
(A−1)
ビスフェノールAとジフェニルカーボネートから、溶融エステル交換法により製造された、ビスフェノールA系ポリカーボネートであり、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを400ppm、および、ホスファイト系熱安定剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを200ppm含むもの。
重量平均分子量(Mw)=19,000
フェノール性末端基比率(フェノール性末端基が全末端基数に占める割合)=35モル%
(B−1)
タルク(日本タルク(株)製 商標名「マイクロエースP3」、平均粒径5μm、嵩比容積2.3cm3/g、水分0.2wt%、pH9.0)
3.成分(C):有機酸性化合物および/または有機酸性化合物誘導体
(C−1)
p−トルエンスルホン酸(和光純薬工業株式会社製)
4.成分(D):有機アルカリ金属塩および有機アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩
パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩(大日本インキ化学工業(株)製 登録商標名「メガファックF−114」)
5.成分(E):フルロポリマー
(E−1)
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)の50/50(重量比)粉体状混合物(GEスペシャリティケミカルズ社製 登録商標名「Blendex449」)
6.その他の成分
(離型剤)
ぺンタエリスリトールテトラステアレート(日本油脂(株)製 登録商標名「ユニスターH476」)
成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、及びその他の成分を表1に示す量(単位は重量部)で二軸押出機を用いて溶融混練してポリカーボネート難燃樹脂組成物を得た。
表1に表す組成比の成分(B)と成分(C)の混合物のpH値をJIS K5101に準拠して測定した結果、表1に記載する値となった。
溶融混練装置として2軸押出機(ZSK−25、L/D=37、Werner & Pfleiderer社製)を使用して、シリンダー設定温度250℃、スクリュー回転数200rpm、混練樹脂の吐出速度10kg/Hrの条件で溶融混練を行った。
2軸押出機への原材料の投入は、成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、及びその他の成分を予め10分間タンブラーで予備ブレンドしたものをフィーダーにより投入した。また、押出機の後段部分にベント口を設けて減圧脱揮(0.005MPa)を行った。
得られたペレットを120℃で5時間乾燥し、射出成形機で成形し、以下の各試験を実施した。
シリンダー温度を300℃に設定した射出成形機(オートショット50D、ファナック社製)により、1/8インチ厚短冊片を成形し、得られた短冊片を切り出してJIS K7210に準じて、炉体温度300℃、荷重1.2kgにてMI値を測定した。これを(MI1)。
別途、シリンダー内部で樹脂組成物を20分溶融滞留させた後に成形した以外は全く上記と同じ方法で1/8インチ厚短冊片を成形し、得られた短冊片を切り出してMI値を測定した。これを(MI2)。
ISO 75−1に準じて荷重1.82MPa条件で荷重たわみ温度を測定した。試験片はシリンダー温度を280℃に設定した射出成形機(オートショット50D、ファナック社製)を用いて成形した。(単位:℃)
(3)表面光沢性測定
50mm×90mm×2.5mm(厚み)の鏡面を有する板状成形体を射出成形機(オートショット50D、ファナック社製)により、シリンダー設定温度280℃、金型設定温度80℃の条件で成形し、温度23℃、湿度50%の環境下に2日保持した後、スガ試験機(株)製デジタル変角光沢計を用いて、光源としてハロゲンランプを使用し、入射角60度、受光角60度の条件で成形体の表面光沢度を測定した。(単位:%)
燃焼試験用の短冊形状成形体(厚さ1.0mm)を射出成形機(オートショット100D、ファナック社製)により、シリンダー設定温度300℃、金型設定温度80℃の条件で成形し、温度23℃、湿度50%の環境下に2日保持した後、UL−94規格に準じて20mm垂直燃焼試験、並びに500W垂直燃焼試験を行い、5VB、V−0、V−1、V−2、NC(NCはnon-classification(分類不能))に分類した。
結果を表1に示す。
Claims (3)
- 芳香族ポリカーボネート(A)100重量部に対して、珪酸塩化合物(B)0.01〜1重量部、有機スルホン酸化合物および/または有機スルホン酸エステル、有機スルホン酸アンモニウム塩、有機スルホン酸ホスホニウム塩からなる群から選ばれる有機スルホン酸化合物誘導体(C)、有機アルカリ金属塩および有機アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩(D)0.001〜1重量部、フルオロポリマー(E)0.01〜1重量部を含む芳香族ポリカーボネート樹脂組成物であって、該成分(C)の重量部数が、該成分(B)と該成分(C)の混合物をJIS K5101に基づいてpH値を測定したときに、該混合物のpH値が4.0〜8.0となる重量部数であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 該珪酸塩化合物(B)が、タルク、マイカから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 該芳香族ポリカーボネート(A)の重量平均分子量(Mw)が15,000〜20,000であることを特徴とする請求項1又は2に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
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