JP2005174501A - ディジタル信号再生システム - Google Patents

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Abstract

【課題】
レコード盤からのアナログ信号に基づいてディジタル式の記録媒体からの再生信号をシリアルなタイムデータで対応付けて出力させるディジタル信号再生システムにおいて、レコード盤の演奏時間がディジタルデータで記録された記録媒体の再生時間(演奏時間)に比して十分に短い場合であっても、レコード盤からのアナログ信号にディジタル式の記録媒体からの再生信号を対応付けて演奏を可能とすることを目的とする。
【解決手段】
ディジタル信号再生システムであるオーディオ装置1において、レコード盤2からのアナログ信号のピックアップ部位が特定の部位に到ると、その部位に到った以降ではディジタル式の記録媒体からの再生信号の異なる出力の位置以降からタイムデータがアナログ信号の演奏の位置にスライドした対応付くように制御させ得るスライド演奏手段28を備えて構成した。
【選択図】 図1




























Description

レコード盤のスクラッチ演奏、つまり、レコードプレーヤ装置のピックアップ手段がレコード盤に摺動することで音声信号をピックアップする演奏の際に、演奏者がレコード盤に対して音声信号をピックアップする任意の位置において、レコード盤に所望の回転の速さ、所望の回転の方向で演奏することでその速さや方向に対応して音声を出力させる演奏方法、所謂スクラッチ演奏方法が知られている。
本発明は、例えばコンパクト・ディスク(以下、『CD』と称する。)、ディジタル・ビデオ・ディスク所謂DVDといったディジタル信号で記録された記録媒体を再生演奏する場合に、レコード盤のスクラッチ演奏のように、ディジタルの記録媒体から再生された再生信号を所望の位置で、所望の速さ、所望の期間だけ正逆方向に切り替えて出力する演奏が可能なディジタル信号を再生するシステムに関する。
レコード盤をレコードプレーヤ装置のターンテーブル上に載置して音声信号をピックアップする際に、任意のピッククアップの部位においてターンテーブルの回転モータの回転力に抗して演奏者がレコード盤或いはターンテーブルを手動で回転させることにより、その回転の速さ或いは回転の方向等を任意に変更することで本来のレコード演奏とは異なった音声出力を得るレコードの演奏方法、いわゆるスクラッチ演奏が知られている。
他方、今日では再生データの源である記録媒体として再生データがアナログ式であるレコード盤に代ってCD、DVD、MD、フラッシュメモリ等のディジタル式の記録媒体が主流になっている。 そうして、このディジタル式の記録媒体の使用に伴い、音源の一つであるレコード盤が新たにプレスされることは殆どなく、新しい曲のレコード盤のみならずレコード盤そのものの入手が困難になって来ている。
従って、記録媒体はディジタル式のものが主流になっているために、レコード盤そのもの若しくはそれが載置されるレコードプレーヤ装置のターンテーブルを操作して特別な音声を出力させるスクラッチ演奏を、ディジタル式の記録媒体に対しては行うことが強く求められている。
又、音声と動画を組合わせた所謂オーディオ・ビジュアルの普及に伴い、スクラッチ演奏に対応する再生演奏が期待されている。
しかしながら、レコード盤とCDやDVDは同じ記録媒体であっても、再生つまり再生信号のピックアップの仕方につまり再生方法は、レコード盤は角速度が一定で演奏されるのに対してCDやDVDは線速度が一定で演奏され、本質的に大きく異なっている。
従って、演奏者がCDやDVDを再生する際にCDやDVDをレコード盤と同様の操作をすることによってスクラッチ演奏を得るということは不可能であり、結果的に、CD等のディジタル式の記録媒体の再生ではレコード盤のような操作或いは操作感覚でスクラッチ演奏を得ることができないという問題があった。
本願発明の発明者の一人は、斯かる問題を解決すべく鋭意工夫を行い、演奏者が操作慣れしているレコード盤を使用することで音源がディジタル式の記録媒体に対してスクラッチ演奏を行い得るディジタル信号再生装置及びディジタル信号再生システム並びにディジタル信号再生システム用のレコード盤を想到している。
つまり、下記の文献に示す通りである。
特開2003−233946
同特許公開公報で開示された発明に従えば、音源としての記録媒体がアナログ式のレコード盤ではなくCD等のディジタル式のものであっても、演奏者が使用に慣れ親しんだ任意のレコードプレーヤ装置のターンテーブル上でレコード盤をスクラッチ演奏の操作を行うと、その操作によってCD等からのディジタル式の再生信号がスクラッチされた演奏として出力されるという効果が得られている。
つまり、レコード盤に対してスクラッチ操作を行なうと、そのスクラッチ操作に対応してCDからの再生信号がスクラッチされて出力される構成になっている。
他方、そのスクラッチ演奏は、演奏者にとって操作性が確保されているので、レコード盤に対するスクラッチ演奏の感覚で操作が可能になっている。
上述した構成では、連続した信号をピックアップしている際には、その連続した範囲内の任意のピックアップの部位でレコード盤を逆方向に回転、緩急を付けた回転をさせた場合、それに対応して演奏位置を示す信号が制御信号となってディジタル信号再生装置に出力される。
よって、この制御信号に基づきディジタル信号再生装置はCDのディジタルデータを前記逆方向に回転、緩急を付けた回転に対応させてスクラッチ演奏のようにディジタル信号を再生出力することが得られている。
しかしながら、同特許公開公報で開示された発明のレコード盤は周期性の演奏位置を示すための信号を生成する構成であるから、演奏中にピックアップ手段がレコード盤から飛び上がりその後音溝の周を飛び越えて針が降りる、他の溝へ所謂針飛びが生じた場合であっても、レコード盤のアナログ信号のピックアップ部位とCDの再生データの出力すべき部位(フレーム)が対応しておらず、結果的に、CDからの再生データは針の位置に対応せずに出力されるという問題があった。
又、針飛びが生じた際、ピックアップ手段の針部が宙に浮くが、その針部が宙に浮いている間は針部は位置を示すための信号をピックアップすることができず、その間はディジタル信号再生装置に演奏すべき位置を示すための制御信号が送られないために、ディジタル信号再生装置は演奏(CDの再生)が停止して再生信号が出力されないという問題もあった。
更には、レコード盤は針部が宙に浮いている間であっても回転を続けており、針部がレコード盤に降りて再び位置を示す信号をピックアップすると、ここでピックアップされる信号は飛んで抜かした部分をキャンセルしたものになってしまうという問題もあった。
これらの問題に対して、アナログ式のレコード盤の演奏によって得られる信号に基づいてディジタルデータで記録された再生信号を対応付けて出力させるディジタルデータを再生出力させるシステムにおいて、レコード盤の演奏時に針飛びが生じた場合であってもこの針飛びに対応してディジタルデータで記録された再生信号が再生され得るディジタル信号再生システム、ディジタル信号再生装置及びレコード盤の実現すべく、本願発明の発明者は創意工夫を行なって特願2003−395300号で開示した発明を完成するに到っている。
つまり、レコード盤の演奏によって得られるアナログ信号に基づいてディジタルデータで記録された信号を対応付けて再生出力させることにおいて、演奏中のレコード盤の演奏部位の位置、回転の方向、回転の速さ及び演奏開始からの時間を示すアナログ信号がピックアップされると、レコード盤の演奏位置に追従するように、ピックアップされたそのアナログ信号に対応付けて、ディジタル再生信号をD/A変換して出力するように制御する構成としたディジタル信号再生システム、ディジタル信号再生装置及びレコード盤の発明を完成させている。
斯かる構成のレコード盤は、レコードプレーヤ装置によって演奏されるとピックアップ手段が摺動している部位(ピックアップの部位)の位置、回転の方向及び回転の速さを示すためのアナログ信号が生成されるから、レコードプレーヤ装置において音飛びが生じるとその音飛びの後に針が降りた部位をピックアップ手段が摺動している部位としてその部位の位置、回転の方向及び回転の速さを示すためのアナログ信号をピックアップ手段の摺動によって生成し、出力する。
つまり、レコード盤に対してピックアップ手段が飛び上がって他の溝に降りるという音飛びが生じても、その現象に対応してディジタル記録媒体側からの再生信号の出力か確保されている。
しかしながら、斯かる構成では、CDのフレームに対応付けてレコード盤に情報を記録すると、演奏時間の長いLP盤サイズのレコード盤であっても演奏可能な時間はせいぜい20分程度である。
他方、ディジタル式の記録媒体、例えばCDでは演奏可能な時間は74分であり、DVDでも演奏時間(再生時間)は1時間を十分に超えている。
従って、斯かるレコード盤は、フルに演奏しても20分であってCDをフルに演奏すると74分であることにより、レコード盤をフルに演奏してもその時間内にCDの演奏が終了することはなく、寧ろ、CDからの再生信号では演奏されていない部分の方が多く残ることになり、殆どの記録媒体であるディジタル式のものを十分に活用できないという問題が生じて来る。
つまり、アナログ式のレコード盤の演奏によって得られる信号に基づいてディジタルデータで記録された再生信号を対応付けて出力させるディジタルデータを再生させるシステムにおいて、再生(演奏)対象のディジタルデータ式の記録媒体の再生時間(演奏時間)に比してレコード盤の演奏時間が十分に短い場合であっても、ディジタルデータ式の記録媒体を演奏者の操作性や操作感覚が確保されて演奏が可能なディジタル信号再生システムが求められる。
これに対し、レコード盤からのアナログ信号を制御信号としてディジタル式の記録媒体から再生して得た再生信号を対応付けて出力させるディジタル信号再生システムにおいて、ディジタルデータで記録された記録媒体の任意に選択した再生位置を頭出しの位置としてレコード盤からの信号に相対的に対応付けて出力させる構成のディジタル信号再生システムが考えられる。
しかしながら、特願2003−395300号で開示した発明は、レコード盤からのアナログ信号とディジタル式の記録媒体から出力される再生信号は共にシリアルにタイムデータ化されており、それらタイムデータ化されたデータを互いに対応付けて行くことを前提として完成された発明である。よって、レコード盤の0分から20分までのアナログ信号は記録媒体の21分目以降の信号とはタイムデータとしてオーバーラップすることがないので、対応付けてレコード盤によって記録媒体の出力を制御することができないという問題が生じて来る。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであって、レコード盤からのアナログ信号に基づいてディジタル式の記録媒体からの再生信号をシリアルなタイムデータで対応付けて出力させるディジタル信号再生システムにおいて、レコード盤の演奏時間がディジタルデータで記録された記録媒体の再生時間(演奏時間)に比して十分に短い場合であっても、レコード盤からのアナログ信号にディジタル式の記録媒体からの再生信号を対応付けて演奏を可能とするディジタル信号再生システムを提供するものである。
この発明は、レコード盤からのアナログ信号ピックアップ部位が特定の部位に到ると、その部位に到った以降ではディジタル式の記録媒体からの再生信号の異なる出力の位置以降からタイムデータがアナログ信号の演奏の位置に対応付くように制御されて再生信号を出力するディジタル信号再生システムである。
その詳細な構成は、レコードプレーヤ装置の再生演奏でピックアップされると、そのピックアップされている部位の位置、回転の方向及び回転の速さを示すシリアルにタイムデータ化された情報がアナログ信号で生成されるレコード盤と、シリアルにタイムデータ化されたディジタルデータを記録媒体から再生して得られる再生信号を、前記シリアルなタイムデータに対応させて前記レコード盤からのアナログ信号に基づき出力し得るディジタル信号再生手段が備えられ、前記レコード盤がレコードプレーヤ装置で再生演奏されている際に、アナログ信号がピックアップされる部位が任意に設定した特定の部位に到ると、その部位に到った時点以降ではその記録媒体からの再生信号の異なる出力の位置以降からタイムデータがアナログ信号の演奏の位置に対応付くように制御されて再生信号を出力させる構成のディジタル信号再生システムである。
又、より具体的な構成としては、上述の構成に加えて、レコード盤がレコードプレーヤ装置で再生演奏されている際に、アナログ信号がピックアップされる部位がレコード盤のスタートの部位若しくはエンドの部位に到ると、その部位に到った時点以降ではその記録媒体からの再生信号の異なる出力の位置以降からタイムデータがアナログ信号の演奏の位置に対応付くように制御されて再生信号を出力させる構成のディジタル信号再生システムが挙げられる。
従って、レコード盤のアナログ信号のピックアップの部位がスタートの部位若しくはエンドの部位に到り、レコード盤の演奏によって再びアナログ信号である制御信号を出力させると、記録媒体からの再生信号は前記部位に対応する再生信号の出力の位置を再スタート位置とし対応して再生信号を出力させることができる。
この発明は、レコード盤からのアナログ信号ピックアップ部位が特定の部位に到ると、その部位に対応するディジタル式の記録媒体からの再生信号がその後のレコード盤からのアナログ信号の演奏の位置に対応付くように制御されて再生信号を出力する構成としたことによって、レコード盤からのアナログ信号が再び出力させると、記録媒体からの再生信号は前記部位に対応する再生信号の出力の位置を再スタート位置とし対応して再生信号を出力し、結果的に再出力以降の分だけ記録媒体の再生が可能なディジタル信号再生システムである。
以下において図面に基づき、本発明の実施の形態例を詳細に説明する。しかし、この形態例によって本発明が限定されるものではない。
ディジタル信号再生システムであるオーディオ装置1は、レコード盤2と、レコードプレーヤ装置3及びディジタル信号再生手段5を備えて構成されている。
レコード盤2は、レコードプレーヤ装置3に載置され回転されてピックアップ手段6と相対的に摺動することによって演奏されると(図1及び図2を参照)、その演奏でピックアップされる部位の位置、回転の方向及び回転の速さを示すためのアナログ信号が二つのチャンネルで生成するように音溝が形成されているものである。
つまり、レコード盤2には、回転されて演奏する際にその演奏の時間的な位置、方向及び演奏の速さを検出が可能となるように、信号加工することによって結果的に左チャンネルと右チャンネルとで異なる位相のパルス状の信号が得られるための信号が記録されている(図3を参照)。
又、レコード盤2がレコードプレーヤ装置3を用いて再生演奏することで生成されるアナログ信号は、ディジタル式の記録媒体であるCDにはそれに記録されているディジタル信号が再生される際にその位置を時間によって示すためのタイムデータが記録されているが、レコード盤2にはCD側のタイムデータと対応するタイムデータが対応付けられて記録されている(音溝のカット)。
タイムデータの構成についての詳細は、レコード盤2の上記音溝によって生成されるアナログ信号の二つのチャンネルのうちいずれか一方に、CDのディジタル信号の最小再生単位に対応させた時間的な長さにフレーム化され、ピックアップされる部位の位置を示す位置情報が配設され、且つ、その位置情報を示す信号が少なくとも再生されて波形成形された際に、各フレームに対応するデータにおいて真中を中心に折り返すと実質的に合致して重なり合うように構成されている。
ここで、少なくとも再生されて波形成形された際に、各フレームに対応するデータにおいて真中を中心に折り返すと実質的に合致して重なり合う構成とは、レコード盤2をカットすることによって音溝を形成するが、得られる音溝の形状はカットの精度上必ずしも真中を中心に折り返すと合致して重なり合うように簡単に形成できるものではない。
そこで、レコード盤2からのアナログ信号が波形加工されて得られる矩形は、設定した比較レベル以上であるか否かによってそれぞれ1か0に二別する。
レコードプレーヤ装置3は、オーディオ装置1の上部に配設されている。
レコードプレーヤ装置3は、レコード盤2を載置して回転させるためのターンテーブル7と、ピックアップ手段6がレコード盤2と相対的に摺動して信号をピックアップするように保持するためのアーム8が備えられている。
尚、レコードプレーヤ装置3はレコード盤からアナログ信号を再生する通常の構成のプレーヤ装置であって、通常のアナログ信号のレコード盤の演奏(再生)が可能である。
又、レコードプレーヤ装置3の天板に、操作パネル9が配設されている。
ディジタル信号再生手段5は、アンプ10と、検出手段4と、CD再生手段18と、RFアンプ19と、デコーダ20と、ディジタルシグナルプロセッサ(以下、DSP21と称する。)21と、メモリ22と、D−A変換器23及び出力端子26が備えられている。
検出手段4は、レコードプレーヤ装置3がレコード盤2を演奏してピックアップ手段6がアナログ信号を出力すると、その信号を入力してピックアップ手段6がレコード盤2からアナログ信号をピックアップした部位の位置、演奏の方向及び演奏の速さを検出するためのものである。
検出手段4は、アンプ10と、方向検出部11と、移動量検出部12と、速さ検出部13、タイムコード検出部14及びCPU15を備えて構成されている。
アンプ10は、ピックアップ6と検出手段4の間に介在され、ピックアップ手段6がレコード盤2からピックアップしたアナログ信号を、後述する方向検出部11と、移動量検出部12と、速さ検出部13及びタイムコード検出部14がそれぞれ検出し易いレベルに増幅するためのものである。
方向検出部11は、CPU15と共働して、ピックアップ手段6がレコード盤2からピックアップしたアナログ信号の左チャンネルと右チャンネルとの位相差に基づいき、そのアナログ信号をピックアップした際のレコード盤2が回転する方向を検出するためのものである。
移動量検出部12は、CPU15と共働して、ピックアップ手段6からのアナログ信号をカウントして得たパルス数に基づき、ピックアップ手段6がレコード盤2からアナログ信号をピックアップしている際のレコード盤2が回転して移動した量を検出するためのものである。
速さ検出部13は、CPU15と共働して、ピックアップ手段6がレコード盤2からピックアップしたアナログ信号のパルス数のカウント結果を微分し、アナログ信号をピックアップする際の速さ、つまり、ピックアップ手段6がレコード盤2からアナログ信号を読取っている時のレコード盤2の回転する速さを検出するためのものである。
タイムコード検出部14は、CPU15と共働して、ピックアップ手段6からのアナログ信号に基づき、ピックアップ手段6がレコード盤2からアナログ信号をピックアップしている際のピックアップ手段6がレコード盤2からアナログ信号を読取った部位の位置に対応する絶対時間を検出するためのものである。
CDプレーヤ手段18は、CDを載置して回転駆動し回転駆動手段16、回転駆動手段16に載置して回転駆動されているCDつまり演奏中のCDからディジタルの信号をピックアップするピックアップ手段17等を有して構成されている。
CDプレーヤ手段18は、ピックアップ手段17がCDから上記信号と共に再生演奏がされている対応部分の絶対時間(CDの一曲目からの位置時間)を示す信号をピックアップする構成になっている。
RFアンプ19は、CDプレーヤ手段18から演奏中のCDからの再生信号(ディジタルの再生信号)を入力すると、後段でデコードが可能になるレベルにまで増幅して、デコーダ20に出力するものである。
デコーダ20は、RFアンプ19で適切なレベルに増幅された信号を入力し、そのエンコードされている信号を元の状態に復調し、タイムデータに関してはCPU15に、再生信号に関してはDSP21にそれぞれ出力するものである。
DSP21は、デコーダ20から再生信号に関する信号(ディジタルデータ)を受けて、メモリ22に送って格納させるものである。
この際、DSP21は、ディジタル再生信号に係るディジタルデータを、CPU15が入力するタイムデータと対応するようにメモリ22に格納するものである。
又、DSP21は、通常演奏時であるレコード盤2の回転に外力を加えない状態の演奏の際には、CPU15の制御信号に基づいて、結果的にメモリ22に格納されている再生信号を格納した順序で読み出してD−A変換部23に送る構成になっている。
つまり、DSP21はCPU15の制御信号に基づき、レコード盤2でアナログ信号がピックアップされる部位に対応するフレーム、再生方向及び再生速さの制御がなされたディジタル再生信号を、D−A変換部23を介して結果的に再生されたアナログ信号として出力させるためのものである。
ここで、D−A変換部23は、メモリ22に格納されているディジタルの再生信号をアナログ信号に変換して出力するものである。
オーディオ装置1の本体の前部に、ディジタル信号再生手段5の操作部24が配設されている。
操作部24の正面中央に、演奏対象のCDをスロットインさせて回転駆動手段16に載置させるため及び演奏終了後のCDをスロットアウトさせるための開口部25が開設されている。
ディジタル信号再生手段5の操作部24には、演奏が行われるとつまりCD再生手段18がCDを演奏するとその演奏で出力されている信号についての情報を表示する表示パネル27が設けられている。表示パネル27は、レコード盤6のノーマル演奏においてスタートからの経過時間、つまり、タイムデータに基づく経過時間をも表示するものである。
オーディオ装置1の本体の側部に、ディジタル信号再生手段5で得られたアナログ再生信号を外部に出力するための出力端子26が配設されている。
ディジタル信号再生手段5は、上述の構成に加えて、レコード盤2がレコードプレーヤ装置3で再生演奏されている際に、アナログ信号がピックアップされるレコード盤2の部位がスタートの部位に戻されると、メモリ22からの再生信号はレコード盤2がスタート部位に戻るまで演奏していた再生信号の出力の位置以降からタイムデータがレコード盤2のアナログ信号の演奏の位置に対応付いて出力、つまり、既に演奏した位置にスタート位置がスライドしてCDからの再生信号がレコード盤2からのアナログ信号によって制御されて出力するスライド演奏手段28が備えられている。
スライド演奏手段28は、演奏者がCDの頭出し位置を設定するための機能入力部29と、CPU15と、表示パネル27及びDSP21から主に構成されている。
演奏時間が20分のレコード盤2を通常に演奏すると(ノーマル対応)、CDは1曲目の再生信号から対応して制御されて出力される。
そうして、レコード盤2の演奏でアナログ信号を20分間受けている間、そのアナログ信号に対応してCDからのディジタル信号はDSP21によってメモリ22から読み出される。ここで、演奏者が更にピックアップの部位をレコード盤2のスタートの位置に戻して演奏を行うと、CDの信号は、レコード盤2からのアナログ信号に対応して、最初の曲から出力が行われる。
つまり、CDのディジタル信号が二度同じ演奏を繰り返すことになる。
これに対して、スライド演奏手段28は、操作部24に配設された機能入力部29で演奏者がスライド位置がレコード盤2がスタートの位置である旨を設定すると、演奏の途中においてレコード盤2からスタートの位置を示すアナログ信号をCPU15が入力すると、その時のレコード盤2のスタートの位置にCDの再生信号のその時までの位置以降をスタートの位置にスライドして、対応させるように作用する。
つまり、スライド演奏手段28は、演奏者がピックアップ手段6をレコード盤2のスタートの位置に戻す度に、メモリ22から読み出されるCDからの再生信号はそれまで出力した再生信号に連続して出力され、且つ、その度毎に、レコード盤2の最大演奏可能時間の20分がアナログ信号を受けて制御され得ることになる。
従って、演奏者がピックアップ手段6をレコード盤2のスタートの位置に戻すことを繰り返すことによって、演奏時間がレコード盤2より長いCDの記録データを全て出力することができる。
又、スライド演奏手段を作用させての演奏の際には、CPU15がスライド演奏機能を設定すると同時にレコード盤2からのアナログ信号と新たなスタートの位置としたメモリ22からの再生信号はシリアルなタイムデータとして一義的に対応付くから、レコードプレーヤ装置3側においてスクラッチ演奏や針飛びがあると、ディジタル信号再生手段5の側のメモリ22はそれらに対応して再生信号を出力する。
オーディオ装置1の全体構成及び各部は、上述したように構成されている。
以下において、図面に基づいて、オーディオ装置1の動作を詳述する。
演奏者はまず最初にオーディオ装置1に電源を入れ、続いて、レコードプレーヤ装置3にレコード盤2を載置すると共にディジタル信号再生手段5の開口部25から演奏したいCDをスロットインさせ、レコードプレーヤ装置3及びディタルオーディオ再生手段5を作動させる。
ここで、レコードプレーヤ装置3はピックアップ手段6がレコード盤2と相対的に摺動してレコード盤2にカットされたアナログ信号をピックアップし、そのアナログ信号をアンプ10に送る。
アンプ10は、ピックアップ手段6からのアナログ信号を入力すると、方向検出部11と、移動量検出部12と、速さ検出部13及びタイムコード検出部14がそれぞれ検出し易いレベルに増幅して検出手段4に送る。
検出手段4は、アンプ10からのアナログ信号を入力すると、方向検出部11がレコード盤2にカットされて記録された二つのチャンネルの信号位相差に基づいてレコード盤2の回転方向を検出する。
移動量検出部12は、前記二つのチャンネルから単位時間当りに入力される単信号のパルス数を算出する。尚、CPU15は、この情報量に基づいて、ディジタル信号再生手段5が再生したフレームに割り付けて移動量を算出する。
速さ検出部13は、移動量検出部12で得られた移動量を微分することによって、移動の速さつまりレコード盤2の角速度を検出する。尚、二つのチャネルから入力されるパルスの周期を測定することによって速さを検出する方法も知られており、その方法を用いてもよい。
タイムコード検出部14は、振幅変調された正弦波をレベルコンパレータ(図示省略)によってディジタル信号に変換し、且つ、複数個の比較レベルのコンパレータを通過させるが、その際に複数個の比較レベルのコンパレータを通すことになるが、そのことにピックアップ手段6の位置を示すタイムデータは、結果的にタイムデータを意味する同期式シリアル信号に変換されてCPU15に送られることになる。
他方、この時のディジタル信号再生手段5では、CDプレーヤ手段18が回転駆動手段16に回転されている前記CDからピックアップ手段17によってエンコードされて記録された前記CDのディジタルデータがRF信号としてピックアップされる。
CDプレーヤ手段18によってピックアップされた前記RF信号のディジタルデータは、デコーダ20によってエンコードする前のディジタルデータに変換され、CPU15にタイムデータが、DPS21に再生信号がそれぞれ送られる。
ディジタル信号再生手段5は更に、CDに記録されているTOC情報を読取ってから、一曲目の曲頭をサーチし、ピックアップ手段17をその位置に対応付けるように移動させる。
CPU15は、デコーダ20から入力されるタイムデータに基づいてピックアップ手段17の読取り位置を監視し、移動を終了した時点でDSP21に再生信号の格納をメモリ22に対して行い、検出部4で得られているレコード盤2の回転方向である演奏の方向、移動量(演奏量)、演奏の速さを算出する。
CPU15は更にその算出結果に従って、DSP21がメモリ22から前記格納の再生信号を読み出してD−A変換部23に送るように制御信号を出力する。
CPU15は、DSP21がCPU15からの前記制御信号に基づいてピックアップ手段6の針がレコード盤2上で演奏してアナログ信号をピックアップしている部位の位置に対応するCDの部位(フレーム)の再生信号を受信したか否かを判断する。
ここで、CPU15は、DSP21がレコード盤2の演奏の部位に対応してCDの部位(フレーム)の再生信号を受け取っていないと判断すると、レコード盤2の演奏の部位とこれに対応するCDの部位(フレーム)の再生信号を一致させるように制御する。
この時、メモリ22から呼び出される再生信号は、DSP21を介してD−A変換部23に出力されることになる。
他方、CPU15が、DSP21がレコード盤2の演奏の部位に対応してCDの部位(フレーム)の再生信号を受け取っていると判断すると、DSP21はCPU15の制御信号に基づき、その時のCDの演奏部位(フレーム)をレコード盤2の演奏の部位と対応するようにアドレスを変更する。
ここで、レコード盤2の演奏の部位の位置と、メモリ22から出力される再生信号のフレームつまりアドレスは互いに対応することになる。
D−A変換部23は、そのディジタル信号の再生信号をアナログ信号の再生信号に変換して出力端子26に送る。
ここで、出力端子26はアナログの再生信号を後段に送るが、後段では増幅等の加工が行われた後に、再生信号は結果的に音声となってスピーカ(図示省略)から出力される。
この際、前記スピーカから出力される音声つまりCDの再生音声は、レコード盤2がレコードプレーヤ装置3によって演奏されている方向と速さに対応しており、つまり、CDを通常の演奏の方向で且つ通常の演奏速さの再生音声になっている。
ここで、レコード盤2のスクラッチ演奏を行わないノーマル演奏の時間長さは20分であるのに対してCDのノーマル演奏の時間長さは74分であるので、このまま演奏を続けていくと、レコード盤2はノーマル演奏の時間長さで20分間の演奏分だけCDの演奏の制御を行うことが可能になっている。
しかし、20分以降はレコード盤2がそれ以上の演奏を行なえない、つまり、制御のための信号を出力しないからCDにノーマル演奏の時間長さで20分以降の演奏の制御を行うことができないことになる。
オーディオ装置1は、CDの20分以降の演奏を制御できないという斯かる問題に対して、スライド演奏手段28を機能させる。
つまり、演奏者が、スライドのトリガーとなる位置をレコード盤2のスタートの位置となるように機能入力部29を設定する。
CPU15は、機能入力部29からの制御内容を受けると、レコード盤2からのアナログ信号のうちでスタートを示す信号を受けると、DSP21にそれまでメモリ22から読み出して出力させていた再生信号を連続して出力するための信号を送る。
オーディオ装置1を用いてレコード盤2とCDを演奏する。演奏が進み、演奏者がレコード盤2が20分の演奏を終える直前を表示パネル27から読取ると、レコードプレーヤ装置3においてピックアップ手段6をレコード盤2のスタートの位置に移動する。
この時、DSP21はメモリ22から再生信号を20分間読み出して、D−A変換器23を介して出力端子26から出力されるように制御する。
他方、ピックアップ手段6はレコード盤2からスタートの位置を示すアナログ信号をピックアップしてスライド演奏手段28に送る。
スライド演奏手段28は、上述した設定が行われていることに基づいて、CPU15が20分目以降の再生信号がアナログ信号の二度目のスタートからのアナログ信号に対応し連続してメモリ22から再生信号が読み出されて出力するようにDSP21を制御する。
ここで、CDからの再生信号は、レコード盤2からのアナログ信号に基づき、20分目から40分目まで演奏(出力)される。
CDからの再生信号が、レコード盤2からのアナログ信号に基づいた演奏(出力)が進み、演奏者が再びレコード盤2が最大演奏可能な20分の演奏を終える直前を表示パネル27から読取ると、再びコードプレーヤ装置3においてピックアップ手段6をレコード盤2のスタートの位置に移動する。
この時、DSP21はメモリ22から再生信号を20分間つまり20分目から40分目まで読み出して、D−A変換器23を介して出力端子26から出力されるように制御する。
他方、ピックアップ手段6はレコード盤2からスタートの位置を示すアナログ信号をピックアップしてスライド演奏手段28に送る。
スライド演奏手段28は、上述した設定が行われていることに基づいて、CPU15が40分目以降の再生信号がアナログ信号の三度目のスタートからのアナログ信号に対応し連続してメモリ22から再生信号が読み出されて出力するようにDSP21を制御する(以上、図4を参照)。
上述したように、演奏者がスライド演奏手段28を機能させることによって、再生信号の出力の時間を最大で20分ずつ延長することが可能であり、各延長された時間内における再生信号の出力は時間的にスライドされたレコード盤2からのアナログ信号によって制御可能な状態が確保されている。
つまり、以上の再生信号の出力の際、DSP21のメモリ22からの再生信号の読み出し機能がレコードプレーヤ装置3のピックアップ手段6からの信号に基づいて行なわれているから、再生信号の出力の仕方、つまり、信号の位置、信号の速さ、信号の方向、飛越し(針飛びを含む)等は、ピックアップ手段6がレコード盤2からの前述した演奏に係る制御信号に基づいて行われている。
ディジタル信号再生システムであるオーディオ装置1では、スライド演奏手段28はピックアップ手段6がレコード盤2のスタートの位置に到る、つまり、レコード盤2のスタートに位置するアナログ信号をピックアップ手段6がピックアップするとそのことに基づいてその時点以降のCDからの再生信号の出力がアナログ信号でスライド制御される構成となっているが、レコード盤2のエンドの位置に到る、つまり、レコード盤2の最終に位置するアナログ信号をピックアップ手段6がピックアップするとそのことに基づいてその時点以降のCDからの再生信号の出力がアナログ信号でスライド制御される構成であってもよい。
オーディオ装置1は、記録媒体としてCDを挙げているが、音声と映像を共に含んだDVDであってもよい。
又、記録媒体がDVDである場合、スクラッチ演奏又は/及び針飛びの際に、映像は音声とは関わりのないものが出力される構成であってもよい。
本発明の実施の一形態例のディジタル信号再生システムの電気的な構成を示す機能ブロック図である。 図1に示す実施の形態例のディジタル信号再生システムの構成を示す斜視図である。 図1に示す実施の形態例のディジタル信号再生システムにおいて、レコード盤からのアナログ信号の波形の形状を示す構成説明図である。 図1に示す実施の形態例のディジタル信号再生システムにおいて、スライド演奏手段を機能させた場合のレコード盤の演奏とCDの演奏の時間関係を説明する時間構成説明図である。
符号の説明
1: ディジタル信号再生システムとしてのオーディオ装置
2: レコード盤
3: レコードプレーヤ装置
4: 検出手段
5: ディジタル信号再生装置としての再生手段
6: ピックアップ手段
15: CPU
18: CDプレーヤ手段
21: DSP
28: スライド演奏手段
29: 入力部

Claims (3)

  1. レコードプレーヤ装置の再生演奏でピックアップされると、そのピックアップされている部位の位置、回転の方向及び回転の速さを示すシリアルにタイムデータ化された情報がアナログ信号で生成されるレコード盤と、シリアルにタイムデータ化されたディジタルデータを記録媒体から再生して得られる再生信号を、前記シリアルなタイムデータに対応させて前記レコード盤からのアナログ信号に基づき出力し得るディジタル信号再生手段が備えられ、
    上記レコード盤がレコードプレーヤ装置で再生演奏されている際に、アナログ信号がピックアップされる部位が任意に設定した特定の部位に到ると、その部位に到った時点以降ではその記録媒体からの再生信号の異なる出力の位置以降からタイムデータがアナログ信号の演奏の位置に対応付くように制御されて再生信号を出力させる構成のディジタル信号再生システム。
  2. レコード盤がレコードプレーヤ装置で再生演奏されている際に、アナログ信号がピックアップされる部位がレコード盤のスタートの部位若しくはエンドの部位に到ると、その部位に到った時点以降ではその記録媒体からの再生信号の異なる出力の位置以降からタイムデータがアナログ信号の演奏の位置に対応付くように制御されて再生信号を出力させる構成の請求項1に記載のディジタル信号再生システム。
  3. レコード盤がレコードプレーヤ装置で再生演奏されている際に、アナログ信号がピックアップされる部位が任意に設定した特定の部位に到ると、その部位に到った時点以降ではその記録媒体からの再生信号の異なる出力の位置以降からタイムデータがアナログ信号の演奏の位置に対応付き、且つ、そのタイムデータがアナログ信号の演奏の位置に対応付くまでの間はそれまでの演奏状態が連続して制御されて再生信号を出力させる構成のディジタル信号再生システム。
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