JP2021064548A - 燃料電池 - Google Patents

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Takuya Tsujiguchi
拓也 辻口
厚 久保
Atsushi Kubo
厚 久保
則康 林
Noriyasu Hayashi
則康 林
齊藤 利幸
Toshiyuki Saito
利幸 齊藤
中井 基生
Motoo Nakai
基生 中井
明洋 高里
Akihiro Takasato
明洋 高里
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Abstract

【課題】燃料流路内に二酸化炭素の気泡が留まることを抑制し、出力(発電量)の低下を抑制することができる燃料電池を提供する。【解決手段】ギ酸またはアルコールを含む液体を燃料とする燃料極10と、空気極20と、電解質膜30とを有する直接液体型の燃料電池7X(7)において、燃料極は、燃料極触媒層11と燃料極拡散層12と燃料極集電体13とを有し、燃料極集電体には燃料が供給される燃料流入口7Aと燃料が排出される燃料流出口7Bが設けられており、燃料極集電体における燃料極拡散層の側の面である燃料流通面13AX(13A)には、燃料を、燃料極拡散層に接触させながら燃料流通面に沿って燃料流入口から燃料流出口へと導く燃料流通溝13Bが形成されており、燃料流通溝13Bは、燃料流入口の側から燃料流出口へ向かって、徐々にあるいは段階的に燃料の流速を増加させる燃料供給構造100X(100)が設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池に関する。
燃料電池には様々な種類があり、その中には、液体の燃料を改質せずに燃料極に直接投入する直接液体型燃料電池がある。直接液体型燃料電池は、燃料を酸化する燃料極と、空気などの酸化剤ガスを還元する空気極と、空気極と燃料極との間にイオン伝導を行う電解質膜とを備えている。ここで、燃料極はアノードで、空気極はカソードである。燃料極および空気極の両方の電極では、電極の酸化還元反応の速度を促進させる電極触媒を含む触媒層が設けられている。
例えば特許文献1に記載の燃料電池では、燃料極に金属プレートのアノード部を有し、アノード部に形成された燃料流路(燃料流通溝に相当)に燃料を流通させている。アノード部には、下方から上方に向かう蛇行形状とされて等間隔に配置された複数の燃料流路が形成されている。燃料流路は、金属プレートのアノード部に対して厚さ方向に形成されており、アノード部が、膜−電極接合体(MEA)とセパレータ(絶縁体)に挟まれて、燃料流路が構成されている。なお、膜−電極接合体(MEA)は、第1電極層と、第2電極層と、第1電極層と第2電極層に挟まれた電解質膜と、を有している。アノード部は、燃料を流通させながら、この燃料を膜−電極接合体(MEA)の第1電極層に分散供給する。
特開2007−95692号公報
例えばギ酸またはアルコールを含む液体を燃料として使用する直接液体型燃料電池の燃料極内では、酸化反応によって二酸化炭素が発生する。そして燃料極内で発生した二酸化炭素が燃料流路内に侵入する。燃料流路内に侵入した二酸化炭素は、液体の燃料内での浮力と、燃料の流れと、によって上方へと移動して集められ、燃料流路内に気泡となって留まる場合がある。燃料流路内に二酸化炭素の気泡が留まると、燃料流路内での燃料の流れが阻害され、燃料電池の出力が低下する。
燃料流路内に二酸化炭素の気泡が留まることを抑制するには、燃料流路内の燃料の流速を速くすればよい。しかし、燃料流路内の燃料の流速が速過ぎると、触媒層(電極層)へ燃料が拡散しにくくなるので好ましくない。触媒層(電極層)に拡散し易い流速にすると、燃料流路内に二酸化炭素の気泡が留まり易い。
特許文献1に記載の燃料電池では、薄板状の金属プレートに貫通するように下方から上方に向かう蛇行形状とされた複数の燃料流路の幅及び深さは、下方から上方に向かって一定とされているように見受けられる。従って下方から上方に向かって流れる燃料の流速は一定であり、触媒層(電極層)に拡散し易い流速にすると、燃料流路内に二酸化炭素の気泡が留まり易い。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、燃料流路内に二酸化炭素の気泡が留まることを抑制し、出力(発電量)の低下を抑制することができる燃料電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の発明は、ギ酸またはアルコールを含む液体を燃料とする燃料極と、空気極と、電解質膜とを有する直接液体型の燃料電池において、前記燃料極は、燃料極触媒層と燃料極拡散層と燃料極集電体とを有し、前記燃料極集電体には前記燃料が供給される燃料流入口と前記燃料が排出される燃料流出口が設けられており、前記燃料極集電体における前記燃料極拡散層の側の面である燃料流通面には、前記燃料を、前記燃料極拡散層に接触させながら前記燃料流通面に沿って前記燃料流入口から前記燃料流出口へと導く燃料流通溝が形成されており、前記燃料流通溝は、前記燃料流入口の側から前記燃料流出口へ向かって、徐々にあるいは段階的に前記燃料の流速の変化を含む流れを変化させる燃料供給構造を有している、燃料電池である。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る燃料電池であって、前記燃料供給構造は、前記燃料流入口の側から前記燃料流出口へ向かって、徐々にあるいは段階的に小さくなる前記燃料流通溝の流路の断面積である流路断面積を有する、燃料電池である。
次に、本発明の第3の発明は、上記第2の発明に係る燃料電池であって、前記燃料供給構造は、前記燃料流入口の側から前記燃料流出口へ向かって、徐々にあるいは段階的に狭くなる前記燃料流通溝の流路の幅である流路幅を有する、燃料電池である。
次に、本発明の第4の発明は、上記第2又は第3の発明に係る燃料電池であって、前記燃料供給構造は、前記燃料流入口の側から前記燃料流出口へ向かって、徐々にあるいは段階的に浅くなる前記燃料流通溝の流路の深さである流路深さを有する、燃料電池である。
次に、本発明の第5の発明は、上記第1の発明〜第4の発明のいずれか1つに係る燃料電池であって、前記燃料流通溝には、前記燃料流通面における一方縁部の側から、前記一方縁部とは反対側となる他方縁部の側へと延びるように形成された複数の流通溝部と、単数または隣り合う複数の前記流通溝部にて、複数の流通溝部グループが形成され、隣り合う前記流通溝部グループに流れる前記燃料が逆方向となるように、隣り合う前記流通溝部グループの前記一方縁部の側の端部、あるいは、隣り合う前記流通溝部グループの前記他方縁部の側の端部、をそれぞれ接続する複数の折り返し溝部と、が設けられている、燃料電池である。
次に、本発明の第6の発明は、上記第5の発明に係る燃料電池であって、前記燃料流入口に近い側の前記流通溝部グループ内の前記流通溝部の本数よりも、前記燃料流出口に近い側の前記流通溝部グループ内の前記流通溝部の本数の方が少ない、燃料電池である。
第1の発明によれば、燃料流通溝が燃料流入口の側から燃料流出口へ向かって、徐々にあるいは段階的に燃料の流れを変化(流速の増加・減少、圧力の増加・減少)させ、変化した燃料の流れ(押し出し力)により気泡状の二酸化炭素を燃料とともに燃料流通溝の燃料流出口から排出させることができる。これにより、燃料流通溝(燃料流路)内に二酸化炭素の気泡が留まることを抑制し、出力(発電量)の低下を抑制することができる。また、燃料の供給を継続しつつ二酸化炭素を排出するため、二酸化炭素の排出処理のため発電を中断する必要がない。さらに、二酸化炭素を排出するために、燃料流入口において燃料を圧送する圧力を増加させて燃料を増速する必要がないため、燃料が電解質膜を通過するクロスオーバーや燃料漏れを起こすことを防止できる。
第2の発明によれば、燃料流通溝が燃料流入口の側から燃料流出口へ向かって、徐々にあるいは段階的に燃料流通溝の流路断面積を小さくすることで、流路断面の単位断面積当たりの流量を徐々にあるいは段階的に増加させることができる。これにより、流路断面の単位断面積当たりの流量・圧力が増加し、燃料の流速・圧力を燃料流通溝の燃料流入口の側から燃料流出口へ向かって徐々にあるいは段階的に増加させることができる。
第3の発明によれば、燃料流通溝が燃料流入口の側から燃料流出口へ向かって、徐々にあるいは段階的に燃料流通溝の流路幅を狭くし流路断面の断面積を小さくすることで、単位断面積当たりの流量を徐々にあるいは段階的に増加させることができる。これにより、流路断面の単位断面積当たりの流量・圧力が増加し、燃料の流速・圧力を燃料流通溝の燃料流入口の側から燃料流出口へ向かって徐々にあるいは段階的に増加させることができる。
第4の発明によれば、燃料流通溝が燃料流入口の側から燃料流出口へ向かって、徐々にあるいは段階的に燃料流通溝の流路深さを浅くすることで、単位断面積当たりの流量を徐々にあるいは段階的に増加させることができる。これにより、流路断面の単位断面積当たりの流量・圧力が増加し、燃料の流速・圧力を燃料流通溝の燃料流入口の側から燃料流出口へ向かって徐々にあるいは段階的に増加させることができる。
第5の発明によれば、燃料の流速・圧力を燃料流通溝の燃料流入口の側から燃料流出口へ向かって流通溝部グループ毎に段階的に増加させることができる。
第6の発明によれば、燃料の流速を燃料流通溝の燃料流入口の側から燃料流出口へ向かって流通溝部グループ毎に段階的に流通溝部の本数を減らすことで、燃料流通溝の燃料流入口の側から燃料流出口へ向かって段階的に流路断面の総流路断面積を減らすことができる。これにより、流路断面の単位断面積当たりの流量・圧力が増加し、燃料の流速・圧力を燃料流通溝の燃料流入口の側から燃料流出口へ向かって流通溝部グループ毎に段階的に増加させることができる。
本実施形態に係る燃料電池システムの全体構成を説明する斜視図である。 本実施形態に係る燃料電池の構成を説明する分解斜視図である。 第1の実施形態の燃料極集電体を燃料流通面(図2のIII方向)から見た正面図である。 第2の実施形態の燃料極集電体を燃料流通面から見た正面図である。 第3の実施形態の燃料極集電体を燃料流通面から見た正面図である。 図5の領域A1における流通溝部の断面図である。 図5の領域A4における流通溝部の断面図である。
以下に、本発明の燃料電池を適用した実施の形態に係る燃料電池システム1(1X、1Y、1Z)について、図面を用いて説明する。なお、本実施の形態にて説明する燃料電池システム1の燃料電池7(7X、7Y、7Z)は、ギ酸またはメタノール等のアルコールの水溶液を燃料とする直接液体型燃料電池であり、以下ではギ酸を燃料とする直接ギ酸型燃料電池を例として説明する。ここで、直接液体型燃料電池とは、液体の燃料を、改質せずに燃料極に直接投入する燃料電池を意味する。そして、直接ギ酸型燃料電池は、燃料としてギ酸を用い、ギ酸を改質せずに燃料極10(図2参照)に直接投入する燃料電池燃料である。なお、図中にX軸、Y軸、Z軸が記載されている場合、各軸は互いに直交しており、Z軸方向は鉛直上方に向かう方向を示し、X軸方向とY軸方向は水平方向を示している。
●[燃料電池システム1(1X、1Y、1Z)の全体構成(図1)]
図1は、本実施形態の燃料電池7(7X、7Y、7Z)を含む燃料電池システム1(1X、1Y、1Z)の全体構成を示す図であり、図2は燃料電池7X(7)の構成を説明する分解斜視図である。燃料電池システム1(1X、1Y、1Z)は、図1に示すように、燃料タンク50、ポンプ52、燃料電池7(7X、7Y、7Z)、排液タンク60等を有している。なお、燃料電池システム1X〜1Zのそれぞれは、第1の実施形態〜第3の実施形態のそれぞれの燃料電池システム1を示し、燃料電池7X〜7Zのそれぞれは、第1の実施形態〜第3の実施形態のそれぞれの燃料電池7を示している。また、燃料電池システム1X〜1Zのそれぞれは、異なる燃料極集電体13である燃料極集電体13X〜13Zをそれぞれ有している点においてのみ相違する。
燃料タンク50には、燃料となる所定濃度のギ酸を含む液体(ギ酸水溶液)が蓄えられている。燃料となるギ酸の濃度は、例えば10〜40[%]程度である。また燃料タンク50には燃料供給配管51の一方端が接続され、燃料供給配管51の他方端は燃料電池7(7X、7Y、7Z)の燃料流入口7Aに接続されている。
ポンプ52は電動ポンプであり、燃料供給配管51に設けられており、燃料タンク50内の燃料を燃料電池7(7X、7Y、7Z)の燃料流入口7Aに向けて圧送する。
排液タンク60には、燃料電池7(7X、7Y、7Z)内で使用された後の燃料と、空気極20にて発生して回収された水が蓄えられている。排液タンク60には燃料排出配管61の他方端が接続され、燃料排出配管61の一方端は燃料電池7の燃料流出口7Bに接続されている。また排液タンク60には、回収配管62の他方端が接続され、回収配管62の一方端の側は、空気極20の下方に設けられた回収孔23Bに接続されている。さらに、排液タンク60の上部には、内部と外部を連通する排気口(不図示)が設けられており、排液タンク60の内部の圧力が高まると、排液タンク60内の気体が排気口(不図示)から排液タンク60外へ流出する。
燃料電池7(7X、7Y、7Z)は、燃料タンク50からの燃料が流入される燃料流入口7Aと、使用された燃料を排出する燃料流出口7Bとを有し、流入された燃料を用いて発電する。なお、燃料電池7X(7)の構造の詳細について、以下に説明する。
●[燃料電池7X(7)の構造(図2)]
第1の実施形態の燃料電池である燃料電池7X(7)を用いて、燃料電池7の構造を説明する。燃料電池7X(7)は、図2に示すように、空気極20と燃料極10にて電解質膜30を挟んだ構成を有している。空気極20は、空気極触媒層21、空気極拡散層22、空気極集電体23が積層されて構成されている。燃料極10は、燃料極触媒層11、燃料極拡散層12、燃料極集電体13X(13)が積層されて構成されている。なお、燃料電池7X、7Y、7Zのそれぞれは、燃料極集電体13として燃料極集電体13X、13Y、13Zをそれぞれ有している点でのみ相違する(図1参照)。
空気極集電体23は、厚みが約1〜10[mm]程度の導電性を有する板状の金属等である。空気極集電体23には、周囲の空気(酸素)を空気極拡散層22に流入させる(空気極拡散層22を外気にさらす)ため、圧送された空気を外部から供給する供給口23Aが上方に設けられ、使用された空気と発生する水を回収するため回収孔23Bが下方に設けられている。空気極集電体23には、図1に示すように、電気負荷(例えば、電動モータ)の一方端が接続される。空気極集電体23の空気極拡散層22に接触する側の面には、幅が狭い流路として空気流通溝23Cが形成されている。なお、空気流通溝23Cは、燃料流通溝13Bと同形状に形成しても良い。
空気極拡散層22は、厚みが約0.05〜0.5[mm]程度の層状に形成されている。空気極拡散層22は、水および空気を透過できるとともに、電子伝導性を有する多孔質材であり、例えば、カーボンペーパーやカーボンクロスを用いることができる。空気極拡散層22は、空気極集電体23の供給口23Aから流入した空気(酸素)を、拡散させながら空気極触媒層21に導く。外気の空気に含まれる酸素は、空気極拡散層22に浸透して空気極触媒層21の電極触媒粒子に到達する。
空気極触媒層21は、厚みが約0.05〜0.5[mm]程度の層状に形成されている。空気極触媒層21は、空気極の電極触媒粒子(不図示)と、電極触媒粒子を担持する電極触媒担持体(不図示)とを備えている。空気極20の電極触媒粒子は、空気中の酸素を還元する反応の反応速度を促進させる触媒の粒子であり、例えば白金(Pt)粒子を用いることができる。電極触媒担持体は、電極触媒粒子を担持できるとともに、導電性を備えるものであればよく、例えばカーボン粉末を用いることができる。燃料としてギ酸を用いた場合、空気極触媒層21の電極触媒粒子によって、(式1)に示す酸化還元反応が進行する。なお、生成された水(H2O)は、図1に示すように、回収孔23Bを介して回収されて回収配管62を経由して排液タンク60に導かれる。
2H+ +1/2 O2 +2e- → H2O (式1)
燃料極集電体13X(13)は、厚みが約1〜10[mm]程度の導電性を有する板状の金属等である。燃料極集電体13X(13)は、燃料極拡散層12に接触する燃料流通面13AX(13A)を有しており、燃料流通面13AX(13A)には、燃料極拡散層12の側が開口された燃料流通溝13BX(13B)が形成されている。燃料流通溝13BX(13B)は、淀みなく燃料が流れるように、幅が狭い流路とされている。また、電子e-を回収するために、燃料流通溝13BX(13B)の周囲には、ハッチングにて図示された燃料極拡散層12に接触するランド部13EX(13E)が形成されている。燃料極集電体13X(13)には、図1に示すように、電気負荷(例えば、電動モータ)の他方端が接続される。
また燃料流通溝13BX(13B)は、燃料極集電体13X(13)の一方縁部(または他方縁部)から、対向する他方縁部(または一方縁部)へと略水平方向に延びる複数の流通溝部13CX(13C)を有している。また複数の流通溝部13CX(13C)のそれぞれは、燃料極集電体13X(13)の一方縁部または他方縁部の近傍に形成されて略鉛直方向に延びる折り返し溝部13DX(13D)にて接続されている。また燃料流通溝13BX(13B)は、燃料極集電体13X(13)の下方に形成された燃料流入口7Aと、燃料極集電体13X(13)の上方に形成された燃料流出口7Bと、に接続されている。
従って、燃料流入口7Aに流入された燃料は、流通溝部13CX(13C)にて一方縁部の側から他方縁部の側へと導かれ、折り返し溝部13DX(13D)にて方向転換されて、次の流通溝部13CX(13C)にて他方縁部の側から一方縁部の側へと導かれ、次の折り返し溝部13DX(13D)にて方向転換されることを繰り返しながら、つづら折り状とされた燃料流通溝13BX(13B)内を流れ、燃料極拡散層12中に拡散される。
なお、燃料極集電体13X、13Y、13Zのそれぞれは、燃料流通溝13Bとして燃料流通溝13BX、13BY、13BZをそれぞれ有している点でのみ相違する(図3〜図5参照)。燃料流通溝13BX、13BY、13BZのそれぞれについての詳細は、各実施形態において説明する。
燃料極拡散層12は、厚みが約0.05〜0.5[mm]程度の層状に形成されている。燃料極拡散層12は、ギ酸水溶液が内部に浸透できるとともに、電子伝導性を有する多孔質材であり、例えば、カーボンペーパーやカーボンクロスを用いることができる。燃料極拡散層12は、燃料極集電体13X(13)の燃料流通面13AX(13A)に形成された燃料流通溝13BX(13B)に流される燃料を、拡散させながら燃料極触媒層11に導く。
燃料極触媒層11は、厚みが約0.05〜0.5[mm]程度の層状に形成されている。燃料極触媒層11は、電極触媒粒子(不図示)と、電極触媒粒子を担持する電極触媒担持体(不図示)とを備えている。燃料極10の電極触媒粒子は、燃料であるギ酸の酸化反応の速度を促進させる触媒の粒子であり、例えばパラジウム(Pd)粒子を用いることができる。電極触媒担持体は、電極触媒粒子を担持できるとともに、導電性を備えるものであればよく、例えばカーボン粉末を用いることができる。燃料としてギ酸を用いた場合、燃料極触媒層11の電極触媒粒子によって、(式2)に示す酸化反応が進行する。
HCOOH → CO2 + 2H+ +2e- (式2)
電解質膜30は、厚みが約0.01〜0.3[mm]程度の薄膜状に形成されている。電解質膜30は、燃料極10の燃料極触媒層11と空気極20の空気極触媒層21との間に挟まれており、電子伝導性を持たず、水およびH+を透過できるプロトン交換膜である。電解質膜30には、例えば、Du Pont社製のNafion(登録商標)等のパーフルオロエチレンスルフォン酸系膜を用いることができる。以上で説明した、燃料極触媒層11と、燃料極拡散層12と、電解質膜30と、空気極触媒層21と、空気極拡散層22とが接合されて一体化されたものを、本明細書では、膜/電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly)と記載する場合もある。
●[燃料電池の作動について]
ギ酸水溶液は、燃料タンク50内から燃料供給配管51に送りだされて、燃料極集電体13(13X、13Y、13Z)の燃料流入口7Aから、燃料流通溝13BX(13B)に流入する。ギ酸水溶液は、燃料流通溝13BX(13B)を流れるにつれ、燃料極拡散層12に浸透して、燃料極触媒層11の電極触媒粒子の表面に到達する。そして、燃料極触媒層11の電極触媒粒子の表面上で、上記の(式2)に示すギ酸の酸化反応が進行する。
(式2)に示す、ギ酸の酸化反応で生成された二酸化炭素CO2は、集まって泡となり燃料極10から排出され、プロトンH+は電解質膜30を透過して空気極触媒層21の電極触媒粒子に到達する。また、ギ酸から生成された電子e-は、燃料極拡散層12、燃料極触媒層11、燃料極集電体13(13X、13Y、13Z)を流れ、さらに、燃料極集電体13(13X、13Y、13Z)から外部回路(電気負荷)に流れる。
電子e-は、外部回路(電気負荷)から空気極集電体23へ流れ、さらに、空気極集電体23、空気極拡散層22、空気極触媒層21を流れて空気極触媒層21に到達する。空気極触媒層21の電極触媒粒子表面には、外部回路(電気負荷)からの電子e-と、電解質膜30を透過したプロトンH+と、空気極拡散層22を透過した外気の酸素とが到達し、上記の(式1)に示す酸化還元反応が進行する。
以上の様に、燃料電池7X(7)は発電する。そして、燃料極触媒層11において、(式2)のギ酸の酸化反応で生成される二酸化炭素CO2は、集まって泡となり、燃料極拡散層12、燃料流通溝13BX(13B)を流れて、燃料流出口7Bから排出され、燃料排出配管61を経由して排液タンク60に溜められる。
ここで、二酸化炭素CO2は、燃料極触媒層11の電極触媒粒子表面上で生成されるが、二酸化炭素CO2が燃料極触媒層11の電極触媒粒子表面上にとどまると、ギ酸が電極触媒表面に吸着しにくくなるため、(式2)に示すギ酸の酸化反応の進行を阻害する。また、(式2)に示すギ酸の酸化反応の副反応で生成される一酸化炭素CO等により、燃料極触媒層11の電極触媒粒子が被毒することによっても、(式2)に示すギ酸の酸化反応の進行が阻害される。
●[第1の実施形態の燃料極集電体13X(13)の詳細構成(図3)]
図3を用いて、第1の実施形態の燃料極集電体13X(13)の詳細構成について詳細に説明する。燃料極集電体13X(13)の燃料流通面13AX(13A)には、燃料流通溝13BX(13B)と流入溝部13FX(13F)と流出溝部13GX(13G)とが設けられている。
燃料流通溝13BX(13B)には、燃料流通面13AX(13A)における一方縁部の側から、一方縁部とは反対側となる他方縁部の側へと延びるように形成された複数の流通溝部13CX1〜13CX4(13CX)と、折り返し溝部13DX1〜13DX3(13DX)が設けられている。
流入溝部13FX(13F)は、燃料流入口7Aと流通溝部13CX1との間に設けられており、燃料流入口7Aから流入し流通溝部13CX1に向けて流れる燃料の流速に影響を与えることがない十分な容量(流路幅、流路深さ)を持つように形成されている。流出溝部13GX(13G)は、燃料流出口7Bと流通溝部13CX4との間に設けられており、流通溝部13CX4から流入し燃料流出口7Bへ向けて排出される燃料の流速に影響を与えることがない十分な容量(流路幅、流路深さ)を持つように形成されている。
折り返し溝部13DX1〜13DX3(13DX)は、それぞれが接続されている流通溝部13CX1〜13CX4に対して、流入または流出する燃料の流速に影響を与えることがない十分な容量(流路幅、流路深さ)を持つように形成されている。
流通溝部13CX1〜13CX4のそれぞれは、流路の断面積である流路断面積が同一(図示省略)の2本の流通溝部から構成されている。また、流通溝部13CX1〜13CX4のそれぞれの2本の流通溝部の間には、ランド部13EX1〜13EX4(13EX)がそれぞれ間に設けられている。また、流通溝部13CX1〜13CX4のそれぞれは、2本の流通溝部で形成された流通溝部グループ13HX1〜13HX4のそれぞれを形成している。流通溝部グループは単数または隣り合う複数の流通溝部にて形成されており、流通溝部13CX1〜13CX4のそれぞれは、2本の流通溝部で形成された流通溝部グループ13HX1〜13HX4のそれぞれを形成している。
流通溝部13CX1の一方縁部の側の端部には流入溝部13FX(13F)が接続されて、他方縁部の側の端部には折り返し溝部13DX1が接続されている。流通溝部13CX2の一方縁部の側の端部には折り返し溝部13DX1が接続されて、他方縁部の側の端部には折り返し溝部13DX2が接続されている。流通溝部13CX3の一方縁部の側の端部には折り返し溝部13DX2が接続されて、他方縁部の側の端部には折り返し溝部13DX3が接続されている。流通溝部13CX4の一方縁部の側の端部には折り返し溝部13DX3が接続されて、他方縁部の側の端部には流出溝部13GX(13G)が接続されている。これにより、流通溝部グループ13HX1〜13HX4の隣り合う流通溝部グループに流れる燃料は、図3の矢印で示すようにそれぞれに対して逆方向となる。
流路幅W1〜W4は、流通溝部13CX1〜13CX4のそれぞれの流路の幅であり、W1>W2>W3>W4になるように設けられている。また、流通溝部13CX1〜13CX4の流路の深さである流路深さ(例えば、1mm)のそれぞれは、同一になるように設けられている(図示省略)。
流通溝部グループ13HX1〜13HX4のそれぞれの燃料流通面13AXにおける面積を同一とした場合、ランド部13EX1〜13EX4の面積は、ランド部13EX1が最小で徐々に大きくなりランド部13EX4が最大となるように形成されている。
これらの構造を有することにより、燃料流入口7Aの側から燃料流出口7Bへ向かって、流通溝部グループ13HX1〜13HX4毎(段階的)に、燃料流通溝13BXの流通溝部13CX1〜13CX4の流路断面積を小さくし、流路断面の単位断面積当たりの流量を流通溝部グループ13HX1〜13HX4毎(段階的)に増加させることができる。この流通溝部グループ13HX1〜13HX4毎(段階的)な流量の増加により、燃料の流速を段階的に増加させることができる。なお、上記の流通溝部グループ13HX1〜13HX4毎(段階的)に、流路幅を狭くする(W1>W2>W3>W4)構造は、燃料供給構造100X(100)に相当する。
第1の実施形態の燃料供給構造を適用することで、例えば、流路深さ1mmで、流通溝部の流路幅を1mmから0.5mmへ変化させた場合、流路断面積が1/2となり、流路断面の単位断面積当たりの流量・圧力が2倍となり、燃料の流速・圧力を2倍へと増加させることができる。
また、ランド部13EX1〜13EX4の面積は、一定の大きさではなく、燃料流入口7Aの側のランド部であるランド部13EX1の面積が最小となり、燃料流出口7Bのランド部であるランド部13EX4が最大となるように形成されている。これにより、ランド部を一定の大きさで形成する場合と比較して、ランド部の総面積を小さくすることができ、相対的に燃料流通面13AX(13A)における燃料流通溝13BX(13B)の面積(発電面積)を大きくすることができる。
●[第2の実施形態の燃料極集電体13Y(13)の詳細構成(図4)]
図4を用いて、第2の実施形態の燃料極集電体13Y(13)の詳細構成について詳細に説明する。燃料極集電体13Y(13)は、第1の実施形態の燃料極集電体13X(13)が流通溝部の流路幅のみを段階的に狭めて燃料の流速を段階的に増加させるのに対して、流通溝部グループ内の流通溝部の本数を段階的に減らして燃料の流速を段階的に増加させる点で相違する。以下、相違する点について詳細に説明する。
燃料流通溝13BY(13B)には、複数の燃料流通面13AY(13A)における一方縁部の側から、一方縁部とは反対側となる他方縁部の側へと延びるように形成された流通溝部13CYと、折り返し溝部13DY1〜13DY3(13DY)が設けられている。
流通溝部13CYは、流路の断面積である流路断面積が同一(図示省略)の流通溝部から構成されている。また、隣り合う流通溝部13CYの間のそれぞれには、ランド部13EYがそれぞれ設けられている。
また、4本の流通溝部13CYで流通溝部グループ13HY1が構成され、3本の流通溝部13CYで流通溝部グループ13HY2が構成され、2本の流通溝部13CYで流通溝部グループ13HY3が構成され、1本の流通溝部13CYで流通溝部グループ13HY4が構成されている。つまり、燃料流入口7Aに近い側の流通溝部グループ13HY1内の流通溝部の本数(4本)よりも、燃料流出口7Bに近い側の流通溝部グループ内の流通溝部の本数(1本)の方が少なくなるように構成されている。
流通溝部グループ13HY1の流通溝部13CYの一方縁部の側の端部には流入溝部13FY(13F)が接続されて、他方縁部の側の端部には折り返し溝部13DY1が接続されている。流通溝部グループ13HY2の流通溝部13CYの一方縁部の側の端部には折り返し溝部13DY1が接続されて、他方縁部の側の端部には折り返し溝部13DY2が接続されている。流通溝部グループ13HY3の流通溝部13CYの一方縁部の側の端部には折り返し溝部13DY2が接続されて、他方縁部の側の端部には折り返し溝部13DY3が接続されている。流通溝部グループ13HY4の流通溝部13CYの一方縁部の側の端部には折り返し溝部13DY3が接続されて、他方縁部の側の端部には流出溝部13GY(13G)が接続されている。これにより、流通溝部グループ13HY1〜13HY4の隣り合う流通溝部グループに流れる燃料は、図4の矢印で示すようにそれぞれに対して逆方向となる。
流通溝部13CYのそれぞれの流路幅W5と流路深さ(図示省略)は、全て同一(流路断面積が同一)となるように設けられている。また、複数のランド部13EYのそれぞれの面積は、全て同一となるように形成されている。
これらの構造を有することにより、燃料流入口7Aの側から燃料流出口7Bへ向かって、流通溝部グループ13HY1〜13HY4毎(段階的)に、燃料流通溝13BYの流通溝部13CYの本数を減少させ流路断面積を小さくし、流路断面の単位断面積当たりの流量を流通溝部グループ13HY1〜13HY4毎(段階的)に増加させることができる。この流通溝部グループ13HY1〜13HY4毎(段階的)な流量の増加により、燃料の流速を段階的に増加させることができる。なお、上記の流通溝部グループ13HY1〜13HY4毎(段階的)に、燃料流通溝13BYの流通溝部13CYの本数を減少させる構造は、燃料供給構造100Y(100)に相当する。
第2の実施形態の燃料供給構造を適用することで、例えば、それぞれの形状が流路深さ1mm、流路幅1mmである流通溝部の本数を4本から1本へ減らした場合、流路断面積が1/4となり、流路断面の単位断面積当たりの流量・圧力が4倍となり、燃料の流速・圧力を4倍へと増加させることができる。
●[第3の実施形態の燃料極集電体13Z(13)の詳細構成(図5〜図7)]
図5〜図7を用いて、第3の実施形態の燃料極集電体13Z(13)の詳細構成について詳細に説明する。燃料極集電体13Z(13)は、第1の実施形態の燃料極集電体13X(13)が流通溝部の流路幅のみを段階的に狭めて燃料の流速を段階的に増加させるのに対して、流通溝部グループ内の流通溝部の流路深さを段階的に浅くして燃料の流速を段階的に増加させる点で相違する。以下、相違する点について詳細に説明する。
図5で示すように、燃料流通溝13BZ(13B)には、複数の燃料流通面13AZ(13A)における一方縁部の側から、一方縁部とは反対側となる他方縁部の側へと延びるように形成された流通溝部13CZ1〜13CZ4(13CZ)と、折り返し溝部13DZ1〜13DZ3(13DZ)が設けられている。
流通溝部13CZ1〜13CZ4のそれぞれは、流路断面積が同一(図示省略)の2本の流通溝部から構成されている。また、流通溝部13CZ1〜13CZ4のそれぞれの2本の流通溝部の間には、同一の面積を有するランド部13EZ(13E)がそれぞれ間に設けられている。また、流通溝部13CZ1〜13CZ4のそれぞれは、流通溝部グループ13HZ1〜13HZ4のそれぞれを形成している。
流通溝部13CZ1の一方縁部の側の端部には流入溝部13FZ(13F)が接続されて、他方縁部の側の端部には折り返し溝部13DZ1が接続されている。流通溝部13CZ2の一方縁部の側の端部には折り返し溝部13DZ1が接続されて、他方縁部の側の端部には折り返し溝部13DZ2が接続されている。流通溝部13CZ3の一方縁部の側の端部には折り返し溝部13DZ2が接続されて、他方縁部の側の端部には折り返し溝部13DZ3が接続されている。流通溝部13CZ4の一方縁部の側の端部には折り返し溝部13DZ3が接続されて、他方縁部の側の端部には流出溝部13GZ(13G)が接続されている。これにより、流通溝部グループ13HZ1〜13HZ4の隣り合う流通溝部グループに流れる燃料は、図5の矢印で示すようにそれぞれに対して逆方向となる。
流通溝部13CZ1〜13CZ4のそれぞれの流路の深さである流路深さは、流通溝部13CZ1の流路深さ(領域A1)>流通溝部13CZ2の流路深さ(領域A2)>流通溝部13CZ3の流路深さ(領域A3)>流通溝部13CZ4の流路深さ(領域A4)、になるように設けられている。
図6は、図5の領域A1における流通溝部13CZ1(13CZ)の断面図である。図7は、図5の領域A4における流通溝部13CZ4(13CZ)の断面図である。図6において、破線で囲まれた流路断面積S1は、流通溝部13CZ1の流路断面積であり、流路幅W6×流路深さd1となる。図7おいて、破線で囲まれた流路断面積S4は、流通溝部13CZ4の流路断面積であり、流路幅W6×流路深さd4となる。ここで、流路深さd4<流路深さd1であるため、流路断面積S4は、流路断面積S1より小さくなる。
これらの構造を有することにより、燃料流入口7Aの側から燃料流出口7Bへ向かって、流通溝部グループ13HZ1〜13HZ4毎(段階的)に、燃料流通溝13BZの流通溝部13CZ1〜13CZ4の流路断面積を小さくし、流路断面の単位断面積当たりの流量を流通溝部グループ13HZ1〜13HZ4毎(段階的)に増加させることができる。この流通溝部グループ13HZ1〜13HZ4毎(段階的)な流量の増加により、燃料の流速を段階的に増加させることができる。なお、上記の流通溝部グループ13HZ1〜13HZ4毎(段階的)に、流通溝部13CZ1〜13CZ4の流路深さを浅くしていく構造は、燃料供給構造100Z(100)に相当する。
第3の実施形態の燃料供給構造を適用することで、例えば、流路幅1mmの流通溝部において、流路深さを1mmから0.5mmへ変化させた場合、流路断面積が1/2となり、流路断面の単位断面積当たりの流量・圧力が2倍となり、燃料の流速・圧力を2倍へと増加させることができる。
●[本願の効果]
燃料流通溝13Bが燃料流入口7Aの側から燃料流出口7Bへ向かって、流通溝部グループ毎に段階的に燃料の流速を増加させ、増速した燃料の流れ(押し出し力)により気泡状の二酸化炭素を燃料とともに燃料流通溝13Bの燃料流出口7Bから排出させることができる。これにより、燃料流通溝13B(燃料流路)内に二酸化炭素の気泡が留まることを抑制し、出力(発電量)の低下を抑制することができる。また、燃料の供給を継続しつつ二酸化炭素を排出するため、二酸化炭素の排出処理のため発電を中断する必要がない。さらに、二酸化炭素を排出するために、燃料流入口7Aにおいて燃料を圧送する圧力を増加させて燃料を増速する必要がないため、燃料が電解質膜を通過するクロスオーバーや燃料漏れを起こすことを防止できる。
燃料流通溝13Bが燃料流入口7Aの側から燃料流出口7Bへ向かって、流通溝部グループ毎に段階的に燃料流通溝13Bの流路幅を狭める、流路深さを浅くする、流通溝部の本数を減少させる等により、流通溝部グループ毎の流路断面積を段階的に小さくし、流路断面の単位断面積当たりの流量を段階的に増加させることができる。これにより、流路断面の単位断面積当たりの流量が増加し、燃料の流速を燃料流通溝13Bの燃料流入口7Aの側から燃料流出口7Bへ向かって段階的に増加させることができる。
なお、上記実施形態において説明した燃料流通溝13Bが燃料流入口7Aの側から燃料流出口7Bへ向かって、流通溝部グループ毎に段階的に流路断面積を段階的に小さくすることに代わり、燃料流通溝13Bが燃料流入口7Aの側から燃料流出口7Bへ向かって流路断面積を徐々に小さくして燃料の流速を増加させても同様の効果を得ることができる。
本発明の燃料電池7は、本実施の形態で説明した構成、構造、形状、外観等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、燃料流通溝13Bは、本実施形態において説明した形状(流通溝部13C、折り返し溝部13D、ランド部13E、流入溝部13F、流出溝部13G)および個数に限定されず様々な形状、個数を採ることが可能である。
上記実施形態において、燃料流通溝13Bの流路幅を狭める構造、流路深さを浅くする構造、流通溝部の本数を減少させる構造、のそれぞれの構造で燃料の流速を増加させたが、これらの構造を組み合わせて燃料の流速を増加させても良い。また、1個の燃料電池7において、複数の異なる燃料供給構造を組み合わせて燃料供給構造を構成しても良い。
燃料電池7の形態としては、燃料電池7の下方の側に燃料流入口7Aが設けられ燃料電池7の上方の側に燃料流出口7Bが設けられていれば良く、燃料流通溝13Bの流通溝部13Cが上下方向に沿って延びるように設けられたものでも良い。また、燃料流通溝13Bは、流通溝部13Cが上下方向に沿って延びるように設けられたものと、流通溝部13Cが略水平方向に沿って延びるように設けられたものとも組み合わせで構成されていても良い。
流通溝部13Cは、断面形状が長方形の形状に限定されず、徐々にあるいは段階的に流路断面積が小さくなるように形成されているものであれば良く、例えば円弧形状の断面形状を有し径の長さ(流路幅、流路深さに相当)を徐々にあるいは段階的に小さくなるように形成しても良い。
1、1X〜1Z 燃料電池システム
7、7X〜7Z 燃料電池
7A 燃料流入口
7B 燃料流出口
10 燃料極
11 燃料極触媒層
12 燃料極拡散層
13、13X〜13Z 燃料極集電体
13A、13AX〜13AZ 燃料流通面
13B、13BX〜13BZ 燃料流通溝
13C、13CX〜13CZ 流通溝部
13CX1〜13CX4 流通溝部
13CZ1〜13CZ4 流通溝部
13D、13DX〜13DZ 折り返し溝部
13DX1〜13DX3 折り返し溝部
13DY1〜13DY3 折り返し溝部
13DZ1〜13DZ3 折り返し溝部
13E、13EX〜13EZ ランド部
13EX1〜13EX4 ランド部
13HY1〜13HY4 流通溝部グループ
13F、13FX、13FY、13FZ 流入溝部
13G、13GX、13GY、13GZ 流出溝部
20 空気極
21 空気極触媒層
22 空気極拡散層
23 空気極集電体
23A 供給口
23B 回収孔
23C 空気流通溝
30 電解質膜
50 燃料タンク
51 燃料供給配管
52 ポンプ
60 排液タンク
61 燃料排出配管
62 回収配管
100、100X〜100Z 燃料供給構造
A1〜A4 領域
W1〜W6 流路幅
S1、S4 流路断面積

Claims (6)

  1. ギ酸またはアルコールを含む液体を燃料とする燃料極と、空気極と、電解質膜とを有する直接液体型の燃料電池において、
    前記燃料極は、燃料極触媒層と燃料極拡散層と燃料極集電体とを有し、
    前記燃料極集電体には前記燃料が供給される燃料流入口と前記燃料が排出される燃料流出口が設けられており、
    前記燃料極集電体における前記燃料極拡散層の側の面である燃料流通面には、前記燃料を、前記燃料極拡散層に接触させながら前記燃料流通面に沿って前記燃料流入口から前記燃料流出口へと導く燃料流通溝が形成されており、
    前記燃料流通溝は、
    前記燃料流入口の側から前記燃料流出口へ向かって、徐々にあるいは段階的に前記燃料の流速の変化を含む流れを変化させる燃料供給構造を有している、
    燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池であって、
    前記燃料供給構造は、
    前記燃料流入口の側から前記燃料流出口へ向かって、徐々にあるいは段階的に小さくなる前記燃料流通溝の流路の断面積である流路断面積を有する、
    燃料電池。
  3. 請求項2に記載の燃料電池であって、
    前記燃料供給構造は、
    前記燃料流入口の側から前記燃料流出口へ向かって、徐々にあるいは段階的に狭くなる前記燃料流通溝の流路の幅である流路幅を有する、
    燃料電池。
  4. 請求項2または3に記載の燃料電池であって、
    前記燃料供給構造は、
    前記燃料流入口の側から前記燃料流出口へ向かって、徐々にあるいは段階的に浅くなる前記燃料流通溝の流路の深さである流路深さを有する、
    燃料電池。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料電池であって、
    前記燃料流通溝には、
    前記燃料流通面における一方縁部の側から、前記一方縁部とは反対側となる他方縁部の側へと延びるように形成された複数の流通溝部と、
    単数または隣り合う複数の前記流通溝部にて、複数の流通溝部グループが形成され、
    隣り合う前記流通溝部グループに流れる前記燃料が逆方向となるように、隣り合う前記流通溝部グループの前記一方縁部の側の端部、あるいは、隣り合う前記流通溝部グループの前記他方縁部の側の端部、をそれぞれ接続する複数の折り返し溝部と、が設けられている、
    燃料電池。
  6. 請求項5に記載の燃料電池であって、
    前記燃料流入口に近い側の前記流通溝部グループ内の前記流通溝部の本数よりも、
    前記燃料流出口に近い側の前記流通溝部グループ内の前記流通溝部の本数の方が少ない、
    燃料電池。
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