JP4085668B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスを利用した電気化学反応によって発電を行う燃料電池に関し、詳しくは発電反応を行う電解質を加湿するためのセル構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の燃料電池について主に図28、図29、図30、図31および図32を参照しながら説明する。なお、説明を解りやすくするため、燃料電池が固体高分子電解質型燃料電池、燃料が水素、酸化剤が空気の場合について説明する。
【0003】
図28に示すように、電解質部101は固体高分子電解質膜102を導電性があり触媒が塗られた拡散層103で挟みつけて構成し、電解質部101の一方に溝状の燃料ガス流路104が形成された導電性の燃料ガスセパレータ105、他方に溝状の酸化剤ガス流路106が形成された導電性の酸化剤ガスセパレータ107が配するが、ここで用いられる溝状の流路は断面図に示すように深さ1mm程の溝である。また、拡散層103の周辺はシール材108で囲まれている。
【0004】
次に、図29に示すように電解質部101を燃料ガスセパレータ105と酸化剤ガスセパレータ107とで挟みつけて構成された単セル109a〜109jを集電板a110と集電板b111の間に積層し、これを絶縁板a112と絶縁板b113で挟み、その両端を更に端板a114と端板b115で挟みつけ積層体116を構成する。
【0005】
また、図30に示すように積層体116の角部の積層方向には端板a114から積層方向他端の酸化剤ガスセパレータ107まで貫通するように形成された燃料ガス供給ヘッダー117と、燃料ガス供給ヘッダー117の対角位置に端板b115から積層方向他端の燃料ガスセパレータ105まで貫通するように形成された燃料ガス排出ヘッダー118が設けてある。この燃料ガス供給ヘッダー117と燃料ガス排出ヘッダー118は図31で示されるように、燃料ガスセパレータ105の燃料ガス流路104の溝を介して連通されている。さらに、酸化剤ガス供給ヘッダー119が燃料ガス供給ヘッダー117同様に、酸化剤ガス排出ヘッダー120が燃料ガス排出ヘッダー118同様に設けてあり、この酸化剤ガス供給ヘッダー119と酸化剤ガス排出ヘッダー120とは図32で示されるように、酸化剤ガスセパレータ107の酸化剤ガス流路106の溝を介して連通している。
【0006】
つぎに動作について説明する。燃料ガス供給ヘッダー117から積層体116内に送り込まれた水素は単セル109a〜109jにある燃料ガスセパレータ105の燃料ガス流路104を通って燃料ガス排出ヘッダー118から積層体116外へ排出される。また、酸化剤ガス供給ヘッダー119から積層体116内に送り込まれた空気は単セル109a〜109jの酸化剤ガスセパレータ107の酸化剤ガス流路106を通って、酸化剤ガス排出ヘッダー120から積層体116外へ排出される。
【0007】
この時、電解質部101の燃料ガス流路104を流れる水素は一部イオンとなって固体高分子電解質膜102を通過して酸化剤ガス流路106側に達し、この酸化剤ガス流路106を流れる空気中の酸素と反応して水となる。また、酸化剤ガス流路106で生成された水の一部は固体高分子電解質膜102を浸透して燃料ガス流路104に移動する。そしてこのとき燃料ガスセパレータ105と酸化剤ガスセパレータ107間に直流電圧が生じ、この直流電圧を積層された単セル109a〜109jの数だけ加えた直流電圧が集電板a110と集電板b111間から取り出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の燃料電池では、固体高分子電解質膜を水素イオンが通過することによる発電反応を行う際に、固体高分子電解質膜が水を含むことによってプロトン交換膜として機能するため、固体高分子電解質膜中に水分が存在する必要があった。従来、この水分は燃料電池外部から供給される供給燃料ガスもしくは供給酸化剤ガスを加湿することで燃料電池内に水分を供給する方法が一般的であった。この、供給燃料ガスもしくは供給酸化剤ガスの加湿にはバブリングや水噴霧などの方法がとられていた。
【0009】
しかしながら、このような従来の水供給方法の場合、燃料電池本体で発電を行うために別途加湿器を設ける必要があり、燃料電池システムの大型化や発電効率の低下の原因となっていた。また、燃料電池のセルと加湿器が別々に設置されている事により、加湿される流体は加湿器内での分流と燃料電池の積層されたセルでの分流のために圧力損失が生じることにより、燃料電池にガスを供給するためのガス供給機器の動力が大きくなっていた。また、排気内の水蒸気を利用する透過膜型の加湿器を利用する場合には加湿される気体はガス供給機器から加湿器への供給時、加湿器から燃料電池への供給時、燃料電池の排気から加湿器への供給時へと3度の分流が必要となるためにガス供給機器の動力も更に大きくなっていた。また、燃料電池本体から排出される排出燃料ガスおよび排出酸化剤ガスに含まれる発電反応によって生成された水分が燃料電池内で結露し、燃料電池内部の燃料ガス流路および酸化剤ガス流路が非常に狭いため、流路を閉塞してしまい、燃料電池の運転が不安定になるという問題があった。これに加え、透過膜型の加湿器を使用する場合、加湿器内部での結露が生じやすく、加湿器内部での圧力損失の増加につながるため、加湿器内での結露防止のために加湿器本体もしくは供給気体を昇温するための加熱器が必要となり、燃料電池の発電効率の低下の原因となっていた。また、通常の燃料電池の場合、発電反応により生じる水分のために反応に利用するガスを流通させるためのガス流路の上流側と下流側では内部に含む水分量が異なり、このためセル内の湿度分布に不均一が生じ、同一セル内においても発電能力にばらつきがあった。また、特許第3147518号公報に記載の燃料電池のように、単セルを構成する燃料ガスセパレーターおよび酸化剤ガスセパレーターと電解質部をその両端において所定の長さ延長し、延長した部分を透過膜として、一方の延長部分に燃料ガスの加湿部、他方の延長部分に酸化剤ガスの加湿部を設け、それぞれのガス加湿部において、一方のガスセパレーターに構成されたガス流路と他方のガスセパレーターに構成された水補給通路を電解質部を挟んで接触させる構成とし、水補給通路から水分を他方のガスセパレーター上のガス流路内を流れるガスに移行させることで加湿を行う方法が提案されているが、このような構成では燃料電池に供給するガスを加湿するために外部から水分を供給する必要があり、燃料電池が発電する際に発生する熱を冷却水などにより回収し、外部の熱を利用する機器などに供給するシステムに燃料電池を利用する場合、水分が蒸発する際に熱を奪うことでシステム全体での熱効率が低下するという問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池は上記目的を達成するために、ガスを利用した電気化学反応によって発電を行うセルを備えた燃料電池において、
前記セル内に発電反応を行う電解質の両面に発電反応を行うための触媒を設けた領域である反応部と、
透湿膜を介して接する前記供給燃料ガスと前記排出燃料ガスの間で前記排出燃料ガス中に含まれる水分を移動させる領域である水回収部と、
発電反応に利用されなかった余剰の前記供給燃料ガスを前記透湿膜の反対の面の燃料ガス流路に移行させるための移行流路を有し、前記移行流路は前記電解質を貫通する孔により形成され、
前記供給燃料ガスと前記移行流路を介して前記燃料ガス流路に流入した前記排出燃料ガスの流れ方向は対向しており、前記反応部の発電反応により生成し、かつ、前記排出燃料ガスに含まれる水分は、前記回収部を介して前記供給燃料ガスへと回収される構成としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池は上記目的を達成するために、燃料電池単セル内に発電に使用される反応部と同時に発電反応によって生成された水分を燃料電池に供給するガスへと回収し、供給ガスを加湿するための水回収部を設けることで、燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給することが可能となり、燃料電池の効率を向上させることができる。これに加え、透過膜型の加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が下がることによって加湿器内部で結露が生じ、圧力損失が増加したり、結露水が燃料電池内に流入することによって燃料電池の動作が不安定になる場合があるが、水回収部を反応部と同一セル内に設けることにより反応部が発電反応を行う際に生じる熱を有効に回収することで水回収部を外部から熱を加えることなく昇温することができるため、水回収部における水分の結露を防止し、圧力損失の増加や水分の反応部への流入に伴う動作の不安定を防止することが可能となる。さらに、水回収部を反応部と同一セル内に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0012】
他の手段は、ガスを利用した電気化学反応によって発電を行うセルを備えた燃料電池において、
前記セル内に発電反応を行う電解質の両面に発電反応を行うための触媒を設けた領域である反応部と、
透湿膜を介して接する前記供給酸化剤ガスと前記排出酸化剤ガスの間で前記排出酸化剤ガス中に含まれる水分を移動させる領域である水回収部と、
発電反応に利用されなかった余剰の前記供給酸化剤ガスを前記透湿膜の反対の面の酸化剤ガス流路に移行させるための移行流路を有し、前記移行流路は前記電解質を貫通する孔により形成され、
前記供給酸化剤ガスと前記移行流路を介して前記酸化剤ガス流路に流入した前記排出酸化剤ガスの流れ方向は対向しており、前記反応部の発電反応により生成し、かつ、前記排出酸化剤ガスに含まれる水分は、前記回収部を介して前記供給酸化剤ガスへと回収される構成としたものである。
【0026】
また他の手段は、排出される酸化剤ガスに含まれる水分を供給される燃料ガスへと回収することで燃料ガスを加湿し、燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給し、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0027】
また他の手段は、水回収部を一方のガス流路の最上流側を含む少なくとも2ヵ所以上に設けることで水分の回収をより効率良く行うことが可能となる。
【0028】
また他の手段は、排出される酸化剤ガスに含まれる水分を供給される燃料ガスに回収すると同時に排出される燃料ガスに含まれる水分を供給される酸化剤ガスに回収することでより多くの水分を回収することができる。
【0029】
また他の手段は、水回収部を構成する透湿膜を反応部に用いている電解質と同じ材質で構成することで、簡単な構成で効率良く水分を回収することが可能となる。
【0030】
また他の手段は、ガス流路を複数設け、それぞれのガス流路に少なくとも一ヶ所以上の折れ曲がり部をもうけるとともに、ガスの往路と復路が交互に配されるようにガス流路を配置することで、比較的多くの水分を含んだ復路側のガスから比較的乾いた状態の往路側のガスへ電解質部を構成する拡散層を通して水分を移行させることでセル内における水分の分布を均湿な状態に保つことが可能となる。これにより、セル内での発電反応のばらつきが無くなり、安定した発電を行うことが可能となる。
【0031】
また他の手段は、燃料電池の発電を行う発電部と同一面上に透湿膜を利用し、発電反応により生成した生成水を回収する水回収部を設けることで燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給することが可能となり、燃料電池の効率を向上させることができると同時に燃料電池内を均湿な状態に保つことが出来る。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明は、セル内に発電反応によって生成した水分を発電反応に利用する供給ガスへと回収する水回収部を設けたもので、これにより、燃料電池内で発電反応により生じた水分を水回収部により燃料電池に供給するガスに回収することができ、燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給可能となり、燃料電池の効率を向上させることができる。これに加え、透過膜型の加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が下がることによって加湿器内部で結露が生じ、圧力損失が増加したり、結露水が燃料電池内に流入することによって燃料電池の動作が不安定になる場合があるが、水回収部を反応部と同一面上に設けることにより反応部が発電反応を行う際に生じる熱を有効に回収することで、水回収部を外部から熱を加えることなく昇温することができるため、水回収部における結露を防止し、圧力損失の増加や水分の反応部への流入に伴う動作の不安定を防止することが可能となる。さらに、水回収部を反応部と同一面上に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0033】
また、発電反応によって生成した水分を酸化剤ガスに回収することで、燃料電池が発電する際に必要な水分を外部から供給することなく供給可能となり、燃料電池の効率を向上させることができる。これに加え、透過膜型の加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が下がることによって加湿器内部で結露が生じ、圧力損失が増加したり、結露水が燃料電池内に流入することによって燃料電池の動作が不安定になる場合があるが、水回収部を反応部と同一面上に設けることにより反応部が発電反応を行う際に生じる熱を有効に回収することで、水回収部を外部から熱を加えることなく昇温することができるため、水回収部における結露を防止し、圧力損失の増加や水分の反応部への流入に伴う動作の不安定を防止することが可能となる。さらに、水回収部を反応部と同一面上に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0034】
また、発電反応によって生成した水分を燃料ガスに回収することで、燃料電池が発電する際に必要な水分を外部から供給することなく供給可能となり、燃料電池の効率を向上させることができる。これに加え、透過膜型の加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が下がることによって加湿器内部で結露が生じ、圧力損失が増加したり、結露水が燃料電池内に流入することによって燃料電池の動作が不安定になる場合があるが、水回収部を反応部と同一面上に設けることにより反応部が発電反応を行う際に生じる熱を有効に回収することで、水回収部を外部から熱を加えることなく昇温することができるため、水回収部における結露を防止し、圧力損失の増加や水分の反応部への流入に伴う動作の不安定を防止することが可能となる。さらに、水回収部を反応部と同一面上に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0035】
また、セル内に発電反応を行う電解質の両面に発電反応を行うための触媒を設けた領域である反応部と、透湿膜を介して両面に接するガス間でガス中に含まれる水分を移動させる領域である水回収部を設たもので、これにより、燃料電池内で発電反応により生じた水分を水回収部により燃料電池に供給するガスに回収することができ、燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給可能となり、燃料電池の効率を向上させることができる。これに加え、透過膜型の加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が下がることによって加湿器内部で結露が生じ、圧力損失が増加したり、結露水が燃料電池内に流入することによって燃料電池の動作が不安定になる場合があるが、水回収部を反応部と同一面上に設けることにより反応部が発電反応を行う際に生じる熱を有効に回収することで、水回収部を外部から熱を加えることなく昇温することができるため、水回収部における結露を防止し、圧力損失の増加や水分の反応部への流入に伴う動作の不安定を防止することが可能となる。さらに、水回収部を反応部と同一面上に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0036】
また、発電反応を行う反応部と同一面上に発電反応によって生成した水分を含んだ排出ガスから透湿膜を介して供給ガスへと水分を回収するための水回収部を設けるとともに、供給ガスと排出ガスの流れ方向を対向するようにし、排出ガスをガス流路を形成するセパレーター上の任意の位置で透湿膜の反対の面に移行させるための移行流路を設け透湿膜の両面において供給ガスと排出ガスを接触させる構造としたもので、これにより前記排出ガスに含まれる水分を前記供給ガスへと回収することをができ、燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給可能となり、燃料電池の効率を向上させることができる。これに加え、透過膜型の加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が下がることによって加湿器内部で結露が生じ、圧力損失が増加したり、結露水が燃料電池内に流入することによって燃料電池の動作が不安定になる場合があるが、水回収部を反応部と同一面上に設けることにより反応部が発電反応を行う際に生じる熱を有効に回収することで、水回収部を外部から熱を加えることなく昇温することができるため、水回収部における結露を防止し、圧力損失の増加や水分の反応部への流入に伴う動作の不安定を防止することが可能となる。さらに、水回収部を反応部と同一面上に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0037】
また、ガス流路上の少なくとも一ヶ所以上に折れ曲がり部を設けることで、同一ガスの供給側と排気側の流れ方向を対抗する向きにすることができ、水回収部において同一ガスの給気側と排気側で水回収を行うことで燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給可能となる。
【0038】
また、ガスを供給するためのガス供給部およびガス流路を複数設け、互いに対向する向きにガスを流入させるようにし、同一ガスの供給側と排気側での水回収を行うことで燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給可能となる。
【0039】
また、燃料ガスの排気側から水分を回収することで燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給可能となる。
【0040】
また、酸化剤ガスの排気側から水分を回収することで燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給可能となる。
【0041】
また、水分の回収を行う水回収部を2ヶ所以上に設けたもので、これによりより多くの水分を回収することが可能となる。
【0042】
また、燃料ガスの供給側と排出側で水分の回収を行うと同時に、酸化剤ガスの供給側と排出側で水分の回収を行うようにしたもので、これによりより多くの水分を回収することが可能となる。
【0043】
また、移行流路を形成する際に、ガス流路を形成するセパレーターとは独立して設けられた移行流路ブロックをセパレーター内に挿入することで形成するようにしたもので、これにより移行流路の全周にわたってシールすることが可能となり、移行流路を通過するガスの漏れを低減することができる。
【0044】
また、水回収部を構成する透湿膜を発電反応を行う電解質と同じ材質を用いて構成したものであり、これにより比較的簡単な構成で水回収部を構成することができる。
【0045】
また、発電反応を行う反応部と同一面上に発電反応によって生成した水分を含んだ排出ガスから透湿膜を介して供給ガスへと水分を回収するための水回収部を設けるとともに、それぞれのガスの流れ方向をお互いに対向するようにし、一方のガス流路の最上流側および他方のガス流路の最下流側に前記水回収部を設けたもので、一方の排出ガスに含まれる水分を他方の供給ガスに回収することができ、燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給可能となり、燃料電池の効率を向上させることができる。これに加え、透過膜型の加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が下がることによって加湿器内部で結露が生じ、圧力損失が増加したり、結露水が燃料電池内に流入することによって燃料電池の動作が不安定になる場合があるが、水回収部を反応部と同一面上に設けることにより反応部が発電反応を行う際に生じる熱を有効に回収することで、水回収部を外部から熱を加えることなく昇温することができるため、水回収部における結露を防止し、圧力損失の増加や水分の反応部への流入に伴う動作の不安定を防止することが可能となる。さらに、水回収部を反応部と同一面上に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0046】
また、排出される燃料ガスに含まれる水分を供給される酸化剤ガスへと回収することで、燃料電池が発電する際に必要な水分を外部から供給することなく供給可能となる。
【0047】
また、排出される酸化剤ガスに含まれる水分を供給される燃料ガスへと回収することで、燃料電池が発電する際に必要な水分を外部から供給することなく供給可能となる。
【0048】
また、水分の回収を行う水回収部を2ヶ所以上に設けたもので、これによりより多くの水分を回収することが可能となる。
【0049】
また、排出される燃料ガスに含まれる水分を供給される酸化剤ガスへと回収すると同時に、排出される酸化剤ガスに含まれる水分を供給される燃料ガスへと回収するようにしたもので、これにより、より多くの水分を回収することができる。
【0050】
また、水回収部を構成する透湿膜を発電反応を行う電解質と同じ材質を用いて構成したものであり、これにより比較的簡単な構成で水回収部を構成することができる。
【0051】
また、反応に利用するガスを流通させるための複数のガス流路を備え、複数のガス流路それぞれに少なくとも一ヶ所以上の折れ曲がり部を有するとともに、前記複数のガス流路の往路と復路が交互に隣接して配されるように前記複数のガス流路を配置したもので、これにより、比較的多くの水分を含んだ復路側のガスから比較的乾いた状態の往路側のガスへ電解質部を構成する拡散層を通して水分を移行させることでセル内における水分の分布を均湿な状態に保つことが可能となる。
【0052】
また、発電反応を行う反応部と同一面上に発電反応によって生成した水分を含んだ排出ガスから透湿膜を介して供給ガスへと水分を回収するための水回収部を設けるとともに排出ガスをガス流路を形成するセパレーター上の任意の位置で透湿膜の反対の面に移行させるための移行流路を設け、透湿膜の両面において供給ガスと排出ガスを接触させる構造としたもので、排出ガスに含まれる水分を供給ガスへと回収することができ、燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給可能となり、燃料電池の効率を向上させることができる。これに加え、透過膜型の加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が下がることによって加湿器内部で結露が生じ、圧力損失が増加したり、結露水が燃料電池内に流入することによって燃料電池の動作が不安定になる場合があるが、水回収部を反応部と同一面上に設けることにより反応部が発電反応を行う際に生じる熱を有効に回収することで、水回収部を外部から熱を加えることなく昇温することができるため、水回収部における結露を防止し、圧力損失の増加や水分の反応部への流入に伴う動作の不安定を防止することが可能となる。さらに、水回収部を反応部と同一面上に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0053】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同一のものは同一番号を付し、その詳細な説明を省略する。また、実施例においては説明を解りやすくするため、燃料電池が固体高分子電解質型燃料電池の場合について説明する。
【0054】
【実施例】
(実施例1)
以下、本発明の実施例1について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、電解質部101は固体高分子電解質膜102を導電性があり触媒が塗られた拡散層103で挟みつけて構成し、電解質部101の一方に溝状の燃料ガス流路104が形成された導電性の燃料ガスセパレータ105、他方に溝状の酸化剤ガス流路106が形成された導電性の酸化剤ガスセパレータ107が配するが、ここで用いられる溝状の流路は断面図に示すように深さ1mm程の溝である。また、拡散層103の周辺はシール材108で囲まれている。
【0055】
図2に示すように、拡散層103には触媒の塗られ、発電を行う部分である反応部1と触媒を塗付せず、固体高分子電解質膜102を介して両面に接したガス間で水分の移動を行う部分である水回収部2が設けられており、反応部1と水回収部2の間はシール材108で囲まれ、両者が接触しないようにしてある。
【0056】
次に、図3に示すように電解質部101を燃料ガスセパレータ105と酸化剤ガスセパレータ107とで挟みつけて構成された単セル109a〜109jを集電板a110と集電板b111の間に積層し、これを絶縁板a112と絶縁板b113で挟み、その両端を更に端板a114と端板b115で挟みつけ積層体116を構成する。
【0057】
また、図4に示すように積層体116の角部の積層方向には端板a114から積層方向他端の酸化剤ガスセパレータ107まで貫通するように形成された燃料ガス供給ヘッダー117と、燃料ガス供給ヘッダー117の対角位置に端板b115から他端の燃料ガスセパレータ105まで貫通するように形成された燃料ガス排出ヘッダー118が設けてある。この燃料ガス供給ヘッダー117と燃料ガス排出ヘッダー118は図5および図6で示されるように、燃料ガスセパレータ105の燃料ガス流路104、燃料ガス移行流路3と酸化剤ガスセパレーター107の燃料ガス流路104の溝を介して連通されている。さらに、酸化剤ガス供給ヘッダー119が燃料ガス供給ヘッダー117同様に、酸化剤ガス排出ヘッダー120が燃料ガス排出ヘッダー118同様に設けてあり、この酸化剤ガス供給ヘッダー119と酸化剤ガス排出ヘッダー120とは図6で示されるように、酸化剤ガスセパレータ107の酸化剤ガス流路106の溝を介して連通している。
【0058】
燃料ガス流路104は燃料ガス供給ヘッダー117に連通した溝を燃料ガスセパレータ105に設けることにより形成し、燃料ガス供給ヘッダー117から燃料ガスセパレータ105の他端まで形成された後、折れ曲がり部を経て再び燃料ガス供給ヘッダー117方向へと戻る構成を取る。このとき、戻り方向の燃料ガス流路104は燃料ガスセパレータ105の任意の中間点に設けられた燃料ガス移行流路3へと連通する。燃料ガスセパレーター105の燃料ガス移行流路3の位置には任意の大きさの溝が設けられており、この溝に流路移行ブロック4を挿入できるようになっている。流路移行ブロック4は燃料ガスセパレータ105の移行流路3の位置に設けられた溝とほぼ同寸法のブロックに燃料ガス流路104と燃料ガス移行流路3に接続する溝と、溝とは垂直方向に溝部と接触するように孔を設けた形状とし、このブロックを燃料ガスセパレータ105に挿入することで燃料ガス移行流路3を形成する構造とする。
【0059】
酸化剤ガス流路106は酸化剤ガス供給ヘッダー119に連通した溝を酸化剤ガスセパレータ107に設けることにより形成し、酸化剤ガスセパレータ107の他端に形成された酸化剤ガス排出ヘッダー120に連通する。このとき、酸化剤ガスセパレータ107に形成される酸化剤ガス流路106は単セル109内において反応部1と接触する部分に設けられる。酸化剤ガスセパレータ107の酸化剤ガス流路106が形成されない部分には酸化剤ガスセパレータ107の任意の中間点に設けられた燃料ガス移行流路3と燃料ガス排出ヘッダー118を連通する燃料ガス流路104が形成される。
【0060】
燃料ガス移行流路3は反応部1と水回収部2を隔離するシール材108および固体高分子電解質膜102上の燃料ガスセパレータ105に挿入された流路移行ブロック4と酸化剤ガスセパレーター107に挿入された流路移行ブロック4を連通する位置に設けられた孔により形成され、燃料ガス供給ヘッダー117から流入した燃料ガスが燃料ガス流路104を通過した後、燃料ガス移行流路3により固体高分子電解質膜102の他の面に移行し、酸化剤ガスセパレーター107上に設けられた燃料ガス流路104を経て燃料ガス排出ヘッダー118へと流出する。
【0061】
図7に示すように、酸化剤ガス供給ヘッダー119により各単セルに供給された酸化剤ガスは酸化剤ガスセパレータ107上に形成された酸化剤ガス流路106に流入し反応部1に接する部分で発電反応に利用された後、発電反応に使用されなかった余剰酸化剤ガスは酸化剤ガス排出ヘッダー120に流入し燃料電池外部へと排出される。
【0062】
また、燃料ガス供給ヘッダー117により各単セルに供給された燃料ガスは燃料ガスセパレータ105上に設けられた燃料ガス流路104に流入し、水回収部2に接する部分で固体高分子電解質膜102を介して他の面を通過する燃料ガスから水分を回収した後、反応部1と接する部分に流入し、発電反応に利用される。発電反応に利用されなかった余剰燃料ガスは発電反応により生成した生成水を含んだ状態で燃料ガス移行流路3により固体高分子電解質膜102を介して他の面へと移行し、水回収部2に接する燃料ガス流路104へと流入した後、水回収部2に接する燃料ガス流路104上において他の面を通過する燃料ガスへと生成水を移行させ、含有する水分を低下させた後燃料ガス排出ヘッダー118へと流入した後、燃料電池外部へと排出される。
【0063】
このような流路構成を取ることにより、燃料電池に供給する燃料ガスに外部から水分を供給することなく、燃料電池から排出される燃料ガスに含まれる燃料電池内部で発電反応により生成した水分を水回収部2により燃料電池に供給される燃料ガスへと回収することで発電反応に必要な水分を固体高分子電解質膜102へ供給すると同時に、燃料電池から排出される余剰燃料ガスに含まれる水分が燃料ガス流路104上の最も結露しやすい領域である最下流側で結露することにより狭い流路である燃料ガス流路104を閉塞し燃料電池の電圧低下を引き起こす場合においても燃料ガスに含まれる水分を供給する燃料ガスへと回収することで結露による閉塞を防止し、燃料電池を安定して運転することが可能となることに加え、結露による閉塞に伴う圧力損失の増加を防止することが可能となる。また、透過膜型加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が低下することにより結露が生じ、流路を閉塞することで圧力損失の増加を招いていたが、水回収部2を反応部1と同一面上に設けることで反応部1が発電反応を行う際に発生する熱を水回収部2にて回収し、温度を昇温させることができ、水回収部2での結露を防止し、圧力損失の増加の防止および反応部1への高加湿な最適加湿ガスの供給を行うことが可能となる。さらに、水回収部を反応部と同一面上に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。さらに、燃料ガス流路104を直接燃料ガス移行流路3に接続する構造の場合、シール材108により隔離されている反応部1と水回収部2の間で燃料ガス流路104によってシール材108を挟持することができない部分が生じ、これにより燃料ガスセパレーター105の燃料ガス流路104内を流れる燃料ガスが酸化剤ガスセパレーター107の酸化剤ガス流路106へと流入する可能性がある。これに対し、本実施例のように燃料ガス移行流路3を流路移行ブロック4を用いて構成するようにし、流路移行ブロック4の孔部をシール材108と接触させることで燃料ガス移行流路3の周辺を全周にわたって両面の燃料ガスセパレーター105および酸化剤ガスセパレーター107に挿入された流路移行ブロック4より挟持することが可能となり燃料ガス流路104から酸化剤ガス流路106への燃料ガスの漏れを防止することが可能となる。
【0064】
なお、本実施例においては排出燃料ガスに含まれる水分を供給燃料ガスに回収する構造としたが、排出酸化剤ガスに含まれる水分を供給酸化剤ガスに回収する構造でも良く、さらに排出燃料ガスに含まれる水分を供給燃料ガスに回収すると同時に排出酸化剤ガスに含まれる水分を供給酸化剤ガスに回収するようにしても良く、その作用効果に差異を生じない。また、本実施例において、燃料ガス流路104における折れ曲がり部は一箇所としたが、燃料ガスセパレータ105上に設けられた燃料ガス移行流路3に連通する燃料ガス流路104を設ければ良く、複数の折れ曲がり部を設けた流路構成としてもその作用効果に差異を認めない。また、本実施例では燃料ガスを特に限定しなかったが、内部に水素を含むガスであれば良く、純水素、水蒸気改質による改質ガスなど燃料ガスの組成による作用効果に差異を認めない。また、本実施例では酸化剤ガスを特に限定しなかったが、内部に酸素を含むガスであれば良く、純酸素や空気中に含まれる酸素など酸化剤ガスの組成による作用効果に差異を認めない。また、本実施例では透湿膜として固体高分子電解質膜を利用したが、多孔質などの水分を選択的に透過する材料であれば良く、材質の違いによる作用効果に差異を認めない。また、本実施例では単セルを構成する部材は全て平面上に構成したが曲面を有する部材で構成しても良く、その作用効果に差異を生じない。また、本実施例で述べた水分とは燃料電池が発電する際に生じる水分を含み、なお広義には供給されるガスに含まれる水分を含み、水蒸気改質による改質ガスのような供給ガス中に含まれる水分を含む。
【0065】
(実施例2)
以下、本発明の実施例2について図面を参照しながら説明する。図8に示すように、電解質部101は固体高分子電解質膜102を導電性があり触媒が塗られた拡散層103で挟みつけて構成し、電解質部101の一方に溝状の燃料ガス流路104が形成された導電性の燃料ガスセパレータ105、他方に溝状の酸化剤ガス流路106が形成された導電性の酸化剤ガスセパレータ107が配するが、ここで用いられる溝状の流路は断面図に示すように深さ1mm程の溝である。また、拡散層103の周辺はシール材108で囲まれている。
【0066】
図9に示すように、拡散層103には触媒の塗られ、発電を行う部分である反応部1と触媒を塗付せず、固体高分子電解質膜102を介して両面に接したガス間で水分の移動を行う部分である水回収部2が設けられており、反応部1と水回収部2の間はシール材108で囲まれ、両者が接触しないようにしてある。また、水回収部2は電解質部101の燃料ガス流路104および酸化剤ガス流路106の最上流側および最下流側に接する場所に位置し、電解質部101の両端の2ヵ所に設けられている。
【0067】
次に、図10に示すように電解質部101を燃料ガスセパレータ105と酸化剤ガスセパレータ107とで挟みつけて構成された単セル109a〜109jを集電板a110と集電板b111の間に積層し、これを絶縁板a112と絶縁板b113で挟み、その両端を更に端板a114と端板b115で挟みつけ積層体116を構成する。
【0068】
また、図11に示すように積層体116の角部の積層方向には端板a114から積層方向他端の酸化剤ガスセパレータ107まで貫通するように形成された燃料ガス供給ヘッダー117と、燃料ガス供給ヘッダー117の対角位置に端板b115から他端の燃料ガスセパレータ105まで貫通するように形成された燃料ガス排出ヘッダー118がそれぞれ2ヵ所づつ設けてある。この燃料ガス供給ヘッダー117と燃料ガス排出ヘッダー118は図12で示されるように、燃料ガスセパレータ105の複数の燃料ガス流路104の溝を介してそれぞれが独立して連通されている。さらに、酸化剤ガス供給ヘッダー119が燃料ガス供給ヘッダー117同様に、酸化剤ガス排出ヘッダー120が燃料ガス排出ヘッダー118同様に設けてあり、この酸化剤ガス供給ヘッダー119と酸化剤ガス排出ヘッダー120とは図13で示されるように、酸化剤ガスセパレータ107の複数の酸化剤ガス流路106の溝を介して連通している。
【0069】
燃料ガス流路104は燃料ガス供給ヘッダー117に連通した溝を燃料ガスセパレータ105に設けることにより形成し、燃料ガス供給ヘッダー117から他端にある燃料ガス排出ヘッダー118方向へと形成され、燃料ガスセパレーター105上の任意の位置に設けられた燃料ガス移行流路3へ接続する。このとき、燃料ガスセパレーター105の両端に設けられた燃料ガス供給ヘッダー117からお互いに対向する方向へと燃料ガス流路104を形成する。燃料ガスセパレーター105の燃料ガス移行流路3の位置には任意の大きさの溝が設けられており、この溝に流路移行ブロック4を挿入できるようになっている。流路移行ブロック4は燃料ガスセパレーター105の移行流路3の位置に設けられた溝とほぼ同寸法のブロックに燃料ガス流路104と燃料ガス移行流路3に接続する溝と、溝とは垂直方向に溝部と接触するように孔を設けた形状とし、このブロックを燃料ガスセパレーター105に挿入することで燃料ガス移行流路3を形成する構造とする。
【0070】
酸化剤ガス流路106は酸化剤ガス供給ヘッダー119に連通した溝を酸化剤ガスセパレータ107に設けることにより形成し、酸化剤ガスセパレータ107の他端に形成された酸化剤ガス排出ヘッダー120に連通する。このとき、酸化剤ガスセパレータ107に形成される酸化剤ガス流路106は単セル109内において反応部1と接触する部分に設けられる。酸化剤ガスセパレータ107の酸化剤ガス流路106が形成されない両端の部分には酸化剤ガスセパレータ107の任意の中間点に設けられた溝部に挿入された流路移行ブロック4の燃料ガス移行流路3と燃料ガス排出ヘッダー118を連通する燃料ガス流路104が形成される。
【0071】
燃料ガス移行流路3は反応部1と水回収部2を隔離するシール材108および固体高分子電解質膜102上の燃料ガスセパレータ105に挿入された流路移行ブロック4と酸化剤ガスセパレーター107に挿入された流路移行ブロック4を連通する位置に設けられた孔により形成され、燃料ガス供給ヘッダー117から流入した燃料ガスが燃料ガス流路104を通過した後、燃料ガス移行流路3により固体高分子電解質膜102の他の面に移行し、酸化剤ガスセパレーター107上に設けられた燃料ガス流路104を経て燃料ガス排出ヘッダー118へと流出する。
【0072】
図14に示すように、酸化剤ガス供給ヘッダー119により各単セルに供給された酸化剤ガスは酸化剤ガスセパレータ107上に形成された酸化剤ガス流路106に流入し反応部1に接する部分で発電反応に利用された後、発電反応に使用されなかった余剰酸化剤ガスは酸化剤ガス排出ヘッダー120に流入し燃料電池外部へと排出される。
【0073】
また、燃料ガスセパレーター105の両端に設けられた燃料ガス供給ヘッダー117により各単セルに供給された燃料ガスは燃料ガスセパレータ105上に設けられた燃料ガス流路104にお互いに対抗する方向に流入し、水回収部2に接する部分で固体高分子電解質膜102を介して他の面を通過する他方の燃料ガス供給ヘッダー117より流入した燃料ガスから水分を回収した後、反応部1と接する部分に流入し、発電反応に利用される。発電反応に利用されなかった余剰燃料ガスは発電反応により生じた水分を含んだ状態で燃料ガス移行流路3により固体高分子電解質膜102を介して他の面へと移行し、水回収部2に接する燃料ガス流路104へと流入した後、水回収部2に接する燃料ガス流路104上において他の面を通過する他方の燃料ガス供給ヘッダー117から流入した燃料ガスへと水分を移行させ、内部に含んでいる水分を低下させた後、燃料ガス排出ヘッダー118へと流入し、燃料電池外部へと排出される。他方の燃料ガス供給ヘッダー117から流入した燃料ガスについてもその流れ方向が逆方向となる以外は同様の経路をたどる。
【0074】
このような流路構成を取ることにより、燃料電池に供給する燃料ガスに外部から水分を供給することなく、燃料電池から排出される燃料ガスに含まれる燃料電池内部で発電反応により生成した水分を水回収部2により燃料電池に供給される燃料ガスへと回収することで発電反応に必要な水分を固体高分子電解質膜102へ供給すると同時に、燃料電池から排出される余剰燃料ガスに含まれる水分が燃料ガス流路104上の最も結露しやすい領域である最下流側で結露することにより狭い流路である燃料ガス流路104を閉塞し燃料電池の電圧低下を引き起こす場合においても燃料ガスに含まれる水分を供給する燃料ガスへと回収することで結露による閉塞を防止し、燃料電池を安定して運転することが可能となることに加え、結露による閉塞に伴う圧力損失の増加を防止することが可能となる。また、透過膜型加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が低下することにより結露が生じ、流路を閉塞することで圧力損失の増加を招いていたが、水回収部2を反応部1と同一面上に設けることで反応部1が発電反応を行う際に発生する熱を水回収部2にて回収し、温度を昇温させることができ、水回収部2での結露を防止し、圧力損失の増加の防止および反応部1への高加湿な最適加湿ガスの供給を行うことが可能となる。さらに、水回収部2を反応部1と同一面上に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。さらに、燃料ガス流路104を直接燃料ガス移行流路3に接続する構造の場合、シール材108により隔離されている反応部1と水回収部2の間で燃料ガス流路104によってシール材108を挟持することができない部分が生じ、これにより燃料ガスセパレーター105の燃料ガス流路104内を流れる燃料ガスが酸化剤ガスセパレーター107の酸化剤ガス流路106へと流入する可能性がある。これに対し、本実施例のように燃料ガス移行流路3を流路移行ブロック4を用いて構成するようにし、流路移行ブロック4の孔部をシール材108と接触させることで燃料ガス移行流路3の周辺を全周にわたって両面の燃料ガスセパレーター105および酸化剤ガスセパレーター107に挿入された流路移行ブロック4より挟持することが可能となり燃料ガス流路104から酸化剤ガス流路106への燃料ガスの漏れを防止することが可能となる。
【0075】
なお、本実施例においては排出燃料ガスに含まれる水分を供給燃料ガスに回収する構造としたが、排出酸化剤ガスに含まれる水分を供給酸化剤ガスに回収する構造でも良く、その作用効果に差異を生じない。また、本実施例では燃料ガスを特に限定しなかったが、内部に水素を含むガスであれば良く、純水素、水蒸気改質による改質ガスなど燃料ガスの組成による作用効果に差異を認めない。また、本実施例では酸化剤ガスを特に限定しなかったが、内部に酸素を含むガスであれば良く、純酸素や空気中に含まれる酸素など酸化剤ガスの組成による作用効果に差異を認めない。また、本実施例では透湿膜として固体高分子電解質膜を利用したが、多孔質などの水分を選択的に透過する材料であれば良く、材質の違いによる作用効果に差異を認めない。また、本実施例では単セルを構成する部材は全て平面上に構成したが曲面を有する部材で構成しても良く、その作用効果に差異を生じない。また、本実施例で述べた水分とは燃料電池が発電する際に生じる水分を含み、なお広義には供給されるガスに含まれる水分を含み、水蒸気改質による改質ガスのような供給ガス中に含まれる水分を含む。
【0076】
(実施例3)
以下、本発明の実施例3について図面を参照しながら説明する。図15に示すように、電解質部101は固体高分子電解質膜102を導電性があり触媒が塗られた拡散層103で挟みつけて構成し、電解質部101の一方に溝状の燃料ガス流路104が形成された導電性の燃料ガスセパレータ105、他方に溝状の酸化剤ガス流路106が形成された導電性の酸化剤ガスセパレータ107が配するが、ここで用いられる溝状の流路は断面図に示すように深さ1mm程の溝である。また、拡散層103の周辺はシール材108で囲まれている。
【0077】
図16に示すように、拡散層103には触媒の塗られ、発電を行う部分である反応部1と触媒を塗付せず、固体高分子電解質膜102を介して両面に接したガス間で水分の移動を行う部分である水回収部2が設けられており、反応部1と水回収部2の間はシール材108で囲まれ、両者が接触しないようにしてある。また、水回収部2は電解質部101の燃料ガス流路104および酸化剤ガス流路106の最上流側および最下流側に接する場所に位置し、電解質部101の両端の2ヵ所に設けられている。
【0078】
次に、図17に示すように電解質部101を燃料ガスセパレータ105と酸化剤ガスセパレータ107とで挟みつけて構成された単セル109a〜109jを集電板a110と集電板b111の間に積層し、これを絶縁板a112と絶縁板b113で挟み、その両端を更に端板a114と端板b115で挟みつけ積層体116を構成する。
【0079】
また、図18に示すように積層体116の角部の積層方向には端板a114から積層方向他端の酸化剤ガスセパレータ107まで貫通するように形成された燃料ガス供給ヘッダー117と、燃料ガス供給ヘッダー117の対角位置に端板b115から他端の燃料ガスセパレータ105まで貫通するように形成された燃料ガス排出ヘッダー118が設けてある。この燃料ガス供給ヘッダー117と燃料ガス排出ヘッダー118は図19で示されるように、燃料ガスセパレータ105の複数の燃料ガス流路104の溝を介して連通されている。さらに、酸化剤ガス供給ヘッダー119が燃料ガス供給ヘッダー117同様に、酸化剤ガス排出ヘッダー120が燃料ガス排出ヘッダー118同様に酸化剤ガスの流れ方向が燃料ガスと対向するようになる位置に設けてあり、この酸化剤ガス供給ヘッダー119と酸化剤ガス排出ヘッダー120とは図20で示されるように、酸化剤ガスセパレータ107の酸化剤ガス流路106の溝を介して連通している。
【0080】
燃料ガス流路104は燃料ガス供給ヘッダー117に連通した複数の溝を燃料ガスセパレータ105に設けることにより形成し、燃料ガス供給ヘッダー117から燃料ガスセパレータ105の他端まで形成された後、燃料ガス排出ヘッダー118に連通する。
【0081】
酸化剤ガス流路106は酸化剤ガス供給ヘッダー119に連通した複数の溝を酸化剤ガスセパレータ107に設けることにより形成し、酸化剤ガスセパレータ107の他端に形成された酸化剤ガス排出ヘッダー120に連通する。
【0082】
燃料ガス供給ヘッダー117から流入した燃料ガスは燃料ガス流路104に流入し、燃料ガス流路104の最上流側に設けられた水回収部2に接する領域において、固体高分子電解質膜102を介して接している酸化剤ガス内部に含まれる水分を回収し、加湿された後、反応部1に接する領域に流入する。反応部1と接する領域で電解質部101を介して他面に接している酸化剤ガスセパレーター107上に設けられた酸化剤ガス流路106内を流れる酸化剤ガスと発電反応に消費される。発電反応により酸化剤ガスセパレーター107側に生じた水分の一部は電解質部101を介して他面の燃料ガスセパレーター105上に設けられた燃料ガス流路104内を流れる燃料ガスへと移行する。発電に利用されなかった燃料ガスは発電反応により生じた水分を含んだ状態で燃料ガス流路104下流側に設けられた水回収部2と接する領域へと移動し、水回収部2と接する領域において固体高分子電解質膜102を介して他面に接している酸化剤ガスセパレータ107上に設けられた酸化剤ガス流路106内を流れる酸化剤ガスに内部に含んだ水分を移行させ、内部に含む水分を低下させた後、燃料ガス排出ヘッダー118へと排出される。
【0083】
同様に、酸化剤ガス供給ヘッダー119から流入した酸化剤ガスは酸化剤ガス流路106に流入し、酸化剤ガス流路106の最上流側に設けられた水回収部2に接する領域において、固体高分子電解質膜102を介して接している燃料ガス内部に含まれる水分を回収し、加湿された後、反応部1に接する領域に流入する。反応部1と接する領域で電解質部101を介して他面に接している燃料ガスセパレーター105上に設けられた燃料ガス流路104内を流れる燃料ガスと発電反応に消費される。発電に利用されなかった酸化剤ガスは発電反応により生じた水分を含んだ状態で酸化剤ガス流路106下流側に設けられた水回収部2と接する領域へと移動し、水回収部2と接する領域において固体高分子電解質膜102を介して他面に接している燃料ガスセパレータ105上に設けられた燃料ガス流路104内を流れる燃料ガスに内部に含んだ水分を移行させ、内部に含む水分を低下させた後、酸化剤ガス排出ヘッダー120へと排出される。
【0084】
このような流路構成をとることにより、燃料電池に供給する燃料ガスに外部から水分を供給することなく、燃料電池から排出される酸化剤ガスに含まれる水分を回収することで燃料ガスを加湿し、反応部1が発電反応を行う際に必要な水分を供給することが可能となる。同様に燃料電池に供給される酸化剤ガスに外部から水分を供給することなく、燃料電池から排出される燃料ガスに含まれる水分を回収することで酸化剤ガスを加湿し、反応部1が発電反応を行う際に必要な水分を供給することが可能となることで、燃料ガスへの水分の回収とあわせてより多くの水分を反応部に供給することが可能となる。また、燃料ガス流路104および酸化剤ガス流路106のもっとも結露しやすい領域である最下流側において水分を回収することで、結露による流路の閉塞を防止し、燃料電池を安定して運転することが可能となると同時に、流路閉塞に伴う圧力損失の増加を防止することが出来る。また、透過膜型加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が低下することにより結露が生じ、流路を閉塞することで圧力損失の増加を招いていたが、水回収部2を反応部1と同一面上に設けることで反応部1が発電反応を行う際に発生する熱を水回収部2にて回収し、温度を昇温させることができ、水回収部2での結露を防止し、圧力損失増加の防止および反応部1への高加湿な最適加湿ガスの供給を行うことが可能となる。さらに、水回収部2を反応部1と同一面上に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0085】
なお、本実施例においては排出燃料ガスに含まれる水分を供給酸化剤ガスに回収すると同時に排出酸化剤ガスに含まれる水分を供給燃料ガスに回収する構造としたが、どちらか一方のガスから水分を回収する構造でも良く、その作用効果に差異を生じない。また、本実施例では燃料ガスを特に限定しなかったが、内部に水素を含むガスであれば良く、純水素、水蒸気改質による改質ガスなど燃料ガスの組成による作用効果に差異を認めない。また、本実施例では酸化剤ガスを特に限定しなかったが、内部に酸素を含むガスであれば良く、純酸素や空気中に含まれる酸素など酸化剤ガスの組成による作用効果に差異を認めない。また、本実施例では透湿膜として固体高分子電解質膜を利用したが、多孔質などの水分を選択的に透過する材料であれば良く、材質の違いによる作用効果に差異を認めない。また、本実施例では単セルを構成する部材は全て平面上に構成したが曲面を有する部材で構成しても良く、その作用効果に差異を生じない。また、本実施例で述べた水分とは燃料電池が発電する際に生じる水分を含み、なお広義には供給されるガスに含まれる水分を含み、水蒸気改質による改質ガスのような供給ガス中に含まれる水分を含む。
【0086】
(実施例4)
以下、本発明の実施例4について図面を参照しながら説明する。図21に示すように、電解質部101は固体高分子電解質膜102を導電性があり触媒が塗られた拡散層103で挟みつけて構成し、電解質部101の一方に溝状の燃料ガス流路104が形成された導電性の燃料ガスセパレータ105、他方に溝状の酸化剤ガス流路106が形成された導電性の酸化剤ガスセパレータ107が配するが、ここで用いられる溝状の流路は断面図に示すように深さ1mm程の溝である。また、拡散層103の周辺はシール材108で囲まれている。
【0087】
図22に示すように、拡散層103には触媒の塗られ、発電を行う部分である反応部1と触媒を塗付せず、固体高分子電解質膜102を介して両面に接したガス間で水分の移動を行う部分である水回収部2が設けられており、反応部1と水回収部2の間はシール材108で囲まれ、両者が接触しないようにしてある。
【0088】
次に、図23に示すように電解質部101を燃料ガスセパレータ105と酸化剤ガスセパレータ107とで挟みつけて構成された単セル109a〜109jを集電板a110と集電板b111の間に積層し、これを絶縁板a112と絶縁板b113で挟み、その両端を更に端板a114と端板b115で挟みつけ積層体116を構成する。
【0089】
また、図24に示すように積層体116の角部の積層方向には端板a114から積層方向他端の酸化剤ガスセパレータ107まで貫通するように形成された燃料ガス供給ヘッダー117と、燃料ガス供給ヘッダー117の対角位置に端板b115から他端の燃料ガスセパレータ105まで貫通するように形成された燃料ガス排出ヘッダー118が設けてある。この燃料ガス供給ヘッダー117と燃料ガス排出ヘッダー118は図25および図26で示されるように、燃料ガスセパレータ105の燃料ガス流路104、燃料ガス移行流路3と酸化剤ガスセパレーター107の燃料ガス流路104の溝を介して連通されている。さらに、酸化剤ガス供給ヘッダー119が燃料ガス供給ヘッダー117同様に、酸化剤ガス排出ヘッダー120が燃料ガス排出ヘッダー118同様に設けてあり、この酸化剤ガス供給ヘッダー119と酸化剤ガス排出ヘッダー120とは図26で示されるように、酸化剤ガスセパレータ107の酸化剤ガス流路106の溝を介して連通している。
【0090】
燃料ガスセパレーター105には任意の数の燃料ガス流路104aから104jが設けられている。第一の燃料ガス流路104aは燃料ガス供給ヘッダー117から燃料ガスセパレーター105の他端まで構成された後、折れ曲がり部により再び燃料ガス供給ヘッダー117と同じ端面に設けられた燃料ガス排出ヘッダー118方向へと戻る構成をとる。この際、燃料ガス流路104aの往路104aaと復路104abはお互いに隣接する位置に設ける。さらに第二の燃料ガス流路104bはその往路104baが第一の燃料ガス流路104aの復路104abと隣接するように配置され、第一の燃料ガス流路104aと同様に燃料ガス供給ヘッダー117の他端で折れ曲がり部により燃料ガス供給ヘッダー117と同じ端面に設けられた燃料ガス排出ヘッダー方向に往路104baと隣接する位置を戻るように構成される。第三の燃料ガス流路104c以降についても第一、第二の燃料ガス流路104a、104bと同様に設けられ、燃料ガス流路104の往路と復路が交互に隣接するように構成される。燃料ガス流路104の復路は燃料ガスセパレーター105の任意の中間点に設けられた燃料ガス移行流路3に接続する構成をとる。燃料ガスセパレーター105の燃料ガス移行流路3の位置には任意の大きさの溝が設けられており、この溝に流路移行ブロック4を挿入できるようになっている。流路移行ブロック4は燃料ガスセパレータ105の燃料ガス移行流路3の位置に設けられた溝とほぼ同寸法のブロックに燃料ガス流路104と燃料ガス移行流路3に接続する溝と、溝とは垂直方向に溝部と接触するように孔を設けた形状とし、このブロックを燃料ガスセパレータ105に挿入することで燃料ガス移行流路3を形成する構造とする。
【0091】
酸化剤ガス流路106は酸化剤ガス供給ヘッダー119に連通した溝を酸化剤ガスセパレータ107に設けることにより形成し、酸化剤ガスセパレータ107の他端に形成された酸化剤ガス排出ヘッダー120に連通する。このとき、酸化剤ガスセパレータ107に形成される酸化剤ガス流路106は単セル109内において反応部1と接触する部分に設けられる。酸化剤ガスセパレータ107の酸化剤ガス流路106が形成されない部分には酸化剤ガスセパレータ107の任意の中間点に設けられた燃料ガス移行流路3と燃料ガス排出ヘッダー118を連通する燃料ガス流路104が形成される。
【0092】
燃料ガス移行流路3は反応部1と水回収部2を隔離するシール材108および固体高分子電解質膜102上の燃料ガスセパレータ105に挿入された流路移行ブロック4と酸化剤ガスセパレーター107に挿入された流路移行ブロック4を連通する位置に設けられた孔により形成され、燃料ガス供給ヘッダー117から流入した燃料ガスが燃料ガス流路104を通過した後、燃料ガス移行流路3により固体高分子電解質膜102の他の面に移行し、酸化剤ガスセパレーター107上に設けられた燃料ガス流路104を経て燃料ガス排出ヘッダー118へと流出する。
【0093】
図27に示すように、酸化剤ガス供給ヘッダー119により各単セルに供給された酸化剤ガスは酸化剤ガスセパレータ107上に形成された酸化剤ガス流路106に流入し反応部1に接する部分で発電反応に利用された後、発電反応に使用されなかった余剰酸化剤ガスは酸化剤ガス排出ヘッダー120に流入し燃料電池外部へと排出される。
【0094】
また、燃料ガス供給ヘッダー117により各単セルに供給された燃料ガスは燃料ガスセパレータ105上に設けられた燃料ガス流路104に流入し、水回収部2に接する部分で固体高分子電解質膜102を介して他の面を通過する燃料ガスから水分を回収した後、反応部1と接する部分に流入し、発電反応に利用される。発電反応に利用されなかった余剰燃料ガスは発電反応により生成した生成水を含んだ状態で燃料ガス移行流路3により固体高分子電解質膜102を介して他の面へと移行し、水回収部2に接する燃料ガス流路104へと流入した後、水回収部2に接する燃料ガス流路104上において他の面を通過する燃料ガスへと生成水を移行させ、含有する水分を低下させた後燃料ガス排出ヘッダー118へと流入した後、燃料電池外部へと排出される。
【0095】
このような流路構成を取ることにより、燃料電池に供給する燃料ガスに外部から水分を供給することなく、燃料電池から排出される燃料ガスに含まれる燃料電池内部で発電反応により生成した生成水を水回収部2により燃料電池に供給される燃料ガスへと回収することで発電反応に必要な水分を固体高分子電解質膜102へ供給すると同時に、燃料電池から排出される余剰燃料ガスに含まれる生成水が燃料ガス流路104上の最も結露しやすい領域である最下流側で結露することにより狭い流路である燃料ガス流路104を閉塞し燃料電池の電圧低下を引き起こす場合においても燃料ガスに含まれる水分を供給する燃料ガスへと回収することで結露による閉塞を防止し、燃料電池を安定して運転することが可能となることに加え、結露による閉塞に伴う圧力損失の増加を防止することが可能となる。さらに、燃料ガス流路104の往路と復路を交互に隣接させて配置することにより、比較的乾いた状態のガスが流通する往路に対して、比較的高湿なガスが流通する復路のガスから水分が拡散層103を介して移動することで燃料電池の単セル109の内部において、全体の水分を均湿な状態に保つことが可能となる。また、透過膜型加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が低下することにより結露が生じ、流路を閉塞することで圧力損失の増加を招いていたが、水回収部2を反応部1と同一セル内に設けることで反応部1が発電反応を行う際に発生する熱を水回収部にて回収し、温度を昇温させることができ、水回収部2での結露を防止し、圧力損失の増加の防止および反応部1への高加湿な最適加湿ガスの供給を行うことが可能となる。さらに、水回収部を反応部と同一面上に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。さらに、燃料ガス流路104を直接燃料ガス移行流路3に接続する構造の場合、シール材108により隔離されている反応部1と水回収部2の間で燃料ガス流路104によってシール材108を挟持することができない部分が生じ、これにより燃料ガスセパレーター105の燃料ガス流路104内を流れる燃料ガスが酸化剤ガスセパレーター107の酸化剤ガス流路106へと流入する可能性がある。これに対し、本実施例のように燃料ガス移行流路3を流路移行ブロック4を用いて構成するようにし、流路移行ブロック4の孔部をシール材108と接触させることで燃料ガス移行流路3の周辺を全周にわたって両面の燃料ガスセパレーター105および酸化剤ガスセパレーター107に挿入された流路移行ブロック4より挟持することが可能となり燃料ガス流路104から酸化剤ガス流路106への燃料ガスの漏れを防止することが可能となる。
【0096】
なお、本実施例においては排出燃料ガスに含まれる水分を供給燃料ガスに回収する構造としたが、排出酸化剤ガスに含まれる水分を供給酸化剤ガスに回収する構造でも良く、同様に酸化剤流路106においても本実施例の燃料ガス流路104同様に往路と復路を交互に配する構造として良く、その作用効果に差異を生じない。また、本実施例において、燃料ガス流路104における折れ曲がり部は一箇所としたが、燃料ガス流路104の往路と復路が交互に隣接し、燃料ガス流路104の復路が燃料ガスセパレータ105上に設けられた燃料ガス移行流路3に連通する構造であれば良く、複数の折れ曲がり部を設けた流路構成としてもその作用効果に差異を認めない。また、本実施例では燃料ガスを特に限定しなかったが、内部に水素を含むガスであれば良く、純水素、水蒸気改質による改質ガスなど燃料ガスの組成による作用効果に差異を認めない。また、本実施例では酸化剤ガスを特に限定しなかったが、内部に酸素を含むガスであれば良く、純酸素や空気中に含まれる酸素など酸化剤ガスの組成による作用効果に差異を認めない。また、本実施例では透湿膜として固体高分子電解質膜を利用したが、多孔質などの水分を選択的に透過する材料であれば良く、材質の違いによる作用効果に差異を認めない。また、本実施例では単セルを構成する部材は全て平面上に構成したが曲面を有する部材で構成しても良く、その作用効果に差異を生じない。また、本実施例で述べた水分とは燃料電池が発電する際に生じる水分をさし、なお広義には供給されるガスに含まれる水分を含み、水蒸気改質による改質ガスのような供給ガス中に含まれる水分を含む。
【0097】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば燃料電池単セル内に発電に使用される反応部と同時に発電反応によって生成された水分を燃料電池に供給するガスへと回収し、供給ガスを加湿するための水回収部を設けることで、燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給することが可能となり、燃料電池の効率を向上させることができる。これに加え、透過膜型の加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が下がることによって加湿器内部で結露が生じ、圧力損失が増加したり、結露水が燃料電池内に流入することによって燃料電池の動作が不安定になる場合があるが、水回収部を反応部と同一セル内に設けることにより反応部が発電反応を行う際に生じる熱を有効に回収することで水回収部を外部から熱を加えることなく昇温することができるため、水回収部における水分の結露を防止し、圧力損失の増加や水分の反応部への流入に伴う動作の不安定を防止することが可能となる。さらに、水回収部を反応部と同一セル内に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0098】
また他の手段は、燃料電池内で発電反応により生成した水分を燃料電池に供給する酸化剤ガスに回収することで燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給することが可能となり、燃料電池の効率を向上させることができる。これに加え、透過膜型の加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が下がることによって加湿器内部で結露が生じ、圧力損失が増加したり、結露水が燃料電池内に流入することによって燃料電池の動作が不安定になる場合があるが、水回収部を反応部と同一セル内に設けることにより反応部が発電反応を行う際に生じる熱を有効に回収することで水回収部を外部から熱を加えることなく昇温することができるため、水回収部における水分の結露を防止し、圧力損失の増加や水分の反応部への流入に伴う動作の不安定を防止することが可能となる。さらに、水回収部を反応部と同一セル内に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0099】
また他の手段は、燃料電池内で発電反応により生成した水分を燃料電池に供給する燃料ガスに回収することで燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給することが可能となり、燃料電池の効率を向上させることができる。これに加え、透過膜型の加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が下がることによって加湿器内部で結露が生じ、圧力損失が増加したり、結露水が燃料電池内に流入することによって燃料電池の動作が不安定になる場合があるが、水回収部を反応部と同一セル内に設けることにより反応部が発電反応を行う際に生じる熱を有効に回収することで、水回収部を外部から熱を加えることなく昇温することができるため、水回収部における水分の結露を防止し、圧力損失の増加や水分の反応部への流入に伴う動作の不安定を防止することが可能となる。さらに、水回収部を反応部と同一セル内に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0100】
また他の手段は、燃料電池の単セル内に発電を行う発電部と透湿膜を利用し、発電反応により生成した生成水を回収する水回収部を同時に設けることで燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給することが可能となり、燃料電池の効率を向上させることができる。これに加え、透過膜型の加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が下がることによって加湿器内部で結露が生じ、圧力損失が増加したり、結露水が燃料電池内に流入することによって燃料電池の動作が不安定になる場合があるが、水回収部を反応部と同一セル内に設けることにより反応部が発電反応を行う際に生じる熱を有効に回収することで、水回収部を外部から熱を加えることなく昇温することができるため、水回収部における水分の結露を防止し、圧力損失の増加や水分の反応部への流入に伴う動作の不安定を防止することが可能となる。さらに、水回収部を反応部と同一セル内に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0101】
また他の手段は、燃料電池における発電反応を行う反応部と同一面上に発電反応によって生成した水分を含んだ排出ガスから透湿膜を介して供給ガスへと水分を回収するための水回収部を設けるとともに、前記供給ガスと前記排出ガスの流れ方向を対向するようにし、前記排出ガスを前記ガス流路を形成するセパレーター上の任意の位置で前記透湿膜の反対の面に移行させるための移行流路を設け前記透湿膜の両面において前記供給ガスと前記排出ガスを接触させる構造とし、前記排出ガスに含まれる水分を前記供給ガスへと回収することで燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給することが可能となり、燃料電池の効率を向上させることができる。これに加え、透過膜型の加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が下がることによって加湿器内部で結露が生じ、圧力損失が増加したり、結露水が燃料電池内に流入することによって燃料電池の動作が不安定になる場合があるが、水回収部を反応部と同一面上に設けることにより反応部が発電反応を行う際に生じる熱を有効に回収することで、水回収部を外部から熱を加えることなく昇温することができるため、水回収部における水分の結露を防止し、圧力損失の増加や水分の反応部への流入に伴う動作の不安定を防止することが可能となる。さらに、水回収部を反応部と同一面上に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0102】
また他の手段は、供給ガスと排出ガスを対向した流れとするためにガス流路の少なくとも一ヶ所以上に折れ曲がり部を設けることで水回収部における供給ガスと排出ガスの流れ方向を対向するようにし、水回収部における水分の回収を効率良く行うことが可能となる。
【0103】
また他の手段は、供給ガスと排出ガスを対向した流れとするためにガスを供給するためのガス供給部およびガスを流通させるためのガス流路を複数設けることで水回収部における供給ガスと排出ガスの流れ方向を対抗するようにし、水回収部における水分の回収を効率良く行うことが可能となる。
【0104】
また他の手段は、排出ガス中に含まれる水分を供給される燃料ガスに回収することで燃料ガスを加湿し、電解質が発電を行う際に必要となる水分を供給することが可能となる。
【0105】
また他の手段は、排出ガス中に含まれる水分を供給される酸化剤ガスに回収することで酸化剤ガスを加湿し、電解質が発電を行う際に必要となる水分を供給することが可能となる。
【0106】
また他の手段は、水回収を行う水回収部を2ヵ所以上に設けることで水分の回収をより効率良く行うことが可能となる。
【0107】
また他の手段は、排出される燃料ガスに含まれる水分を供給する燃料ガスに回収すると同時に、排出される酸化剤に含まれる水分を供給する酸化剤に回収することでより多くの水分を回収することができる。
【0108】
また他の手段は、燃料ガスを透湿膜を介して他の面に移行させるための移行流路について、移行流路を形成する際に、ガス流路を形成するセパレータに移行流路を形成するための移行流路形成ブロックを挿入することで移行流路を形成する構造とし、移行流路におけるガスの漏れを最小限にとどめることができる。
【0109】
また他の手段は、水回収部を構成する透湿膜を反応部に用いている電解質と同じ材質で構成することにより、簡単な構成で効率良く水分を回収することが可能となる。
【0110】
また他の手段は、反応に利用する2種類のガスをお互いに対向するように流入させ、反応部と同一面上の一方のガスの最上流側、もう一方のガスの最下流側に水回収部を設けることで、一方の排出されるガスに含まれる水分を他方の供給されるガスへと回収し、燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給することが可能となり、燃料電池の効率を向上させることができる。これに加え、透過膜型の加湿器を別途設けた場合、加湿器内部でガスの温度が下がることによって加湿器内部で結露が生じ、圧力損失が増加したり、結露水が燃料電池内に流入することによって燃料電池の動作が不安定になる場合があるが、水回収部を反応部と同一面上に設けることにより反応部が発電反応を行う際に生じる熱を有効に回収することで、水回収部を外部から熱を加えることなく昇温することができるため、水回収部における結露を防止し、圧力損失の増加や水分の反応部への流入に伴う動作の不安定を防止することが可能となる。さらに、水回収部を反応部と同一面上に設けることで加湿器を別途設けた場合に生じる加湿器流入時の分流に伴う圧力損失をなくすことが可能となり、燃料電池にガスを供給する供給機器の動力を低減することができ、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0111】
また他の手段は、排出される燃料ガスに含まれる水分を供給される酸化剤ガスへと回収することで酸化剤ガスを加湿し、燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給し、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0112】
また他の手段は、排出される酸化剤ガスに含まれる水分を供給される燃料ガスへと回収することで燃料ガスを加湿し、燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給し、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
【0113】
また他の手段は、水回収部を一方のガス流路の最上流側を含む少なくとも2ヵ所以上に設けることで水分の回収をより効率良く行うことが可能となる。
【0114】
また他の手段は、排出される酸化剤ガスに含まれる水分を供給される燃料ガスに回収すると同時に排出される燃料ガスに含まれる水分を供給される酸化剤ガスに回収することでより多くの水分を回収することができる。
【0115】
また他の手段は、水回収部を構成する透湿膜を反応部に用いている電解質と同じ材質で構成することで、簡単な構成で効率良く水分を回収することが可能となる。
【0116】
また他の手段は、ガス流路を複数設け、それぞれのガス流路に少なくとも一ヶ所以上の折れ曲がり部をもうけるとともに、ガスの往路と復路が交互に配されるようにガス流路を配置することで、比較的多くの水分を含んだ復路側のガスから比較的乾いた状態の往路側のガスへ電解質部を構成する拡散層を通して水分を移行させることでセル内における水分の分布を均湿な状態に保つことが可能となる。これにより、セル内での発電反応のばらつきが無くなり、安定した発電を行うことが可能となる。
【0117】
また他の手段は、燃料電池の発電を行う発電部と同一面上に透湿膜を利用し、発電反応により生成した生成水を回収する水回収部を設けることで燃料電池が発電する際に必要となる水分を外部から供給することなく供給することが可能となり、燃料電池の効率を向上させることができると同時に燃料電池内を均湿な状態に保つことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における単セルの断面図
【図2】実施例1における電解質部を示す図
【図3】実施例1における積層体を示す図
【図4】実施例1におけるガス供給および排出ヘッダーを示す図
【図5】実施例1における燃料ガスセパレーターを示す図
【図6】実施例1における酸化剤ガスセパレーターを示す図
【図7】実施例1における燃料ガスおよび酸化剤ガスの移動経路の模式図
【図8】実施例2における単セルの断面図
【図9】実施例2における電解質部を示す図
【図10】実施例2における積層体を示す図
【図11】実施例2におけるガス供給および排出ヘッダーを示す図
【図12】実施例2における燃料ガスセパレーターを示す図
【図13】実施例2における酸化剤ガスセパレーターを示す図
【図14】実施例2における燃料ガスおよび酸化剤ガスの移動経路の模式図
【図15】実施例3における単セルの断面図
【図16】実施例3における電解質部を示す図
【図17】実施例3における積層体を示す図
【図18】実施例3におけるガス供給および排出ヘッダーを示す図
【図19】実施例3における燃料ガスセパレーターを示す図
【図20】実施例3における酸化剤ガスセパレーターを示す図
【図21】実施例4における単セルの断面図
【図22】実施例4における電解質部を示す図
【図23】実施例4における積層体を示す図
【図24】実施例4におけるガス供給および排出ヘッダーを示す図
【図25】実施例4における燃料ガスセパレーターを示す図
【図26】実施例4における酸化剤ガスセパレーターを示す図
【図27】実施例4における燃料ガスおよび酸化剤ガスの移動経路の模式図
【図28】従来例における単セルの断面図
【図29】従来例における積層体を示す図
【図30】従来例におけるガス供給および排出ヘッダーを示す図
【図31】従来例における燃料ガスセパレーターを示す図
【図32】従来例における酸化剤ガスセパレーターを示す図
【符号の説明】
1 発電部
2 水回収部
3 燃料ガス移行流路
4 流路移行ブロック
101 電解質部
102 固体高分子電解質膜
103 拡散層
104 燃料ガス流路
105 燃料ガスセパレーター
106 酸化剤ガス流路
107 酸化剤ガスセパレーター
108 シール材
109 単セル
110 集電板a
111 集電板b
112 絶縁板a
113 絶縁板b
114 端板a
115 端板b
116 積層体
117 燃料ガス供給ヘッダー
118 燃料ガス排出ヘッダー
119 酸化剤ガス供給ヘッダー
120 酸化剤ガス排出ヘッダー

Claims (6)

  1. ガスを利用した電気化学反応によって発電を行うセルを備えた燃料電池において、
    前記セル内に発電反応を行う電解質の両面に発電反応を行うための触媒を設けた領域である反応部と、
    透湿膜を介して接する前記供給燃料ガスと前記排出燃料ガスの間で前記排出燃料ガス中に含まれる水分を移動させる領域である水回収部と、
    発電反応に利用されなかった余剰の前記供給燃料ガスを前記透湿膜の反対の面の燃料ガス流路に移行させるための移行流路を有し、前記移行流路は前記電解質を貫通する孔により形成され、
    前記供給燃料ガスと前記移行流路を介して前記燃料ガス流路に流入した前記排出燃料ガスの流れ方向は対向しており、前記反応部の発電反応により生成し、かつ、前記排出燃料ガスに含まれる水分は、前記回収部を介して前記供給燃料ガスへと回収されることを特徴とする燃料電池。
  2. ガスを利用した電気化学反応によって発電を行うセルを備えた燃料電池において、
    前記セル内に発電反応を行う電解質の両面に発電反応を行うための触媒を設けた領域である反応部と、
    透湿膜を介して接する前記供給酸化剤ガスと前記排出酸化剤ガスの間で前記排出酸化剤ガス中に含まれる水分を移動させる領域である水回収部と、
    発電反応に利用されなかった余剰の前記供給酸化剤ガスを前記透湿膜の反対の面の酸化剤ガス流路に移行させるための移行流路を有し、前記移行流路は前記電解質を貫通する孔により形成され、
    前記供給酸化剤ガスと前記移行流路を介して前記酸化剤ガス流路に流入した前記排出酸化剤ガスの流れ方向は対向しており、前記反応部の発電反応により生成し、かつ、前記排出酸化剤ガスに含まれる水分は、前記回収部を介して前記供給酸化剤ガスへと回収されることを特徴とする燃料電池。
  3. 水分の回収を行う水回収部を少なくとも2ヶ所以上に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
  4. 水分の回収において、燃料ガスの供給側と排出側で水分の回収を行うと同時に、酸化剤ガスの供給側と排出側で水分の回収を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
  5. 排出ガスを移行させるための移行流路について、前記移行流路がガス流路を形成するセパレーターとは独立して設けられた移行流路ブロックを前記セパレーター内に挿入することで形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
  6. 水分の回収を行う水回収部を構成する透湿膜が発電反応を行う電解質と同じ材質であることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
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