JPH09283162A - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents

固体高分子型燃料電池

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JPH09283162A
JPH09283162A JP8090750A JP9075096A JPH09283162A JP H09283162 A JPH09283162 A JP H09283162A JP 8090750 A JP8090750 A JP 8090750A JP 9075096 A JP9075096 A JP 9075096A JP H09283162 A JPH09283162 A JP H09283162A
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JP
Japan
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gas
anode
electrolyte membrane
fuel cell
cathode
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Application number
JP8090750A
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English (en)
Inventor
Yasuaki Hasegawa
泰明 長谷川
Shogo Watanabe
正五 渡辺
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】燃料電池全体の水分の給排制御を適正に行な
い、装置の大型化を抑制し、燃料電池の性能を高める。 【解決手段】固体分子電解質膜と、その一方の側に配置
されるアノード電極と他方の側に配置されるカソード電
極とからなる電解質膜−電極接合体と、該電解質膜−電
極接合体の一方の側にアノード側ガスを供給するための
アノードガス通路と、前記電解質膜−電極接合体の他方
の側にカソード側ガスを供給するためのカソードガス通
路とを備えた固体高分子型燃料電池において、前記アノ
ードガス通路とカソードガス通路とが前記電解質膜−電
極接合体を挟んで対峙する位置関係で設けられ、かつア
ノードガスとカソードガスとがそれぞれ通路内を並行し
て流通するように構成された、固体高分子型燃料電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体高分子型燃料電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子型燃料電池は、一般的に、水
素イオン伝導性の固体高分子を白金触媒を担持したカー
ボン電極で挟み込んで構成される発電素子(セル)すな
わち固体高分子電解質膜−電極接合体の電極面にそれぞ
れの反応ガスを供給するためのガス通路を画成するとも
に、セルを両側から支持するガス分離部材とを積層した
構造を有する。そして、一方の電極に水素ガス等の燃料
ガスを供給し、他方の電極に酸素あるいは空気等の酸化
剤ガスを供給して、燃料ガスの酸化還元反応にかかる化
学エネルギーを直接電気エネルギーとして抽出するよう
になっている。この場合上記のようにセルが積層される
ことによって構成される燃料電池は、各セルの電極面へ
のガス供給のためにセルの積層方向に延びるガス通路を
備えており、このセル積層方向に延びるガス通路は各セ
ルの電極面上のガス通路へのガス供給口及び該電極面上
のガス通路からのガス排出口を構成する。このガスの供
給、排出口はセルの端部付近に設けられる。そして、反
応ガスは電極によって隔離された状態で、電極のそれぞ
れの側で酸化及び還元反応を行いつつそれぞれの電極面
上を流通するようになっている。
【0003】特開平5−94831号公報には、一方の
電極面上を流通する水素とその反対側の面を流通する酸
素が直交する方向に流れるように構成した燃料電池が開
示されている。反応ガスの各電極面での流れパターン
は、上記公報に開示される以外にも知られている。燃料
電池を構成する各セル内において、電子は、外部負荷を
通ってカソード側に移動し、酸素と反応して水を生成す
る一連の電気化学反応による電気エネルギーを取り出す
ことができるものである。固体高分子電解質膜中では水
素イオンが移動するため固体高分子電解質膜が乾燥して
しまうと、イオン伝導率が低下し、エネルギー変換効率
が低下してしまう。よって良好なイオン伝導を保つため
に固体高分子電解質膜に水分を供給する必要がある。
【0004】
【解決しようとする課題】従来の固体高分子型燃料電池
においては、高い反応速度を維持するために上記の水分
の補給を専ら電極反応が生じるセルの外部に設けられた
加湿装置によって行なうようになっている。しかし、反
応ガスの加湿を加湿装置に専ら依存させる構成では、装
置の大型化は免れない。上記のように燃料電池におい
て、水分はアノード電極側、カソード電極側の両方で必
要となるが、カソード電極側では、電極反応によって水
が生成する。この生成水はそのまま電極面に止まるとそ
の後のカソード電極反応を阻害するので、、適当な手段
によって電極面から排除する必要がある。一方、アノー
ド電極側では電極反応を適正に継続させるためには、水
素ガスを湿潤状態に維持する必要がある。従来では、こ
のような燃料電池の全体のシステムにおいて水分の制御
をトータル的に対策したものはない。本発明はこのよう
な観点で構成されたもので、燃料電池全体の水分の給排
制御を適正に行なうことによって、装置の大型化を抑制
しつつ燃料電池の性能の向上を図ることを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は以下のように構成される。すなわち、本発
明にかかる固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質
膜と、該固体高分子電解質膜の一方の側に配置されるア
ノード電極と他方の側に配置されるカソード電極とから
なる電解質膜−電極接合体と、該電解質膜−電極接合体
の一方の側にアノード側ガスを供給するためのアノード
ガス通路と、前記電解質膜−電極接合体の他方の側にカ
ソード側ガスを供給するためのカソードガス通路とを備
えた固体高分子型燃料電池において、前記アノードガス
通路とカソードガス通路とが前記固体高分子電解質膜を
挟んで対峙する位置関係で設けられ、かつアノードガス
とカソードガスとがそれぞれの通路内を並行して流通す
るように構成したことを特徴とする。この場合、前記電
解質膜−電極接合体は、ほぼ矩形形状の膜であって、上
記アノードガスとカソードガスの各通路に対する出入口
が平面視において上記電解質膜−電極接合体の対角位置
に設けられるとともに、前記アノードガス通路とカソー
ドガス通路は前記電解質膜−電極接合体上においてそれ
ぞれの入口から螺旋状を描いて延びるように形成されて
おり、該アノード及びカソードガス通路は途中で反転
し、螺旋状を描いてそれぞれの出口に連通しているのが
好ましい。
【0006】さらに、別の態様では、前記電解質膜−電
極接合体は、ほぼ矩形形状の膜であって、上記アノード
ガスとカソードガスの各通路に対する出入口が平面視に
おいて上記電解質膜−電極接合体の対角位置に設けられ
るとともに、前記アノードガス通路とカソードガス通路
は前記電解質膜−電極接合体上においてそれぞれの入口
から蛇行しつつ延びてそれぞれの出口に連通させるよう
にすることもできる。さらに本発明の特徴によれば、ア
ノードガスを加湿するアノードガス加湿手段と、カソー
ドガスを加湿するカソードガス加湿手段と、をそれぞれ
独立に備え、上記アノードガス加湿手段はアノードガス
の湿度がカソードガスの湿度よりも相対的に高くなるよ
うに動作する。前記アノードガス加湿手段がアノードガ
ス通路にミスト状の水分供給手段を設けることによって
アノードガスが過飽和状態となるように加湿するように
してもよい。
【0007】好ましい態様では、前記固体高分子電解質
膜の厚さが約50μm以下となるように構成される。さ
らに本発明の別の特徴によれば、固体高分子電解質膜
と、該固体高分子電解膜の一方の側にアノード側ガスを
供給するためのアノードガス通路と、前記固体高分子電
解質膜の他方の側にカソード側ガスを供給するためのカ
ソードガス通路と、アノードガスを加湿するアノードガ
ス加湿手段と、カソードガスを加湿するカソードガス加
湿手段と、を備え、上記アノードガス加湿手段は、アノ
ードガス通路にミスト状の水分供給手段を設けることに
よってアノードガスが過飽和状態となるように加湿し
て、アノードガスの湿度がカソードガスの湿度よりも相
対的に高くなるように動作する。また、アノード側加湿
部の水温を燃料電池内部の温度より高い温度に維持する
ようにしてもよい。また、アノードガスの循環量を電極
反応に必要な化学量論量の2〜10倍にすることによっ
て所望のアノード電極側の湿潤状態を確保するようにし
ても良い。
【0008】好ましい態様では、低負荷領域においてア
ノードガスへの水分の供給量を増大するようになってい
る。
【0009】
【発明の実施の形態】上記したように高分子電解膜の水
素イオン伝導を良好に保ち、かつ電気化学反応の活性を
高く維持するためには、供給ガスの湿度を高くする必要
がある。本発明の第1の特徴によれば、アノード電極側
において所望の水分を確保するためにカソード電極側で
発生した生成水を固体高分子電解質膜の浸透性を利用し
てアノード電極側に移動させるように構成している。こ
れによってアノード電極側では反応ガスに水分を供給し
て反応を円滑に行わせることができるとともに、カソー
ド電極側では、有効に生成水を排除できるという、一石
二鳥の効果がある。本発明の第2の特徴によれば、アノ
ード電極側に対して、カソード電極側に比して多量の水
分を補給するように構成している。これを実現するため
に様々な態様が考えられる。アノードガス通路に直接超
音波加湿器等の直接加湿手段を設けること、アノードガ
スの循環量を増大させることによってアノードガス中の
水分の絶対量を増大させること、アノードガス通路の温
度をカソードガス通路よりも高く維持して高湿度状態を
確保する等である。このようにアノード電極側及びカソ
ード電極側の水分量を制御することにより高い反応活性
を維持することができ、燃料電池性能を向上させること
ができるものである。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1には、本発明を適用することができる燃料電池システ
ム10のブロックチャートが示されている。本例におい
ては、アノードガスとして水素が用いられ、カソードガ
スとして空気が使用される。水素ガスは水素貯蔵タンク
11に貯蔵されており、該水素貯蔵タンク11から流量
・圧力制御装置13を経由して所定の圧力、所定の流量
に制御された後加湿装置14に導入され、その後、本発
明にかかる固体高分子型燃料電池1に導入されるように
なっている。また、空気は、空気コンプレッサ15によ
って圧縮され、水素ガスと同様に流量・圧力制御装置1
6を経由して加湿装置17に導入され、加湿された後燃
料電池1の内部に導入されるようになっている。そし
て、スタック構造の燃料電池1内には、加湿部17を介
して冷却水を供給するための冷却水用ポンプ18が設け
られる。そして、燃料電池1の出口側には放熱器19が
設けられる。
【0011】さらに、加湿部への水の供給温度を制御で
きるようにするためにライン20、21にラインヒータ
22、23とがそれぞれ設けられる。さらに、本例の燃
料電池システム10は、水タンク24を備えており、こ
の水タンク24はそれぞれの水ライン21、22に組み
込まれており、水タンク24はアノード側とカソード側
の加湿器の水供給系に共通になっている。水タンク24
内の水温はヒータ25によって所定温度の制御されるよ
うになっている。燃料電池からの空気は、水凝縮器26
によって水分を除去し、かつ、圧力制御弁27によって
所定圧力まで圧力低下させた後、排気されるようになっ
ている。一方、燃料電池内を循環した後、該電池から排
出された水素ガスは、水素循環ポンプ28に導入され、
流量・圧力制御装置13に導入されて、再び燃料電池1
に導入されるようになっている。図2を参照すると、本
例の燃料電池の発電素子すわなちセルの構造及び作動原
理を示す説明図が示されている。図2において、本例の
燃料電池の構成単位となる発電素子(セル)1は中央に
固体高分子電解質膜2を備えその一方の側に燃料として
の水素が供給される酸化電極すなわちアノード電極3、
他方の側に還元反応用の酸素源としての空気が供給され
る還元極すなわちカソード電極4を備える基本構造にな
っている。
【0012】アノード電極3は、カーボンクロス31、
その内側に拡散層32さらにその内側に触媒層33を積
層して接合することによって構成されている。そして、
アノード電極3の外側には、ガスの分離及び発電した電
力の集電機能を有する溝付ガス分離板30が設けられて
いる。そして、アノード電極3と溝付ガス分離板30と
でアノード電極側接合体が構成される。溝付ガス分離板
30は、内部を燃料ガスである水素ガスがプロトンH+
を電解質膜側に供給しつつ流通するアノードガス通路3
4を画成するための溝を備えている。カーボンクロス3
1の拡散層32との面接触部は、水素分子から発生する
電子を集電する集電部を構成する。カソード電極側も同
様な構成になっており、カーボンクロス41、拡散層4
2、触媒層43の積層接合構造を有する。そしてカーボ
ンクロス41の外側には溝付ガス分離板40を備えてお
り、酸素ガスが外部に漏れ出ないようにまた、カーボン
クロス表面を屈曲しつつ延びる溝をガスがショートパス
しないように分離を行なう役割をもつ。
【0013】そして、溝付ガス分離板40は、電解質膜
側からのプロトンH+ と接触して水を生成する酸素を流
通させるカソードガス通路44を画成する約1mm程度
の深さを有する溝を有している。そして、カソード電極
4と溝付ガス分離板40とでカソード側電極接合体が構
成される。上記構成によって図2に概念的に示すように
アノード側から電解質膜2を介して移動してきたプロト
ンすなわちH+ とアノード電極3において集電されて外
部仕事をして外部回路を経由してカソード電極4に供給
される電子とのカソード電極側で結合される。すなわち
アノード電極側では、水素分子が電子を奪われることに
よってプロトンH+ が発生し、カソード電極側では、電
解質膜2を介して伝導されたプロトンH+ と外部負荷を
有する外部回路からの電子とカソードガス通路から供給
される酸素分子とが反応して水分子が生成する。図3を
参照すると、本発明にかかるセル1におけるガス通路パ
ターンが平面図の形態で示されている。本例の固体高分
子型燃料電池は、固体高分子電解質膜と、該固体高分子
電解質膜の一方の側に配置されるアノード電極と他方の
側に配置されるカソード電極とからなる電解質膜−電極
接合体が構成されるとともに、該電解質膜−電極接合体
の一方の側にアノード側ガスを供給するためのアノード
ガス通路と、前記電解質膜−電極接合体の他方の側にカ
ソード側ガスを供給するためのカソードガス通路とを備
えている。そして、アノードガス通路とカソードガス通
路とは前記固体高分子電解質膜を挟んで対峙する位置関
係で設けられている。そして、本例のセル1において
は、アノードガスとカソードガスとはそれぞれの通路内
を電解質膜−電極接合体を挟んで並行して流れる構造に
なっている。該電解質膜−電極接合体は、ほぼ矩形形状
を成しており、水素ガスと空気の入口50、51及び出
口52、53が平面視において上記電解質膜−電極接合
体の対角位置に設けられるとともに、前記アノードガス
通路54、55とカソードガス通路は前記電解質膜−電
極接合体上においてそれぞれの入口50、51から螺旋
状を描いて延びている。そして、該水素ガス及び空気通
路54、55は本例ではほぼ電解質膜−電極接合体の中
央部において、反転して螺旋状を描いてそれぞれの出口
52、53に向かって延びている。
【0014】図4を参照すると、別のガス通路パターン
が示されている。本例においても、上記の例と同様に、
水素ガス通路54、55及び空気通路とは電解質膜−電
極接合体を挟んで対峙する関係になっており、それぞれ
におけるガスは並行に流れるようになっているととも
に、ガスの出入口50、51、52、53も矩形上の電
解質膜−電極接合体の対角位置に設けられる点で同じで
ある。しかし本例のガス通路パターンは図において左右
に蛇行しつつ上方から下方に向かって延びている。図3
及び図4に示すように本発明によれば、両反応ガス通路
54、55は、電解質膜−電極接合体を挟んで対向する
位置関係になっており、両反応ガスは、電解質膜−電極
接合体を挟んで並行に流れるようになっている。図5を
参照すると、アノード電極側及びカソード電極側の水分
量がガスの入口から出口にかけてどのように変化するか
が概念的に示されている。図5において、電解質膜−電
極接合体の上方がアノード電極側の水分変化を示し下方
はカソード電極側の水分変化を示す。カソード電極側の
水分は水素ガスに同伴する水分量は入口側から出口側に
向かって徐々に減少する。この理由は、アノード電極側
ではプロトンH+ が水分子を伴って電解質膜−電極接合
体を介してカソード電極側に移動するためである。この
ためアノード電極側では、水素ガスを水分量を入口側に
おいてカソード電極側の空気の水分よりも高くなるよう
に設定する。一方、カソード電極では、電解質膜−電極
接合体内を移動してきたプロトンH+ と外部回路から供
給される電子とが結合する還元反応が起こり、これにと
もなって水が生成する。このためカソード電極では入口
から出口側に向かって空気が流通するのに応じて、水分
量は徐々に増大する。
【0015】したがって、セルの動作を考慮した上での
燃料電池システム全体の水分の物質収支は、アノード電
極側では反応ガスが入口側から出口側に移動するにした
がって、水分が消費され、カソード電極側では、アノー
ド側からのプロトンH+ の移動に伴う水分子の移動及び
還元反応による水の発生によって水分が増加する。した
がって、アノード電極側では、水の供給が必要となり、
カソード電極側では水の排出が肝要となる。このことに
鑑み、本発明では、電解質膜−電極接合体を介しての水
分の物質移動を考慮した上で、燃料電池全体の水分制御
システムを確立している。本発明の1つの特徴によれ
ば、本発明では上記のように水素ガスと酸素ガスの供給
源である空気の流路を電解質膜−電極接合体を挟んで対
峙させて構成するとともに両ガスを並行して流すように
して、アノード電極側とカソード電極側との水分の物質
移動が促進されるように構成している。さらに、本発明
では、セルに導入されるアノードガスの湿度をカソード
ガスの湿度よりも高く維持することにより水浸透性を有
する電解質膜−電極接合体の両側に水分の濃度差を与え
電極反応がそれほど進行していない入口付近において
は、アノードガス通路側からカソードガス通路側への水
分の拡散移動が促進されるように構成している(図5の
矢印Aを参照)。通路の出口側に向かって反応が進行す
るにつれて、上記のようにアノード電極側では水分を消
費し、カソード電極側では水分が増加するので、出口側
付近では水分の濃度差は入口側と逆転し、電解質膜−電
極接合体を介してカソード電極側からアノード電極側に
向かって水分が拡散移動することとなる(図5の矢印B
を参照)。
【0016】したがって、全体のシステムとして上記の
水分の物質収支を考えると、上記のように電解質膜−電
極接合体を介しての水分移動は両電極面における濃度差
を解消するように生じるので、アノード電極及びカソー
ド電極のいずれの側においても入口から出口側にへの連
続したガス通路の全長にわたって水分量の変化勾配を最
小化することができる。この結果、アノード電極側で
は、出口側における水分の消費による水分不足が解消さ
れ、カソード電極側では、水分増加によるフラッディン
グの問題を有効に解消することができる。アノード電極
側の水分量をカソード電極側よりも高く維持するため
に、本例では、アノード電極側の加湿器の温度をセルの
運転温度(約80℃)よりも約10℃高い約90℃で運
転する。90℃における水素ガス中の飽和水蒸気量は8
0℃における水素ガス中の飽和水蒸気量の約2倍となる
ので、供給水素ガスの温度を高く維持した状態で加湿す
ることはセル内への同伴水分量を増加させるために有効
である。また、別の例では、水素の循環量を反応に必要
な理論量の2乃至10倍程度とすし、通常の1.5倍程
度以上とすることによって同伴水分量を増大させる。
【0017】一方、カソード電極側の湿度はカソード電
極側よりも相対的に低く抑える。この目的のために、本
例では、カソード電極側の温度をセル温度と同じ約80
℃に制御する。また反応ガス中水分量を増大させるため
にたとえば、超音波加湿器のようなミスト発生器を加湿
器に設置し、強制的に水蒸気を供給ガスに導入して過飽
和状態で供給することもできる。さら、水分量の制御に
おいて、低負荷状態において水分量を増大させることが
好ましく、これによって分極を抑制しつつセル電位を高
めることができる。
【0018】
【発明の効果】上記したように、本発明によれば、固体
高分子電解膜燃料電池において、電解質膜−電極接合体
の水分の浸透性を利用してアノード電極側及びカソード
電極の両方の水分量を制御するようにしたので、水分制
御をコンパクトに行なうことができるとともに、カソー
ド電極側の生成水の処理を同時に行なうことができ、燃
料電池の発電性能を良好に維持することができる。さら
に、本発明では、アノードガスとカソードガスの湿度を
それぞれ独立して行なうようにしたので、異なる特質を
有するアノード電極とカソード電極側のそれぞれの必要
性に対応した適正な制御を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用することができる燃料電池制御シ
ステムのブロックチャート、
【図2】本発明の1実施例にかかる固体高分子型燃料電
池の電解質膜−電極接合体の動作原理を示す概略断面
図、
【図3】電解質膜−電極接合体におけるガス流路パター
ンを示す平面図、
【図4】電解質膜−電極接合体の別のガス流路パターン
を示す平面図、
【図5】ガス流路全長にわたるアノード電極側及びカソ
ード電極側の水分量の変化状態を示す概念図である。
【符号の説明】
1 固体高分子型燃料電池 2 固体高分子電解質膜 3 アノード電極 4 カソード電極 30 溝付ガス分離板 31 カーボンクロス 32 拡散層。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体高分子電解質膜と、該固体高分子電
    解質膜の一方の側に配置されるアノード電極と他方の側
    に配置されるカソード電極とからなる電解質膜−電極接
    合体と、 該電解質膜−電極接合体の一方の側にアノード側ガスを
    供給するためのアノードガス通路と、 前記電解質膜−電極接合体の他方の側にカソード側ガス
    を供給するためのカソードガス通路とを備えた固体高分
    子型燃料電池において、 前記アノードガス通路とカソードガス通路とが前記電解
    質膜−電極接合体を挟んで対峙する位置関係で設けら
    れ、かつアノードガスとカソードガスとがそれぞれの通
    路内を並行して流通するように構成されたことを特徴と
    する固体高分子型燃料電池。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記電解質膜−電極
    接合体は、ほぼ矩形形状の膜であって、 上記アノードガスとカソードガスの各通路に対する出入
    口が平面視において上記電解質膜−電極接合体の対角位
    置に設けられるとともに、 前記アノードガス通路とカソードガス通路は前記電解質
    膜−電極接合体上においてそれぞれの入口から螺旋状を
    描いて延びるように形成されており、該アノード及びカ
    ソードガス通路は途中で反転し、螺旋状を描いてそれぞ
    れの出口に連通していることを特徴とする固体高分子型
    燃料電池。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記電解質膜−電極
    接合体は、ほぼ矩形形状の膜であって、 上記アノードガスとカソードガスの各通路に対する出入
    口が平面視において上記電解質膜−電極接合体の対角位
    置に設けられるとともに、 前記アノードガス通路とカソードガス通路は前記電解質
    膜−電極接合体上においてそれぞれの入口から蛇行しつ
    つ延びてそれぞれの出口に連通していることを特徴とす
    る固体高分子型燃料電池。
  4. 【請求項4】 請求項1において、アノードガスを加湿
    するアノードガス加湿手段と、 カソードガスを加湿するカソードガス加湿手段と、 をそれぞれ独立に備え、 上記アノードガス加湿手段はアノードガスの湿度がカソ
    ードガスの湿度よりも相対的に高くなるように動作する
    ことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  5. 【請求項5】 請求項1または4において、前記アノー
    ドガス加湿手段がアノードガス通路にミスト状の水分供
    給手段を設けることによってアノードガスが過飽和状態
    となるように加湿するようになったことを特徴とする固
    体高分子型燃料電池。
  6. 【請求項6】 請求項1において、前記固体高分子電解
    質膜の厚さが約50μm以下であることを特徴とする固
    体高分子型燃料電池。
  7. 【請求項7】 固体高分子電解質膜と、 該固体高分子電解膜の一方の側にアノード側ガスを供給
    するためのアノードガス通路と、 前記固体高分子電解質膜の他方の側にカソード側ガスを
    供給するためのカソードガス通路と、 アノードガスを加湿するアノードガス加湿手段と、 カソードガスを加湿するカソードガス加湿手段と、 を備え、 上記アノードガス加湿手段は、アノードガス通路にミス
    ト状の水分供給手段を設けることによってアノードガス
    が過飽和状態となるように加湿して、アノードガスの湿
    度がカソードガスの湿度よりも相対的に高くなるように
    動作することを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  8. 【請求項8】 請求項7において、アノード側加湿部の
    水温を燃料電池内部の温度より高い温度に維持すること
    を特徴とする固体高分子型燃料電池。
  9. 【請求項9】 請求項7において、アノードガスの循環
    量を電極反応に必要な化学量論量の2〜10倍にするこ
    とを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至9において、低負荷領域
    においてアノードガスへの水分の供給量を増大すること
    を特徴とする固体高分子型燃料電池。
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