JP2005178883A - キャップ付ボトル缶 - Google Patents

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Yasuhiro Hanabusa
泰浩 花房
Kanako Igawa
加奈子 井川
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将英 荒井
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Abstract

【課題】 レトルト殺菌処理を必要とする内容物が充填されたキャップ付ボトル缶を開栓する際に、この開栓トルクが上昇することを回避することができるキャップ付ボトル缶を提供する。
【解決手段】 ボトル缶11とキャップ12とを備え、キャップ天面部12aの内面側に、ポリプロピレンを含有するライナー12dが配設され、レトルト殺菌処理を必要とする内容物が充填されたキャップ付ボトル缶であって、キャップ本体部12a〜12cの内面側には、ボトル缶口金部およびライナー12dと対向して、ポリプロピレンを含有するライナー接着材層16が形成され、ボトル缶のうち少なくとも口金部の外表面側には、ポリエチレンを含有するオーバーコート層14が形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、開栓トルクの低減を図ることが可能なキャップ付ボトル缶に係り、特に、レトルト殺菌処理を必要とする内容物が充填されたキャップ付ボトル缶を開栓する際に、この開栓トルクを低減するのに好適なキャップ付ボトル缶に関するものである。
従来から飲料が充填された容器として缶が提供されているが、近年においては、着脱可能なキャップを備えたキャップ付ボトル缶が提供されている(例えば下記特許文献参照)。
この種のキャップ付ボトル缶は、周知のように、有底筒状に形成された大径の胴部と、該胴部の缶軸方向上端部に連設されるとともに、缶軸方向上方に向うに従い漸次縮径した肩部と、該肩部の缶軸方向上端部に連設されるとともに、缶軸方向上方に延在した口金部とを備え、該口金部に雄ねじ部が形成されたボトル缶の前記口金部に、天面部および該天面部の外周縁に連なる段差部を介して略垂下してなる側面部を有するキャップ本体部と、前記天面部および前記段差部の内側に配設されたポリプロピレンを含有するライナーとを備えるキャップが螺着された構成が知られている。
なお、キャップの前記段差部により、前記ライナーをボトル缶の口金部上端開口部に密接させることによって、内容物の密封性を確保する構成となっている。
ところで、ボトル缶の外周面側のうちこの最外層は、一般に、ポリプロピレン(融点160℃〜170℃)を含有するオーバーコート層とされている。この層により、胴部に形成された模様等を構成するインキ層を保護するとともに、ボトル缶を複数本集合的に搬送する際に、各ボトル缶の胴部同士が当接してもこれらを良好に滑らせ、この表面に傷等の損傷を発生させないようになっている。また、ボトル缶口金部に、雄ねじ部や、上端部を径方向外方へ折返して形成されたカール部等を形成する際に、これらの加工工具がボトル缶口金部の外表面に負荷を与えた状態で滑らかに動作できるようになっている。
次に、キャップの製造方法について説明する。
キャップは、素材としてのアルミニウム合金からなる圧延材の両面に、クロメート処理等による化成皮膜若しくは陽極酸化皮膜を形成する下地処理を施した後に、形成するキャップ内面側に位置する皮膜表面にエポキシ/フェノール系樹脂からなるサイズコート層を形成し、また、キャップ外面側に位置する皮膜表面にポリエステル等からなるサイズコート層を形成する。その後、形成するキャップ内面側に位置するサイズコート層表面に、ライナー接着材層を形成し、さらに、このライナー接着材層の表面のうち、形成する段差部に対応する領域にライナー非接着材層を形成する。また、形成するキャップ外面側に位置するサイズコート層表面に、塗料や印刷インクからなる塗膜を形成し、さらにこの表面にオーバーコート層を形成する。
そして、この圧延材に打抜き,絞り加工等を施すことにより、カップ状とされたキャップ本体部を形成する。この際、キャップ本体部の内面側のうちこの最外層は、キャップ本体部内面側の全域にわたってライナー接着材層とされており、このライナー接着材層の表面のうち、形成する段差部と対応する領域にライナー非接着材層が位置することになる。
その後、このキャップ本体部を加熱した状態で、このキャップ本体部のうち、キャップ天面部の内面側に、溶融状態にあるライナー材を配置し、冷却状態にある金型で押圧する。これにより、ライナー接着材層とライナー材とが溶着し、キャップ天面部内面側にライナーが配設されることによりキャップが形成される。この際、ライナー非接着材層では、ライナー材の溶着が回避され、段差部形成予定部とライナーとの非接着状態が実現される。
以上のように形成されたボトル缶,およびキャップは、ボトル缶に内容物を充填した後に、キャップをボトル缶の口金部に被着した状態で、ボトル缶口金部の雄ねじ部に沿ってキャップ本体部の側面部にねじ成形加工等を施すことにより、キャップをボトル缶口金部に螺着し、内容物が密封されたキャップ付ボトル缶を形成する。
なお、キャップ付ボトル缶が陽圧缶の場合は、液体窒素を充填し、缶の内圧を高め、また、内容物がミルク入りコーヒー等の低酸性飲料である場合は、窒素ガスを充填し、ボトル缶内の空間における酸素量を低減し、内容物の劣化を抑制している。
その後、内容物が前述した低酸性飲料である場合には、キャップ付ボトル缶にレトルト殺菌処理を施す必要があるが、この処理は約120℃前後の高温下でなされるため、ライナーを熱劣化し難い材質、すなわちポリプロピレンを含有するライナー材により形成する必要がある。そして、このようなライナーを良好に溶着できるライナー接着材層としては、ライナーが含有するポリプロピレンを、接着成分として同様に含むことが必要となる。
特開2001−213417号公報 特開昭63−120750号公報 特許第1903385号公報 特許第1957527号公報 特開2000−239481号公報 特開2001−261054号公報 特開2002−160759号公報 特開2003−55647号公報
しかしながら、前記従来では、キャップ本体部の内面側のうちこの最外層が、この本体部内面側の全域にわたってライナー接着材層とされているので、キャップ本体部の内面側のうちライナーが配設されていない部分に位置するライナー接着材層が、このキャップをボトル缶の口金部に螺着した構成において、ボトル缶口金部の外表面に形成された、ポリプロピレンを含有するオーバーコート層と対向することになる。特に、キャップ本体部のうち、ボトル缶口金部の雄ねじ部に螺着している部分では、キャップのライナー接着材層がボトル缶のオーバーコート層と密接することになる。
したがって、この状態で、キャップ付ボトル缶にレトルト殺菌処理を施すと、加熱による缶内圧の上昇と加熱とによって、ボトル缶のオーバーコート層とライナー接着材層との密接状態がさらに緊密になり(面圧が高くなり)、このため、オーバーコート層およびライナー接着材層が溶融しないまでも、同一の接着成分としてのポリプロピレンを有するオーバーコート層およびライナー接着材層が互いに密着し、これにより、需要者等がこのキャップ付ボトル缶を開栓する際の開栓トルクが上昇するという問題があった。この問題は、キャップ付ボトル缶が陽圧缶である場合に、特に著しい。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、レトルト殺菌処理を必要とする内容物が充填されたキャップ付ボトル缶を開栓する際に、この開栓トルクが上昇することを回避することができるキャップ付ボトル缶を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、天面部および該天面部の外周縁から略垂下してなる側面部を有するキャップ本体部と、前記天面部の内側に配設されたポリプロピレンを含有するライナーとを備えるキャップを、ボトル缶の口金部に螺着してなるキャップ付ボトル缶であって、前記キャップ本体部の内面側には、前記ボトル缶の口金部および前記ライナーと対向して、ポリプロピレンを含有するライナー接着材層が形成され、前記ボトル缶のうち少なくとも前記口金部の外表面側には、ポリエチレンを含有するオーバーコート層が形成されてなることを特徴とする。
この発明では、キャップ本体部の内面側のうちこの最外層が、ポリプロピレンを含有するライナー接着材層とされているので、ポリプロピレンを含有するライナーとライナー接着材層とを良好に接着することが可能になり、また、ボトル缶のうち、少なくとも口金部の外表面側には、ポリエチレンを含有するオーバーコート層が形成されているので、キャップ本体部と、ボトル缶のうち少なくとも口金部との密着発生を回避することが可能になる。したがって、レトルト殺菌処理後におけるボトル缶口金部とキャップ本体部との密着発生、特にボトル缶口金部の雄ねじ部とキャップ側面部の雌ねじ部との密着発生を抑制することが可能になる。以上により、レトルト殺菌処理が施されるキャップ付ボトル缶の開栓トルクの上昇を最小限に抑制することができる。
また、本発明はキャップ本体部の内面側のうちこの最外層を、この本体部の全域にわたってライナー接着材層としてもよく、この場合、従来の製造方法をそのまま適用することができ、前記作用効果を実現するに際して製造工数の増大発生を回避することもできる。
請求項2に係る発明は、天面部および該天面部の外周縁から略垂下してなる側面部を有するキャップ本体部と、前記天面部の内側に配設されたポリプロピレンを含有するライナーとを備えるキャップを、ボトル缶の口金部に螺着してなるキャップ付ボトル缶であって、前記キャップ天面部の内面側には、前記ライナーと対向した領域に、ポリプロピレンを含有するライナー接着材層が形成され、前記キャップ本体部の内面側のうち、前記ライナー接着材層の非形成部における最外層は、前記ボトル缶口金部の外表面側に形成されたオーバーコート層に対する非接着材層とされていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2記載のキャップ付ボトル缶において、前記オーバーコート層はポリプロピレンを含有し、前記非接着材層はポリエチレンを含有し、前記ライナー接着材層は、前記非接着材層の表面に積層して、若しくは前記非接着材層に連なるように形成されてなることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項2記載のキャップ付ボトル缶において、前記非接着材層は、エポキシ/フェノール系樹脂からなるサイズコート層とされ、前記ライナー接着材層は、前記サイズコート層の表面に積層して、若しくは前記サイズコート層に連なるように形成されてなることを特徴とする。
これらの発明では、キャップ天面部内面側の最外表面のうち、ライナーと対向した領域に、ポリプロピレンを含有するライナー接着材層が位置しているので、ポリプロピレンを含有するライナーとライナー接着材層とを良好に接着することが可能になり、また、キャップ本体部内面側のうち、ライナー接着材層の非形成部に、ボトル缶口金部の外表面におけるオーバーコート層に対する非接着材層が形成されているので、キャップ本体部とボトル缶口金部との密着発生を抑制することが可能になる。したがって、レトルト殺菌処理に供されるキャップ付ボトル缶を形成するに際し、このキャップを良好に形成することが可能になるとともに、このような構成においても、レトルト殺菌処理後におけるボトル缶口金部とキャップとの密着発生、特にボトル缶口金部の雄ねじ部とキャップの雌ねじ部との密着発生を抑制することが可能になる。以上により、レトルト殺菌処理が施されるキャップ付ボトル缶の開栓トルクの上昇を最小限に抑制することができる。
本発明に係るキャップ付ボトル缶によれば、レトルト殺菌処理が施されるキャップ付ボトル缶の開栓トルクの上昇を最小限に抑制することができる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1および図2は、この発明の第1実施形態として示したキャップ付ボトル缶の概略構成を示すものである。
このキャップ付ボトル缶10は、図2に示すように、ボトル缶11に内容物10aとしてミルク入りコーヒー等の低酸性飲料が充填されるとともに、この内容物10aの劣化抑制を図るための窒素ガスが充填されたボトル缶11にキャップ12が螺着された概略構成とされている。なお、このキャップ付ボトル缶10が陽圧缶の場合には、さらに液体窒素が充填されることにより、缶内圧が大気圧以上に維持される。
ボトル缶11は、有底筒状に形成された大径の胴部11aと、この胴部11aの缶軸方向上端部に連設されるとともに、缶軸方向上方に向うに従い漸次縮径した肩部11bと、この肩部11bの缶軸方向上端部に連設されるとともに、缶軸方向上方に延在した口金部11cとを備える概略構成とされている。
口金部11cは、缶軸方向上端開口部が径方向外方へ折り返されるとともに、この折り返された外周面が径方向内方へ押し潰されて形成されたカール部11dと、後述するキャップ12が螺着される雄ねじ部11eと、この雄ねじ部11eの缶軸方向下端に連設されるとともに、径方向外方へ膨出した膨出部11fとを備えている。
キャップ12は、天面部12aおよびこの天面部12aの外周縁に連なる段差部12bを介して略垂下してなる側面部12cを有するキャップ本体部と、天面部12aおよび段差部12bの内側に配設されたポリプロピレンを含有するライナー12dとを備える概略構成とされている。
キャップ側面部12cには、ボトル缶口金部11cの雄ねじ部11eに螺合する雌ねじ部12eと、この雌ねじ部12eより缶軸方向下方部に形成され、ボトル缶口金部11cの膨出部11fに沿う形状とされたピルファープルーフ部12fとを備えている。ピルファープルーフ部12fの缶軸方向中央部には、この側面部12cを貫通するスコア−12gが周方向に所定の間隙を有して複数形成されるとともに、このピルファープルーフ部12fの缶軸方向下端部は、ボトル缶口金部11cの膨出部11fの缶軸方向下端部に巻込まれている。なお、スコア−12gは、膨出部11fのうち径方向外方へ最も膨出した部分に略位置している。
以上のように構成されたキャップ付ボトル缶10は、ボトル缶11を固定した状態でキャップ12を、ボトル缶11の雄ねじ部11eに沿って缶軸回りに回転させることにより、このキャップ12を回転方向および缶軸方向上方へ移動させる一方、ピルファープルーフ部12fを膨出部11fにより係止することによって、スコア−12g同士の間に位置するブリッジを破断させ開栓されるようになっている。
次に、ボトル缶11の外表面およびキャップ12の内表面に形成された塗膜について説明する。まず、ボトル缶11の外表面に形成された塗膜について説明する。
図1(b)に示すように、ボトル缶11の外表面には、図示しない化成皮膜(クロム若しくはジルコニウム)と、サイズコート層13と、滑材としてポリエチレンを含有するポリエステル/アミノ系樹脂からなるオーバーコート層14とがこの順に積層されている。サイズコート層13は、オーバーコート層14の密着性を向上させるために、このオーバーコート層14より縦弾性係数の小さい塗料により形成されている。また、オーバーコート層14の含有する滑材としてのポリエチレンにより、ボトル缶11を複数本集合的に搬送する際に、各ボトル缶11の外表面同士が当接し合う場合においても、この外表面に傷等の損傷が発生することを抑制するとともに、口金部11cに雌ねじ部11e等を形成する際に、これらの加工工具が口金部11cの外表面に負荷を与えた状態で滑らかに動作させることが可能になる。
なお、本実施形態では、ボトル缶11の外表面側のうち、カール部11dを除く全ての部分に、ポリエチレンを含有するオーバーコート層14を形成したが、ボトル缶11のうち少なくとも口金部11cの雄ねじ部11eにおける外表面に、このオーバーコート層14を形成し、この他の部分には、他の滑材を有するオーバーコート層を形成するようにしてもよい。
次に、キャップ12の内表面に形成された塗膜について説明する。
キャップ本体部12a〜12cの内表面には、全域にわたって、図示しない化成皮膜(クロム若しくはジルコニウム)若しくは陽極酸化皮膜と、エポキシ/フェノール系樹脂からなるサイズコート層15と、ポリプロピレンを接着成分とするライナー接着材層16とがこの順に積層されている。そして、ライナー接着材層15の表面のうち段差部12bに対応する部分、具体的には、図1(a)に示すように、平坦面とされたキャップ天面部12aの外周縁から、この外周縁に連なり缶軸方向下方かつ径方向外方に延びる段差部12bの第1壁面部12hに至る領域に、ライナー非接着層17が形成されており、段差部12bに位置するライナー12dの外周縁部は、キャップ12の内面と非接着状態となっている。
このライナー非接着材層17は、例えばアルキッド樹脂,熱硬化アミノ−アルキッド樹脂,ビニル樹脂,アクリル樹脂,ポリウレタン樹脂,ポリエステル樹脂,フェノール樹脂により形成されている。
また、ライナー接着材層16は、主剤としてのエポキシ/フェノール樹脂と、接着成分としてのポリプロピレン若しくは変性ポリプロピレンと、滑剤と、添加剤とを有機溶媒に分散させた塗料により形成されている。滑剤としては、オリーブ油等の脂肪酸とグリセリンとのエステル化合物が使用され、目的に応じてポリプロピレン等のオレフィン系滑剤、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス等が併用される。また、添加剤としては、増粘剤、安定剤等が使用される。
以上により、キャップ本体部12a〜12cの内面側の最外層は、ライナー12dを除いて、ポリプロピレンを含有するライナー接着材層16となり、また、このライナー接着材層16は、ボトル缶11のポリエチレンを含有するオーバーコート層14と対向することになる。ここで、ポリプロピレンとポリエチレンとは、たとえ互いが溶融した状態で接触し合い、これらが硬化しても、互いが結合して接着することはなく、したがって、ライナー接着材層16と、ボトル缶11のオーバーコート層14との接着を回避できるようになっている。
以上説明したように本実施形態によるキャップ付ボトル缶10では、キャップ本体部12a〜12cの内面側のうちこの最外層が、この本体部12a〜12cの全域にわたってポリプロピレンを含有するライナー接着材層16とされているので、ポリプロピレンを含有するライナー12dとライナー接着材層16とを、ライナー非接着材層17の配設位置を除いて良好に接着することが可能になり、また、ボトル缶口金部11cのうち、少なくとも雄ねじ部11eにおける外表面側に、ポリエチレンを含有するオーバーコート層14が形成されているので、キャップ本体部12a〜12cとボトル缶口金部11cとの密着発生を回避することが可能になる。
したがって、レトルト殺菌処理に供されるキャップ付ボトル缶10を形成するに際し、このキャップ12を良好に形成することが可能になるとともに、このような構成においても、レトルト殺菌処理後におけるボトル缶口金部11cとキャップ本体部12a〜12cの内面側との密着発生、特にボトル缶口金部11cの雄ねじ部11eとキャップ側面部12cの雌ねじ部12eとの密着発生を抑制することが可能になる。以上により、レトルト殺菌処理が施されるキャップ付ボトル缶10の開栓トルクの上昇を最小限に抑制することができる。
ここで、以上の効果について検証試験を行った。すなわち、レトルト殺菌処理(121℃、20分間)を施し、所定時間が経過した後のキャップ付ボトル缶の開栓トルクを測定した。比較例として、従来からあるキャップ付ボトル缶、すなわちボトル缶口金部の最外表面にポリプロピレンを含有するオーバーコート層を形成し、かつキャップ本体部の内面側のうち、この最外表面に前記実施形態と同様のライナー接着材層(ポリプロピレン含有)を形成したキャップ付ボトル缶を用いた。
結果、この比較例の場合、開栓トルクが300N・cmであったのに対して、前記実施形態のキャップ付ボトル缶では、200N・cmであった。
なお、キャップ本体部12a〜12cの内面側の最外層を、この内面側の全域にわたってライナー接着材層16とするので、従来の製造方法をそのまま適用することができ、前記作用効果を実現するに際して製造工数の増大発生を回避することもできる。
次に、この発明の第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同様の部位には同一の符合を付しその説明を省略する。
本実施形態のキャップ付ボトル缶20のボトル缶11は、図3(b)に示すように、外表面に、図示しない化成皮膜若しくは陽極酸化皮膜と、サイズコート層13と、滑材としてポリプロピレンを含有するオーバーコート層21とがこの順に積層されている。
また、キャップ天面部12aの内面には、図3(a)に示すように、全域にわたって、図示しない化成皮膜若しくは陽極酸化皮膜と、エポキシ/フェノール系樹脂からなるサイズコート層15とがこの順に積層され、このサイズコート層15の表面に、接着成分としてのポリプロピレンを含有するライナー接着材層22と、ポリエチレンを含有する非接着材層23とが形成されている。
ライナー接着材層22は、図3(a)に示すように、ライナー12dと対向した領域のうち、段差部12bに対応する領域を除いた部分に限定して形成され、また、非接着材層23は、ライナー接着材層22の外周縁に連なって、キャップ本体部12a〜12cの内面側のうち、ライナー接着材層21の非形成部の全域にわたって形成されている。すなわち、非接着材層23は、雄ねじ部11eおよび膨出部11fを含むボトル缶口金部11cの略全域にわたって対向した構成となっている。
以上により、ライナー12dのうち、段差部12bに位置する部分はキャップ本体部12a〜12cに対して非接着状態となり、この他の部分は、ライナー接着材層22を介してキャップ本体部12a〜12cに対して接着された状態となり、また、カール部11dを除くボトル缶口金部11cに対向する、キャップ本体部12a〜12cの内面側の最外層は、接着成分としてポリエチレンを含有する非接着材層23となる。
なお、ポリプロピレンとポリエチレンとは、前述したように、たとえ互いが溶融した状態で接触し合い、これらが硬化しても、互いが結合して接着することはなく、したがって、非接着材層23とボトル缶11のオーバーコート層21との接着を回避できるようになっている。
以上説明したように本実施形態によるキャップ付ボトル缶20では、キャップ天面部12aの内面側の最外表面に、ライナー12dと対向した領域のうち、段差部12bに対応する領域を除いた部分に、ポリプロピレンを含有するライナー接着材層22が形成されているので、ポリプロピレンを含有するライナー12dとライナー接着材層22とを良好に接着することが可能になり、また、キャップ本体部12a〜12c内面側のうち、ライナー接着材層22の非形成部に、ボトル缶口金部11cのオーバーコート層21に対する非接着材層23が形成されているので、キャップ本体部12a〜12cとボトル缶口金部11cとの密着発生を回避することが可能になる。したがって、レトルト殺菌処理に供されるキャップ付ボトル缶20を形成するに際し、このキャップ12を良好に形成することが可能になるとともに、このような構成においても、レトルト殺菌処理後におけるボトル缶口金部11cとキャップ12との密着発生、特にボトル缶口金部11cの雄ねじ部11eとキャップ側面部11cの雌ねじ部12eとの密着発生を抑制することが可能になる。以上により、レトルト殺菌処理が施されるキャップ付ボトル缶20の開栓トルクの上昇を最小限に抑制することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、前記第2実施形態において、キャップ12の内面側にサイズコート層15を形成し、このサイズコート層15の表面にライナー接着材層22と、非接着材層23とを形成し、ライナー接着材層22の外周縁に連なるように非接着材層23を形成した構成を示したが、サイズコート層15と非接着材層23とをこの順に積層し、非接着材層23の表面に、ライナー12dと対向した領域のうち、段差部12bに対応する領域を除いた部分に限定して、ライナー非接着材層22を形成してもよい。
また、非接着材層23としてサイズコート層15と用いてもよい。
さらに、前記第2実施形態では、キャップ本体部12a〜12cの内面側のうち、ライナー接着材層21の非形成部の全域にわたって非接着材層23を形成した構成を示したが、これに限らず、ライナー接着材層22の非形成部のうち、少なくともボトル缶口金部11cの雄ねじ部11eと対向する部分に形成した構成であれば、前記実施形態に限らない。
レトルト殺菌処理を必要とする内容物が充填されたキャップ付ボトル缶を開栓する際に、この開栓トルクが上昇することを回避することができる。
本発明の一実施形態として示したキャップ付ボトル缶の全体構成を示す概略図である。 図1に示すA部およびB部拡大図であって、本発明の第1実施形態として示したキャップ付ボトル缶である。 図1に示すA部およびB部拡大図であって、本発明の第2実施形態として示したキャップ付ボトル缶である。
符号の説明
10,20 キャップ付ボトル缶
11 ボトル缶
11a 胴部
11b 肩部
11c 口金部
11e 雄ねじ部
12 キャップ
12a〜12c キャップ本体部
12a 天面部
12b 段差部
12c 側面部
12d ライナー
14,21 オーバーコート層
16,22 ライナー接着材層
17 ライナー非接着材層
23 非接着材層

Claims (4)

  1. 天面部および該天面部の外周縁から略垂下してなる側面部を有するキャップ本体部と、前記天面部の内側に配設されたポリプロピレンを含有するライナーとを備えるキャップを、ボトル缶の口金部に螺着してなるキャップ付ボトル缶であって、
    前記キャップ本体部の内面側には、前記ボトル缶の口金部および前記ライナーと対向して、ポリプロピレンを含有するライナー接着材層が形成され、
    前記ボトル缶のうち少なくとも前記口金部の外表面側には、ポリエチレンを含有するオーバーコート層が形成されてなることを特徴とするキャップ付ボトル缶。
  2. 天面部および該天面部の外周縁から略垂下してなる側面部を有するキャップ本体部と、前記天面部の内側に配設されたポリプロピレンを含有するライナーとを備えるキャップを、ボトル缶の口金部に螺着してなるキャップ付ボトル缶であって、
    前記キャップ天面部の内面側には、前記ライナーと対向した領域に、ポリプロピレンを含有するライナー接着材層が形成され、
    前記キャップ本体部の内面側のうち、前記ライナー接着材層の非形成部における最外層は、前記ボトル缶口金部の外表面側に形成されたオーバーコート層に対する非接着材層とされていることを特徴とするキャップ付ボトル缶。
  3. 請求項2記載のキャップ付ボトル缶において、
    前記オーバーコート層はポリプロピレンを含有し、
    前記非接着材層はポリエチレンを含有し、
    前記ライナー接着材層は、前記非接着材層の表面に積層して、若しくは前記非接着材層に連なるように形成されてなることを特徴とするキャップ付ボトル缶。
  4. 請求項2記載のキャップ付ボトル缶において、
    前記非接着材層は、エポキシ/フェノール系樹脂からなるサイズコート層とされ、
    前記ライナー接着材層は、前記サイズコート層の表面に積層して、若しくは前記サイズコート層に連なるように形成されてなることを特徴とするキャップ付ボトル缶。
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