JPH11282307A - 定着装置及びこれを有する画像形成装置 - Google Patents

定着装置及びこれを有する画像形成装置

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JPH11282307A
JPH11282307A JP10081917A JP8191798A JPH11282307A JP H11282307 A JPH11282307 A JP H11282307A JP 10081917 A JP10081917 A JP 10081917A JP 8191798 A JP8191798 A JP 8191798A JP H11282307 A JPH11282307 A JP H11282307A
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fixing
temperature
sheet
fixing device
belt
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JP10081917A
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English (en)
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Shigeo Kurotaka
重夫 黒高
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】いかなるシート状媒体に対しても良好に定着を
行うことができるベルト定着装置及びこの定着装置を備
えた画像形成装置の提供。 【解決手段】シート状媒体を搬送する無端状の定着ベル
ト2を張架される加熱ローラ3及び定着ローラ4と、定
着ベルト2を介して定着ローラ4に対向して配置される
加圧ローラ5と、加熱ローラ3、加圧ローラ5の内部に
備えられたヒータ6、7と、定着ベルト2の温度を検知
する温度検知手段8とを具備し、普通紙モードと特殊シ
ートモードとを有し、定着ベルト2の温度を通常設定温
度又は高温設定温度とするべく定着ベルト2を駆動する
定着装置1及びこの定着装置1を備えた画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定着装置、特にい
わゆるベルト定着装置であって普通紙のみならず特殊シ
ートについても定着を行う定着装置及びこの定着装置を
有する複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機、ファクシミリ、プリンタ、印刷
機等の画像形成装置には一般に、被定着画像としてのト
ナー像を形成されたシート状媒体に、トナー像を定着す
るための定着装置を有している。
【0003】定着装置としては、内部に熱源を有し回転
駆動される加熱ローラと、この加熱ローラに圧接され加
熱ローラに従動回転する加圧ローラとを有し、両ローラ
によって形成されるニップ部に、用紙を両ローラの回転
により通過させ、加熱加圧してトナー像を定着する熱ロ
ーラ対タイプの定着装置や、トナーを定着されるシート
状媒体を搬送するための無端状の定着ベルト、定着ベル
トを張架され定着ベルトを駆動するための加熱ローラ及
び定着ローラ、定着ベルトを介して定着ローラに対向し
て配置される加圧ローラ等を構成要素とするタイプのい
わゆるベルト定着装置が知られている。
【0004】シート状媒体には、一般にコピー等に用い
られる普通紙としての用紙と、OHPシート、厚紙、封
筒等の、用紙よりも熱容量が大きないわゆる特殊シート
とがあり、これら何れのシート状媒体をも定着可能とす
るための定着装置が、実開昭64−4457号公報、特
開平4−136970号公報、特開平4−294376
号公報によって提案されている。
【0005】実開昭64−4457号公報に記載の定着
装置は、定着設定温度もしくは加熱、加圧ローラ間の圧
力を、定着を行うシート状媒体が厚紙であるか否かに応
じて切り換えることができるものであり、特開平4−1
36970号公報に記載の定着装置は、加熱、加圧ロー
ラ間のニップ幅や定着温度を、定着を行うシート状媒体
に応じて切り換えることができるものであり、特開平4
−294376号公報に記載の定着装置は、定着を行う
シート状媒体がOHPシートであってカラー画像の形成
を行う場合には、再定着を行うとともに再定着時のシー
ト状媒体の搬送速度を遅くするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記何れの公
報に記載された構成も熱ローラ対タイプの定着装置に関
するものであって、ベルト定着装置に関して上記何れの
シート状媒体をも定着可能なものは知られていない。ま
たベルト定着装置は、一旦上昇した定着ベルトの温度
が、その回転によりローラに熱を奪われ、低下してしま
うために定着が不安定になるという性質があるため、こ
れを回避しつつどのようなシート状媒体をも定着可能な
構成を提案する必要がある。
【0007】本発明は、いかなるシート状媒体に対して
も良好に定着を行うことができるベルト定着装置及びこ
の定着装置を有する画像形成装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、トナーを定着されるシート
状媒体を搬送するための無端状の定着ベルトと、上記定
着ベルトを張架されこの定着ベルトを駆動するための加
熱ローラ及び定着ローラと、上記定着ベルトを介して上
記定着ローラに対向して配置される加圧ローラと、上記
加熱ローラ、上記加圧ローラのうち少なくとも上記加熱
ローラの内部に備えられたヒータと、上記定着ベルトの
温度を検知する温度検知手段とを具備した定着装置にお
いて、上記シート状媒体が普通紙である場合に定着を行
う普通紙モードと、上記シート状媒体が特殊シートであ
る場合に定着を行う特殊シートモードとを有し、上記特
殊シートモードにおいて定着を行うための高温設定温度
を、上記普通紙モードにおいて定着を行うための通常設
定温度よりも高く設定し、上記定着ベルトの温度を上記
通常設定温度又は上記高温設定温度とするべく上記定着
ベルトを駆動することを特徴とする定着装置。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の定
着装置において、上記特殊シートモードを選択した際に
は、上記温度検知手段が、上記定着ベルトの温度が上記
高温設定温度になったことを検知してから上記定着ベル
トの駆動を開始することを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1記載の定
着装置において、上記高温設定温度が、定着に適した第
1の温度と、この第1の温度より高温の第2の温度とを
有し、上記特殊シートモードを選択した際には、上記温
度検知手段が、上記定着ベルトの温度が上記第2の温度
になったことを検知してから上記定着ベルトの駆動を開
始し、上記温度検知手段が、上記定着ベルトの温度が上
記第1の温度になったことを検知してから定着を行うこ
とを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項3記載の定
着装置において、上記第2の温度は、上記定着ベルトの
温度が上記定着ベルトの駆動により上記第1の温度とな
ったことが上記温度検知手段によって検知されたとき
に、上記定着ベルトと上記各ローラとの温度が定着可能
な温度となるように決定された温度であることを特徴と
する。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項3又は4記
載の定着装置において、上記加熱ローラの温度は、上記
特殊シートモードを選択した後上記温度検知手段が上記
第2の温度を検知するまでは第2の温度となるようにな
され、上記温度検知手段が上記第2の温度を検知した後
は上記第1の温度となるようになされることを特徴とす
る。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項3ないし5
に記載の定着装置において、上記第1の温度は、上記通
常設定温度より、約10ないし30°Cの範囲で高温に
設定されていることを特徴とする。
【0014】請求項7記載の発明は、請求項1ないし6
の何れか1つに記載の定着装置において、上記特殊シー
トモードにおける上記定着ベルトによる上記シート状媒
体の搬送速度を、上記普通紙モードにおける同搬送速度
以下としたことを特徴とする。
【0015】請求項8記載の発明は、請求項7記載の定
着装置において、上記定着ベルトによる上記シート状媒
体の搬送速度を、上記普通紙モードにおける同搬送速度
の1/2以上1/1以下としたことを特徴とする。
【0016】請求項9記載の発明は、請求項1ないし8
の何れか1つに記載の定着装置において、上記温度検知
手段を、上記定着ベルトの駆動方向において、上記定着
ベルトを介して上記加熱ローラに対向する位置から上記
シート状媒体にトナーを定着する定着領域に至る前の位
置までの何れかの位置に配置したことを特徴とする。
【0017】請求項10記載の発明は、請求項1ないし
9の何れか1つに記載の定着装置において、上記温度検
知手段を、上記定着ベルトを介して上記加熱ローラに対
向配置したことを特徴とする。
【0018】請求項11記載の発明は、請求項1ないし
10の何れか1つに記載の定着装置において、上記シー
ト状媒体にトナーを定着する定着領域を、上記加圧ロー
ラが上記定着ローラに対向しない部位で上記定着ベルト
のみに当接する第1の定着部と、上記加圧ローラが上記
定着ベルトを介して上記定着ローラに当接する第2の定
着部とで上記シート状媒体にトナーを定着することを特
徴とする。
【0019】請求項12記載の発明は、請求項1ないし
11の何れか1つに記載の定着装置において、上記特殊
シートモードから上記普通紙モードに切り換えた際に、
上記定着ベルトの駆動を行うことを特徴とする。
【0020】請求項13記載の発明は、請求項1ないし
12の何れか1つに記載の定着装置において、上記特殊
シートモードは、上記シート状媒体がOHPシート又は
厚紙又は封筒の特殊シートである際に選択されるモード
であることを特徴とする。
【0021】請求項14記載の発明は、請求項1ないし
13の何れか1つに記載の定着装置を有する画像形成装
置である。
【0022】
【実施例】図1に本発明を適用した定着装置及びこの定
着装置を有する画像形成装置の概略を示す。画像形成装
置は複写機、ファクシミリ、プリンタ等周知のものであ
り、本発明を適用した定着装置を用いることができるタ
イプの画像形成装置であれば度のようなものでも良い。
本実施例の画像形成装置はカラー画像を形成するもので
あるが、単色の画像を形成するものであっても良い。
【0023】画像形成装置20は、原稿画像に応じて各
色ごとの画像を形成する作像装置21C、21Y、21
M、21BKと、各作像装置21C、21Y、21M、
21BKに対向して配置された転写装置22と、各作像
装置21C、21Y、21M、21BKと転写装置22
とが対向する転写領域に各種シート状媒体を供給するシ
ート状媒体供給手段としての手差しトレイ23、給紙カ
セット24、24と、手差しトレイ23、給紙カセット
24、24から搬送されてきたシート状媒体を作像装置
21C、21Y、21M、21BKによる作像のタイミ
ングにあわせて供給するレジストローラ30と、転写領
域において転写後のシート状媒体の定着を行う定着装置
1とを有している。
【0024】画像形成装置20は、一般にコピー等に用
いられる普通紙(以下単に普通紙という)と、OHPシ
ートや、カード、ハガキといった90K紙、坪量約10
0g/m2相当以上の厚紙や、封筒等の、用紙よりも熱
容量が大きないわゆる特殊シート(以下単に特殊シート
という)との何れをもシート状媒体として用いることが
可能である。
【0025】各作像装置21C、21Y、21M、21
BKはそれぞれシアン、イエロー、マゼンタ、ブラック
の各色の現像を行うものであり、用いるトナーの色が異
なるが、その構成はほぼ同様であるから、作像装置21
Cの構成を各作像像装置21C、21Y、21M、21
BKの代表として説明する。作像装置21Cは、静電潜
像担持体としての感光体ドラム25C、感光体ドラム2
5Cの回転方向Aにおいて順に配置されている帯電装置
27C、現像装置26C、クリーニング装置28C等を
有し、帯電装置27Cと現像装置26Cとの間で露光光
29Cを受ける周知の構成である。静電潜像担持体はド
ラム状でなく、ベルト状としても良い。
【0026】定着装置1は、トナーを定着されるシート
状媒体を搬送するための無端状の定着ベルト2と、定着
ベルト2を張架され定着ベルト2を駆動する加熱ローラ
3及び定着ローラ4と、定着ベルト2を介して定着ロー
ラ4に対向して配置される加圧ローラ5と、加熱ローラ
3、加圧ローラ5の内部に備えられたヒータ6、7と、
定着ベルト2を介して加熱ローラ3に対向して配置され
定着ベルト2の温度を検知する温度検知手段としてのサ
ーミスタ8とを有している。
【0027】定着ベルト2に適当な所定の張力を与える
ため、加熱ローラ3は、バネなどの図示しない弾性体に
より、矢印aで示す、加熱ローラ3を定着ローラ4から
離間させる向きに付勢されている。定着ローラ4は、芯
金9と、この芯金9を被覆する耐熱多孔質の弾性体層1
0とを有し、芯金9が、その端軸11により、図示しな
い駆動手段により回転駆動されることで、定着ローラ4
が回転駆動され、加熱ローラ3の従動回転により定着ベ
ルト2が駆動される。
【0028】加圧ローラ5は、バネなどの図示しない弾
性体により、矢印bで示すごとく定着ローラ4に圧接す
る向きに付勢されている。加圧ローラ5は、定着ローラ
4の軸心を頂点とし定着ローラ4の軸心と加熱ローラ3
の軸心、加熱ローラ3の軸心と加圧ローラ5の軸心をそ
れぞれ結ぶ2本の直線によって挟まれる角が鋭角をなす
ように定着ローラ4に当接されており、これにより、シ
ート状媒体にトナーを定着する定着領域としての、加圧
ローラ5が定着ローラ4に対向しない部位で定着ベルト
2のみに当接する第1の定着部15と、加圧ローラ5が
定着ベルト2を介して定着ローラに当接する第2の定着
部16とが形成される。符号12は定着されるシート状
媒体を第1の定着部Aに向けて案内するガイドを示して
いる。
【0029】定着ベルト2は、ニッケル製の厚さ100
μmの基体13上に200μmのシリコンゴム製の離型
層14が形成されたものであり、熱容量が小さく、熱応
答性を良好にされている。基体13はポリイミド製でも
よく、可撓性を考慮すると厚さは30〜150μm程度
であればよい。離型層14は、シリコンゴムを用いる場
合は厚さ50〜300程度が望ましく、フッ素樹脂系を
用いる場合は厚さ10〜50μm程度が望ましい。また
離型層14はシリコンゴムの上にフッ素樹脂系を重ねた
構成でもよい。定着ベルト2は瞬時に加熱され、かつ、
ホットオフセットを生じない程度に、定着領域でベルト
表面が自己冷却される特性が望まれるが、他方では、定
着領域において、トナーを十分に溶かして定着させるの
に必要な熱容量を有していなければならない。定着ベル
ト2の上記材質及びその厚さはこの条件を満たすもので
ある。自己冷却とは、定着領域の、シート状媒体の未定
着画像側に、加熱源がないことにより、定着工程におい
てベルトが冷える現象をいう。
【0030】定着ベルト2は、加熱ローラ3が矢印aの
向きに付勢されていることにより、3kgf/片側の張
力を与えられている。この張力は、矢印Aの向きの付勢
力を調整することにより設定でき、1kgf(9.8
N)〜3kgf(29.4N)の範囲で設定すること
が、良好な定着を行う上で好ましい。
【0031】加熱ローラ3と加圧ローラ5とは、それぞ
れ薄肉円筒状の芯金からなり低熱容量化が図られてい
る。加熱ローラ3の芯金の径は20mm以上30mm以
下、かつ同芯金の肉厚は0.3mm以上2.0mm以下
であり、加圧ローラ5の芯金の径は30mm以上50m
m以下、かつ同芯金の肉厚は0.3mm以上1.5mm
以下である。これにより、加熱ローラ3の熱容量は26
cal/°C以下、加圧ローラ5の熱容量は36cal
/°C以下とされている。
【0032】本実施例において、加熱ローラ3の芯金
は、鉄製であり、径を20mm、肉厚を0.7mmとさ
れている。材質は、比熱が小さく、熱伝導率が大きいも
のが好ましく、他にもアルミニウム、銅、ステンレス等
の金属を使用することができる。他にも、鉄製でローラ
径が20mmのときは肉厚を0.7mm〜1.4mmの
範囲、鉄製でローラ径が30mmのときは肉厚を0.3
mm〜0.9mmの範囲、アルミニウム製でローラ径が
30mmのときは肉厚を0.6mm〜1.4mmの範囲
で設定することができる。径が大きいほど肉厚を薄くす
るのは、ローラの軸方向の曲がりを考慮したものであ
る。
【0033】これら肉厚の下限の値は、上述した定着ベ
ルト2の張力による加熱ローラ3の変形を考慮したとき
の許容値、上限の値は所望の立上り時間を得るための許
容値を示している。ローラ径を20mm以上とするのは
ベルトの張力を確保してローラの軸方向の曲がりが発生
しない範囲とするためである。またローラ径を20mm
〜30mmとするのは、シート状媒体搬送速度を200
mm/s以下とした場合に、連続通紙中も定着ベルト2
の温度が定着に必要な一定温度を保つための、26ca
l/°C程度の熱容量を得るためである。
【0034】このように加熱ローラ3を低熱容量とする
ことにより、定着ベルト2が回転してもその熱を奪うこ
とが少なく、定着に悪影響を与えることや立上り時間が
長引くことが防止されている。さらに連続定着等により
温度が低下してもその回復までの時間が短縮される。ヒ
ータ6は、加熱ローラ3及び加熱ローラ3を介して定着
ベルト2を加熱し、定着部における温度が130°Cと
なるようにするものであり、ヒータ6の温度はサーミス
タ8による検知信号がフィードバックされることで制御
される。
【0035】定着ローラ4の弾性体層10は、アスカー
Cでローラゴム硬度33°の比較的低硬度とされている
が、これは10°〜50°の範囲で設定できる。この範
囲にするのは、10°未満であると第2の定着部Bにお
けるニップ圧力が不足してトナーの定着が不十分になり
定着下限温度を上昇させなければならなくなる等の不具
合があり、50°を越えると、シート状媒体にしわが発
生するからである。ニップ圧力及びシート状媒体のしわ
の防止を考慮すれば、本実施例のように33°とするの
が望ましい。材質は、熱伝導率が小さく断熱作用のある
耐熱多孔質の弾性体であるから、ベルトの熱を奪うこと
を低減し、立上り後の温度落ち込みを小さくするととも
に温度回復のためのプレ回転時間を短縮している。ま
た、弾性体層10が比較的低硬度であるため、加圧ロー
ラ5の圧接力が小さくても十分なニップ幅を得ることが
でき、比較的低温かつ低圧の条件下でも良好な定着性能
を得ることができる。
【0036】加圧ローラ5の芯金は、鉄製であり、径を
30mm、肉厚を1.0mmとされている。材質は、比
熱が小さく、熱伝導率が大きいものが好ましく、他にも
アルミニウム、銅、ステンレス等の金属を使用すること
ができる。他にも、鉄製でローラ径が30mmのときは
肉厚を0.4mm〜1.0mmの範囲、鉄製でローラ径
が50mmのときは肉厚を0.3mm〜0.8mmの範
囲、アルミニウム製でローラ径が30mmのときは肉厚
を1.3mm〜1.5mmの範囲、アルミニウム製でロ
ーラ径が50mmのときは肉厚を0.6mm〜1.2m
mの範囲で設定することができる。径が大きいほど肉厚
を薄くするのは、ローラの軸方向の曲がりを考慮したも
のである。
【0037】これら肉厚の下限の値は、定着圧の下限値
に相当する0.6kg/cm2の面圧による加圧ローラ
5の変形を考慮したときの許容値、上限の値は所望の立
上り時間を得るための許容値を示している。ローラ径を
30mm以上とするのは定着圧を確保してローラの軸方
向の曲がりが発生しない範囲とするためである。またロ
ーラ径を30mm〜50mmとするのは、シート状媒体
搬送速度を200mm/s以下とした場合に、連続通紙
中も定着ベルト2の温度が定着に必要な一定温度を保つ
ための、36cal/°C程度の熱容量を得るためであ
る。
【0038】このように加圧ローラ5を低熱容量とする
ことにより、定着ベルト2が回転してもその熱を奪うこ
とが少なく、特に本実施例においては加圧ローラ5はヒ
ータ7を有するので定着ベルト2の温度を低下させて定
着に悪影響を与えることや立上り時間が長引くことが防
止されている。さらに連続定着等により温度が低下して
もその回復までの時間が短縮される。ヒータ7は、加圧
ローラ5の温度を上げ、立ち上げ時間を短縮するととも
に、定着の際にはシート状媒体の背面からも熱を供給し
てより安定した定着性能を得るものである。また、加圧
ローラ5は芯金上に10μm〜300μmの離型層を形
成することができる。
【0039】このように加熱ローラ3、加圧ローラ5を
薄肉として低熱容量化できるのは、定着装置1が定着ベ
ルト2を用いるいわゆるベルト定着装置だからである。
すなわち、定着は、定着部15、16という、距離的に
比較的長い部位によって行われるため、定着圧を減じる
ことができ、加圧ローラ5の強度を下げることができ、
また加熱ローラ3は加圧ローラを圧接されないため、薄
肉化できる。定着を距離的に比較的長い部位によって行
うことは、比較的低温での定着を可能とし、これは立上
り時間を短縮することにも寄与している。また、定着ベ
ルト2を用いると、ヒータにより加熱された定着ベルト
2が搬送される過程で定着に適当な温度に冷却され、オ
フセットを防止できるという利点もある。ヒータ6、7
の出力は電源スイッチ投入時の突入電流、ヒータのオ
ン、オフ時の蛍光灯のちらつき現象を考慮して700W
以下とされている。
【0040】定着装置1は、シート状媒体が普通紙であ
る場合に定着を行う普通紙モードと、シート状媒体が特
殊シートである場合に定着を行う特殊シートモードとを
有する。特殊シートモードにおいて定着を行うための高
温設定温度は、普通紙モードにおいて定着を行うための
通常設定温度である140°Cよりも高く設定されてい
る。
【0041】これらモードの切り換えは、本実施例にお
いては手差しトレイ23を使用するときに特殊シートモ
ードとすることで行うようになっているが、その他に
も、シート状媒体が定着装置1に到達するまでの間に周
知の手段によってそのシート状媒体が普通紙であるか、
特殊シートであるかを自動的に判断して行うようにして
もよいし、画像形成装置20の本体側に設けられている
図示しない操作パネル上で、操作者が、所望のモードを
キーの押下により直接的に選択することにより行うこと
もできるし、操作者が同様の操作でどの給紙カセット2
4を使用するかを指定することによりその給紙カセット
24に収容されているシート状媒体が普通紙であるか特
殊シートであるかが図示しない制御手段が自動的に判断
しそれに応じてモードが切り換えられ、すなわち制御手
段を介して操作者の操作により間接的に行うことができ
るようにすることもできる。
【0042】図3に示すように、高温設定温度は、定着
に適した第1の温度T1とこの第1の温度T1より高温
の第2の温度T2とを有し、特殊シートモードを選択し
た際には、サーミスタ8が定着ベルト2の温度が第2の
温度T2になったことを検知してから定着ベルト2の駆
動を開始し、サーミスタ8が定着ベルト2の温度が第1
の温度T1になったことを検知してから定着を行う。そ
れ以降は加熱ローラ3の温度が第1の温度T1に保た
れ、定着ベルト2の温度も加熱ローラ3により第1の温
度T1にまで加熱される。具体的には、第1の温度T1
は170°Cであり、第2の温度T2は190°Cであ
る。
【0043】図4に示すように、高温設定温度を、定着
に適した温度T1のみとすることもできあるが、この場
合には、定着ベルト2の駆動により定着ベルト2に蓄え
られた熱量が定着ローラ4、加圧ローラ5等により吸収
されるため定着ベルト2の温度が、定着に適した温度T
1より低下してしまう。定着を行うには定着ベルト2の
温度をT1まで上昇させなければならないが、定着ベル
ト2の回転を維持したまま温度上昇を行うから、定着ベ
ルト2を加熱しても定着ベルト2に蓄えられた熱量は定
着ローラ4、加圧ローラ5等により吸収されてしまう。
従って、定着ベルト2に蓄えられた熱量及びヒータ7に
よる加熱により、定着ローラ4、加圧ローラ5等の温度
が充分に昇温されるまで、定着を開始することができ
ず、定着ベルト2の駆動開始から定着開始可能時まで
の、定着ベルト2の温度を安定させるためのいわゆるプ
レ回転時間が長くなってしまう。この場合の待ち時間、
すなわち普通紙モードを特殊シートモードに切り換えた
ときから定着開始可能時までの所要時間は約40秒であ
る。
【0044】しかし、本実施例のように、高温設定温度
として第1の温度T1と第2の温度T2とを用いれば、
ヒータ6により加熱され温度がT2まで上昇された定着
ベルト2は、その駆動により定着ローラ4、加圧ローラ
5により熱を奪われて温度が低下するが、加熱ローラ2
によって再加熱されるときの定着ベルト2の温度は、高
温設定温度をT1とした場合より高く、加熱ローラ3の
周面上を移動する間に充分昇温されるので、定着ローラ
4、加圧ローラ5の温度がさほど高温でなくとも、定着
を開始することができる。
【0045】つまり、高温設定温度として、第1の温度
T1、第2の温度T2を用いた場合のプレ回転時間は、
定着ベルト2が、加熱ローラ3の周囲を移動する間に温
度T2まで昇温されるように、定着ベルト2や各ローラ
3、4、5の温度をある程度上昇するための時間ですむ
ので、高温設定温度がT1のみの場合に比べて大幅に短
縮され、よって待ち時間も大幅に短縮される。具体的に
この場合の待ち時間は約15秒で済む。
【0046】第2の温度T2は、定着ベルト2の温度が
定着ベルト2の駆動により第1の温度T1となったこと
が温度検知手段によって検知されたときに、定着ベルト
2と各ローラ3、4、5との温度が定着可能な温度とな
るように決定された温度である。よって定着ベルト2の
温度が第2の温度T2から第1の温度T1に低下したと
きには、定着ベルト2、各ローラ3、4、5の温度が定
着可能な温度となるようになっているので、普通紙モー
ドから特殊シートモードへの移行時、あるいは画像形成
装置20の電源投入時から特殊シートモードにおける定
着開始可能時までの待ち時間についても短縮されてい
る。
【0047】普通紙モードにおいて、通常設定温度は1
40°Cであり、定着ベルト2によるシート状媒体の搬
送速度すなわち定着速度は180mm/sである。かり
にこの温度、速度でOHPシートの定着を行ったとする
と、図5に示すように、HEIZ度が目標ラインの15
%を大幅に上回り、約70%になってしまう。HEIZ
度とは、OHPシートの透明性を示すもので、この数値
が小さい方が透明度が高く、よって定着後のHEIZ度
は小さいことが望ましく、目標ラインは15%とされて
いる。図5から明らかなように、通常設定温度すなわち
定着温度を140°Cに固定したままHEIZ度を小さ
くするためには、定着速度を普通紙モードの1/3以下
にしなければならず、定着速度が大幅に低下することと
なる。これでは実用に適さない。
【0048】図6に示すように、定着温度及び定着速度
を様々に変化させてHEIZ度との関係を調べたとこ
ろ、定着速度が普通紙モードの定着速度180mm/s
に比して1/2である1/2モードのとき、定着温度を
普通紙モードより10°C高い150°CにするとHE
IZ度が12%となり、1/2モードのとき定着温度を
160°CにするとHEIZ度が10%となり、同様に
3/4モードのとき定着温度を160°CにするとHE
IZ度が12%となり、何れも良好な結果が得られた。
【0049】さらに、HEIZ度に加え、ホットオフセ
ットを防止し待ち時間を10秒以下にするといった良好
な定着を行うための条件を加味すると、特殊シートモー
ドにおける定着温度は、普通紙モードの定着温度より3
0°C高くすることが限度であり、好ましくは10°C
以下であることが分かった。また定着速度を確保する必
要もあるので、これら条件より、特殊シートモードにお
ける定着速度は、普通紙モードにおける定着速度以下
の、1/2以上1/1以下とすることが適当であり、高
温設定温度は、通常設定温度よりも、約10ないし30
°Cの範囲で高温に設定することが適当であることが分
かった。
【0050】本実施例はこれに基づき、実際に定着を行
う際の高温設定温度としての第1の温度T1を170°
Cとし、定着速度を180mm/sとしている。なお、
定着速度を普通紙モードと特殊シートモードとで変化さ
せる場合には、上述のようにして普通紙モードと特殊シ
ートモードの切り換えが行われた場合に自動的に定着速
度を変化させても良いし、操作者の操作により定着速度
を選択して変化させるようにしても良い。定着速度を遅
くすれば、その分定着領域においてシート状媒体に与え
る熱量が増加するので、定着温度を下げることもでき、
よって待ち時間を短縮することもできる。そのため、通
常設定温度、高温設定温度を調整できるようにしても良
く、特に、操作者の操作により定着速度を選択できるよ
うにした場合には、それに応じて自動的に各設定温度が
調整されるようにすることが望ましくい。
【0051】光沢のある画像を得るためには定着温度を
上げ、かつ定着速度を下げて充分な定着熱量によりトナ
ーを溶かして画像表面の平滑性を上げることが効果的で
あり、光沢のない画像を得るためには定着温度を下げ、
かつ定着速度を上げることが効果的であることが知られ
ているので、所望の光沢を得るために、操作者が上述の
条件の範囲内で定着温度、定着速度を手動により設定で
きるようにすることは有効である。なお定着ベルト2や
各ローラ3、4、5の低熱容量化、ヒータの容量アップ
により、更に待ち時間を短縮しつつHEIZ度を向上さ
せることができる。
【0052】定着装置1は、特殊シートモードが普通紙
モードに切り換わった際に、定着ベルト2の駆動を行う
ようになっている。これにより、定着ベルト2、各ロー
ラ3、4、5に蓄えられている熱エネルギを強制的に雰
囲気中に放出してこれらを冷却し、定着ベルト2の温度
を通常設定温度に速やかに安定させることができる。定
着ベルト2の駆動を行うと、特殊シートモードが普通紙
モードに切り換わってから定着を開始できるようになる
までの待ち時間は20秒で済むが、定着ベルト2の駆動
を行わない場合、待ち時間には180秒を要した。定着
ベルト2の駆動を行うと、待ち時間が大幅に短縮され
る。
【0053】本実施例は以上の構成により、画像形成装
置20の電源が投入されると、あるいは、普通紙モー
ド、特殊シートモードの切り換えが行われると、早期
に、良好な定着を行うことができる状態となって立上り
が完了し、画像形成及び定着が可能な状態となる。操作
者が画像形成を開始する周知の操作を行うと、感光体2
5Cの方向Aへの回転にともない、感光体ドラム25C
は帯電装置27Cより帯電され、露光光29Cにより原
稿画像に応じた静電潜像が形成され、この静電潜像が現
像装置26Cにより現像され、感光体25C上に形成さ
れたトナー像が周知の転写装置22上を矢印B方向に搬
送されるシート状媒体上に転写され、転写後に感光体2
5C上に残留しているトナーがクリーニング装置28C
によって掻き取られて感光体25がクリーニングされ、
次の帯電に供される。
【0054】シアンのトナーが転写されたシート状媒体
は、転写装置22により矢印B方向に搬送されつつ、作
像装置21Cにおける上述の作像工程と同様の作像工程
を行う作像装置21Y、21M、21BKにより順次そ
れぞれイエロー、マゼンタ、ブラックのトナーを適宜転
写され、画像形成に必要なすべてのトナーを転写された
後、転写装置22からガイド12に受け渡され、ガイド
12によって定着領域に案内される。
【0055】このシート状媒体は定着ベルト2の移動に
より搬送され、第1の定着部15及び第1の定着部15
に連続する第2の定着部16においてトナーを加熱加圧
して溶融定着される。具体的には、シート状媒体が第1
の定着部15を通過する際、定着ベルト2から熱を与え
られたトナーが徐々に溶融し、シート状媒体の表面に仮
定着され、第2の定着部16においては、定着ローラ3
と加圧ローラ5との圧接力によってトナーがシート状媒
体上に完全に定着される。連続定着が行われる場合であ
っても、ヒータ7による加熱で、ホットオフセットが生
じない程度に熱が供給され良好な定着が行われるととも
に、定着を中断して再加熱を行う必要が生じることはな
い。定着後のシート状媒体は画像形成装置外に排出され
る。
【0056】熱ローラ対タイプの定着装置ではローラ対
により形成されるニップ幅に限界があり、ニップ幅が小
さいため、定着を行うのに適した温度を有する領域すな
わち定着領域の幅が狭く、高温特殊シートモードにおい
て定着に充分な熱量を与えようとすると定着温度を高温
にする必要があり、この場合には特殊シート及びトナー
に急激に熱を与えることとなり、ホットオフセットが生
じてしまうという不具合が一般に生じるが、本実施例の
ベルト定着装置によれば定着領域の長さが十分に長いの
で、良好な定着が行われる。ベルト定着装置によれば、
特にOHPシートの定着を行う場合、上述のようなホッ
トオフセット等の定着品質の低下を招かない範囲で充分
に大きな定着熱量の供給が可能であるから、OHPシー
ト表面が平滑となって乱反射が抑制されてHEIZ度が
向上する。またトナー内部においても透過光の吸収、散
乱が抑制されるので良好な画像形成を行うことができ
る。
【0057】以上本発明を適用した定着装置及びこの定
着装置を備えた画像形成装置について説明したが、ヒー
タは加熱ローラ、加圧ローラのうち加熱ローラのみに備
えられていてもよい。サーミスタは、定着ベルトの駆動
方向において、定着ベルトを介して加熱ローラに対向す
る位置からシート状媒体にトナーを定着する定着領域に
至る前の位置までの何れかの位置に配置することができ
る。第1の温度T1は、本実施例では170°Cで一定
であるが、画像形成装置20に備えられた図示しない温
度計等によって検知された画像形成装置20内あるいは
外の温度により適宜変更することができる。
【0058】定着ベルトの肉厚、材質、加熱ローラ、加
圧ローラの径、肉厚、材質等は適宜組み合わせが可能で
ある。加熱ローラ、加圧ローラが低熱容量であって、定
着を良好に行うことができるのであれば、定着部を、定
着ローラと加圧ローラとが定着ベルトを介して圧接され
た部分のみとする構成とすることもできる。
【0059】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、シート状
媒体が普通紙である場合に定着を行う普通紙モードと、
シート状媒体が特殊シートである場合に定着を行う特殊
シートモードとを有し、特殊シートモードにおいて定着
を行うための高温設定温度を、普通紙モードにおいて定
着を行うための通常設定温度よりも高く設定し、定着ベ
ルトの温度を通常設定温度又は高温設定温度とするべく
定着ベルトを駆動するので、シート状媒体が普通紙であ
っても特殊シートであっても定着に適当な熱量を与える
ことができることと、定着ベルトの駆動により定着ベル
トの温度が安定することとにより、どのようなシート状
媒体に対しても良好に定着を行うことができる定着装置
を提供することができる。
【0060】請求項2記載の発明によれば、特殊シート
モードを選択した際には、温度検知手段が、定着ベルト
の温度が高温設定温度になったことを検知してから定着
ベルトの駆動を開始するので、プレ回転時間を短縮して
消費エネルギの損失を極力小さくした定着装置を提供す
ることができる。
【0061】請求項3記載の発明によれば、高温設定温
度が、定着に適した第1の温度と、この第1の温度より
高温の第2の温度とを有し、特殊シートモードを選択し
た際には、温度検知手段が、定着ベルトの温度が第2の
温度になったことを検知してから定着ベルトの駆動を開
始し、温度検知手段が、定着ベルトの温度が第1の温度
になったことを検知してから定着を行うので、立上りま
でに要する熱量が少なくて済み、プレ回転時間が大幅に
短縮されることにより早期に立上りが完了する定着装置
を提供することができる。
【0062】請求項4記載の発明によれば、第2の温度
は、定着ベルトの温度が定着ベルトの駆動により第1の
温度となったことが温度検知手段によって検知されたと
きに、定着ベルトと加熱ローラ、定着ローラ、加圧ロー
ラとの温度が定着可能な温度となるように決定された温
度であるので、温度検知手段によって第1の温度となっ
たことが検知されれば直ちに定着を開始可能とすること
ができ、さらに立上り時間が短縮された定着装置を提供
することができる。
【0063】請求項5記載の発明によれば、加熱ローラ
の温度は、特殊シートモードを選択した後、温度検知手
段が第2の温度を検知するまでは第2の温度となるよう
になされ、温度検知手段が第2の温度を検知した後は第
1の温度となるようになされるので、定着時には定着ベ
ルトの温度が定着に適した第1の温度となるように加熱
され、定着ベルトの温度が安定的に保たれるので、良好
な定着を行うことができる定着装置を提供することがで
きる。
【0064】請求項6記載の発明によれば、第1の温度
は、通常設定温度より、約10ないし30°Cの範囲で
高温に設定されているので、ホットオフセットを防止し
つつ、OHPシートに対する定着を行う場合においては
シートの透明性を確保でき、高画質で良好な定着を行う
ことができる定着装置を提供することができる。
【0065】請求項7記載の発明によれば、特殊シート
モードにおける定着ベルトによるシート状媒体の搬送速
度を、普通紙モードにおける同搬送速度以下としたの
で、より確実に、ホットオフセットを防止しつつ、OH
Pシートに対する定着を行う場合においてはシートの透
明性を確保でき、高画質で良好な定着を行うことができ
る定着装置を提供することができる。
【0066】請求項8記載の発明によれば、定着ベルト
による上記シート状媒体の搬送速度を、普通紙モードに
おける同搬送速度の1/2ないし1/1としたので、さ
らに確実に、ホットオフセットを防止しつつ、OHPシ
ートに対する定着を行う場合においてはシートの透明性
を確保でき、高画質で良好な定着を行うことができる定
着装置を提供することができる。
【0067】請求項9記載の発明によれば、温度検知手
段を、定着ベルトの駆動方向において、定着ベルトを介
して加熱ローラに対向する位置からシート状媒体にトナ
ーを定着する定着領域に至る前の位置までの何れかの位
置に配置することができるので、温度検知手段の設置上
の自由度が向上した定着装置を提供することができる。
【0068】請求項10記載の発明によれば、温度検知
手段を、定着ベルトを介して加熱ローラに対向配置した
ので、定着ベルトの温度を、ヒータを備えた加熱ローラ
の温度として検知でき、ヒータの点滅による温度制御が
容易となった定着装置を提供することができる。
【0069】請求項11記載の発明によれば、シート状
媒体にトナーを定着する定着領域を、加圧ローラが定着
ローラに対向しない部位で定着ベルトのみに当接する第
1の定着部と、加圧ローラが定着ベルトを介して定着ロ
ーラに当接する第2の定着部とでシート状媒体にトナー
を定着するので、定着領域を長く取ることにより定着温
度をそれほど高くせずとも充分な熱量によって定着する
ことができ、ホットオフセットを防止して良好な定着を
行うことができる定着装置を提供することができる。
【0070】請求項12記載の発明によれば、特殊シー
トモードから普通紙モードに切り換えた際に、定着ベル
トの駆動を行うので、高温になっている定着ベルトの熱
が雰囲気中に放出され、定着ベルトは速やかにかつ均一
に冷却されて通常設定温度で安定し、普通紙モードでの
定着を早期に開始することができるとともに良好な定着
を行うことができる定着装置を提供することができる。
【0071】請求項13記載の発明によれば、特殊シー
トモードは、シート状媒体がOHPシート又は厚紙又は
封筒の特殊シートである際に選択されるモードであるの
で、これら普通紙よりも熱容量が大きな特殊シートにつ
いて良好な定着を行うことができる定着装置を提供する
ことができる。
【0072】請求項14記載の発明によれば、上述の効
果を奏する定着装置を具備した画像形成装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した定着装置及びこの定着装置を
備えたカラー画像形成装置の概略を示す側面図である。
【図2】図1に示した定着装置の側断面図である。
【図3】図1に示した定着装置において普通紙モードか
ら特殊シートモードに切り替えた際の定着ベルトの温度
の推移を示した相関図である。
【図4】高温設定温度として第1の温度のみを用いた定
着装置において普通紙モードから特殊シートモードに切
り替えた際の定着ベルトの温度の推移を示した相関図で
ある。
【図5】定着温度を一定とした場合の、定着速度とHE
IZ度との関係を示す相関図である。
【図6】定着温度、定着速度、HEIZ度の関係を示す
相関図である。
【符号の説明】
1 定着装置 2 定着ベルト 3 加熱ローラ 4 定着ローラ 5 加圧ローラ 6 加熱ローラに備えられたヒータ 7 加圧ローラに備えられたヒータ 8 温度検知手段 15 第1の定着部 16 第2の定着部 20 画像形成装置 T1 高温設定温度としての第1の温度 T2 高温設定温度としての第2の温度

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トナーを定着されるシート状媒体を搬送す
    るための無端状の定着ベルトと、 上記定着ベルトを張架されこの定着ベルトを駆動するた
    めの加熱ローラ及び定着ローラと、 上記定着ベルトを介して上記定着ローラに対向して配置
    される加圧ローラと、 上記加熱ローラ、上記加圧ローラのうち少なくとも上記
    加熱ローラの内部に備えられたヒータと、 上記定着ベルトの温度を検知する温度検知手段とを具備
    した定着装置において、 上記シート状媒体が普通紙である場合に定着を行う普通
    紙モードと、上記シート状媒体が特殊シートである場合
    に定着を行う特殊シートモードとを有し、上記特殊シー
    トモードにおいて定着を行うための高温設定温度を、上
    記普通紙モードにおいて定着を行うための通常設定温度
    よりも高く設定し、 上記定着ベルトの温度を上記通常設定温度又は上記高温
    設定温度とするべく上記定着ベルトを駆動することを特
    徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の定着装置において、上記特
    殊シートモードを選択した際には、上記温度検知手段
    が、上記定着ベルトの温度が上記高温設定温度になった
    ことを検知してから上記定着ベルトの駆動を開始するこ
    とを特徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の定着装置において、上記高
    温設定温度が、定着に適した第1の温度と、この第1の
    温度より高温の第2の温度とを有し、上記特殊シートモ
    ードを選択した際には、上記温度検知手段が、上記定着
    ベルトの温度が上記第2の温度になったことを検知して
    から上記定着ベルトの駆動を開始し、上記温度検知手段
    が、上記定着ベルトの温度が上記第1の温度になったこ
    とを検知してから定着を行うことを特徴とする定着装
    置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の定着装置において、上記第
    2の温度は、上記定着ベルトの温度が上記定着ベルトの
    駆動により上記第1の温度となったことが上記温度検知
    手段によって検知されたときに、上記定着ベルトと上記
    各ローラとの温度が定着可能な温度となるように決定さ
    れた温度であることを特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】請求項3又は4記載の定着装置において、
    上記加熱ローラの温度は、上記特殊シートモードを選択
    した後上記温度検知手段が上記第2の温度を検知するま
    では第2の温度となるようになされ、上記温度検知手段
    が上記第2の温度を検知した後は上記第1の温度となる
    ようになされることを特徴とする定着装置。
  6. 【請求項6】請求項3ないし5に記載の定着装置におい
    て、上記第1の温度は、上記通常設定温度より、約10
    ないし30°Cの範囲で高温に設定されていることを特
    徴とする定着装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6の何れか1つに記載の定
    着装置において、上記特殊シートモードにおける上記定
    着ベルトによる上記シート状媒体の搬送速度を、上記普
    通紙モードにおける同搬送速度以下としたことを特徴と
    する定着装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の定着装置において、上記定
    着ベルトによる上記シート状媒体の搬送速度を、上記普
    通紙モードにおける同搬送速度の1/2以上1/1以下
    としたことを特徴とする定着装置。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8の何れか1つに記載の定
    着装置において、上記温度検知手段を、上記定着ベルト
    の駆動方向において、上記定着ベルトを介して上記加熱
    ローラに対向する位置から上記シート状媒体にトナーを
    定着する定着領域に至る前の位置までの何れかの位置に
    配置したことを特徴とする定着装置。
  10. 【請求項10】請求項1ないし9の何れか1つに記載の
    定着装置において、上記温度検知手段を、上記定着ベル
    トを介して上記加熱ローラに対向配置したことを特徴と
    する定着装置。
  11. 【請求項11】請求項1ないし10の何れか1つに記載
    の定着装置において、上記シート状媒体にトナーを定着
    する定着領域を、上記加圧ローラが上記定着ローラに対
    向しない部位で上記定着ベルトのみに当接する第1の定
    着部と、上記加圧ローラが上記定着ベルトを介して上記
    定着ローラに当接する第2の定着部とで上記シート状媒
    体にトナーを定着することを特徴とする定着装置。
  12. 【請求項12】請求項1ないし11の何れか1つに記載
    の定着装置において、上記特殊シートモードから上記普
    通紙モードに切り換えた際に、上記定着ベルトの駆動を
    行うことを特徴とする定着装置。
  13. 【請求項13】請求項1ないし12の何れか1つに記載
    の定着装置において、上記特殊シートモードは、上記シ
    ート状媒体がOHPシート又は厚紙又は封筒の特殊シー
    トである際に選択されるモードであることを特徴とする
    定着装置。
  14. 【請求項14】請求項1ないし13の何れか1つに記載
    の定着装置を有する画像形成装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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