JP2005174749A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池内部のあらゆる領域において適度な水分量を保つことができ、高い出力密度の維持安定化を図ることが可能な燃料電池を提供する。
【解決手段】酸化剤極集電体4の酸化剤ガス通路4aが設けられた面とは反対側の面に、酸化剤ガス通路4aと交差する方向の空気通路4b(第一通路群11、第二通路群12、第三通路群13)を酸化剤ガス通路4aの上流側から下流側に向けて複数配列する。これら複数の通路群11,12,13は直列に接続し、酸化剤ガス通路4aの最も下流側に位置する通路群13が酸化剤ガス通路4aの最も上流側に位置する通路群11に接続して、空気循環経路を構成する。そして、この空気循環経路内に、空気循環ポンプによって空気を循環通流させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料極と酸化剤極とにより挟持された高分子電解質膜を備えた燃料電池に関するものであり、特に、適正な加湿及び除湿を実現するための改良に関する。
近年、高効率の電力供給源として開発が進められている様々な燃料電池発電システムのうち、プロトン伝導性を有する高分子電解質膜を用い、燃料ガス及び酸化剤ガスを燃料電池本体に供給する燃料電池システムは、簡略な構造で高い出力密度が得られることから、特に自動車などの移動体用電源として注目されている。
この高分子電解質膜を用いた燃料電池においては、電解質膜を介して燃料極から酸化剤極へと水素イオンを移動させるために、高分子電解質膜が含水した状態であることが必要であり、加湿制御が必須の技術となる。高分子電解質膜の含水量が低下すると、電解質膜の電気抵抗が大きくなって、出力電圧の低下、出力電力の低下を招く。さらに含水量が低下して乾燥状態になると、高分子電解質膜が電解質膜として機能しなくなる。そこで、このような燃料電池を備える燃料電池システムでは、燃料ガスや酸化剤ガスを加湿して燃料電池に供給する等、高分子電解質膜を積極的に加湿することが広く行われているが、加湿水や反応生成水の量が電解質膜の保水量を上回ると、これらが凝縮してガス流路へ水が溢れ出すフラッディングという現象を生ずる。フラッディングが発生すると、電極の発電面を水が覆って反応を抑制し、供給ガス流路を閉塞してガス通流を阻害するといった現象を招き、発電を安定して継続することが困難になる。
このような状況に鑑み、高分子電解質膜を用いた燃料電池を最適な状態で運転できるようにするために、燃料電池の冷却流路に供給する冷却水の流量を制御することによって空気オフガス中の水分量を変化させ、これにより、燃料電池に供給される空気の水分量を最適な状態に制御する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、燃料極集電板及び酸化剤極集電板に多孔質電導物質を用いた燃料電池では、燃料電池の内部において高分子膜の加湿及び生成水の除去が可能なため、より高い出力を安定して取り出すことができるという利点を有することが知られている。集電板に多孔質電導物質を用いた燃料電池では、両極の多孔質集電板を介して、通流するガスと水の間で水分が移動することにより両極を通流するガスの湿度が自律的に調整され、高分子電解質膜が燃料電池の運転に最適な湿潤状態に維持される。
特開2003−223909号公報
ところで、燃料電池はその電気化学的な作動原理から、出力に比例して内部に水が生成される。ここで、燃料電池内部で生成される水の総量は、酸化剤ガス通路の上流側で少なく、下流側で多くなる。このため、燃料電池内部における加湿状態は、その位置に応じてばらつきが生じる傾向にあり、例えば酸化剤ガス通路の下流側で水量がある一定量を越えて、酸化剤ガス通路において水による通路の閉塞が起こったり、酸化剤極の表面が水に覆われることでガスの拡散が阻害されたりすると、上述したように、燃料電池の出力が低下する等の問題が生じる。
このような現象は、上述した特許文献1にて開示される技術のように、燃料電池に供給される空気の水分量を制御することで、燃料電池内部の加湿状態をコントロールするようにしたものでは解決が難しく、吸水透湿性の無い集電板を用いた燃料電池では、一般に、電気化学反応に必要な量以上、具体的には反応必要量の2倍を超える酸化剤ガスを供給しガス通路内の水を排出することによって解決するようにしている。
しかしながら、このような手法は、酸化剤ガスを供給するコンプレッサが必要以上の仕事をしていることに他ならず、燃料電池システム全体の効率が低下するという新たな問題が生じる。また、この方法では、酸化剤ガスの入口付近で高分子膜の乾燥が促進されてしまうため、これを防止するために燃料電池の外部に大型の加湿器を設け、予め加湿された酸化剤ガスを供給する必要が生じるため、燃料電池システムの装置全体が大型化するという、例えば自動車等の移動体にとっては極めて不都合な問題がある。
一方、多孔質電導物質を集電板に用いて燃料電池内部において加湿及び液水除去機能を有する燃料電池は、これらの問題の解決を図るものであるが、燃料電池内部の如何なる部分においてもその加湿および除水能力が一定であるため、やはりガス通路の上流側で水分が不足し、ガス通路の下流側で水分が過剰になる傾向があり、問題の解決には不十分な点が残されている。
そこで、本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、燃料電池内部のあらゆる領域において適度な水分量を保つことができ、高い出力密度の維持安定化を図ることが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池は、燃料極と酸化剤極により挟持された高分子電解質膜と、燃料極との対向面に燃料ガス通路が設けられた燃料極集電板と、酸化剤極との対向面に酸化剤ガス通路が設けられた酸化剤極集電板とを有する単セルが複数積層されて構成されるものである。このような構造の燃料電池において、本発明では、前記目的を達成するために、酸化剤極集電板の酸化剤ガス通路が設けられた面とは反対側の面に、酸化剤ガス通路と交差する方向の空気通路を、酸化剤ガス通路の上流側から下流側に向けて複数配列し、これら複数の空気通路を直列に接続するとともに、酸化剤ガス通路の最も下流側に位置する空気通路が酸化剤ガス通路の最も上流側に位置する空気通路と接続されるようにして、これらの空気通路で空気循環経路が構成されるようにした。
以上のように構成される本発明の燃料電池では、酸化剤ガス通路の上流側に位置する空気通路と酸化剤ガス通路の下流側に位置する空気通路とを接続して閉じた空気循環経路とし、この空気循環経路内に空気を循環通流させる構成とすることにより、酸化剤ガス通路の下流側に近接した空気通路内で加湿された空気が、酸化剤ガス通路の上流側に近接する空気通路に供給され、酸化剤ガス通路の上流側を通流する乾いた酸化剤ガスが加湿されることになる。
また、酸化剤ガス通路の最下流域に近接する空気通路から例えば空気供給手段で空気を吸引し、酸化剤ガス通路の最上流域に近接する空気通路に空気を供給する構成とすることで、酸化剤ガス通路の上流側では供給空気の圧力が酸化剤ガスの圧力より高くなり、この圧力差で空気通路を通流する空気が水分を伴って酸化剤ガス通路に移動するため、加湿能力がより高められる。反対に、酸化剤ガス通路の下流側では、供給空気の圧力が酸化剤ガスの圧力より低くなりこの圧力差で酸化剤ガス通路を通流する酸化剤ガスが水分を伴って空気通路に移動するため、除湿排水能力がより高められる。
本発明の燃料電池によれば、空気循環経路内に空気を循環通流させることによって、生成水の量が相対的に多い酸化剤ガス通路の下流域では、酸化剤ガスに含まれる水分を空気循環経路側へと移動させ、生成水の量が相対的に少ない酸化剤ガス通路の上流域では、空気循環経路内を循環通流する空気に含まれる水分で酸化剤ガスを積極的に加湿することができるので、燃料電池内部のあらゆる領域において適度な水分量を保ち、高い出力密度の維持安定化を図ることが可能である。
以下、本発明を適用した燃料電池の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の燃料電池の1発電単位である単セルの構成を示すものである。この燃料電池の各単セルは、電解質としてプロトン伝導性を有する高分子電解質膜1を有している。この高分子電解質膜1の両表面上には、アノード側電極となる燃料極2とカソード側電極となる酸化剤極3とが一体に成形されている。
高分子電解質膜1の酸化剤極3側には、多孔質導電性物質で形成された酸化剤極集電板4が配置されている。この酸化剤極集電板4の酸化剤極3との対向面には、酸化剤ガス(例えば空気)が通流される酸化剤ガス通路4aが設けられている。また、酸化剤極集電板4の酸化剤ガス通路4aが設けられた面とは反対側の面には、空気を通流させる空気通路4bが設けられている。さらに、酸化剤極集電板4の背面側(高分子電解質膜1とは反対側)には、冷却水を通流させる冷却水通路が設けられた冷却水プレート5が配置されている。
また、図示はしないが、高分子電解質膜1の燃料極2側には、酸化剤極集電板4と同様に多孔質導電性物質で形成された燃料極集電板が配置されており、この燃料極集電板の燃料極2との対向面に、燃料ガス(例えば水素)を通流させる燃料ガス通路が設けられている。そして、これらの各部材が組み合わされて単セルが構成され、複数の単セルが積層されて燃料電池が構成される。
以上のように構成される本実施形態の燃料電池では、特に、酸化剤極集電板4の酸化剤ガス通路4aが設けられた面とは反対側の面に、空気を通流させる空気通路4bが設けられている点に大きな特徴を有する。ここで、本実施形態の燃料電池に特徴的な空気通路4bの配列について、具体的な例を挙げながら説明する。なお、ここでは、説明を簡略化するために、空気通路4bが酸化剤ガス通路4aに対して90度の角度をなし、3本の通路が並列接続された通路群が3群備えられた場合の配列例について説明する。
酸化剤極集電板4に設けられた空気通路4bのうち、第一通路群11は酸化剤ガス通路4aの最も上流側に隣接して設けられ、3本の通路11a,11b,11cを並列に接続することで構成されている。この第一通路群11の最上流部は、循環空気入口11dとされており、この循環空気入口11dから導入された空気は、各通路11a,11b,11cに分配され、それぞれの通路11a,11b,11cの最下流部にある第一通路群出口合流部11eで再び合流した後、第二通路群12の入口合流部12dへ流れる。
第二通路群12は、酸化剤ガス通路4aの中流付近に隣接して設けられ、同様に3本の通路12a,12b,12cを並列に接続することで構成されている。第二通路群入口合流部12dから導入された空気は、各通路12a,12b,12cに分配され、それぞれの通路12a,12b,12cの最下流部にある第二通路群出口合流部12eで再び合流した後、第三通路群の入口合流部13dへ流れる。
第三通路群13は、酸化剤ガス通路4aの最も下流側に隣接して設けられ、やはり3本の通路13a,13b,13cを並列に接続することで構成されており、この第三通路群13の最下流部は、循環空気出口13eとされている。第三通路群入口合流部13dから導入された空気は、各通路13a,13b,13cに分配され、それぞれの通路13a,13b,13cの最下流部で再び合流した後、循環空気出口13eから燃料電池の外部へ排出される。
このように、第一通路群11、第二通路群12、及び第三通路群13は、直列に接続されて一連の空気通路4bとして構成されている。また、第三通路群13の最下流部の循環空気出口13dは、第一通路群11の最上流部の循環空気入口11dと接続されており、これにより空気を循環通流させる空気循環経路が構成されている。この空気循環経路には、後述の空気循環ポンプが空気供給手段として設置されている。そして、循環空気出口13dから燃料電池の外部へ排出された循環空気が、この空気循環ポンプに吸引され昇圧された後、再び循環空気入口11dへと供給されるようになっている。
なお、以上の例では、各通路群を構成する通路を3本として説明したが、各通路群を構成する通路の本数としては任意の本数を選択でき、これより多くても少なくても構わない。また、各通路群における通路本数は一定である必要は無く、例えば第一通路群11では5本の通路、第二通路群12では10本の通路、第三通路群13では7本の通路といったように、各通路群毎に任意の本数を選択することも可能である。
さらに、以上の例では、通路群の数を3群としたが、通路群の数も任意に選択することができる。通路群の数を増やすほど、高分子電解質膜1の各部において、より緻密に加湿状態をコントロールできるようになる。さらにまた、以上の例では、空気通路4bと酸化剤ガス通路4aとの成す角度を90度としたが、これも任意の角度を選択できる。ただし、0度、若しくは180度(酸化剤ガス通路7aと並行)に近い値としてしまうと、酸化剤ガス通路4aの上流側と下流側とで加湿および除水能力を変化させるという、本発明に特徴的な機能を発揮することができなくなるので、空気通路4bと酸化剤ガス通路4aとは90度に近い角度で交差させるようにすることが望ましい。
続いて、上述の単セル構造を有する燃料電池を備えた燃料電池システムの概要について、図2を参照して説明する。
図2に示す燃料電池システムは、上述の単セル構造を有する燃料電池20を発電手段として備えてなるものであり、燃料電池20の燃料極へは、例えば炭化水素系の燃料を水蒸気改質反応により水素リッチな燃料ガスに改質する改質器等の燃料ガス供給手段21から、水素リッチな燃料ガスが供給される。なお、燃料電池20の燃料極から排出される未利用の燃料ガスは、エゼクタポンプ22を用いて再度燃料電池20の燃料極2へ循環供給され、燃料電池20の酸化剤極から排出される未利用の酸素はそのまま大気中へ排出される。
また、燃料電池20の酸化剤極へは、コンプレッサ23から酸化剤ガスとしての空気が供給される。コンプレッサ23の直後には、供給空気圧検出手段24が設けられており、コンプレッサ23により供給される空気の圧力がここで検出される。また、燃料電池20には湿潤度検出手段39が設けられており、燃料電池20の高分子電解質膜の乾燥状態はこの湿潤度検出手段39によって検出される。
また、この燃料電池20においては、上述したように、酸化剤極集電板に形成した複数の通路群11,12,13が直列に接続されて空気循環経路が構成されており、この空気循環経路内に空気を循環通流させるための空気循環ポンプ(空気供給手段)25が、前記コンプレッサ23とは別に設けられている。
燃料電池20を冷却する冷却機構26としては、燃料電池20と冷却水とで熱交換を行うための冷却水プレート5が燃料電池20に組み込まれ、この冷却水プレート5に、冷却水循環ポンプ27と、冷却水に含まれる気体成分を分離除去すると共に冷却水を貯蔵する気液分離器28と、冷却水を外気により冷却するラジエタ29とがこの順に接続されている。冷却水プレート5と冷却水循環ポンプ27とを接続する冷却水循環管路30には、冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段31が設けられている。また、気液分離器28とラジエタ29とを接続する冷却水循環管路32には、ラジエタ29をバイパスするバイパス管路33を通流する冷却水の流量を制御するバイパス弁34が設けられ、ラジエタ29と冷却水プレート5とを接続する冷却水循環管路35には、冷却水の圧力を制御する冷却水圧力レギュレータ36が設けられている。冷却水圧力レギュレータ36の基準圧検知部と気液分離器28の気層部は、燃料電池20の酸化剤極3に空気を供給するコンプレッサ23と、燃料電池20とに接続される空気供給管37に接続されている。
また、燃料電池システムは、各部の制御を行う制御装置40を有しており、冷却水温度検出手段31や供給空気圧検出手段24からの出力信号は、この制御装置40に入力される。そして、制御装置40は、検出された空気圧に対応して設定される冷却水温度を保持するようにバイパス弁34、及びラジエタ冷却ファン38を制御する。また、湿潤度検出手段39からの出力信号は制御装置40に入力され、制御装置40は、燃料電池20の高分子電解質膜が最適な湿潤状態となるように、空気循環ポンプ25の回転数を制御する。
なお、図2においては、燃料電池システム全体の構成を分かり易く図示するために、燃料電池20の酸化剤極集電板に設けた各通路群11,12,13を流れる空気の流れと、燃料電池20の酸化剤極を流れる酸化剤ガスの流れとの方向関係を正確に示していないが、これら各通路群11,12,13を流れる空気と、酸化剤極を流れる酸化剤ガスとは、図3に示すように、90度に近い角度で交差する方向に流れることになる。図3は、燃料電池20に供給される燃料ガス、酸化剤ガス及び空気の流れを立体的に示したものである。
次に、以上のような燃料電池システムにおいて発電手段として用いられる燃料電池20の動作時における加湿制御について説明する。
燃料電池20は、上述したように、その特性上、発電に伴って内部で水が生成されることになる。したがって、反応が始まったばかりの酸化剤ガス入口付近では、ほとんど水が生成されておらず、高分子電解質膜は乾燥する傾向にある。ここで、第一通路群11に供給される循環空気圧力を、空気循環ポンプ25の働きで酸化剤ガス圧力に対し高い圧力で供給すると、その圧力差によって、第一通路群11に属する各通路を通流する湿潤した空気は、水分を伴って酸化剤極集電板の多孔質層を通過して酸化剤ガス通路へと移動し、付近を通流する酸化剤ガス及び付近の高分子電解質膜を加湿する。この際、第一通路群11を通流する空気は、その水分が酸化剤ガス通路側へと移動することによって徐々に除湿され乾燥して行く。
一方、酸化剤ガス出口付近では、生成された水が蓄積され高分子電解質膜は必要以上に湿潤し、酸化剤ガス通路も閉塞する傾向になる。この酸化剤ガス出口付近に隣接する第三通路群13に属する各通路を流れる空気圧力は、ここに到達する以前に第一通路群11及び第二通路群12を通過してきたことにより圧力損失が生じ、既に酸化剤ガスよりも低い圧力となっている。また、湿度も低い状態で流入してくる。この圧力差と湿度差によって、酸化剤ガス通路内に滞留する水は、酸化剤極集電板の多孔質層を通過し第三通路群13に属する各通路に吸収され、高分子電解質膜は適度な湿潤状態に保たれる。この過程において、第三通路群13を通流する循環空気は徐々に加湿され、循環空気出口に到達するころにはほぼ飽和状態にある。この湿潤空気が空気循環ポンプ25の作用で再び循環空気入口へと送られることで、除湿及び加湿のサイクルが成り立っている。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池20では、酸化剤極集電板4の酸化剤ガス通路4aが設けられた面とは反対側の面に空気通路4bを設け、酸化剤ガス通路4aの上流側に近接する空気通路4b(第一通路群11)と、酸化剤ガス通路4aの下流側に近接する空気通路4b(第三通路群13)と、空気循環ポンプ25とをこの順に接続し、閉じた空気循環経路内に空気を循環通流させる構成としたので、酸化剤ガス通路4aの下流側に近接した空気通路4b内で加湿された空気が、酸化剤ガス通路4aの上流側に近接する空気通路4bに供給され、酸化剤ガス通路4aの上流側を通流する乾いた酸化剤ガスを加湿することができる。
また、酸化剤ガス通路4aの最下流域に近接する空気通路4bから空気循環ポンプ25で空気を吸引し、酸化剤ガス通路4aの最上流域に近接する空気通路4bに空気を供給する構成としたので、酸化剤ガス通路4aの上流側では供給空気の圧力が酸化剤ガスの圧力より高くなり、この圧力差で空気通路4bを通流する空気が水分を伴って酸化剤ガス通路4aに移動するため、加湿能力をより高めることができる。反対に、酸化剤ガス通路4aの下流側では、供給空気の圧力が酸化剤ガスの圧力より低くなり、この圧力差で酸化剤ガス通路4aを通流する酸化剤ガスが水分を伴って空気通路4bに移動するため、除湿排水能力をより高めることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、酸化剤極集電板4に設けた空気通路4bの変形例である。すなわち、上述した第1の実施形態では、空気通路4bを構成する全ての通路群11,12,13がそれぞれ3本の通路により構成されていたのに対し、本実施形態では、図4に示すように、酸化剤ガス通路の上流側に位置する通路群51に属する通路の本数が、酸化剤ガス通路の下流側に位置する通路群53に属する通路の本数よりも大とされている。なお、燃料電池の他の構成については、上述した第1の実施形態と同様である。
具体的に説明すると、本実施形態の燃料電池では、酸化剤極集電板4に、酸化剤ガス通路の上流側から下流側に向かって3つの通路群51,52,53がこの順で配置され、これら3つの通路群51,52,53が直列に接続されている。これら各通路群51,52,53は、それぞれ異なる本数の通路が並列接続された構成となっており、例えば、酸化剤ガス通路の上流側に位置する通路群51は8本の通路51a〜51hにより構成され、酸化剤ガス通路の中流付近に位置する通路群52は6本の通路52a〜52fにより構成され、酸化剤ガス通路の下流側に位置する通路群53は4本の通路53a〜53dにより構成されている。
本実施形態の燃料電池では、酸化剤極集電板4に設けた空気通路4bが以上のような構成とされることによって、酸化剤ガス入口側に近接する通路群51を通流する空気圧力と酸化剤ガス出口側に近接する通路群53を通流する空気圧力との圧力差をさらに大きく取ることができる。その結果、酸化剤ガス入口付近ではより高い加湿性能を、酸化剤ガス出口付近ではより高い除湿及び排水能力を得ることができ、燃料電池の発電特性に応じてより幅広い湿度コントロールを行うことができる。
(第3の実施形態)
本実施形態は、酸化剤極集電板4に設けた空気通路4bの他の変形例である。すなわち、上述した第1の実施形態では、空気通路4bを構成する全ての通路群11,12,13に属する通路の断面積が同一であったのに対し、本実施形態では、図5に示すように、酸化剤ガス通路の上流側に位置する通路群61に属する通路の断面積が、酸化剤ガス通路の下流側に位置する通路群63に属する通路の断面積よりも大とされている。なお、燃料電池の他の構成については、上述した第1の実施形態と同様である。
具体的に説明すると、本実施形態の燃料電池では、酸化剤極集電板4に、酸化剤ガス通路の上流側から下流側に向かって3つの通路群61,62,63がこの順で配置され、これら3つの通路群61,62,63が直列に接続されている。これら各通路群61,62,63は、それぞれ4本の通路61a〜61d,62a〜62d,63a〜63dが並列接続された構成となっている。そして、これら3つの通路群61,62,63に属する各通路61a〜61d,62a〜62d,63a〜63dの断面積の関係は、酸化剤ガス通路の上流側に位置する通路群61に属する通路61a〜61dの断面積が最も大きく、酸化剤ガス通路の下流側に位置する通路群63に属する通路63a〜63dの断面積が最も小さくされている。
本実施形態の燃料電池では、酸化剤極集電板4に設けた空気通路4bが以上のような構成とされることによって、酸化剤ガス通路の上流側に近接する通路群61を通流する空気の圧力を酸化剤ガス通路の下流側に近接する通路群63を通流する空気の圧力に対しさらに高く設定することができる。したがって、結果として、上述した第2の実施形態の燃料電池と同様、酸化剤ガス上流域では加湿能力をより高め、酸化剤ガス下流域では除湿排水能力をより高めることができる。
(第4の実施形態)
本実施形態は、燃料電池の高分子電解質膜の湿潤状態に応じて空気循環経路を通流する空気の圧力をコントロールするようにしたものである。なお、燃料電池の構成及びこれを発電手段として用いる燃料電池システムの構成は、上述した第1の実施形態と同様である。
図2に示したように、燃料電池20には高分子電解質膜の湿潤度を検出する湿潤度検出手段39が設けられており、この湿潤度検出手段39からの出力信号は制御装置40に入力されるようになっている。ここで、高分子電解質膜が乾燥状態にあるとき、湿潤度検出手段39は制御装置40に高分子膜の乾燥を示す信号を送る。制御装置40は、湿潤度検出手段39の信号に基づいて高分子電解質膜の乾燥度合いを判断し、判断された乾燥度合いに応じて空気循環ポンプ25に回転数を上昇させるよう信号を送る。これらの一連の制御により、高分子電解質膜が乾燥すればするほど空気循環経路(空気通路)を通流する空気の圧力が燃料電池20の酸化剤極に供給される酸化剤ガスの圧力より高く設定されるので、この圧力差をもって空気通路内の水が酸化剤極集電板の多孔質層を通過し、高分子電解質膜を加湿する。
反対に、高分子電解質膜が必要以上に湿潤している場合には、湿潤度検出手段39は制御装置40に高分子電解質膜の過湿潤を示す信号を送る。制御装置40は、湿潤度検出手段39の信号に基づいて高分子電解質膜の湿潤度合いを判断し、判断された湿潤度合いに応じて空気循環ポンプ25に回転数を低下させるよう信号を送る。これらの一連の制御により、高分子電解質膜が湿潤すればするほど空気循環経路(空気通路)を通流する空気の圧力が燃料電池20の酸化剤極に供給される酸化剤ガスの圧力より低く設定されるので、この圧力差をもって酸化剤ガス通路内の水が酸化剤極集電板の多孔質層を通過し、過剰な水分が除去される。
なお、湿潤度検出手段39の代わりに高分子電解質膜の電気伝導度を検出する電気伝導度検出手段を設け、この電気伝導度検出手段からの出力信号に基づいて高分子電解質膜の湿潤状態を推定し、それに応じて空気循環経路を通流する空気の圧力をコントロールするようにしてもよい。この場合にも、その制御は、高分子電解質膜の湿潤度を湿潤度検出手段39で直接検出する場合と同様である。
以上のように、湿潤度検出手段39が燃料電池の高分子電解質膜の湿潤度の低下を検出した場合、若しくは電気伝導度検出手段が高分子電解質膜の電気伝導度の低下を検出した場合に、空気循環ポンプ25から供給される空気の流量を増大させて運転することにより、高分子電解質膜の乾燥を防止することができ、さらに安定的に大出力を取り出せるようになる。逆に、湿潤度検出手段39が高分子電解質膜の湿潤度の上昇を検出した場合、若しくは電気伝導度検出手段が高分子電解質膜の電気伝導度の上昇を検出した場合に、空気循環ポンプ25から供給される空気の流量を減少させて運転することにより、高分子電解質膜が過剰に湿潤したり、あるいは酸化剤ガス通路が液水により閉塞することを防止することができ、やはり安定的に大出力を取り出せるようになる。
本発明を適用した燃料電池の1発電単位である単セルの構成を示す斜視図である。 前記燃料電池を発電手段として備える燃料電池システムの一構成例を示す図である。 空気通路と酸化剤ガス通路における流体の流れの方向を説明する図である。 空気通路の変形例を説明する図であり、通路群を構成する通路の本数を変えた例を模式的に示す平面図である。 空気通路の他の変形例を説明する図であり、通路群を構成する通路の断面積を変えた例を模式的に示す平面図である。
符号の説明
1 高分子電解質膜
2 燃料極
3 酸化剤極
4 酸化剤極集電板
4a 酸化剤ガス通路
4b 空気通路
11 第一通路群
12 第二通路群
13 第三空気通路群
25 空気循環ポンプ
39 湿潤度検出手段

Claims (8)

  1. 燃料極と酸化剤極により挟持された高分子電解質膜と、前記燃料極との対向面に燃料ガス通路が設けられた燃料極集電板と、前記酸化剤極との対向面に酸化剤ガス通路が設けられた酸化剤極集電板とを有する単セルが複数積層されて構成される燃料電池であって、
    前記酸化剤極集電板の酸化剤ガス通路が設けられた面とは反対側の面に、前記酸化剤ガス通路と交差する方向の空気通路が酸化剤ガス通路の上流側から下流側に向けて複数配列され、これら複数の空気通路が直列に接続されるとともに、前記酸化剤ガス通路の最も下流側に位置する空気通路が前記酸化剤ガス通路の最も上流側に位置する空気通路に接続され、空気循環経路を構成していることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記酸化剤極集電板の背面側に、冷却水通路を有する冷却水プレートが配されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記空気循環経路は、前記酸化剤ガス通路の最も下流側に位置する空気通路から空気を吸引し、前記酸化剤ガス通路の最も上流側に位置する空気通路に空気を供給する空気供給手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  4. 前記空気循環経路を構成する各空気通路は、複数の通路が並列接続された通路群からなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  5. 前記酸化剤ガス通路の上流側に配される通路群を構成する通路の本数を、前記酸化剤ガス通路の下流側に配される通路群を構成する通路の本数よりも大とすることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
  6. 前記酸化剤ガス通路の上流側に配される通路群を構成する通路の断面積を、前記酸化剤ガス通路の下流側に配される通路群を構成する通路の断面積よりも大とすることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
  7. 前記高分子電解質膜には、湿潤度を検出する湿潤度検出手段、若しくは電気伝導度を検出する電気伝導度検出手段の少なくとも一方が備えられ、
    前記湿潤度検出手段が前記高分子電解質膜の湿潤度の低下を検出した場合、若しくは前記電気伝導度検出手段が前記高分子電解質膜の電気伝導度の低下を検出した場合には、前記空気供給手段により吸引、供給される空気の流量が増大するように運転されることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
  8. 前記高分子電解質膜には、湿潤度を検出する湿潤度検出手段、若しくは電気伝導度を検出する電気伝導度検出手段の少なくとも一方が備えられ、
    前記湿潤度検出手段が前記高分子電解質膜の湿潤度の上昇を検出した場合、若しくは前記電気伝導度検出手段が前記高分子電解質膜の電気伝導度の上昇を検出した場合には、前記空気供給手段により吸引、供給される空気の流量が減少するように運転されることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007018312A1 (ja) * 2005-08-08 2007-02-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 燃料電池システム
JP2018055790A (ja) * 2016-09-26 2018-04-05 日産自動車株式会社 燃料電池、燃料電池のガス流路構造、及び燃料電池用セパレータ
JP2021064548A (ja) * 2019-10-16 2021-04-22 株式会社ジェイテクト 燃料電池

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