JP2005178883A - キャップ付ボトル缶 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ボトル缶11とキャップ12とを備え、キャップ天面部12aの内面側に、ポリプロピレンを含有するライナー12dが配設され、レトルト殺菌処理を必要とする内容物が充填されたキャップ付ボトル缶であって、キャップ本体部12a〜12cの内面側には、ボトル缶口金部およびライナー12dと対向して、ポリプロピレンを含有するライナー接着材層16が形成され、ボトル缶のうち少なくとも口金部の外表面側には、ポリエチレンを含有するオーバーコート層14が形成されている。
【選択図】 図1
Description
この種のキャップ付ボトル缶は、周知のように、有底筒状に形成された大径の胴部と、該胴部の缶軸方向上端部に連設されるとともに、缶軸方向上方に向うに従い漸次縮径した肩部と、該肩部の缶軸方向上端部に連設されるとともに、缶軸方向上方に延在した口金部とを備え、該口金部に雄ねじ部が形成されたボトル缶の前記口金部に、天面部および該天面部の外周縁に連なる段差部を介して略垂下してなる側面部を有するキャップ本体部と、前記天面部および前記段差部の内側に配設されたポリプロピレンを含有するライナーとを備えるキャップが螺着された構成が知られている。
なお、キャップの前記段差部により、前記ライナーをボトル缶の口金部上端開口部に密接させることによって、内容物の密封性を確保する構成となっている。
キャップは、素材としてのアルミニウム合金からなる圧延材の両面に、クロメート処理等による化成皮膜若しくは陽極酸化皮膜を形成する下地処理を施した後に、形成するキャップ内面側に位置する皮膜表面にエポキシ/フェノール系樹脂からなるサイズコート層を形成し、また、キャップ外面側に位置する皮膜表面にポリエステル等からなるサイズコート層を形成する。その後、形成するキャップ内面側に位置するサイズコート層表面に、ライナー接着材層を形成し、さらに、このライナー接着材層の表面のうち、形成する段差部に対応する領域にライナー非接着材層を形成する。また、形成するキャップ外面側に位置するサイズコート層表面に、塗料や印刷インクからなる塗膜を形成し、さらにこの表面にオーバーコート層を形成する。
その後、このキャップ本体部を加熱した状態で、このキャップ本体部のうち、キャップ天面部の内面側に、溶融状態にあるライナー材を配置し、冷却状態にある金型で押圧する。これにより、ライナー接着材層とライナー材とが溶着し、キャップ天面部内面側にライナーが配設されることによりキャップが形成される。この際、ライナー非接着材層では、ライナー材の溶着が回避され、段差部形成予定部とライナーとの非接着状態が実現される。
なお、キャップ付ボトル缶が陽圧缶の場合は、液体窒素を充填し、缶の内圧を高め、また、内容物がミルク入りコーヒー等の低酸性飲料である場合は、窒素ガスを充填し、ボトル缶内の空間における酸素量を低減し、内容物の劣化を抑制している。
したがって、この状態で、キャップ付ボトル缶にレトルト殺菌処理を施すと、加熱による缶内圧の上昇と加熱とによって、ボトル缶のオーバーコート層とライナー接着材層との密接状態がさらに緊密になり(面圧が高くなり)、このため、オーバーコート層およびライナー接着材層が溶融しないまでも、同一の接着成分としてのポリプロピレンを有するオーバーコート層およびライナー接着材層が互いに密着し、これにより、需要者等がこのキャップ付ボトル缶を開栓する際の開栓トルクが上昇するという問題があった。この問題は、キャップ付ボトル缶が陽圧缶である場合に、特に著しい。
請求項1に係る発明は、天面部および該天面部の外周縁から略垂下してなる側面部を有するキャップ本体部と、前記天面部の内側に配設されたポリプロピレンを含有するライナーとを備えるキャップを、ボトル缶の口金部に螺着してなるキャップ付ボトル缶であって、前記キャップ本体部の内面側には、前記ボトル缶の口金部および前記ライナーと対向して、ポリプロピレンを含有するライナー接着材層が形成され、前記ボトル缶のうち少なくとも前記口金部の外表面側には、ポリエチレンを含有するオーバーコート層が形成されてなることを特徴とする。
また、本発明はキャップ本体部の内面側のうちこの最外層を、この本体部の全域にわたってライナー接着材層としてもよく、この場合、従来の製造方法をそのまま適用することができ、前記作用効果を実現するに際して製造工数の増大発生を回避することもできる。
このキャップ付ボトル缶10は、図2に示すように、ボトル缶11に内容物10aとしてミルク入りコーヒー等の低酸性飲料が充填されるとともに、この内容物10aの劣化抑制を図るための窒素ガスが充填されたボトル缶11にキャップ12が螺着された概略構成とされている。なお、このキャップ付ボトル缶10が陽圧缶の場合には、さらに液体窒素が充填されることにより、缶内圧が大気圧以上に維持される。
口金部11cは、缶軸方向上端開口部が径方向外方へ折り返されるとともに、この折り返された外周面が径方向内方へ押し潰されて形成されたカール部11dと、後述するキャップ12が螺着される雄ねじ部11eと、この雄ねじ部11eの缶軸方向下端に連設されるとともに、径方向外方へ膨出した膨出部11fとを備えている。
キャップ側面部12cには、ボトル缶口金部11cの雄ねじ部11eに螺合する雌ねじ部12eと、この雌ねじ部12eより缶軸方向下方部に形成され、ボトル缶口金部11cの膨出部11fに沿う形状とされたピルファープルーフ部12fとを備えている。ピルファープルーフ部12fの缶軸方向中央部には、この側面部12cを貫通するスコア−12gが周方向に所定の間隙を有して複数形成されるとともに、このピルファープルーフ部12fの缶軸方向下端部は、ボトル缶口金部11cの膨出部11fの缶軸方向下端部に巻込まれている。なお、スコア−12gは、膨出部11fのうち径方向外方へ最も膨出した部分に略位置している。
図1(b)に示すように、ボトル缶11の外表面には、図示しない化成皮膜(クロム若しくはジルコニウム)と、サイズコート層13と、滑材としてポリエチレンを含有するポリエステル/アミノ系樹脂からなるオーバーコート層14とがこの順に積層されている。サイズコート層13は、オーバーコート層14の密着性を向上させるために、このオーバーコート層14より縦弾性係数の小さい塗料により形成されている。また、オーバーコート層14の含有する滑材としてのポリエチレンにより、ボトル缶11を複数本集合的に搬送する際に、各ボトル缶11の外表面同士が当接し合う場合においても、この外表面に傷等の損傷が発生することを抑制するとともに、口金部11cに雌ねじ部11e等を形成する際に、これらの加工工具が口金部11cの外表面に負荷を与えた状態で滑らかに動作させることが可能になる。
なお、本実施形態では、ボトル缶11の外表面側のうち、カール部11dを除く全ての部分に、ポリエチレンを含有するオーバーコート層14を形成したが、ボトル缶11のうち少なくとも口金部11cの雄ねじ部11eにおける外表面に、このオーバーコート層14を形成し、この他の部分には、他の滑材を有するオーバーコート層を形成するようにしてもよい。
キャップ本体部12a〜12cの内表面には、全域にわたって、図示しない化成皮膜(クロム若しくはジルコニウム)若しくは陽極酸化皮膜と、エポキシ/フェノール系樹脂からなるサイズコート層15と、ポリプロピレンを接着成分とするライナー接着材層16とがこの順に積層されている。そして、ライナー接着材層15の表面のうち段差部12bに対応する部分、具体的には、図1(a)に示すように、平坦面とされたキャップ天面部12aの外周縁から、この外周縁に連なり缶軸方向下方かつ径方向外方に延びる段差部12bの第1壁面部12hに至る領域に、ライナー非接着層17が形成されており、段差部12bに位置するライナー12dの外周縁部は、キャップ12の内面と非接着状態となっている。
また、ライナー接着材層16は、主剤としてのエポキシ/フェノール樹脂と、接着成分としてのポリプロピレン若しくは変性ポリプロピレンと、滑剤と、添加剤とを有機溶媒に分散させた塗料により形成されている。滑剤としては、オリーブ油等の脂肪酸とグリセリンとのエステル化合物が使用され、目的に応じてポリプロピレン等のオレフィン系滑剤、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス等が併用される。また、添加剤としては、増粘剤、安定剤等が使用される。
結果、この比較例の場合、開栓トルクが300N・cmであったのに対して、前記実施形態のキャップ付ボトル缶では、200N・cmであった。
また、キャップ天面部12aの内面には、図3(a)に示すように、全域にわたって、図示しない化成皮膜若しくは陽極酸化皮膜と、エポキシ/フェノール系樹脂からなるサイズコート層15とがこの順に積層され、このサイズコート層15の表面に、接着成分としてのポリプロピレンを含有するライナー接着材層22と、ポリエチレンを含有する非接着材層23とが形成されている。
ライナー接着材層22は、図3(a)に示すように、ライナー12dと対向した領域のうち、段差部12bに対応する領域を除いた部分に限定して形成され、また、非接着材層23は、ライナー接着材層22の外周縁に連なって、キャップ本体部12a〜12cの内面側のうち、ライナー接着材層21の非形成部の全域にわたって形成されている。すなわち、非接着材層23は、雄ねじ部11eおよび膨出部11fを含むボトル缶口金部11cの略全域にわたって対向した構成となっている。
なお、ポリプロピレンとポリエチレンとは、前述したように、たとえ互いが溶融した状態で接触し合い、これらが硬化しても、互いが結合して接着することはなく、したがって、非接着材層23とボトル缶11のオーバーコート層21との接着を回避できるようになっている。
また、非接着材層23としてサイズコート層15と用いてもよい。
さらに、前記第2実施形態では、キャップ本体部12a〜12cの内面側のうち、ライナー接着材層21の非形成部の全域にわたって非接着材層23を形成した構成を示したが、これに限らず、ライナー接着材層22の非形成部のうち、少なくともボトル缶口金部11cの雄ねじ部11eと対向する部分に形成した構成であれば、前記実施形態に限らない。
11 ボトル缶
11a 胴部
11b 肩部
11c 口金部
11e 雄ねじ部
12 キャップ
12a〜12c キャップ本体部
12a 天面部
12b 段差部
12c 側面部
12d ライナー
14,21 オーバーコート層
16,22 ライナー接着材層
17 ライナー非接着材層
23 非接着材層
Claims (4)
- 天面部および該天面部の外周縁から略垂下してなる側面部を有するキャップ本体部と、前記天面部の内側に配設されたポリプロピレンを含有するライナーとを備えるキャップを、ボトル缶の口金部に螺着してなるキャップ付ボトル缶であって、
前記キャップ本体部の内面側には、前記ボトル缶の口金部および前記ライナーと対向して、ポリプロピレンを含有するライナー接着材層が形成され、
前記ボトル缶のうち少なくとも前記口金部の外表面側には、ポリエチレンを含有するオーバーコート層が形成されてなることを特徴とするキャップ付ボトル缶。 - 天面部および該天面部の外周縁から略垂下してなる側面部を有するキャップ本体部と、前記天面部の内側に配設されたポリプロピレンを含有するライナーとを備えるキャップを、ボトル缶の口金部に螺着してなるキャップ付ボトル缶であって、
前記キャップ天面部の内面側には、前記ライナーと対向した領域に、ポリプロピレンを含有するライナー接着材層が形成され、
前記キャップ本体部の内面側のうち、前記ライナー接着材層の非形成部における最外層は、前記ボトル缶口金部の外表面側に形成されたオーバーコート層に対する非接着材層とされていることを特徴とするキャップ付ボトル缶。 - 請求項2記載のキャップ付ボトル缶において、
前記オーバーコート層はポリプロピレンを含有し、
前記非接着材層はポリエチレンを含有し、
前記ライナー接着材層は、前記非接着材層の表面に積層して、若しくは前記非接着材層に連なるように形成されてなることを特徴とするキャップ付ボトル缶。 - 請求項2記載のキャップ付ボトル缶において、
前記非接着材層は、エポキシ/フェノール系樹脂からなるサイズコート層とされ、
前記ライナー接着材層は、前記サイズコート層の表面に積層して、若しくは前記サイズコート層に連なるように形成されてなることを特徴とするキャップ付ボトル缶。
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- 2003-12-22 JP JP2003425824A patent/JP2005178883A/ja active Pending
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