JP2005177098A - 内視鏡用嘴型処置具 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用する内視鏡の処置具挿通チャンネルの太さによる制約を受けることなく、規模の大きな処置を容易かつ安全に行うことができる内視鏡用嘴型処置具を提供すること。
【解決手段】内視鏡の挿入部2の先端に着脱自在に取り付けられる先端フード11と、先端フード11の内部に取り付けられて一対の嘴状処置片14を開閉自在に支持する処置片支持部材16と、先端部分が一対の嘴状処置片14の後端付近に連結されてそこから先端フード11の後方に延出する操作ワイヤ18とを有し、操作ワイヤ18を基端側から進退操作することにより嘴状処置片14が先端フード11の先端開口部13付近において嘴状に開閉するようにした。
【選択図】 図1

Description

この発明は内視鏡用嘴型処置具に関する。
内視鏡用嘴型処置具は一般に、内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿脱される可撓性シース内に操作ワイヤが挿通配置されていて、可撓性シースの先端部分に配置された一対の嘴状処置片を操作ワイヤによって手元側から嘴状に開閉させることができるようになっている(例えば、特許文献1、2、3)。
特開平3−295551 実開平5−9503 特開平7−8450
しかし、嘴型処置具を内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿脱するためには、嘴状処置片の外径を処置具挿通チャンネルの内径より小さくしなければならないので、従来は規模の小さな処置しか行うことができなかった。
そこで本発明は、使用する内視鏡の処置具挿通チャンネルの太さによる制約を受けることなく、規模の大きな処置を容易かつ安全に行うことができる内視鏡用嘴型処置具を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用嘴型処置具は、内視鏡の挿入部先端に着脱自在に取り付けられる先端フードと、先端フードの内部に取り付けられて一対の嘴状処置片を開閉自在に支持する処置片支持部材と、先端部分が一対の嘴状処置片の後端付近に連結されてそこから先端フードの後方に延出する操作ワイヤとを有し、操作ワイヤを基端側から進退操作することにより嘴状処置片が先端フードの先端開口部付近において嘴状に開閉するようにしたものである。
なお、先端フードが透明な部材によって形成されていると、周辺観察が容易であり、処置片支持部材が、先端フードを径方向に横断して両端部において先端フードに支持された棒状の部材であると、嘴状処置片を安定した状態で支持することができる。
また、処置片支持部材が、先端フードの側壁部から片持ちの状態で内方に突出するように配置されたピン状の部材であると、内視鏡観察を妨げないように嘴状処置片を支持することができる。
なお、一対の嘴状処置片がバイポーラの高周波電極の場合には、処置片支持部材によって支持された電気絶縁部材が一対の嘴状処置片の間に配置されているとよく、一対の嘴状処置片が、生検鉗子片、把持鉗子片、鋏片又はモノポーラの高周波電極のいずれかであってもよい。
また、一対の嘴状処置片の先端寄りの部分が、先端フードの先端開口部から前方に突き出ていると処置を行い易く、一対の嘴状処置片が嘴状に開く際に先端フードとの干渉をなくすための切り欠きが先端フードに形成されていると、嘴状処置片を大きく開くことができる。
また、操作ワイヤを案内する操作ワイヤ案内管の先端部分が、先端フードの後端外縁付近に連結されていてもよい。
本発明によれば、嘴状処置片の大きさが、内視鏡の挿入部先端に取り付けられる先端フードのサイズによる制約を受けるだけなので、嘴状処置片を従来に比べて非常に大きく形成することができ、その結果、使用する内視鏡の処置具挿通チャンネルの太さによる制約を受けることなく、規模の大きな処置を容易かつ安全に行うことができる。
内視鏡の挿入部先端に着脱自在に取り付けられる先端フードと、先端フードの内部に取り付けられて一対の嘴状処置片を開閉自在に支持する処置片支持部材と、先端部分が一対の嘴状処置片の後端付近に連結されてそこから先端フードの後方に延出する操作ワイヤとを有し、操作ワイヤを基端側から進退操作することにより嘴状処置片が先端フードの先端開口部付近において嘴状に開閉するようにした。
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図5は、嘴型処置具10が内視鏡1に取り付けられた状態を示しており、符号2は可撓管状の内視鏡挿入部を示し、符号3は、内視鏡挿入部2の基端に連結された内視鏡操作部を示している。
嘴型処置具10に設けられた先端フード11の後半部分は、弾性変形させることにより内視鏡挿入部2の先端部分に被脱自在な筒状着脱部12になっていて、先端フード11内に配置されている嘴状処置片14の先寄りの部分が先端フード11の先端開口部13から前方に突出している。
先端フード11の筒状着脱部12から後方に延出する操作ワイヤ案内管15は、内視鏡挿入部2の基端側まで内視鏡挿入部2の外面に沿って配置されていて、その途中の複数箇所において、取り外し自在な締め付けバンド9により内視鏡挿入部2に緊縛固定されている。
操作ワイヤ案内管15の基端には操作部20が連結されていて、操作部本体21に対してスライド操作片22をスライド操作することにより、操作ワイヤ案内管15内に全長にわたって挿通されている操作ワイヤ18を軸線方向に進退させて、嘴状処置片14を嘴状に開閉させることができる。
また、操作部20には、高周波電源コード30を接続するための正負両極用の二つの接続端子23が突設されている。したがって、必要に応じて、二本の操作ワイヤ18を図示されていない高周波電源の正極と負極とに互いに独立して接続して、バイポーラ(二極)式の高周波処置を行うことができる。
また、二つの接続端子23のうち正極用の接続端子23だけを利用することでモノポーラ(単極)式の高周波処置を行うこともでき、高周波電流を用いない機械的な処置を行う場合には、接続端子23を利用しなければよい。
図1は、嘴型処置具10の先端部分が内視鏡挿入部2の先端部分に取り付けられていない状態の斜視図(ただし、一部を切除して図示してある)、図2は、嘴型処置具10の先端部分が内視鏡挿入部2の先端部分に取り付けられた状態の側面部分断面図、図3はその平面断面図、図4は、図3におけるIV−IV断面図である。
嘴型処置具10の先端フード11は、透明なプラスチック材によって内視鏡挿入部2の先端部分の径より太い筒状に形成されていて、その後半部分である筒状着脱部12が内視鏡挿入部2の先端部分に対してきつく嵌め合わされる。ただし、内視鏡挿入部2の先端部分と筒状着脱部12との固定は、相互に係合する溝と突起等により行ってもよい。
内視鏡挿入部2の先端面2aには、図4に示されるように観察窓4、照明窓5及び吸引口6等が並んで配置されていて、先端フード11がそれらの前方を遮らないように先端フード11の前端部分には先端開口部13が全面にわたって形成されている。なお、この実施例の先端フード11には、図3等に示されるように、嘴状処置片14に近い部分を他の部分より前方に長く出っ張らせた突出端13aが形成されている。
先端フード11内には、一対の嘴状処置片14を嘴状に開閉自在に支持する丸棒状の処置片支持部材16が先端フード11を径方向に横断する状態に配置されていて、処置片支持部材16の両端部16aが各々先端フード11の側壁に固定されている。なお、その固定は、ここでは機械的なかしめで行われているが、ねじ込み接着、或いは溶着その他どのような手段で行ってもよい。
また、処置片支持部材16が観察窓4による観察視野を著しく妨げることのないよう、処置片支持部材16は、観察窓4の有効瞳径の正面にあたる部分を避けて先端フード11の直径部分に対して適宜の位置に偏位させて配置してもよい。
この実施例においては、例えば四フッ化エチレン樹脂チューブ等のような電気絶縁性の絶縁パイプ17が処置片支持部材16に被覆されている。ただし、嘴状処置片14が機械的な処置のみを行うものである場合には絶縁パイプ17は省略することができる。
一対の嘴状処置片14は、この実施例においては鋏片状に形成されていて、その回転支点になる位置に形成された孔に、処置片支持部材16(及び絶縁パイプ17)がガタツキなく但し回転の自由を規制しない程度に嵌挿されている。
一対の嘴状処置片14の間には、例えば四フッ化エチレン樹脂シート等のような電気絶縁性があって摩擦抵抗の小さな部材からなる絶縁スペーサ19が挟み込まれた状態に配置されている。
絶縁スペーサ19は、そこに穿設された孔に処置片支持部材16を通すことにより処置片支持部材16に支持されている。ただし、図1には絶縁スペーサ19の図示が省略されており、嘴状処置片14がバイポーラ式の高周波電極でない場合には絶縁スペーサ19は省略することができる。
筒状着脱部12の壁内には、一対の操作ワイヤ18を通過させるためのワイヤ通過孔15aが形成されていて、そこに操作ワイヤ案内管15の先端部分が後方から差し込まれて接合固定され、一対の操作ワイヤ18の先端部分がワイヤ通過孔15aから前方に引き出されて、各々嘴状処置片14の後端付近に形成されている係合孔14aに繋がれている。
したがって、操作ワイヤ案内管15の基端に連結されている操作部20側から操作ワイヤ18を軸線方向に進退操作することにより、一対の嘴状処置片14が処置片支持部材16を中心にして嘴状に開閉動作する。なお、図1は嘴状処置片14が開いた状態を示し、図2は嘴状処置片14が閉じた状態を示している。
一対の操作ワイヤ18は電気的に互いに導通しないように、各々に電気絶縁皮膜が被覆されている。ただし、一方の操作ワイヤ18のみに電気絶縁皮膜を被覆するだけでもよく、嘴状処置片14が機械的な処置のみを行うものである場合には電気絶縁皮膜は不要である。
このように構成された嘴型処置具10は、使用時には、図1以外の各図に示されるように内視鏡挿入部2の先端部分に取り付けられて体内に挿入される。その場合、体内の入口部分からある程度の深さまで案内チューブ等を予め挿管しておき、その案内チューブ内に内視鏡挿入部2を挿入するようにすれば、嘴状処置片14が体壁等に引っ掛からずに容易に挿入することができる。
体内への挿入時には、内視鏡1の観察窓4から先端フード11の前方の体内粘膜の状態を観察し、また、先端フード11が透明なので、先端フード11を通して周辺の状況を広く観察することもできる。
そして、嘴状処置片14の大きさはそれを収容している先端フード11のサイズによる制約を受けるだけなので従来に比べて非常に大きく形成することができ、先端フード11の先端開口部13から前方に突出する嘴状処置片14の先端寄りの部分で、規模の大きな処置(採取、把持、切開、切除、止血等)を行うことができる。
また、そのような規模の大きな処置の場合には、嘴状処置片14に大きな力が作用する場合があるが、嘴状処置片14を支持する処置片支持部材16が先端フード11に固定されていて振らつかないので、規模の大きな処置を安定した状態で容易かつ安全に行うことができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば図6に示されるように、処置片支持部材16を、先端フード11の側壁部から片持ちの状態で内方に突出するように配置してピン状の部材にしてもよく、このようにすることにより、観察窓4や照明窓5の前方視界をほとんど妨げないようにすることができる。
また、図7に示されるように、嘴状処置片14が大きな把持片等である場合には、一対の嘴状処置片14が嘴状に開く際に先端フード11との干渉をなくすための切り欠き13bを先端開口部13から連続的に後方に形成すれば、嘴状処置片14を大きく開かせることができる。
また、図8に示されるように、嘴状処置片14がホットバイオプシー鉗子片等である場合には、嘴状処置片14を開閉操作しなくても、嘴状処置片14の先端を患部粘膜100に押し付けて高周波電流を通電するだけで止血処置等を行うことができ、逆に、組織採取の際には高周波電流を通電しなくても嘴状処置片14の開閉だけで大きな組織標本を採取することができる。
本発明の第1の実施例の内視鏡用嘴型処置具が内視鏡に取り付けられていない状態で嘴状処置片が開いている状態の一部を切除して示す斜視図である。 本発明の第1の実施例の内視鏡用嘴型処置具が内視鏡に取り付けられた状態で嘴状処置片が閉じている状態の側面部分断面図である。 本発明の第1の実施例の内視鏡用嘴型処置具が内視鏡に取り付けられた状態の平面断面図である。 本発明の第1の実施例の内視鏡用嘴型処置具が内視鏡に取り付けられた状態の、図3におけるIV−IV断面図(正面断面図)である。 本発明の第1の実施例の内視鏡用嘴型処置具が内視鏡に取り付けられた状態の全体構成を示す側面図である。 本発明の第2の実施例の内視鏡用嘴型処置具が内視鏡に取り付けられた状態の正面断面図である。 本発明の第3の実施例の内視鏡用嘴型処置具が内視鏡に取り付けられた状態の外観斜視図である。 本発明の第4の実施例の内視鏡用嘴型処置具が内視鏡に取り付けられた状態の外観斜視図である。
符号の説明
1 内視鏡
2 内視鏡挿入部
10 嘴型処置具
11 先端フード
12 筒状着脱部
13 先端開口部
14 嘴状処置片
15 操作ワイヤ案内管
16 処置片支持部材
17 絶縁パイプ
18 操作ワイヤ
19 絶縁スペーサ
20 操作部

Claims (9)

  1. 内視鏡の挿入部先端に着脱自在に取り付けられる先端フードと、上記先端フードの内部に取り付けられて一対の嘴状処置片を開閉自在に支持する処置片支持部材と、先端部分が上記一対の嘴状処置片の後端付近に連結されてそこから上記先端フードの後方に延出する操作ワイヤとを有し、上記操作ワイヤを基端側から進退操作することにより上記嘴状処置片が上記先端フードの先端開口部付近において嘴状に開閉するようにしたことを特徴とする内視鏡用嘴型処置具。
  2. 上記先端フードが透明な部材によって形成されている請求項1記載の内視鏡用嘴型処置具。
  3. 上記処置片支持部材が、上記先端フードを径方向に横断して両端部において上記先端フードに支持された棒状の部材である請求項1又は2記載の内視鏡用嘴型処置具。
  4. 上記処置片支持部材が、上記先端フードの側壁部から片持ちの状態で内方に突出するように配置されたピン状の部材である請求項1又は2記載の内視鏡用嘴型処置具。
  5. 上記一対の嘴状処置片がバイポーラの高周波電極であって、上記処置片支持部材によって支持された電気絶縁部材が上記一対の嘴状処置片の間に配置されている請求項1ないし4のいずれかの項に記載の内視鏡用嘴型処置具。
  6. 上記一対の嘴状処置片が、生検鉗子片、把持鉗子片、鋏片又はモノポーラの高周波電極のいずれかである請求項1ないし4のいずれかの項に記載の内視鏡用嘴型処置具。
  7. 上記一対の嘴状処置片の先端寄りの部分が、上記先端フードの先端開口部から前方に突き出ている請求項1ないし6のいずれかの項に記載の内視鏡用嘴型処置具。
  8. 上記一対の嘴状処置片が嘴状に開く際に上記先端フードとの干渉をなくすための切り欠きが上記先端フードに形成されている請求項1ないし7のいずれかの項に記載の内視鏡用嘴型処置具。
  9. 上記操作ワイヤを案内する操作ワイヤ案内管の先端部分が、上記先端フードの後端外縁付近に連結されている請求項1ないし8のいずれかの項に記載の内視鏡用嘴型処置具。
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