JP4553976B2 - 燃料電池用セパレータ及びそれを備える燃料電池 - Google Patents

燃料電池用セパレータ及びそれを備える燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池用セパレータ及びそれを備える燃料電池、特に燃料電池用セパレータの構造に関する。
高分子電解質形燃料電池(以下、PEFCという)は、水素が含有された燃料ガスと空気等の酸素が含有された酸化剤ガスとを電気化学反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させるものである。PEFCの単電池(セル)は、高分子電解質膜及び一対のガス拡散電極(アノード及びカソード)から構成されるMEA(Membrane−Electrode−Assembly)と、ガスケットと、導電性の板状のセパレータと、を有している。そして、PEFCは、一般的には、このセルを複数積層し、積層されたセルの両端を端板で挟み、該端板とセルとを締結具により締結することにより、形成されている。
ところで、セパレータの主面には、燃料ガス又は酸化剤ガス(これらを反応ガスという)を供給し、排出するためのマニホールドを形成するマニホールド孔(反応ガス供給用マニホールド孔と反応ガス排出用マニホールド孔)が設けられており、ガス拡散電極と当接する主面には、反応ガスが通流する溝状の反応ガス流路がこれらのマニホールド孔と連通するように設けられている。
そして、この反応ガス流路を反応ガスが通流する間に、反応ガスがMEAに供給され、MEAの内部において、電気化学反応により消費される。このため、反応ガス流路の下流部では、ガスが消費されることによって、水素、又は酸素濃度が低下してしまう。その結果、ガス濃度の低い反応ガス流路の下流部領域では、発電量が低下し、セル面内においてガス濃度に応じた発電分布が形成されてしまうという問題があった。
このような問題に対して、ガス流路の形状を工夫して、セル面内でのガス濃度の均一化を図ることによって、発電効率を高めた燃料電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。図22は、特許文献1に開示されている燃料電池におけるセパレータの主面の概略構成を示す模式図である。
図22に示すように、特許文献1に開示されている燃料電池におけるセパレータ200では、複数本(図22においては、3本)の流体通路201〜203(反応ガス流路)が、入口(反応ガス供給用マニホールド孔)211とその上流端が連通する略L字状の上流部と、出口(反応ガス排出用マニホールド孔)212とその下流端が連通する下流部と、上流部の下流端と下流部の上流端とを接続する中流部と、から構成されており、全体として渦巻状に形成されている。これにより、セパレータ200の特定の部分に、流体通路の上流部又は下流部が集中することがないため、電極面内における反応ガス濃度が均一化されるとしている。
特開平10−284094号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているセパレータ200であっても、複数本の流体通路を通流する反応ガスの利用効率を改善するという観点からは、未だ改善の余地があることを本発明者等は見出した。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、反応ガス流路を通流する反応ガスの利用効率を改善することができる燃料電池用セパレータ及び燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記従来技術の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、以下の点を見出した。
すなわち、上記特許文献1に開示されている燃料電池におけるセパレータ200では、流体通路201〜203における上流部の上流端近傍部分を通流する反応ガスの一部が、該上流部と近接する下流部の上流端近傍部分に短絡し、これにより、流体通路201〜203を流れる反応ガスのうち、反応に寄与せず排出される反応ガスが生じ、反応ガスの利用効率が低下することを見出した。
具体的に説明すると、流体通路201〜203は、ガス拡散電極のガス拡散層と隣接するように(ガス拡散層によって、セパレータ200の開放面(上面)を覆われるように)配設されているため、流体通路201〜203を通流する反応ガスの一部が、ガス拡散層を通流する(以下、ガス拡散層を通流するガスを伏流ガスという)。このため、3本ある流体通路201〜203のうち、最も下側にある流体通路201の上流部を通流する反応ガスと、流体通路201の下流部における、流体通路201の上流端部と最も近接する部分204を通流する反応ガスと、の圧力差が大きく、また、その流路間の距離が小さいため(圧力差の勾配が大きいため)、流体通路201の上流部を通流する反応ガスの一部が、ガス拡散層を経由して、流体通路201の下流部に流れ込む(短絡する)。そして、流体通路201の下流部に流れ込んだ反応ガスは、そのまま下流部を通流して出口212から排出される。このため、流体通路201を通流する反応ガスの一部が、反応に寄与せずに排出され、反応ガスの利用効率が低下する。
また、3本ある流体通路201〜203のうち、最も下側にある流体通路201の上流部を通流する反応ガスが短絡するため、残りの2本の流体通路202、203の上流部を通流する反応ガスと、流体通路201の上流部を通流する反応ガスとの間で、圧力差が生じる。この圧力差により、残りの2本の流体通路202、203の上流部を通流する反応ガスの一部が、流体通路201の上流部に流れ込む。そして、流体通路201の上流部に流れ込んだ反応ガスの一部が、流体通路201の下流部に短絡する。このため、流体通路201〜203を通流する反応ガスの反応に寄与せずに排出される反応ガスの量がさらに大きくなり、反応ガスの利用効率がさらに低下する。
さらに、流体通路203の上流部における流体通路203の下流端と最も近接する部分205を通流する反応ガスと、流体通路203の下流部を通流する反応ガスと、の圧力差が大きく、また、その流路間の距離が小さいため(圧力差の勾配が大きいため)、流体通路203の部分205近傍を通流する反応ガスの一部が、ガス拡散層を経由して、流体通路203の下流部に流れ込む(短絡する)。そして、流体通路203の下流部に流れ込んだ反応ガスは、そのまま下流部を通流して出口212から排出される。このため、流体通路203を通流する反応ガスの一部が、反応に寄与せずに排出され、反応ガスの利用効率がさらに低下する。
このような問題に対して、本発明者等は、以下に記載する構成を採用することが、上記本発明の目的を達成する上で極めて有効であるということを見出し、本発明を想到した。
すなわち、本発明に係る燃料電池用セパレータは、周縁部に設けられ、厚み方向に貫通する反応ガス供給用マニホールド孔と、周縁部に設けられ、厚み方向に貫通する反応ガス排出用マニホールド孔と、少なくとも一方の主面に、折り返し部分を有する渦巻き状に形成され、その上流端が前記反応ガス供給用マニホールド孔に接続され、その下流端が前記反応ガス排出用マニホールド孔に接続された溝状の第1反応ガス流路と、少なくともその上流端が前記反応ガス供給用マニホールド孔に接続され、かつ、前記第1反応ガス流路と並走しながら渦巻き状に形成された1以上の溝状の第2反応ガス流路と、を備えた燃料電池用セパレータであって、前記セパレータの厚み方向から見て、前記第1反応ガス流路の前記折り返し部分より下流の部分で、最も前記上流端に近接する部分を最近接部分と定義した場合に、前記1以上の第2反応ガス流路は、前記セパレータの厚み方向から見て、前記第1反応ガス流路の上流端と前記最近接部分との間に位置しないように並走しており、前記第1反応ガス流路は、前記最近接部分と前記下流端との間の部分である特定部分において、前記1以上の第2反応ガス流路のうち少なくとも最も前記第1反応ガス流路と近接している第2反応ガス流路である特定流路と連通するように形成されている
この構成によれば、第1反応ガス流路の上流端部と第1の部分との間で反応ガスの短絡が生じるが、そのような場合でも、短絡した反応ガスが第2反応ガス流路の少なくとも1の反応ガス流路を通流することにより、該反応ガス流路に分流される。このため、第1及び第2反応ガス流路を通流する反応ガスの濃度のバラツキを低減することができる。
また、本発明に係る燃料電池用セパレータでは、前記特定流路は、その下流端が前記反応ガス供給マニホールド孔に接続されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池用セパレータでは、前記特定流路は、その下流端が前記特定部分において前記第1反応ガス流路に接続されるようにして該第1反応ガス流路と連通していてもよい。
また、本発明に係る燃料電池用セパレータでは、前記第1反応ガス流路は、溝状の連通流路により接続されるようにして前記特定流路と連通していてもよい。
また、本発明に係る燃料電池用セパレータでは、前記特定部分にその底面に複数の突起が立設された窪みからなる反応ガス混合部が形成されており、前記第1反応ガス流路と前記特定流路とが前記反応ガス混合部において合流しており、それにより、第1反応ガス流路が前記特定流路と連通していてもよい。
また、本発明に係る燃料電池用セパレータでは、前記第1反応ガス流路と前記特定流路とは、前記反応ガス混合部において前記反応ガス排出用マニホールド孔に向けて分流してもよい。
さらに、本発明に係る燃料電池用セパレータでは、前記反応ガス供給用マニホールド孔と前記反応ガス排出用マニホールド孔は、前記燃料電池用セパレータの中心部を挟んで互いに対向するように配置されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池は、前記燃料電池用セパレータを含む一対の燃料電池セパレータと、電解質層と該電解質層を挟む一対の電極を有する電解質層−電極接合体と、を備え、前記電解質層−電極接合体は、一対の前記燃料電池用セパレータに挟まれている。
この構成によれば、第1反応ガス流路の上流端部と第1の部分との間で反応ガスの短絡が生じるが、そのような場合でも、短絡した反応ガスが第2反応ガス流路の少なくとも1の反応ガス流路を通流することにより、該反応ガス流路に分流される。このため、第1及び第2反応ガス流路を通流する反応ガスの供給量のバラツキを低減することができる。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明の燃料電池用セパレータ及び燃料電池によれば、反応ガス流路を通流する反応ガスの供給量のバラツキを低減し、反応ガスの利用効率を改善することができる。また、本発明の燃料電池用セパレータ及び燃料電池によれば、反応ガス流路に沿って流れずに短絡する反応ガスを低減することにより、反応ガス流路を通流する反応ガスの反応に寄与せず排出される反応ガスを低減することができ、反応ガスの利用効率を改善することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池の概略構成を模式的に示す断面図である。 図2は、図1に示す燃料電池のカソードセパレータの概略構成を示す模式図である。 図3は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図4は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図5は、本発明の参考形態1に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図7は、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図8は、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図9は、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図10は、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図11は、本発明の参考形態2に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図12は、本発明の参考形態3に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図13は、本発明の参考形態4に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図14は、本発明の参考形態5に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図15は、本発明の参考形態6に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図16は、本発明の参考形態7に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図17は、本発明の参考形態8に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図18は、本発明の参考形態9に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図19は、本発明の参考形態10に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図20は、本発明の参考形態11に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図21は、本発明の参考形態12に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。 図22は、特許文献1に開示されている燃料電池におけるセパレータの主面の概略構成を示す模式図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。また、図2乃至図21においては、セパレータにおける上下方向を、図における上下方向として表し、また、第1反応ガス流路を明確にするためにハッチングを付している。
(実施の形態1)
[燃料電池の構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池の概略構成を模式的に示す断面図である。直、図1においては、一部を省略している。
図1に示すように、本実施の形態1に係る燃料電池100は、単電池(セル)であり、MEA(Membrane−Electrode−Assembly:電解質層−電極接合体)5と、ガスケット6と、アノードセパレータ10と、カソードセパレータ11と、を備えている。
MEA5は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜(電解質層;例えば、米国デュポン(株)製のNafion(商品名))1と、アノード4aと、カソード4bと、を有している。
高分子電解質膜1は、略4角形(ここでは、矩形)の形状を有している。高分子電解質膜1の両面には、その周縁部より内方に位置するように、アノード4a及びカソード4b(これらをガス拡散電極という)が、それぞれ配設されている。なお、高分子電解質膜1の周縁部には、後述する反応ガス供給用マニホールド孔等の各マニホールド孔が厚み方向に貫通するように設けられている(図示せず)。
アノード4aは、高分子電解質膜1の一方の主面上に設けられ、電極触媒(例えば、白金等の貴金属)を担持した導電性炭素粒子と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質との混合物からなるアノード触媒層2aと、アノード触媒層2aの主面上に設けられ、ガス通気性と導電性を兼ね備えたアノードガス拡散層3aと、を有している。同様に、カソード4bは、高分子電解質膜1の他方の主面上に設けられ、電極触媒(例えば、白金等の貴金属)を担持した導電性炭素粒子と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質との混合物からなるカソード触媒層2bと、カソード触媒層2bの主面上に設けられ、ガス通気性と導電性を兼ね備えたカソードガス拡散層3bと、を有している。
なお、アノード触媒層2a及びカソード触媒層2bは、貴金属からなる電極触媒を担持した導電性炭素粒子と、高分子電解質と、分散媒と、を含む触媒層形成用インクを用いて、当該分野で公知の方法により形成することができる。また、アノードガス拡散層3a及びカソードガス拡散層3bを構成する材料としては、特に限定されることなく、当該分野で公知のものを使用することができ、例えば、カーボンクロスやカーボンペーパーなどの導電性多孔質基材を用いることができる。また、この導電性多孔質基材には、従来公知の方法で撥水処理を施しても構わない。
また、MEA5のアノード4a及びカソード4bの周囲には、高分子電解質膜1を挟んで一対の環状で略矩形のフッ素ゴム製のガスケット6が配設されている。これにより、燃料ガス、空気や酸化剤ガスが電池外にリークされることが防止され、また、燃料電池100内でこれらのガスが互いに混合されることが防止される。なお、ガスケット6の周縁部には、後述する反応ガス供給用マニホールド孔等の各マニホールド孔が厚み方向に貫通するように設けられている。
また、MEA5とガスケット6を挟むように、導電性を有する板状のアノードセパレータ(燃料電池用セパレータ)10とカソードセパレータ(燃料電池用セパレータ)11が配設されている。これにより、MEA5が機械的に固定され、複数の燃料電池100をその厚み方向に積層したときには、MEA5が電気的に接続される。なお、これらのセパレータ10、11は、熱伝導性及び導電性に優れた金属、黒鉛、または、黒鉛と樹脂を混合したものを使用することができ、例えば、カーボン粉末とバインダー(溶剤)との混合物を射出成形により作製したものやチタンやステンレス鋼製の板の表面に金メッキを施したものを使用することができる。
アノードセパレータ10のアノード4aと接触する一方の主面には、燃料ガスが通流するための溝状の第1燃料ガス流路(第1反応ガス流路)141と、第1燃料ガス流路に並走するように溝状の第2燃料ガス流路(第2反応ガス流路)142、143が設けられており、また、他方の主面には、冷却媒体が通流するための溝状の冷却媒体流路9が設けられている。同様に、カソードセパレータ11のカソード4bと接触する一方の主面には、酸化剤ガスが通流するための溝状の第1酸化剤ガス流路(第1反応ガス流路)131と、第1酸化剤ガス流路131と並走するように第2酸化剤ガス流路(第2反応ガス流路)132、133が設けられており、また、他方の主面には、冷却媒体が通流するための溝状の冷却媒体流路9が設けられている。
これにより、アノード4a及びカソード4bには、それぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスが供給され、これらのガスが反応して電気と熱が発生する。また、冷却水等の冷却媒体を冷却媒体流路9に通流させることにより、発生した熱の回収が行われる。
なお、このように構成された燃料電池100を単電池(セル)として使用してもよく、燃料電池100を複数積層してセルスタックとして使用してもよい。また、燃料電池100を積層する場合には、冷却媒体流路9を単電池2〜3個ごとに設ける構成としてもよい。さらに、単電池間に冷却媒体流路9を設けない場合には、2つのMEA5に挟まれたセパレータを、一方の主面に第1燃料ガス流路141及び第2燃料ガス流路142、143を設け、他方の主面に第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133を設けた、アノードセパレータ10とカソードセパレータ11を兼ねるセパレータを使用してもよい。
次に、カソードセパレータ11について、図1及び図2を参照しながら詳細に説明する。なお、アノードセパレータ10については、カソードセパレータ11と基本的構成が同じであるため、その詳細な説明は省略する。
[燃料電池用セパレータの構成]
図2は、図1に示す燃料電池100のカソードセパレータ(本発明の実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ)11の概略構成を示す模式図である。
図2に示すように、本実施の形態1に係るカソードセパレータ11は、板状で、かつ、略矩形に構成されている。カソードセパレータ11の主面の周縁部には、厚み方向に貫通する複数の貫通孔が形成されており、これらの貫通孔は、酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給用マニホールド孔(反応ガス供給用マニホールド孔)21、酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出用マニホールド孔(反応ガス排出用マニホールド孔)22、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給用マニホールド孔(反応ガス供給用マニホールド孔)23、燃料ガスを排出するための燃料ガス排出用マニホールド孔(反応ガス排出用マニホールド孔)24、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給用マニホールド孔25、及び冷却媒体を排出するための冷却媒体排出用マニホールド孔26を構成する。
酸化剤ガス供給用マニホールド孔21は、カソードセパレータ11の一方の側部(図面左側の側部:以下、第一の側部という)の上部に設けられ、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22は、燃料電池用セパレータの他方の側部(図面右側の側部:以下、第2の側部)の下部に設けられている。また、燃料ガス供給用マニホールド孔23は、第2の側部の上部に設けられ、燃料ガス排出用マニホールド孔24は、第1の側部の下部に設けられている。さらに、冷却媒体供給用マニホールド孔25は、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21の上部の第2の側部側に設けられ、冷却媒体排出用マニホールド孔26は、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22の下部の第1の側部側に設けられている。
なお、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド22、及び燃料ガス供給用マニホールド孔23と燃料ガス排出用マニホールド24は、それぞれ、カソードセパレータ11の中央部を挟んで互いに対向するように設けられている。ここで、カソードセパレータ11の中央部とは、カソードセパレータ11の外周に対する中央部分をいう。
そして、カソードセパレータ11の一方の主面には、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22を連通するように、溝状の第1酸化剤ガス流路131と、複数(ここでは、2)の溝状の第2酸化剤ガス流路132、133が、カソード4bの主面の全域に酸化剤ガスが供給されるように配設されている。第1酸化剤ガス流路131と、第2酸化剤ガス流路132、133は、互いに並走するように形成されている。ここで、並走するとは、複数の酸化剤ガス流路が、互いに並んで設けられていることをいう。なお、第2酸化剤ガス流路132、133は、第1酸化剤ガス流路131と同様に構成されているため、以下の説明では、第1酸化剤ガス流路131について説明する。
第1酸化剤ガス流路131は、その上流端が酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と連通する略L字状の上流部131a(図2に示す一点鎖線内の流路)と、その下流端が酸化剤ガス排出用マニホールド孔22と連通する下流部131c(図2に示す二点鎖線内の流路)と、上流部131aの下流端とその上流端が接続され、下流部131cの上流端とその下流端が接続される渦巻状の中流部131b(図2に示す破線内の流路)と、から構成され、上流部131aと下流部131cで中流部131bを囲むように形成されている。
ここで、上流部131aは、第1酸化剤ガス流路131のうち、一端を第1酸化剤ガス流路131の上流端である酸化剤ガス供給用マニホールド孔21の接続端とし、他端を式:L1≦L2を満たす部分とし、これらの間の部分をいう。なお、上記式中、L1は、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aの流路長を示し、L2は、第1酸化剤ガス流路131の全流路長を示す。また、上流部131aの他端は、式:L1≦{(1/3)×L2}を満たす部分であることがより好ましい。
また、下流部131cは、第1酸化剤ガス流路131のうち、一端を第1酸化剤ガス流路131の下流端である酸化剤ガス排出用マニホールド孔22の接続端とし、他端を式:L3≦L2を満たす部分とし、これらの間の部分をいう。なお、上記式中、L3は、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cの流路長を示す。また、下流部131cの他端は、式:L3≦{(1/3)×L2}を満たす部分であることがより好ましい。
上流部131aは、カソードセパレータ11の第1の側部から第2の側部に向かって延びるように(水平方向に延びるように)形成されている第1上流直線部31aと、その上流端が第1上流直線部31aの下流端と接続され、流路を水平方向からカソードセパレータ11の上下方向に折れ曲げる第1上流ターン部31bと、該第1上流ターン部31bの下流端に接続され、カソードセパレータ11の上部から下部に向かって延びるように(垂直方向に延びるように)形成されている第2上流直線部31cと、その上流端が第2上流直線部31cの下流端に接続され、流路を垂直方向から水平方向に折れ曲げる第2上流ターン部31dと、から構成されている。
中流部131bは、渦巻状に形成されており、具体的には、カソードセパレータ11の周縁部から中央部に向かって収束するように、時計回りに流路が形成され、カソードセパレータ11の中央部で折り返して、カソードセパレータ11の周縁部に向かって発散するように、反時計回りに流路が形成されている。より詳しく説明すると、中流部131bは、上流部131aの第2上流ターン部31dの下流端から、第2の側部から第1の側部に向かって(以下、第1の側部方向)水平にある距離延び、そこから、カソードセパレータ11の下部から上部に向かって(以下、上方向という)垂直にある距離延び、そこから、第1の側部から第2の側部に向かって(以下、第2の側部方向)水平にある距離延び、そこから、カソードセパレータ11の上部から下部に向かって(以下、下方向)垂直にある距離延び、そこから、第1の側部方向に水平にある距離延び、カソードセパレータ11の中央部に到る。そして、カソードセパレータ11の中央部で折り返して、そこから、第2の側部方向に水平にある距離延び、そこから、カソードセパレータ11の上方向に垂直にある距離延び、そこから、第1の側部方向に水平にある距離延び、そこから、下方向に垂直にある距離延び、そこから、第2の側部方向にある距離水平に延び、そこから、上方向に垂直ある距離延び、そこから、第1の側部方向に水平にある距離延びて、下流部131cの上流端に到る。
下流部131cは、その上流端が中流部131bの下流端に接続され、流路を水平方向から垂直方向に折り曲げる第1下流ターン部31gと、該第1下流ターン部31gの下流端に接続され、下方向に垂直に延びるように形成された第1下流直線部31hと、該第1下流直線部31hの下流端に接続され、流路を垂直方向から水平方向に折り曲げる第2下流ターン部31iと、該第2下流ターン部31iの下流端に接続され、第2の側部方向に水平に延びるように形成され、その下流端が酸化剤ガス排出用マニホールド孔22と連通する第2下流直線部31jと、から構成されている。
このように、第1酸化剤ガス流路131は、垂直方向、又は水平方向に延びる直線部と、流路を垂直方向から水平方向、又は水平方向から垂直方向に折り曲げるターン部と、から全体として屈曲するように形成されており、第2酸化剤ガス流路132、133は、第1酸化剤ガス流路131に並ぶようにして設けられている。また、第1酸化剤ガス流路131における後述する第1の部分41と第1酸化剤ガス流路131の上流端の間には、第2酸化剤ガス流路132、133が介在しておらず、また、第1酸化剤ガス流路131における後述する第2の部分51と第1酸化剤ガス流路131の下流端との間には、第2酸化剤ガス流路132、133が介在されている。
また、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cは、第1の部分41を有しており、上流部131aは、第2の部分51を有している。第1の部分41は、第1酸化剤ガス流路131における第2の部分51と下流端との間の部分のうち、最も第1酸化剤ガス流路131の上流端に近接する部分である。換言すると、第1の部分41は、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cのうち、上流部131aとの間の圧力勾配が最も大きい部分(上流部131aから短絡する反応ガスの量が最も多い部分)である。具体的には、本実施の形態においては、下流部131cの第1下流ターン部31gのうち、最も第1酸化剤ガス流路131の上流端と近接する部分が、第1の部分41を構成する。なお、第1酸化剤ガス流路131の第1の部分41と下流端の間の部分が特定部分を構成する。
そして、第1酸化剤ガス流路131の第1の部分41には、第1酸化剤ガス流路131と第2酸化剤ガス流路132、133と連通するための溝状の連通用流路61が配設されている。連通用流路61は、第1酸化剤ガス流路131の第1の部分41と、第2酸化剤ガス流路132の下流部(正確には、その第1下流ターン部)と、第2酸化剤ガス流路133の下流部(正確には、その下流部)と、を連通するように形成されている。これにより、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133の上流部を通流する酸化剤ガスの一部が、第1酸化剤ガス流路131の第1の部分41に短絡しても、短絡した酸化剤ガスが連通用流路61を通流することにより、第2酸化剤ガス流路132、133に分流される。なお、本実施の形態においては、第2酸化剤ガス流路132、133のそれぞれが、特定流路を構成する。
一方、第2の部分51は、第1酸化剤ガス流路131における上流端と第1の部分41との間の部分のうち、最も第1酸化剤ガス流路131の下流端に近接する部分である。換言すると、第2の部分51は、第1酸化剤ガス流路131における上流端と第1の部分41との間の部分のうち、第1酸化剤ガス流路131における上流端から下流端に向かう方向において該上流端から最も遠い部分である。
[燃料電池の作用効果]
次に、本実施の形態1に係る燃料電池100の作用効果について、図1及び図2を参照しながら説明する。
上述したように、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを通流する酸化剤ガスと、該第1酸化剤ガス流路131の下流部131cを通流する酸化剤ガスとの圧力差により、上流部131aを通流する酸化剤ガスの一部が、カソードガス拡散層3bを経由して、第1酸化剤ガス流路131の第1の部分41に流れ込む。第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを通流する酸化剤ガスと、該第1酸化剤ガス流路131の下流部131cを通流する酸化剤ガスとの圧力勾配が大きい場合に、酸化剤ガスの短絡が起こりやすくなる。
また、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを通流する酸化剤ガスが短絡して、第1酸化剤ガス流路131の第1の部分41に流れ込んだ場合、第2酸化剤ガス流路132、133の上流部を通流する酸化剤ガスと、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを通流する酸化剤ガスとの間で、圧力差が生じる。この圧力差により、第2酸化剤ガス流路132、133の上流部を通流する酸化剤ガスの一部が、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aに流れ込む。そして、第2酸化剤ガス流路132、133から第1酸化剤ガス流路131に流れ込んだ酸化剤ガスの一部が、第1の部分41に流れ込み、全体として、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133を通流する酸化剤ガスの一部が、第1の部分41に流れ込む。このようにして、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133を通流する酸化剤ガスの供給量のバラツキが生じ、このバラツキにより反応ガスの利用効率が低下する。
しかしながら、本実施の形態1に係る燃料電池100では、第1の部分41に連通用流路61が配設されているので、短絡した酸化剤ガスが連通用流路61を通流する。これにより、短絡した酸化剤ガスが第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133にほぼ均一に分流される。このため、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133を通流する酸化剤ガスの供給量のバラツキを低減することができる。
また、第2酸化剤ガス流路132、133の下流部に短絡した酸化剤ガスが分流されるため、該第2酸化剤ガス流路132、133の下流部を通流する酸化剤ガスの供給量が、連通用流路61が配設されていない場合に比べて増加する。このため、カソード4bにおける第1酸化剤ガス流路131の下流部131cと対向する部分のみならず、第2酸化剤ガス流路132、133の下流部と対向する部分も、反応ガスの反応する場として寄与するので、酸化剤ガスの利用効率を改善することができる。
このように、本実施の形態1に係る燃料電池100では、反応ガス流路を通流する反応ガスの供給量のバラツキを低減し、反応ガスの利用効率を改善することができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図3に示すように、本実施の形態2に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、複数の連通用流路61が、第1酸化剤ガス流路131の特定部分のうち、第1の部分41から下流部131cにおける第1下流直線部31hの下流端までの間に所定の間隔で、第1酸化剤ガス流路131と、第2酸化剤ガス流路132と、第2酸化剤ガス流路133と、を互いに連通するように配設されている点が異なる。
このように構成された本実施の形態2に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100では、反応ガス流路を通流する反応ガスの供給量のバラツキをより低減し、反応ガスの利用効率をより改善することができる。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図4に示すように、本実施の形態3に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、複数の連通用流路61が、第1酸化剤ガス流路131の特定部分である、第1の部分41から第1酸化剤ガス流路131の下流端までの間に所定の間隔で、第1酸化剤ガス流路131と、第2酸化剤ガス流路132と、第2酸化剤ガス流路133と、を互いに連通するように配設されている点が異なる。
このように構成された本実施の形態3に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100では、反応ガス流路を通流する反応ガスの供給量のバラツキをより低減し、反応ガスの利用効率をより改善することができる。
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図5に示すように、本実施の形態4に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、第1酸化剤ガス流路131の特定部分に窪み部62と該窪み部62の底面から立設された複数の突起63が形成されている点が異なる。
具体的には、窪み部62は、カソードセパレータ11の厚み方向から見て、略台形状に形成されており、第1酸化剤ガス流路131の第1の部分41でその上流端が接続されており、また、その下流端は、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cにおける第1下流直線部31hに接続されている。そして、窪み部62の上流端及び下流端は、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133のそれぞれと連通するように形成されている。
また、窪み部62は、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133と同じ深さに形成されており、その底面には、該底面から厚み方向に突出した多数の島状(ここでは略円柱状、より正確には、略真円柱形)の突起63が設けられている。突起63は、均等なピッチで複数(ここでは、11個)形成されている。なお、突起63は、ここでは、略円柱形により形成されているが、これに限定されず、略円柱形、略三角柱形及び略四角柱形であってもよい。また、ここでは、突起63の立設方向に垂直な輪切り断面が、略真円柱形としたが、これに限定されず、楕円柱形であってもよい。
これにより、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aから窪み部62(第1の部分41)に短絡した酸化剤ガス(以下、短絡ガス)と、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133における窪み部62の上流側(中流部)を通流する酸化剤ガス(通流ガス)と、が窪み部62で合流される。窪み部62で合流した短絡ガスと通流ガスは、窪み部62に縞状に配置された複数の突起63により、その流れが乱され、これらのガスの混合が促進され、酸化剤ガスの供給量のバラツキの低減が図られる。そして、混合された酸化剤ガスは、窪み部62の下流端から第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133に分流される。
このため、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133の下流部を通流する酸化剤ガスの供給量のバラツキを低減することができ、酸化剤ガスの利用効率を改善することができる。
参考形態1
図6は、本発明の参考形態1に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図6に示すように、本参考形態1に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133の中流部がサーペンタイン状に形成されている点が異なる。以下に、第1酸化剤ガス流路131の中流部131bの構成について説明する。
第1酸化剤ガス流路131の中流部131bは、その上流部131aの下流端から第1の側部方向に水平方向にある距離延び、そこから、流路を上方向に延びつつ、180度ターンさせ、そこから、第2の側部方向に水平にある距離延び、そこから、上方向に垂直にある距離延びる。そして、この延在パターンを2回繰り返し、そこから、第1の側部方向に水平にある距離延びて、下流部131cの上流端に到る。
このように構成された本参考形態1に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100においても、実施の形態1に係る燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態
図7は、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。なお、図7においては、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22のみを図示し、他のマニホールド孔については図示するのを省略している。
図7に示すように、本実施の形態に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22が設けられている位置と第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133の下流部の構成が異なる。
具体的には、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22は、第2の側部の上部に設けられている。また、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cは、U字状に形成されている。より詳しくは、下流部131cは、その上流端から第2下流直線部31jまでは、実施の形態1に係るカソードセパレータ11の第1酸化剤ガス流路131と同じであり、第2下流直線部31jの下流端には、流路を水平方向から垂直方向に折り曲げる第3下流ターン部31kの上流端が接続され、その下流端には、上方向に垂直に延びる第3下流直線部31mの上流端が接続され、その下流端は、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22に連通している。
なお、第2酸化剤ガス流路132、133は、第1酸化剤ガス流路131と同様に構成されているので、詳細な説明は省略する。また、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cが上記のように構成されているので、第1酸化剤ガス流路131の上流端と第1の部分41との間の部分のうちで、最も第1酸化剤ガス流路131の下流端に近接する部分である第2の部分51は、上流部131aにおける第1上流ターン部31bとなる。
このように構成された本実施の形態に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100においても、実施の形態1に係る燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態
図8は、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。なお、図8においては、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22のみを図示し、他のマニホールド孔については図示するのを省略している。
図8に示すように、本実施の形態に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22の配置される位置と第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133の上流部の構成が異なる。
具体的には、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22は、第1の側部の下部に設けられている。また、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aは、U字状に形成されている。より詳しくは、上流部131aは、その上流端から第2上流ターン部31dまでは、実施の形態1に係るカソードセパレータ11の第1酸化剤ガス流路131と同じであり、第2上流ターン部31dの下流端には、第1の側部方向に水平に延びる第3上流直線部31eの上流端が接続され、その下流端には、流路を水平方向から垂直方向に折り曲げる第3上流ターン部31fの上流端が接続され、その下流端は、中流部131bと接続されている。
なお、第2酸化剤ガス流路132、133は、第1酸化剤ガス流路131と同様に構成されているので、詳細な説明は省略する。また、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aが上記のように構成されているので、第1酸化剤ガス流路131の上流端と第1の部分41との間の部分のうちで、最も第1酸化剤ガス流路131の下流端に近接する部分である第2の部分51は、上流部131aにおける第3上流ターン部31fとなる。
このように構成された本実施の形態に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100においても、実施の形態1に係る燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
(実施の形態
図9は、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図9に示すように、本実施の形態に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、第2酸化剤ガス流路132の下流端が、連通用流路61に接続されている点が異なる。
このように構成された本実施の形態に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100においても、実施の形態1に係る燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
なお、本実施の形態においては、第2酸化剤ガス流路132の下流端を連通用流路61に接続する構成としたが、これに限定されず、第2酸化剤ガス流路133の下流端を連通用流路61に接続する構成としてもよい。
(実施の形態
図10は、本発明の実施の形態に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。なお、図10においては、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22のみを図示し、他のマニホールド孔については図示するのを省略している。
図10に示すように、本実施の形態に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、円板状に形成されており、また、その主面には、第1酸化剤ガス流路131と第2酸化剤ガス流路が4本並走して形成されている。酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22は、カソードセパレータ11の中心部(中心軸101)を挟んで対向するように設けられている。
第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132〜135は、全体として、渦巻状に形成されており、具体的には、その上流端からカソードセパレータ11の中心部に向かって収束するように、時計回りに弧を描くように流路が形成され、カソードセパレータ11の中央部で折り返して、カソードセパレータ11の周縁部に向かって発散するように、反時計回りに弧を描くように流路が形成されている。
また、第1酸化剤ガス流路131は、第1の部分41と第2の部分51を有している。上述したように、第1の部分は、第1酸化剤ガス流路131における第2の部分51と下流端との間の部分のうち、最も第1酸化剤ガス流路131の上流端に近接する部分であり、ここでは、第1酸化剤ガス流路131における、第1酸化剤ガス流路131の上流端と中心軸101を結ぶ線と交わる部分のうち、最もセパレータ11の外周に近い部分が、第1の部分41を構成する。また、第2の部分51は、第1酸化剤ガス流路131における上流端と第1の部分41との間の部分のうち、最も第1酸化剤ガス流路131の下流端に近接する部分であり、ここでは、第1酸化剤ガス流路131における、第1酸化剤ガス流路131の下流端と中心軸101を結ぶ線と交わる部分のうち、最もセパレータ11の外周に近い部分が、第2の部分51を構成する。
そして、第1酸化剤ガス流路131の第1の部分41と下流端との間の部分(特定部分)には、複数の溝状の連通用流路61が、所定の間隔で、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132〜135をそれぞれ連通するように設けられている。
このように構成された本実施の形態9に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100においても、実施の形態1に係る燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
なお、本実施の形態1〜においては、第1酸化剤ガス流路131の特定部分に、連通用流路61を設けて短絡した酸化剤ガスを分流する構成としたが、これに限定されず、実施の形態4のように窪み部62と突起63を設けて、短絡した酸化剤ガスを混合して、混合した酸化剤ガスを分流するような構成としてもよい。
また、本実施の形態1〜においては、複数の酸化剤ガス流路131〜135の下流端を酸化剤ガス排出用マニホールド孔22に連通するように構成したが、これに限定されず、複数の第2酸化剤ガス流路132〜135のうち、少なくとも1の酸化剤ガス流路の下流端を連通用流路61に接続するような構成としてもよい。
参考形態2
図11は、本発明の参考形態2に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
本発明の参考形態2に係る燃料電池用セパレータは、厚み方向に貫通する反応ガス供給用マニホールド孔と、厚み方向に貫通する反応ガス排出用マニホールド孔と、少なくとも一方の主面にその上流端が前記反応ガス供給用マニホールド孔に接続され、その下流端が前記反応ガス排出用マニホールド孔に接続され、かつ、互いに並走しながら屈曲するように形成された溝群からなる複数の反応ガス流路と、を備えた板状の燃料電池用セパレータであって、前記複数の反応ガス流路のうち最も外側の一対の反応ガス流路の一方が第1反応ガス流路を構成し、その他方が第3反応ガス流路を構成し、前記第1反応ガス流路が、第1の部分と該第1の部分より上流側に位置する第2の部分とを有し、前記第1の部分が前記第1反応ガス流路における前記第2の部分と前記下流端との間の部分のうちで前記上流端に最も近接し、前記第2の部分が前記第1反応ガス流路における前記上流端と前記第1の部分との間の部分のうちで前記下流端に最も近接し、前記第1の部分と前記上流端との間に前記第3反応ガス流路が介在せず、かつ、前記第2の部分と前記下流端との間に前記第3反応ガス流路が介在するように形成され、隣接する前記溝間に形成される複数のリブのうち、前記第1反応ガス流路を構成する溝のみによって形成されるリブ又は前記第3反応ガス流路のみによって形成されるリブの少なくとも何れか一方のリブ(以下、特定リブ)の幅が該特定リブ以外の何れかのリブの幅よりも広く形成されている。また、前記特定リブは、前記第1反応ガス流路を構成する溝のみによって形成される第1リブである。
具体的には、図11に示すように、カソードセパレータ11の一方の主面には、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22を連通し、カソード4bの主面の全域に酸化剤ガスが供給されるように、溝131〜133が形成されている。このカソードセパレータ11の一方の主面における、これらの溝と溝との間の部分が、カソード4bと当接するリブを形成する。また、溝131〜133は、それぞれ、第1酸化剤ガス流路131、第2酸化剤ガス流路132、133を構成する。第1酸化剤ガス流路131と、第2酸化剤ガス流路132、133は、互いに並走するように形成されている。ここで、並走するとは、複数の酸化剤ガス流路が、互いに並んで設けられていることをいう。なお、最も外側の一対の溝131、133のうち、一方の溝131が第1酸化剤ガス流路131を構成し、その他方の溝133が、第3酸化剤ガス流路(第3反応ガス流路)133を構成する。すなわち、第2酸化剤ガス流路132、133のうち、最も外側に位置する溝133が、第3酸化剤ガス流路133を構成する。また、第2酸化剤ガス流路132は、第1及び第3酸化剤ガス流路131、133と同様に構成されているため、以下の説明では、第1及び第3酸化剤ガス流路131、133について説明する。
第1及び第3酸化剤ガス流路131、133は、それぞれ、その上流端が酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と連通する略U字状の上流部131a、133a(図11に示す一点鎖線内の流路)と、その下流端が酸化剤ガス排出用マニホールド孔22と連通する略U字状の下流部131c、133c(図11に示す二点鎖線内の流路)と、上流部131a、133aの下流端とその上流端が接続され、下流部131c、133cの上流端とその下流端が接続される渦巻状の中流部131b、133bと、から構成され、上流部131a、133aと下流部131c、133cで中流部131b、133bを囲むように形成されている。
上流部131a、133aは、それぞれ、第1上流直線部31a、33aと、第1上流ターン部31b、33bと、第2上流直線部31c、33cと、第2上流ターン部31d、33dと、第3上流直線部31e、33eと、第3上流ターン部31f、33fと、から構成されている。
第1上流直線部31a、33aは、それぞれ、その上流端が酸化剤ガス供給用マニホールド孔21に連通するように形成されていて、カソードセパレータ11の第1の側部から第2の側部に向かって延びるように(水平方向に延びるように)形成されている。第1上流ターン部31b、33bは、それぞれ、その上流端が第1上流直線部31a、33aの下流端に接続されていて、流路を水平方向からカソードセパレータ11の上下方向に折れ曲げるように形成されている。第2上流直線部31c、33cは、それぞれ、その上流端が第1上流ターン部31b、33bの下流端に接続され、カソードセパレータ11の上部から下部に向かって延びるように(垂直方向に延びるように)形成されている。第2上流ターン部31d、33dは、それぞれ、その上流端が第2上流直線部31c、33cの下流端に接続され、流路を垂直方向から水平方向に折れ曲げるように形成されている。第3上流直線部31e、33eは、それぞれ、その上流端が第2上流ターン部31d、33dの下流端に接続されていて、第2の側部から第1の側部に向かって水平方向に延びるように形成されている。また、第3上流ターン部31f、33fは、それぞれ、その上流端が第3上流直線部31e、33eの下流端に接続されていて、流路を水平方向からカソードセパレータ11の上下方向に折れ曲げるように形成されている。
中流部131b、133bは、渦巻状に形成されており、具体的には、カソードセパレータ11の周縁部から中央部に向かって収束するように、時計回りに流路が形成され、カソードセパレータ11の中央部で折り返して、カソードセパレータ11の周縁部に向かって発散するように、反時計回りに流路が形成されている。
より詳しく説明すると、中流部131b、133bは、それぞれ、上流部131a、133aの第3上流ターン部31f、33fの下流端から、カソードセパレータ11の下部から上部に向かって(以下、上方向という)垂直にある距離延び、そこから、第1の側部から第2の側部に向かって(以下、第2の側部方向)水平にある距離延び、そこから、カソードセパレータ11の上部から下部に向かって(以下、下方向)垂直にある距離延び、そこから、第1の側部方向に水平にある距離延び、カソードセパレータ11の中央部に到る。そして、カソードセパレータ11の中央部で折り返して、そこから、第2の側部方向に水平にある距離延び、そこから、カソードセパレータ11の上方向に垂直にある距離延び、そこから、第1の側部方向に水平にある距離延び、そこから、下方向に垂直にある距離延び、そこから、第2の側部方向にある距離水平に延び、そこから、上方向に垂直ある距離延びて、下流部131c、133cの上流端に到る。
下流部131c、133cは、それぞれ、第1下流ターン部31g、33gと、第1下流直線部31h、33hと、第2下流ターン部31i、33iと、第2下流直線部31j、33jと、第3下流ターン部31k、33kと、第3下流直線部31m、33mと、から構成されている。
第1下流ターン部31g、33gは、それぞれ、その上流端が中流部131b、133bの下流端に接続され、流路を垂直方向から水平方向に折り曲げるように形成されている。第1下流直線部31h、33hは、それぞれ、その上流端が第1下流ターン部31g、33gの下流端に接続されていて、第1の側部方向に水平方向に延びように形成されている。第2下流ターン部31i、33iは、それぞれ、その上流端が第1下流直線部31h、33hの下流端に接続されていて、流路を水平方向から垂直方向に折り曲げるように形成されている。第2下流直線部31j、33jは、それぞれ、その上流端が第2下流ターン部31i、33iに接続されていて、下方向に垂直に延びるように形成されている。第2下流ターン部31k、33kは、それぞれ、その上流端が第2下流直線部31j、33jに接続されていて、流路を垂直方向から水平方向に折り曲げるように形成されている。第3下流直線部31m、33mは、それぞれ、その上流端が第2下流ターン部31k、33kの下流端に接続されていて、第2の側部方向に水平に延びるように形成され、その下流端が酸化剤ガス排出用マニホールド孔22と連通するように形成されている。
このように、第1及び第3酸化剤ガス流路131、133は、垂直方向、又は水平方向に延びる直線部と、流路を垂直方向から水平方向、又は水平方向から垂直方向に折り曲げるターン部と、から全体として屈曲するように形成されており、酸化剤ガス流路132は、第1及び第3酸化剤ガス流路131、133に並ぶようにして設けられている。また、第1酸化剤ガス流路131における後述する第1の部分41と第1酸化剤ガス流路131の上流端の間には、カソードセパレータ11の主面と平行な方向において、第2酸化剤ガス流路132及び第3酸化剤ガス流路133が介在しておらず、また、第1酸化剤ガス流路131における後述する第2の部分51と第1酸化剤ガス流路131の下流端との間には、カソードセパレータ11の主面と平行な方向において、第2酸化剤ガス流路132及び第3酸化剤ガス流路133が介在されている。
また、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cは、第1の部分41を有しており、上流部131aは、第2の部分51を有している。第1の部分41は、第1酸化剤ガス流路131における第2の部分51と下流端との間の部分のうち、最も第1酸化剤ガス流路131の上流端に近接する部分である。換言すると、第1の部分41は、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cのうち、上流部131aとの間の圧力勾配が最も大きい部分(第1酸化剤ガス流路131の上流部131aから短絡する反応ガスの量が最も多い部分)である。具体的には、本実施の形態においては、下流部131cの第1下流ターン部31iのうち、最も第1酸化剤ガス流路131の上流端と近接する部分が、第1の部分41を構成する。
一方、第2の部分51は、第1酸化剤ガス流路131における上流端と第1の部分41との間の部分のうち、最も第1酸化剤ガス流路131の下流端に近接する部分である。換言すると、第2の部分51は、第1酸化剤ガス流路131における上流端と第1の部分41との間の部分のうち、第1酸化剤ガス流路131における上流端から下流端に向かう方向において該上流端から最も遠い部分であり、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aの中で下流部131cとの圧力勾配が大きい部分である。具体的には、本実施の形態においては、上流部131aの第2上流ターン部31dが、第2の部分51を構成する。
さらに、第3酸化剤ガス流路133の下流部133cは、第3の部分52を有しており、上流部133aは、第4の部分53を有している。第3の部分52は、第3酸化剤ガス流路133における第1酸化剤ガス流路131の第1の部分41に対応する部分であり、第4の部分53と下流端との間の部分のうち、最も第3酸化剤ガス流路133の上流端に近接する第2下流ターン部33iである。一方、第4の部分53は、第3酸化剤ガス流路133における第1酸化剤ガス流路131の第2の部分51に対応する部分であり、第3酸化剤ガス流路133における上流端と第3の部分52との間の部分のうち、最も第3酸化剤ガス流路133の下流端に近接する第2上流ターン部33dの上下に延びる流路の下流端部分である。
そして、隣接する溝131〜133の間に形成される複数のリブのうち、第1酸化剤ガス流路131を構成する溝131のみによって形成されるリブが、第1リブ71を構成し、第3酸化剤ガス流路133を構成する溝133のみによって形成されるリブが、第2リブ72を構成する。本実施の形態1においては、第1リブ71における第1酸化剤ガス流路131の上流端から第1上流直線部31aの下流端までの間の部分(すなわち、第1上流直線部31aと並走する部分)の幅が、第1リブ71以外のリブの幅よりも広く形成されていて、該第1リブ71が特定リブを構成する。なお、第1リブ71の第1上流直線部31aと並走する部分以外の部分は、他のリブと実質的に同じ幅になるように形成されている。
これにより、第1酸化剤ガス流路131の第1上流直線部31aと最も近接する流路31z(第1下流ターン部31gの水平方向に延びる部分と、第1下流直線部31hと、第2下流ターン部31iの水平方向に延びる部分)を通流する酸化剤ガスとの圧力差により生じる当該流路間の圧力勾配を小さくすることができる。換言すると、カソードガス拡散層3b(正確には、カソードガス拡散層3bにおける、燃料電池100の厚み方向から見て、第1リブ71の第1上流直線部31aと並走する部分と一致する部分)を酸化剤ガスが通流する際の流体抵抗を増加することができる。このため、第1酸化剤ガス流路131の第1上流直線部31aから流路31zへ短絡する酸化剤ガスの流量を低減することができる。
[燃料電池の作用効果]
次に、本参考形態2に係る燃料電池100の作用効果について、図1及び図11を参照しながら説明する。
上述したように、第1酸化剤ガス流路131における上流部131aの第1上流直線部31aを通流する酸化剤ガスと、第1酸化剤ガス流路131の該第1上流直線部31aと最も近接する流路31zを通流する酸化剤ガスとの圧力差が大きいため、上流部131aを通流する酸化剤ガスの一部が、カソードガス拡散層3bを経由して、流路31z(特に、第1酸化剤ガス流路131の第1の部分41)に流れ込む。
また、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを通流する酸化剤ガスが短絡するため、第2酸化剤ガス流路132及び第3酸化剤ガス流路133の上流部を通流する酸化剤ガスと、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを通流する酸化剤ガスとの間で、圧力差が生じる。この圧力差により、第2酸化剤ガス流路132及び第3酸化剤ガス流路133の上流部を通流する酸化剤ガスの一部が、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aに流れ込む。そして、第2酸化剤ガス流路132及び第3酸化剤ガス流路133から第1酸化剤ガス流路131に流れ込んだ酸化剤ガスの一部が、第1酸化剤ガス流路131の流路31z(特に、第1酸化剤ガス流路131の第1の部分41)に流れ込み、全体として、第1酸化剤ガス流路131及び第3第2酸化剤ガス流路132、133を通流する酸化剤ガスの一部が、第1酸化剤ガス流路131の流路31z(特に、第1の部分41)に流れ込む。
このため、第1酸化剤ガス流路131、第2酸化剤ガス流路132、及び第3酸化剤ガス流路133を通流する酸化剤ガスの一部が、第1酸化剤ガス流路131の流路31z(特に、第1の部分41)に短絡することによって、反応に使われないまま酸化剤ガス排出用マニホールド孔22に排出され、反応ガスの利用効率が低下する。
しかしながら、本実施の形態1に係る燃料電池100では、隣接する溝131〜133の間に形成されるリブのうち、第1酸化剤ガス流路131を構成する溝131のみで形成される第1リブ71の第1上流直線部31aに並走する部分(第1リブ71の第1上流直線部31aと流路31zの間に形成される部分)の幅が、他のリブの幅よりも広く形成されている。これにより、第1酸化剤ガス流路131の第1上流直線部31aを通流する酸化剤ガスと、第1酸化剤ガス流路131の流路31zを通流する酸化剤ガスとの圧力差により生じる当該流路間の圧力勾配を小さくすることができる。換言すると、カソードガス拡散層3b(正確には、カソードガス拡散層3bにおける、燃料電池100の厚み方向から見て、第1リブ71の第1上流直線部31aと並走する部分と一致する部分)を酸化剤ガスが通流する際の抵抗を増加することができる。このため、第1酸化剤ガス流路131の第1上流直線部31aから流路31zへ短絡する酸化剤ガスの流量を低減することができる。
また、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aから流路31zへ短絡する酸化剤ガスを低減することができるため、第2酸化剤ガス流路132及び第3酸化剤ガス流路133の上流部を通流する酸化剤ガスと、第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを通流する酸化剤ガスと、の間で生じる圧力差を低減することができ、第3第2酸化剤ガス流路132、133の上流部から第1酸化剤ガス流路131の上流部131aを介して、流路31zへ短絡する酸化剤ガスを低減することができる。
このため、第1酸化剤ガス流路131、第2酸化剤ガス流路132及び第3酸化剤ガス流路133を通流する酸化剤ガスのうち、燃料ガスとの反応に使用されずに、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22から排出される酸化剤ガスを低減することができ、反応ガスの利用効率を改善することができる。
このように、本参考形態2に係る燃料電池100では、反応ガスの短絡を低減し、反応に寄与せず排出されていた反応ガスを減少させ、反応ガスの利用効率を改善することができる。
参考形態3
図12は、本発明の参考形態3に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図12に示すように、本参考形態3に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、第1リブ71の構成が異なる。具体的には、第1リブ71における第1酸化剤ガス流路131の上流端から第2の部分51までの部分と並走する部分(以下、単に部分という)の幅が、他のリブの幅よりも広くなるように形成されている。すなわち、本参考形態3に係る燃料電池用セパレータでは、前記第1リブは、前記第1酸化剤ガス流路の前記上流端から前記第2の部分までの部分の幅が、それ以外の部分の幅よりも広く形成されている。
このように構成された本参考形態3に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池であっても、参考形態2に係る燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
参考形態4
図13は、本発明の参考形態4に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
本発明の参考形態4に係る燃料電池用セパレータでは、前記特定リブは、前記第3反応ガス流路を構成する溝のみによって形成される第2リブである。
すなわち、図13に示すように、本参考形態4に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、参考形態2に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、第1リブ71に代えて、第3酸化剤ガス流路133を構成する溝133のみから形成される第2リブ72が、それ以外のリブ(第1リブ71を含む)よりも、その幅が広くなるように形成されている点が異なる。
具体的には、第2リブ72における第3酸化剤ガス流路133の第3下流直線部33mと並走する部分(第2上流ターン部33dの水平方向に延びる部分、第3上流直線部33e、及び第3上流ターン部33fの水平方向に延びる部分(以下、流路33yという)と、第3下流直線部33mと、の間に形成される部分)の幅が、当該部分以外のリブの幅よりも広く形成されていて、該第2リブ72が特定リブを構成する。これにより、第3酸化剤ガス流路133の流路33y(特に、第4の部分53)から第3酸化剤ガス流路133の第3下流直線部33mに短絡する酸化剤ガスを低減することができる。
次に、本参考形態4に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100の作用効果について、説明する。
上述したように、第3酸化剤ガス流路133の流路33yを通流する酸化剤ガスと、第3酸化剤ガス流路133の下流部133c(正確には、第3下流直線部33m)を通流する酸化剤ガスと、の圧力差が大きいため、上流部133a(特に、第3酸化剤ガス流路133の第4の部分53)を通流する酸化剤ガスの一部が、カソードガス拡散層3bを経由して、流路33yに流れ込む。
また、第3酸化剤ガス流路133の上流部133aを通流する酸化剤ガスが短絡するため、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132の上流部を通流する酸化剤ガスと、第3酸化剤ガス流路133の上流部133aを通流する酸化剤ガスとの間で、圧力差が生じる。この圧力差により、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132の上流部を通流する酸化剤ガスの一部が、第3酸化剤ガス流路133の上流部133aに流れ込む。そして、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132から第3酸化剤ガス流路133に流れ込んだ酸化剤ガスの一部が、第3酸化剤ガス流路133の流路33yに流れ込み、全体として、第1酸化剤ガス流路131及び第3第2酸化剤ガス流路132、133を通流する酸化剤ガスの一部が、第1酸化剤ガス流路131の流路33yに流れ込む。
このため、第1酸化剤ガス流路131、第2酸化剤ガス流路132、及び第3酸化剤ガス流路133を通流する酸化剤ガスの一部が、第1酸化剤ガス流路131の流路33yに短絡することによって、反応に使われないまま酸化剤ガス排出用マニホールド孔22に排出され、反応ガスの利用効率が低下する。
しかしながら、本参考形態4に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100では、隣接する溝131〜133の間に形成されるリブのうち、第3酸化剤ガス流路133を構成する溝133のみで形成される第2リブ72の第3下流直線部33mに並走する部分(第2リブ72の第3下流直線部33mと流路33yの間に形成される部分)の幅が、他のリブの幅よりも広く形成されている。これにより、第3酸化剤ガス流路133の流路33yを通流する酸化剤ガスと、第3酸化剤ガス流路131の第3下流直線部33mを通流する酸化剤ガスとの圧力差により生じる当該流路間の圧力勾配を小さくすることができる。換言すると、カソードガス拡散層3b(正確には、カソードガス拡散層3bにおける、燃料電池の厚み方向から見て、第2リブ72の第3下流直線部33mに並走する部分と一致する部分)を酸化剤ガスが通流する際の流体抵抗を増加することができる。このため、第3酸化剤ガス流路133の流路33yから下流部133cの第3下流直線部33mへ短絡する酸化剤ガスの流量を低減することができる。
また、第3酸化剤ガス流路133の流路33yから第3下流直線部33mへ短絡する酸化剤ガスを低減することができるため、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132の上流部を通流する酸化剤ガスと、第3酸化剤ガス流路133の上流部133aを通流する酸化剤ガスとの間で、生じる圧力差を低減することができ、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132の上流部から第3酸化剤ガス流路133の上流部133aを介して、第3下流直線部33mへ短絡する酸化剤ガスを低減することができる。
このため、第1酸化剤ガス流路131、第2酸化剤ガス流路132及び第3酸化剤ガス流路133を通流する酸化剤ガスのうち、燃料ガスとの反応に使用されずに、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22から排出される酸化剤ガスを低減することができ、反応ガスの利用効率を改善することができる。
このように、本参考形態4に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100では、反応ガスの短絡を低減し、反応に寄与せず排出されていた反応ガスを減少させ、反応ガスの利用効率を改善することができる。
参考形態5
図14は、本発明の参考形態5に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図14に示すように、本参考形態5に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、参考形態4に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、第2リブ72の構成が異なる。具体的には、第2リブ72における第3酸化剤ガス流路133の第3の部分52から下流端までの部分の幅が、他のリブの幅よりも広くなるように形成されている。すなわち、本発明の参考形態5に係る燃料電池用セパレータでは、前記第3反応ガス流路は、第3の部分と該第3の部分より上流側に位置する第4の部分とを有し、前記第3の部分が前記第3反応ガス流路における前記第4の部分と前記下流端との間の部分のうちで前記上流端に最も近接し、前記第4の部分が前記第3反応ガス流路における前記上流端と前記第3の部分との間の部分のうちで前記下流端に最も近接するように形成されており、前記第2リブは、前記第3反応ガス流路の前記第3の部分から前記下流端までの部分の幅が、それ以外の部分の幅よりも広く形成されている。
このように構成された本参考形態5に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100であっても、参考形態4に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
参考形態6
図15は、本発明の参考形態6に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
本発明の参考形態6に係る燃料電池用セパレータでは、前記特定リブは、前記第1反応ガス流路を構成する溝のみによって形成される第1リブ及び前記第3反応ガス流路を構成する溝のみによって形成される第2リブで構成されている。
具体的には、図15に示すように、本参考形態6に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、参考形態2に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、第1リブ71に加えて、参考形態4に係る燃料電池用セパレータ11と同様に、第2リブ72における第3酸化剤ガス流路133の第3下流直線部33mと並走する部分が、それ以外のリブ(第1リブ71における第1上流直線部31aと並走する部分を除く)よりも、その幅が広くなるように形成されている点が異なる。すなわち、本参考形態6においては、第1リブ71及び第2リブ72が特定リブを構成する。
このように構成された本参考形態6に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100では、参考形態2に係る燃料電池100と同様の作用効果を奏し、かつ、参考形態4に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100と同様の作用効果も奏するので、より反応ガスの短絡を低減し、反応に寄与せず排出されていた反応ガスを減少させ、反応ガスの利用効率をより改善することができる。
参考形態7
図16は、本発明の参考形態7に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。なお、図16においては、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22のみを図示し、他のマニホールド孔については図示するのを省略している。
図16に示すように、本参考形態7に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、参考形態6に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22が設けられている位置と、第1酸化剤ガス流路131、第2酸化剤ガス流路132、及び第3酸化剤ガス流路133の下流部の構成と、第2リブ72の構成と、が異なる。
具体的には、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22は、第2の側部の上部に設けられている。また、第1及び第3酸化剤ガス流路131、133の下流部131c、133cは、それぞれ、第1下流ターン部31g、33gと、第1下流直線部31h、33hと、第2下流ターン部31i、33iと、第2下流直線部31j、33jと、第3下流ターン部31k、33kと、第3下流直線部31m、33mと、第4下流ターン部31n、33nと、第4下流直線部31p、33pと、から構成されていて、その上流端から第3下流直線部31m、33mまでは、参考形態6に係るカソードセパレータ11の第1及び第3酸化剤ガス流路131、133の下流部131c、133cと同じように形成されている。そして、第1及び第3酸化剤ガス流路131、133の下流部131c、133cは、それぞれ、第3下流直線部31m、33mの下流端に、流路を水平方向から垂直方向に折り曲げる第4下流ターン部31n、33nの上流端が接続され、その下流端には、上方向に垂直に延びる第4下流直線部31p、33pの上流端が接続され、その下流端が、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22に連通するように形成されている。
また、第2リブ72における第3下流直線部33m、第4下流ターン部33n、及び第4下流直線部33pと並走する部分の幅が、それ以外のリブ(第1リブ71における第1上流直線部31aと並走する部分を除く)の幅よりも、広くなるように形成されている。
なお、第2酸化剤ガス流路132は、第1及び第3酸化剤ガス流路131、133と同様に構成されているので、詳細な説明は省略する。また、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cが上記のように構成されているので、第1酸化剤ガス流路131の上流端と第1の部分41との間の部分のうちで、最も第1酸化剤ガス流路131の下流端に近接する部分である第2の部分51は、上流部131aにおける第1上流ターン部31bとなる。また、第3酸化剤ガス流路133の下流部133cが上記のように構成されているので、第4の部分53は、第1上流ターン部33bの水平方向に延びる部分の下流端となる。
このように構成された本参考形態7に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100においても、参考形態6に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
参考形態8
図17は、本発明の参考形態8に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。なお、図17においては、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22のみを図示し、他のマニホールド孔については図示するのを省略している。
図17に示すように、本参考形態8に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、参考形態6に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22の配置される位置と、第1酸化剤ガス流路131及び第3酸化剤ガス流路132、133の下流部の構成と、第2リブ72の構成と、が異なる。
具体的には、酸化剤ガス排出用マニホールド孔22は、第1の側部の下部に設けられている。また、第1及び第3酸化剤ガス流路131、133の下流部131c、133cは、それぞれ、略L字状に形成されていて、第1下流ターン部31g、33gと、第1下流直線部31h、33hと、第2下流ターン部31i、33iと、第2下流直線部31j、33jで構成されている。さらに、第2リブ72における第2下流直線部33jと並走する部分の幅が、それ以外のリブ(第1リブ71における第1上流直線部31aと並走する部分を除く)の幅よりも、広くなるように形成されている。
なお、第2酸化剤ガス流路132は、第1及び第3酸化剤ガス流路131、133と同様に構成されているので、詳細な説明は省略する。また、第1酸化剤ガス流路131の下流部131cが上記のように構成されているので、第1酸化剤ガス流路131の上流端と第1の部分41との間の部分のうちで、最も第1酸化剤ガス流路131の下流端に近接する部分である第2の部分51は、上流部131aにおける第3上流ターン部31fとなる。さらに、第3酸化剤ガス流路133の下流部133cが上記のように構成されているので、第4の部分53は、第3上流ターン部33fの水平方向に延びる部分の下流端となる。
このように構成された本参考形態8に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100においても、参考形態6に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
参考形態9
図18は、本発明の参考形態9に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
本発明の参考形態9に係る燃料電池用セパレータでは、前記第1反応ガス流路における前記上流端と前記第2の部分との間にその底面に複数の突起が立設された窪みからなる第1反応ガス混合部が形成されており、前記第1反応ガス混合部は、該第1反応ガス混合部より上流側の前記第1反応ガス流路及び該第1反応ガス流路以外の前記複数の反応ガス流路のうち少なくとも1の前記反応ガス流路を通流する前記反応ガスを合流させ、合流させた後の前記反応ガスを該第1反応ガス混合部より下流側の前記第1反応ガス流路及び該第1反応ガス流路以外の前記複数の反応ガス流路のうち少なくとも1の前記反応ガス流路に分流させ、前記第1反応ガス混合部より上流側に設けられた前記反応ガス流路の数は、前記第1反応ガス混合部より下流側に設けられた前記反応ガス流路の数よりも少ない。
すなわち、図18に示すように、本発明の参考形態9に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、参考形態2に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、第1酸化剤ガス流路131及び第3酸化剤ガス流路133の上流部131a、133aの途中に第1反応ガス混合部64が設けられている点と、第2酸化剤ガス流路132の上流端の位置が異なる。
具体的には、第1反応ガス混合部64は、第1酸化剤ガス流路131の上流端と第2の部分51の間に設けられており、ここでは、第1上流直線部31aの下流端と第2上流直線部31cの上流端を接続する部分(参考形態2において、第1上流ターン部31bに相当する部分)に設けられている。第1酸化剤ガス混合部64は、窪み部62と該窪み部62の底面から立設された複数の突起63から構成されている。
窪み部62は、カソードセパレータ11の厚み方向から見て、略矩形状に形成されており、その上流端には、第1及び第3酸化剤ガス流路131、133の第1上流直線部31a、33aが連通しており、また、その下流端は、第1及び第3酸化剤ガス流路131、133の第2上流直線部31c、33cと、第2酸化剤ガス流路132が連通している。すなわち、酸化剤ガス流路132の上流端は、窪み部62となる。
また、窪み部62は、第1酸化剤ガス流路131、第2酸化剤ガス流路132、及び第3酸化剤ガス流路133と同じ深さに形成されており、その底面には、該底面から厚み方向に突出した多数の島状(ここでは略円柱状、より正確には、略真円柱形)の突起63が設けられている。突起63は、均等なピッチで複数(ここでは、2個)形成されている。なお、突起63は、ここでは、略円柱形により形成されているが、これに限定されず、略円柱形、略三角柱形及び略四角柱形であってもよい。また、ここでは、突起63の立設方向に垂直な輪切り断面が、略真円柱形としたが、これに限定されず、楕円柱形であってもよい。
これにより、第1及び第3酸化剤ガス流路131、133の第1上流直線部31a、33aを通流した酸化剤ガスが、第1反応ガス混合部64の窪み部62で合流する。窪み部62で合流した酸化剤ガスは、窪み部62に縞状に配置された複数の突起63により、その流れが乱され、これらの酸化剤ガスの混合が促進され、混合された酸化剤ガスは、窪み部62の下流端から第1酸化剤ガス流路131、第2酸化剤ガス流路132、及び第3酸化剤ガス流路133に分流される。
このように構成された本参考形態9に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100においても、参考形態2に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
なお、本参考形態9においては、第1反応ガス混合部64を第1上流直線部31aの下流端と第2上流直線部31bの上流端を接続する部分に設けたが、これに限定されず、第1酸化剤ガス流路131の上流端と第2の部分51の間であれば、どの部分であってもよい。また、本実施の形態においては、第1反応ガス混合部64を窪み部62と突起63で構成したが、これに限定されず、各流路を互いに連通する連通用流路を設けて構成してもよい。
参考形態10
図19は、本発明の参考形態10に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
本発明の参考形態10に係る燃料電池用セパレータでは、前記第3反応ガス流路における前記第3の部分と前記下流端の間にその底面に複数の突起が立設された窪みからなる第2反応ガス混合部が形成されており、前記第2反応ガス混合部は、該第2反応ガス混合部より上流側の前記第3反応ガス流路及び該第3反応ガス流路以外の前記複数の反応ガス流路のうち少なくとも1の前記反応ガス流路を通流する前記反応ガスを合流させ、合流させた後の前記反応ガスを該第2反応ガス混合部より下流側の前記第3反応ガス流路及び該第1反応ガス流路以外の前記複数の反応ガス流路のうち少なくとも1の前記反応ガス流路に分流させ、前記第2反応ガス混合部より上流側に設けられた前記反応ガス流路の数は、前記第2反応ガス混合部より下流側に設けられた前記反応ガス流路の数よりも多い。
すなわち、図19に示すように、本参考形態10に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、参考形態4に係る燃料電池用セパレータ11を基本的構成は同じであるが、第1酸化剤ガス流路131及び第3酸化剤ガス流路133の下流部131c、133cの途中に第2反応ガス混合部65が設けられている点と、第2酸化剤ガス流路132の下流端の位置が異なる。
具体的には、第2反応ガス混合部65は、第3酸化剤ガス流路133の第3の部分52と下流端の間に設けられており、ここでは、第2下流直線部33jの下流端と第3下流直線部33mの上流端を接続する部分(参考形態4において、第3上流ターン部33kに相当する部分)に設けられていて、第2酸化剤ガス流路132の下流端となる。第2反応ガス混合部65は、第1反応ガス混合部64と同様に、窪み部62と該窪み部62の底面から立設された複数の突起63から構成されている。
窪み部62は、カソードセパレータ11の厚み方向から見て、略矩形状に形成されており、その上流端には、第1及び第3酸化剤ガス流路131、133の第2下流直線部31j、33jが連通しており、また、その下流端は、第1及び第3酸化剤ガス流路131、133の第3下流直線部31m、33mが連通している。また、窪み部62には、酸化剤ガス流路132の下流端が連通している。
また、窪み部62は、第1酸化剤ガス流路131、第2酸化剤ガス流路132、及び第3酸化剤ガス流路133と同じ深さに形成されており、その底面には、該底面から厚み方向に突出した多数の島状(ここでは略円柱状、より正確には、略真円柱形)の突起63が設けられている。突起63は、均等なピッチで複数(ここでは、2個)形成されている。なお、突起63は、ここでは、略円柱形により形成されているが、これに限定されず、略円柱形、略三角柱形及び略四角柱形であってもよい。また、ここでは、突起63の立設方向に垂直な輪切り断面が、略真円柱形としたが、これに限定されず、楕円柱形であってもよい。
これにより、第1及び第3酸化剤ガス流路131、133の第2下流直線部31j、33j及び第2酸化剤ガス流路132の下流部を通流した酸化剤ガスが、第2反応ガス混合部65の窪み部62で合流する。窪み部62で合流した酸化剤ガスは、窪み部62に縞状に配置された複数の突起63により、その流れが乱され、これらの酸化剤ガスの混合が促進され、混合された酸化剤ガスは、窪み部62の下流端から第1酸化剤ガス流路131及び第3酸化剤ガス流路133に分流される。
このように構成された本参考形態10に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池においても、参考形態4に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池と同様の作用効果を奏する。
なお、本参考形態10においては、第2反応ガス混合部65を第2下流直線部33jの下流端と第3下流直線部33mの上流端を接続する部分に設けたが、これに限定されず、第3酸化剤ガス流路133の第3の部分52と下流端の間であれば、どの部分であってもよい。また、本参考形態10においては、第2反応ガス混合部65を窪み部62と突起63で構成したが、これに限定されず、各流路を互いに連通する連通用流路を設けて構成してもよい。
参考形態11
図20は、本発明の参考形態11に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。
図20に示すように、本参考形態11に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、参考形態2に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11と基本的構成は同じであるが、第1及び第3酸化剤ガス流路131、133及び酸化剤ガス流路132の中流部がサーペンタイン状に形成されている点が異なる。以下に、第1酸化剤ガス流路131の中流部131bの構成について説明する。
第1酸化剤ガス流路131の中流部131bは、その上流部131aの下流端から第1の側部方向に水平方向にある距離延び、そこから、流路を上方向に延びつつ、180度ターンさせ、そこから、第2の側部方向に水平にある距離延び、そこから、上方向に垂直にある距離延びる。そして、この延在パターンを2回繰り返し、そこから、第1の側部方向に水平にある距離延びて、下流部131cの上流端に到る。
このように構成された本参考形態11に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100においても、参考形態2に係る燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
参考形態12
図21は、本発明の参考形態12に係る燃料電池用セパレータの概略構成を示す模式図である。なお、図21においては、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22のみを図示し、他のマニホールド孔については図示するのを省略している。
図21に示すように、本参考形態12に係る燃料電池用セパレータ(カソードセパレータ)11は、円板状に形成されており、また、その主面には、第1酸化剤ガス流路131、酸化剤ガス流路132、及び第3酸化剤ガス流路133が並走して形成されている。酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22は、カソードセパレータ11の中心部(中心軸101)を挟んで対向するように設けられている。なお、ここでは、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22をカソードセパレータ11の中心軸を挟んで対向するように設けたが、これに限定されず、これらのマニホールド孔は、カソードセパレータ11の周縁部に配置されていれば、どの位置に設けられてもよい。
第1酸化剤ガス流路131、第2酸化剤ガス流路132、及び第3酸化剤ガス流路133は、全体として、渦巻状に形成されており、具体的には、その上流端からカソードセパレータ11の中心部に向かって収束するように、時計回りに弧を描くように流路が形成され、カソードセパレータ11の中央部で折り返して、カソードセパレータ11の周縁部に向かって発散するように、反時計回りに弧を描くように流路が形成されている。
また、第1酸化剤ガス流路131は、第1の部分41と第2の部分51を有している。上述したように、第1の部分は、第1酸化剤ガス流路131における第2の部分51と下流端との間の部分のうち、最も第1酸化剤ガス流路131の上流端に近接する部分であり、ここでは、第1酸化剤ガス流路131における、第1酸化剤ガス流路131の上流端と中心軸101を結ぶ線と交わる部分のうち、最もセパレータ11の外周に近い部分が、第1の部分41を構成する。また、第2の部分51は、第1酸化剤ガス流路131における上流端と第1の部分41との間の部分のうち、最も第1酸化剤ガス流路131の下流端に近接する部分であり、ここでは、第1酸化剤ガス流路131における、第1酸化剤ガス流路131の下流端と中心軸101を結ぶ線と交わる部分のうち、最もセパレータ11の外周に近い部分が、第2の部分51を構成する。
さらに、第3酸化剤ガス流路133は、第3の部分52と第4の部分53を有している。上述したように第3の部分52は、第3酸化剤ガス流路133における第1酸化剤ガス流路131の第1の部分41に対応する部分であり、第4の部分53と下流端との間の部分のうち、最も第3酸化剤ガス流路133の上流端に近接する部分である。ここでは、第3酸化剤ガス流路133における、第3酸化剤ガス流路133の上流端と中心軸101を結ぶ線と交わる部分のうち、最もセパレータ11の外周に近い部分が、第3の部分52を構成する。一方、第4の部分53は、第3酸化剤ガス流路133における第1酸化剤ガス流路131の第2の部分51に対応する部分であり、第3酸化剤ガス流路133における上流端と第3の部分52との間の部分のうち、最も第3酸化剤ガス流路133の下流端に近接する部分である。ここでは、第3酸化剤ガス流路133における、第3酸化剤ガス流路133の下流端と中心軸101を結ぶ線と交わる部分のうち、最もセパレータ11の外周に近い部分が、第4の部分53を構成する。
そして、第1酸化剤ガス流路131を構成する溝131のみで形成されるリブが、第1リブ71を構成し、第3酸化剤ガス流路133を構成する溝133のみで形成されるリブが第2リブ72を構成する。また、本参考形態においては、第1リブ71における第1酸化剤ガス流路131の上流端から第2の部分51までの部分と並走する部分の幅と、第2リブにおける第3酸化剤ガス流路133の第3の部分52から下流端までの部分と並走する部分の幅が、これら以外のリブの幅よりも広くなるように形成されている。
このように構成された本参考形態12に係る燃料電池用セパレータ11を備えた燃料電池100においても、参考形態6に係る燃料電池用セパレータを備えた燃料電池100と同様の作用効果を奏する。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上述した本発明の実施の形態においては、第1リブ71の上流端から第1の部分までの部分の幅及び/又は第2リブ72の第3の部分から下流端までの部分の幅が、これら以外の部分の幅よりも広くなるように形成したが、これに限定されず、第1リブ71の上流端から下流端までの幅及び/又は第2リブ72の上流端から下流端までの幅が、他のリブよりも広くなるように形成してもよい。また、第1リブ71の上流端から第1の部分までの部分及び/又は第2リブ72の第3の部分から下流端までの部分以外の幅を実質的に同じになるように形成したが、これに限定されず、リブの幅をそれぞれ異なるように形成してもよい。さらに、本発明の作用効果が得られる範囲において、第1及び第2リブ71、72以外のリブの一部の幅が、第1リブ71の上流端から第1の部分までの部分の幅及び/又は第2リブ72の第3の部分から下流端までの部分の幅が、これら以外の部分の幅よりも広くなるように形成されていてもよい。
なお、本実施の形態においては、酸化剤ガス供給用マニホールド孔21と酸化剤ガス排出用マニホールド孔22をカソードセパレータ11の中心軸を挟んで対向するように設けたがこれに限定されず、これらのマニホールド孔は、カソードセパレータ11の周縁部に配置されていれば、どの位置に設けられてもよい。
次に、本発明に係る燃料電池100をシミュレーション解析によってその効果を検証した結果について説明する。
[試験例1]
本発明の実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ11を用いた燃料電池100を実施例1とし、図22に示すセパレータ200を用いた燃料電池100を比較例1として、シミュレーション解析によってその効果を検証した。簡便に評価するために電極面のみを解析対象とした。
解析には、アンシス・ジャパン株式会社のFLUENT、PEMモジュールを使用した。発電条件は、電流密度0.24A/cm、燃料利用率75%、酸素利用率55%、燃料ガスには水素75%、二酸化炭素25%の混合ガス、酸化剤ガスには空気とし、燃料ガスの露点は65℃、酸化剤ガスの露点は35℃、電池温度を90℃とした。
その結果、高分子電解質膜1の含水量によって変化するプロトン導電率は、実施例1では、0.816S/m、比較例1では0.771S/mとなり、本発明の構成によって電池性能に影響を与えるプロトン導電率が向上することが確認できた。
発明者らは、このことは以下の理由によるものと考察する。燃料電池100を低加湿で運転した場合に、高分子電解質膜1が乾燥してプロトン導電率が小さくなるが、特に、セル内(セパレータの主面)のある部分(ここでは、第1酸化剤ガス流路の下流部)に発電が集中すると、発電に伴う発熱によって、当該部分に対応する高分子電解質膜1がより乾燥し、プロトン導電率がさらに小さくなる。しかしながら、本実施の形態1に係る燃料電池用セパレータ11を用いた燃料電池100では、第1酸化剤ガス流路131及び第2酸化剤ガス流路132、133の間で、酸化剤ガスが分配されることにより、発電の集中が緩和され、高分子電解質膜1の含水量が増加してプロトン導電率が向上したと考察する。
次に、本発明に係る燃料電池100の発電実験を行った結果を示す。
[試験例2]
本発明の実施の形態4に係る燃料電池用セパレータ11を用いた燃料電池(単電池)100を実施例2とし、試験例1と同様に、図22に示すセパレータ200を用いた燃料電池100を比較例1として、燃料電池100の起電力(電圧)を測定した。なお、発電条件は、電流密度0.16A/cm、燃料利用率75%、酸素利用率85%、燃料ガスには水素75%、二酸化炭素25%の混合ガス、酸化剤ガスには空気とし、燃料ガスの露点は65℃、酸化剤ガスの露点は35℃、電池温度を90℃とした。
その結果、実施例2では電圧が693mV、比較例1では、電圧が689mVとなり、本発明の構成によってその起電力が増加し、電池性能が向上することが確認された。
このように、試験例1及び試験例2によって、本発明に係る燃料電池用セパレータ11を用いた燃料電池100では、従来の燃料電池100に比べて、プロトン伝導率及び起電力が向上し、その性能が向上することが確認された。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明の燃料電池用セパレータ及びそれを備える燃料電池は、反応ガス流路を通流する反応ガスの供給量のバラツキを低減し、反応ガスの利用効率を改善することができるので、効率よく発電することができるため、燃料電池の技術分野で有用である。
1 高分子電解質膜
2a アノード触媒層
2b カソード触媒層
3a アノードガス拡散層
3b カソードガス拡散層
4a アノード
4b カソード
5 MEA(Membrane−Electrode−Assembly:電解質層−電極接合体)
6 ガスケット
9 冷却媒体流路
10 アノードセパレータ
11 カソードセパレータ
21 酸化剤ガス供給用マニホールド孔(反応ガス供給用マニホールド孔)
22 酸化剤ガス排出用マニホールド孔(反応ガス排出用マニホールド孔)
23 燃料ガス供給用マニホールド孔(反応ガス供給用マニホールド孔)
24 燃料ガス排出用マニホールド孔(反応ガス排出用マニホールド孔)
25 冷却媒体供給用マニホールド孔
26 冷却媒体排出用マニホールド孔
31a 第1上流直線部
31b 第1上流ターン部
31c 第2上流直線部
31d 第2上流ターン部
31e 第3上流直線部
31f 第3上流ターン部
31g 第1下流ターン部
31h 第1下流直線部
31i 第2下流ターン部
31j 第2下流直線部
31k 第3下流ターン部
31m 第3下流ターン部
31n 第4下流ターン部
31p 第4下流直線部
33a 第1上流直線部
33b 第1上流ターン部
33c 第2上流直線部
33d 第2上流ターン部
33e 第3上流直線部
33f 第3上流ターン部
33g 第1下流ターン部
33h 第1下流直線部
33i 第2下流ターン部
33j 第2下流直線部
33k 第3下流ターン部
33m 第3下流ターン部
33n 第4下流ターン部
33p 第4下流直線部
41 第1の部分
51 第2の部分
52 第3の部分
53 第4の部分
61 連通用流路
62 窪み部
63 突起
64 第1反応ガス混合部
65 第2反応ガス混合部
100 燃料電池
101 中心軸
131 酸化剤ガス流路(第1反応ガス流路、溝)
131a 上流部
131b 中流部
131c 下流部
132 第2酸化剤ガス流路(第2反応ガス流路、溝)
133 第2酸化剤ガス流路(第2反応ガス流路、溝)、第3酸化剤ガス流路(第3反応ガス流路)
134 第2酸化剤ガス流路(第2反応ガス流路)
135 第2酸化剤ガス流路(第2反応ガス流路)
141 第1燃料ガス流路(第1反応ガス流路)
142 第2燃料ガス流路(第2反応ガス流路)
143 第2燃料ガス流路(第2反応ガス流路)
200 セパレータ
201 流体通路
202 流体通路
203 流体通路
211 入口
212 出口

Claims (8)

  1. 周縁部に設けられ、厚み方向に貫通する反応ガス供給用マニホールド孔と、
    周縁部に設けられ、厚み方向に貫通する反応ガス排出用マニホールド孔と、
    少なくとも一方の主面に、折り返し部分を有する渦巻き状に形成され、その上流端が前記反応ガス供給用マニホールド孔に接続され、その下流端が前記反応ガス排出用マニホールド孔に接続された溝状の第1反応ガス流路と、
    少なくともその上流端が前記反応ガス供給用マニホールド孔に接続され、かつ、前記第1反応ガス流路と並走しながら渦巻き状に形成された1以上の溝状の第2反応ガス流路と、を備えた燃料電池用セパレータであって、
    前記セパレータの厚み方向から見て、前記第1反応ガス流路の前記折り返し部分より下流の部分で、最も前記上流端に近接する部分を最近接部分と定義した場合に、
    前記1以上の第2反応ガス流路は、前記セパレータの厚み方向から見て、前記第1反応ガス流路の上流端と前記最近接部分との間に位置しないように並走しており、
    記第1反応ガス流路は、前記最近接部分と前記下流端との間の部分である特定部分において、前記1以上の第2反応ガス流路のうち少なくとも最も前記第1反応ガス流路と近接している第2反応ガス流路である特定流路と連通するように形成されている、燃料電池用セパレータ。
  2. 前記特定流路は、その下流端が前記反応ガス供給マニホールド孔に接続されている、請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
  3. 前記特定流路は、その下流端が前記特定部分において前記第1反応ガス流路に接続されるようにして該第1反応ガス流路と連通している、請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
  4. 前記第1反応ガス流路は、溝状の連通流路により接続されるようにして前記特定流路と連通している、請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
  5. 前記特定部分にその底面に複数の突起が立設された窪みからなる反応ガス混合部が形成されており、前記第1反応ガス流路と前記特定流路とが前記反応ガス混合部において合流しており、それにより、第1反応ガス流路が前記特定流路と連通している、請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
  6. 前記第1反応ガス流路と前記特定流路とは、前記反応ガス混合部において前記反応ガス排出用マニホールド孔に向けて分流している、請求項5に記載の燃料電池用セパレータ。
  7. 前記反応ガス供給用マニホールド孔と前記反応ガス排出用マニホールド孔は、前記燃料電池用セパレータの中心部を挟んで互いに対向するように配置されている、請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
  8. 請求項1に記載の燃料電池用セパレータを含む一対の燃料電池用セパレータと、
    電解質層と該電解質層を挟む一対の電極を有する電解質層−電極接合体と、を備え、
    前記電解質層−電極接合体は、一対の前記燃料電池用セパレータに挟まれている、燃料電池。
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