JP2005173358A - 定着方法、定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

定着方法、定着装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ホットオフセットを防止しつつ、高速定着と省エネルギー化が可能な定着方法等を提供すること。
【解決手段】記録媒体上の未定着トナー層を定着する定着装置において、定着時間[s]を1[s]に設定したときの定着ニップ出口におけるホットオフセットが発生する第一定着部材表面の最小温度TOFFと、定着性を満足する第一定着部材表面の定着下限温度TMINとの温度差をTとしたときに、以下の条件を満足することを特徴とする定着装置。(1)2.4×10×d/(TC×t)<T(dは未定着トナー層厚[単位:m]、TCはトナーの熱伝導率[単位:W/mK]、t[単位:s]は定着時間)、(2)トナー層の最表層温度Ttopが、定着時間を1[s]に設定したときのTOFF未満、(3)記録媒体と接するトナー最下層温度Tbotが、定着時間を1[s]に設定したときのTMIN以上。
【選択図】 図8

Description

本発明は、表面移動する2つの表面移動体の当接によって形成した定着ニップに記録媒体を挟み込んで、その記録媒体にトナー像を定着せしめる定着方法、この定着方法を採用する定着装置、及びこの定着装置を搭載した画像形成装置に関するものである。
電子写真式や静電記録式等の画像形成装置においては、一般に感光体ドラムや感光体ベルト等の像担持体上に画像情報に対応した静電潜像を形成する。そして、この静電潜像に対して帯電したトナーを付着させることによりトナー像を形成する。このトナー像は、紙等の記録媒体に転写されるプロセスを経て、最終的には、熱や圧力等によって記録媒体に定着されて出力画像となる。
トナー像を記録媒体上に定着する方法としては、定着部材として互いに当接する一対のローラを備えたローラ定着方式が一般に広く用いられている。この方式においては、一方のローラが加熱ローラとして用いられ、他方のローラが加圧ローラとして用いられる。両ローラ同士が当接する位置には、記録媒体を挾持搬送できる定着ニップが形成され、この定着ニップ内を記録媒体が通過する際に加熱、及び加圧が行われて未定着トナーが記録媒体に溶融浸透して記録媒体上に定着される。
上記ローラ定着方式の他、加熱ローラ、加圧ローラのどちらか一方、あるいは両方をベルトに代えたベルト定着方式も知られている(例えば、特許文献1)。
ところが、これらの方式においては、記録媒体上に担持された未定着トナーと、ローラやベルトなどの定着部材とが直接接触するため、ホットオフセットが起こりやすいという問題がある。ホットオフセットとは、未定着トナーの一部が定着時に定着部材に逆転移して付着する現象をいう。定着部材温度が高温の場合に、溶融トナーの凝集力が低下するので発生しやすい。
一方、省エネルギー化のために消費電力を低減させることが望ましい。消費電力を下げる手法としては、(1)未使用時に、定着装置の通電を停止する方法、(2)定着温度を低温化する方法などが考えられる。
そこで、本出願人は、特許文献2により低温定着可能なトナーを提案した。また、特許文献3において、通電してから画像形成が可能となるまでの待機時間(装置のウオームアップタイム)に要する電力量を可能な限り小さくする構成を提案した。
特開平11−282307号公報 特開2002−162773号公報 特開2003−156959号公報
上記省エネルギー化の問題は、近年の環境への配慮の高まりを受けてさらに重要な課題となっている。さらなる省エネルギー化を達成することが望まれるところである。
また、定着装置が使用する電力量をアップせずして、従来よりも高速に多量の記録媒体に定着する技術が望まれるところである。
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので有り、その目的とするところは、次のような定着方法、この方法を用いた定着装置、及びこの定着装置を搭載した画像形成装置を提供することである。すなわち、ホットオフセットを防止しつつ、高速定着と省エネルギー化が可能な定着方法等である。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、未定着トナー層が担持されている記録媒体面と対向する第一定着部材と、該第一定着部材に圧接して定着ニップを形成する第二定着部材と、該第一定着部材側から該トナー層に熱を加える手段とを備え、該定着ニップに挿通された記録媒体を加熱及び加圧して、該記録媒体上の該未定着トナー層を定着する定着装置において、該定着ニップの幅[m]を該定着ニップにおいて該記録媒体を搬送する速度[m/s]で除して得られる定着時間[s]を1[s]に設定したときの該定着ニップ出口におけるホットオフセットが発生する該第一定着部材表面の最小温度TOFFと、定着性を満足する該第一定着部材表面の定着下限温度TMINとの温度差(TOFF−TMIN)をTとしたときに、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
(1)2.4×10×d/(TC×t)<T(ここで、dは該未定着トナー層厚[単位:m]、TCはトナーの熱伝導率[単位:W/mK]、tは該定着時間[単位:s]である)
(2)トナー層の最表層温度Ttopが、該定着時間を1[s]に設定したときの該定着第一部材表面のホットオフセットが発生する最小温度TOFF未満
(3)該記録媒体と接するトナー最下層温度Tbotが、該定着時間を1[s]に設定したときの該定着第一部材表面の定着下限温度TMIN以上また、請求項2の発明は、請求項1の定着装置において、上記定着時間を0.02[s]以下とすることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の定着装置において、上記記録媒体上に複数色のトナーを重ね合わせた後に、上記定着ニップに該記録媒体を搬送することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2、又は3の定着装置において、上記定着ニップにより定着される前の最大濃度におけるトナー層厚の平均値が15[μm]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3、又は4の定着装置において、上記第一定着部材が弾性層を備えていることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4、又は5の定着装置において、上記定着ニップの単位面積あたりの平均荷重を290[kPa]以上とすることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5、又は6の定着装置において、上記トナーの平均粒径が5[μm]以下のものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、又は7の定着装置において、像形成物質のトナーの円形度が、0.96以上であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、又は8の定着装置において、上記トナーの粒径分布を2極化以上としたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、又は9の定着装置において、上記トナーは、結晶性ポリエステルを含有していることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の定着装置において、上記トナーとして重合トナーを用いることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11の定着装置において、上記第一定着部材表面の制御温度を230[°C]以下とすることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、記録媒体に担持された未定着のトナー像を、該記録媒体に定着する定着装置を用いる定着方法において、上記定着装置として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12の定着装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、潜像を担持するための像担持体と、該像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、帯電した像担持体表面に潜像を形成するための潜像形成手段と、該潜像をトナーで現像して画像を形成するための現像手段と、該画像を記録媒体上に転写するための転写手段と、該記録媒体上に転写された未定着トナーを定着して定着画像を形成するための定着装置とを有する画像形成装置において、上記定着装置として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12の定着装置を用いることを特徴とするものである。
これらの発明によれば、ホットオフセットを防止しつつ、高速定着と省エネルギー化が達成できるという優れた効果がある。
本発明者らは、以下に説明する実験等より得た知見により本件発明を完成するに到った。
〔実験例1〕
まず、未定着トナー層を記録媒体上に定着する時間が短くなるに伴い、定着性を満足するための定着下限温度TMINが上昇することを示す実験例について説明する。
図1は、本実験例1で用いた定着装置の概略構成図である。定着装置50は、同図に示すように、内部に熱源を有する第一定着部材としての加熱ローラ51と、この加熱ローラ51に当接する第二定着部材としての加圧ローラ52とを備えている。両ローラ同士が当接する位置には、記録媒体たる記録紙を挾持搬送できる定着ニップが形成され、この定着ニップ内を記録媒体が通過する際に加熱される。そして、加熱ローラに接するトナー最表層から記録紙に向かって熱が伝わり、未定着トナーが記録媒体に溶融されて記録紙の繊維内に浸透する。このようにして、未定着トナーが記録紙上に定着されるのである。本実験例1の実験条件は、表1に示すとおりである。
Figure 2005173358
図2は、記録媒体上の未定着トナーを定着するために要する時間、すなわち記録媒体が定着ニップを通過する時間(定着ニップ幅[mm]/記録媒体Pの搬送速度[mm/s])(以下、単に「定着時間」という)に対して、定着性を満足する加熱ローラ51表面の定着下限温度TMIN(以下、「定着下限温度TMIN」という)をプロットしたものである。同図より、定着時間が短くなるに伴って、加熱ローラ51の表面温度を高く設定しなければならないことがわかる。例えば、未定着トナー層の厚みが20[μm]のサンプルを用いた場合には、定着時間が0.1[s]では240[°C]、定着時間が0.01[s]では130[°C]以上となるように設定する必要がある。その設定温度差は、実に110[°C]にも及ぶ。
次に、未定着トナー層の厚み(以下、単に「トナー層厚」という)と定着下限温度TMINとの関係について得た知見について述べる。定着時間を0.1[s]に設定したときには、5[μm]の未定着トナー層を定着させるためには130[°C]以上、20[μm]の未定着トナー層を定着させるためには130[°C]以上に設定する必要がある。このときの温度差はなく、トナー層厚によらず同一温度になることがわかった。一方、定着時間を0.02[s]に設定した場合には、5[μm]の未定着トナー層を定着させるためには175[°C]以上、20[μm]の未定着トナー層を定着させるためには190[°C]以上に設定する必要がある。このときの温度差は、15[°C]であり、トナー層厚により定着下限温度TMINが変動することがわかった。これは、未定着トナー層の厚み方向において温度が均一になっていないことを示唆する。
定着時間を十分に長く設定すれば、加熱ローラ表面からトナー最表層、そして下層に向けて熱が十分に伝達され、トナー最表層温度Ttop、及び、記録紙と接するトナー最下層温度Tbotが加熱ローラ表層温度と一致するようになる。そこで、トナー層厚に依存せずに、加熱ローラ表層温度と記録紙と接するトナー最下層温度Tbotとが一致する時間を検討した。その結果、定着時間を1[s]とすれば、トナー層厚に依存せずに加熱ローラ表面温度と記録紙と接するトナー最下層温度Tbotが一致するという知見を得た。これは、定着時間を1[s]に設定すれば、加熱ローラ51表面の温度がトナーの厚み方向に均一に伝達できるために十分な時間であることを意味する。本実験例1においては、定着時間を1[s]に設定した場合には未定着トナー層の厚みによらず、定着下限温度TMINは110[°C]となった。
なお、トナーの種類を変えて同様の実験を行ったところ、図2で得られた結果と同様の傾向が得られることを確認した。また、定着時間を1[s]とすれば、トナー層厚に依存せずに加熱ローラ表面温度と記録紙と接するトナー最下層温度Tbotとが一致するという結果を得た。
〔実験例2〕
次に、定着時間を短くすれば、紙1枚あたりの定着に要する消費電力を低減することができることを示す実験例について説明する。
実験は、定着時間を変えて、各定着時間に対する消費電力を求めることにより行った。各定着時間に対する加熱ローラ51表面の設定温度は、上記図2の結果から得られた定着下限温度TMINに設定した。また、記録紙の出力速度は、1分間に45枚とし、連続出力する条件下で実験を行った。その他の実験条件は、上記実験例1と同様である。
図3は、定着時間に対して、A4用紙1枚あたりを定着するために要する消費電力をプロットしたものである。このときの消費電力の値は、実験により得た消費電力を1枚あたりの消費電力に換算したものである。同図より、定着時間が短くなるに従い1枚あたりの消費電力が低減することがわかる。例えば、トナー層厚が20[μm]の場合には、定着時間が0.06[s]では22.9[wh]、定着時間が0.01[s]では17.8[wh]である。定着時間を0.06[s]から0.01[s]にすることにより、1枚あたり5.1[wh]もの消費電力を低減できることになる。これは、定着時間を短縮化させるに伴い、トナー層及び記録紙の厚み方向に温度差が生じ、記録紙に過剰な熱を与えていないためと考えている。
次に、トナー層厚と1枚あたりの消費電力との関係について得た知見について述べる。定着時間が0.06[s]のとき、トナー層厚が20[μm]では22.9[wh]、トナー層厚が5[μm]では17.4[wh]という結果を得た。トナー層厚を20[μm]から5[μm]にすることにより、5.5[wh]の消費電力が低減することになる。この低トナー層厚化に伴う消費電力の低減効果は、定着時間が短くなるにつれてより大きくなることが判明した。
本実験例2により、(1)定着時間を短縮させること、(2)トナー層の厚さを薄くすることが省費電力低減に有効であることが明らかとなった。上記実験例1によれば、定着時間を短縮化させるに伴い、定着下限温度TMINが上昇し、加熱ローラ51の設定温度を上昇させる必要がある。しかしながら、この温度上昇分による消費電力増加分よりも、上記(1)、すなわち、定着時間を短縮させること、上記(2)、すなわち、トナー層の厚さを薄くすることによる消費電力低減効果の方がより大きいことが判明した。
次に、定着時間の短縮に伴ってトナー層内の厚み方向の温度分布が大きくなることを示す結果について説明する。
上記実験例1及び2により、定着時間を短縮化させると、定着時においてトナー層及び記録紙の厚み方向に温度分布が発生することが示唆された。そこで、本発明者らは伝熱計算法により、定着時のトナー層、及び記録紙の厚み方向の温度分布を調べた。ここでいう伝熱計算法とは、JISA1412−2の熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法−第2部:熱流統計法(HFM法)によって得られた熱伝導率を用いて、熱伝導の一般式を差分化した式により熱伝導計算を行い、算出するものである。
熱伝導計算を行う基本方程式としては、1次元の熱伝導方程式である以下の数1を使用する。
<数1>δT/δt=λ/(ρC)・(δ2/δx2)・T (ここで、Tは温度、tは時間、λは熱伝導率、ρは密度、Cは比熱、xは距離である)
熱伝導計算材料構成の各材料に対して、各温度センサから得られた温度を初期温度に設定し、上記数1を解く。解法には、材料をメッシュ分割し、差分法や有限要素法等を適用して解くことができる。計算は、上記実験例の条件にて行った。
図4は未定着層の厚みが20[μm]時の、トナーと記録紙の厚み方向に対して伝熱計算により得た温度をプロットしたものである。同図より、定着時間が0.04[s]では、トナー層と記録紙の厚み方向の温度はほぼ同程度であることがわかる。一方、0.01[s]のときには、トナー最表層温度Ttop176[°C]、トナー最下層温度Tbot99[°C]であり、トナー層と記録紙との界面から記録紙の厚み方向に向かって50[μm]のところでは43[°C]であった。
トナー層の厚み方向の温度差は、最大で77[°C]に及び、さらに紙の最低温度とトナー表層との温度差は、133[°C]に及ぶ。すなわち、定着時間が短くなるに伴い、トナー層、及び、記録紙の厚み方向の温度勾配が大きくなることが、伝熱計算によっても支持された。
これらの温度分布曲線の積分値を表2に示す。この積分値は、記録紙にトナーを定着するときに使用する熱エネルギー量に相当する。これは、ニップ部を通過するA4サイズの記録紙1枚が、室温である温度25[°C]から上昇した温度から換算した値である。
Figure 2005173358
表2より、定着時間が0.01[s]の温度分布曲線の積分値は309[J]となり、0.04[s]では611[J]となった。定着時間が短いほど使用する熱エネルギー量が少なくなり、省エネルギー化に有利であることがわかる。これは、記録紙に不要な熱エネルギーを与えていないためと考える。ただし、定着時間を短くすると、上記実験例1で得られたように加熱ローラ表面温度を、定着時間が長い場合に比して高温に設定しなければならない。高温になると、溶融したトナー間の凝集力が低下するので、トナーが加熱ローラ51に付着するいわゆるホットオフセットの発生が懸念される。
〔実験例3〕
ホットオフセットの問題に関する知見を得るべく、本発明者らは定着時間に対してホットオフセットが発生する最小温度TOFFを調べた。
実験条件は、未定着トナー層の厚みが20[μm]のものを用いた以外は、上記実験例1と同様である。
図5は、定着時間に対して、ホットオフセットが発生する最小温度TOFFをプロットしたものである。同図には、図2で求めた定着下限温度曲線も併せてプロットしてある。同図より、定着時間が短くなるに伴って、ホットオフセットが発生する最小温度TOFFが上昇することがわかる。例えば、定着時間が0.1[s]のときには、オフセット温度が210[°C]、定着時間が0.01[s]のときには、オフセット温度が270[°C]となる。すなわち、定着時間が0.1[s]から0.01[s]となることにより、およそ60[°C]の温度上昇がある。ホットオフセットが発生する温度は、定着時間により変動する性質があることがわかる。
また、定着時間が短くなるにつれて、ホットオフセットが発生する最小温度TOFFと定着下限温度TMINとの温度幅が小さくなることがわかる。例えば、定着時間が0.1[s]の時には、その温度幅は約70[°C]であるのに対し、定着時間が0.01[s]の場合には50[°C]となる。これは、定着時間が短くなるにつれて、定着可能温度範囲が狭くなることを意味する。
トナー層厚によらずに加熱ローラ表面温度と、記録紙と接するトナー最下層温度Tbotとが一致する定着時間である1[s](実験例1参照)に設定したときのホットオフセットが発生する最小温度TOFFは、170[°C]であった。
定着時間を1[s]としたときの定着下限温度TMINは、上述したとおり110[°C]である。ここで、本発明者らは、記録紙と接するトナー最下層温度Tbotを、定着時間が1[s]に設定したときの定着下限温度TMIN以上となるように設定すれば、定着時間を短縮化させても定着性を満足できるという点に着目した。上記実験例においては、記録紙と接するトナー最下層温度Tbotを110[°C]以上に設定すれば、定着時間を短縮化させた場合においても定着性を満足することができる。
また、本発明者らは、定着時間が1[s]に設定したときのホットオフセットが発生する最小温度TOFFよりトナー表層温度が低くなるように設定すれば、定着時間を短縮化させてもホットオフセットが発生しないという点に着目した。上記実験例においては、トナー最表層温度Ttopを170[°C]未満に設定すれば、定着時間を短縮化させた場合においてもホットオフセットの発生を防止することができる。
定着時間を1[s]としたときの、ホットオフセットが発生する最小温度TOFFと定着下限温度TMINとの差は60[°C]となった。この温度差は、膜厚によらず同じ値であった。実際、このときのトナー最表層温度Ttop、及び、トナー最下層温度TBOTは、ともに加熱ローラ表層の温度とほぼ一致することを上記伝熱計算式によっても確認した。また、定着ニップAを通過した直後の記録紙表層を放射温度計(KEYENCE VK8500)により計測したところ、上記熱伝導計算で得た計算値とほぼ同様の温度が得られることを確認した。
次に、伝熱計算式により、トナー層に温度差が発生するトナー層の厚みを定着時間に対して計算した結果について説明する。
計算は、実験例1の条件で行った。ここでいうトナー層の厚みとは、トナー最表層から下層へ向かう方向のトナー最表層からの距離をいう。結果を、表3に示す。
Figure 2005173358
図6は、表3に示した結果に基づいて定着時間[s]に対して、トナーの厚み[m]をトナーの熱伝導率[W/mK]で除した値である熱抵抗[mK/W]をプロットしたものである。同図より、定着時間[s]と熱抵抗[mK/W]との間には比例関係があることがわかる。
図7は、表3に示した結果に基づいてトナー層内の温度差[°C]に対して、熱抵抗[mK/W]をプロットしたものである。同図より、トナー層内の温度差[°C]と熱抵抗[mK/W]との間には比例関係があることがわかる。
これらの結果を踏まえ、熱抵抗[mK/W]を定着時間[s]で除した値に対して、トナー層内の温度差[K]をプロットしたものが図8である。同図より、熱抵抗[mK/W]を定着時間[s]で除した値と、トナー層内の温度差[°C]の間には、比例関係があることがわかる。このときのグラフの傾きSは、2.4×10であった。図8により、定着時間[s]、トナーの熱伝導率[W/mK]、トナー層の厚み[m]の値がわかれば、トナー層内の温度差に関する知見が得られることが判明した。
上述したように、オフセットの発生を防止するためにトナー最表層温度Ttopは、定着時間が1[s]のときのオフセットが発生する最小温度TOFFより低く設定する。実験例のトナーの場合には170[°C]未満となるようにする。また、定着性を満足させるためにトナー最下層温度Tbotは、定着時間が1[s]のときの定着下限温度TMIN以上となるように設定する。実験例のトナーの場合には、110[°C]以上となるように設定する。従って、本実験例の場合にはトナー層内の温度の最高値が170[°C]、最低温度が110[°C]となり、その温度差が60[°C]以下となる。従って、上記図8の結果から、以下の数2を満足するように、3つのパラメータ(定着時間t[s]、トナーの熱伝導率TC[W/mK]、トナー層の厚みd[m])を設定すればよい。
<数2>2.4×10×d[m]/TC[W/mK]/t[s]<60
実際、図8において、ホットオフセットの発生状況を調べたところ、トナー層の温度差が60[°C]以上になる場合に発生することがわかった(図中、ホットオフセットが発生した箇所を×印で示す)。
一般に、定着条件を設定するにあたっては、まず使用するトナーを決定する。ここで熱伝導率TCが決まる。そして、画質等によりトナー層の厚みを決定する。従って、上記数2により、T以下となる最小定着時間[s]を算定することができる。その結果、最小定着時間を簡易に求め、1枚あたりの消費電力が最も小さくなるように定着条件を設定することができる。最終的には、求めた定着時間から加熱ローラ表面温度を伝熱計算方式により求めて設定する。
なお、トナーを変更した場合には、オフセットが発生する最小温度TOFFと定着加減温度TMINが変動するので、当然にTの値は変動する。従って、上記数2を一般式化すると数3のようになる。
<数3>2.4×10×d[m]/TC[W/mK]/t[s]<T
また、トナーを変えても数3の式に適合する(図8のグラフの傾きが同一となる)ことを確認した。その一例を、図14に示す。
以下、本発明を画像形成装置である電子写真式カラー複写機(以下、カラー複写機という)に適用した実施の形態について説明する。
まず、図11を用いて、本実施の形態に係るカラー複写機の概略構成及び動作について説明する。このカラー複写機は、カラー画像読取装置(以下、カラースキャナという)1、カラー画像記録装置(以下、カラープリンタという)2、給紙バンク3等で構成されている。
カラースキャナ1は、コンタクトガラス101上の原稿4の画像を照明ランプ102、ミラー群103a、103b、103c、及びレンズ104を介してカラーセンサ105に結像して、原稿4のカラー画像情報を、例えばRed:赤、Green:緑、Blue:青(以下、それぞれR、G、Bという)の色分解光毎に読み取り、電気的な画像信号に変換する。ここで、カラーセンサ105は、本例ではR、G、Bの色分解手段とCCDのような光電変換素子で構成され、原稿4の画像を色分解した3色のカラー画像を同時に読み取っている。そして、このカラースキャナ1で得たR、G、Bの色分解画像信号強度レベルをもとにして、図示しない画像処理部で色変換処理を行い、Black:黒(以下、Bkという)、Cyan:シアン(以下、Cという)、Magenta:マゼンタ(以下、Mという)、Yellow:イエロー(以下、Yという)のカラー画像データを得る。
Bk、C、M、Yのカラー画像データを得るためのカラースキャナ1の動作は次のとおりである。後述のカラープリンタ2の動作とタイミングを取ったスキャナスタ−ト信号を受けて、照明ランプ102及びミラー群103a、103b、103c等からなる光学系が矢印左方向へ原稿4を走査し、1回の走査毎に1色のカラー画像データを得る。この動作を合計4回繰り返すことによって、順次4色のカラー画像データを得る。そして、その都度カラープリンタ2で順次顕像化しつつ、これを重ねあわせて最終的な4色フルカラー画像を形成する。
カラープリンタ2は、像担持体としての感光体ドラム200、書き込み光学ユニット220、リボルバ現像ユニット230、中間転写装置260、定着装置50等で構成されている。
感光体ドラム200は矢印の反時計方向に回転し、その周りには、感光体クリ−ニング装置201、除電ランプ202、帯電器203、電位センサ204、リボルバ現像ユニット230の選択された現像器、現像濃度パタ−ン検知器205、中間転写装置260の中間転写ベルト261などが配置されている。
書き込み光学ユニット220は、カラースキャナ1からのカラー画像データを光信号に変換して、原稿4の画像に対応した光書き込みを行い、感光体ドラム200に静電潜像を形成する。この書き込み光学ユニット220は、光源としてのレーザーダイオードー221、図示しないレーザー発光駆動制御部、ポリゴンミラー222とその回転用モ−タ223、f/θレンズ224、反射ミラー225などで構成されている。
上記リボルバ現像ユニット230は、Bk現像器231K、C現像器231C、M現像器231M、Y現像器231Yと、各現像器を矢印の反時計方向に回転させる後述のリボルバ回転駆動部などで構成されている。各現像器は、静電潜像を現像するために現像剤の穂を感光体ドラム200の表面に接触させて回転する現像スリ−ブと、現像剤を汲み上げて撹拌するために回転する現像剤パドルなどで構成されている。各現像器231内のトナーはフェライトキャリアとの撹拌によって負極性に帯電される。複写機本体の待機状態では、リボルバ現像ユニット230はBk現像器231Kが現像位置にセットされており、コピ−動作が開始されると、カラースキャナ1で所定のタイミングからBkカラー画像データの読み取りが開始し、このカラー画像データに基づきレーザー光による光書き込み、静電潜像形成が始まる(以下、Bk画像データによる静電潜像をBk潜像という。C、M、Yについても同様)。このBk静電潜像の先端部から現像可能とすべくBk現像位置に静電潜像先端部が到達する前に、Bk現像スリ−ブを回転開始して、Bk静電潜像をBkトナーで現像する。そして、以後Bk静電潜像領域の現像動作を続けるが、静電潜像後端部がBk現像位置を通過した時点で、速やかに次の色の現像器が現像位置にくるまで、リボルバ現像ユニット230が回転する。これは少なくとも、次の画像データによる静電潜像先端部が到達する前に完了させる。
中間転写装置260は、中間転写ベルト261、ベルトクリ−ニング装置262、紙転写コロナ放電器(以下、紙転写器という)263などで構成されている。中間転写ベルト261は駆動ローラ264a、転写対向ロ−ラ264b、クリ−ニング対向ロ−ラ264c及び従動ロ−ラ群に張架されており、図示しない駆動モ−タにより駆動制御される。またベルトクリ−ニング装置262は、1色目のBk画像を中間転写ベルト261に転写した後の2、3、4色目の画像をベルト転写している間は接離機構によって中間転写ベルト261面から入口シ−ル、ブレ−ドを離間させておく。また紙転写器263は、コロナ放電方式にて中間転写ベルト261上の重ねトナー像を転写紙5に一括転写する。
カラープリンタ2内の転写紙カセット207及び給紙バンク3内の転写紙カセット300a、300b、300cには、各種サイズの転写紙5が収納されている。そして、指定されたサイズの転写紙のカセットから、給紙コロ208、301a、301b、301cによってレジストロ−ラ対209方向に給紙、搬送される。また、プリンタ2の右側面には、OHP用紙や厚紙などの手差し給紙用の手差しトレイ210が設けられている。
上記構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、まず感光体ドラム200は矢印の反時計方向に、中間転写ベルト261は矢印の時計回りに図示しない駆動モ−タによって回転される。中間転写ベルト261の回転に伴ってBkトナー像形成、Cトナー像形成、Mトナー像形成、Yトナー像形成が行われ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト261上に重ねてトナー像が形成される。
Bkトナー像形成は次のように行なわれる。帯電器203はコロナ放電によって感光体ドラム200を負電荷で約−700Vに一様帯電する。そして、レーザーダイオード221はBkカラー画像信号に基づいてラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様荷電された感光体ドラム200の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。そして、このBk静電潜像にBk現像スリーブ上の負帯電のBkトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはBkトナーが吸着され、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。そして、感光体ドラム200上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム200と接触状態で等速駆動している中間転写ベルト261の表面に、ベルト転写器263によって転写される(以下、感光体ドラム200から中間転写ベルト261へのトナー像転写をベルト転写という)。
感光体ドラム200上の若干の未転写残留トナーは、感光体ドラム200の再使用に備えて感光体クリ−ニング装置201で清掃される。ここで回収されたトナーは回収パイプを経由して図示しない排トナータンクに蓄えられる。
感光体ドラム200側ではBk画像形成工程の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナ1によるC画像データ読み取りが始まり、そのC画像データによるレーザー光書き込みで、C静電潜像形成を行う。そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、かつC静電潜像の先端部が到達する前にリボルバー現像ユニット230の回転動作が行なわれ、C現像器231Cが現像位置にセットされてC静電潜像がCトナーで現像される。以後、C静電潜像領域の現像を続けるが、C静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像器231Bの場合と同様にリボルバー現像ユニット230の回転動作を行ない、次のM現像器231Mを現像位置に移動させる。これもやはり次のM静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。
なお、M及びYの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBK、Cの工程と同様であるので説明は省略する。
上記中間転写ベルト261には、感光体ドラム200に順次形成するBk、C、M、Yのトナー像を、同一面に順次位置合わせして、4色重ねのトナー像が形成され、次の転写工程において、この4色のトナー像が転写紙にベルト転写器263により一括転写される。
上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙は上記転写紙カセット又は手差しトレイのいずれかから給送され、レジストローラ対209の定着ニップで待機している。そして、紙転写器263に中間転写ベルト261上のトナー像先端がさしかかるときに、ちょうど転写紙の先端がこのトナー像の先端に一致するようにレジストローラ対209が駆動され、転写紙とトナー像とのレジスト合わせが行われる。そして、転写紙が中間転写ベルト261上のトナー像と重ねられて正電位の紙転写器263の上を通過する。このときコロナ放電電流で転写紙が正電荷で荷電され、トナー画像のほとんどが転写紙上に転写される。続いて紙転写器263の左側に配置した図示しないAC+DCコロナによる分離除電器との対向部を通過するときに、転写紙は除電され、中間転写ベルト261から剥離して搬送ベルト211に移る。
そして、中間転写ベルト261面から4色重ねトナー像を一括転写された転写紙は、紙搬送ベルト211で定着装置50に搬送される。そして、定着された記録紙を排出ローラ対212で装置本体外に送り出し、図示しないコピ−トレイに表向きにスタックされ、フルカラーコピーを得る。
次に、定着装置50について説明する。図1は、本実施形態に係る定着装置50の概略構成図を示している。本実施形態ではローラ定着方式を採用しており、内部に熱源を有する加熱(定着)ローラ51と、加圧ローラ52を備えている。また、加熱ローラの表面をクリーニングするクリーニングローラ、加熱ローラ51と加圧ローラ52から分離させる不図示の分離爪、定着後の記録紙Pを搬送する搬送ローラ、加熱ローラの温度を検知して目標温度になるように制御するための電圧を出力する温度検出手段であるサーミスタ55などを備えている。
加熱ローラ51と加圧ローラ52とは、互いに圧接しており、定着ニップAを形成している。この定着ニップAに、記録媒体を挾持搬送し、所定温度に制御された加熱ローラ51の熱によりトナー像が溶融定着される。
定着ニップAに所定の圧力を加えるため、加熱ローラ51、加圧ローラ52には、バネなどの図示しない弾性体により付勢されている。
加熱ローラ51は、3層構造となっている。本実施形態では、芯金として0.5[mm]厚さの鉄管を用いている。芯金上には、1.0[mm]のシリコンゴムからなる弾性層が設けられている。そして、その表面には、トナーとの離型性を良好にさせるために30[μm]のPFA(テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)からなる離型層が形成されている。定着ローラの外径は、ψ40[mm]である。
弾性層の層厚は、画質を考慮して50[μm]以上とすることが好ましい。ただし、層厚を厚くしすぎると熱容量が大きくなりウオームアップ時間が長くなるので適切な層厚を選択する必要がある。離型層は、耐久性の観点から層厚を20[μm]以上とすることが好ましい。ただし、層厚が大きすぎると表面硬度が大きくなり、トナーとの接触面が不均一となり光沢ムラが発生するので好ましくない。とりわけ、カラー画像を形成する場合には、トナー層の厚みが各点において異なるので画質の悪化が深刻となる。このため、離型層の厚みは、100[μm]以下に設定することが好ましい。また、この表面硬度は、離型層の厚みのみならず、弾性層の厚みにも影響を及ぼすので、両者の厚みを最適に設定する必要がある。
なお、鉄管の芯金に代えてアルミ等を用いてもよい。また、シリコンゴムの弾性層に代えて他の弾性部材を用いることもできる。この場合、耐熱性を備えた材料を用いることが好ましい。離型層としては、PFAに代えて他のフッ素樹脂化合物を用いてもよい。
加圧ローラ52の層構成及び層厚は、本実施形態では上記加熱ローラ51と同一の構成とした。ただし、本実施形態においては加圧ローラ内には熱源を備えていない。
次に、定着条件の設定方法について説明する。
(1)まず、使用するトナーを決定する。ここで、トナーの熱伝導率TCが決定する。
(2)定着時間を1[s]にしたときの、加熱ローラ表面のホットオフセット最小温度TOFFと定着下限温度TMINをそれぞれ求める。そして、その温度差Tを求める。
(3)画質等により最大トナー層厚dを決定する。
(4)上記数3より、最小又は設定可能な定着時間tを求める。
(5)上記(4)で求めた定着時間tに設定したときに、トナー最表層温度Ttopが、上記加熱ローラ51表面のホットオフセット最小温度TOFF以下であって、トナー最下層温度Tbotが上記定着下限温度TMIN以上となるように、加熱ローラ表層の設定可能温度を伝熱計算により求める。
(6)上記(5)で求めた値となるように加熱ローラの設定温度を決定する。
このように定着条件を設定すれば、ホットオフセットを防止しつつ、定着時間を短縮化させて省エネルギー化を達成できる。併せて、高速記録が可能となる。さらに、短時間加熱の場合には、記録媒体の種類や厚みによらず消費電力に差が出難いという利点もある。これは、以下の理由による。すなわち、定着時間が長いと記録紙へ余剰な熱を与えることになり、1枚あたりの消費電力が多くなる。一方、定着時間が短いと、記録紙へ与える熱を最小限に抑えることができるのである。
上述したように、定着時間が短縮化するにつれて1枚あたりを定着するために要する消費電力は低下する(図3参照)。とりわけ、定着時間が0.02[s]以下になると1枚あたりを定着するために要する消費電力の低減効果が大きくなる(図3参照)。従って、定着時間を0.02[s]以下に設定することがより好ましい。定着時間を0.02[s]に設定する場合、例えば、定着ニップAの幅を5.0[mm]、記録紙の搬送速度を250[mm/s]とする。定着時間は短いほど省エネルギー化に有利であるため好ましいが、定着時間を短くすると加熱ローラ51の温度を高温に設定しなければならない(図2参照)ので、加熱ローラ部材の耐熱性やトナーの定着可能温度により定着時間の下限値が決まる。例えば、耐熱温度が240[°C]のシリコンゴムを加熱ローラ51の弾性層として採用し、トナー層厚を20[μm]とする場合には、実験例1で用いたトナーでは定着時間として0.01[s]が下限値となる(図2参照)。一般的には、上記観点から0.005[s]以上とすることが好ましい。
図9は、トナー層厚に対してトナー層内の温度差をプロットしたものである。定着時間を0.01[s]とする場合、トナー温度差を60[°C]以内とするためには、トナー層厚を16[μm]以下とする必要がある。定着時間を0.02[s]とする場合、トナー温度差を60[°C]以内とするためには、トナー層厚を29[μm]以下とする必要がある。定着時間の増加に伴ない、トナー層厚の余裕度が上がることになる。
トナー層厚が薄くなるにつれて、記録紙1枚あたりを定着するために要する消費電力は低下する(図3参照)。従って、トナー層の膜厚は薄いほうが好ましい。例えば、定着時間を0.01[s]に設定する場合には、トナー層厚が20[μm]の場合には、加熱ローラ51表面温度を240[°C]、10[μm]の場合には加熱ローラ51表面温度を220[°C]、5[μm]の場合には加熱ローラ51表面温度を210[°C]以上に設定する必要がある。従って、定着時間の短縮には、トナー層厚を小さくする方がよい。多色画像では、トナー層厚が厚くなることを考慮して、最大濃度時のトナー層厚の平均が15[μm]以下となるように設定することがより好ましい。図3の結果より省エネルギー化の観点から、トナー層厚は薄いほど好ましいが、画質等に影響を及ぼさない範囲に設定する必要がある。現状のトナーにおいては、多色画像の場合には、10[μm]以上、単色画像の場合には、5[μm]以上に設定することが妥当である。
図10は、定着ニップAの単位面積あたりの平均荷重を変え、このときの加熱ローラの定着下限温度TMINをプロットしたものである。このときの定着時間は、0.02[s]とした。
同図より、同一の定着時間においても、定着ニップAの単位面積あたりの平均荷重により定着下限温度TMINが変動することがわかる。定着ニップAの単位面積あたりの平均荷重を高く設定すれば、加熱ローラ51の温度を低温化できる。定着時間を短縮化するに伴い、加熱ローラ表面の定着下限温度TMINが上昇してしまうが、定着ニップAの単位面積あたりの平均荷重を高めることにより、定着下限温度TMINを下げられることがわかる。荷重が高いと、トナー層厚はすばやく薄くなりトナー層内の温度差が低減するためと考える。定着温度を低温化できれば、省費電力を低減することができる。また、定着部材を構成する部品の耐熱性の問題や、連続通紙時の昇温による熱破壊を防止するのにより効果的である。
図10より、定着ニップAの単位面積あたりの平均荷重が、290[kPa]以上から定着下限温度の低下が大きいことがわかる。従って、定着ニップAの単位面積あたりの平均荷重を290[kPa]以上に設定することが好ましい。本実施形態においては、立ち上げ時間と撓み変形による耐久性を考慮して、熱容量を小さくして安定した加圧にするために290[kPa]に設定したが、高荷重である方がより好ましい。ただし、構成部材の強度を考慮して上限を決める必要がある。また、高荷重に設定すると以下のような問題がある。すなわち、記録紙の繊維が変形したり、記録紙の光沢が変化してしまう場合や、定着ニップを記録紙が通過する時に不快音が発生する場合がある。また、構成を大掛かりなもににする必要がある。従って、2000[kPa]以下とすることが好ましい。
本実施形態においては、各色のトナーとしてそれぞれ平均粒径が5[μm]のものを用いている。Bkの画像についてはスミア処理を施しているため、Bk以外のトナーは重ねないようになっている。このため、最大トナー厚さは3色のトナーで形成されるので15[μm]ということになる。
トナー厚みとトナーの平均粒径を変えて、画像の濃度均一性の評価を行った。トナー層厚については、現像や転写過程でトナー付着量を少なくすることにより調整した。評価は、目視観察により5段階に評価した。ランク5は、濃度ムラがなく良好な画像、ランク4は視覚的に許容な画像、ランク1〜3は濃度均一性不良を示す。その結果を表4に示す。
Figure 2005173358
表4より、画像濃度均一性を満足させるためには、トナー層厚が薄くなるにつれ平均粒径を小さくする必要がある。これは、トナー粒径が大きいとドット抜けが目立ち画像の均一性が損なわれるためである。そこで、トナー粒径としては、5[μm]以下とすることが好ましい。ただし、製造上の問題からトナー粒径の下限は、1[μm]以上に設定することが好ましい。
一方、トナーの平均粒径を5[μm]以下としてトナー層厚を薄くした場合、色再現性が低下するという問題がある。定着後には、トナー層は定着前に比して薄くなるので、従来の着色度では光を透過しやすくなり所望の反射濃度が得られないためである。そこで、本実施形態においては、着色濃度を上げることが好ましい。顔料濃度としてトナーの重量%は5[%]が通常であるが、15[%]以上とすることが好ましい。
なお、トナー層厚の調製法としては、上記方法(現像や転写過程でトナー付着量を少なくする方法)の他、画像処理で各色のトナーを間引く方法もある。この方法によっても、トナー層厚を10[μm]とし、平均粒径を8[μm]、あるいは10[μm]とした場合には、同様に低ランクとなった。
本実施形態では、重合トナーを用いている。重合トナーは、円形度が高く、製造コストが安い。本実施形態の円形度は0.96以上、1.00未満である。円形度が大きいとトナー層内の空隙率が小さくなる。そのため、空気の断熱効果が小さくなり熱伝導率が大きくなる。熱伝導率が大きいとトナー層内の温度差が小さくなりオフセット防止に有効である。
さらに、重合トナーは、粒径分布の制御が容易なため所望の平均粒径のトナーを安定して供給できるので、トナー層厚が安定することになる。また、トナー間の空隙内に入るほどの小径のトナーを混入させ、例えば粒径分布が2極化したトナーで、大径トナーの1/5程度の小径のトナーを使用するとトナー層の充填率が高くなり、トナー層の熱伝導率が大きくなるのでオフセット防止に有効である。よって、粒径分布は2極化以上とすることが好ましい。ただし、4極化より多くしても、上記空隙を埋める効果が小さくなるので4極化以下とすることが好ましい。
本実施形態では、加熱ローラ51の制御温度が230[°C]以下となるような定着条件となるように設定している。これにより、加熱ローラ等の部材の熱による劣化を防止することができる。
また、本実施形態においては、トナー成分に結晶性ポリエステルを含有している。これにより、シャームメルト化(低融点)し軟化温度が低温化できる。したがって、小さいエネルギーでトナーを軟化することができるのでトナー層はすばやく潰れることになり層厚が薄くなる。したがって、トナー層内の温度差は小さくなる。また、すばやく軟化するので紙とトナーとの境界温度が所望の温度になりやすいので定着部材の制御温度の低温化が可能になる。したがって、オフセットの発生と昇温までの温度幅の余裕度が広がる。また、定着装置を構成する部材の熱破壊を防止によるすることになる。さらに立ち上がり時間の短縮および省電力の低減となる効果がある。
トナーや紙の凹凸に密着する低硬度の定着部材を用いることもトナー層内の温度差が小さくなりオフセット防止に有効である。これは、凹部のトナーは定着部材の硬度が硬い場合には、直接定着部材と接触しないので空気層を介しての熱伝導により溶融されるためである。このような場合には定着下限温度TMINが上昇し、オフセットが発生する最小温度TOFFまでの温度幅が小さくなる。しかし、低硬度にすることで熱伝導しやすくなりトナーを溶融する定着部材の温度を低温化することが可能になる。その結果、オフセットが発生する最小温度TOFFまでの温度幅の余裕度が広がるのである。この際の低硬度とは表面の微小硬度であり、押し込み深さ10[μm]におけるユニバーサル硬さHUで表されるもので2.5[N/mm]以下が好ましい。ここで、ユニバーサル硬さ(HU)とは、荷重/測定端子が刺さった部分の断面積であり、DIN 50359,ISO 14577に準拠している規格である。超微小領域での押込み負荷時の荷重−変位挙動を連続的に記録することにより、従来の硬さ測定に比ベルト表面皮膜物性をより詳細に記述できるという特徴がある。なお、測定端子にはビッカース圧子を用いる。
以下に本実施形態に用いたトナーについて説明する。
(重合トナーの製造方法)
本実施形態で用いた円形度0.96以上、1.00未満のトナーを製造する方法としては、懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、界面重合法、溶解懸濁法、転相乳化法等の湿式造粒による製造方法等がある。溶融混練物の粉砕・分級によるトナーにおいても、トナーの加熱処理等により円形度の高いトナーを製造する事が可能だが、エネルギー効率の点で望ましくない。
円形度の高いトナーが安定して得られる点、シャープな粒径分布が得られる点、トナーの帯電制御の点で、懸濁重合法、分散重合法が優れている。また、トナーの低温定着性の点で有利なポリエステル樹脂が使用できる点で溶解懸濁法が優れている。以下、懸濁重合法、分散重合法、溶解懸濁法について詳述する。
(懸濁重合法)
後述の特定モノマーに対して、分散安定剤、及び着色剤、さらに必要に応じて、架橋剤や、荷電制御剤、離型剤等をボールミル等により均一に分散させた後、これに重合開始剤を加え、モノマー相を得、モノマー相とあらかじめ撹拌して作製しておいた水系分散媒相を撹拌槽に入れ、ホモジナイザー等により攪拌し、得られた懸濁液を窒素置換後に加熱して重合反応を完了させる事により着色樹脂粒子が得られ、これを洗浄、乾燥する事により円形度の高いトナー粒子が得られる。
懸濁重合に使用される重合性単量体はビニル基を有するモノマーであり、具体的には以下のようなモノマーが挙げられる。すなわち、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2.4×103−ジメチルスチレン、ブチルスチレン、オクチルスチレンなどのスチレン及びその誘導体が挙げられ、なかでもスチレン単量体が最も好ましい。他のビニル系単量体として、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン系不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類、ビニルナフタレンなどを挙げることができ、これらの単量体を単独あるいは混合して用いることができる。
懸濁重合法では、単量体組成物中に、架橋重合体を生成させるために、次のような架橋剤を存在させて懸濁重合させてもよい。架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2′−ビス(4−メタクリルロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−アクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールメタンテトラアクリレート、ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリルなどが挙げられる。架橋剤の使用量が多過ぎると、トナーが熱で溶融しにくくなり、熱定着性、熱圧定着性が劣ることになる。また、架橋剤の使用量が少なく過ぎると、トナーとして必要な耐ブロッキング性、耐久性などの性質が低下し、熱ロール定着において、トナーの一部が紙に完全に固着しないでロール表面に付着し、次の紙に転写するという、コールドオフセットが発生してしまう。従って、用いる架橋剤量は、重合性単量体100重量部に対して0.001〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
懸濁重合法における分散安定剤としては次のものが使用可能である。すなわち、ポリビニルアルコール、でん粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシュウム、リン酸カルシュウム、タルク、粘土、けいそう土、金属酸化物粉末などが用いられる。これらは水に対して0.1〜10[重量%]の範囲で用いるのが好ましい。
懸濁重合法における、重合開始剤は造粒後の単量体組成物を含む分散液中に添加してもよいが、個々の単量体組成物粒子に均一に重合開始剤を付与する点からは、造粒前の単量体組成物に含有させておくことが望ましい。このような重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2.4×103−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メチキシ−2.4×103−ジメチルバレロニトリル、アゾビスブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキサイド、2.4×103−ジクロリルベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
懸濁重合法においては、磁性体を含有する型の磁性トナーが可能である。磁性トナーとするには、単量体組成物に磁性粒子を添加すればよい。磁性体には、例えば、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末、もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金や化合物の粉末などを用いることができる。磁性粒子としては、粒径が0.05〜5[μm]、好ましくは0.1〜1[μm]のものが用いられるが、小粒径トナーを生成する場合には、粒径0.8[μm]以下の磁性粒子を使用することが望ましい。この磁性粒子は、単量体組成物100重量部中に10〜60重量部含有されていることが望ましい。また、これら磁性粒子はシランカップリング剤、チタンカップリング剤などの表面処理剤、あるいは適当な反応性の樹脂などで処理されていてもよい。この場合、磁性粒子の表面積あるいは表面に存在する水酸基の密度にもよるが、通常、磁性粒子100重量部に対して表面処理剤が5重量部以下、好ましくは0.1〜3重量部の処理で、充分な重合性単量体への分散性が得られ、トナー物性に対しても悪影響を及ぼさない。
(分散重合)
親水性有機液体に、その親水性有機液体に溶解する高分子分散剤を加え、これに前記親水性液体には溶解するが、生成する重合体は前記親水性液体にて膨潤されるか、あるいは殆ど溶解しない一種または二種以上のビニル単量体を加えて重合することにより製造される。また、予め目的とする粒径よりは小さく、粒度分布の狭い重合体粒子を利用して上述の系で成長させる反応も含まれる。成長反応に利用する単量体は、種粒子を製造したものと同じ単量体でもまた別の単量体でもよいが、重合体は親水性有機液体に溶解してはならない。
前記の種粒子の形成時及び種粒子の成長反応時に用いる単量体の希釈剤としての親水性有機液体としては、メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール類などが代表的なものとして挙げられる。
これらの有機液体は単独で、もしくは二種以上の混合物して用いることができる。なお、アルコール類及びエーテルアルコール類以外の有機液体と、上述のアルコール類及びエーテルアルコール類とを併用することで、有機液体が生成重合体粒子に対して溶解性をもたせない条件下で、有機液体のSP値を種々変化させて重合を行なうことにより、生成される粒子の大きさ、種粒子同士の合一及び新粒子の発生を抑制することが可能である。この場合の併用する有機液体としては、ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、四塩化炭素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタンなどのハロゲン化炭化水素類、エチルエーテル、ジメチルグリコール、シリオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、メチラール、ジエチルアセタールなどのアセタール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサンなどのケトン類、ギ酸ブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの酸類、ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの硫黄、窒素含有有機化合物類、その他水も含まれる。
また、重合開始時、重合途中、重合末期とそれぞれ混合溶媒の種類及び組成を変化させ、生成する重合体粒子の平均粒径、粒径分布、乾燥条件などを調整することができる。
種粒子製造時、または成長粒子の製造時に使用される高分子分散剤の適当な例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有するアクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、並びにメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類、または前記親水性モノマーとスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのベンゼン核を有するものまたはその誘導体、またはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体との共重合体、さらに、架橋性モノマー、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、メタクリル酸アリル、ジビニルベンゼンなどとの共重合体も使用可能である。
これらの高分子分散剤は、使用する親水性有機液体、目的とする重合体粒子の種、及び種粒子の製造か成長粒子の製造かにより適宜選択されるが、特に重合体粒子同士の合一を主に立体的に防ぐ意味で、重合体粒子表面への親和性、吸着性が高く、しかも親水性有機液体への親和性、溶解性の高いものが選ばれる。また、立体的に粒子同士の反撥を高めるために、分子鎖がある程度の長さのもの、好ましくは分子量が1万以上のものが選ばれる。しかしあまり分子量が高いと、液粘度の上昇が著しく、操作性、撹拌性が悪くなり、生成重合体の粒子表面への析出確率のばらつきを与えるため注意を要する。また、先に挙げた高分子分散剤の単量体を一部、目的とする重合体粒子を構成する単量体に共存させておくことも安定化には効果がある。
さらに、これら高分子分散剤とともにコバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅、錫、鉛、マグネシウムなどの金属またはその合金(特に粒径1[μm]以下のものが好ましい)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化珪素などの酸化物の無機化合物微粉体、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、燐酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えば、アラニン型「例えばドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン」などのアミノ酸型やベタイン型の両性界面活性剤を併用しても、生成重合体粒子の安定性及び粒径分布の改良をさらに高めることができる。
一般に、種粒子製造時の高分子分散剤の使用量は目的とする重合体粒子形成用の重合性単量体の種類によって異なるが、親水性有機液体に対し0.1[重量%]〜10[重量%]、好ましくは1〜5[重量%]である。高分子分散安定剤の濃度が低い場合には、生成する重合体粒子は比較的大粒径のものが得られ、濃度の高い場合には小粒径のものが得られるが、10[重量%]を越えて用いても小径化への効果は少ない。
また、前記のビニル単量体とは、親水性有機液体に溶解可能なものであり、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルエチレン、2.4×103−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレンなどのスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチル脂肪酸モノカルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸、もしくはメタクリル酸誘導体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類などからなる単独または相互の混合物及びこれらを50[重量%]以上含有し、これらと共重合し得る単量体との相互の混合物を意味する。
また、前記の重合体は、耐オフセット性を高めるために、重合性の二重結合を二個以上有するいわゆる架橋剤の存在下に重合させたものであっても良い。好ましく用いられる架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びそれらの誘導体である芳香族ジビニル化合物、その他エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、トリエチレングリコールメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリレート、tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどのジエチレン性カルボン酸エステル、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなど全てのジビニル化合物、及び三個以上のビニル基を持つ化合物が挙げられ、これらは単独または混合物などで用いられる。
このように架橋された種粒子を用いて成長重合反応を引き続いて行った場合には、成長する重合体粒子の内部が架橋されたものとなる。また一方で、成長反応に用いるビニル単量体溶液に上記の架橋剤を含有させた場合には、粒子表面が硬化された重合体が得られる。
また、平均分子量を調節する目的として、連鎖移動定数の大きな化合物を共存させて重合を行なわせるものに、例えば、メルカプト基をもつ低分子化合物や四塩化炭素、四臭化炭素が挙げられる。
また、前記単量体の重合開始剤としては、例えば2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2.4×103−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系重合開始剤、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオクトエートなどの過酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウムなどの過硫酸化物系重合開始剤、これにチオ硫酸ナトリウム、アミンなどを併用した系などが用いられる。重合開始剤濃度は、ビニル単量体100重量部に対して0.1〜10重量部が望ましい。
種粒子を得るための重合条件は、重合体粒子の目標平均粒径、目標粒径分布に合わせて、親水性有機液体中の高分子分散剤、ビニル単量体の濃度、及び配合比が決定される。一般に、粒子の平均粒径を小さくしようとするならば、高分子分散剤の濃度を高く、また平均粒径を大きくしようとするならば、高分子分散剤の濃度が低く設定される。一方、粒子径分布を非常に鋭くしようとするならば、ビニル単量体濃度を低く、また、比較的広い分布でもよい場合は、ビニル単量体濃度は高く設定される。
粒子の製造は親水性有機液体に、高分子分散安定剤を完全に溶解した後、一種または二種以上のビニル単量体、重合開始剤、その他必要ならば無機微粉末、界面活性剤、染料、顔料などを添加し、30〜300[rpm]の通常の撹拌にて、好ましくはなるべく低速で、しかもパドル型よりもタービン型の撹拌翼を用いて、槽内の流れが均一になるような速度で撹拌しながら、用いた重合開始剤の重合速度に対応した温度にて加熱し重合が行なわれる。なお、重合初期の温度が生成する粒子種に大きな影響を与えるため、単量体を添加した後に温度を重合温度まで上げ、重合開始剤を小量の溶媒に溶解して投入した方が望ましい。重合の際には窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性気体にて反応容器内の空気中の酸素を充分に追い出す必要がある。もし、酸素パージが不充分であると微粒子が発生し易い。重合を高重合率域で行なうには5〜40時間の重合時間が必要であるが、所望の粒子径、粒子径分布の状態で重合を停止させたり、また重合開始剤を順次添加したり、高圧下で反応を行なうことにより重合速度を速めることができる。
重合終了後は、そのまま染着工程に用いてもよいし、沈降分離、遠心分離、デカンテーションなどの操作により不必要な微粒子、残存モノマー、高分子分散安定剤などを除いた後に、重合体スラリーとして回収して染着を行なってもよいが、分散安定剤を除去しない方が染着の安定性は高く、不要な凝集が抑制される。
分散重合法における染着は次のようなものである。すなわち、樹脂粒子を溶解せしめない有機溶媒中に樹脂粒子を分散し、この前または後に前記溶媒中に染料を溶解させ、前記染料を樹脂粒子中に浸透させ着色せしめた後、前記有機溶媒を除去して染着トナーを製造する方法において、前記染料の前記有機溶媒に対する液解度(D1)及び前記樹脂粒子Aの樹脂に対する前記染料の溶解度(D2)の関係が、(D1)/(D2)≦0.5となる染料を選択使用する。これにより、樹脂粒子の深部まで染料が浸透(拡散)したトナーを効率よく製造することができる。この明細書における溶解度は25[°C]の温度で測定されたものと定義される。なお、染料の樹脂中への溶解度とは、染料の溶媒中への溶解度と全く同じ定義であり、樹脂中に染料が相溶状態で含有させることができる最大量を意味する。この溶解状態あるいは染料の析出状態の観察は顕微鏡を用いることにより容易に行なうことができる。樹脂に対する染料の溶解性を知るには、上記した直接観察による方法の代わりに間接的な観察方法によってもよい。この方法は樹脂と溶解度係数が近似する液体、すなわち樹脂をよく溶解する溶媒を用い、この溶媒に対する染料の溶解度を樹脂に対する溶解度として定めてもよい。
着色に使用する染料としては、前述のように使用する有機溶媒への該染料の溶解度(D1)より樹脂粒子を構成する樹脂への該染料の比(D1)/(D2)が0.5以下である必要がある。さらに(D1)/(D2)が0.2以下とすることが好ましい。染料としては、上記の溶解特性を満たせば特に制限はないが、カチオン染料、アニオン染料などの水溶性染料は環境変動が大きいおそれがあり、またトナーの電気抵抗が低くなり、転写率が低下するおそれがあるので、バット染料、分散染料、油溶性染料の使用が好ましく、特に油溶性染料が好ましい。また、所望の色調に応じて数種の染料が併用することもできる。染着される染料と樹脂粒子との比率(重量)は、着色度に応じて任意に選択されるが、通常は樹脂粒子1重量部に対して、染料1〜50重量部の割合で用いるのが好ましい。例えば、染着溶媒にSP値の高いメタノール、エタノールなどのアルコール類を使用し、樹脂粒子としてSP値が9程度のスチレン−アクリル系樹脂を使用した場合、使用し得る染料としては、例えば、以下のような染料が挙げられる。
C.I. SOLVENT YELLOW(6,9,17,31,35,1,102,103,105)
C.I. SOLVENT ORANGE(2,7,13,14,66)
C.I. SOLVENT RED(5,16,17,18,19,22,23,143,145,146,149,150,151,157,158)
C.I. SOLVENT VIOLET(31,32,33,37)
C.I. SOLVENT BLUE(22,63,78,83〜86,91,94,95,104)
C.I. SOLVENT GREEN(2.4×103,25)
C.I. SOLVENT BROWN(3,9)など。
市販染料では例えば保土谷化学工業社製の愛染SOT染料Yellow−1,3,4、Orange−1,2,3、Scarlet−1、Red−1,2,3、Brown−2、Blue−1,2、Violet−1、Green−1,2,3、Black−1,4,6,8やBASF社製のsudan染料、Yellow−140,150、Orange−220、Red−290,380,460、Blue−670や三菱化成社製のダイアレジン、Yellow−3G,F,H2G,HG,HC,HL、Orange−HS,G、Red−GG,S,HS,A,K,H5B、Violet−D、Blue−J,G,N,K,P,H3G,4G、Green−C、Brown−Aやオリエント化学社製のオイルカラー、Yellow−3G,GG−S,#105、Orange−PS,PR,#201、Scarlet−#308、Red−5B、Brown−GR,#416、Green−BG,#502、Blue−BOS,HN、Black−HBB,#803,EE,EX、住友化学工業社製のスミプラスト、ブルーGP,OR、レッドFB,3B、イエローFL7G,GC、日本化薬社製のカヤロン、ポリエステルブラックEX−SH3、カヤセットRed−BのブルーA−2Rなどを使用することができる。もちろん染料は樹脂粒子と染着時に使用する溶媒の組み合わせで適宜選択されるため、上記例に限られるものではない。
染料を樹脂粒子に染着させるために用いる染着用有機溶媒としては、使用する樹脂粒子が溶解しないもの、あるいは若干の膨潤をきたすもの、具体的には溶解性パラメーター(SP値)の差が1.0以上、好ましくは2.0以上のものが使用される。例えば、スチレン−アクリル系樹脂粒子に対しては、SP値が高いメタノール、エタノール、n−プロパノールなどのアルコール系、あるいはSP値が低いn−ヘキサン、n−ヘプタンなどを使用する。SP値の差があまりに大きすぎると、樹脂粒子に対する濡れが悪くなり、樹脂粒子の良好な分散が得られないため、最適なSP値の差は2〜5が好ましい。
染料を溶解した有機溶媒中に樹脂粒子を分散させた後、液温度を樹脂粒子のガラス転移温度以下に保ち、撹拌することが好ましい。これにより、樹脂粒子の凝集を防ぎながら染着することが可能となる。撹拌の方法は市販されている撹拌機、例えばホモミキサー、マグネチックスタラーなどを用いて撹拌すればよい。また、分散重合などで重合終了時得られるスラリー、つまり有機溶媒中に重合樹脂粒子が分散している状態の分散液に、染料を直接添加して前記の条件にて加熱撹拌してもよい。加熱温度がガラス転移温度超過の場合は樹脂粒子同士の融着が生じてしまう。染着後のスラリーを乾燥する方法としては、特に限定はされないが、濾過した後に減圧乾燥あるいは濾別しないで直接減圧乾燥すればよい。濾別した後に風乾または減圧乾燥して得られた着色粒子は、凝集は殆どなく、投入した樹脂粒子の粒度分布を殆ど損なわないで再現する。
(溶解懸濁法)
次に、溶解懸濁法により球状トナー粒子を製造する方法について述べる。溶解懸濁法は樹脂を溶媒に溶解して油相を作成し、水系媒体から成る水相中で乳化した後に、乳化分散体中の溶媒を除去して樹脂粒子を得る方法である。
水系媒体として、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
用いる樹脂としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
油相作成に使用可能な溶剤としては、沸点が100[°C]未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。トナー組成物100部に対する溶剤の使用量は、通常10〜900部である。
油相作成は、他のトナー組成物である着色剤(又は着色剤マスターバッチ)、離型剤、荷電制御剤を、水系媒体中で分散体を形成させる際に同時に添加して、混合してもよいが、あらかじめ油相中に混合する方がより好ましい。
また、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。例えば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
油相と水相の分散には通常の攪拌による混合機が全て使用可能だが、より好ましくは高速回転体とステータを有すホモジナイザー、高圧ホモジナイザーの他ボールミル、ビーズミル、サンドミルといったメディアを用いた分散機などが用いられる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20[μm]にするために高速せん断式が好ましい。回転羽根を有する乳化機としては、特に限定されるものではなく、乳化機、分散機として一般に市販されているものであれば使用することができる。例えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(特殊機化工業(株)製)、エバラマイルダー(荏原製作所(株)製)、TKパイプラインホモミクサー、TKホモミックラインフロー(特殊機化工業(株)製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機(株)製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工(株)製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製) 、フィルミックス(特殊機化工業(株)製)等のバッチまたは連続両用乳化機等が挙げられる。
高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常100〜3000[rpm]、好ましくは500〜2000[rpm]である。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150[°C](加圧下)、好ましくは10〜98[°C]である。高温の条件の法が分散体の粘度が適度に低くなり、分散が容易な点で好ましい。
溶解懸濁法では、分散した油相を安定化させる目的で、あらかじめ水系媒体に固体微粒子を分散する方法が用いられる。
さらに固体微粒子分散剤の液滴への吸着性を調整するためにその他の分散剤を併用することができる。その他の分散剤はトナー組成物を乳化する前や乳化後揮発成分を除去する時などに添加できる。
[固体微粒子分散剤]
固体微粒子分散剤は水系媒体中で水に難溶の固体状で存在するものであり、平均粒径が0.01〜1.00[μm]の微粒子のものが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。さらに好ましくはリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、コロイド状酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いる事が出来る。特に水中でリン酸ナトリウムと塩化カルシウムを塩基性下反応させて合成したヒドロキシアパタイトが好ましい。
有機物の固体微粒子分散剤としては低分子有機化合物の微結晶や高分子系微粒子例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
なお、固体微粒子分散剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、カルボキシル基を有す(メタ)アクリル酸と共重合された高分子微粒子などのアルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸や水酸化ナトリウム等の酸 塩基により、固体微粒子分散剤を溶解した後、水洗するなどの方法によって、形状が調整されたトナー粒子から固体微粒子分散剤を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
[その他、乳化時併用もしくは後で加える分散剤]
アルキルベンゼンスルホン酸塩、αーオレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性荊、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやNーアルキルーN,Nージメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及ぴその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3一[オメガーフルオロアルキル(C6〜C11)オキシ〕ー1ーアルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3ー[オメガーフルオロアルカノイル(C6〜C8)一Nーエチルアミノ]ー1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及ぴ金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及ぴその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、NープロピルーN一(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)ーNーエチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる,
商品名としては、サーフロンSー111、S−112、Sー113(旭硝子社製)、フロラードFCー93、FCー95、FCー98、FCーl29(住友3M社製)、ユニダインDS一101、DSーl02、(タイキン工莱社製)、メガファックFーll0、Fーl20、F一113、Fー191、Fー812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF一102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6一C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンSーl21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDSー202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−82.4×103(大日本インキ社製)、エクトップEFーl32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF一300(ネオス社製)などが挙げられる。
高分子系保護コロイドにより分散液滴の安定化を調節しても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、αーシアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β一ヒドロキシエチル、メタクリル酸β一ヒドロキシエチル、アクリル酸βーヒドロキシプロビル、メタクリル酸β一ヒドロキシプロピル、アクリル酸γーヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ一ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3ークロロー2一ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、Nーメチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ一テル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ピニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。 分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
溶解懸濁法では、通常乳化した油滴の表面に固体微粒子が付着し液滴を球状で安定化するが、揮発成分が除去されていく過程で、液滴の体積は減少していくが固体微粒子はそのまま付着して残り、液滴の表面積の減少は遅く、体積の減少に追いつかずに球体を維持できずに不定形化する事がある。
溶解懸濁法において、円形度の高い球形のトナーを得るには、トナー揮発成分を除去する際に固体微粒子の界面での吸着力を弱め、液滴からの脱離を促進し、球体を維持しながら粒子化する必要がある。例えば界面活性剤や高分子保護コロイドを添加し、交換吸着させたり、水系媒体中のpHを調節することによって液滴表面と固体微粒子の荷電を変化させたりすることによって固体微粒子の界面での吸着力を弱める事ができる。
(粉砕トナーの球形化処理)
粉砕・分級法によるトナーはそのままでは不定形で、粉砕処理に用いる粉砕方法にもよるが、円形度は0.930〜0.950であり、円形度0.960〜0.998となることはないが、機械的な球形化処理や、加熱処理により、円形度を高める事が可能であり、本発明の円形度0.960〜0.998のトナーを得る事ができる。
[機械的処理]
例えば、特開平09−085741号公報記載のターボミル(ターボ工業製)を用いた方法や、クリプトロン(川崎重工製)、Q型ミキサー(三井鉱山製)、ハイブリダイザー(奈良機械製)、メカノフィュージョン装置(ホソカワミクロン製等)で連続処理することにより、粉砕トナーの形状を球形化する事が可能である。
[加熱処理(乾式)]
例えば、サーフュージョンシステム(日本ニューマチック工業)を用いて、100〜300[°C]の熱風でトナー粒子表面を半溶融させる事により、粉砕トナーの形状を球形化する事が可能である。
[加熱処理(湿式)]
粉砕法によって得られたトナーをトナーが可塑性を持つような温度(200度程度)の高温液体中に浸漬することによって、粉砕トナーの形状を球形化する事が可能である。
(荷電制御剤)
トナーには、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンPー51、含金属アゾ染料のボントロンSー34、オキシナフトエ酸系金属錯体のEー82、サリチル酸系金属錯体のEー84、フェノール系縮合物のEー89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTPー302、TP一415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRAー901、ホウ素錯体であるLRー147(日本カ一リット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子化合物があげられる。
水系媒体中でトナー粒子を製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染観点から、水に溶解しにくい荷電制御剤が好ましい。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤、離型剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練する事もできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
(着色剤)
着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレトVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。使用量は一般にバインダー樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
(離型剤)
ワックスとしては、例えば固形のパラフィンワックス、マイクロワツクス、ライスワツクス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、脂肪族族モノケトン類、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル系ワックス、シリコーンワニス、高級アルコール、カルナウバワツクスなどを挙げることができる。また低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなども用いることができる。前記ワックスは、その融点が40〜120[°C]のものであり、特に50〜110[°C]のものであることが好ましい。ワックスの融点が過大のときには低温での定着性が不足する場合があり、一方融点が過小のときには耐オフセツト性、耐久性が低下する場合があるなお、ワックスの融点は、示差走査熱量測定法(DSC)によって求めることができる。すなわち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば(10[°C/min])で加熟したときの融解ピーク値を融点とする。
(外添剤の混合)
トナーの流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造されたトナーにさらに疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。
外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中または漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。
使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
(外添剤としての無機微粒子)
トナーの流動性や現像性、転写性、クリーニング性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子を用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、0.01〜2[μm]であることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500[m/g]であることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.1〜15[重量%]であることが好ましく、特に0.5〜10[重量%]であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などをあげることができる。
(二成分現像剤用キャリア)
二成分系現像剤を用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200[μm]程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1[μm]以下のものが好ましい。平均粒子径が1[μm]よりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
なお、キャリアと混合しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーを用てもよい。
(トナー円形度測定方法)
トナーは特定の形状を有すことが好ましい。平均円形度が0.95未満で、球形からあまりに離れた不定形の形状では、同じ付着量でもトナー層厚が厚くなり、空隙率が大きくなる。従って、熱伝導率が小さくなり、トナー層内の温度差が大きくなるので好適ではない。
形状の計測方法としては、粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度が0.95以上のトナーが適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに有効である事が判明したより好ましくは、平均円形度が0.960から0.998である。この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−200(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜0.5[ml]加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を300〜10000[個/μl]として前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
(トナー粒径測定方法)
トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターマルチサイザー3(コールター社製)を用い、パーソナルコンピューター(IBM社製)を接続し専用解析ソフト(コールター社製)を用いてデータ解析した。Kd値は10[μm]の標準粒子を用いて設定し、アパーチャカレントはオートマティックの設定で行なった。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1[%]NaCl水溶液を調製する。その他に、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5[ml]加え、更に測定試料を2〜20[mg]加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、100[μm]アパーチャーチューブを用いて、2[μm]以上のトナー5万カウント測定して重量平均粒径を求めた。
〔変形例1〕
次に、上記実施形態のカラープリンタに搭載された定着装置とは別の変形例について説明する。
図12は本変形例に係る定着装置60の概略構成図である。プリンタ本体の構成は上記実施形態と同様であるが、定着方式が異なっている。すなわち、上記実施形態においてはローラ定着方式を採用しているが、本変形例1においてはベルト定着方式を採用している。
図12に示すように、バックアップローラ63と加熱ローラ64とにトナーを定着させる記録媒体を搬送するための無端上の定着ベルト61が巻きかけられた構成となっている。バックアップローラ63と加圧ローラ62は、定着ベルトを介して互いに圧接しており、定着ニップを形成している。また、定着ベルト61の温度管理のためにサーミスタ65、定着される記録媒体を定着ニップに向けて案内する不図示のガイド等が設けられている。さらに、定着ニップよりも定着ベルトの回転方向下流側で、定着ベルト表面と非接触にて対向して記録媒体を定着ベルト61から剥離するための剥離版68が設置されている。
なお、本変形例では定着ベルト61はが加熱ローラ64とバックアップローラ63とからなる一対のローラに張架されているが、それら以外のローラを用いて3つ以上のローラで張架してもよい。
定着ベルト61の基体には、耐熱性樹脂や、金属から形成されたエンドレスのベルト状基体を用いる。耐熱性樹脂の材質としては、ポリイミド、ポリアミドイド、ポリエーテルケトン(PEEK)等を使用し、金属ベルトの材質としては、ニッケル、アルミニウム、鉄等を使用する。厚さは100[μm]以下の薄肉のものが望ましい。定着ベルト61表面は、記録紙およびトナー像と加圧接触するので離型性が必要であり、さらに耐熱性、耐久性に優れたものが好ましい。そのため、定着ベルト61表層は導電性の耐熱離型層(フッ素系樹脂等)が被覆された構成になっている。フッ素樹脂は、吹きつけ等により基体表面に塗装し、加熱融着させることにより表面離型層を形成する。また定着ベルト61の別の構成として、ポリイミド等の耐熱性樹脂の基体にシリコ−ンゴム等の弾性体層を設け、さらにその弾性体層の上に導電性のフッ素樹脂(PFAチューブ等)の離型層を設けても良い。弾性層のシリコ−ンゴム層は、ゴム硬度25〜65度(JIS A硬度計)、厚さが100〜300[μm]の範囲が良好な定着性、及び熱応答性を得る条件として望ましい。
加熱ローラ64は、外径φ20〜φ30[mm]の鉄、またはアルミニウム製で、肉厚が0.3〜1.0[mm]の薄肉金属ローラであり、内部にハロゲンヒータ66備えている。不図示の温度制御素子で一定温度になるよう制御され、定着ベルト61を必要な温度に加熱する役割を果たしている。また、加熱ローラ64はテンションローラの役割も兼ねており、引張スプリング69により定着ベルト61を図中矢印の方向に張架している。
バックアップローラ63は外径φ50[mm]で、鉄製芯金の外周に定着ニップ巾を得るために耐熱弾性体、例えば発泡シリコーンゴムや液状シリコーンゴムで構成された弾性層を備えている。弾性層の厚さは3.0〜6.0[mm]程度で、バックアップローラ63の表面硬度はAsker C 30〜70[Hs]程度である。
加圧ローラ62は、鉄、またはアルミニウムの芯金外周にフッ素系ゴム、シリコーンゴム等の耐熱弾性層と、フッ素系樹脂からなる表面離型層を形成している。加圧ローラ62の弾性層の厚さは0.5〜2.0[mm]程度であり、その表面硬度はAsker C 70〜90[Hs]である。加圧ローラ62には、バックアップローラ63からの加熱を補助するために加熱手段を設けてもよい。例えば、加圧ローラ62の内部にハロゲンヒータを設けることができる。加圧ローラ62、及びバックアップローラ63は不図示の駆動手段により駆動される。また、不図示の手段により加圧ローラの端部を荷重する。そして、例えば、定着ニップ幅8.0[mm]、記録速度400[mm/s]とし、定着時間を0.02[s]などに設定する。
剥離部材14は、厚さが0.2[mm]のSUS板とし、基材の表面には厚さが20[μm]のフッ素系樹脂層を被覆した。
サーミスタ65は、定着ニップよりベルト回転方向上流側でバックアップローラ63に対向して定着ベルト61表面と接触している。このサーミスタ65は、ベルト表層の温度を検知し、不図示の制御部により定着温度を所望の温度となるように制御している。加熱ローラに対向する位置よりも定着ニップに近い位置のほうが目標温度である定着温度を制御しやすいという効果がある。本実施例では接触型の温度検知素子であるサーミスタを使用したが、ベルト表層の接触によるキズの防止として非接触型の温度検知素子を用いても良い。
本変形例1のベルト定着方式においても、上記実施形態と同様に定着条件を設定したところ、ホットオフセットを防止しつつ、定着時間を短縮化させて省エネルギー化を達成することが出来た。また、高速記録を行うことができた。
〔変形例2〕
次に、上記実施形態のプリンタに搭載された定着装置とは別の変形例について説明する。
図12は本変形例2に係る定着装置70の概略構成図である。プリンタ本体の構成は上記実施形態と同様であるが、加熱方式が異なっている。
定着ローラ71及び加圧ローラ72は金属芯金上に断熱材として中空糸等の素材を用いて断熱層80を構成し、最表層に離型層81としてPFAチューブ20[μm]を被覆した。定着ローラ71より定着ニップ上流側には加熱手段としてハロゲンヒータ76が設置され、輻射熱が定着ローラ側に反射するように反射板79で覆っている。このように構成することで定着ローラ71は定着ニップ直前で集中して加熱され、断熱層80の効果で半径方向、円周方向は熱伝導率を低くしているので、熱の逃げを最小限に抑えて立ち上がり時間を速くすることができる。
断熱層80と離型層81の間に弾性層としてシリコーンゴム等の層を用いてローラの硬度等を調整することも可能である。
中空糸としてはポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾビスオキサゾール、ポリフェニレンサルファイド、ガラス、セラミックス、金属など中空構造により断熱効果を高くするという点では材料を限定するものではないが、本実施形態では耐熱性、材料自体の熱伝導率、強度を考慮してポリイミド中空糸を採用している。ポリイミド中空糸は図3に示すような構造で外径φ230[μm]、内径φ150[μm]であり、この中空糸を密に巻き付けることで中空糸内部の空隙と中空糸間の空隙を合わせて48[%]の空隙率を達成している。
上述した実施例と同様に加熱時間0.02[s]となるよう定着ニップ幅、記録速度としている。
本変形例2のベルト定着方式においても、上記実施形態と同様に定着条件を設定したところ、ホットオフセットを防止しつつ、定着時間を短縮化させて省エネルギー化を達成することが出来た。また、高速記録を行うことができた。
なお、上記実施形態に使用したカラープリンタは、本発明が適用できる装置の一例であり、この装置に限定されるものではない。また、各装置や部材の設定条件も、本実施形態のものに限定されるものではない。また、上記実施形態では、加熱手段としてハロゲンヒータを用いたが、これに限定するものではなく、電磁誘導方式やフラッシュ定着方式、抵抗発熱体を用いた方式等を用いても何ら問題ない。
本実施形態によれば、以下の(1)から(3)の条件を満たしている。よって、ホットオフセットを防止しつつ、定着時間を短縮化して省エネルギー化を達成できる。また、高速記録が可能となる。
(1)2.4×10d/(TC×t)<T0(ここで、dはトナー層厚[単位:m]、TCはトナーの熱伝導率[単位:W/mK]、t[単位:s]は定着時間である)
(2)トナー層の最表層温度が、定着時間を1[s]に設定したときの定着第一部材のホットオフセットが発生する最小温度TOFFが発生する温度以下
(3)トナー層と上記記録媒体の界面と接するトナー層の最下層温度が、定着時間を1[s]に設定したときの定着第一部材の定着下限温度TMIN以上
また、本実施形態によれば、定着時間を0.02[s]以下となるように設定している。したがって、記録媒体への熱エネルギーの伝達を抑制し、省エネルギー化を達成できる。
また、本実施形態によれば、トナー層厚をモノクロ画像に比して厚くせざるを得ないカラー画像についても適用可能な定着装置を提示している。よって、カラー画像においても、ホットオフセットを防止しつつ、定着時間を短縮化して省エネルギー化を達成できる。また、高速記録が可能となる。
また、本実施形態によれば、トナー層厚を15[μm]以下となるように設定している。従って、トナー層内の温度勾配を小さくすることができ、ホットオフセットを防止しつつ、省エネルギー化、高速記録化が可能となる。
また、本実施形態によれば、加熱ローラ51に弾性層を備えている。よって、光沢ムラのない画像を得ることができる。
また、本実施形態によれば、定着ニップの単位面積あたりの平均荷重を290[kPa]としている。従って、定着時にトナー層厚が薄層化しやすくなり、かつトナー層内の空隙を小さくすることができ、熱伝導率が向上する。従って、トナー層内の温度差が小さくなり、定着下限温度の低温化が可能となる。従って、オフセットが発生する最小温度TOFFまでの温度幅に余裕をもたせることができる。また、立ち上がり時間の短縮を図り、省エネルギー化を達成できる。
また、本実施形態によれば、トナー粒径を5[μm]以下としている。従って、トナー層を薄層化しても画像均一性を保つことができる。また、ドット抜けに対して視覚的に鈍感になる。さらに、粒子が小さいため繊維間の間に入り込みやすくなる。
また、本実施形態によれば、トナーの円軽度を0.96以上としている。従って、トナー層の薄層化のパッキング率が上昇する。また、球形度が大きいと空隙率が小さくなり熱伝導率が上がるのでトナー層内の温度差を小さくすることができ、定着時間の短縮化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、トナーの粒径分布を2極化以上にしている。よって、トナー層のパッキング率が上昇する。その結果空隙率が小さくなり熱伝導率を向上させることができ、定着時間の短縮化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、トナーとして結晶性ポリエステルを含有するポリマーを含んでいる。これによって、定着部材温度の低温化を図ることができる。これにより、オフセットが発生する最小温度TOFFと定着下限温度TMINとの温度幅に余裕を持たせることができる。
また、本実施形態によれば、重合トナーを用いている。よって、粉砕トナーに比して円形度に優れているトナーを容易に得ることができる。また、製造コストが安いというメリットもある。
また、本実施形態によれば、加熱ローラ51の設定温度を230[°C]以下となるように設定している。このため、加熱ローラ等の定着部材の熱による劣化を防止することができる。
本実施形態に係る定着装置の概略構成図 定着時間と定着下限温度の関係を示した図。 定着時間と用紙1枚あたりの消費電力との関係を示した図。 トナー層と記録紙の厚み方向の温度分布を示す図。 定着時間とホットオフセットが発生する最小温度との関係を示した図。 定着時間と熱抵抗との関係を示す図。 トナー層の温度差と熱抵抗との関係を示す図。 熱抵抗を定着時間で除した値とトナー層の温度差との関係を示す図。 トナー層厚とトナー層の温度差との関係を示す図。 定着ニップの単位面積あたりの平均荷重と定着下限温度との関係を示す図。 本実施形態に係るカラー複写機の概略構成図。 変形例1に係る定着装置の概略構成図。 変形例2に係る定着装置の概略構成図。 熱抵抗を定着時間で除した値とトナー層の温度差との関係を示す図。
符号の説明
50、60、70 定着装置
51 加熱ローラ
52、62、72 加圧ローラ
61 定着ベルト
71 定着ローラ
200 感光体
203 帯電装置
230 現像装置
260 転写装置

Claims (14)

  1. 未定着トナー層が担持されている記録媒体面と対向する第一定着部材と、該第一定着部材に圧接して定着ニップを形成する第二定着部材と、該第一定着部材側から該トナー層に熱を加える手段とを備え、該定着ニップに挿通された記録媒体を加熱及び加圧して、該記録媒体上の該未定着トナー層を定着する定着装置において、
    該定着ニップの幅[m]を該定着ニップにおいて該記録媒体を搬送する速度[m/s]で除して得られる定着時間[s]を1[s]に設定したときの該定着ニップ出口におけるホットオフセットが発生する該第一定着部材表面の最小温度TOFFと、定着性を満足する該第一定着部材表面の定着下限温度TMINとの温度差(TOFF−TMIN)をTとしたときに、以下の条件を満足することを特徴とする定着装置。
    (1)2.4×10×d/(TC×t)<T(ここで、dは該未定着トナー層厚[単位:m]、TCはトナーの熱伝導率[単位:W/mK]、tは該定着時間[単位:s]である)
    (2)トナー層の最表層温度Ttopが、該定着時間を1[s]に設定したときの該定着第一部材表面のホットオフセットが発生する最小温度TOFF未満
    (3)該記録媒体と接するトナー最下層温度Tbotが、該定着時間を1[s]に設定したときの該定着第一部材表面の定着下限温度TMIN以上
  2. 請求項1の定着装置において、
    上記定着時間を0.02[s]以下とすることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1又は2の定着装置において、
    上記記録媒体上に複数色のトナーを重ね合わせた後に、上記定着ニップに該記録媒体を搬送することを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1、2、又は3の定着装置において、
    上記定着ニップにより定着される前の最大濃度におけるトナー層厚の平均値が15[μm]以下であることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1、2、3、又は4の定着装置において、
    上記第一定着部材が弾性層を備えていることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1、2、3、4、又は5の定着装置において、
    上記定着ニップの単位面積あたりの平均荷重を290[kPa]以上とすることを特徴とする定着装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5、又は6の定着装置において、
    上記トナーの平均粒径が5[μm]以下のものを用いることを特徴とする定着装置。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6、又は7の定着装置において、
    上記トナーの円形度が、0.96以上であることを特徴とする定着装置。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7、又は8の定着装置において、
    上記トナーの粒径分布を2極化以上としたことを特徴とする定着装置。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、又は9の定着装置において、
    上記トナーは、結晶性ポリエステルを含有していることを特徴とする定着装置。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の定着装置において、
    上記トナーとして重合トナーを用いることを特徴とする定着装置。
  12. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11の定着装置において、
    上記第一定着部材表面の制御温度を230[°C]以下とすることを特徴とする定着装置。
  13. 記録媒体に担持された未定着のトナー像を、該記録媒体に定着する定着装置を用いる定着方法において、
    上記定着装置として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12の定着装置を用いることを特徴とする定着方法。
  14. 潜像を担持するための像担持体と、該像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、帯電した像担持体表面に潜像を形成するための潜像形成手段と、該潜像をトナーで現像して画像を形成するための現像手段と、該画像を記録媒体上に転写するための転写手段と、該記録媒体上に転写された未定着トナーを定着して定着画像を形成するための定着装置とを有する画像形成装置において、
    上記定着装置として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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