JP5022181B2 - プラスチックキャップ - Google Patents

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Description

本発明は、容器口部の外面に形成されている螺条(容器螺条)と螺子係合する螺条(キャップ螺条)がスカート部内面に形成されているプラスチックキャップに関するものである。
上記のような螺子係合により容器口部に装着されるプラスチックキャップ(以下、単に螺子キャップと呼ぶことがある)は、各種飲料が充填された容器などのキャップとして、種々の用途に使用されている。
このような螺子キャップでは、良好な密封性を確保するために、キャップスカート部に設けられているキャップ螺条と容器口部外面に設けられている容器螺条とががっちり係合するように設けることが必要である。特に、中栓などが併用されず、キャップ自体で容器の密封を確保するワンピースタイプのキャップでは、キャップ螺条と容器螺条との螺子係合力が高めることが要求される。しかしながら、キャップ螺条と容器螺条との螺子係合力を高めた場合には、キャップの開栓性が低下するため、開栓性を高めることが必要となる。このために、特許文献1には、曲げ弾性率が800〜1600MPaの範囲にある耐環境応力亀裂性熱可塑性樹脂を用いて成形され、且つ容器口部との密封部の表面粗さ(Rmax)が1乃至5μmの範囲に調整されたワンピースプラスチックキャップが開示されている。
特開2001−114309号公報
上記先行技術の螺子キャップは、キャップを構成するプラスチック(熱可塑性樹脂)の材質を選択することにより、密封性を保持しながら開栓性を向上させるというものであるが、キャップ素材であるプラスチック材料からのアプローチでは開栓性の向上に限界があり、さらなる開栓性の向上が求められている。
また、プラスチックキャップにおいては、キャップの開栓性を向上させるためにキャップを構成する樹脂中にワックス等の滑剤が配合されており、開栓性をさらに高めるためには、滑剤量を増加させることも考えられるが、過剰な滑剤の配合は多量の滑剤が表面にブリードアウトするおそれがあり、過度に滑り性が付与されるため、キャップを閉栓したときに、巻き締め過多を生じ易く、結局、開栓が困難となってしまう。従って、滑剤による開栓性の向上は、滑り性のコントロールが難しく、他の手段により開栓性を向上させることが求められている。
また、螺子キャップでは、キャップ螺条と容器螺条との係合力を高めようとすると、閉栓(キャッピング時の巻き締め)が困難となってしまうという問題もあり、一定の係合力を維持して密封性を確保すると同時に、閉栓性を確保することも必要である。
従って、本発明の目的は、密封性を低下させることなく、開栓性が高められた螺子係合タイプのプラスチックキャップを提供することにある。
本発明の他の目的は、優れた開栓性と同時に、キャッピング時の巻き締め性(閉栓性)も高められたプラスチックキャップを提供することにある。
本発明によれば、頂板部と該頂板部の周縁から降下したスカート部とを備え、スカート部内面に容器口部の外面に形成されている容器螺条と螺子係合するキャップ螺条が形成されているプラスチックキャップにおいて、
前記キャップ螺条の上部は、容器螺条の傾斜角度に合致する係合傾斜角度で延びており且つ該キャップが容器口部に巻締められた状態で容器螺条の下部傾斜面に係合する上部係合傾斜面からなる上部係合領域と、該上部係合傾斜面が形成する上部係合ラインよりも下方に位置する上部非係合面からなる上部非係合領域とを有し
前記キャップ螺条の下部は、前記係合傾斜角度で延びており且つ該キャップの容器口部への巻締めをする際の巻締め初期段階で容器螺条の上部傾斜面に係合する下部係合傾斜面からなる下部係合領域と、該下部係合傾斜面が形成する下部係合ラインよりも上方に位置する下部非係合面からなる下部非係合領域とを有し、
前記キャップ螺条は、複数の螺子突起を螺旋状に且つ間欠的に配列することにより形成されており、該螺子突起の各々が、前記上部係合傾斜面または前記上部非係合面の何れかを有すると共に、前記上部係合領域を有する螺子突起と前記上部非係合領域を有する螺子突起とが交互に形成されていることを特徴とするプラスチックキャップが提供される。
本発明のプラスチックキャップは、下記の構造を有していることが好適である。
(1)前記キャップ螺条の下部には、前記下部係合領域と下部非係合領域とが交互に形成されていること。
(2)前記キャップ螺条を形成している複数の螺子突起は、前記上部係合領域と下部非係合領域とを有するものと、前記上部非係合領域と下部係合領域とを有するものとからなり、これらの螺子突起が交互に配置されていること。
本発明においては、キャップ螺条の上部が、係合領域(上部係合領域)と非係合領域(上部非係合領域)とからなっている。この上部係合領域は、キャップ螺条の上部面が、容器螺条の傾斜角度に合致する係合傾斜角度で延びている面(上部係合傾斜面)となっている領域であり、上部非係合領域は、キャップ螺条の上部面が、上部係合傾斜面が形成する上部係合ラインよりも下方に位置する面(上部非係合面)となっている領域である。即ち、キャップ螺条の上部は、キャップが容器口部に巻き締められて閉栓状態となっているとき及び閉栓されているキャップの開栓初期の段階において、容器口部に形成されている容器螺条の下側面と係合するものである。しかるに、本発明のプラスチックキャップでは、このキャップ螺条の上部に、容器螺条との係合に関与しない非係合領域が形成されており、キャップ螺条の上部の全体が容器螺条との係合に関与するものではないため、開栓トルクが低減されており、キャップの開栓を容易に行うことができるのである。また、キャップ螺条の上部に形成されている上部係合領域では、その上部係合傾斜面が、キャップの閉栓状態及び開栓初期の段階で容器螺条の下側面に係合しているため、密封性を確保することができるのである。
このように、本発明においては、密封性を維持しつつ、開栓性を向上させることが可能となる。
また、本発明においては、キャップ螺条の下部にも、上記と同様にして係合領域(下部係合領域)と非係合領域(下部非係合領域)とを形成することができ、これにより、閉栓性を高めることができ、キャッピング時の巻き締めを容易に行うことができる。
即ち、キャップ螺条の下部は、キャッピング時の巻き締め開始時からキャップシール部が嵌合する直前までの間で容器螺条の上部と係合し、キャップを閉栓状態まで案内するものであるが、この際、下部係合領域の下部係合傾斜面のみが容器螺条と係合し、下部係合傾斜面が形成する下部係合ラインよりも上方に位置する下部非係合面からなる下部非係合領域は、容器螺条との係合に関与しない。従って、閉栓トルクが低減され、キャッピング時の巻き締めを容易に行うことが可能となるのである。
本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のプラスチックキャップの側断面図であり、
図2は、図1に示すプラスチックキャップの底面図であり、
図3は、図1に示すプラスチックキャップが、容器口部に閉栓された状態を示す半断面図であり、
図4は、図1に示すプラスチックキャップの要部であるキャップ螺条の部分拡大展開図であり、
図5は、図1のプラスチックキャップにおけるキャップ螺条と容器螺条との係合関係を、閉栓開始(巻き締め開始)から閉栓状態を経て開栓初期までの過程を示す部分側断面図である。
図1乃至図3を参照して、本発明のプラスチックキャップは、頂板部1及び頂板部の周縁から垂下するスカート部2を備えており、スカート部2の下端には、破断可能な橋絡部3を介してタンパーエビデントバンド(TEバンド)5が設けられている。
スカート部2の内面には、容器口部50(図3参照)の外面に形成されている螺条(容器螺条)51と螺子係合する螺条(キャップ螺条)7が形成されており、TEバンド5の内面には、上向きのフラップ片9が適当な間隔をおいて複数形成されている。このフラップ片9は、キャップの開栓時に、容器口部50の外面であって容器螺条51の下方に形成されている顎部53と係合するものであり、これにより、TEバンド5の上方への移動が制限され、橋絡部3が破断し、スカート部2からTEバンド5が切り離され、キャップが開封されたことを示すものである。図1に示されているように、フラップ片9には、中央部分に切欠き部9aが形成されているが、この切欠き部9aは、キャップを容器口部50に装着するに際し、フラップ片9が容器螺条51及び顎部53を乗り越えるときの抵抗を緩和し、閉栓性を高めるために設けられているものである。また、このような切欠き9aの代わりに、フラップ片9の内面(キャップ中心側の面)に適当な溝を形成することによってもフラップ片9が容器螺条51や顎部53を乗り越えるときの抵抗を緩和することができる。
一方、頂板部1の内面には、スカート部2とは間隔をおいて下方に延びているインナーリング10が形成されている。このインナーリング10は、図1に示されているように、その外面(スカート部2側の面)が外方に膨らんだ形状を有している。即ち、上記のキャップ螺条7と容器螺条51との螺子係合を利用してキャップを容器口部50に装着したとき(即ち、閉栓)、図3に示されているように、スカート部2とインナーリング10との間に容器口部50の上方部分が侵入し、インナーリング10の外面が容器口部50の内面に密着し、これにより、密封性が確保されるというものである。
また、頂板部1の内面には、インナーリング10とスカート部2との間の部分にアウターリング11が形成されている。アウターリング11は、キャップを閉栓したとき、容器口部50の上端部がガタツクことなくインナーリング10の外面に密着するようにキャップ内に容器口部50を誘導するためのものである。
また、アウターリング11の付け根部分の近傍には、環状の小突起13が形成されている。この環状の小突起13は、キャップが閉栓されている状態において、容器口部50の上端のコーナー部に密着するように形成されており、容器口部50は、インナーリング10の外面と環状の小突起13との間でしっかりと挟持されるのであり、環状の小突起13により密封性が補強される。
さらに、図2から理解されるように、頂板部1の内面には、インナーリング10の内面側付け根部分から、キャップ中心O側に向かって延びている放射状突起15が複数本(図では3本)形成されている。この放射状突起15は、キャップ閉栓状態において、容器内圧が異常に上昇した場合(例えば果汁などの容器内容物が発酵したような場合)に、インナーリング10の内方側の付け根部を支点としての頂板部2のドーミング変形を促進させ、これにより、インナーリング10を内方側に変形させ、密封を解除してガス抜きを生じせしめるというものである。即ち、このような放射状突起15を設けることにより、容器内圧が異常上昇したときのキャップ飛びなどの不都合を有効に防止するというものである。
また、上記のような放射状突起15が設けられている場合には、この放射状突起15が設けられている部分の間の領域に、弧状突起17を設けることが好適となる。キャップの頂板部1の外面には、商標などのマークが印刷される場合が多いが、弧状突起17は、このような印刷に対する適正を確保するために設けられるものである。即ち、頂板部1の外面に印刷を施す場合には、頂板部1の外面をフラットな状態に保持するために、キャップの内側に治具が挿入され、この治具によってキャップが保持される。しかるに、上記のような放射状突起15が設けられていると、治具の上面が放射状突起15の下端面に当接した状態でキャップが保持されるため、放射状突起15が形成されていない部分では、治具と頂板部1の内面との間に隙間が形成され、この結果、この部分が凹んでしまい易くなり、印刷を行った場合、印刷インキを均一に塗布することが困難となり、印刷のカスレなどを生じ易くなってしまう。しかるに、上記のような弧状突起17を設けておくことにより、放射状突起15が形成されていない部分では、治具が弧状突起17に当接し、この部分でも頂板部1が治具によりしっかりと保持され、その凹み等を有効に防止し、頂板部1の外面をフラットな状態に保持し、印刷を有効に行うことが可能となる。従って、この弧状突起17は、図2に示されているように、放射状突起15と同じ高さを有するものであり、且つ所定の治具と面接触するように、弧状突起17の下端はフラットな面となっている。
キャップ螺条7の展開図を拡大して示す図4を図1と共に参照して、本発明においては、キャップ螺条7は、その上部面が、キャップの開栓に際して容器螺条51との螺子係合に関与する上部係合領域Aと螺子係合に関与しない上部非係合領域Bとからなっている。即ち、容器口部50の外面に形成されている容器螺条51は、一定の傾斜角度で傾斜して螺旋状に延びており、キャップを巻締めて容器口部50に装着するときには(閉栓するとき)、キャップ螺条7の下部の面が容器螺条51との係合に関与し、開栓するときには、キャップ螺条7の上部面が容器螺条51との係合に関与する。本発明においては、このようなキャップ螺条7の上部面の一部が、開栓に際して容器螺条51との係合に関与する上部係合領域Aを形成し、残りの部分が、開栓に際しての螺子係合に関与しない上部非係合領域Bを形成している。
具体的に説明すると、図1及び図4に示す例において、キャップ螺条7は、上部係合領域Aを形成する螺子突起20と、上部非係合領域Bを形成する螺子突起21とが、それぞれ、螺旋状に且つ間欠的に交互に配列されており、上部係合領域Aと上部非係合領域Bとが交互に形成されている。
特に図4に明瞭に示されているように、上部係合領域Aを形成している螺子突起20の上部係合傾斜面20aが、容器螺条51の傾斜角度に合致する係合傾斜角度で延びている上部係合ラインαを形成しており、上部非係合領域Bを形成している螺子突起21の上部非係合面21aが、上部係合ラインαよりも下方に位置している。従って、容器口部50に閉栓されているキャップを開栓する場合には、上部係合領域Aを形成している螺子突起20の上部係合傾斜面20aが係合面となって容器螺条51の下部面と接触し、係合しながら開栓が進行し、上部非係合領域Bを形成している螺子突起21の上部非係合面21aは、係合ラインαよりも下側に位置しているため、開栓に際しては、容器螺条51の下部面とは接触せず、螺子係合には全く関与しないのである。
このように、本発明においては、キャップ螺条7の上部の全体が開栓に際しての容器螺条51との螺子係合に関与するものではなく、一部の領域(上部係合領域A)のみが螺子係合に関与するため、開栓トルクが低く、キャップの開栓を容易に行うことができるのである。また、キャップの容器口部50への巻締めが完了し、キャップが閉栓された状態においては、上部係合領域Aを形成している螺子突起20の上部係合傾斜面20aは、容器螺条51の下部面に当接した状態に保持され(図3参照)、従って、閉栓状態でのキャップの上部への移動などが有効に防止され、密封性が低下することなく、安定した閉栓状態が保持される。
また、本発明においては、図4に示されているように、キャップ螺条7の下部についても、上記と同様にして下部係合領域Xと下部非係合領域Yとが形成されており、これにより、閉栓トルクが低減され、キャップの容器口部50への巻締め(閉栓)を容易に行うことができる。
即ち、キャップ螺条7の下部面はキャップを巻締めて容器口部50に閉栓する際の螺子係合に関与するものであるが、図4に示されているように、上述した上部非係合領域Bを形成している螺子突起21の下部係合傾斜面21bは、下部係合領域Xを形成するものであり、容器螺条51の傾斜角度に合致する係合傾斜角度で延びている下部係合ラインβを形成している。一方、上部係合領域Aを形成している螺子突起20の下部非係合面20bは、下部非係合領域Yを形成しているものであり、下部係合ラインβよりも上方に位置している。従って、キャップの容器口部50への巻締めに際しては、下部係合領域Xを形成している螺子突起21の下部係合傾斜面21bのみが容器螺条51との螺子係合に関与し、下部非係合領域Yを形成している螺子突起20の下部非係合面20bは容器螺条51との螺子係合には関与せず、この結果、閉栓トルクが低く、キャップの容器口部50への巻締めを容易に行うことが可能となるのである。
上述したキャップ螺条7の開栓及び閉栓に際しての容器螺条51との螺子係合関係は図5に示されている。
即ち、キャップを容器口部50に被せ、上部から押圧してキャップを閉栓方向に回転して容器口部50への巻締めを開始する状態においては、(図5(a)参照)、下部係合領域Xを形成している螺子突起21の下部係合傾斜面21bが容器螺条51の上部面に接触し、係合しながら閉栓方向に回転し、スカート部2は、容器口部50の外面に沿って降下していくこととなる(図5(a)−(ii)参照)。一方、下部非係合領域Yを形成している螺子突起20の下部非係合面20bは、容器螺条51の上部面には接触せずに閉栓が進行していくことなる(図5(a)−(i)参照)。
次いで、上記のようにして閉栓を続けていくと(図5(b)参照)、容器口部50の上端部分がインナーリング10の外側に侵入し、さらにインナーリング10とアウターリング11との間に嵌めこまれ、また、TEバンド5のフラップ片9は、容器口部50の顎部53に乗り上げることとなる。このため、キャップ螺条7と容器螺条51との間の遊びがなくなり、キャップ螺条7には、上方向への抵抗力が作用することとなる。従って、この段階に至ると、螺子突起21の下部係合傾斜面21b(下部係合領域X)は容器螺条51の上部面とは非接触状態となり、その上部非係合面21a(上部非係合領域Y)も非接触状態となり(図5(b)−(ii)参照)、一方、螺子突起20の下部非係合面20b(下部非係合領域Y)は、容器螺条51の上部面と非接触のままであるが、この螺子突起20の上部係合傾斜面20a(上部係合領域A)は、容器螺条51の上部面と接触し係合することなる(図5(b)−(i)参照)。
さらに閉栓を続けていくと(図5(c)参照)、図5(b)の状態のまま、キャップ螺条7が容器螺条51に沿って降下し、最後には、TEバンド7のフラップ片9が容器顎部53を完全に乗り越え、該顎部53の下側に位置し、これにより、キャップの巻締めが完了し、完全な閉栓状態が形成されることとなる。即ち、この状態は、図3に示す状態と同一であり、キャップ螺条7の下部面は、下部係合領域X及び下部非係合領域Yの何れの領域でも容器螺条51とは接触していないが、螺子突起20の上部係合傾斜面20a(上部係合領域A)が容器螺条51の下部面に接触した状態となっており、螺子突起21の上部非係合面21a(上部非係合領域B)は容器螺条51の下部面と非接触状態に保持される。
このように、キャップの閉栓(巻締め)開始段階では、下部係合領域Xの螺子突起21の下部係合傾斜面21bのみが容器螺条51に接触係合して閉栓が進行し、下部非係合領域Yの螺子突起20の下部非係合面20bは容器螺条51には接触せず、螺子係合とは無関係で閉栓が進行していく。従って、閉栓トルクが有効に低減され、閉栓のためのキャップの容器口部50への巻締めを容易に行うことが可能となる。また、巻締めが完了した閉栓状態では、上部係合域Aにおける螺子突起20の上部係合傾斜面20aが容器螺条51の下部面に接触しているため、閉栓状態でのキャップのガタツキ、特に上部への移動が有効に抑制され、安定した密封性が確保されるのである。
また、閉栓されたキャップを開栓方向に回転して容器口部50からの開栓を開始していくと(図5(d)参照)、上部係合領域Aを形成している螺子突起20の上部係合傾斜面20aが容器螺条51の下部面に接触し、係合しながら開栓方向に回転し、スカート部2は、容器口部50の外面に沿って上昇していくが(図5(d)−(i)参照)、上部非係合領域Bを形成している螺子突起21の上部非係合面21aは、容器螺条51の下部面には接触せずに開栓が進行していくことなる(図5(d)−(ii)参照)。また、当然ながら、キャップ螺条7の下部は、下部係合領域X及び下部非係合領域Yの何れの領域においても容器螺条51とは非接触の状態で開栓が進行していく、従って、キャップ螺条7の下部は、開栓に際しての螺子係合には全く関与していないこととなる。
一方、このような開栓が行われると、TEバンド5のフラップ片9が容器顎部53の下側に当接し、TEバンド5の上昇が制限され、この結果、容器口部50の内面とキャップのインナーリング10の外面とが密着して密封が解除されていない段階で、TEバンド5がスカート部2から切り離されることなる。
上記のようにして開栓が続けられると、図示されていないが、最終的には、容器口部50の内面とキャップのインナーリング10の外面との密着が解除され(シール解除)、TEバンド5が切り離された状態でキャップが容器口部50から取り除かれ、容器内容物を容器口部50から取り出されることとなる。尚、TEバンド5がスカート部2から切り離された後、さらに開栓を続けていくと、キャップ螺条7と容器螺条51との間に遊びがある状態に戻り、しかも開栓に際しては上方からの押圧力は加えられていないため、上部係合領域Aを形成している螺子突起20の上部係合傾斜面20aも容器螺条51の下部面と非接触状態になる。
このように、本発明によれば、キャップの開栓に際して、キャップ螺条7の上面全体が容器螺条51との螺子係合に関与するのではなく、その一部の領域(上部係合領域A)のみが螺子係合に関与するものであるため、開栓トルクが低く、キャップの開栓を容易に行うことが可能となるものである。
尚、上述した例では、キャップ螺条7を多数の螺子突起で形成し、例えば上部係合領域Aを螺子突起20で形成し、上部非係合領域Bを他の螺子突起21で形成しているが、このような螺子突起によらず、キャップ螺条7を連続した螺旋状の線の形態とすることも可能である。この場合には、キャップ螺条7の上面に一定間隔で凹凸面を設け、凸面により上部係合領域Aとし、凹面を上部非係合領域Bとすればよい。
また、本発明においては、図1や図4に示されているように、上部係合領域Aを形成している螺子突起20の下面20bにより下部非係合領域Yを形成し、上部非係合領域Bを形成している螺子突起21の下面21bにより下部係合領域Xを形成していることが好ましい。即ち、これとは逆に、上部係合領域Aの螺子突起20の下面20bにより下部係合領域Xを形成し、上部非係合領域Bを形成している螺子突起21の下面21bにより下部非係合領域Yを形成すると、上部及び下部の非係合領域B,Yを形成している螺子突起21が著しく狭い螺子幅のものとなってしまい、開栓及び閉栓の何れに際しての螺子係合にも関与せず、全く無用の存在となり、螺子突起の間隔を大きくとってキャップ螺条7を形成する場いいと同じとなり、螺子係合が不安定となるばかりか、スカート部2の周方向の強度のバランスが悪くなり、保持力が低下してしまう。さらに、螺子突起20により上部及び下部の係合領域A,Xが形成されることとなるため、螺子突起20の螺子幅がかなり太いものとなってしまい、この結果、容器螺条51との間にほとんど遊びが形成されなくなってしまい、開栓トルク及び閉栓トルクの何れもが高くなってしまい、開栓性及び閉栓性の何れもが損なわれるおそれがあるからである。
さらに、本発明において、キャップ螺条7を占める上部係合領域Aの割合は、特に制限されるものではないが、一般には、キャップ螺条7の始点から終点までの長さに対して、50乃至80%程度を上部係合領域Aが占めていることが適度な開栓性と適度な螺子係合性或いは密封保持性などの観点から好適であり、この範囲内で、キャップの用途に応じて求められる特性に応じて、上部係合領域Aの割合を設定するのがよい。例えば、炭酸飲料が充填されるような容器に適用されるようなキャップでは、容器内圧によるキャップの変形やキャップ飛びなどを防止するために、ある程度、螺子係合力が要求されるため、上記範囲でも、上部係合領域Aが占める割合を大きくすることが好ましい。また、キャップ螺条7の下部係合領域Xが占める割合は、上記の上部係合領域Aが占める割合と同程度でよい。
また、本発明において、上部係合領域Aを形成する螺子突起20の上部係合傾斜面20aのそれぞれの長さ及び下部係合領域Xを形成する螺子突起21の係合傾斜面21bのそれぞれの長さは、特に制限されないが、一般的には、個々の螺子突起で容器螺条51との間で適度な螺子係合が生じるように、4mm以上の長さとすることが好ましい。
さらに、図4等では、1個の螺子突起20と1個の螺子突起21とを交互に配置して上部係合領域Aと上部非係合領域Bとが交互に形成されているが、複数の螺子突起20を連続して配置して上部係合領域Aを形成することも可能であるし、また複数の螺子突起21を連続して配置して上部非係合領域Bを形成することも可能である。さらには、1個の螺子突起20或いは複数の螺子突起20に対して、複数或いは1個の螺子突起21を配置して、上部係合領域Aと上部非係合領域Bを形成することもできる。これらは、下部係合領域Xと下部非係合領域Yについても全く同様である。
上述した本発明によれば、キャップの密封性を損なうことなく、開栓性を高め、さらには閉栓性も高めることができる。
本発明のプラスチックキャップの側断面図。 図1に示すプラスチックキャップの底面図。 図1に示すプラスチックキャップが、容器口部に閉栓された状態を示す半断面図。 図1に示すプラスチックキャップの要部であるキャップ螺条の部分拡大展開図。 図1のプラスチックキャップにおけるキャップ螺条と容器螺条との係合関係を、閉栓開始(巻き締め開始)から閉栓状態を経て開栓初期までの過程を示す部分側断面図。
符号の説明
1:頂板部
2:スカート部
7:キャップ螺条
20、21:螺子突起
A:上部係合領域
B:上部非係合領域
X:下部係合領域
Y:下部非係合領域
α:上部係合ライン
β:下部係合ライン

Claims (3)

  1. 頂板部と該頂板部の周縁から降下したスカート部とを備え、スカート部内面に容器口部の外面に形成されている容器螺条と螺子係合するキャップ螺条が形成されているプラスチックキャップにおいて、
    前記キャップ螺条の上部は、容器螺条の傾斜角度に合致する係合傾斜角度で延びており且つ該キャップが容器口部に巻締められた状態で容器螺条の下部傾斜面に係合する上部係合傾斜面からなる上部係合領域と、該上部係合傾斜面が形成する上部係合ラインよりも下方に位置する上部非係合面からなる上部非係合領域とを有し
    前記キャップ螺条の下部は、前記係合傾斜角度で延びており且つ該キャップの容器口部への巻締めをする際の巻締め初期段階で容器螺条の上部傾斜面に係合する下部係合傾斜面からなる下部係合領域と、該下部係合傾斜面が形成する下部係合ラインよりも上方に位置する下部非係合面からなる下部非係合領域とを有し、
    前記キャップ螺条は、複数の螺子突起を螺旋状に且つ間欠的に配列することにより形成されており、該螺子突起の各々が、前記上部係合傾斜面または前記上部非係合面の何れかを有すると共に、前記上部係合領域を有する螺子突起と前記上部非係合領域を有する螺子突起とが交互に形成されていることを特徴とするプラスチックキャップ。
  2. 前記キャップ螺条の下部には、前記下部係合領域と下部非係合領域とが交互に形成されている請求項に記載のプラスチックキャップ。
  3. 前記キャップ螺条を形成している複数の螺子突起は、前記上部係合領域と下部非係合領域とを有するものと、前記上部非係合領域と下部係合領域とを有するものとからなり、これらの螺子突起が交互に配置されている請求項に記載のプラスチックキャップ。
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