JP2005179223A - 1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンの単離方法 - Google Patents

1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンの単離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子材料用高分子化合物の原料として有用な、無機イオン含量の少ない1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを作業性よく取得する方法を提供する。
【解決手段】 鉄ハロゲン化物触媒の存在下、1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンをヒドラジン類により還元することによって得られる反応生成物をアルコール溶液として得、これを濃縮し、濃縮液と水を混合することによって1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを晶出させ、これを分離することからなる1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンの単離方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、鉄ハロゲン化物触媒の存在下、1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンをヒドラジン類によって還元することによって得られる反応混合物から、無機イオン含量、とくにハロゲン含量の少ない1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを作業性よく取得する方法に関する。
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンは、電子材料用高分子化合物等の原料となる有用な化合物である。従来、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを製造する方法として、1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンを硫酸第一鉄で還元する方法(特許文献1)や白金触媒を用いて水素還元する方法(非特許文献1)などが知られていたが、還元剤に基づく多量の廃棄物処理が必要であるとか高価な耐圧反応釜を必要とするなどの問題があった。このため本発明者らは先に、これら問題点を有せず、工業的に有利に1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを製造する方法として、1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンをヒドラジン類により還元する方法を提案した(特願2003−295023号)。この製法においては、とくに好適な鉄ハロゲン化物触媒を用いたときに得られる1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを電子材料用高分子化合物の原料として使用するためには、無機イオン含量、とくにハロゲン含量の少ないものとする必要があった。
無機イオンを含有する反応混合物から無機イオン含量の低減された1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを回収する方法として、別の製法によるものは知られている。例えばピリジン溶媒中、塩化銅(I)及び炭酸カリウムの存在下、レゾルシンとm−ブロモアニリンの反応により得られる、臭化カリウム含有の反応混合物から、これを濃縮した後、トルエンを添加し、水洗浄して1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを回収する方法がある(特許文献2)。またピリジン溶媒中、塩化銅(I)触媒の存在下、m−アミノフェノールナトリウム塩とm−ジブロモベンゼンの反応によって得られる、臭化ナトリウム含有の反応混合物から、これを濃縮した後ベンゼンを添加し、苛性ソーダ水溶液、水などで洗浄後、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを回収する方法がある(特許文献3)。さらにトルエン/1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン混合溶媒中、水酸化ナトリウム共存下、3−アミノフェノールと1,3−ジフルオロベンゼンの反応により得られる、弗化ナトリウム含有の反応混合物を水に添加し、トルエン抽出後、トルエン層を水洗した後、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを回収する方法も知られている(特許文献4)。
これらいずれの方法も、反応混合物から目的物をベンゼン又はトルエン層に抽出して、水洗する方法であるが、これらの方法を、鉄ハロゲン化物触媒を用いた1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンのヒドラジン還元反応混合物に適用したところ、トルエン/水洗浄時にエマルジョン層が多量に発生し、分液性が悪く、そのため回収した1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン中の無機イオン含量を顕著に低減させることができないことが判った。
ドイツ公開特許第2462122号公報 WO92/12118公報 アメリカ特許第4222962号公報 特開2002−316970号公報 スィアリー パスカル(Thierry Pascal)他著、ポリマー(POLYMER)、1989年、30巻、p.739〜744
そこで本発明の目的は、鉄ハロゲン化物触媒を用いた1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンのヒドラジン類による還元反応混合物から、無機イオン含量、とりわけハロゲン含量の少ない1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを単離する方法を提供することにある。
すなわち本発明によれば、鉄ハロゲン化物触媒の存在下、1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンをヒドラジン類により還元することによって得られる反応生成物をアルコール溶液として得、これを濃縮し、得られた濃縮液と水を混合して1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを晶出させ、これを分離することを特徴とする1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンの単離方法が提供される。
本発明によれば、鉄ハロゲン化物触媒の存在下、1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンをヒドラジン類により還元することによって得られる反応混合物から作業性よく、無機イオン含量、とりわけハロゲン含量の少ない1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを得ることができる。とくに1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンとして、レゾルシンアルカリ金属塩とm−ブロモニトロベンゼンの反応によって製造されたものを原料に用いても、臭素含量の少ない1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを得ることができる。
本発明においては、鉄ハロゲン化物触媒の存在下、1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンをヒドラジン類により還元することによって得られる反応混合物から1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを回収するものである。この反応に使用される原料の1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンは、いかなる方法により製造されたものであってもよい。しかしながらハロゲン含量の少ないもの、例えばハロゲン含量が7000ppm以下、とくに好ましくは50ppm以下のものを原料にした場合には、ハロゲン含量のより低減された1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを単離することができるので好ましい。例えば、1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンとして、ピリジン溶媒中、レゾルシンナトリウム塩とm−ブロモニトロベンゼンをハロゲン化銅(I)の存在下で縮合させて得られたものを使用することができるが、この場合、この反応により得られる反応混合物を濃縮した後エステル系溶媒で希釈し、次いで無機塩を濾別した後濃縮し、さらにアルコール溶媒を添加して晶出させて回収した1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンを使用すると、無機塩含量、とくにナトリウム及びハロゲンイオン含量が少なく、したがって本発明を適用した場合に、一層無機塩含量の低減された1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを単離することができるので好ましい。
本発明の反応において還元剤として使用されるヒドラジン類としては、ヒドラジン、水加ヒドラジン、メチルヒドラジンなどを挙げることができる。これらヒドラジン類は、水溶液やアルコール溶液の形で用いることができる。特に好適なものは、水加ヒドラジンの60〜80質量%水溶液である。ヒドラジン類の使用量は、1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼン1モル当たり、2.0〜10モル、好ましくは2.5〜8.0モル、より好ましくは3.0〜5.0モルである。
還元反応で使用される鉄ハロゲン化物触媒としては、具体的には塩化第一鉄、臭化第一鉄、塩化第二鉄、臭化第二鉄、これらの水和物などであり、とくに塩化第二鉄の使用が好ましい。鉄ハロゲン化物触媒の使用量は、その種類によっても好適範囲は異なるが、例えば、1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼン1モル当たり、0.01〜0.3モル、とくに0.02〜0.10モルの範囲が好ましい。
上記ヒドラジン類による還元反応においては、溶媒を使用することが望ましい。使用可能な溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の炭素数1〜4の低級アルコール又はこれら有機溶媒と水の混合溶媒を挙げることができる。これら溶媒を使用する場合には、1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼン1質量部に対し、0.1〜30質量部、好ましくは1〜10質量部の割合で使用するのがよい。
上記還元反応においてはまた、収率及び/又は製品純度を高めるために、上記触媒と共に活性炭を使用するのが有効である。活性炭は、1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼン1質量部当たり、例えば0.01〜0.5質量部、好ましくは0.02〜0.2質量部の割合で使用するのが効果的である。
還元反応は、通常室温から溶媒の還流条件下までの温度範囲で行なわれる。また反応時間は、使用するヒドラジン類の種類や量、触媒の種類や量、反応温度等によって異なるが、通常10分から48時間の範囲である。
上記還元反応は、具体的には、溶媒、1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼン、鉄ハロゲン化物触媒及びヒドラジン類を反応容器に仕込んで所定の温度まで昇温して反応させる方法、溶媒、1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼン及び鉄ハロゲン化物触媒を反応容器に仕込んだ後、所定の温度まで昇温し、ヒドラジン類を滴下する方法、溶媒、1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼン及びヒドラジン類を反応容器に仕込んだ後、所定の温度まで昇温し、鉄ハロゲン化物触媒を添加する方法などによって行なうことができる。
本発明においては、上記反応で得られる反応生成物をアルコール溶液として得、これを処理原料として使用するものである。すなわち上記反応がアルコール溶媒中で行なわれた場合は、反応混合物は反応生成物のアルコール溶液として得られるので、反応混合物をそのまま処理原料として使用してもよく、また反応混合物にアルコール溶媒を添加して希釈したものを処理原料としてもよい。さらに反応が無溶媒で行なわれた場合には、反応混合物にアルコール溶媒を添加して、反応生成物のアルコール溶液を調製して処理原料として使用することができる。本発明においてはこのような反応生成物のアルコール溶液を濃縮するものであるが、反応において活性炭を使用した場合には、濃縮に先立って活性炭その他の不溶物を濾別しておくことが望ましく、これにより上記反応の触媒として用いた鉄ハロゲン化物の一部が除かれると共に、原料1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンがその製法に基づき銅イオンを含んでいた場合、銅イオンが除去されるので好ましい。さらに反応生成物のアルコール溶液を濃縮する前に活性炭処理すると、濾過等による活性炭の分離操作により、同様に上記反応の触媒として用いた鉄ハロゲン化物の一部が除かれ、また原料1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンがその製法に基づき銅イオンを含んでいた場合、銅イオンが除去されるので好ましい。このような濾過操作を円滑に行なうために、反応生成物のアルコール溶液として、反応に用いた1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼン1質量部当り、3〜30質量部、好ましくは10〜20質量部程度のアルコール量となるように、反応時のアルコール溶媒の使用量及び/又は反応混合物に添加するアルコール溶媒の量を調整するのが好ましい。反応混合物に添加することができるアルコール溶媒としては、反応溶媒として使用可能なメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の炭素数1〜4の低級アルコールが好ましく、とくにメタノールが最も好ましい。また反応生成物のアルコール溶液の濃縮前に活性炭処理を行なう場合は、活性炭として該アルコール溶液の0.1〜5質量%、とくに0.3〜1.0質量%程度使用するのが好ましい。活性炭処理においては、とくに加温する必要は無く、0.5〜2時間程度行なえばよい。
本発明においては、上記した反応生成物のアルコール溶液、好ましくは活性炭処理して濾過等によって活性炭を除いた該アルコール溶液を濃縮し、反応溶媒及び/又は添加溶媒であるアルコール溶媒を留去する。濃縮の程度は、濃縮液中の1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンの濃度が10〜45質量%、とくに25〜35質量%程度となるように行なうのが好ましい。このようにして得られた濃縮液と水を混合することによって1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを晶出させる。水の添加量は、濃縮液に対して0.1〜3.0重量倍、とくに0.2〜0.5重量倍の割合とするのが好ましい。水の添加により、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを析出させることができるので、これを濾過により採取すればよい。この際水を添加した液を冷却すると1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンの回収率を上げることができる。回収された1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンは必要に応じ、洗浄、再結晶などにより純度を高めることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
[参考例1]
攪拌装置、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1000mlの4つ首丸底フラスコに、ピリジン120g、レゾルシンナトリウム塩56.0g(363ミリモル)及び塩化銅(I)13.3g(134ミリモル)を仕込み、加熱して85℃まで昇温した。その後、m−ブロモニトロベンゼンのピリジン溶液(m−ブロモニトロベンゼン176.3g(873ミリモル)をピリジン242gに溶解して調製)を滴下し、その後加熱昇温して、還流下で8時間保持した。得られた反応混合物をエバポレーターにて300gになるまで濃縮し、その後、酢酸エチルを720g添加し、攪拌下、20℃で1時間保持した。その後濾過して不溶分を取り除き、濾液を得た。濾液をエバポレーターにて170gになるまで濃縮し、その後メタノール146gを添加して、攪拌下、20℃で1時間保持した。生成した懸濁液を濾過し、得られたケーキをメタノール34gでリンスした後、60℃で減圧乾燥して、薄茶色の1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼン60.6g(収率47.3%)を得た。得られた1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼン中のナトリウム含量は8ppm、塩素含量は1ppm、臭素含量は42ppmであった。尚、ナトリウム含量は原子吸光分析により、また塩素及び臭素の含量は、熱水抽出後、イオンクロマトグラフィにより測定した。
[参考例2]
実施例1と同様にして反応混合物を調製した。反応混合物を20℃まで冷却し、濾過して不溶分を取り除き濾液を得た。濾液をエバポレーターにて198gになるまで濃縮し、トルエンを319g添加した。その後、3.5%塩酸水363gを添加したところ、エマルジョン層が多量に発生し、分液操作ができなくなった。濾過によりエマルジョン層中の不溶物を除去したが不溶分の一部は残った。その後分液操作を実施し、トルエン層を得た。トルエン層に10%苛性ソーダ水363gを添加したところ、エマルジョン層が多量に発生し、分液操作が出来なくなった。濾過によりエマルジョン層中の不溶物を除去したが不溶分の一部は残った。その後分液操作を実施し、トルエン層を得た。トルエン層をエバポレーターにて170gまで濃縮し、その後、メタノール146gを添加して、攪拌下、20℃で1時間保持した。生成した懸濁液を濾過し、得られたケーキをメタノール34gでリンスした後、60℃で減圧乾燥して薄茶色の1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼン43.0g(収率33.6%)を得た。得られた1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼン中の無機塩含量を同様に測定したところ、ナトリウム含量は4600ppm、塩素含量は6000ppm、臭素含量は900ppmであった。
[実施例1]
攪拌装置、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた100mlの4つ首丸底フラスコに、メタノール28.4g、参考例1で得た1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼン10.0g(28.4ミリモル)、80%水加ヒドラジン6.64g(106ミリモル)及び活性炭0.5gを仕込み、加熱して65℃まで昇温した。その後、20%塩化第二鉄水溶液1.33g(1.6ミリモル)を滴下ロートより滴下し、その後昇温して還流下、6時間保持した。得られた反応混合物に、冷却後、メタノール137.3gを添加し、20℃で1時間保持した。その後濾過して不溶分を取り除き、反応液を得た。反応液に活性炭1.0gを添加し、20℃で1時間保持した。その後濾過して活性炭を取り除き濾液を得た。濾液をエバポレーターにて27.0gになるまで濃縮し、その後水7.0gを添加して、攪拌下、20℃で1時間保持した。生成した懸濁液を濾過し、得られたケーキをメタノール4.0gでリンスした後、70℃で減圧乾燥して、白色の1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン6.39g(収率77.0%)を得た。得られた1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン中のナトリウム含量は1.9ppm、塩素含量は2.5ppm、臭素含量は0.1ppmであった。
[比較例1]
攪拌装置、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた100mlの4つ首丸底フラスコに、メタノール28.4g、参考例2で得た1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼン10.0g(28.4ミリモル)及び80%水加ヒドラジン6.64g(106ミリモル)を仕込み、加熱して65℃まで昇温した。その後、20%塩化第二鉄水溶液1.33g(1.6ミリモル)を滴下ロートより滴下し、その後昇温して還流下、6時間保持した。その後エバポレーターにて20.0gになるまで濃縮し、濃縮液にトルエン22.3gを添加し、80℃で熱時濾過して不溶分を除去した。水4.5gを添加したところ、エマルジョン層が発生し、界面が分りづらくなった。分液操作を実施し、油層を得たものの、油層中にエマルジョン層が少量混入した。得られた油層をエバポレーターにて24.1gまで濃縮し、20℃まで冷却後、1時間保持した。生成した懸濁液を濾過し、得られたケーキを70℃で減圧乾燥して、薄茶色の1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン5.89g(収率71.1%)を得た。得られた1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン中のナトリウム含量は680ppm、塩素含量は1877ppm、臭素含量は255ppmであった。
[実施例2]
実施例1において、1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンとして参考例1で得られたものを使用する代わりに、参考例2で得られたものを使用した以外は実施例1を繰り返した。白色の1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン6.76g(収率81.6%)を得た。得られた1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン中のナトリウム含量は241ppm、塩素含量は572ppm、臭素含量は19ppmであった。

Claims (4)

  1. 鉄ハロゲン化物触媒の存在下、1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンをヒドラジン類により還元することによって得られる反応生成物をアルコール溶液として得、これを濃縮し、得られる濃縮液と水を混合して1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを晶出させ、これを分離することを特徴とする1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンの単離方法。
  2. 1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンとして、ハロゲン含量が50ppm以下のものを使用することを特徴とする請求項1記載の1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンの単離方法。
  3. 1,3−ビス(3−ニトロフェノキシ)ベンゼンが、ピリジン溶媒中、レゾルシンナトリウム塩とm−ブロモニトロベンゼンを1価の銅触媒の存在下に反応させて得られる反応混合物を、濃縮した後エステル系溶媒で希釈し、次いで無機塩を濾別した後濃縮し、さらにアルコール溶媒を添加して晶出させて得たものである請求項1又は2記載の1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンの単離方法。
  4. 反応生成物のアルコール溶液を、濃縮の前に活性炭処理することを特徴とする請求項1〜3記載の1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンの単離方法。
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