JP2005177990A - インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、および記録ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】 スジ状の濃度ムラのない高品位な画像を高速に記録できると共に、複数のノズル列を並設する場合にも小型に構成し得るインクジェット記録ヘッドの提供を目的とする。
【解決手段】 記録媒体との相対移動方向Xに沿って複数のノズル列を有し、各ノズル列の間のノズル列間距離を、異なる値に設定する。例えば、各ノズル列の間のノズル列間距離L1〜L7において、相対移動方向Xにおける上流側に位置するノズル列間距離L1を、それより下流側に位置するノズル列間距離L2,L3‥‥よりも狭く設定する。各ノズル列のノズル列間距離は、それぞれのノズル列によって行われる記録動作以前に記録媒体に打ち込まれたインク量に応じてノズル群間隔を設定する。
【選択図】 図17
【解決手段】 記録媒体との相対移動方向Xに沿って複数のノズル列を有し、各ノズル列の間のノズル列間距離を、異なる値に設定する。例えば、各ノズル列の間のノズル列間距離L1〜L7において、相対移動方向Xにおける上流側に位置するノズル列間距離L1を、それより下流側に位置するノズル列間距離L2,L3‥‥よりも狭く設定する。各ノズル列のノズル列間距離は、それぞれのノズル列によって行われる記録動作以前に記録媒体に打ち込まれたインク量に応じてノズル群間隔を設定する。
【選択図】 図17
Description
本発明は、着色材等を含有するインクの吐出口を集積配列してなる記録ヘッド、この記録ヘッドと記録媒体とを主走査方向に沿って相対的に移動させることによりて画像記録を行うインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関し、特に、前記記録媒体を主走査方向に沿って配列した長尺なノズル列を、前記主走査方向と交差する配列方向に沿って複数並設してなる記録ヘッド、この記録ヘッドを記録媒体に対し主走査方向に1回走査させることによって記録画像を完成させる所謂1パス記録に好適なインクジェット記録装置、およびインクジェット記録方法に関する。
なお、本発明は、紙や布、革、不織布、OHP用紙、および金属などの素材からなる記録媒体に記録を行う機器の全てに適用可能である。具体的な適用機器としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の事務機器や工業用生産機器等を挙げることができる。
複写装置や、ワードプロセッサ、コンピュータ等の情報処理機器および通信機器等の普及に伴い、それら機器の画像記録のための出力装置の一つとして、インクジェット方式によりデジタル画像の記録を行うインクジェット記録装置が急速に普及している。このインクジェット記録装置においては、記録速度の向上のため、複数の記録素子(以下、ノズルとも言う)を集積配列してなる記録ヘッドを用いて記録を行うものが知られている。さらに近年では記録画像のカラー化の要請が高まり、その要請に従ってカラーインクを吐出する複数種の記録ヘッドを搭載したものも一般に用いられている。
なお、本明細書及び特許請求の範囲に記載のノズルとは、記録ヘッドの共通液室に供給されたインクを吐出させるインク吐出口と、前記共通液室に供給されたインクを前記インク吐出口に導くよう形成された液路と、前記液路内に供給されたインクを前記インク吐出口から吐出させる吐出エネルギー発生素子と、を備えるものを意味する。
一般に、インクジェット記録装置は、記録液であるインクを飛翔的液滴(インク滴)として紙等を素材とする種々の記録媒体に着弾させ、ドット記録を行う。つまり、インクジェット記録装置は、記録媒体に対して記録ヘッドが接触しない非接触方式を採るものであるため、低騒音で記録を行うことができるという利点を有する。また、インク吐出ノズルの高密度化によって高解像度化・高速記録化が可能であり、さらに普通紙等の記録媒体に対しても現象や定着などの格別な処理を必要としないことから、低価格で高品位な画像を得ることが可能である。このため、近年では様々な記録に適用され広く普及している。特に、オンデマンド型のインクジェットプリント装置はそのカラー化が容易で、しかも装置自体の小型化、簡略化が可能なことから、将来的にその需要はさらに拡大するものとして有望視されている。また、記録画像のカラー化の要請が高まるに従い、高画質化および高速化が益々要求されている。
また、近年のノズルの集積配列化の技術進歩を背景に、高密度で長尺な記録ヘッドの製作が可能になってきている。高密度にノズルを配し、長尺に製作された記録ヘッドは、一般にフルマルチ型長尺記録ヘッドと呼ばれ、長尺な記録ヘッドに対応した幅広の記録領域に対し、1回の記録走査によって画像を完成させることが提案、実施されている。このインクジェット記録装置によれば、記録速度と画質の双方を満足し得ることから、さらなる技術開発が進められている。
しかしながら、上記高密度で長尺な記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置にあっては、以下のような種々の課題が生じている。
第1には、上記システムでは、1回の走査による記録(1パス記録)あるいは少数回の走査によって記録領域の画像を完成させる場合、各記録ヘッドのノズルから吐出されるインク滴を短時間で記録媒体に吸収させる必要がある。このため、記録媒体に対する大がかりな加熱乾燥手段を設けたり、あるいは記録に要するインク量を低減させるといった手段を講じなければならず、コスト増大を招くと共に、記録濃度の低下または画素密度の低下などの生じた低品位な画像しか形成できないという課題がある。
また、第2には、ノズルを高密度で一列に配列すると、インク滴のインク量にもよるが、隣接するノズルから吐出されるインク滴が記録媒体上で合体して不適切な形状をなすことがあり、また、記録画像が高デューティである場合には、記録媒体上で吸収しきれないインクが、記録媒体の表面で水溜り状になり、画質劣化をもたらすこともある。
本発明は、上記従来技術の課題に着目してなされたもので、スジ状の濃度ムラが発生することのない高品位な画像を高速に記録できると共に、複数のノズル列を並設する場合にも小型に構成し得るインクジェット記録ヘッドの提供を目的とする。
上記各従来技術の課題を解決するため、本発明は、以下の構成を有するものとなっている。
すなわち、本発明は、インクを吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと記録媒体とを所定の主走査方向に沿って相対的に移動させると共に、記録情報に応じて前記ノズルからインクを吐出させることにより前記記録媒体に画像の記録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドは、前記主走査方向と交差する所定の配列方向に沿って複数のノズルを配列してなるノズル列を主走査方向に沿って複数本並設し、隣接するノズル列の間に設定される複数のノズル列間距離のうち、少なくとも主走査方向上流側に位置するノズル列間距離を、他のノズル列間距離より狭く設定したことを特徴とするものである。
すなわち、本発明は、インクを吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと記録媒体とを所定の主走査方向に沿って相対的に移動させると共に、記録情報に応じて前記ノズルからインクを吐出させることにより前記記録媒体に画像の記録を行うインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドは、前記主走査方向と交差する所定の配列方向に沿って複数のノズルを配列してなるノズル列を主走査方向に沿って複数本並設し、隣接するノズル列の間に設定される複数のノズル列間距離のうち、少なくとも主走査方向上流側に位置するノズル列間距離を、他のノズル列間距離より狭く設定したことを特徴とするものである。
また、本発明は、インクを吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと記録媒体とを所定の主走査方向に沿って相対的に移動させると共に、記録情報に応じて前記ノズルからインクを吐出させることにより前記記録媒体に画像の記録を行うインクジェット記録方法において、前記記録ヘッドは、前記主走査方向と交差する所定の配列方向に沿って複数のノズルを配列してなるノズル列を主走査方向に沿って複数本並設すると共に、隣接するノズル列の間に設定される複数のノズル列間距離のうち、少なくとも主走査方向上流側に位置するノズル列間距離を、他のノズル列間距離より狭く設定することにより構成し、前記記録ヘッドを一定の走査速度で移動させることにより、前記主走査方向において隣接するノズル列から吐出されるインク滴の記録媒体への着弾時間差を異なる時間差に設定したことを特徴とするである。
また、本発明は、インクを吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドであって、所定の配列方向に沿って複数のノズルを配列してなるノズル列を前記配列方向と交差する主走査方向に沿って複数本並設すると共に、隣接するノズル列の間に設定される複数のノズル列間距離のうち、少なくとも主走査方向上流側に位置するノズル列間距離を、他のノズル列間距離より狭く設定したことを特徴とするものである。
本発明によれば、隣接して着弾するインク滴により連結ドットが形成される場合にも、既に着弾されたインク滴が十分に吸収されてドットが形成された後に、これに連結されるドットを形成するための次のインク滴が着弾するため、連結ドットによって画像にスジ状の濃度ムラが生じることはなくなり、良好な品質の画像を形成することができる。しかも、ノズル列のノズル列間距離は、各ノズル列による記録動作以前に打ち込まれたインク量に基いて設定されているため、ノズル列間距離を必要最小限に抑えることが可能となり、記録ヘッドを幅狭で小型な構成とすることができる。このため、この記録ヘッドを用いる記録装置によれば、装置全体を小型化することが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に適用するインクジェット記録装置の概念構成を示す図、図2は記録ヘッドの配列状態を模式的に示す平面図である。
図1は、本発明の実施形態に適用するインクジェット記録装置の概念構成を示す図、図2は記録ヘッドの配列状態を模式的に示す平面図である。
本実施形態のインクジェット記録装置1は、記録媒体の搬送方向(主走査方向)と直交する方向に延在する長尺な記録ヘッド2Y,2M,2C,2Bkを、複数個並設してなるフルラインタイプのカラーインクジェット記録装置である。ここで、2Yは、イエローインクを吐出する記録ヘッド、2Mはマゼンタインクを吐出する記録ヘッド、2Cはシアンインクを吐出する記録ヘッド、2Bkはブラックインクを吐出する記録ヘッドとなっている。各記録ヘッドは、略同一の構成を有するものとなっており、以下の説明において、特に区別の必要がない場合には、これらをまとめて記録ヘッド2と記述する。
各記録ヘッド2は、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクをそれぞれ貯留した4つのインクタンク3Y,3M,3C,3Bk(以下、これらをまとめてインクタンク3と記述する)にそれぞれ接続配管4を介して接続されており、各インクタンク3は、接続配管4に対して交換可能となっている。
そして、制御装置9によって作動が制御される回復処理のためのヘッド移動手段10により、プラテン6との対向方向に昇降し得るようになっている。記録ヘッド2は、無端の搬送用ベルト5を挟んでプラテン6と対向するように搬送用ベルト5の搬送方向に沿って所定間隔で配列されている。なお、記録ヘッド2には、インクを吐出するインク吐出口と、前述のインクタンク3のインクが供給される共通液室と、この共通液室から各インク吐出口へとインクを導く後述のインク流路とが形成されると共に、各インク流路内には、供給されるインクタンク吐出用の熱エネルギーを発生する吐出エネルギー発生手段としての電気熱変換体(ヒータ)とからなるノズルが複数設けられている。また、ヒータは、ヘッドドライバ2aを介して制御装置9に電気的に接続されており、この制御装置から送られるオン/オフ信号(吐出/不吐出信号)に応じてヒータの駆動、停止が制御される。
一方、各記録ヘッド2の側方には、記録媒体Pに対する記録動作に先立ち、インク流路内に介在する増粘したインクなどを、記録ヘッド2の吐出口から排出して記録ヘッドの回復処理を行うためのヘッドキャップ7が記録ヘッドの配列間隔に対して半ピッチずらした状態で配置され、制御装置9によって作動が制御されるキャップ移動手段8により、それぞれ記録ヘッド2の直下にキャップ7を移動させ、インク吐出口から排出される廃インクを受けるようになっている。
記録媒体Pを搬送する搬送用ベルト5は、ベルト駆動モータ11に連結された駆動ローラに掛け渡され、制御装置9に接続されるモータドライバ12によってその作動が切り替えられる。また、搬送用ベルト5の上流側には、この搬送用ベルト5を帯電することにより、記録媒体Pを搬送用ベルト5に密着させるための帯電器13が設けられており、この帯電器13は制御装置9に接続される帯電器ドライバ13aによって、その通電のオン/オフが切り換えられる。搬送用ベルト5の上に記録媒体Pを供給するための一対の給送ローラ14,14には、これら一対の給送ローラ14,14を駆動回転させるための給送用モータ15が連結され、この給送用モータ15は、制御装置9に接続されるモータドライバ16によって作動が切り換えられる。
従って、記録媒体Pに対する記録動作を行う場合には、まず、各記録ヘッド2がプラテン6から離れるように上昇し、次いで、ヘッドキャップ7が各記録ヘッド2の直下に移動して回復処理を行った後、ヘッドキャップ7が元の待機位置へ移動する。この後、さらに記録ヘッド2が記録位置までプラテン側に移動する。そして、帯電器13を作動させると同時に搬送用ベルト5を駆動し、さらに給紙ローラ14,14によって記録媒体Pを搬送用ベルト上に載置し、各記録ヘッド2によって所定のカラー画像が記録媒体Pに記録される。
次に、図3に基づき、前述の記録ヘッドの内部構造を説明する。
図において、記録ヘッド2はインクを加熱するための複数のヒータ22が形成された基板であるヒータボード23と、このヒータボード23の上にかぶせられる天板24とを備える。天板24には、複数のインク吐出口25が形成されており、各インク吐出口25の後方には、各インク吐出口25に連通するトンネル状の液路26が形成されている。各液路26は、その後方において1つのインク液室に共通に接続されている。各インク液室には、前記インクタンク3に貯留されているインクがインク供給口を経て供給され、インク液室に供給されたインクはそれぞれの液路26に供給される。
図において、記録ヘッド2はインクを加熱するための複数のヒータ22が形成された基板であるヒータボード23と、このヒータボード23の上にかぶせられる天板24とを備える。天板24には、複数のインク吐出口25が形成されており、各インク吐出口25の後方には、各インク吐出口25に連通するトンネル状の液路26が形成されている。各液路26は、その後方において1つのインク液室に共通に接続されている。各インク液室には、前記インクタンク3に貯留されているインクがインク供給口を経て供給され、インク液室に供給されたインクはそれぞれの液路26に供給される。
ヒータボード23と、天板24とは、各液路26に対応した位置に各ヒータ22が来るように位置合わせされて組み立てられる。図3においては、4つのヒータ22しか示されていないが、各ヒータ22は、夫々の液路26に対応して1つずつ配置されている。そして、組み立てられた記録ヘッドにおいて、ヒータ22に所定の駆動パルスを供給すると、ヒータ22上のインクが沸騰して気泡を形成し、この気泡の体積膨張によりインクが吐出口25から押し出されて吐出される。なお、本発明に適用可能なインクジェット記録方式は、図1及び図2に示したような発熱素子(ヒータ)を使用した所謂バブルジェット(登録商標)方式に限られるものではなく、例えば、インク滴を連続噴射し粒子化するコンティニュアス型の場合には荷電制御型、発散制御型等が適用可能であり、また、必要に応じてインク滴を吐出するオンデマンド型の場合にはピエゾ振動素子の機械的振動によりインク吐出口からインク滴を吐出する圧力制御方式等も適用可能である。
図4は、本発明のインクジェット記録装置の制御系の構成の一例を示すブロック図である。
図4おいて、31はスキャナやデジタルカメラ等の画像入力機器からの多値画像データやパーソナルコンピュータのハードディスク等に保存されている多値画像データを入力する画像データ入力部、32は各種パラメータの設定および記録開始を指示する各種キーを備えている操作部、33は記憶媒体中の各種プログラムに従って本記録装置全体を制御する制御手段としてのCPUである。34は各種データを記憶する記憶手段であり、この記憶手段34には、記録媒体の主に種類に関する記録媒体情報格納部34a、プリントに用いるインクに関するインク情報格納部34b、記録時の温度、湿度などの環境に関する情報を格納する環境情報格納部34c、各種制御プログラム群格納部34dなどを有している。さらに、35は記憶手段34中の各種プログラムのワークエリア、エラー処理時の一時待避エリア及び画像処理時のワークエリアとして用いるRAMである。本実施形態例の動作は、全てこのプログラムによる動作である。このプログラムを格納する記憶手段34としては、ROM、FD、CD−ROM、HD、メモリカード、光磁気ディスクなどを用いることができる。また、RAM35は、記憶手段34の中の各種テーブルをコピーした後、そのテーブルの内容を変更し、この変更したテーブルを参照しながら画像処理を進めることも可能である。
図4おいて、31はスキャナやデジタルカメラ等の画像入力機器からの多値画像データやパーソナルコンピュータのハードディスク等に保存されている多値画像データを入力する画像データ入力部、32は各種パラメータの設定および記録開始を指示する各種キーを備えている操作部、33は記憶媒体中の各種プログラムに従って本記録装置全体を制御する制御手段としてのCPUである。34は各種データを記憶する記憶手段であり、この記憶手段34には、記録媒体の主に種類に関する記録媒体情報格納部34a、プリントに用いるインクに関するインク情報格納部34b、記録時の温度、湿度などの環境に関する情報を格納する環境情報格納部34c、各種制御プログラム群格納部34dなどを有している。さらに、35は記憶手段34中の各種プログラムのワークエリア、エラー処理時の一時待避エリア及び画像処理時のワークエリアとして用いるRAMである。本実施形態例の動作は、全てこのプログラムによる動作である。このプログラムを格納する記憶手段34としては、ROM、FD、CD−ROM、HD、メモリカード、光磁気ディスクなどを用いることができる。また、RAM35は、記憶手段34の中の各種テーブルをコピーした後、そのテーブルの内容を変更し、この変更したテーブルを参照しながら画像処理を進めることも可能である。
36は入力された多値画像データをN値の画像データに各画素毎に量子化し、その量子化された各画素が示す階調値“K”に対応する吐出パターンを作成する画像データ処理部である。この画像データ処理部は、入力された多値画像データをN値化処理した後、階調値“K”に対応する吐出パターンを作成する。例えば、8bit(256階調)で表現される多値画像データが画像データ入力部31に入力された場合、画像データ処理部36においては出力する画像データの階調値をK値に変換する。なお、ここでは入力階調画像データのK値化処理には多値誤差拡散法を用いたが、これに限らず平均濃度保存法、ディザマトリックス法等、任意の中間調処理方法を採用することも可能である。また、画像の濃度情報に基づいて前述のK値化処理を全ての画素数分繰り返すことにより、それぞれのインクノズルに対する各画素毎の吐出、不吐出の2値の駆動信号が形成される。
37は画像データ処理部36で作成された吐出パターンに基づいてインクを吐出し、記録媒体上にドット画像を形成する画像記録部、38は本装置内のアドレス信号、データ、制御信号などを伝送するバスラインである。
次に、図5ないし図12を用いて、本発明の特徴的部分である記録ヘッドのノズルの配置および記録媒体に形成されるドットの状態などについて説明する。なお、本発明の好適な実施形態の特徴を明確にするため、まず、本発明の関連技術を述べ、その後にその関連技術との相違点と共に本実施形態における記録ヘッドのノズルの配置、およびドットの形成状態などを説明する。
(本発明の関連技術)
図5は、本発明の関連技術における記録ヘッドの一例を示す図である。ここに示す記録ヘッド40は、フルライン型インクジェット記録装置に用いる長尺記録ヘッドを示す図である。
図5は、本発明の関連技術における記録ヘッドの一例を示す図である。ここに示す記録ヘッド40は、フルライン型インクジェット記録装置に用いる長尺記録ヘッドを示す図である。
図5(a)において、41は記録ヘッドであり、ここでは、1280個のノズルを1200dpi間隔(略21.2μm間隔)で略一列に配置した一つのノズル列からなるノズル群42を有する記録ヘッドを示している。図中、Xは記録ヘッド41と記録媒体との相対移動方向を示している。この実施形態では、図1に示すように記録ヘッドが記録装置本体に固定されており、記録媒体が主走査方向(X方向)と逆方向へと移動する。これにより、記録媒体に対し、図5(b)に示すような記録マトリックス43へと、インク滴が順次着弾するようになっている。
すなわち、記録マトリックス43に、番号1のノズルから吐出させたインク滴は、記録マトリックスの番号1の記録ラスタ上の各カラムa,b,c‥‥に順次着弾し、番号2のノズルから吐出させたインク滴は、番号2の記録ラスタ上の各カラムa,b,c‥‥に順次着弾して画像が形成される。なお、この記録マトリックス43における一つの升目は一つの画素を表しており、以下、この記録マトリックス上における画素の位置は、ラスタ番号1,2,3‥‥と、カラム番号a,b,c‥‥とによって、(1,a),(2,c)のように表記することとする。
ラスタ方向において連続して記録動作を行う場合、記録マトリックス43上の画素(1,a)と画素(1,b)とにインク滴が連続的に着弾する場合の時間差は、ノズルからのインク滴の吐出時間差、つまりノズルの駆動周波数に依存する。例えば10kHzでインク滴を連続的に吐出して記録を行う場合には、0.1msecの時間差をもって前記二つの画素にそれぞれインク滴が着弾する。また、画素(1,a)と画素(2,a)には、略同時にインク滴が着弾するため、両画素へのインク滴の着弾時間差は略ゼロとなる。また、画素(1,a)と画素(2,b)との間には、0.1msecの時間差が生じる。従って、図5の記録ヘッド41を用い、1パスで記録マトリックス43の画素を全て埋めるような記録(べた記録)を行う場合には、全ての隣接ドットは、0.1msec以内の着弾時間差で記録媒体上に形成されることになる。
このとき、記録マトリックス43の一画素の大きさ(上記の場合21.2μm四方)に対して、記録するインク滴により形成されるドット径が一画素の一辺よりも大きい場合には、形成されるドットは、少なくともラスタ方向およびカラム方向に隣接するドットと接触することとなる。例えば画素(1,a)に形成されるドットは、画素(1,b)に形成されるドットと接触すると共に、画素(2,a)に形成されるドットとも接触することとなる。また、形成されるドットの径が、一画素の対角長より大きい場合には、前述のようにラスタ、カラムの2方向における隣接ドットだけでなく、マトリックス43の対角線方向に隣接するドットも接触することとなる。つまり、画素(1,a)は画素(2,b)にも接触することとなる。
また着弾精度にもよるが、記録媒体上の理想とする位置(記録マトリックスの各画素の中心)にインク滴の中心が一致するよう着弾しない場合にもドットは隣接するもの同士で接触する可能性が高まる。
上記のように、図5に示す記録ヘッド41のような略一列に高密度にノズルを配列した長尺記録ヘッドを用い、1パスで記録画像を完成させようとすると、隣接ドットの着弾時間差は、記録速度を高めるほど短時間にならざるを得ず、それに伴って隣接ドット同士が前述のように接触する可能性が高まる。この場合、図21(b)に示すように、先に記録媒体に着弾したインク滴D1が記録媒体Pに完全に吸収される前に、隣接するインク滴D2が続いて着弾することがあり、その場合には、先に着弾したインク滴D1と次に着弾したインク滴D2とが記録媒体Pの表面上で合体し(図21(b)のD12参照)、図20(c)に示すような望ましくない形態(両ドットが楕円形状をなすよう収縮した形態)をなすことがある。なお、隣接するドットは、図20(a),(b)に示すようなひょうたん型の平面形状をなすよう連結することが望ましい。
こうした問題は、シリアルプリンタ型のインクジェット記録装置で行われているインターレース記録やマルチパス記録などでは発生しにくく、高速記録を行うフルライン型インクジェット記録装置特有の問題となっている。つまり、高速記録を目的とするフルライン型インクジェット記録装置では、インク滴の記録媒体への吸収速度が、記録速度に追いつけないことがあり、これが画像品質を低下させる大きな要因となっている。
そこで、本出願人は、上述したような、プリントインクの被記録媒体への吸収時間に着目し、さらに以下のような技術を提案している。
図6は、本発明の他の関連技術における記録ヘッド51を模式的に示す図である。図において、52および53は、この記録ヘッド51を構成するノズル群をそれぞれ示している。各ノズル群は、例えば640個のノズルをノズル間隔42.5μmで略一列に配置した構成を有しており、両ノズル群52と53との間隔はLnoとなっている。なお、図中、Xは記録媒体の移動方向と逆方向の主走査方向を、Yはこの主走査方向と直交する副走査方向を示しており、この副走査方向に沿って各ノズル群のノズルが配列されている。
図6は、本発明の他の関連技術における記録ヘッド51を模式的に示す図である。図において、52および53は、この記録ヘッド51を構成するノズル群をそれぞれ示している。各ノズル群は、例えば640個のノズルをノズル間隔42.5μmで略一列に配置した構成を有しており、両ノズル群52と53との間隔はLnoとなっている。なお、図中、Xは記録媒体の移動方向と逆方向の主走査方向を、Yはこの主走査方向と直交する副走査方向を示しており、この副走査方向に沿って各ノズル群のノズルが配列されている。
図7(a),(b)は図6に示した記録ヘッド51の各ノズルから吐出したインク滴が、記録マトリックス54のどの画素に着弾するかを示す図である。すなわち、図7(a)に示す記録ヘッド51の各番号のノズルから吐出されるインク滴は、記録マトリックス54上の対応する番号の記載された画素へと着弾させる。すなわち、ノズル群53の番号1のノズルから吐出されたインク滴は、記録マトリックス54の番号1の画素に着弾させ、ノズル群52の番号aのノズルから吐出されたインク滴は、記録マトリックス54の番号aに対応する位置にインク滴を着弾させる。このように、2列のノズル群52,53を用いて記録マトリックス54にインク滴を着弾させる記録方法によれば、隣接する画素にインク滴が着弾する時間をある程度確保することができ、良好なドットを形成し得る可能性が高まる。例えば、画素1に着弾するインク滴と、これに隣接する画素aおよび画素bに着弾するインク滴との着弾時間差△Tは、ノズル群の間隔をLno(mm)、記録速度をF(mm/msec)とすると、
ΔT=Lno/F (式3)
となる。
従って、この図6に示す記録ヘッドによれば、ノズル群の間隔Lnoを上記式3の関係を満たすべく設定することによって、ドット同士の合体による画質劣化を軽減することができる。
ΔT=Lno/F (式3)
となる。
従って、この図6に示す記録ヘッドによれば、ノズル群の間隔Lnoを上記式3の関係を満たすべく設定することによって、ドット同士の合体による画質劣化を軽減することができる。
但し、ドット径が画素の対角長(この場合は42.5×√2μm)より大きい場合、あるいは、ドット径が画素の対角長より小さいとしてもそのドット径にインク滴の着弾誤差の平均値を加えた値が画素の対角長を越えるような場合には、隣接するドット同士が合体する可能性が高い。すなわち、画素1と画素2との着弾時間差は、1パス記録においてはノズルにおけるインク滴の吐出駆動周期分の時間間隔しかないので、ドット径や着弾誤差などによっては、隣接するドット同士が図9(c)に示したような状態で合体する可能性があり、これが画像品位の低下を招く可能性がある。
そこで、図8に示すような記録ヘッドも提案されている。すなわち、この記録ヘッド71は、略1列にノズルを配列してなるノズル群を主走査方向(X方向)に沿って4個並設したものとなっている。72〜75は、これら4個のノズル群を示しており、各ノズル群72〜75は、それぞれLno1〜Lno3の間隔で配置されている。
上記記録ヘッド71を用いて記録動作を行った結果を同図(b)の記録マトリックス76に示す。ここで、Lno1〜Lno3は、全て同一のノズル列間距離に設定されており、この間隔は、以下の式1および式2に示す関係に設定されている。
Lpr(mm)=F(mm/msec)×T(msec) (式1)
Lno≧Lpr (式2)
ここで、記録速度Fは、記録ヘッドと被記録媒体とを相対的移動速度、Tは被記録媒体の単位面積へ特定量のインクを着弾させた場合の記録媒体の吸収時間である。また、Lprは、記録媒体の単位面積中に記録ヘッドによって付与し得る最大量のインクが記録媒体内に吸収される時間を、記録ヘッドと記録媒体との相対移動量に換算したノズル列間距離を意味する。以下、このノズル列間距離Lprを最大インク吸収間隔と称す。なお、本明細書において、インクが記録媒体に吸収される状態とは、記録媒体の表面上に供給されたインクが記録媒体の表面から内部へと浸透し、少なくとも表面上にインクが液状に溜まっていない状態を意味する。
Lpr(mm)=F(mm/msec)×T(msec) (式1)
Lno≧Lpr (式2)
ここで、記録速度Fは、記録ヘッドと被記録媒体とを相対的移動速度、Tは被記録媒体の単位面積へ特定量のインクを着弾させた場合の記録媒体の吸収時間である。また、Lprは、記録媒体の単位面積中に記録ヘッドによって付与し得る最大量のインクが記録媒体内に吸収される時間を、記録ヘッドと記録媒体との相対移動量に換算したノズル列間距離を意味する。以下、このノズル列間距離Lprを最大インク吸収間隔と称す。なお、本明細書において、インクが記録媒体に吸収される状態とは、記録媒体の表面上に供給されたインクが記録媒体の表面から内部へと浸透し、少なくとも表面上にインクが液状に溜まっていない状態を意味する。
そして、図8では、各画素に着弾するインク滴と、そのラスタ方向、カラム方向および画素の対角線方向において隣接する全ての隣接画素に着弾するインク滴との間に、前記最大インク吸収間隔Lpr以上のノズル列間距離が設定されている。従って、例えば画素A2に注目した場合、この画素A2に隣接する画素D2,B2,C1,C3,B1,D3,D1,B3と、画素A2とのノズル列間距離は、最大インク吸収間隔Lprを超えており、画素A2に隣接する画素は、いずれも画素A2が記録媒体内に吸収された後に着弾することとなる。この場合、記録マトリックス76の画素に対して、ドット径が画素の一辺以上であっても良いし、画素の対角長以上であって画素A1とA2に形成される両ドットが図20(c)に示すように互いに合体しない程度の大きさが望ましい。具体的には、画素×√2未満であることが望ましい。さらに、画素A1とA3のドットが図20(c)のように合体しない程度の大きさ、例えば、画素×2未満であることが好ましい。
さらにまた、本発明者は、図9に示すような記録ヘッド91も提案している。この記録ヘッド91は、複数のノズルを一定のピッチ9Cで直線状に配列した2本のノズル列92,93を有し、一方のノズル列を他方のノズル列より1/2ピッチ(Lp)だけずらして配置したものとなっている。この記録ヘッドでは、1パスでの記録動作によって、記録マトリックスを前記各ノズル列のノズルの配置密度の2倍の密度で形成することが可能である。
この図9(a)に示す記録ヘッドでは、両ノズル列92,93のノズル列間距離Lnoを、前述のLpr以上とすることにより、図9(b)の記録マトリックス94における副走査方向(Y方向)に隣接する画素の着弾時間差、例えば画素1と画素a(すなわちライン1とラインa)との着弾時間差を十分とることが可能となり、画質の向上が可能である。しかしながら、同一ラスタ上では着弾時間差が吐出駆動周波数に相当するため、図20(c)に示すような合体ドットが形成される可能性がある。
そこで本出願人は、図10(a)に示すような記録ヘッド記録ヘッド100も提案している。この記録ヘッド100は、図9に示した2本のノズル列を有する記録ヘッドを2組並設し、合計4本のノズル列101〜104を一体的に設けた構成となっている。
図10(b)は、記録ヘッド100の各ノズルから吐出されたインク滴の着弾状態を模式的に示す図である。図示のように、この記録ヘッド100によれば、各画素は、いずれも隣接する画素との間で十分な着弾時間差をとることができる。例えば、画素A2に着目すると、これに隣接する画素B1、D1、B1、C2、C2、D2、B2、D2のいずれのノズル間隔(Lno1=Lno2=Lno3)も最大インク吸収間隔Lpr以上のノズル列間距離をもって配設されたノズルから吐出されるインク滴によって記録されるため、十分に着弾時間差をとることができる。なお、この記録ヘッド100においても、記録マトリックスの一画素の大きさに対して、ドット径は、画素の一辺以上であっても良いが、好ましくは、画素の対角長以上であって、画素A1とA2のドットが図20(c)のように合体しない程度の大きさ、例えば、画素×√2未満であることがよい。また、より好ましくは画素A1と次のA1のドットが図20(c)のように合体しない程度の大きさ、画素×2の大きさ未満に設定するとよい。
さらに、以上の記録ヘッドでは、ノズル列が主走査方向(X方向)に沿って略一列に記録幅相当の長さに配列されたフルマルチ型長尺記録ヘッドにおける複数ノズル群の配置について述べたが、図11に示すような比較的短い(ノズル数の少ない)複数個(図11では4個)のノズル列111を千鳥状に配置して、一組のノズル群112を構成し、このノズル群112を主走査方向に沿って4組並設することによりフルマルチ型長尺記録ヘッドを構成することも提案されている。
この図11に示す記録ヘッド110では、主走査方向(X方向)において隣接する各ノズル群112の距離間隔Lno1,Lno2,Lno3が全てLpr以上の間隔に配置されている。また、各ノズル群内の隣接するノズル列の主走査方向におけるノズル列間距離Lgr1,Lgr2,Lgr3,Lgr4にあっては、副走査方向に隣接する各ノズル群の端部ノズルの副走査方向におけるノズル列間距離にもよるが、Lpr以上あっても良いし、記録マトリックスへの着弾時間差がとれる場合においてはLpr未満であっても良い。但し、記録ヘッド110の実施に当たり、各ノズル群の端部ノズルの着弾精度が低い場合、あるいは何らかの不遇により不吐出のノズルが発生するような場合には、その端部ノズルを他のノズルで代替することも考えられる。このような端部ノズルの代替を想定する場合には、隣接するノズル群の端部ノズル間の副走査方向における距離間隔を狭く設定しておくことが必要となるため、隣接する端部ノズルの主走査方向におけるノズル列間距離Lgr1〜Lgr4は、Lpr以上とすることが望ましい。
この記録ヘッド110においても、各ノズル群内のノズル列111の主走査方向(X方向)におけるノズル列間距離Lno1、Lno2及び主走査方向に隣接のするノズル列のX方向におけるノズル列間距離LgrをLpr以上に設定することによって、図20(a)に示すような適正な連結ドットを形成することができる。
さらに、本出願人は、図12ないし図14に示す記録ヘッドも提案している。
図12(a)に示す記録ヘッドは、主走査方向(X方向)に沿って並設した2列のノズル列122,123によって一つのノズル群121を形成し、このノズル群121を千鳥状に4組配設したものである。また、図13は、図12に示す記録ヘッド120を主走査方向(X方向)に2個配列したものを示す図であり、また、図14は図12に示す記録ヘッド120と同様に配列されたノズル群の組み合わせを、さらに主走査方向に並設したものである。
図12に示すものにあっては、Lno1,Lno2、およびLgrに示すノズル列間距離が全て前述の最大インク吸収間隔Lpr以上に設定されており、また、図13に示す記録ヘッド130および図14に示す記録ヘッド140にあっては、Lno1〜Lno4、LgrpおよびLuntが全て最大インク打込み間隔Lpr以上に設定されている。これにより、図12〜図14に示す記録ヘッドにあっても、図20(a)に示すような適正な連結ドットを形成することができる。
図12(a)に示す記録ヘッドは、主走査方向(X方向)に沿って並設した2列のノズル列122,123によって一つのノズル群121を形成し、このノズル群121を千鳥状に4組配設したものである。また、図13は、図12に示す記録ヘッド120を主走査方向(X方向)に2個配列したものを示す図であり、また、図14は図12に示す記録ヘッド120と同様に配列されたノズル群の組み合わせを、さらに主走査方向に並設したものである。
図12に示すものにあっては、Lno1,Lno2、およびLgrに示すノズル列間距離が全て前述の最大インク吸収間隔Lpr以上に設定されており、また、図13に示す記録ヘッド130および図14に示す記録ヘッド140にあっては、Lno1〜Lno4、LgrpおよびLuntが全て最大インク打込み間隔Lpr以上に設定されている。これにより、図12〜図14に示す記録ヘッドにあっても、図20(a)に示すような適正な連結ドットを形成することができる。
以上のように、上記関連技術における各記録ヘッドにおいては、主走査方向において隣接する各ノズル列の主走査方向における間隔を最大インク吸収間隔Lpr以上に設定することで、隣接するドットの連結状態を適正化することができ、スジ状の濃度ムラの発生を防止することができ、良好な画像を形成することができる。
ここで、インク滴が記録媒体に吸収される時間(インク吸収時間)を求める方法について説明する。
当業者において一般的に知られている測定方法としては、J−TAPPIに規定される「ブリスト法」がある。この方法では、インク滴が記録媒体表面に接触してから記録媒体内へと浸透する速度(浸透速度)の極短時間における変化を吸収速度係数として表すことができ、これによって単位容量あたりのインクが記録媒体内へ吸収される時間を求めることができる。この方法によってBJF850(キヤノン株式会社製)で用いられているインク(BCI5C:キヤノン株式会社製)が、プロフォトペーパー(PR101:キヤノン株式会社製)、インクジェット電子写真両用普通紙(PBPAPER:キヤノン株式会社製)、インクジェット用高品位専用紙(HR101:キヤノン株式会社)に吸収される時間を測定したところ以下の表に示すような結果が得られた。
この結果を受け、本発明者らは上記のような吸収時間に鑑みて隣接するノズル列の間隔を設定することが、高速記録動作に適するフルマルチ型記録ヘッドを実現する上で必要であるとの認識を得るに至り、この課題認識に基いて本願発明がなされた経緯がある。
例えば、上記プロフォトペーパーに上記インクをフルマルチ型記録ヘッドを用いて、記録ヘッドと被記録媒体との相対的移動による走査(主走査)を少なくとも1回行うことにより画像を完成させる記録(1パス記録)においては、ノズルから連続的にインクを吐出する速度に対応する駆動周波数を10kHzとし、主走査方向の記録密度(記録マトリックス解像度)が各ノズル群の主走査方向における配置密度と同一であるとし、その値が例えば、1200dpi画素(約20ミクロン四方)であるとすると、記録速度F(mm/msec)は0.2mm/msecとなる。また、上記の表からすると、10ml/平方メートルのインクをプロフォトペーパー(PR101)が吸収する吸収時間T(msec)は8msecであるので、最大インク吸収間隔Lpr(mm)は、前記の式1によって算出すると、1.6mm(約80画素分に相当)となる。
また、20ml/平方メートルをプロフォトぺーパー(PR101)が吸収する吸収時間T(msec)は28msecであるので、最大インク吸収間隔Lpr(mm)は、式1によって算出すると5.6mm(約265画素分に相当)となる。この最大インク吸収間隔Lprは、単位面積中に記録ヘッドによって打込み得る最大量のインクを、引き伸ばすように記録媒体に接触させた際に、そのインクが記録媒体内に吸収される時間(吸収時間)が経過した後に、隣接するノズル列から吐出されたインク滴が記録媒体上に着弾するまでのノズル列間距離を意味する。
そのため、記録にあたって使用するインク量により、このLpr値も異なることになる。通常、全色分の総インク量を計算値に用いることが好ましいが、各色のノズル列の主走査方向におけるノズル列間距離が十分に存在する場合には、各色単位での記録インク量を計算の根拠にしてもよい。
また、このLprを算出するために用いた吸収時間Kは、ここでは「ブリスト法」によって求められた値を用いているが、吸収速度を規定する他の測定方法によって吸収時間Kを設定したり、目視によりインクが吸収されたかどうかの判断に基き吸収時間Kを設定しても良く、さらには、主走査方向と交差する副走査方向(Y方向)において隣接するノズルから吐出された2つの液滴により形成された2つのドットが一部重なって形成される連結ドットの様子を観察することにより吸収時間を規定してもよい。
例えば、連結ドットは、図20(a),(b),(c)に示すように、記録媒体上でひょうたん型または楕円型を形成することがあり、これらの連結ドットを形成する2つのドットの重なり部分の光学濃度分布および形状に着目して吸収時間を判断することができる。すなわち、より短い時間間隔で2つのドットが着弾された場合には、両ドットが図20(c)に示すように合体し楕円形状をなす。また、2つのドットが少し時間を置いて記録媒体に着弾した場合には、両ドットによって形成される連結ドットの形状は、図20(b)のようになる。また、さらに時間間隔を隔てて形成された連結ドットは図20(a)のようになる。そして、これらの連結ドットを比較すると濃度および形状が異なるため、その濃度および形状の相違によって吸収時間を判断することができる。なお、図20(a)に示すような連結ドットは、上記ブリスト法で測定された吸収時間に相当する時間間隔をおいて2つのインク滴を着弾させることによって形成された連結ドットとほぼ同様な光学濃度分布を取っている。
このように、上記関連技術においては、記録媒体に形成される連結ドットが図20(c)に示すように、画質を低下させるほど合体することのないように、隣接するノズルから吐出されるインク滴の着弾時間差を考慮したものとなっており、これによって高品位な画像を形成することが可能となっている。
しかしながら、上記関連技術にあっては、ノズル列間の間隔を、最大インク吸収間隔Lpr以上に設定しているため、ノズル列が3列以上存在する場合には、記録ヘッドの主走査方向における幅が大型化し、延いては記録装置全体が大型化するという問題が生じている。
特に、上記PR101のような、インクの吸収層が空隙型の記録媒体にあっては、上記測定値にも示されているように、インク吸収層にインク滴が吸収されるまでの時間が、普通紙や、高品位専用紙のそれよりも大きくなりがちであるため、このような記録媒体に対して、上記関連技術を適用した場合には上記問題はさらに顕著なものとなる。
そこで、本発明は、上記関連技術の有効性を維持しつつ、記録ヘッドの小型化を図り得る構成を有している。
そこで、本発明は、上記関連技術の有効性を維持しつつ、記録ヘッドの小型化を図り得る構成を有している。
(発明の実施形態)
以下、本発明の実施形態について詳述する。
本発明においては、多色のインク、あるいは複数の記録ヘッドを用いて、1パスあるいは少数回数の相対走査で記録動作を行う場合に、有効な小型な記録ヘッドを提供するものであり、これによって記録ヘッドの幅(主走査方向におけるノズル列間距離)を短縮化することが可能となり、延いては記録装置の小型化をも可能とするものとなっている。
以下、本発明の実施形態について詳述する。
本発明においては、多色のインク、あるいは複数の記録ヘッドを用いて、1パスあるいは少数回数の相対走査で記録動作を行う場合に、有効な小型な記録ヘッドを提供するものであり、これによって記録ヘッドの幅(主走査方向におけるノズル列間距離)を短縮化することが可能となり、延いては記録装置の小型化をも可能とするものとなっている。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を図15に基き説明する。なお、この第1の実施形態にあっては、記録ヘッドと記録媒体との相対移動方向である主走査方向(X方向)における前方(図中、左方)を上流側とし、後方(図中、右方)を下流側とする。すなわち、記録ヘッドに対して、記録媒体が進入した際に、先に記録媒体と対向するノズル列を上流側ノズル列と称し、後に対向するノズル列を下流側ノズル列と称す。
本発明の第1の実施形態を図15に基き説明する。なお、この第1の実施形態にあっては、記録ヘッドと記録媒体との相対移動方向である主走査方向(X方向)における前方(図中、左方)を上流側とし、後方(図中、右方)を下流側とする。すなわち、記録ヘッドに対して、記録媒体が進入した際に、先に記録媒体と対向するノズル列を上流側ノズル列と称し、後に対向するノズル列を下流側ノズル列と称す。
図15に示すように、本実施形態においては、インクを吐出するノズルを主走査方向と直交する方向である副走査方向(Y方向)に沿って略直線的に複数個配列したノズル列を複数列(図では2列)備えた記録ヘッドを、主走査方向に対する上流側から下流側へと複数個(図では4個)個並設したものである。
図中、150Aは最上流側に配置された記録ヘッドを示し、以下、150B,150C,150Dにて示す記録ヘッドが順次下流側へと並設されている。各記録ヘッドは、上流側ノズル列と下流側ノズル列とを有しており、両ノズル列を構成する各ノズルの副走査方向におけるピッチは、いずれも同一のピッチ15Pを有し、下流側のノズル列の各ノズルは、上流側ノズル列の各ノズルの中間に位置するよう配置されている。すなわち、上流側ノズル列に対し、下流側ノズル列はピッチ15Pの1/2のピッチだけ副走査方向にずらして配置されている。これにより、各記録ヘッドは、同一直線上にピッチ15Pの1/2のピッチで直線的にノズルを配列した記録ヘッドと実質的に同一の密度で、ドットを形成することが可能となる。
図中、150Aは最上流側に配置された記録ヘッドを示し、以下、150B,150C,150Dにて示す記録ヘッドが順次下流側へと並設されている。各記録ヘッドは、上流側ノズル列と下流側ノズル列とを有しており、両ノズル列を構成する各ノズルの副走査方向におけるピッチは、いずれも同一のピッチ15Pを有し、下流側のノズル列の各ノズルは、上流側ノズル列の各ノズルの中間に位置するよう配置されている。すなわち、上流側ノズル列に対し、下流側ノズル列はピッチ15Pの1/2のピッチだけ副走査方向にずらして配置されている。これにより、各記録ヘッドは、同一直線上にピッチ15Pの1/2のピッチで直線的にノズルを配列した記録ヘッドと実質的に同一の密度で、ドットを形成することが可能となる。
なお、図中、151,153,155,157は各記録ヘッドにおける上流側ノズル列を示し、152,154,156,158は各記録ヘッドにおける下流側ノズル列をそれぞれ示している。そして、これら8本のノズル列は、上流側から下流側へと順次151〜158の順で配置されている。以下、151を第1のノズル列、152を第2のノズル列、153を第3のノズル列、154を第4のノズル列、155を第5のノズル列、156を第6のノズル列、157を第7のノズル列、158を第8のノズル列と称す。
また、図中、L1〜L7は、上記8本のノズル列の主走査方向におけるノズル列間距離を示している。この7つのノズル列間距離のうち、最も上流側に位置するノズル列間距離L1は、最も狭く設定されており、以下L2からL7にかけて順次増大するよう設定されている。
各ノズル列間距離L1からL2の設定は、以下のようにして設定されている。
先に述べた関連技術のように、記録媒体の単位面積に打ち込み得る最大上限インク打込み量(図19のVtotal)から求まる最大インク吸収間隔Lprを、全てのノズル列のノズル列間距離に適用すれば、良好な画像品質を得ることはできるが、本発明者らがさらに検討を重ねた結果、各ノズル列のノズル列間距離の設定に関し、次のような知見を得るに至った。
先に述べた関連技術のように、記録媒体の単位面積に打ち込み得る最大上限インク打込み量(図19のVtotal)から求まる最大インク吸収間隔Lprを、全てのノズル列のノズル列間距離に適用すれば、良好な画像品質を得ることはできるが、本発明者らがさらに検討を重ねた結果、各ノズル列のノズル列間距離の設定に関し、次のような知見を得るに至った。
すなわち、上流側に位置するノズル列から吐出されるインク滴は、未記録状態の記録媒体に最初に着弾することとなるため、記録媒体に打ち込まれるインク量は最も少ない状態にある。このため、インク滴の吸収は短時間で行われることとなり、前述の最大上限インク打込みインク量に基き設定されたノズル列間距離Lprよりも短いノズル列間距離で良いことが明らかとなった。そして、以下、順次下流側のノズル列に至るに従って、インク打込み量は増大し、それに伴ってインク吸収時間も増大するため、各ノズル列間距離を順次増大させることが必要となる。
図19に、記録媒体に打ち込まれるインク量と、インク吸収時間との関係を示す。図中、縦軸は記録媒体に打ち込まれるインク量を示し、横軸は打ち込まれたインクの吸収に要する時間(吸収時間)をそれぞれ示しており、ここに示す特性に従って、前記ノズル列間距離L1〜L7を設定する。
例えば、図15の4個の記録ヘッド150A〜150Dにおける合計8列のノズル列によって、合計20ml/平方メートルのインクを記録媒体に記録する場合、第1〜第8のノズル列151〜158のうち、一つのノズル列により約2.5ml/平方メートルずつインクが打ち込まれることが必要となる。このとき、1パスで記録する場合においては、図15に示すように、L1は、5ml/平方メートルを吸収するに足る間隔、すなわち、図19のT2〜T1に相当するノズル列間距離が設定されていればよく、続く第2のノズル列と第3のノズル列との間隔L2は、5ml/平方メートルのインクが打ち込まれた後、さらに2.5ml/平方メートルのインク滴が打ち込まれた際の間隔、すなわち図19のT3〜T2に相当するノズル列間距離が設定されていればよい。
図19に示すように、打ち込まれたインク量に対する記録媒体の吸収時間は、下流側になるほど増大する傾向にある。このため、上流側および下流側のノズル列の間隔は、下流側のノズル列によってインクが打ち込まれる時点までに打込み得るインク打込み量に基いて設定すれば、上流側のノズル列から吐出されたインク滴によって形成されたドットが十分に記録媒体に吸収された状態で、下流側のノズル列から吐出されたインク滴が記録媒体上に着弾されることとなる。このため、両ドットによって形成される連結ドットは、図20(a)に示すような適正な連結ドットとなる。そして、この場合のノズル間隔L1〜L8は、記録動作における総打込みインク量(例えば20ml/平方メートル)に基いて、ノズル列のノズル列間距離Lprを求め、各ノズル列のノズル列間距離の全てを、最大上限インク打込み量Lpr以上とするようにした上記関連技術に比べ、大幅に記録ヘッドのノズル列間距離を狭めることが可能となり、記録ヘッドの小型化を実現することができる。
さらに、下流側のノズル列によってインクが打ち込まれる時点までに、実際に記録媒体に打ち込まれるインク量の積算値に基いてノズル列の間隔を設定すれば、隣接する上流側のノズル列との間隔を必要最小限に抑えることができ、記録ヘッドの幅を削減する上でより有効である。
なお、2回以上の記録走査によって画像を完成させるような記録動作においては、ノズル列L1とノズル列L2とのノズル列間距離であっても、記録動作における総打込みインク量(例えば20ml/平方メートル)に基いて求めたノズル列間距離Lpr以上の幅に設定することが必要となる。
(他の実施形態)
上記第1の実施形態では、各2本のノズル列を有するノズル群を主走査方向に沿って4個並設した場合を例に採り説明したが、本発明は、3本以上のノズル列を並設したものであれば適用可能であり、上記第1の実施形態に限定されるものではない。例えば、1本のノズル列を有するノズル群を主走査方向に沿って複数個並設する場合にも本発明は適用可能であり、さらには、3本以上のノズル列を有するノズル群を複数個並設する場合などにも本発明は適用可能である。また、ノズル列の間に複数のノズル列間距離が存在する場合において、それら全てのノズル列間距離を上流側から下流側にかけて順次増大させる必要はなく、少なくとも最も上流側に位置するノズル列の間のノズル列間距離を、以下のように設定すれば良く、本発明は特に上記実施形態に限定されるものではない。
上記第1の実施形態では、各2本のノズル列を有するノズル群を主走査方向に沿って4個並設した場合を例に採り説明したが、本発明は、3本以上のノズル列を並設したものであれば適用可能であり、上記第1の実施形態に限定されるものではない。例えば、1本のノズル列を有するノズル群を主走査方向に沿って複数個並設する場合にも本発明は適用可能であり、さらには、3本以上のノズル列を有するノズル群を複数個並設する場合などにも本発明は適用可能である。また、ノズル列の間に複数のノズル列間距離が存在する場合において、それら全てのノズル列間距離を上流側から下流側にかけて順次増大させる必要はなく、少なくとも最も上流側に位置するノズル列の間のノズル列間距離を、以下のように設定すれば良く、本発明は特に上記実施形態に限定されるものではない。
図18は、その他の実施形態の一例を示すものである。
図18に示す記録ヘッドは、4本のノズル列を主走査方向に沿って並設してなるノズル群を、主走査方向に沿って複数個配設した場合を示している。この場合、主走査方向(X方向)において最も上流側に位置する第1のノズル群170Aにおいては、前述の最大上限インク量に基き設定されたノズル列間距離Lprよりも少ないノズル列間距離L1〜L3に設定されており、他のノズル群170B〜170Dにおける各ノズル列のノズル列間距離L5〜L7、及びノズル群の間のノズル列間距離L4は、略ノズル列間距離Lprと同一あるいはそれ以上の値に設定されている。従って、全てのノズル列のノズル列間距離をLpr以上に設定した図17に比べて、最も上流側に位置する第1のノズル群の幅が狭く形成されているため、その分小型化されている。
図18に示す記録ヘッドは、4本のノズル列を主走査方向に沿って並設してなるノズル群を、主走査方向に沿って複数個配設した場合を示している。この場合、主走査方向(X方向)において最も上流側に位置する第1のノズル群170Aにおいては、前述の最大上限インク量に基き設定されたノズル列間距離Lprよりも少ないノズル列間距離L1〜L3に設定されており、他のノズル群170B〜170Dにおける各ノズル列のノズル列間距離L5〜L7、及びノズル群の間のノズル列間距離L4は、略ノズル列間距離Lprと同一あるいはそれ以上の値に設定されている。従って、全てのノズル列のノズル列間距離をLpr以上に設定した図17に比べて、最も上流側に位置する第1のノズル群の幅が狭く形成されているため、その分小型化されている。
また、この第2の実施形態における最も上流側に位置する第1のノズル群170Aでは、隣接するノズル列の間のノズル列間距離が前記ノズル列間距離Lprよりも狭く設定されているが、第1のノズル群170は、他のノズル群よりも先にインクを打ち込むため、その時点において記録媒体に打ち込まれるインク量は、他のノズル群が打込みを行う場合に比べて少量になる。このため、ノズル列間距離Lpr以下に設定しても図20(a)に示すような連結ドットを形成することができる。
また、上述の第1の実施形態にあっては、記録マトリックスの位置(画素)とノズルとを一対一に対応させた場合を例に採り説明したが、画質劣化の許容範囲内であれば、全ての画素とノズルとを対応させる必要はない。すなわち、記録する記録データを用意した記録ヘッドの中のいずれからインクを吐出するかを決める工程としては例えば以下のような工程を挙げることができる。
まず、入力された画像データを4色あるいは6色などの用意した着色インク分に、色分解し、各色ごとのグレーの記録データとする。例えば、1200dpiの密度(間隔)でノズル列方向にノズルを用意した記録ヘッドを用いる場合には、1200×1200dpiの記録マトリックスにインクドットを記録するか否かを表す2値データに、誤差拡散法等により変換処理を加える。その2値記録データを、例えば、図7に示したような、ノズル群を4列で構成される記録ヘッドの各ノズル群の駆動データに割り振る際は、上述のように、記録マトリックスの対応する画素データを各ノズル群の駆動データとしても良いし、あるいは、別途用意するマスクデータにより割り振っても良い。
この場合、一部で、着弾時間差が十分とれずに、インクドットの発生が生じることもあるかと予想されるが、プリントされた画像の劣化が十分である範囲において、問題視しない。さらに、記録ヘッドから吐出されるインク滴の被記録媒体上に着弾したインクドットの着弾精度にもよるが、上記マスクデータとして一般のマルチパス型シリアルインクジェットプリンタのものが好適に使用され得る。
また、本発明においては、記録媒体へ記録するインクの最大上限インク量が重要な構成要素となる。それは、少ないパス数で記録する場合には、必然的に記録に要する各色インクが短時間に集中的に記録されることとなり、例えば1200dpiの密度で配列されたノズル列の各ノズルから5pl程度のインク滴が、主走査方向においても1200dpiの密度で吐出され、100%のベタ記録を1つのノズル群によつて1回の記録走査(1パス)で行うとなると、記録媒体には、約10ml/平方メートルのインク量を吸収することが求められる。同様に、例えば、4色のフルカラー記録を上記の4つのノズル群によって記録する場合には、約40ml/平方メートルのインク量が画像劣化なしに記録媒体によって吸収されることが必要となる。
実際のフルカラー記録では、被記録媒体の前面に400%のインク量で打ち込むことはなく(全面黒になるため)、200%から300%程度が最大に打ち込まれるインク量であり、それも画像の一部に限られている。最大上限インク量は、記録システムの設計値として、記録媒体のインクに対する吸収能力から求められる量であり、例えば、ある環境下(温度、湿度といったプリントシステムの動作環境)において、使用するインクを画質劣化なく記録媒体が吸収できるインク量として定義することができる。
また、実際に記録システムが、最大デューティでインクを吐出する際の記録媒体上に記録されるインク量を想定しても良い。この場合には、記録媒体がそのインク量を吸収できるような記録速度で記録動作を行うとか、記録データを間引くといった処理を行っても良い。また、最大上限インク量は、上述のように全色分の総インク量(最大上限インク量)に基き算出してもよいが、各色の記録ヘッド間が十分離れている場合などでは、各色単位で使用する最大インク量を最大上限インク量としても良い。
また、本発明にあっては、多少のコストアップを伴うが、インクジェット記録装置としては、それぞれの色毎に複数の濃淡インク、大小ドットを使用するものも適用可能である。いずれにしろ、使用する記録ヘッドの数、インクの種類、記録媒体、記録速度、記録するインクの量などに応じて、最大インク吸収間隔Lprの値を設定することができる。
また、上記各実施形態において述べたように、主走査方向に並設された複数のノズル列の間に形成される複数のノズル列間距離を、各ノズル列による記録動作時点より前に打ち込まれたインク量に応じて異ならせることは、上述の各関連技術にも適用可能であり、それによれば、各関連技術における記録ヘッドにおいても、形成する画像を高品位に保ちつつ、主走査方向における記録ヘッドの幅を大幅に縮小することが可能となる。
ところで、上記のようなノズル列、ノズル群を有する記録ヘッドを比較的簡易にかつ低コストで実現できるインクジェット記録方式としては、以下に述べるものが挙げられるが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記録を行うインクジェット方式の記録ヘッドを用いた記録装置において優れた効果をもたらすものである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4,723,129号明細書、同第4,740,796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生させ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を発生させて、結果的にこの駆動信号に一体一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4,463,359号明細書、同第4,345,262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4,3131,24号明細書に記載されている条件を採用すると、更に優れた記録を行うことが出来る。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4,558,333号明細書、米国特許第4,459,600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4,723,129号明細書、同第4,740,796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生させ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を発生させて、結果的にこの駆動信号に一体一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4,463,359号明細書、同第4,345,262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4,3131,24号明細書に記載されている条件を採用すると、更に優れた記録を行うことが出来る。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4,558,333号明細書、米国特許第4,459,600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。
加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録を確実に効率よく行うことができるようになるからである。
さらに、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対して、特に本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
また、本発明の記録装置の構成として、記録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げることができる。
(実施例)
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
〈実施例1〉
この実施形態1では、フルライン型の長尺記録ヘッドとして、図15に示すような第1の実施形態の記録ヘッドを用いてカラー記録を行った。この記録ヘッドでは、4つのノズル群が、それぞれブラック、イエロー、シアン、マゼンタなどの4色のインクの吐出に用いられるものとなっており、全ノズル列の本数は図示のように8本とした。また、各ノズル列は、600dpiの密度で配列され、各ノズル列は640のノズルを持ち、全体として5120ノズルを有するものとなっている。
上記記録ヘッドを図1及び図2に示すインクジェット記録装置に適用し、上述のようなカラー記録データを用いて色材ドットによる記録動作を行った。各ノズルは、5.0±0.5plのインク滴を吐出するよう駆動した。色材を含有するインクとしては、市販のBJF850(キヤノン株式会社製)用のインクを用いた。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
〈実施例1〉
この実施形態1では、フルライン型の長尺記録ヘッドとして、図15に示すような第1の実施形態の記録ヘッドを用いてカラー記録を行った。この記録ヘッドでは、4つのノズル群が、それぞれブラック、イエロー、シアン、マゼンタなどの4色のインクの吐出に用いられるものとなっており、全ノズル列の本数は図示のように8本とした。また、各ノズル列は、600dpiの密度で配列され、各ノズル列は640のノズルを持ち、全体として5120ノズルを有するものとなっている。
上記記録ヘッドを図1及び図2に示すインクジェット記録装置に適用し、上述のようなカラー記録データを用いて色材ドットによる記録動作を行った。各ノズルは、5.0±0.5plのインク滴を吐出するよう駆動した。色材を含有するインクとしては、市販のBJF850(キヤノン株式会社製)用のインクを用いた。
また、記録媒体としてはインクジェット専用フォト光沢紙(プロフォトペーパー、PR101:キヤノン株式会社製)を用いた。
記録ヘッドおよびインクジェット記録装置についてさらに詳述すると、記録速度として、インク滴の吐出駆動周波数を8kHzとした。一つのインク滴の量を5plとし、これによって100%ベタ記録を行うと、約10ml/平方メートルに相当するインクが打ち込まれる。なお、4色フルカラーで400%の記録動作を行うことを想定しても良いが、実際のフルカラープリントでは、インクや記録媒体の種類にもよるが、通常は、記録データを各色に分配した後の総記録インク量は200%程度であるので、約20ml/平方メートルのインクを吸収するための時間を以下のようにして求めた。
記録ヘッドおよびインクジェット記録装置についてさらに詳述すると、記録速度として、インク滴の吐出駆動周波数を8kHzとした。一つのインク滴の量を5plとし、これによって100%ベタ記録を行うと、約10ml/平方メートルに相当するインクが打ち込まれる。なお、4色フルカラーで400%の記録動作を行うことを想定しても良いが、実際のフルカラープリントでは、インクや記録媒体の種類にもよるが、通常は、記録データを各色に分配した後の総記録インク量は200%程度であるので、約20ml/平方メートルのインクを吸収するための時間を以下のようにして求めた。
上記インク量に対する記録媒体(PR101)の吸収時間を、ブリスト法によって求めた結果は、上述表の通りであり、これによれば、10ml/平方メートルのインクの吸収時間は8msecとなる。また、8kHzの吐出駆動周波数で、1200dpi画素の正方形による記録マトリックスをベタ記録(デューティ100%)した場合の記録速度は0.16mm/msecとなり、インク吸収ノズル列間距離Lprは0.96mmと計算される。同様に、5ml/平方メートルのインクの吸収時間は3msecであるので、インク吸収間隔Lprは0.36mmとなり、15ml/平方メートルのインクの吸収時間は16msecであるので、インク吸収間隔Lprは1.92mmとなり、20ml/平方メートルのインクの吸収間隔は28msecであるので、インク吸収ノズル列間距離Lprは3.36mmとなる。
よって、各Lprの差分は、0.6mm、0.96mm、1.44mmと算出される。よって、上記条件に合う記録ヘッドとして、図15に示したような記録ヘッドのノズル列のノズル列間距離L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7は、1mm、2mm、2mm、2mm、3mm、2mm、4mmと設定した。この場合においても上述の式1、式2の関係を満たすこととなる。そして、この実施例1における記録ヘッドの各ノズル列間距離L1〜L7の合計は、16mmとなる。これに対し、図16に示すような、最大上限インク量に基いて設定されたインクの吸収間隔Lpr以上に、全てのノズル列間距離を設定した場合、各ノズル列間距離L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7は、4mm、2mm、4mm、2mm、4mm、2mm、4mmとなり、その合計は22mmとなる。従って、この実施例1における記録ヘッドは、図16に示した記録ヘッドに比し、主走査方向における幅が大幅に削減され、小型化される。
また、この記録ヘッドを用いて、画像データを一回の記録走査で画像を完成させる記録動作(1パス記録)を行ったところ、従来の1パス記録において発生していたすじ状の濃度ムラは発生せず、良好な品質の画像が得られた。
〈実施例2〉
図21に示したフルマルチ型記録ヘッドにおいて、ノズル列間距離L1〜L3を1mm、L4〜L7を2mm以上の間隔に設定し、ノズル列間距離の合計を30mmに設定した。そして、この記録ヘッドにより、フルカラーの画像を、200%の最大上限インク量で記録したところ、実施例1と同様に良好な品質の画質が得られた。
図21に示したフルマルチ型記録ヘッドにおいて、ノズル列間距離L1〜L3を1mm、L4〜L7を2mm以上の間隔に設定し、ノズル列間距離の合計を30mmに設定した。そして、この記録ヘッドにより、フルカラーの画像を、200%の最大上限インク量で記録したところ、実施例1と同様に良好な品質の画質が得られた。
これに対し、図18の比較例に示す記録ヘッド180では、全てのノズル列間距離L1〜Lnを、最大上限打込みインク量に基いて求めたノズル列間距離Lpr以上に設定しており、記録される画像は、実施例2と同様に高品質な画像が得られたが、記録ヘッドの主走査方向における幅は、33mmとなった。従って、この実施例2においても、図18の比較例に示した記録ヘッド180に比し、主走査方向における幅は削減され、小型化された。
〈実施例3〉
実施例1のフルマルチ型記録ヘッドを用い、インクジェット普通紙PBPAPER(キヤノン株式会社製)に対し、1パス記録を行った。この場合も、実施例1と同様に、十分な品質の画像が得られた。
実施例1のフルマルチ型記録ヘッドを用い、インクジェット普通紙PBPAPER(キヤノン株式会社製)に対し、1パス記録を行った。この場合も、実施例1と同様に、十分な品質の画像が得られた。
1 インクジェット記録装置
2 記録ヘッド
22 ヒーター
23 ヒーターボード
24 天板
25 吐出口
26 液路
31 画像データ入力部
32 操作部
33 CPU
34 記憶手段
35 RAM
36 画像データ処理部
37 画像記録部
38 バス
150 長尺記録ヘッド
150A〜150D ノズル群
151〜158 ノズル列
L1〜L7 ノズル列間距離
170 長尺記録ヘッド
170A〜170D ノズル列
171〜186 ノズル列
L1〜Ln ノズル列間距離
2 記録ヘッド
22 ヒーター
23 ヒーターボード
24 天板
25 吐出口
26 液路
31 画像データ入力部
32 操作部
33 CPU
34 記憶手段
35 RAM
36 画像データ処理部
37 画像記録部
38 バス
150 長尺記録ヘッド
150A〜150D ノズル群
151〜158 ノズル列
L1〜L7 ノズル列間距離
170 長尺記録ヘッド
170A〜170D ノズル列
171〜186 ノズル列
L1〜Ln ノズル列間距離
Claims (11)
- インクを吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと記録媒体とを所定の主走査方向に沿って相対的に移動させると共に、記録情報に応じて前記ノズルからインクを吐出させることにより前記記録媒体に画像の記録を行うインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドは、
前記主走査方向と交差する所定の配列方向に沿って複数のノズルを配列してなるノズル列を主走査方向に沿って複数本並設し、
隣接するノズル列の間に設定される複数のノズル列間距離のうち、少なくとも主走査方向上流側に位置するノズル列間距離を、他のノズル列間距離より狭く設定したことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記隣接するノズル列の間に設定される複数のノズル列間距離は、該複数のノズル列間距離のうち、上流側に位置するノズル列間距離ほど狭く設定されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記各ノズル列間距離は、各ノズル列間距離を規定する2本のノズル列のうち、下流側に位置するノズル列によって行われる記録動作前に記録媒体に打ち込まれるインク量に基き決定されることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記ノズル列間距離Lnoは、記録ヘッドと記録媒体の相対移動速度である記録速度Fと、記録媒体の単位面積に対し1回の走査によって付与されるインク量を記録媒体が吸収するに要する時間である吸収時間Tとに基き、下記の式1及び式2により決定されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
Lpr(mm)=F(mm/msec)×T(msec) 式1
Lno>=Lpr 式2 - 前記記録媒体の単位面積に対し1回の走査によって付与されるインク量は、1回の走査で個別のノズル列から記録媒体の単位面積に対し付与し得る最大のインク量であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
- 前記吸収時間Tは、隣接して形成される連結ドットの重なり部位の濃度と非重なり部分の濃度が等しいか、あるいは重なり部位の濃度が高くなる場合の隣接するドットの着弾時間差から求めることを特徴とする請求項4または5に記載のインクジェット記録装置。
- 前記ノズルから吐出されるインク滴は、少なくとも記録マトリックスの画素単位を被覆するに足るドットを形成することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記吸収時間Tは、ブリスト法等により測定される吸収速度から算出される吸収時間であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
- ブリスト吸収係数Ka値(ml/平方メートル・√msec)が1以上15未満であるインクおよび記録媒体を用いることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
- インクを吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドと記録媒体とを所定の主走査方向に沿って相対的に移動させると共に、記録情報に応じて前記ノズルからインクを吐出させることにより前記記録媒体に画像の記録を行うインクジェット記録方法において、
前記記録ヘッドは、前記主走査方向と交差する所定の配列方向に沿って複数のノズルを配列してなるノズル列を主走査方向に沿って複数本並設すると共に、隣接するノズル列の間に設定される複数のノズル列間距離のうち、少なくとも主走査方向上流側に位置するノズル列間距離を、他のノズル列間距離より狭く設定することにより構成し、
前記記録ヘッドを一定の走査速度で移動させることにより、前記走査方向において隣接するノズル列から吐出されるインク滴の記録媒体への着弾時間差を異なる時間差に設定したことを特徴とするインクジェット記録方法。 - インクを吐出する複数のノズルを備えた記録ヘッドであって、
所定の配列方向に沿って複数のノズルを配列してなるノズル列を前記配列方向と交差する走査方向に沿って複数本並設すると共に、
隣接するノズル列の間に設定される複数のノズル列間距離のうち、少なくとも主走査方向上流側に位置するノズル列間距離を、他のノズル列間距離より狭く設定したことを特徴とする記録ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003417362A JP2005177990A (ja) | 2003-12-15 | 2003-12-15 | インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、および記録ヘッド |
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Publications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008307793A (ja) * | 2007-06-14 | 2008-12-25 | Seiko Epson Corp | 液体吐出装置及び液体吐出方法 |
JP2008307905A (ja) * | 2008-09-30 | 2008-12-25 | Seiko Epson Corp | 液体吐出装置及び液体吐出方法 |
JP2009006725A (ja) * | 2008-09-30 | 2009-01-15 | Seiko Epson Corp | 液体吐出装置及び液体吐出方法 |
US7527351B2 (en) | 2006-07-25 | 2009-05-05 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming apparatus, liquid discharging head, image forming method, recorded matter, and recording liquid |
US8851608B2 (en) | 2011-12-08 | 2014-10-07 | Fujifilm Corporation | Image forming apparatus |
-
2003
- 2003-12-15 JP JP2003417362A patent/JP2005177990A/ja active Pending
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