JP2005172180A - 繊維強化プラスチック製構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光硬化性プリプレグを骨材や壁材等の高強度構造材に適用できるように工夫することにより、主要な構造材を現場で製作しながら同時に構造物自体を建築することができ、大幅な工期の短縮と建築コストの低減を図ることができる繊維強化プラスチック製構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】 下部構造体2に取り付けた内膜材3を膨張させる内膜材膨張工程と、光硬化性プリプレグ9によりプリプレグ層状材10を形成するプリプレグ層状材形成工程と、プリプレグ層状材10を内膜材3上に配置するプリプレグ層状材配置工程と、プリプレグ層状材10に真空圧接用フィルム12を被覆する真空圧接用フィルム被覆工程と、真空圧接用フィルム12内の空気を吸引し、プリプレグ層状材10を圧接するプリプレグ真空圧接工程と、プリプレグ層状材10に光を照射して硬化させる光硬化工程とを有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、繊維強化プラスチック製構造体の製造方法に関し、特に、光硬化性プリプレグを構造材に適用する技術であり、家畜の糞尿を嫌気性発酵させて得られる、いわゆるバイオガスを貯留するのに好適な繊維強化プラスチック製構造体の製造方法に関するものである。
従来から、家畜の糞尿等の有機廃棄物の分解により生成したメタンガス等のバイオガスを貯留する装置としてテント式のバイオガスドームが知られている。このバイオガスドームは、一般に直径10m〜20mの半円球状の構造体であり、基礎となる円筒状の外壁と、この円筒状外壁の上部に可撓性を有する半球状の貯留テントとから構成されている。このようなバイオガスドームは、我が国ではほどんどが輸入品であり、1基当たり数千万円規模の費用がかかっている。近年、牛や豚の家畜糞尿が野積みにされて河川や土壌を汚染する環境問題が発生しているが、家畜糞尿をバイオガスプラントとして処理したくても、前述した費用の問題が障害となって十分普及していないのが現状である。
現在最も普及しているタイプのバイオガスドームは、半球状の貯留テントが可撓性の二重膜構造に形成されている。この二重膜構造では、内側シートがバイオガスの増減に応じて膨らんだり縮んだり適応し、外側シートが常に空気圧によって膨張し形状を保持している。しかし、二重膜構造のバイオガスドームは、外側シートの形状を保持するために加圧システムが必要であることからイニシャルコストの負担が大きい。さらに外側シートを一定圧で保持するための制御をし続ける必要があるためランニングコストの負担も大きいという問題がある。
ところで、バイオガスドームに関する特許出願としては、例えば特開2003−74797号公報に記載された発明がある。この発明は、基礎円筒体の上部に円弧状フレームを構築し、その外側に半球状のガス貯留テントを展張させた構造を有している。
特開2003−74797号公報
しかしながら、特許文献1によれば、二重膜構造のバイオガスドームに比べれば加圧保持システムが不要であるためコスト低減を図ることができる。しかし、円弧状フレーム等の構造材は従来の鉄製フレームを使用しているため、予め工場で生産し、酪農地帯にまで運ばなければならず、運搬コストが嵩む。
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであって、光硬化性プリプレグを骨材や壁材等の高強度構造材に適用できるように工夫することにより、主要な構造材を現場で製作しながら同時に構造物自体を建築することができ、大幅な工期の短縮と建築コストの低減を図ることができる繊維強化プラスチック製構造体の製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係る繊維強化プラスチック製構造体の製造方法の特徴は、下部構造体に取り付けた内膜材の内側に空気を送入し、この内膜材を所定の形状に膨張させる内膜材膨張工程と、1枚または複数枚の光硬化性プリプレグを層状に重ねてプリプレグ層状材を形成するプリプレグ層状材形成工程と、このプリプレグ層状材を前記内膜材の外表面に沿って配置するプリプレグ層状材配置工程と、前記内膜材および前記プリプレグ層状材の外側に光透過性の真空圧接用フィルムを密閉状態に被覆する真空圧接用フィルム被覆工程と、この真空圧接用フィルムと前記内膜材との間の空気を吸引して真空状態にすることにより、これら真空圧接用フィルムおよび前記内膜材によって前記プリプレグ層状材を内外から圧接し、これを構成する各光硬化性プリプレグ同士を圧接するプリプレグ真空圧接工程と、この圧接状態にあるプリプレグ層状材に光を照射して硬化させる光硬化工程とを有している点にある。
また、本発明において、構造材の曲げ剛性を高めるために、プリプレグ層状材配置工程において使用するプリプレグ層状材は、光透過性芯材の外周に光硬化性プリプレグを積層または巻かれて層状に形成されていることが好ましい。
さらに、本発明において、特にバイオガスドームとして用いる場合には、プリプレグ層状材を硬化させた後に、このプリプレグ層状材に接着した内膜材を剥離する内膜材剥離工程を有することが好ましい。
また、本発明において、特にバイオガスドームとして用いる場合には、プリプレグ層状材配置工程において使用するプリプレグ層状材のうち、少なくとも内膜材に接触する面を接着防止処理する接着防止処理工程を有することが好ましい。
さらに、本発明において、特にバイオガスドームとして用いる場合には、プリプレグ層状材配置工程において使用するプリプレグ層状材は、接着部以外の部分が光透過性の接着防止筒状フィルムによって被覆されていることが好ましい。
本発明によれば、耐雪効果の高いバイオガスドームを提供できることはもちろん、光硬化性プリプレグを使って骨材や壁材等の高強度構造材を製造できるようになり、このような主要な高強度構造材を建築現場において製作しながら同時に構造物を建築することにより工期を短縮させられるし、製造コスト、建築コスト及び運搬コストの低減を図ることができる。
以下、本発明に係る繊維強化プラスチック製構造体1(以下、FRP製構造体1)の製造方法の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態におけるFRP製構造体1の製造方法を示すフローチャート図であり、本実施形態では主に半球状屋根を備えているバイオガスドームを想定して説明する。
本実施形態の製造方法は、主として内膜材膨張工程と、プリプレグ層状材形成工程と、接着防止処理工程と、プリプレグ層状材配置工程と、真空圧接用フィルム被覆工程と、プリプレグ真空圧接工程と、光硬化工程と、接着部剥離工程と、外膜材被覆工程とから構成される(ステップS1〜ステップS9)。
まず、内膜材膨張工程は、コンクリート等から構成される下部構造体2に、ゴム引布等から構成される可撓性の内膜材3を気密状態に取り付け、この内膜材3の内側に空気を送入する工程である(ステップS1)。この工程で使用される内膜材3は、通常のゴム引布でもよいが、光透過性のある可撓性素材であればより好ましい。後述する光硬化工程の際に内膜材3の内側からも光を照射できて一層効果的に硬化できるからである。
内膜材3の取り付け方法は、気密性を保持できれば一般的な方法を用いてよいが、本実施形態では、図2に示すような方法により垂直面に連結している。まず、図2(a)に示すように、略円筒状の下部構造体2の上周端部に、FRP製の下地材4をプライマー処理した上で接着被覆し、コンクリートの粗面を平滑面に形成する。続いて、このFRP平滑側面に内膜材3の端縁を重ね、この上から溶融亜鉛メッキされた鉄等から構成される押え板5をボルト6で固定する。これにより、内膜材3は下地材4に気密状態に取り付けられ、下部構造体2に形成した開口部21から給気ブロワ7により空気を送入すると、図3に示すように、内膜材3の内側に空気が充填され、半球状に膨張する。なお、本実施形態では、内膜材3を光硬化性プリプレグ9の成形型として利用するため、その内圧を約3.9kPa以上に設定している。また、本実施形態では、内膜材3をFRP平滑側面に沿って取り付けているが、必要に応じて上面に取り付けるようにしてもよい。
また、図3に示すように、下部構造体2にの内側には、内膜材降下制限用ロープ8が展張されている。これは、バイオガスによる内圧が減ったときでも内膜材3が有機廃棄物で汚れるのを防止するものである。
つぎに、プリプレグ層状材形成工程は、まず、光硬化性プリプレグ9を層状に重ねてプリプレグ層状材10を形成する工程である(ステップS2)。光硬化性プリプレグ9とは、シート状のガラス繊維に光硬化性樹脂を含浸させたものであり、プリプレグ層状材10は、1枚または複数枚の光硬化性プリプレグ9を層状に重ねて構成したものである。例えば、細長い光硬化性プリプレグ9を複数枚積層させて構成したり(図8(a))、一枚の光硬化性プリプレグ9を折り畳んで多層状に構成したり(図8(b))、ポリカーボネート等から構成される光透過性芯材20の外周に寿司巻きの如く1層または多層状に構成したり(図9(a),(b))、光透過性芯材20に光硬化性プリプレグ9をスパイラル状に巻き付けたり(図10(a))、光透過性芯材20を介在して上下に積層させて構成してもよい(図10(b))。
本実施形態では、図8(a)に示すように複数枚の光硬化性プリプレグ9を積層させるタイプを使用する。プリプレグ層状材10の強度は、重なる層数によって大きく影響されるため、FRP製構造体1に必要な全体強度や部分強度に応じて層状枚数が任意に設定される。また、光透過性芯材20を使用すれば、プリプレグ層状材10の断面係数を高めることができるため、より軽くて高強度の構造材が得られる。
図4に示すように、本実施形態では、FRP製構造体1の骨材に適用すべく長尺状の複数枚の光硬化性プリプレグ9を積層した柱状プリプレグ層状材10aと、天井の積雪に耐えるべく略円形状の光硬化性プリプレグ9を積層した円盤状プリプレグ層状材10bとを用いている。柱状プリプレグ層状材10aと円盤状プリプレグ層状材10bとの接合部は、単純に上下に重ねてもよいが、より結合力を高めるために、1枚1枚の光硬化性プリプレグ9同士を交互に重ね合わせて接着させてもよい。
つぎに、接着防止処理工程は、光硬化性プリプレグ9によって接着してはいけない部分に接着防止処理を施す工程である(ステップS3)。これは、プリプレグ層状材10を圧接した際に光硬化性樹脂15が漏れ出て内膜材3がプリプレグ層状材10に接着してしまうのを防止するためのものである。本工程では、プリプレグ層状材10のうち少なくとも内膜材3に接触する面を接着防止処理する。例えば、内膜材3と接触する面にポリビニルアルコール等の離型材を直接あるいはマスキングを介して塗布してもよい。本実施形態では、光硬化性樹脂15の漏れ量が多い場合にも対処できるようにするため、接着防止処理としては、プリプレグ層状材10の接着部以外の部分を筒状のビニル袋等から構成される光透過性の接着防止筒状フィルム11によって被覆している。
例えば、柱状プリプレグ層状材10aに対しては、下部構造体2や円盤状プリプレグ層状材10bと接着するため、図11に示すように、両端の接着部101a以外の部分を光透過性の接着防止筒状フィルム11によって被覆している。また、円盤状プリプレグ層状材10bに対しては、図12に示すように、柱状プリプレグ層状材10aと接着する接着部101b以外の部分を接着防止筒状フィルム11によって被覆している。これにより、光硬化性プリプレグ9に含浸させた未硬化の光硬化性樹脂15が、圧接の際に外に漏れても内膜材3に接着してしまうのを防止できる。
つぎに、プリプレグ層状材配置工程は、膨張させた内膜材3の外表面に沿って硬化前のプリプレグ層状材10を配置する工程である(ステップS4)。プリプレグ層状材10は、シート状の光硬化性プリプレグ9を重ねてなる構造であるため、極めて柔軟性に富み、形状の自由度が高く必要な配置場所に任意の形状に変形させて配置できる。図4に示すように、本実施形態では、膨張された内膜材3の頂上部に円盤状プリプレグ層状材10bを配置するとともに、この円盤状プリプレグ層状材10bから内膜材3に沿って放射状に複数の柱状プリプレグ層状材10aを配置する。このとき、図2(b)に示すように、柱状プリプレグ層状材10aの下端の接着部101aを下部構造体2の下地材4に接触させておき、上端の接着部101aを円盤状プリプレグ層状材10bの接着部101bに接触させておく。これにより、各プリプレグ層状材10a,10bの接着部101に紫外線を当てると光硬化性樹脂15が硬化し、接着される。
つぎに、真空圧接用フィルム被覆工程は、図2(c)および図5に示すように、内膜材3および各プリプレグ層状材10a,10bの外側に、ポリ塩化ビニルやポリエチレン等から構成される光透過性の真空圧接用フィルム12を密閉状態に被覆する(ステップS5)。この真空圧接用フィルム12は、柱状プリプレグ層状材10aおよび円盤状プリプレグ層状材10bの全体を覆い、弛みを持たせてその端部がシール材13により下地材4に密閉接着されている。また、真空圧接用フィルム12における真空ポンプ14の吸引口に対向する下部構造体2には、全周に渡ってガラスクロステープ14aが貼られている。これは真空ポンプ14によって内部の空気が吸引された際に、真空圧接用フィルム12が下部構造体2に密着してしまうのを防ぎ、真空引きできなくなるのを防止するものである。
つぎに、プリプレグ真空圧接工程は、真空圧接用フィルム12と内膜材3との間の空気を真空ポンプ14により吸引して真空状態にする工程である(ステップS6)。この工程では、図13(a)に示す状態から、真空圧接用フィルム12が内膜材3側に引き寄せられ、柱状プリプレグ層状材10aおよび円盤状プリプレグ層状材10bを内膜材3に密接させる。これにより、図13(b)に示すように、各プリプレグ層状材10a,10bは、真空圧接用フィルム12と内膜材3とによって内外から圧接され、内膜材3の外表面に沿って成形される。また、これらプリプレグ層状材10a,10bを構成している各光硬化性プリプレグ9も互いに圧接され、相互の隙間を埋める。
この圧接により、プリプレグ層状材10a,10bの側面からは、各光硬化性プリプレグ9に含浸されている光硬化樹脂15がしみ出る。これをそのまま放置すると、光硬化樹脂15が内膜材3に接着して膨張減縮を妨げたり、鋭利な形状に硬化して内膜材3を破いてしまうおそれがある。しかし、本実施形態では、プリプレグ層状材10の接着部101a,101b以外の部分を接着防止筒状フィルム11によって被覆しているため、図13(b)に示すように、この接着防止筒状フィルム11が漏れた光硬化樹脂15を包み込み、内膜材3に接着したり、鋭利に硬化するのを防止するようになっている。
つぎに、光硬化工程は、圧接状態にあるプリプレグ層状材10に光を照射して硬化させる工程である(ステップS7)。本実施形態では、光硬化性プリプレグ9を使用しているため太陽光で硬化させることができ、加熱等の温度条件を制御する必要はない。これは特に北海道等の寒冷地においては気候に影響されない点でメリットがあるし、温暖地においても硬化を抑制する難しさから開放される。もちろん必要に応じて、図5に示すような紫外線ランプ16を照射してもよい。この工程によって簡単に各プリプレグ層状材10a,10bが所望の形状を保持しながら硬化し、軽くて強固なFRP構造材を構成するとともに、各接着部101a,101bが互いに接着する。
つぎに、内膜材剥離工程は、各プリプレグ層状材10a,10bと接着してしまった内膜材3を剥離する工程である(ステップS8)。この工程は、図6に示すように、真空圧接用フィルム12を取り除いた後、内膜材3内部の空気を抜くことにより、内膜材3を各プリプレグ層状材10a,10bから剥離する。この工程は、接着防止筒状フィルム11等の接着防止処理によりほぼ円滑に進められるが、もし漏れて接着されている部分がある場合には、内膜材3が破損しないように剥離を慎重に行う必要がある。
つぎに、外膜材被覆工程は、図7に示すように、内膜材3および各プリプレグ層状材10a,10bの外側に外膜材17を取り付ける工程である(ステップS9)。この工程は、図2(d)に示すように、PC鋼製のより線18を下部構造体2の外周に巻回し、このより線18に取り付けた固定ロープ19を、外膜材17の端部に穿設したハトメ(図示せず)に貫通させて結合する。この外膜材17は、耐候性や耐久性を図るためのものであり、内膜材3を保護する必要のない環境下の場合には設けなくてもよい。また、前述した真空圧接用フィルム12を外膜材17としてそのまま使用してもよい。
以上の各工程により、下部構造体2と、この下部構造体2に取り付けられる半球状の内膜材3と、硬化した柱状プリプレグ層状材10aおよび円盤状プリプレグ層状材10bからなる骨組構造材と、これら内膜材3および骨組構造材を被覆する外膜材17とから構成されるFRP製構造体1が製造される。
以上の本実施形態によれば、
1.光硬化プリプレグ9から構造物の骨材や壁材に使用可能な高強度構造材を製造できる。
2.建築現場において、プリプレグ層状材10を使用した構造材を製造できるため、成型治具が不要であるし、工場生産自体の必要がなくなる。このことは嵩張りやすい構造材を運搬しなくてよいため、運搬コストの大幅な低減を図ることができる。
3.建築現場において、プリプレグ層状材10の成形および配置がほぼ同時に行われるため、バイオガスドームの構造材成形および構造体建築が同時に進行され、工期の大幅短縮ができ、建築コストも大幅に低減できる。
4.プリプレグ層状材10により建築した後は太陽光などによって硬化させるだけなので、温度条件などの難しい制御が不要であり、そのためのシステムが必要ない。
5.光硬化プリプレグ9の枚数や構造を変更するだけで任意に構造材の強度を選択できるため、積雪や台風等の環境レベルに併せて適宜、高強度のバイオガスドームを構築することができる等の効果を奏する。
なお、本発明に係るFRP製構造体1は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、本実施形態では、8本の柱状プリプレグ層状材10aを円盤状プリプレグ層状材10bから放射状に配置して骨組を形成しているが、これに限らず、FRP製構造体1が必要とする強度に応じて、本数を増減させたり、配置位置を変更したり、あるいは面状の部分を増やしてもよい。また、本実施形態では、内膜材3を半球形状に膨張させているが、これに限らず、内膜材3への空気の充填率を調節したり、内膜材3自体の形状を適宜設定することで、図14(a)〜(c)に示すように、3/4球形状のFRP製構造体1A、マッシュルーム形状のFRP製構造体1B、あるいは皿形状のFRP製構造体1C等にしてもよい。
また、本実施形態では、バイオガスドームを例に挙げているがこれに限られるものではなく、雪氷冷熱利用施設等の他の構造物における屋根等として適用することもできる。また、本実施形態ではバイオガスドームを想定しているため内膜材3をそのまま残し、剥離工程を設けているが、他のFRP製構造体1として使用する場合に不要であれば内膜材3を除去したり、逆に剥離工程を行わないようにしてもよい。
なお、プリプレグ層状材10の配置方法に際しては、内膜材3をプリプレグ層状材10の成形型として利用しているが、これに限られるものではなく、鉄パイプ等により骨組を構築し、この骨組にビニルシート等を展張させて多面体を形成し、これを成形型として使用してもよい。
本発明に係る繊維強化プラスチック製構造体の製造方法の一実施形態を示すフローチャート図である。 本実施形態において、(a)内膜材を下部構造体に取り付けた状態、(b)プリプレグ層状材を固定した状態、(c)真空圧接用フィルムを取り付けた状態、および(d)外膜材を取り付けた状態を示す断面図である。 本実施形態において内膜材を膨張させた状態を示す斜視図である。 本実施形態においてプリプレグ層状材を内膜材の外表面に配置した状態を示す斜視図である。 本実施形態において真空圧接用フィルムを被覆した状態を示す斜視図である。 本実施形態において内膜材を剥離させた状態を示す斜視図である。 本実施形態において外膜材を被覆した状態を示す斜視図である。 本実施形態のプリプレグ層状材のうち、(a)複数枚の光硬化性プリプレグを積層させたタイプ、(b)一枚の光硬化性プリプレグを折り畳んで多層状に構成したタイプを示す概略斜視図である。 本実施形態のプリプレグ層状材のうち、(a)円筒状の光透過性芯材の外周に寿司巻き状に形成したタイプ、(b)断面四角形状の光透過性芯材に寿司巻き状に形成したタイプを示す概略斜視図である。 本実施形態のプリプレグ層状材をのうち、(a)円筒状の光透過性芯材にスパイラル状に巻き付けたタイプ(b)特殊形状の光透過性芯材の上下に積層させたタイプを示す概略斜視図である。 本実施形態の柱状プリプレグ層状材に接着防止筒状フィルムを被覆した状態を示す概略斜視図である。 本実施形態の円盤状プリプレグ層状材に接着防止筒状フィルムを被覆した状態を示す概略平面図である。 本実施形態の内膜材と真空圧接用フィルム間の空気を、(a)吸引する前の状態、(b)吸引した後の状態を示す断面図である。 本実施形態の内膜材を、(a)3/4球形状、(b)マッシュルーム形状、および(c)皿形状に膨張させた状態を示す全体図である。
符号の説明
1,1A,1B,1C 繊維強化プラスチック製構造体
2 下部構造体
3 内膜材
4 下地材
5 押え板
6 ボルト
7 給気ブロワ
8 内膜材降下制限用ロープ
9 光硬化性プリプレグ
10 プリプレグ層状材
10a 柱状プリプレグ層状材
10b 円盤状プリプレグ層状材
11 接着防止筒状フィルム
12 真空圧接用フィルム
13 シール材
14 真空ポンプ
14a ガラスクロステープ
15 光硬化性樹脂
16 紫外線ランプ
17 外膜材
18 より線
19 固定ロープ
20 光透過性芯材
21 開口部
101a,101b 接着部

Claims (5)

  1. 下部構造体に取り付けた内膜材の内側に空気を送入し、この内膜材を所定の形状に膨張させる内膜材膨張工程と、
    1枚または複数枚の光硬化性プリプレグを層状に重ねてプリプレグ層状材を形成するプリプレグ層状材形成工程と、
    このプリプレグ層状材を前記内膜材の外表面に沿って配置するプリプレグ層状材配置工程と、
    前記内膜材および前記プリプレグ層状材の外側に光透過性の真空圧接用フィルムを密閉状態に被覆する真空圧接用フィルム被覆工程と、
    この真空圧接用フィルムと前記内膜材との間の空気を吸引して真空状態にすることにより、これら真空圧接用フィルムおよび前記内膜材によって前記プリプレグ層状材を内外から圧接し、これを構成する各光硬化性プリプレグ同士を圧接するプリプレグ真空圧接工程と、
    この圧接状態にあるプリプレグ層状材に光を照射して硬化させる光硬化工程と
    を有していることを特徴とする繊維強化プラスチック製構造体の製造方法。
  2. 請求項1において、プリプレグ層状材配置工程において使用するプリプレグ層状材は、光透過性芯材の外周に光硬化性プリプレグを積層または巻かれて層状に形成されていることを特徴とする繊維強化プラスチック製構造体の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2において、プリプレグ層状材を硬化させた後に、このプリプレグ層状材に接着した内膜材を剥離する内膜材剥離工程を有することを特徴とする繊維強化プラスチック製構造体の製造方法。
  4. 請求項1または請求項2において、プリプレグ層状材配置工程において使用するプリプレグ層状材のうち、少なくとも内膜材に接触する面を接着防止処理する接着防止処理工程を有することを特徴とする繊維強化プラスチック製構造体の製造方法。
  5. 請求項1または請求項2において、プリプレグ層状材配置工程において使用するプリプレグ層状材は、接着部以外の部分が光透過性の接着防止筒状フィルムによって被覆されていることを特徴とする繊維強化プラスチック製構造体の製造方法。
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