JP2005023022A - 高純度1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類の製造方法 - Google Patents

高純度1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類の製造方法 Download PDF

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和彦 八尾
Toru Nakaguchi
徹 中口
Kenji Egawa
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Abstract

【課題】高純度であり、しかも、金属不純物が少ない1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類を工業的に生産効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】シクロヘキサノンと一般式(I)
【化1】
Figure 2005023022

(式中、Rは水素原子又はアルキル基を示す。)
で表されるフェノール類を酸触媒の存在下に反応させ、得られた反応混合物をアルカリで中和した後、生成した1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類を1次晶析し、濾過して、1次晶析濾過物を得、次いで、この1次晶析濾過物100重量部を水5〜10重量部と低級脂肪族ケトン溶媒100〜200重量部とからなる混合溶媒又は低級脂肪族アルコール溶媒200〜400重量部に溶解させて溶液とし、この溶液をゼータ電位フィルターで濾過し、かくして、得られた濾液から水の存在下に1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類を2次晶析し、濾過して、一般式(II)
【化2】
Figure 2005023022

(式中、Rは上記と同じである。)
で表される高純度1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類を得る。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族ポリカーボネート、芳香族ポリエーテルスルホン、芳香族ポリエーテルケトン、芳香族ポリエーテルイミド等、種々のポリマーの原料として有用な1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類の高純度品を生産効率よく、工業的に有利に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビスフェノール類の1種である1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類は、通常、シクロヘキサノンとフェノール類を酸触媒の存在下に反応させることによって得ることができる。このような方法によって得られる1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類の高純度品を工業的に得るには、従来、例えば、シクロヘキサノンとフェノール類を酸触媒の存在下に反応させ、得られた反応生成物をアルカリで中和した後、生成した1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類を1次晶析し、濾過して、反応生成物を塩化メチレンで洗浄した後、メタノールと水の混合溶媒から再結晶して、純度99.2%の1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類を得ることができることが知られている。また、上記反応生成物を塩化メチレンで洗浄し、乾燥することによっても、同様に、高純度品を得ることができることが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
他方、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類をフェノール類との混晶とした後、真空中で加熱することによって、純度99.3%の1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類を得ることができることも知られている(特許文献2参照)。
【0004】
しかし、近年、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類の利用が拡大するにつれて、更なる高純度品を工業的に一層、生産効率よく製造することが強く要望されるに至っているが、上述した方法ではこのような要望に応えることができず、また、得られた反応混合物を中和するために用いる水酸化ナトリウム等のアルカリに由来する反応生成物中の微量の金属不純物の除去については、従来、何も対策が講じられていない。
【0005】
【特許文献1】特開昭64−22833号公報
【特許文献2】特開平5−78270号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類の製造における上述した問題を解決するためになされたものであって、高純度であり、しかも、金属不純物の少ない1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類を工業的に生産効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、シクロヘキサノンと一般式(I)
【0008】
【化3】
Figure 2005023022
【0009】
(式中、Rは水素原子又はアルキル基を示す。)
で表されるフェノール類を酸触媒の存在下に反応させ、得られた反応混合物をアルカリで中和した後、生成した1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類を1次晶析し、濾過して、1次晶析濾過物を得、次いで、この1次晶析濾過物100重量部を水5〜10重量部と低級脂肪族ケトン溶媒100〜200重量部とからなる混合溶媒又は低級脂肪族アルコール溶媒200〜400重量部に溶解させて溶液とし、この溶液をゼータ電位フィルターで濾過し、かくして、得られた濾液から水の存在下に1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類を2次晶析し、濾過することを特徴とする一般式(II)
【0010】
【化4】
Figure 2005023022
【0011】
(式中、Rは上記と同じである。)
で表される高純度1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類の製造方法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において用いるフェノール類は、一般式(I)
【0013】
【化5】
Figure 2005023022
【0014】
(式中、Rは水素原子又はアルキル基を示す。)
で表される。Rは水素原子又はアルキル基であり、Rがアルキル基であるとき、そのアルキル基は、炭素原子数1〜3のものであることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、直鎖状又は分岐鎖状のプロピル基を挙げることができる。従って、上記フェノール類の具体例として、例えば、フェノール、2−メチルフェノール、2−エチルフェノール、2−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール等を挙げることができる。これらのなかでは、フェノール又は2−メチルフェノールが好ましく、特に、2−メチルフェノールが好ましく用いられる。
【0015】
このようなフェノール類にシクロヘキサノンを反応させるに際して、シクロヘキサノンに対するフェノール類の仕込みモル比は、特に限定されるものではないが、少なくとも、理論値(2.0)以上が必要であり、通常、2〜8の範囲であり、特に、3〜6の範囲が好ましい。
【0016】
本発明の方法によれば、先ず、シクロヘキサノンとフェノール類を酸触媒の存在下に反応させ、得られた反応混合物をアルカリで中和した後、晶析し、濾過して、1次晶析濾過物を得る。
【0017】
シクロヘキサノンとフェノール類との反応において用いられる酸触媒としては、塩酸、塩化水素、硫酸、リン酸、フッ化水素、臭化水素、三フッ化ホウ素、塩化リン等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸を挙げることができるが、好ましくは、濃塩酸、塩化水素ガス、50〜98%硫酸、85%リン酸、メタンスルホン酸等が用いられる。なかでも、濃塩酸又は塩化水素ガスが好ましく用いられる。これらの酸触媒は、単独で用いてもよく、また、2種以上を併用してもよい。
【0018】
本発明において、酸触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、例えば、濃塩酸では、シクロヘキサノンに対して50〜100モル%の範囲で用いられ、塩化水素ガスの場合は、反応系内が飽和になるまで吹き込んで用いられる。また、反応に際して、必要に応じて、例えば、脂肪族メルカプタン類のような助触媒を上記酸触媒と共に用いてもよい。上記脂肪族メルカプタン類としては、例えば、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等を挙げることができる。
【0019】
本発明によれば、シクロヘキサノンとフェノール類との反応に際して、不活性ガスを用いて、置換等の方法によって、反応前に反応系内の酸素を十分に除去した後、原料フェノール類とシクロヘキサノンとを反応させるのがよい。反応温度は、通常、20〜60℃の範囲が好ましい。原料フェノール類とシクロヘキサノンの反応は、液体クロマトグラフィー分析又はガスクロマトグラフィー分析によって追跡することができるので、未反応シクロヘキサノンが消失し、目的物の増加が認められなくなった時点を反応の終点とするのが好ましい。
【0020】
このようにして、シクロヘキサノンとフェノール類とを酸触媒の存在下に反応させた後、得られた反応混合物にアルカリを加えて、酸触媒を中和する。この中和に用いるアルカリは、特に限定されるものではないが、通常、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、第二リン酸ナトリウム水溶液等の希薄アルカリ水溶液が好ましく用いられる。これらのなかでは、水酸化ナトリウム水溶液が好ましく用いられる。この中和によって、得られた反応混合物のpHを4〜7の範囲とするのが好ましい。
【0021】
本発明によれば、このようにして、得られた反応混合物を中和した後、この反応混合物から反応生成物をそれ自体として、又は反応生成物と原料フェノール類との付加物として晶析させ、これを濾過して(1次晶析濾過)、反応生成物を反応混合物から1次晶析濾過物として取り出す。
【0022】
この1次晶析濾過は、従来より知られている適宜の方法によればよく、特に制限されないが、例えば、反応終了後、反応混合物を上述したようにアルカリで中和した後、反応生成物をそれ自体か、又は原料フェノールとの付加物として、濾過によって反応混合物から分離し、これを原料フェノール類と水との混合溶媒か、又は芳香族炭化水素類で洗浄し、濾過して、かくして、反応混合物から1次晶析濾過物を得る。
【0023】
また、別の方法として、反応終了後、反応混合物を上述したようにアルカリで中和した後、ケトン系等の溶媒を加え、加温して、反応混合物中に析出している反応生成物それ自体か、又は原料フェノール類との付加物を溶解させた後、水相を油相から分離し、残留油相から溶媒を溜去し、濾過して、1次晶析濾過物を得ることもできる。
【0024】
このようにして得られる1次晶析濾過物中の目的物の純度は、通常、目的物、残存原料フェノール類、副生物及び不純物の合計量に対して、95〜98%である。また、1次晶析濾過物中の金属不純物分は、塩素、鉄又はナトリウム等のアルカリ金属が主体である。例えば、シクロヘキサノンとフェノール類とを酸触媒の存在下に反応させた後、得られた反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液を加えて、酸触媒を中和した場合であれば、1次晶析濾過物中の金属不純物分は、ナトリウムとして、通常、1〜10ppm程度である。
【0025】
本発明によれば、このようにして1次晶析濾過を行って、1次晶析濾過物を得、かくして、得られた1次晶析濾過物から微量の金属不純物を除去するために、ゼータ電位フィルターを用いて濾過を行う。本発明において用いるゼータ電位フィルターは、所謂ゼータ電位による吸着作用によって、微量の金属不純物を除去できると共に、有機溶媒中で用いることができるフィルターであればよい。フィルターの形態は、特に制限はないが、例えば、濾過原液の入口と濾液の出口を備えたフィルターハウジングの中に所謂積層セルタイプのフィルターカートリッジが装填されたフィルター装置を例示することができる。このようなフィルター装置に使用できるフィルターカートリッジとしては、例えば、「ゼータープラスフィルター」(登録商標、キュノ製)を挙げることができる。
【0026】
ゼータ電位フィルターによる濾過に際しては、微量の金属不純物を十分に除去することができるように、濾過温度は、70℃以下であることが肝要である。そこで、目的物の結晶析出温度を70℃以下とし、しかも、工業的に受容可能な容積効率とするために、得られた1次晶析濾過物100重量部に対して、目的物の良溶媒である低級脂肪族ケトン100〜200重量部に水5〜10重量部を加えた混合溶媒又は低級脂肪族アルコール溶媒200〜400重量部に溶解させれば、目的物は、このような溶液からの結晶析出温度が50〜60℃程度に低下し、しかも、容積効率は工業的に受容可能な範囲であり、かくして、ゼータ電位フィルターによって微量の金属不純物を工業的に有効に除去することができる。
【0027】
本発明において、上記低級脂肪族ケトンとは、炭素原子数1〜4のアルキル基を有するジアルキルケトンであり、従って、具体例としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等を挙げることができる。これらのなかでは、特に、メチルイソブチルケトンが好ましく用いられる。また、上記低級脂肪族アルコール溶媒とは、炭素原子数1〜4のアルキルアルコールであり、従って、具体例として、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール等を挙げることができる。
【0028】
このようにして、1次晶析濾過物を上記混合溶媒に溶解させてなる溶液をゼータ電位フィルターで濾過した後、得られた濾液から水の存在下に目的物を晶析し、得られた晶析物を濾過することによって(2次晶析濾過)、高純度の、即ち、金属不純物含有量の極めて少ない1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類を得ることができる。
【0029】
上記2次晶析濾過においては、例えば、濾液100重量部に対して、水100〜200重量部を加えた後、上記溶媒の調製に用いた良溶媒を留去して、目的物と残留水との混合物を得た後、これに更に溶媒を加えて、常圧又は加圧下で溶解し、その後、冷却し、晶析して、濾過する。上記目的物と残留水との混合物に新たに加える溶媒としては、1次晶析濾過の際に用いた低級脂肪族ケトンや低級脂肪族アルコール等を挙げることができる。
【0030】
このようにして、本発明によれば、用いるフェノール類に対応して、一般式(II)で表される1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類を得ることができる。従って、その具体例として、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチルー4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
【0031】
特に、本発明によれば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン又は1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンを好ましい具体例として挙げることができ、なかでも、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンを特に好ましい具体例として挙げることができ。
【0032】
このようにして、本発明の方法によれば、99%以上の純度を有し、金属不純物量の極めて低い1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類の高純度品、例えば、前述したように、得られた反応混合物中の酸触媒を水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和した場合であれば、金属不純物がナトリウムとして0.1ppm以下であり、好ましくは、0.05ppm以下の1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類を得ることができる。また、本発明の方法によれば、原料シクロヘキサノンに対する収率は、通常、70%以上である。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、高純度で金属不純物の少ない1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類を生産効率よく、工業的に有利に製造することができる。
【0034】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0035】
参考例1
温度計、滴下漏斗、冷却器及び攪拌装置を備えた1L容量の四つ口フラスコにo−クレゾール194.4g(1.8モル)と水3.8gを仕込み、内温を40℃に保って、反応系内を窒素置換した後、塩化水素ガスを飽和するまで吹き込んだ。
【0036】
温度を40℃に維持しつつ、これにシクロヘキサノン58.8g(0.6モル)とo−クレゾール64.8g(0.6モル)の混合物を4時間かけて滴下した後、同じ温度で更に18時間、反応させた。
【0037】
反応終了後、得られた反応混合物に16%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した後、メチルイソブチルケトン176gを加え、100℃まで昇温し、反応生成物を溶解させた。この後、反応混合物から水層を分液除去し、水洗した。得られた混合物から水層を除去し、残留油層に水92gを加え、メチルイソブチルケトンを留去した後、冷却、濾過して、1次晶析濾過物150gを得た。この1次晶析濾過物中の目的物の純度は97%(液体クロマトグラフィー分析による測定)、不純物金属ナトリウムは1600ppb(原子吸光法による測定)であった。
【0038】
実施例1
(メチルイソブチルケトン溶媒を用いる精製)
温度計、冷却器及び攪拌装置を備えた1L容量の四つ口フラスコに上記1次晶析濾過物150g、メチルイソブチルケトン225g及び水7.5gを仕込み、100℃に昇温して、溶解させた。その後、この混合溶液を70℃に維持して、キュノフィルター濾過を行った。
【0039】
得られた濾液に水216gを加え、常圧蒸留にてメチルイソブチルケトンを全量留出させた後、温度90℃でこれにメチルイソブチルケトン30gを加え、この後、冷却し、晶析させ、濾過し、乾燥して、目的物である1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの白色結晶(融点192℃(メトラー法))を得た。純度99.9%、金属不純物(ナトリウム)20ppbであった。また、1次晶析濾過物に対する収率は95%であった。
【0040】
実施例2
(メタノール溶媒を用いる精製)
温度計、冷却器及び攪拌装置を備えた1L容量の四つ口フラスコに上記1次晶析濾過物150gとメタノール450gを仕込み、65℃に昇温して、溶解させた。その後、この混合溶液を50℃に維持して、キュノフィルター濾過を行った。
【0041】
得られた濾液から常圧蒸留にてメタノール210gを留出させた後、温度65℃でこれに水240gを加え、この後、冷却し、濾過し、乾燥して、目的物である1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの白色結晶(融点192℃(メトラー法))を得た。純度99.9%、金属不純物(ナトリウム)20ppbであった。また、1次晶析濾過物に対する収率は95%であった。
【0042】
比較例1
(トルエン溶媒を用いる精製)
温度計、冷却器及び攪拌装置を備えた1L容量の四つ口フラスコに上記1次晶析濾過物150gとトルエン300gと水150gを仕込み、85℃に昇温した。その後、この混合溶液を70℃に維持して、キュノフィルター濾過を行ったが、結晶が完全に溶解しないために、フィルターが目詰まりを起こした。
【0043】
そこで、温度計、冷却器及び攪拌装置を備えた1L容量の四つ口フラスコに上記1次晶析濾過物150gとトルエン300gと水150gを仕込み、135℃に昇温して、溶解させた。その後、この混合溶液を同じ温度に静置して、水層を分液、除去した。
【0044】
その後、攪拌しながら、バルブを徐々に開けて、系内の圧力を解放すると共に、系内に残存する水分を回収し、結晶を析出させた。その後、冷却し、濾過、乾燥して、目的物である1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの白色結晶(融点192℃(メトラー法))を得た。純度99.9%、金属不純物(ナトリウム)200ppbであった。また、1次晶析濾過物に対する収率は97%であった。
【0045】
比較例2
(キュノフィルターを用いずに、メタノール溶媒を用いる精製)
温度計、冷却器及び攪拌装置を備えた1L容量の四つ口フラスコに上記1次晶析濾過物150gとメタノール450gを仕込み、65℃に昇温して、溶解させた。その後、常圧蒸留にてメタノール210gを留出させた後、温度65℃でこれに水240gを加え、この後、冷却し、濾過し、乾燥して、目的物である1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの白色結晶(融点192℃(メトラー法))を得た。純度99.9%、金属不純物(ナトリウム)200ppbであった。また、1次晶析濾過物に対する収率は95%であった。

Claims (1)

  1. シクロヘキサノンと一般式(I)
    Figure 2005023022
    (式中、Rは水素原子又はアルキル基を示す。)
    で表されるフェノール類を酸触媒の存在下に反応させ、得られた反応混合物をアルカリで中和した後、生成した1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類を1次晶析し、濾過して、1次晶析濾過物を得、次いで、この1次晶析濾過物100重量部を水5〜10重量部と低級脂肪族ケトン溶媒100〜200重量部とからなる混合溶媒又は低級脂肪族アルコール溶媒200〜400重量部に溶解させて溶液とし、この溶液をゼータ電位フィルターで濾過し、かくして、得られた濾液から水の存在下に1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類を2次晶析し、濾過することを特徴とする一般式(II)
    Figure 2005023022
    (式中、Rは上記と同じである。)
    で表される高純度1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン類の製造方法。
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