JP2003286408A - 耐熱性金属ppキャップ用ライナー、該ライナー付キャップおよびその製法 - Google Patents
耐熱性金属ppキャップ用ライナー、該ライナー付キャップおよびその製法Info
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Abstract
発生せず、かつ内容物が125℃で30分間のレトルト
殺菌に耐えうるとともに、熱変形ないし熱収縮に起因す
る漏洩も有効に解消され、さらに十分ま柔軟性およびゴ
ム弾性を有し保管時や取り扱い時の落下に起因する漏洩
も解消され、かつ開栓時の開栓性も良好な耐熱性金属P
Pキャップ用ライナー、該ライナー付キャップおよびそ
の製法の提供。 【解決手段】 (A)230℃で荷重が21.18N
(2.16kgf)におけるメルトフローレートが0で
ある(すなわち、この条件では流動しない)水素添加ス
チレン/イソプレン系ブロック共重合体30〜40重量
%、(B)流動パラフィン40〜50重量%、(C)ポ
リプロピレン系樹脂10〜30重量%(D)シリコーン
オイル0.2重量%〔以上のいずれの重量%も(A)+
(B)+(C)+(D)の合計量に対するものである〕
以上、を含む樹脂組成物よりなることを特徴とする耐熱
性金属PPキャップ用ライナー、該ライナー付キャップ
およびその製法。
Description
ルファープルーフ)キャップ用ライナーに関するもので
あり、より詳しくは、内容物を熱間充填密封後、125
℃で30分間のレトルト殺菌に耐え得ると共に、保管、
取り扱い時の落下に起因する漏洩も解消され、開栓時の
開栓性も良好な耐熱性金属PPキャップ用ライナー、該
ライナー付キャップおよびその製法に関する。
ルミキャップと略記することがある)の内面側にオレフ
ィン樹脂系のライナーを設けたPPキャップは、衛生的
特性と密封性能とに優れた容器蓋として広く使用されて
いるが、瓶詰め後の加熱殺菌のような熱処理を行う場合
には、熱変形又は熱収縮に起因する漏洩が問題となって
いる。
公平6−88608号公報(特開平2−57569号公
報)には(i)水素添加スチレン/ブタジエンブロック
共重合体、(ii)流動パラフィン、(iii)プロピレン
系樹脂よりなるブレンド物を、容器蓋のライナーとして
使用することが提案されている。
ブロック共重合体、(ii)流動パラフィン、(iii)プ
ロピレン系樹脂よりなるブレンド物は、内容物を95℃
で熱間充填後、90℃の熱湯で、3分間シャワー処理す
るような場合には加熱殺菌に耐え得るものの、125℃
で30分間のレトルト殺菌を必要とするような場合には
未だかなりの頻度で漏洩を生じることがわかった。この
理由は未だ十分に明らかでないが、使用された水素添加
スチレン/ブタジエンブロック共重合体が、比較的耐熱
性に優れているとしても、上述した125℃という高温
領域では圧縮永久歪や永久伸びが大きいため、容器口部
と容器蓋との間に無視し得ない熱変形乃至熱収縮による
ズレを生じ、密封部に微少な間隙を生じるためと思われ
る。
は、前記特公平6−88608号公報記載の重合体組成
物は、流動パラフィンの配合量が20〜80重量%と大
きな幅があり、流動パラフィンの配合量が多い時には樹
脂組成物の成形加工性はよいもののワックスフロート
(ライナー材から流動パラフィンと見られる油状物質が
分離し、内容液の表面に液滴状に浮いたり、油膜を形成
すること)を生じる場合があり、流動パラフィンの配合
量が少ないと成形加工性に問題が生ずるので、その対応
策を提案している。
明では、前記特公平6−88608号公報の水素添加ス
チレン/ブタジエンブロック共重合体のかわりに水素添
加スチレン/イソプレン共重合体を用いるとともに、前
記特公平6−88608号公報のプロピレン系樹脂の代
りに、メルトフローレート〔230℃、21.18N
(2.16kgf)荷重〕が0.1〜100g/10分
の結晶性ポリプロピレン樹脂またはメルトフローレート
〔190℃、21.18N(2.16kgf)荷重〕が
0.1〜50g/10分、密度0.940g/cm3以
上のポリエチレン樹脂を併用することにより解決を計っ
ている。たしかに、この方法により前記特公平6−88
608号公報のワックスフロートの問題は解消し、しか
も90℃の熱水シャワーで3分間の殺菌処理には充分耐
えられるが、この樹脂組成物を用いたライナーは、12
5℃で30分間の殺菌条件を要求されている用途には使
用することができない。また特開平11−106565
号公報記載の発明とほぼ同一の発明として特開平11−
130910号公報記載の発明があるが、この発明にお
いても、125℃で30分間の殺菌条件に耐えられるよ
うなライナーは得られていない。
加工性が良く、ワックスフロート現象を発生せず、かつ
内容物が125℃で30分間のレトルト殺菌に耐えうる
とともに、熱変形ないし熱収縮に起因する漏洩も有効に
解消され、さらに十分な柔軟性およびゴム弾性を有し保
管時や取り扱い時の落下に起因する漏洩も解消され、か
つ開栓時の開栓性も良好な耐熱性金属PPキャップ用ラ
イナー、該ライナー付キャップおよびその製法を提供す
ることにある。
め、本発明者らは鋭意研究を進めた結果、前記特開平1
1−106565号発明における水素添加スチレン/イ
ソプレン系ブロック共重合体のうち、230℃で荷重が
21.18N(2.16kgf)におけるメルトフロー
レートが樹脂が流動しないことにより測定できないとい
う特異な性質をもつものを選択使用することおよび前記
流動性を示さない水素添加スチレン/イソプレン系ブロ
ック共重合体を含む樹脂組成物に良好な押出成形性を与
えるために、流動パラフィンとポリプロピレン系樹脂の
他にさらにシリコーンオイルを配合することにより、前
記課題を一挙に解決できることを見出し、本発明を完成
させるに至った。
21.18N(2.16kgf)におけるメルトフロー
レート(JIS K7210により測定)が0である
(すなわち、この条件では流動しない)水素添加スチレ
ン/イソプレン系ブロック共重合体30〜40重量%、
(B)流動パラフィン40〜50重量%、(C)ポリプ
ロピレン系樹脂10〜30重量%、(D)シリコーンオ
イル0.2重量%〔以上のいずれの重量%も(A)+
(B)+(C)+(D)の合計量に対するものである〕
以上、好ましくは、0.5〜5.0重量%を含む樹脂組
成物よりなることを特徴とする耐熱性金属PPキャップ
用ライナーに関する。本発明の第2は、230℃で荷重
が21.18N(2.16kgf)における前記樹脂組
成物のメルトフローレートが1g/10分以上、好まし
くは2g/10分以上である請求項1記載の耐熱性金属
PPキャップ用ライナーに関する。本発明の第3は、1
25℃における10%圧縮応力が19.6N(2kg
f)以上、好ましくは約29.4N(3kgf)以上
で、25℃における10%圧縮応力が490N(50k
gf)以下、好ましくは約392N(40kgf)であ
り、かつ (125℃における10%圧縮応力)/(25℃におけ
る10%圧縮応力)≧0.3、 である請求項1または2記載の耐熱性金属PPキャップ
用ライナーに関する。本発明の第4は、請求項1〜3い
ずれか記載の耐熱性金属PPキャップ用ライナー付キャ
ップに関する。本発明の第5は、少なくとも、(A)2
30℃で荷重が21.18N(2.16kgf)におけ
るメルトフローレートが0である水素添加スチレン/イ
ソプレン系ブロック共重合体30〜40重量%、(B)
流動パラフィン40〜50重量%、(C)ポリプロピレ
ン系樹脂10〜30重量%、(D)シリコーンオイル
0.2重量%以上、を含む樹脂組成物を軟化状態ないし
溶融状態で金属製キャップ内面側に所定量供給し、冷却
型面で押圧してライナー形状に成形することを特徴とす
る請求項4記載の耐熱性金属PPキャップ用ライナー付
キャップの製法に関する。
チレン/イソプレン系ブロック共重合体を使用するが、
この水素添加スチレン/イソプレン系ブロック共重合体
はメルトフローレート〔230℃、21.18N(2.
16kgf)荷重:JISK7210−1995、表1
の試験条件No.14〕が測定できず、流動性のないこ
とが、第一の特徴である。この流動性のない水素添加ス
チレン/イソプレン系ブロック共重合体を用いることに
より、最終的な樹脂組成物にした時、室温では柔軟で、
125℃では圧縮応力があまり低下せず、その結果とし
て125℃で30分間の加熱殺菌条件で、熱変形または
熱収縮に起因する漏洩(液漏れ)が有効に防止され、さ
らに保管時、取り扱い時の落下に起因する漏洩もまた有
効に防止される。
21.18N(2.16kgf)におけるメルトフロー
レートが1g/10分以上であれば一応本発明における
キャップ用ライナーとしての必要な最小限の物性を確保
することができるが、とくに2g/10分〜50g/1
0分とすることが好ましい。メルトフローレートが2g
/10分以上であれば、エラストマー〔成分(A)〕の
配合量が多い場合でも、組成物が満足できる流動性を示
し、その結果満足できる成形加工性が得られる。また、
メルトフローレートが50g/10分以上になると、加
熱溶融時の粘度が低くなりすぎ、糸引き現象、バリの発
生、吐出量の不安定性などの成形上の問題点が発生する
おそれがある。
組成物は、125℃における10%圧縮応力が19.6
N(2kgf)以上で、25℃における10%圧縮応力
が490N(50kgf)以下であることが好ましい。
とくに組成物中の流動パラフィン〔成分(B)〕が多い
場合には、125℃における10%圧縮応力が29.4
N(3kgf)以上とした方が充分な耐熱密封性を示す
ので好都合である。また、組成物中のエラストマー〔成
分(A)〕が少ない場合には、25℃における10%圧
縮応力を約392N(40kgf)以下とした方が、キ
ャップの落下密封性を高めるので好都合である。
ソプレン系ブロック共重合体は、最終的な樹脂組成物に
した時は弾性に富んでいるものの、流動性が無いため加
熱溶融押出成形をすることができない。そこで、この水
素添加スチレン/イソプレン系ブロック共重合体に流動
パラフィンとポリプロピレン系樹脂、さらにシリコーン
オイルとを組合わせて配合することが第二の特徴であ
る。流動性のない水素添加スチレン/イソプレン系ブロ
ック共重合体に流動パラフィンとポリプロピレン系樹脂
を組み合わせて配合することにより、125℃における
圧縮応力が大きく低下することなしに、優れた加熱溶融
押出成形性が得られる。流動パラフィンは樹脂組成物に
柔軟性および加熱成形性を付与するのに効果があり、ま
た、流動パラフィンは他の油剤と比較して無味、無臭で
あるので食品内容物のフレーバーへの影響が極めて少な
く有利である。プロピレン系樹脂は125℃における圧
縮応力を低下することなしに、加熱成形性を付与する効
果がある。一方シリコーンオイルは各成分を混合し、均
一分散する場合優れた混合性を付与し、また最終樹脂組
成物の加熱成形性を向上する効果がある。
トフローレート〔230℃、21.18N(2.16k
gf)荷重〕が0で、流動性のない水素添加スチレン/
イソプレン系ブロック共重合体30〜40重量%、
(B)流動パラフィン40〜50重量%、(C)ポリプ
ロピレン系樹脂10〜30重量%、(D)シリコーンオ
イル0.2重量%以上の量であることが重要である。成
分(A)が前記範囲より少ないと、25℃における圧縮
応力が大きくなり保管時および取り扱い時の落下衝撃に
より漏洩しやすくなり、前記範囲より多いと、加熱時の
流動性が悪くなり、良好な加熱溶融押出成形性が得られ
なくなる。成分(B)が前記範囲より少ないと、良好な
加熱溶融押出成形性が得られず、また25℃における圧
縮応力が大きくなり保管時および取り扱い時の落下衝撃
により漏洩しやすくなる。前記範囲より多いと125℃
における圧縮応力が大きく低下し、125℃で30分間
の加熱殺菌時に漏洩しやすくなる。成分(C)が前記範
囲より少ないと良好な加熱溶融押出成形性が得られず、
前記範囲より多いと、25℃における圧縮応力が大きく
なり保管時および取り扱い時の落下衝撃により漏洩しや
すくなる。成分(D)が前記範囲より少ないと、各成分
を混合、均一分散する場合に極めて混合性が悪くなり、
また良好な加熱溶融押出成形性が得られない傾向があ
る。なお、エラストマー成分である成分(A)の配合量
が多い場合には成分(D)は分散性を確保する上で0.
5重量%以上あった方がよい。また、流動パラフィン
〔成分(B)〕の配合量が多い場合には成分(D)は組
成物がブリードしやすくなるのを防ぐ意味で5重量%以
下とするのが好ましい。
/イソプレン系ブロック共重合体は、ブロック構造とし
ては、A:スチレン重合体ブロック、B:イソプレン重
合体ブロックと表すと、A−B−A型、A−B型であ
り、1種または2種以上のブレンド物である。水素添加
物とは、イソプレン部分を水素添加したものである。ま
た、イソプレン重合体ブロック中にイソプレン成分より
は少量のブタジエン重合体がブロック状、もしくはラン
ダム状に共重合されたものでもよい。スチレン重合体ブ
ロックに使用されるスチレンモノマーとしては、スチレ
ン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニル
スチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレ
ン、N,N−ビニルピリジン等が挙げられ、特にスチレ
ン、α−メチルスチレンが好ましい。好ましい水素添加
スチレン/イソプレン系ブロック共重合体は下記の物性
を持つものである。 スチレン含有量 10〜65重量% 好ましくは15〜40重量% 比 重 0.87〜0.98 好ましくは0.88〜0.94 溶液粘度(5重量%トルエン溶液) 20〜300mPa(ミリパスカル)・s好ましくは2
0〜200mPa・s なお、エラストマーの硬さを確保し、ライナーの耐熱密
封性を高めるという点からスチレン含有量は、15重量
%以上とすることがとくに好ましく、一方、エラストマ
ーの弾性を確保し、ライナーの落下密封性を安定化する
という点からスチレン含有量は40重量%以下とするこ
とがとくに好ましい。さらに、前記溶液粘度が20mP
a・sを下まわると230℃においてエラストマーに流
動性が生じてしまう可能性が高く、また200mPa・
s以上になるとエラストマーが硬くなり、樹脂組成物と
して流動性、成形加工性が悪くなる傾向が生じるので、
とくに200mPa・s以下が好ましい。
留分たとえばスピンドル油留分を硫酸洗浄によって高度
に精製した炭化水素油であり、無色無臭で揮発性が低く
主としてアルキルナフテン類からなり、白油(ホワイト
オイル)ともいう。流動パラフィンとくに薬用クラスの
精製流動パラフィンの性状は6局に規定されている(d
0.860〜0.905)ものであり(1987年2
月15日 共立出版株式会社発行、化学大辞典9 第7
49頁参照)、缶の内容物が飲食品のときには、とくに
好ましい。流動パラフィンの粘度は、通常20〜400
mPa・s(40℃)で、好ましくは、40〜200m
Pa・s(40℃)で、20mPa・s未満では、耐熱
性が低く、低粘度のためキャップライナー材より流動パ
ラフィンが内容物に溶出するワックスフロート現象が発
生するおそれがあり、400mPa・sを越えるとキャ
ップライナー材用組成物の流動性が不足し、加工性不良
となることがある。とくに粘度が40〜200mPa・
sの範囲にあると、樹脂組成物の流動性がよく、ブリー
ドせず、成形加工性も良好であり、大へん好ましい。
ピレンのホモ重合体、プロピレン(主成分)とエチレン
および/または炭素数4〜12のα−オレフィンとの共
重合体である。好ましいポリプロピレン系樹脂は、下記
の物性をもつものである。 MFR〔230℃、21.18N(2.16kgf)/
10分〕 (JIS K7210 表1、No.14の試験条件) 1〜60 好ましくは5〜40 比 重 0.89〜0.92 好ましくは0.90〜0.91 硬度(ロックウェル R型) 80〜120 好ましくは85〜115 熱変形温度〔0.45MPa(メガパスカル)、 ASTM D648〕 100〜150℃ 好ましくは105〜145℃ なお、MFRについては、とくに5〜40の範囲にある
と、樹脂組成物の成形性がよく、またキャップとしての
耐衝撃性、落下密封性の点でもすぐれており、とくに好
ましい。また、熱変形温度もとくに105℃〜145℃
の範囲のものが、キャップの耐熱密封性と耐衝撃性の点
からもっとも好ましい。
00〜10000cst(20℃)、とくに100〜1
000cst(20℃)のものが好ましく、また具体的
シリコーンオイルとしては前記動粘度をもつジメチルシ
リコーンオイルやメチルフェニルシリコーンオイルなど
が好適である。動粘度が100cst(20℃)未満の
ものは食品衛生上問題があり、10000cst(20
℃)を超えると、組成物への混合、分散性が不充分とな
る。シリコーンオイルの配合量は少なくとも0.2重量
%を必要とするが、通常0.2〜10重量%、好ましく
は0.5〜5重量%である。0.5重量%以上であれ
ば、エラストマー〔成分(A)〕が多い場合でも、その
分散性がよく、また5重量%以下の方が流動パラフィン
の多い場合でもブリードが発生せず、内容物のフレーバ
ーが悪くなるおそれはない。
素添加スチレン/イソプレン系ブロック共重合体、流動
パラフィン、ポリプロピレン系樹脂、シリコーンオイル
を前記の範囲で公知の方法、例えば、ヘンシェルミキサ
ー、Vブレンダー等で混合後、一軸押出機、二軸押出
機、バンバリーミキサー等で溶融混練し、造粒、粉砕等
の方法が用いられる。
物を加熱溶融押出機で、キャップ内面に一定量押出し、
冷却下に型押しする方法が用いられる。この成形法によ
れば、容器口部と嵌合するライナー周辺部に密封性の点
で望ましい形状が形成し得るので有利である。
じて耐熱安定剤、難燃剤、耐候安定剤、帯電防止剤、界
面活性剤、防曇剤、流滴剤、核剤、顔料、染料、金属不
活剤、シリカ、タルク、マイカ、カーボン、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ステアリン酸
化合物、木粉、コルク粉末等の無機あるいは有機添加
剤、充填剤等を本発明の目的を損わない範囲で配合して
も良い。
クを低下させるためには、滑剤を添加することができ
る。滑剤としては高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸、グリ
セリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステル、高級アルコール脂肪酸エステル、ステアリン
酸、ステアリン酸エステル、ステアリン酸の金属塩等が
挙げられるが、なかでも高級脂肪酸アミドが望ましい。
好適な高級脂肪酸アミドとしては、オレイン酸アミド、
エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸ア
ミド、ラウリル酸アミド、メチレンビスステアリルアミ
ド、エチレンビスラウリルアミド、ステアリルオレイル
アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド等があげ
られる。
ばアルミニウムのような軽合金が好ましく、それ自体公
知の保護塗料、例えばエポキシ−フェノール系塗料で塗
装されていることができる。
するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではな
い。
サー(安田精機製作所製)にかけ、230℃、21.1
8N(2.16kgf)荷重の条件で10分間に押出さ
れる試料の重量を測定する。 (押出成形性試験)樹脂組成物を押出機で溶融押出し、
一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φ
PPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押
し供試キャップを連続して1分間当り1000回以上作
製する。キャップ内のライナー材のキズ、型崩れの有
無、塗布量のばらつきを調べる(100個)。 ○:すべて良品 ×:良品率99%以下 (圧縮応力試験)150×150×2mmのプレス金型
を用い、プレス温度230℃、プレス圧19.61MP
a(200kg/cm2)でプレスを行い、樹脂組成物
の平板サンプルを作製した。この平板サンプルを16m
mφ×2mmに切り取り、2枚重ねて圧縮応力試験の試
験片とし25℃及び125℃で圧縮試験を行い10%圧
縮時の応力を測定する。 (耐熱気密性)樹脂組成物を押出機で溶融押出し、一定
量(約0.4g)をホットカットして外径約28mmの
アルミPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型
で型押し供試キャップを各樹脂組成物毎に30個作製す
る。口部の外径が約28mmのアルミニウムボトル缶
(450ml入り)に液体窒素を滴下しながら〔常温で
の内圧が約0.098MPa(1kg/cm2)になる
ように調整〕90℃の熱水を詰めて供試キャップにてキ
ャッピング(キャッピング荷重105kgf、柴崎製作
所#501キャッパー使用)し、125℃で30分間の
レトルト殺菌を行い、冷却後の漏れの有無を調べる(1
0個)。 ○:漏れ無し ×:漏れ1缶以上 (落下密封性)上記の方法で試験缶を作製し、冷却後角
度10°の鉄面に10cm、20cm、30cmの高さ
から倒立落下させた後、漏れの有無を調べる(10
個)。 ○:落下高さ30cmで漏れなし △:落下高さ30cmで漏れ、20cmで漏れなし ×:落下高さ20cm以下で漏れ発生 (開栓性)上記の方法で試験缶を10個作製し、冷却後
開栓し、開栓トルクを測定する。 ○:0.7〜1.1Nm △:1.2〜1.6Nm ×:1.7Nm以上
チレン含有量30重量%、230℃、21.18N
(2.16kgf)で流動せず、以下、これをSEPS
−Aと略記)が39重量%、ポリプロピレン系樹脂〔2
30℃、21.18N(2.16kgf)のメルトフロ
ーレートMFRが24、ロックウェル硬度R90°、以
下、これをPP−Aと略記〕が20重量%、流動パラフ
ィン(動粘度、71mm2/S、40℃、以下、これを
流パラ−Aと略記)40重量%、シリコーンオイル(2
5℃における動粘度350cst、以下、これをシリコ
ーンオイル−Aと略記)1重量%よりなる組成物100
重量部に対して、エルカ酸アミドを0.5重量部、酸化
チタンを0.6重量部、高分子量フェノール系酸化防止
剤を0.1重量部添加しヘンシェルミキサーで2分間混
合後、2軸押出機で230℃において溶融混練、造粒
し、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用い、メルト
フローレート測定、押出し成形性試験、圧縮応力試験、
耐熱気密性試験、落下密封性試験、開栓性試験を行い、
その試験結果を表1に示す。
パラ−Aが43重量%、シリコーンオイル−Aが1重量
%よりなる組成物100重量部に対して、エルカ酸アミ
ドを0.5重量部、酸化チタンを0.6重量部、高分子
量フェノール系酸化防止剤を0.1重量部添加し、実施
例1と同様に試験を行った。試験結果を表1に示す。
パラ−Aが48重量%、シリコーンオイル−Aが1重量
%の100重量部に対して、エルカ酸アミドを0.5重
量部、酸化チタンを0.6重量部、高分子量フェノール
系酸化防止剤を0.1重量部添加し、実施例1と同様に
試験を行った。試験結果を表1に示す。
パラ−Aが49重量%、シリコーンオイル−Aが1重量
%よりなる組成物100重量部に対して、エルカ酸アミ
ドを0.5重量部、酸化チタンを0.6重量部、高分子
量フェノール系酸化防止剤を0.1重量部添加し、実施
例1と同様に試験を行った。試験結果を表1に示す。
パラ−Aが39重量%、シリコーンオイル−Aが0重量
%よりなる組成物100重量部に対して、エルカ酸アミ
ドを0.5重量部、酸化チタンを0.6重量部、高分子
量フェノール系酸化防止剤を0.1重量部添加し、実施
例1と同様に試験を行った。試験結果を表1に示す。
パラ−Aが26重量%、シリコーンオイル−Aが1重量
%よりなる組成物100重量部に対して、エルカ酸アミ
ドを0.5重量部、酸化チタンを0.6重量部、高分子
量フェノール系酸化防止剤を0.1重量部添加し、実施
例1と同様に試験を行った。試験結果を表1に示す。
パラ−Aが54重量%、シリコーンオイル−Aが1重量
%よりなる組成物100重量部に対して、エルカ酸アミ
ドを0.5重量部、酸化チタンを0.6重量部、高分子
量フェノール系酸化防止剤を0.1重量部添加し、実施
例1と同様に試験を行った。試験結果を表1に示す。
ラ−Aが49重量%、シリコーンオイル−Aが1重量%
よりなる組成物100重量部に対して、エルカ酸アミド
を0.5重量部、酸化チタンを0.6重量部、高分子量
フェノール系酸化防止剤を0.1重量部添加し、実施例
1と同様に試験を行った。試験結果を表1に示す。
ロック共重合体(SEPS−A)を230℃で21.1
8N(2.16kgf)荷重でのメルトフローレートが
4のSEPS(SEPS−B)に変更した以外は実施例
1と同様の樹脂組成物を用い、実施例1と同様に試験を
行った。試験結果を表1に示す。
ロック共重合体(SEPS−A)を230℃で21.1
8N(2.16kgf)荷重でのメルトフローレートが
0.1以下の水素添加スチレン/ブタジエン共重合体
(SEBS−A)に変更した以外は実施例1と同様の樹
脂組成物を用い、実施例1と同様に試験を行った。試験
結果を表1に示す。
チレン含有量18wt%、230℃、21.18N
(2.16kgf)のMFRが4〕(SEP−Cと略
記)が50重量%、PP−Aが17重量%、流パラ−A
が33重量%の100重量部に対して、エルカ酸アミド
を0.5重量部、酸化チタンを0.6重量部、高分子量
フェノール系酸化防止剤を0.1重量部添加し、実施例
1と同様に試験を行った。試験結果を表1に示す。
リプロピレン系樹脂(230℃で21.18N(2.1
6kgf)荷重でのメルトフローレート10.5g/1
0分間、ロックウェル硬度 R110°)4重量%、流
動パラフィン(比重0.865)44重量%、シリコー
ンオイル−Aが1重量%、酸化防止剤(比重1.40、
m.p.125℃)0.2重量%、エルカ酸アミド
(m.p.84℃)1重量%、酸化チタン0.6重量%
よりなる組成物をヘイシェルミキサーで2分間混合後、
2軸押出機で230℃において混練、造粒し、樹脂組成
物を得た。この樹脂組成物の物性を測定した結果を表2
に示す。
ンブロック共重合体〔比重0.91、230℃で21.
18N(2.16kgf)におけるメルトインデックス
0.1以下、A型硬度 A80〕を用いた以外は、すべ
て実施例4を繰り返した。その結果を表2に示す。
は、対象組成物が溶融していまい、物性測定ができない
ことを示す。
kgf)におけるメルトフローレートが0である(すな
わち、この条件では流動しない)水素添加スチレン/イ
ソプレン系ブロック共重合体30〜40重量%、(B)
流動パラフィン40〜50重量%、(C)ポリプロピレ
ン系樹脂10〜30重量%、(D)シリコーンオイル
0.2重量%〔以上、いずれの重量%も(A)+(B)
+(C)+(D)の合計量に対するものである〕以上、
を含む樹脂組成物よりなることを特徴とする耐熱性金属
PPキャップ用ライナー。 (2)(A)230℃で荷重が21.18N(2.16
kgf)におけるメルトフローレートが0である(すな
わち、この条件では流動しない)水素添加スチレン/イ
ソプレン系ブロック共重合体30〜40重量%、(B)
流動パラフィン40〜50重量%、(C)ポリプロピレ
ン系樹脂10〜30重量%、(D)シリコーンオイル
0.2重量%〔以上、いずれの重量%も(A)+(B)
+(C)+(D)の合計量に対するものである〕以上、
を含む樹脂組成物よりなり、125℃で30分間のレト
ルト殺菌に耐えうることを特徴とする耐熱性金属PPキ
ャップ用ライナー。 (3)230℃で荷重が21.18N(2.16kg
f)における前記樹脂組成物のメルトフローレートが1
g/10分以上である前項(1)または(2)記載の耐
熱性金属PPキャップ用ライナー。 (4)125℃における10%圧縮応力が19.6N
(2kgf)以上で、25℃における10%圧縮応力が
490N(50kgf)以下であり、かつ(125℃に
おける10%圧縮応力)/(25℃における10%圧縮
応力)≧0.3である前項(1)〜(3)いずれか記載
の耐熱性金属PPキャップ用ライナー。 (5)前項(1)〜(4)いずれか記載の耐熱性金属P
Pキャップ用ライナー付キャップ。 (6)前項(1)または(2)記載の耐熱性金属PPキ
ャップ用ライナーを形成する樹脂組成物を軟化状態ない
し溶融状態で金属製キャップ内面側に所定量供給し、冷
却型面で押圧してライナー形状に成形することを特徴と
する前項(5)記載の耐熱性金属PPキャップ用ライナ
ー付キャップの製法。
いる樹脂組成物として流動性のない水素添加スチレン/
イソプレン系ブロック共重合体に対して、流動パラフィ
ン、ポリプロピレン系樹脂、シリコーンオイルを特定の
割合で組み合わせて配合することにより、全く成形加工
性に欠ける水素添加スチレン/イソプレン系ブロック共
重合体を使用しているにもかかわらず、成形加工性に優
れ、しかもワックスフロート現象をおこさず、室温で柔
軟性がある金属PPキャップ用ライナーを提供できた。
しかもこのライナー付きキャップは内容物を熱間充填密
封後、125℃で30分間の加熱殺菌条件で熱変形また
は熱収縮に起因する漏洩が有効に防止され、さらに保管
時、取り扱い時の落下に起因する漏洩も有効に防止され
る。
Claims (5)
- 【請求項1】(A)230℃で荷重が21.18N
(2.16kgf)におけるメルトフローレートが0で
ある(すなわち、この条件では流動しない)水素添加ス
チレン/イソプレン系ブロック共重合体30〜40重量
%、(B)流動パラフィン40〜50重量%、(C)ポ
リプロピレン系樹脂10〜30重量%、(D)シリコー
ンオイル0.2重量%〔以上、いずれの重量%も(A)
+(B)+(C)+(D)の合計量に対するものであ
る〕以上、を含む樹脂組成物よりなることを特徴とする
耐熱性金属PPキャップ用ライナー。 - 【請求項2】 230℃で荷重が21.18N(2.1
6kgf)における前記樹脂組成物のメルトフローレー
トが1g/10分以上である請求項1記載の耐熱性金属
PPキャップ用ライナー。 - 【請求項3】 125℃における10%圧縮応力が1
9.6N(2kgf)以上で、25℃における10%圧
縮応力が490N(50kgf)以下であり、かつ (125℃における10%圧縮応力)/(25℃におけ
る10%圧縮応力)≧0.3 である請求項1または2記載の耐熱性金属PPキャップ
用ライナー。 - 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の耐熱性金属
PPキャップ用ライナー付キャップ。 - 【請求項5】(A)230℃で荷重が21.18N
(2.16kgf)におけるメルトフローレートが0で
ある水素添加スチレン/イソプレン系ブロック共重合体
30〜40重量%、(B)流動パラフィン40〜50重
量%、(C)ポリプロピレン系樹脂10〜30重量%、
(D)シリコーンオイル0.2重量%以上、を含む樹脂
組成物を軟化状態ないし溶融状態で金属製キャップ内面
側に所定量供給し、冷却型面で押圧してライナー形状に
成形することを特徴とする請求項4記載の耐熱性金属P
Pキャップ用ライナー付キャップの製法。
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JP2002092780A JP4237972B2 (ja) | 2002-03-28 | 2002-03-28 | 耐熱性金属ppキャップ用ライナーおよび該ライナー付キャップ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005178883A (ja) * | 2003-12-22 | 2005-07-07 | Mitsubishi Materials Corp | キャップ付ボトル缶 |
JP2013049748A (ja) * | 2011-08-30 | 2013-03-14 | Daiwa Can Co Ltd | 捻りキャップ用ライナー材樹脂組成物および食料品瓶詰用の捻りキャップの製造方法 |
-
2002
- 2002-03-28 JP JP2002092780A patent/JP4237972B2/ja not_active Expired - Fee Related
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