JP4319594B2 - 耐熱性金属ppキャップ用ライナー、該ライナー付キャップおよびそれらの製法 - Google Patents

耐熱性金属ppキャップ用ライナー、該ライナー付キャップおよびそれらの製法 Download PDF

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Description

本発明は耐熱性金属PP(ピルファープルーフ)キャップ用ライナーに関するものであり、より詳しくは、内容物を熱間充填密封後、130℃で30分間のレトルト殺菌に耐え得ると共に、保管、取り扱い時の落下に起因する漏洩も解消され、開栓時の開栓性も良好な耐熱性金属PPキャップ用ライナー、該ライナー付キャップおよびそれらの製法に関する。PPはpilfer proofの略称であり、これは一度キャップを開栓して開封したら、もう一度再栓したとしても開封したことが外観上明らかなものとなっており、誰れでも第3者がいたずらで封をあけたことが明らかになる構造を指すものである。
アルミニウム合金板製キャップ(以下アルミキャップと略記することがある)の内面側にオレフィン樹脂系のライナーを設けたPPキャップは、衛生的特性と密封性能とに優れた容器蓋として広く使用されているが、瓶詰め後の加熱殺菌のような熱処理を行う場合には、熱変形又は熱収縮に起因する漏洩が問題となっている。
この問題を解決しようとするものとして特許文献1には(i)水素添加スチレン/ブタジエンブロック共重合体、(ii)流動パラフィン、(iii)プロピレン系樹脂よりなるブレンド物を、容器蓋のライナーとして使用することが提案されている。
この(i)水素添加スチレン/ブタジエンブロック共重合体、(ii)流動パラフィン、(iii)プロピレン系樹脂よりなるブレンド物は、内容物を95℃で熱間充填後、90℃の熱湯で、3分間シャワー処理するような場合には加熱殺菌に耐え得るものの、130℃で30分間のレトルト殺菌を必要とするような場合には未だかなりの頻度で漏洩を生じることがわかった。この理由は未だ十分に明らかでないが、使用された水素添加スチレン/ブタジエンブロック共重合体が、比較的耐熱性に優れているとしても、上述した130℃という高温領域では圧縮永久歪や永久伸びが大きいため、容器口部と容器蓋との間に無視し得ない熱変形乃至熱収縮によるズレを生じ、密封部に微少な間隙を生じるためと思われる。
また、特許文献2では、前記特許文献1記載の重合体組成物は、流動パラフィンの配合量が20〜80重量%と大きな幅があり、流動パラフィンの配合量が多い時には樹脂組成物の成形加工性はよいもののワックスフロート(ライナー材から流動パラフィンと見られる油状物質が分離し、内容液の表面に液滴状に浮いたり、油膜を形成すること)を生じる場合があり、流動パラフィンの配合量が少ないと成形加工性に問題が生ずるので、その対応策を提案している。
特許文献2記載の発明では、前記特許文献1の水素添加スチレン/ブタジエンブロック共重合体のかわりに水素添加スチレン/イソプレン共重合体を用いるとともに、前記特許文献1のプロピレン系樹脂の代りに、メルトフローレート〔230℃、21.18N(2.16kgf)荷重〕が0.1〜100g/10分の結晶性ポリプロピレン樹脂またはメルトフローレート〔190℃、21.18N(2.16kgf)荷重〕が0.1〜50g/10分、密度0.940g/cm以上のポリエチレン樹脂を併用することにより解決を計っている。
たしかに、この方法により前記特許文献1のワックスフロートの問題は解消し、しかも90℃の熱水シャワーで3分間の殺菌処理には充分耐えられるが、この樹脂組成物を用いたライナーは、125℃で30分間の殺菌条件を要求されている用途には使用することができない。また特許文献2記載の発明とほぼ同一の発明として特許文献3記載の発明があるが、この発明においても、130℃で30分間の殺菌条件に耐えられるようなライナーは得られていない。
特開平2−57569号公報 特開平11−106565号公報 特開平11−130910号公報
本発明の目的は、成形加工性が良く、ワックスフロート現象を発生せず、かつ内容物が130℃で30分間のレトルト殺菌に耐えるという優れた耐熱性と耐衝撃性をもち、熱変形ないし熱収縮に起因する漏洩も有効に解消され、さらに十分な柔軟性およびゴム弾性を有し保管時や取り扱い時の落下に起因する漏洩も解消され、かつ開栓時の開栓性も良好な耐熱性金属PPキャップ用ライナー、該ライナー付キャップおよびそれらの製法を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究を進めた結果、前記特開平11−106565号発明における水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体のうち、230℃の加熱時において流動しないという特異な性質をもつものを選択使用することおよび前記流動性を示さない水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体を含む樹脂組成物に良好な押出成形性を与えるために、流動パラフィンとポリプロピレン系樹脂の他にさらにシリコーンオイルと特定範囲の平均粒径をもつ微粉末タルクを組み合せることにより、前記課題を一挙に解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の第1は、
(A)230℃で荷重が21.18N(2.16kgf)におけるメルトフローレートが
0である(すなわち、この条件では流動しない)水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体30〜50重量%、
(B)流動パラフィン35〜50重量%、
(C)ポリプロピレン系樹脂5〜30重量%、
(D)シリコーンオイル0.2重量%以上〔以上いずれの重量%も(A)+(B)+(C)+(D)の合計量に対するものである。〕、
を含む樹脂組成物100重量部に対して、
(E)平均粒径0.1〜10μmの微粉末タルク0.1〜20重量部
を含有するライナー用樹脂組成物であって、該ライナー用樹脂組成物の「測定温度25℃における50%圧縮応力」が20kgf/cm 〜50kgf/cm であり、かつ
(130℃における50%圧縮応力)/(25℃における50%圧縮応力)≧0.3
であることを特徴とする耐熱性金属PPキャップ用ライナーに関する。
本発明の第は、230℃で荷重が21.18N(2.16kgf)における前記樹脂組成物のメルトフローレートが1g/10分以上である請求項1記載の耐熱性金属PPキャップ用ライナーに関する。
本発明の第は、請求項1または2のいずれかに記載の耐熱性金属PPキャップ用ライナー付キャップに関する。
本発明の第は、請求項1または2のいずれかに記載のライナー用樹脂組成物を軟化状態ないし溶融状態でライナー形状に成形することを特徴とする耐熱性金属PPキャップ用ライナーの製法に関する。
本発明の第は、請求項1または2のいずれかに記載のライナー用樹脂組成物を軟化状態ないし溶融状態で金属製キャップ内面側に所定量供給し、冷却型面に押圧してライナー形状に成形することを特徴とする耐熱性金属PPキャップ用ライナー付キャップの製法に関する。
本発明で用いるライナー用樹脂組成物は、水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体を含有するが、水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体とは、スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体の水素添加物を意味し、不活性溶媒中で、水素添加触媒の存在下に水素添加する等公知の方法により得ることができる。水素化率は95%以上のものが好ましい。
スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体における共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレンあるいはこれら化合物の混合物を挙げることができる。
特に、共役ジエンとして、イソプレンを用いることが好ましい。
この場合、(A)230℃で荷重が21.18N(2.16kgf)におけるメルトフローレートが0である(すなわち、この条件では流動しない)水素添加スチレン/イソプレン系ブロック共重合体30〜40重量%、
(B)流動パラフィン40〜50重量%、
(C)ポリプロピレン系樹脂10〜30重量%、
(D)シリコーンオイル0.2重量%以上〔以上いずれの重量%も(A)+(B)+
(C)+(D)の合計量に対するものである。〕、
を含む樹脂組成物100重量部に対して、
(E)平均粒径0.1〜10μmの微粉末タルク0.1〜20重量部
を含有するライナー用樹脂組成物とすることが特に好ましい。
この水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体はメルトフローレート〔230℃、21.18N(2.16kgf)荷重:JIS K7210−1995、表1の試験条件No.14〕が測定できず、流動性がない。この流動性のない水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体を用いることにより、最終的な樹脂組成物にした時、室温では柔軟で、130℃では圧縮応力があまり低下せず、その結果として130℃で30分間の加熱殺菌条件で、熱変形または熱収縮に起因する漏洩(液漏れ)が有効に防止され、さらに保管時、取り扱い時の落下に起因する漏洩もまた有効に防止される。前記の流動性のない水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体は、最終的な樹脂組成物にした時は弾性に富んでいるものの、流動性が無いため加熱溶融押出成形をすることができない。そこで、この水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体に流動パラフィンとポリプロピレン系樹脂(これは通常結晶性のものである。1994年1月5日、株式会社産業調査会発行 実用プラスチック事典 28〜33頁参照)、シリコーンオイルを配合することにより、前記成形加工性に全く欠ける水素添加スチレン/イソプレン系ブロック共重合体を使用しているにもかかわらず、成形加工性に優れ、しかもワックスフロート現象をおこさず、室温で柔軟性がある金属PPキャップ用ライナーとして、好適な組成物を提供したのが先願2002−092780号(特開2003−286408号公報参照)の発明であるが、本発明では、この組成物100重量部に対し、(E)成分として、平均粒径0.1〜10μmの微粉末タルク0.1〜20重量部を配合した点に大きな特徴がある。
(E)成分の微粉末タルクはポリプロピレン系樹脂に対して核剤効果と補強効果があり、これにより耐熱性と耐衝撃性のバランス特性を改良する。粒径が0.1μm未満の場合は微粉末タルクが二次凝集しやすく、その結果粒径が粗大化するため耐熱性改良効果、補強効果が小さく、粒径が10μmを超えると耐熱性改良効果は優れるものの補強効果が小さくなってしまう。ここでいう補強効果とは、タルクを分散させることによりライナーの剛性が向上して外力に対して変形し難くなることである。さらによい点はポリプロピレン系樹脂結晶がタルクの周りを取り囲む構造をとり、これが耐衝撃性の低下を防ぐことである。また、耐熱性改良効果とは、タルクが核剤として作用し、結晶化度を高くすることに基づくものである。ポリプロピレン系樹脂では結晶化部分は非結晶化部分に較べて融解温度が高いので、タルクを入れて結晶化度を高くすることにより耐熱性も向上させることができる。なお、核剤効果とは、例えば安息香酸アルミニウムのようなものを用い、核生成速度を早くさせて、結晶化度(密度)を向上させる効果を言う。一般に無機フィラーは核剤効果が少なく、無機フィラーが充填されたことによる効果は通常剛性向上効果のみである(結晶化度の向上は小さい)。一方、微粉末タルクのみ核剤効果を有しているため、結晶化度(密度)向上を付与すると同時に、無機フィラーとしての剛性向上効果をも付与する。一般に無機フィラーによる剛性向上(補強性と同意味)は耐衝撃性の低下を伴うが、微粉末タルクは微粒子化により応力集中を緩和させ、耐衝撃性の低下をも抑制する。
本発明により、130℃における圧縮応力が大きく低下することなしに、優れた加熱溶融押出成形性が得られる。流動パラフィンは樹脂組成物に柔軟性および加熱成形性を付与するのに効果があり、流動パラフィンは他の油剤と比較して無味、無臭であるので食品内容物のフレーバーへの影響が極めて少なく有利である。プロピレン系樹脂は130℃における圧縮応力を低下することなしに、加熱成形性を付与する効果がある。シリコーンオイルは各成分を混合し、均一分散するのに優れた混合性を付与し、また最終樹脂組成物の加熱成形性を向上する効果がある。また、特定粒径の微粉末タルクは、ポリプロピレン系樹脂に対して核剤効果と補強効果を兼ね備えており、とくに特定粒径の微粉末タルクによる核剤効果は、ポリプロピレン系樹脂の結晶度を向上させ、結果的に耐熱性を向上させる。したがって、これを用いることにより、核剤のみあるいは補強剤として知られている無機フィラーのみでは発揮できない耐熱性と耐衝撃性とのバランスに優れた耐熱性金属PPキャップ用ライナーを得ることができる。核剤効果のみを付与できる成分としては、安息香酸アルミニウム、安息香酸ナトリウム、ソルビトール化合物のような核剤効果を有する粉末、または銅フタロシアニンブルーのような微粉末顔料、酸化マグネシウムのような充填剤を挙げることができる。
本発明におけるライナー用樹脂組成物の成分(A)が前記範囲より少ないと、25℃における圧縮応力が大きくなり保管時および取り扱い時の落下衝撃により漏洩しやすくなり、前記範囲より多いと、加熱時の流動性が悪くなり、良好な加熱溶融押出成形性が得られなくなる。
成分(B)が前記範囲より少ないと、良好な加熱溶融押出成形性が得られず、また25℃における圧縮応力が大きくなり保管時および取り扱い時の落下衝撃により漏洩しやすくなる。前記範囲より多いと130℃における圧縮応力が大きく低下し、130℃で30分間の加熱殺菌時に漏洩しやすくなる。
成分(C)が前記範囲より少ないと良好な加熱溶融押出成形性が得られず、前記範囲より多いと、25℃における圧縮応力が大きくなり保管時および取り扱い時の落下衝撃により漏洩しやすくなる。
成分(D)が前記範囲より少ないと、各成分を混合、均一分散する場合に極めて混合性が悪くなり、また良好な加熱溶融押出成形性が得られない傾向がある。
成分(E)が前記範囲より少ないと耐熱性向上の効果が少なく、前記範囲より多いと耐衝撃性が悪くなり、衝撃により内容物が漏洩し易くなる。また成分(E)の平均粒径が0.1μm未満の場合は、成分(E)が二次凝集しやすく、その結果粒径が粗大化するため耐熱性改良効果、補強効果が小さくなり、10μmを越えると耐熱性改良効果はあるものの補強効果を削減するので好ましくない。
なお、エラストマー成分である成分(A)の配合量が多い場合には成分(D)は分散性を確保する上で0.5重量%以上あった方がよい。また、流動パラフィン〔成分(B)〕の配合量が多い場合には成分(D)は組成物がブリードしやすくなるのを防ぐ意味で5重量%以下とするのが好ましい。
本発明に用いる(A)の水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体は、ブロック構造としては、A:スチレン重合体ブロック、B:共役ジエン重合体ブロックと表すと、A−B−A型、A−B型等があり、1種または2種以上のブレンド物である。水素添加物とは、共役ジエン部分を水素添加したものである。また、特に共役ジエンがイソプレンの場合、イソプレン重合体ブロック中にイソプレン成分よりは少量のブタジエン重合体がブロック状、もしくはランダム状に共重合されたものでもよい。
特に、A−B−A型は、A−B型に比較して、分子量が大きくなり、破断伸度、破断強度が大きくなる傾向にあり、機械的特性に優れ、耐熱性が優れているので、A−B−A型は特に好ましい。
スチレン重合体ブロックに使用されるスチレンモノマーとしては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ビニルピリジン等が挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
好ましい水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体は下記の物性を持つものである。
スチレン含有量 10〜65重量%
好ましくは15〜40重量%
水素化率 95%以上
比 重 0.87〜0.98
好ましくは0.88〜0.94
溶液粘度(5重量%トルエン溶液)
20〜300mPa(ミリパスカル)・s
好ましくは20〜200mPa・s
なお、エラストマーの硬さを確保し、ライナーの耐熱密封性を高めるという点からスチレン含有量は、15重量%以上とすることがとくに好ましく、一方、エラストマーの弾性を確保し、ライナーの落下密封性を安定化するという点からスチレン含有量は40重量%以下とすることが特に好ましい。
さらに、前記溶液粘度が20mPa・sを下まわると230℃においてエラストマーに流動性が生じてしまう可能性が高く、また300mPa・s以上になるとエラストマーが硬くなり、樹脂組成物として流動性、成形加工性が悪くなる傾向が生じるので、特に200mPa・s以下が好ましい。
しかしながら、耐熱密封性を特に必要とする場合には、樹脂組成物の流動性は悪くなるものの、上記より溶液粘度の高いもの(300〜700mPa・s)、即ち、より高分子量のものを使用することにより更に耐熱密封性の良いライナー剤組成物が得られる。
前記流動パラフィンは比較的軽質の潤滑油留分たとえばスピンドル油留分を硫酸洗浄によって高度に精製した炭化水素油であり、無色無臭で揮発性が低く主としてアルキルナフテン類からなり、白油(ホワイトオイル)ともいう。流動パラフィンとくに薬用クラスの精製流動パラフィンの性状は6局に規定されている(d 0.860〜0.905)ものであり(1987年2月15日 共立出版株式会社発行、化学大辞典9 第749頁参照)、缶の内容物が飲食品のときには、とくに好ましい。
流動パラフィンの粘度は、通常20〜400mPa・s(40℃)で、好ましくは、400〜200mPa・s(40℃)で、20mPa・s未満では、耐熱性が低く、低粘度のためキャップライナー材より流動パラフィンが内容物に溶出するワックスフロート現象が発生するおそれがあり、400mPa・sを越えるとキャップライナー材用組成物の流動性が不足し、加工性不良となることがある。
とくに粘度が40〜200mPa・sの範囲にあると、樹脂組成物の流動性がよく、ブリードせず、成形加工性も良好であり、大へん好ましい。
前記ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンのホモ重合体、プロピレン(主成分)とエチレンおよび/または炭素数4〜12のα−オレフィンとの共重合体である。
好ましいポリプロピレン系樹脂は、下記の物性をもつものである。
MFR〔230℃、21.18N(2.16kgf)/10分〕
(JIS K7210 表1、No.14の試験条件)
1〜60、好ましくは5〜40
比 重 0.89〜0.92、好ましくは0.90〜0.91
硬度(ロックウェル R型)
80〜120、好ましくは85〜115
熱変形温度〔0.45MPa(メガパスカル)、ASTM D648〕
100〜150℃、好ましくは105〜145℃
なお、MFRについては、特に5〜40の範囲にあると、樹脂組成物の成形性がよく、またキャップとしての耐衝撃性、落下密封性の点でもすぐれており、とくに好ましい。また、熱変形温度もとくに105℃〜145℃の範囲のものが、キャップの耐熱密封性と耐衝撃性の点からもっとも好ましい。
前記シリコーンオイルとしては、動粘度100〜10000cst(20℃)、とくに100〜1000cst(20℃)のものが好ましく、また具体的シリコーンオイルとしては前記動粘度をもつジメチルシリコーンオイルやメチルフェニルシリコーンオイルなどが好適である。動粘度が100cst(20℃)未満のものは食品衛生上問題があり、10000cst(20℃)を超えると、組成物への混合、分散性が不充分となる。
シリコーンオイルの配合量は少なくとも0.2重量%を必要とするが、通常0.2〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。0.5重量%以上であれば、エラストマー〔成分(A)〕が多い場合でも、その分散性がよく、また5重量%以下の方が流動パラフィンの多い場合でもブリードが発生せず、内容物のフレーバーが悪くなるおそれはない。
本発明の樹脂組成物は、230℃で荷重が21.18N(2.16kgf)におけるメルトフローレートが1g/10分以上であれば一応本発明におけるキャップ用ライナーとしての必要な最小限の物性を確保することができるが、とくに2g/10分〜50g/10分とすることが好ましい。メルトフローレートが2g/10分以上あれば、エラストマー〔成分(A)〕の配合量が多い場合でも、組成物が満足できる流動性を示し、その結果満足できる成形加工性が得られる。また、メルトフローレートが50g/10分以上になると、加熱溶融時の粘度が低くなりすぎ、糸引き現象、バリの発生、吐出量の不安定などの成形上の問題点が発生するおそれがある。
本発明の樹脂組成物を得るには、前記の水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体、流動パラフィン、ポリプロピレン系樹脂、シリコーンオイルおよび特定平均粒径の微粉末タルクを前記の範囲で公知の方法、例えば、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー等で混合後、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー等で溶融混練し、造粒、粉砕等の方法が用いられる。
キャップ成形品を得るには、前記樹脂組成物を加熱溶融押出機で、キャップ内面に一定量押出し、冷却下に型押しする方法が用いられる。この成形法によれば、容器口部と嵌合するライナー周辺部に密封性の点で望ましい形状が形成し得るので有利である。
なお、本発明の組成物には、必要に応じて耐熱安定剤、難燃剤、耐候安定剤、帯電防止剤、界面活性剤、防曇剤、流滴剤、核剤、顔料、染料、金属不活剤、シリカ、タルク、マイカ、カーボン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ステアリン酸化合物、木粉、コルク粉末等の無機あるいは有機添加剤、充填剤等を本発明の目的を損わない範囲で配合しても良い。
さらに、本発明におけるキャップ開栓トルクを低下させるためには、滑剤を添加することができる。滑剤としては高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、高級アルコール脂肪酸エステル、ステアリン酸、ステアリン酸エステル、ステアリン酸の金属塩等が挙げられるが、なかでも高級脂肪酸アミドが望ましい。好適な高級脂肪酸アミドとしては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリル酸アミド、メチレンビスステアリルアミド、エチレンビスラウリルアミド、ステアリルオレイルアミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド等があげられる。
容器蓋殻体を構成する金属としては、例えばアルミニウムのような軽合金が好ましく、それ自体公知の保護塗料、例えばエポキシ−フェノール系塗料で塗装されていることができる。
本発明によれば、ライナー付容器蓋に用いる樹脂組成物として流動性のない水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体に対して、流動パラフィン、ポリプロピレン系樹脂、シリコーンオイルおよび特定平均粒径の微粉末タルクを特定の割合で組み合わせて配合することにより、全く成形加工性に欠ける水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体を使用しているにもかかわらず、成形加工性に優れ、しかもワックスフロート現象をおこさず、室温で柔軟性がある金属PPキャップ用ライナーを提供できた。しかもこのライナー付きキャップは内容物を熱間充填密封後、130℃で30分間の加熱殺菌条件で熱変形または熱収縮に起因する漏洩が有効に防止され、さらに保管時、取り扱い時の落下に起因する漏洩も有効に防止される。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
試験方法
(メルトインデックス)
樹脂組成物を、メルトインデクサー(安田精機製作所製)にかけ、230℃、21.18N(2.16kgf)荷重の条件で10分間に押出される試料の重量を測定する。
(押出成形性試験)
樹脂組成物を押出機で溶融押出し、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し供試キャップを連続して1分間当り1000回以上作製する。キャップ内のライナー材のキズ、型崩れの有無、塗布量のばらつきを調べる(100個)。
○:すべて良品
×:良品率99%以下
(圧縮応力試験)
150×150×2mmのプレス金型を用い、プレス温度230℃、プレス圧19.61MPa(200kg/cm)でプレスを行い、樹脂組成物の平板サンプルを作製した。この平板サンプルを16mmφ×2mmに切り取り、2枚重ねて圧縮応力試験の試験片とし25℃、125℃及び130℃で圧縮試験を行い50%圧縮時の応力を測定する。
(耐熱気密性)
樹脂組成物を押出機で溶融押出し、一定量(約0.4g)をホットカットして外径約28mmのアルミPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し供試キャップを各樹脂組成物毎に10個作製する。
口部の外径が約28mmのアルミニウムボトル缶(450ml入り)に液体窒素を滴下しながら〔常温での内圧が約0.098MPa(1kg/cm)になるように調整〕90℃の熱水を詰めて供試キャップにてキャッピング(キャッピング荷重105kgf、柴崎製作所#501キャッパー使用)し、125℃及び/又は130℃で30分間レトルト殺菌を行い、冷却後の漏れの有無を調べる(10個)。
○:漏れ無し
×:漏れ1缶以上
(落下密封性)
上記の方法で試験缶を作製し、冷却後角度10°の鉄面に10cm、20cm、30cmの高さから倒立落下させた後、漏れの有無を調べる(10個)。
○:落下高さ30cmで漏れなし
△:落下高さ30cmで漏れ、20cmで漏れなし
×:落下高さ20cm以下で漏れ発生
(落下後耐圧気密性)
上記の方法で試験缶を作製し、冷却後角度0°の鉄面に10cmの高さから倒立落下させる。落下後、内圧をかけ漏洩の有無を調査する。(10個)
○:加圧4kgf/cmで漏洩無し
×:加圧4kgf/cmで漏洩
(開栓性)
上記の方法で試験缶を10個作製し、冷却後開栓し、開栓トルクを測定する。
○:0.7〜1.2Nm未満
△:1.2〜1.7Nm未満
×:1.7Nm以上
実施例1
水素添加スチレン/イソプレン系ブロック共重合体〔スチレン含有量30重量%、230℃、21.18N(2.16kgf)で流動せず、以下、これをスチレン系エラストマーAと略記〕35重量%、ポリプロピレン系樹脂〔230℃、21.18N(2.16kgf)のメルトフローレートMFRが24、ロックウェル硬度 R90°、以下、これをポリプロピレンAと略記〕20重量%、流動パラフィン(粘度、68mPa・s、40℃、以下、これを流動パラフィンAと略記)44重量%、シリコーンオイル(20℃における動粘度350cst、以下、これをシリコーンオイルAと略記)1重量%よりなる組成物100重量部に対して、平均粒径1.0μmの微粉末タルク0.5重量部、エルカ酸アミド0.5重量部、酸化チタン0.6重量部、高分子量フェノール系酸化防止剤0.1重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで2分間混合後、2軸押出機で230℃において溶融混練、造粒し、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用い、メルトフローレート測定、押出し成形性試験、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開栓性試験を行い、その試験結果を表1に示す。
実施例2
平均粒径1.0μmの微粉末タルクの使用量を3.0重量部に変更した以外は、実施例1を繰り返した。その試験結果を表1に示す。
実施例3
平均粒径1.0μmの微粉末タルクの使用量を10.0重量部に変更した以外は、実施例1を繰り返した。その試験結果を表1に示す。
比較例1
平均粒径1.0μmの微粉末タルクを使用しないで、実施例1を繰り返した。その試験結果を表1に示す。
比較例2
平均粒径0.05μmの微粉末タルクを3.0重量部使用した以外は、実施例1を繰り返した。その試験結果を表1に示す。
比較例3
平均粒径12μmの微粉末タルクを3.0重量部使用した以外は、実施例1を繰り返した。その試験結果を表1に示す。
比較例4
微粉末タルクの代りに安息香酸アルミニウムを3.0重量部使用した以外は、実施例1を繰り返した。その試験結果を表1に示す。
比較例5
微粉末タルクの代りにクレーを3.0重量部使用した以外は、実施例1を繰り返した。その試験結果を表1に示す。
Figure 0004319594
実施例4
スチレン系エラストマーA44重量%、流動パラフィンA40重量%、ポリプロピレンA15重量%、シリコーンオイルA1重量%よりなる組成物100重量部に対して、平均粒径1.5μmの微粉末タルク1重量部、滑剤(エルカ酸アミド)1重量部、酸化チタン(顔料)0.6重量部、高分子量フェノール系酸化防止剤0.1重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで2分間混合後、2軸押出機で230℃において溶融混練、造粒し、樹脂組成物を得た。この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、140℃で30分間加熱処理し、試験キャップを作製する。この組成物及びキャップを用い、押出し成形性試験、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開栓性試験を行い、その試験結果を表2に示す。
実施例5
スチレン系エラストマーA44重量%の代わりに、水素添加スチレン/ブタジエン系ブロック共重合体[スチレン含有量33重量%、230℃、21.18N(2.16kgf)で流動せず、以下これをスチレン系エラストマーBと略記]44重量%用いた以外は実施例4と同様の樹脂組成物を作製し、この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、140℃で30分間加熱処理し、試験キャップを作製する。この組成物及びキャップを用い、押出し成形性試験、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開栓性試験を行い、その試験結果を表2に示す。
実施例6
実施例4と同様の樹脂組成物を作製し、この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、160℃で5分間加熱処理し、試験キャップを作製する。この組成物及びキャップを用い、押出し成形性試験、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開栓性試験を行い、その試験結果を表2に示す。
実施例7
スチレン系エラストマーAが47重量%、流動パラフィンA42重量%、ポリプロピレンA10重量%用いた以外は実施例1と同様の樹脂組成物を作製し、この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、140℃で30分間加熱処理し、試験キャップを作製する。この組成物及びキャップを用い、押出し成形性試験、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開栓性試験を行い、その試験結果を表2に示す。
実施例8
スチレン系エラストマーA41重量%、流動パラフィンA40重量%、ポリプロピレンA18重量%用いた以外は実施例1と同様の樹脂組成物を作製し、この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、140℃で30分間加熱処理し、試験キャップを作製する。この組成物及びキャップを用い、押出し成形性試験、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開栓性試験を行い、その試験結果を表2に示す。
比較例6
微粉末タルクが添加されない以外は実施例4と同様の樹脂組成物を作製し、この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、加熱処理は行わず、試験キャップを作製する。この組成物及びキャップを用い、押出し成形性試験、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開栓性試験を行い、その試験結果を表3に示す。
比較例7
微粉末タルクが添加されない以外は実施例5と同様の樹脂組成物を作製し、この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、加熱処理は行わず、試験キャップを作製する。この組成物及びキャップを用い、押出し成形性試験、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開栓性試験を行い、その試験結果を表3に示す。
比較例8
微粉末タルクが添加されない以外は実施例4と同様の樹脂組成物を作製し、この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、140℃で30分間加熱処理し、試験キャップを作製する。この組成物及びキャップを用い、押出し成形性試験、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開栓性試験を行い、その試験結果を表3に示す。
比較例9
スチレン系エラストマーB34重量%、流動パラフィンA50重量%、微粉末タルクが添加されない以外は実施例4と同様の樹脂組成物を作製し、この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、加熱処理は行わず、試験キャップを作製する。この組成物及びキャップを用い、押出し成形性試験、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開栓性試験を行い、その試験結果を表3に示す。
比較例10
スチレン系エラストマーA48重量%、流動パラフィンA31重量%、ポリプロピレンA20重量%、微粉末タルクが添加されない以外は実施例4と同様の樹脂組成物を作製し、この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、加熱処理は行わず、試験キャップを作製する。この組成物及びキャップを用い、押出し成形性試験、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開栓性試験を行い、その試験結果を表3に示す。
比較例11
微粉末タルク1重量部の代わりに硫酸バリウム(充填剤Aと略記)1重量部添加する以外は実施例4と同様の樹脂組成物を作製し、この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、140℃で30分間加熱処理し、試験キャップを作製する。この組成物及びキャップを用い、押出し成形性試験、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開栓性試験を行い、その試験結果を表3に示す。
比較例12
微粉末タルク1重量部の代わりに微粉末ケイ酸(充填剤Bと略記)1重量部添加する以外は実施例4と同様の樹脂組成物を作製し、この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、140℃で30分間加熱処理し、試験キャップを作製する。この組成物及びキャップを用い、押出し成形性試験、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開栓性試験を行い、その試験結果を表3に示す。
Figure 0004319594
Figure 0004319594
実施例9
水素添加スチレン/イソプレン系ブロック共重合体[スチレン含有量30重量%、230℃、21.18N(2.16kfg)で流動せず、溶液粘度300mPa・s(5重量%トルエン溶液)、以下、これをスチレン系エラストマーCと略記]44重量%、流動パラフィンA5重量%、ポリプロピレンA15重量%、シリコーンオイルA1重量%よりなる組成物100重量部に対して、平均粒径1.5μmの微粉末タルク1重量部、滑剤(エルカ酸アミド)1重量部、酸化チタン(顔料)0.6重量部、高分子フェノール系酸化防止剤0.1重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで2分間混合後、2軸押出機で230℃において溶融混練、造粒し、樹脂組成物を得た。この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、試験キャップを作製した。この組成物及びキャップを用い、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開封性試験を行い、その試験結果を表4に示す。
実施例10
スチレン系エラストマーC44重量%の代わりに、水素添加スチレン/イソプレン系ブロック共重合体[スチレン含有量30重量%、230℃、21.18N(2.16kfg)で流動せず、溶液粘度670mPa・s(5重量%トルエン溶液)、以下、これをスチレン系エラストマーDと略記]44重量%を用いた以外は実施例9と同様の樹脂組成物を作製し、この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、試験キャップを作製した。この組成物及びキャップを用い、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開封性試験を行い、その試験結果を表4に示す。
実施例11
スチレン系エラストマーC44重量%の代わりに、スチレン系エラストマーC22重量%およびスチレン系エラストマーA22重量%を用いた以外は実施例9と同様の樹脂組成物を作製し、この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、試験キャップを作製した。この組成物及びキャップを用い、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開封性試験を行い、その試験結果を表4に示す。
実施例12
スチレン系エラストマーC44重量%の代わりに、スチレン系エラストマーD22重量%およびスチレン系エラストマーA22重量%を用いた以外は実施例9と同様の樹脂組成物を作製し、この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、試験キャップを作製した。この組成物及びキャップを用い、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開封性試験を行い、その試験結果を表4に示す。
比較例13
スチレン系エラストマーC44重量%の代わりに、水素添加スチレン/イソプレン系ブロック共重合体[スチレン含有量30重量%、MFRが230℃、21.18N(2.16kfg)で<0.1、溶液粘度6mPa・s(5重量%トルエン溶液)、以下、これをスチレン系エラストマーEと略記]44重量%を用いた以外は実施例9と同様の樹脂組成物を作製し、この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、試験キャップを作製した。この組成物及びキャップを用い、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開封性試験を行い、その試験結果を表4に示す。
比較例14
スチレン系エラストマーC44重量%の代わりに、水素添加スチレン/ブタジエン系ブロック共重合体[スチレン含有量31重量%、MFRが230℃、21.18N(2.16kfg)で<0.1、溶液粘度5mPa・s(5重量%トルエン溶液)、以下、これをスチレン系エラストマーFと略記]44重量%を用いた以外は実施例9と同様の樹脂組成物を作製し、この組成物を押出機で溶融押出しし、一定量(約0.4g)をホットカットしてアルミ28φPPキャップのシェル内に挿入し、冷却下の押型で型押し、試験キャップを作製した。この組成物及びキャップを用い、圧縮応力試験、耐熱気密性試験、落下密封性試験、落下後耐圧気密性試験、開封性試験を行い、その試験結果を表4に示す。
Figure 0004319594

Claims (5)

  1. (A)230℃で荷重が21.18N(2.16kgf)におけるメルトフローレートが
    0である(すなわち、この条件では流動しない)水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体30〜50重量%、
    (B)流動パラフィン35〜50重量%、
    (C)ポリプロピレン系樹脂5〜30重量%、
    (D)シリコーンオイル0.2重量%以上〔以上いずれの重量%も(A)+(B)+(C)+(D)の合計量に対するものである。〕、
    を含む樹脂組成物100重量部に対して、
    (E)平均粒径0.1〜10μmの微粉末タルク0.1〜20重量部
    を含有するライナー用樹脂組成物であって、該ライナー用樹脂組成物の「測定温度25℃における50%圧縮応力」が20kgf/cm 〜50kgf/cm であり、かつ
    (130℃における50%圧縮応力)/(25℃における50%圧縮応力)≧0.3
    であることを特徴とする耐熱性金属PPキャップ用ライナー。
  2. 230℃で荷重が21.18N(2.16kgf)における前記樹脂組成物のメルトフローレートが1g/10分以上である請求項1記載の耐熱性金属PPキャップ用ライナー。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の耐熱性金属PPキャップ用ライナー付キャップ。
  4. 請求項1または2のいずれかに記載のライナー用樹脂組成物を軟化状態ないし溶融状態でライナー形状に成形することを特徴とする耐熱性金属PPキャップ用ライナーの製法。
  5. 請求項1または2のいずれかに記載のライナー用樹脂組成物を軟化状態ないし溶融状態で金属製キャップ内面側に所定量供給し、冷却型面に押圧してライナー形状に成形することを特徴とする耐熱性金属PPキャップ用ライナー付キャップの製法。
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