JP2005172173A - シリーズ型エンジンマウントおよびシリーズ型エンジンマウントの製造方法 - Google Patents

シリーズ型エンジンマウントおよびシリーズ型エンジンマウントの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 複数の車種において適用されることにより、各車種毎に要求される相互に異なる防振特性や製品価格等をそれぞれ高度に満足せしめつつ、全体として効率的に提供することの出来る、新規な構造のシリーズ型エンジンマウントを提供すること。
【解決手段】 振動が入力される受圧室36と容積可変の平衡室38に加えて、圧力変動を調節する調圧用ゴム板44で壁部の一部が構成された中間室70を形成し、受圧室36と平衡室38を低周波チューニングした第一オリフィス通路72で連通すると共に、中間室70と平衡室38を中周波チューニングした第二オリフィス通路74で連通し、更に、受圧室36と中間室70の間において圧力変動を制限的に伝達する圧力変動伝達手段56を設けてなる、新規且つ特性構造のマウント本体10を採用し、かかるマウント本体10に対して、互いに異なる付加的な三種類の選択組合せ要素を選択的に採用して組合せることで、互いに防振特性の異なるエンジンマウント100,200,300を、選択的に構成して提供するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数種類の自動車に適用されて、各種類の自動車において要求される互いに異なる防振特性を何れも高度に満足せしめ得る、新規な構造のシリーズ型エンジンマウントと、シリーズ型エンジンマウントの新規な製造方法に関するものである。
良く知られているように、自動車においては、良好な乗り心地や操縦安定性を得るために、パワーユニットを車両ボデーに対して防振支持するエンジンマウントが採用されている。
ところで、自動車用エンジンマウントに要求される防振特性は、パワーユニットに発生する振動や、車両ボデーの剛性、パワーユニットの支持特性、懸架系の振動特性、目的とする乗車感や走行性能、想定される走行条件などの他、車種毎に設定されるグレードの相違に応じた製品コストの条件などによっても、異なる。
そこで、このように車種やグレード毎に異なる要求特性に対応するために、従来では、多くの場合、自動車の種類(車種の相違だけでなくグレードの相違を含む)毎に別々に設計と製造を行っている。
しかしながら、自動車の種類毎にエンジンマウントの設計と製造を行うと、それに費やされる労力が多大であり、プレス金型やゴム加硫成形型等の製造設備も新たに必要になって製造コストも高くなることが避けられない。
しかも、要求特性が異なる度にエンジンマウントの設計と製造を行うことから、例えば新車種の開発段階や車種のマイナーモデルチェンジ等に伴う要求特性の変更に際して、速やかに対応することが難しいという問題もある。
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、複数種類の自動車において要求される互いに異なる防振特性を、それぞれ高度に且つ容易に実現することの出来る、新規な構造を有するシリーズ型エンジンマウントと、シリーズ型エンジンマウントの新規な製造方法を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(シリーズ型エンジンマウントに関する発明)
シリーズ型エンジンマウントに関する本発明の特徴とするところは、要求される防振特性が異なる複数種類の自動車用として、下記(A)記載のマウント本体に対して、下記(B−1),(B−2),(B−3)の何れかの選択組合せ構成を選択的に組み合わせた構成で提供するシリーズ型エンジンマウントにある。
(A)(a)相互に離隔配置されて、防振すべき部材にそれぞれ取り付けられる第一の取付部材および第二の取付部材と、(b)それら第一の取付部材と第二の取付部材を弾性連結する本体ゴム弾性体と、(c)該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる、非圧縮性流体が封入された受圧室と、(d)可撓性膜で壁部の一部が構成されて容積変化が許容される、非圧縮性流体が封入された平衡室と、(e)前記受圧室と前記平衡室を相互に連通する第一のオリフィス通路と、(f)非圧縮性流体が封入された中間室と、(g)前記第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニングされて、該中間室と前記平衡室を相互に連通する第二のオリフィス通路と、(h)前記受圧室と前記中間室の間に設けられて、制限的に許容される変位乃至は変形によって該受圧室と該中間室の間で圧力変動を制限的に伝達する圧力変動伝達手段と、(i)前記中間室の壁部の一部を構成するように配設されて、弾性変形により該中間室の圧力変動を調節する調圧用ゴム板と、(j)該調圧用ゴム板を挟んで、前記中間室と反対側に形成された作用空気室と、(k)該作用空気室に接続されて外部に開口するポートに連通せしめられた空気通路とを、有する流体封入式のマウント本体。
(B−1)前記ポートを、常時、大気中に解放せしめることにより、前記作用空気室に対して、常時、略大気圧が及ぼされるようにした第一の選択組合せ構成。
(B−2)前記ポートを、静的圧力切換バルブを介して、大気中と負圧源とに択一的に選択接続することにより、該静的圧力切換バルブの切換作動に基づいて、前記作用空気室の圧力を大気圧と負圧とに静的に変更設定することが出来るようにした第二の選択組合せ構成。
(B−3)前記ポートを、動的圧力切換バルブを介して、大気中と負圧源とに周期的に切換接続することにより、該動的圧力切換バルブの切換作動に基づいて、前記作用空気室の圧力を動的に調圧変更することが出来るようにした第三の選択組合せ構成。
このような本発明に従う構造とされたシリーズ型エンジンマウントにおいては、上記(A)の如き特定構造のエンジンマウント本体を採用したことにより、かかるエンジンマウント本体に対して、上記(B−1),(B−2),(B−3)の何れかの選択組合せ構成を択一的に選択して組合せることによって、エンジンマウント本体を同一としつつ、単に付加的に組み合わせられる構成を異ならせるだけで、複数種類の自動車におけるエンジンマウントに要求される互いに異なる防振特性を得ることが出来るのである。
しかも、第一の組合せ構成要素(B−1)の組合せで実現されるエンジンマウントの防振特性と、第二の組合せ構成要素(B−2)の組合せで実現されるエンジンマウントの防振特性と、第三の組合せ構成要素(B−2)の組合せで実現されるエンジンマウントの防振特性は、何れも、自動車用のエンジンマウントにおいて要求される複数の乃至は広い特定周波数域の振動に対する防振性能を有効に確保し得るものであることから、本発明によって提供されるシリーズ型エンジンマウントは、何れの組合せ構成要素を備えた態様においても、自動車用のエンジンマウントとして有効な防振性能を発揮し得るのである。
そして、このように、第一,第二,第三の何れかの組合せ構成要素を選択してマウント本体に組み合わせるだけで、提供されるエンジンマウントの防振特性を変更設定することが出来ることから、例えば自動車の試験などに際して速やかな防振特性の変更が要求される場合にも、容易に対応することが可能となるのである。
すなわち、上述の如き特定構造のマウント本体を採用したことにより、このマウント本体に対して第一の組合せ構成要素(B1)を組み合わせることによって提供されるエンジンマウントにおいては、圧力変動伝達手段と調圧用ゴム板の作用によって、振動入力時に受圧室に惹起される圧力変動の中間室への伝達特性や中間室の圧力吸収特性などを適当に設定することが出来るのであり、それによって、第一及び第二のオリフィス通路を通じての流体流動状態や中間室による受圧室の圧力変動吸収特性などを適当に調節して、複数の乃至は広い周波数域の振動に対して有効な防振効果を得ることが可能となる。特に、第一のオリフィス通路と第二のオリフィス通路が相互に異なる周波数域にチューニングされており、第一のオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づく防振効果と、第二のオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、互いに異なる周波数域の振動に対して有効な防振効果が発揮されるのであり、また、それら第一及び第二のオリフィス通路のチューニング周波数域よりも更に高周波数域の振動に対しては、受圧室に惹起される圧力が圧力変動伝達手段を通じて中間室に及ぼされて、この中間室の圧力が調圧用ゴム板の弾性変形で吸収され、作用空気室を通じて大気中に逃がされることにより、良好な防振性能が発揮されることとなる。
また、かかるマウント本体に対して第二の組合せ構成要素(B2)を組み合わせることによって提供されるエンジンマウントにおいては、ポートを大気中に接続して作用空気室に大気圧を及ぼしめたままの状態下では、上述の第一の組合せ構成要素(B1)を組み合わせて提供されるエンジンマウントと同様な防振効果が有効に発揮され得ることとなる。そして、それに加えて、ポートを負圧源に接続して作用空気室に静的な負圧を及ぼすことにより、調圧用ゴム板に負圧を及ぼして吸引による拘束力を及ぼすことが出来るのであり、その結果、調圧用ゴム板の弾性変位に起因する中間室の容積変化が抑えられることから、第二のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動量を一層有利に確保して、第二のオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用等に基づく防振効果の向上を図ることが可能となる。
更にまた、前述のマウント本体に対して第三の組合せ構成要素(B3)を組み合わせることによって提供されるエンジンマウントにおいては、ポートを通じて動的な空気圧変動を作用空気室に及ぼすことが可能となり、この作用空気室の空気圧変動を中間室を通じて受圧室に作用させることにより、中間室や受圧室の圧力変動を積極的に調節することが可能となる。それ故、例えば入力振動に応じた周波数と位相で受圧室の圧力変動を調節することにより、振動を相殺的に低減したり、受圧室の圧力を略零として低動ばね特性を実現したり、受圧室に積極的な圧力変動を生ぜしめて高減衰効果の向上を図ったりするなどといった、能動的な防振効果を得ることが可能となって、そのような能動的な防振効果を利用することで防振効果の更なる向上を図ることが可能となるのである。
なお、本態様において、圧力変動伝達手段は、例えば、調圧用ゴム板と同様に受圧室と中間室を仕切るゴム弾性膜を採用し、該ゴム弾性膜の一方の面に及ぼされる受圧室の圧力変動と他方の面に及ぼされる中間室の圧力変動との差に基づいて該ゴム弾性膜が弾性変形することに基づいて、受圧室から中間室への圧力変動の伝達を行うようにすることで、構成され得る。このようなゴム弾性膜では、ごむ弾性膜の弾性変形量を規制するプレート等の拘束部材を別途に設ける他、ゴム弾性膜それ自体の弾性に基づいて弾性変形量が制限されることによって、圧力変動の伝達が制限されるようにすることも出来る。また、かかる圧力変動伝達手段は、例えば、略板状の可動板部材を前記受圧室と前記中間室の間に位置して、板厚方向の変位量をプレート等の拘束部材で制限された状態で配設し、該可動板部材の一方の面に該受圧室の圧力が及ぼされると共に他方の面に該中間室の圧力が及ぼされるようにすることによって、構成することも可能である。
さらに、本態様において、作用空気室に接続される負圧源としては、負圧ポンプ等を利用することも可能であるが、好適には、自動車の内燃機関における吸気系に生ぜしめられる負圧を利用するように構成される。なお、内燃機関の吸気系における負圧変動を軽減乃至は解消するために、アキュムレータ等を用いても良い。
ところで、シリーズ型エンジンマウントに関する本発明においては、前記マウント本体として、次の構成に従うものが好適に採用され得る。
「前記第一のオリフィス通路がエンジンシェイク等の低周波大振幅振動にチューニングされており、該第一のオリフィス通路を通じて流動する流体の流動作用に基づいて低周波大振幅振動に対する防振効果が発揮されるようになっていると共に、前記圧力変動伝達手段がアイドリング振動等の中周波中振幅振動にチューニングされており、中周波中振幅振動に伴う前記受圧室の圧力変動は前記中間室に伝達するが低周波大振幅振動に伴う該受圧室の圧力変動は変位乃至は変形が制限されることによって該中間室に伝達しないで該受圧室から逃げないようにされている一方、前記第二のオリフィス通路が中周波中振幅振動にチューニングされており、該第二のオリフィス通路を通じて流動する流体の流動作用に基づいて中周波中振幅振動に対する防振効果が発揮されるようになっていると共に、前記調圧用ゴム板が走行こもり音等の高周波小振幅振動にチューニングされており、前記受圧室から前記圧力変動伝達手段を通じて前記中間室に及ぼされた高周波小振幅振動に伴う該中間室の圧力変動は吸収するが、同様にして該中間室に及ぼされた中周波中振幅振動に伴う該中間室の圧力変動は変形が制限されることによって吸収しないで該中間室から逃げないようにされているマウント本体。」
このような特定の構成を備えたマウント本体においては、第一,第二及び第三の何れの選択組合せ構成を採用した場合であっても、自動車用エンジンマウントにおいて特に防振性能が要求されるエンジンシェイクと走行こもり音、およびアイドリング振動に対して、何れも有効な防振効果を発揮し得る自動車用のエンジンマウントが有利に実現可能となる。
すなわち、低周波大振幅振動に対する防振効果が第一のオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて有効に発揮されることとなり、中周波中振幅振動に対する防振効果が第二のオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて有効に発揮されることとなり、高周波小振幅振動に対する防振効果が調圧用ゴム板の弾性変形に基づいて有効に発揮されることとなる。なお、高周波小振幅振動に対する防振効果は、例えば、空気室に大気圧を及ぼしめた状態下で調圧用ゴム板の弾性変形に基づく液圧吸収作用による低動ばね効果として発揮される受動的な防振効果を利用する他、第三の選択組合せ構成(B−3)を採用することによって、例えば、空気室に対して振動に対応した空気圧変動を及ぼすことにより調圧用ゴム板の加振による弾性変形に基づいて能動的な防振効果を得ることも可能となる。
また、シリーズ型エンジンマウントに関する本発明においては、前記マウント本体として、次の構成に従うものが好適に採用され得る。
「前記第二の取付部材を筒体形状とし、該第二の取付部材の一方の開口部側に前記第一の取付部材を離隔配置せしめて、それら第一の取付部材と第二の取付部材を前記本体ゴム弾性体で連結することにより該第二の取付部材の一方の開口部を流体密に覆蓋すると共に、該第二の取付部材の軸方向他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に覆蓋する一方、該第二の取付部材によって支持せしめた仕切部材を該本体ゴム弾性体と該可撓性膜の対向面間に配設して、該仕切部材と該本体ゴム弾性体の対向面間に前記受圧室を形成すると共に、該仕切部材と該可撓性膜の対向面間に前記平衡室を形成し、更に、該仕切部材の内部に前記中間室を形成すると共に、該中間室と該平衡室の間に前記作用空気室を形成し、該中間室と該受圧室の間の隔壁部分に該圧力変動伝達手段を設けると共に、該中間室と該作用空気室の間の隔壁を前記調圧用ゴム板を利用して構成する一方、該仕切部材を利用して前記第一のオリフィス通路および前記第二のオリフィス通路を形成したマウント本体。」
このような特定の構成を備えたマウント本体は、筒体形状を有する第二の取付部材の中心軸方向において、受圧室,中間室,作用空気室,平衡室および圧力変動伝達手段,調圧用ゴム板を、互いに略直列的に配列せしめて、良好なスペース効率をもって形成することが出来る。それ故、かかるマウント本体に対して第一,第二及び第三の何れの選択組合せ構成を組み合わせた場合であっても、本発明に従う構造とされたシリーズ型エンジンマウントが、全体としてコンパクトに実現可能となるのである。
また、本発明に従う構造とされたシリーズ型エンジンマウントでは、前記(B−2)に記載の第二の選択組合せ構成において、前記静的圧力切換バルブが自動車の走行時とアイドリング時とで切換作動せしめられるようにした構成が好適に採用される。
このような本態様においては、作用空気室に対して自動車の走行時に大気圧を及ぼす一方、自動車の停車時に負圧を及ぼすことが出来、それによって、走行時には、受圧室から中間室の圧力変動を調圧用ゴム板の弾性変形で吸収することにより低動ばね作用に基づく走行こもり音等の高周波小振幅振動に対する防振効果を有利に得ることが出来る一方、停車時には、受圧室から中間室に及ぼされる圧力変動の調圧用ゴム板による吸収を抑えて、第二のオリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の流動量を十分に確保することによりかかる流体の流動作用に基づくアイドリング振動等の中周波中振幅振動に対する防振効果を有利に得ることが出来る。
また、本発明に従う構造とされたシリーズ型エンジンマウントでは、前記(B−3)に記載の第三の選択組合せ構成において、前記動的圧力切換バルブが防振すべき振動周波数に応じた周期で大気中と負圧源とに切換接続されるようにした構成が好適に採用される。
このような本態様においては、作用空気室に大気圧と負圧を利用した空気圧変動を及ぼして、受圧室や中間室の圧力を、防振すべき振動に応じて動的に調圧することが出来るのであり、それによって、複数の乃至は広い周波数域の振動に対して、能動的な防振効果を得ることが可能となるのである。
(シリーズ型エンジンマウントの製造方法に関する発明)
シリーズ型エンジンマウントの製造方法に関する本発明の特徴とするところは、要求される防振特性が異なる複数種類の自動車に提供されるシリーズ型エンジンマウントの製造方法であって、(i)下記(A)記載のマウント本体を製造して準備するマウント本体準備工程と、(ii) 下記(B−1),(B−2),(B−3)の中から、要求される防振性能に適合する組合せ構成を何れか一つ選択する組合せ選択工程と、(iii) 前記マウント本体準備工程で製造した前記マウント本体に対して、前記組合せ選択工程において(B−1),(B−2),(B−3)の中から選択した何れかの選択組合せ構成を組み合わせることにより、製品としてのエンジンマウントを提供する工程とを、含むシリーズ型エンジンマウントの製造方法にある。
(A)(a)相互に離隔配置されて、防振すべき部材にそれぞれ取り付けられる第一の取付部材および第二の取付部材と、(b)それら第一の取付部材と第二の取付部材を弾性連結する本体ゴム弾性体と、(c)該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる、非圧縮性流体が封入された受圧室と、(d)可撓性膜で壁部の一部が構成されて容積変化が許容される、非圧縮性流体が封入された平衡室と、(e)前記受圧室と前記平衡室を相互に連通する第一のオリフィス通路と、(f)非圧縮性流体が封入された中間室と、(g)前記第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニングされて、該中間室と前記平衡室を相互に連通する第二のオリフィス通路と、(h)前記受圧室と前記中間室の間に設けられて、制限的に許容される変位乃至は変形によって該受圧室と該中間室の間で圧力変動を制限的に伝達する圧力変動伝達手段と、(i)前記中間室の壁部の一部を構成するように配設されて、弾性変形により該中間室の圧力変動を調節する調圧用ゴム板と、(j)該調圧用ゴム板を挟んで、前記中間室と反対側に形成された作用空気室と、(k)該作用空気室に接続されて外部に開口するポートに連通せしめられた空気通路とを、有する流体封入式のマウント本体。
(B−1)前記ポートを、常時、大気中に解放せしめることにより、前記作用空気室に対して、常時、略大気圧が及ぼされるようにした第一の選択組合せ構成。
(B−2)前記ポートを、静的圧力切換バルブを介して、大気中と負圧源とに択一的に選択接続することにより、該静的圧力切換バルブの切換作動に基づいて、前記作用空気室の圧力を大気圧と負圧とに静的に変更設定することが出来るようにした第二の選択組合せ構成。
(B−3)前記ポートを、動的圧力切換バルブを介して、大気中と負圧源とに周期的に切換接続することにより、該動的圧力切換バルブの切換作動に基づいて、前記作用空気室の圧力を動的に調圧変更することが出来るようにした第三の選択組合せ構成。
このような本発明方法に従えば、上記(A)の如き特定構造のエンジンマウント本体を採用したことにより、かかるエンジンマウント本体に対して、上記(B−1),(B−2),(B−3)の何れかの選択組合せ構成を択一的に選択して組合せることによって、エンジンマウント本体を同一としつつ、単に付加的に組み合わせられる構成を異ならせるだけで、提供されるエンジンマウントの防振特性を変更設定することが出来る。それ故、複数種類の自動車に装着される、互いに要求特性の異なるエンジンマウントをそれぞれ有利に且つ効率的に提供することが出来るのであり、例えば自動車の試験などに際して速やかな防振特性の変更が要求される場合にも、容易に対応することが可能となるのである。
上述の説明からも明らかなように、シリーズ型エンジジンマウントおよびシリーズ型エンジンマウントの製造方法に関する本発明においては、何れも、前述の如き特定構造のマウント本体を採用したことにより、かかるマウント本体に対して付加的に装着する選択組合せ構成を、予定された第一,第二,第三の計3つの中から選択的に採用するだけで、防振特性や製造コストを相互に異ならせたエンジンマウントを、何れも、容易に提供することが出来るのである。しかも、特定構造のマウント本体を採用しているが故に、何れの選択組合せ構成を採用し場合でも、自動車用エンジンマウントにおいて要求される複数の乃至は広い周波数域の振動に対して封入流体の流動作用にもつ具有効な防振効果を得ることが出来るのであり、十分に性能の高いエンジンマウントが、極めて高いコスト性能をもって効率的に提供可能となるのである。
従って、このような本発明に従えば、複数種類の自動車に装着される、互いに要求特性の異なるエンジンマウントを、それぞれに要求される防振特性を高度に満足せしめつつ、優れた製品コストをもって提供することが可能となるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1〜3には、本発明の第一の実施形態としての自動車用のエンジンマウントを構成するマウント本体10が示されている。このマウント本体10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が離隔配置されていると共に、それら第一の取付金具12と第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で弾性連結された構造を有しており、図示はされていないが公知のエンジンマウントと同様に、第一の取付金具12が自動車のパワーユニット側に取り付けられる一方、第二の取付金具14が自動車のボデー側に取り付けられることによって、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、防振すべき主たる振動の略入力方向となる図1中の上下方向をいうものとする。
より詳細には、第一の取付金具12は、略逆円錐台形状を有しており、その大径側端部には、軸方向上方に向かって突出するナット部15が一体形成されている。そして、ナット部15に螺着される図示しないボルトにより、第一の取付金具12がパワーユニット側に取り付けられるようになっている。
また、第一の取付金具12には、本体ゴム弾性体16が加硫接着されている。かかる本体ゴム弾性体16は、下方に向かって拡径する全体として大径の略円錐台形状を呈していると共に、大径側端面に開口する逆すり鉢形状の凹部18を有している。そして、本体ゴム弾性体16の小径側端面から第一の取付金具12が軸方向下方に差し込まれた状態で、第一の取付金具12が本体ゴム弾性体16と同一中心軸上に配されて加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面には、大径円筒形状の金属スリーブ20が重ね合わされて加硫接着されている。
一方、第二の取付金具14は、大径の略段付き円筒形状を有しており、軸方向中間部分に形成された段差部24を挟んで、軸方向上部が大径部26とされていると共に、軸方向下部が小径部28とされている。また、これら大径部26および小径部28の内周面には、それぞれ、略全面を覆う薄肉のシールゴム層30が設けられて加硫接着されていると共に、小径部28側の開口部には、薄肉の弛みをもった略円板形状を有する薄肉ゴム膜からなるダイヤフラム32が配されており、このダイヤフラム32の外周縁部が第二の取付金具14の開口周縁部に加硫接着されることによって、第二の取付金具14の下側開口部が流体密に閉塞されている。なお、本実施形態では、ダイヤフラム32が、シールゴム層30と一体成形されており、かかるダイヤフラム32によって可撓性膜が構成されている。
そして、第二の取付金具14は、その大径部26が金属スリーブ20に外挿されて、圧入や絞り加工等で嵌着固定されることによって、本体ゴム弾性体16の外周面に固着されている。これにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14が、防振すべき振動の主たる入力方向に延びる略同一の中心軸上に位置するようにして、相互に離間して配設されており、本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。また、第二の取付金具14の大径部26が本体ゴム弾性体16に固着されることにより、第二の取付金具14の上側開口部が本体ゴム弾性体16によって流体密に閉塞されている。
さらに、第二の取付金具14には、一回り大きな略有底円筒形状を有するブラケット31が被せられて固定的に組み付けられている。このブラケット31の外周面には、軸方向下方に延び出す複数の脚部33が溶着されており、これらの脚部33が、図示しない自動車のボデーに対してボルト固定されることにより、第二の取付金具14が車両ボデーに対して固定的に取り付けられるようになっている。なお、ブラケット31の底壁部とダイヤフラム32の間には、ダイヤフラム32の膨出変形を許容する十分な容積の空間が形成されていると共に、この空間は、ブラケット31の底壁部に貫設された通孔によって大気中に解放されている。また、ブラケット31の上側開口部には軸方向上方に向かって延びる円筒形状のストッパ金具がかしめ固定されており、このストッパ金具と第一の取付金具12の相対的な当接により、第一の取付金具12と第二の取付金具14の軸方向離隔方向(リバウンド方向)の相対変位量が緩衝的に制限されるようになっている。
また、第二の取付金具14には、その小径部28に仕切部材34が収容されており、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム32の対向面間に配されている。この仕切部材34は、金属や合成樹脂等の硬質材で形成されており、略厚肉円板状のブロック形状を有している。そして、かかる仕切部材34は、第二の取付金具14の小径部28に嵌め込まれて、小径部28への圧入組付けや、小径部28の絞り加工等によって、その円筒状外周面が、小径部28に対して、シールゴム層30を挟んで流体密に固定されている。このように仕切部材34が第二の取付金具14内に組み付けられることによって、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム32の対向面間に形成されて、外部空間に対して密閉された領域が、仕切部材34によって流体密に二分されており、以て、仕切部材34の上側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成された受圧室としての主液室36が形成されている一方、仕切部材34の下側には、壁部の一部がダイヤフラム32で構成されて、該ダイヤフラム32の変形に基づいて容積変化が容易に許容される平衡室38が形成されている。
そして、これら主液室36と平衡室38には、それぞれ、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等の非圧縮性流体が充填されて封入されている。特に、本実施形態では、後述する流体の共振作用に基づく防振効果を有利に得るために、0.1Pa・s以下の粘度を有する低粘性流体が好適に採用される。なお、仕切部材34の軸方向下端面には、中央部分に開口する下側凹所39が形成されており、平衡室38の容積がこの下側凹所39で有利に確保されるようになっている。
また、仕切部材34には、上面中央に開口する円形の中央凹所40が形成されている。そして、所定厚さの円板形状を有する調圧用ゴム板としてのゴム弾性板44が、中央凹所40に配設されている。ゴム弾性板44の外周面には嵌着リング43が加硫接着されており、この嵌着リング43が中央凹所40に圧入固定されることにより、ゴム弾性板44が、中央凹所40の底部近くで軸直角方向に広がるようにして配されている。これにより、中央凹所40の底部近くがゴム弾性板44によって流体密に仕切られており、以て、中央凹所40内の底部には、ゴム弾性板44と中央凹所40の底面の間に、主液室36や平衡室38から流体密に仕切られた空気室としての作用空気室50が形成されている。
更にまた、仕切部材34には空気通路52が形成されており、この空気通路52の一方の開口端部が作用空気室50に開口連通せしめられている一方、空気通路52の他方の端部が、仕切部材34の外周面に形成されたポートしての円筒形状のポート部53において開口せしめられている。また、かかるポート部53は、第二の取付金具14とブラケット31の各筒壁部に設けられた貫通窓を通じて外部に露出せしめられている。そして、後述するように、このポート部53に対して適当な選択組合せ構成を組み付けることにより、空気通路52を通じて作用空気室50の圧力を外部から調節等することができるようになっている。
さらに、仕切部材34の上端面には、圧力変動伝達手段としての圧力変動伝達機構56が組み付けられている。この圧力変動伝達機構56は、上下の支持板金具58,60と、可動板部材としての可動板ゴム62を含んで構成されている。即ち、略円板形状を有する薄肉の下支持板金具60の上に、略ハット形状を有する薄肉の上支持板金具58が重ね合わされて、上支持板金具58の下側開口が下支持板金具60で覆蓋されることによって、内部に拘束配設領域が形成された拘束支持ハウジングが形成されている。なお、上下の支持板金具58,60には、拘束配設領域の上下壁部を構成する各中央部分において、板厚方向に貫通する複数の連通孔68が形成されている。
そして、この拘束支持ハウジングの拘束配設領域内に、略円板形状を有する可動板ゴム62が収容配置されている。可動板ゴム62は、その肉厚寸法が拘束配設領域の上下内法寸法よりも小さく、且つその外形寸法が拘束配設領域の径方向内法寸法よりも小さくされていることにより、拘束配設領域内で上下方向に変位可能とされているが、上下の支持板金具58,60に当接することにより、その軸方向(厚さ方向)での変位量が所定量に制限されるようになっている。
このような構造とされた圧力変動伝達機構56は、仕切部材34の上端面に重ね合わされており、相互に密着して重ね合わされた上下の支持金具58,60の外周縁部が、仕切部材34の上端面に対して密着状態でボルト固定されている。これにより、仕切部材34の中央凹所40の開口部が、圧力変動伝達機構56で覆蓋された状態となっており、可動板ゴム62が収容された拘束配設領域の形成部分が中央凹所40の開口部に位置決めされている。
これにより、圧力変動伝達機構56が、主液室36の壁部の一部を構成しており、かかる圧力変動伝達機構56を挟んで主液室36と反対側には、中央凹所40内において、中間室70が形成されている。即ち、この中間室70は、中央凹所40内で、圧力変動伝達機構56とゴム弾性板44の対向面間に形成されており、その内部には、主液室36と同様に非圧縮性流体が封入されている。そして、圧力変動伝達機構56における拘束配設領域内で可動板ゴム62が板厚方向に変位せしめられることにより、上下の支持板金具58,60の連通孔68を通じての流体流動に基づいて、主液室36と中間室68の間で、圧力の伝達が行われるようになっている。ここにおいて、かかる圧力伝達量は、可動板ゴム62の変位量が上下の支持板金具58,60に対する当接に伴う変位拘束で制限されるようになっている。
さらに、仕切部材34には、第一のオリフィス通路72と第二のオリフィス通路74が形成されている。第一のオリフィス通路72は、仕切部材34の外周面に開口して周方向に一周弱の長さで延びる周溝を第二の取付金具14で流体密に覆蓋し、その一方の周方向端部を上方に開口させて主液室36に連通せしめると共に、他方の周方向端部を下方に開口させて平衡室38に連通せしめることによって形成されている。即ち、第一のオリフィス通路72によって、主液室36と平衡室38が相互に接続されており、それら両室36,38間で、第一のオリフィス通路72を通じての流体流動が許容されるようになっている。
また一方、第二のオリフィス通路74は、仕切部材34の外周面に開口して軸方向中間部分から下端部に至る長さで軸方向に延びる凹溝を第二の取付金具14で流体密に覆蓋し、その上端部をトンネル状に内方に延び出させて中間室70に連通せしめると共に、下端部を下方に開口させて平衡室38に連通せしめることによって形成されている。即ち、第二のオリフィス通路74によって、中間室70と平衡室38が相互に接続されており、それら両室70,38間で、第二のオリフィス通路72を通じての流体流動が許容されるようになっている。
特に本実施携帯では、第一のオリフィス通路72が、エンジンシェイク等に相当する10Hz前後の低周波数域にチューニングされている。これにより、低周波数域の入力振動に対して、第一のオリフィス通路74を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるようになっている。
また、本実施形態では、第二のオリフィス通路74が、アイドリング振動等に相当する20〜40Hz程度の中周波数域にチューニングされている。そして、中周波数域の振動入力時に、第二のオリフィス通路74を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて有効な防振効果(低動ばねによる振動絶縁効果)が発揮されるようになっている。
なお、第一及び第二のオリフィス通路72,74のチューニングは、例えば、主液室36や平衡室38,中間室70の各壁ばね剛性(単位容積だけ変化させるのに必要な圧力変化量に対応する特性値)等を考慮しつつ、それぞれのオリフィス通路72,74の通路長さと通路断面積を調節することによって行うことが可能であり、一般に、オリフィス通路72,74を通じて伝達される圧力変動の位相が変化して略共振状態となる周波数を、当該オリフィス通路72,74のチューニング周波数として把握することが出来る。
上述の如き構造とされたマウント本体10を自動車に装着してエンジンマウントとして用いるに際しては、要求される防振特性や製品コスト等に応じて、第一,第二,第三の何れかの選択組合せ構成が選択採用されて、かかる採用された選択組合せ構成を備えた構造のマウント本体10によって、目的とするエンジンマウントが提供されるようになっている。
ここにおいて、第一の選択組合せ構成を採用した構成が、図1に示すエンジンマウント100であり、第二の選択組合せ構成を採用した構成が、図4に示すエンジンマウント200であり、第三の選択組合せ構成を採用した構成が、図5に示すエンジンマウント300ある。
図1に示されたエンジンマウント100においては、第一の選択組合せ構成として、仕切部材34に形成された空気通路52のポート部53を、常時、外部空間に対して開口せしめた構成が採用されており、かかる第一の選択組合せ構成により、該ポート部53を通じて作用空気室52には、常時、大気圧が及ぼされて大気圧に調節されるようになっている。
このような第一の選択組合せ構成を採用したエンジンマウント100の概略構成をモデル的に表したものが、図6である。かかるエンジンマウント100における一つの具体的な作動態様について説明する。即ち、防振すべき振動として、(I)低周波大振幅振動であるエンジンシェイクと、(II) 中周波中振幅振動であるアイドリング振動、(III)高周波小振幅振動である走行こもり音の3種類の振動を考慮することとし、各振動に対する防振効果を以下に説明する。
(I)エンジンシェイクに対する防振効果
エンジンシェイク等の低周波大振幅振動の入力時には、主液室36に対して大きな振幅の圧力変動が惹起されることとなる。この圧力変動に際して圧力変動伝達機構56の可動板ゴム62が変位するが、可動板ゴム62の拘束された可動距離範囲の変位では主液室36の圧力変動が有効には吸収され得ないように、可動板ゴム62の可動距離が設定されている。これにより、圧力変動伝達機構56は実質的に機能し得ず、主液室36の圧力変動は中間室70には有効に伝達されないこととなる。
従って、低周波大振幅振動の入力に際しては、圧力変動伝達機構56や中間室70は、殆ど機能し得ないこととなり、勿論、第二のオリフィス通路74を通じての流体流動も殆ど発生しない。この状態下におけるエンジンマウント100の機能的構成をモデル的に示したのが、図7である。
すなわち、かかる状態下では、振動が入力される主液室36と容積可変の平衡室38が、低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路72を通じて接続された構成となる。それ故、振動入力時に主液室36と平衡室38の間に生ぜしめられる相対的な圧力変動により第一のオリフィス通路72を通じての流体流動量が効果的に確保され得て、第一のオリフィス通路を72を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、エンジンシェイクに対して有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるのである。なお、低周波大振幅振動に対する防振効果に関しては、中間室70の作用が殆どない。
因みに、低周波大振幅振動であるエンジンシェイクの領域における防振特性として、エンジンマウント100における絶対ばね定数:K1と減衰係数:C1の値を、図8に示しておく。かかる図からも、特にシェイク領域において大きな減衰係数:C1の値が発揮されることが認められる。
(II) アイドリング振動に対する防振効果
アイドリング振動等の中周波中振幅振動の入力時には、主液室36に対して或る程度の振幅の圧力変動が惹起されることとなる。この圧力変動に際して圧力変動伝達機構56の可動板ゴム62は有効に変位して、可動板ゴム62の可動距離範囲の変位によって、主液室36の圧力変動が中間室70に対して効率的に伝達されるようになっている。要するに、中周波中振幅振動の入力時には、圧力変動伝達機構56が有効に機能し得て、主液室36の圧力が伝達される中間室70において、有効な圧力変動が惹起されることとなる。
なお、中周波中振幅振動の入力に際して、それよりも低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路72は、反共振的な作用によって流体流通抵抗が著しく大きくなって、実質的に閉塞状態とされる。この状態下におけるエンジンマウント100の機能的構成をモデル的に示したのが、図9である。
すなわち、かかる状態下では、主液室36と同様に有効な圧力変動が惹起される中間室70と容積可変の平衡室38が、中周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路74を通じて接続された構成となる。それ故、振動入力時に主液室36および中間室70と平衡室38の間に生ぜしめられる相対的な圧力変動により第二のオリフィス通路74を通じての流体流動量が効果的に確保され得て、第二のオリフィス通路を74を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、エンジンシェイクに対して有効な防振効果(低動ばね作用に基づく振動絶縁効果)が発揮されるのである。
因みに中周波中振幅振動であるアイドリング振動の領域における防振特性として、エンジンマウント100における絶対ばね定数:K2と減衰係数:C2の値を、図8に示しておく。かかる図からも、特にアイドリング振動周波数域で、低動ばね特性が有効に発揮されて良好な防振性能の発揮され得ることが認められる。
(III)走行こもり音等に対する防振効果
走行こもり音等の高周波小振幅振動の入力時には、主液室36に対して小さな振幅の圧力変動が惹起されることとなる。この圧力変動に際しても圧力変動伝達機構56の可動板ゴム62は有効に変位して、可動板ゴム62の可動距離範囲の変位によって、主液室36の圧力変動が中間室70に対して効率的に伝達されるようになっている。要するに、高周波小振幅振動の入力時には、圧力変動伝達機構56が有効に機能し得て、主液室36の圧力が中間室70に伝達されて逃がされることとなる。
なお、高周波小振幅振動の入力に際して、それよりも低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路72や第二のオリフィス通路74は、何れも、反共振的な作用によって流体流通抵抗が著しく大きくなって、実質的に閉塞状態とされる。この状態下におけるエンジンマウント100の機能的構成をモデル的に示したのが、図10である。
すなわち、かかる状態下では、主液室36とその圧力が逃がされた中間室70は、何れも、平衡室38から独立した遮断状態となるが、中間室70の壁部の一部を構成するゴム弾性板44は、その背後に形成された作用空気室50が大気中78に解放されていることにより、弾性変形が比較的容易に許容された状態とされる。特に、このゴム弾性板44は、走行こもり音等の高周波小振幅振動の入力時に惹起される中間室70の圧力変動の程度は、その弾性変形に基づいて十分に吸収せしめ得る程度に柔らかいばね特性が設定されている。
それ故、振動入力時に主液室36から中間室70に逃がされた圧力変動が、中間室70において、ゴム弾性板44の弾性変形に基づいて吸収されて消失されることとなるのであり、その結果、第一及び第二のオリフィス通路72,74の実質的な閉塞化に起因する高動ばね化が軽減乃至は回避されて、高周波小振幅振動に対する良好な防振効果(低動ばね特性に基づく振動絶縁効果)が発揮されるのである。
なお、高周波小振幅振動である走行時こもり音の領域における防振特性として、作用空気室50が大気中78に接続されたエンジンマウント100における絶対ばね定数:K2と減衰係数:C2の値は、図8に示されたとおりである。かかる図に示されているように、第一及び第二のオリフィス通路72,74のチューニング周波数を超えた高周波数域での反共振作用等に起因する高動ばね化が抑えられていることが認められる。
従って、上述の如き構造とされた、図1に示されたエンジンマウント100においては、前述の如き特定構造とされたマウント本体10からなる構造とされることによって、自動車の走行状態下で問題となるエンジンシェイクと走行こもり音の何れに対しても良好な防振効果が発揮されると共に、自動車の停車状態下で問題となるアイドリング振動に対しても良好な防振効果が発揮され得るのである。そして、特に、かかるエンジンマウント100においては、自動車への装着に際して特別なアクチュエータや外部の駆動源を付加装着する必要もないことから、構造が簡単で製品コストが安く、コンパクトに提供されるという、大きな利点がある。
次に、前述の如き本実施形態のマウント本体10に対して第二の選択組合せ構成を付加して採用した、図4に示すエンジンマウント200においては、第二の選択組合せ構成として、静的圧力切換手段201を備えており、この静的圧力切換手段201により、作用空気室50の圧力が調節可能とされている。かかる静的圧力切換手段201は、マウント本体10の仕切部材34に形成された空気通路52に対して、外部から外嵌固定されて接続される空気管路204を備えている。この分岐管路204は、二つの分岐されており、空気通路52から延び出して分岐せしめられた一つの分岐管路が大気中206に開口せしめられている一方、他方の分岐管路が負圧源208に接続されている。また、空気管路204の分岐部分には静的切換バルブ202が配設されており、この静的切換バルブ202の切換作動に基づいて、作用空気室50が、大気中206と負圧源208とに択一的に接続されるようになっている。
特に、本実施形態では、かかる静的切換バルブ202の切換作動が、図示しない制御装置により、例えば速度センサやエンジン回転数センサ等の自動車の状態を検出するセンサによる検出信号に基づいて作動制御されるようになっている。
このような第二の選択組合せ構成を採用したエンジンマウント200の概略構成をモデル的に表したものが、図11である。かかるエンジンマウント200における一つの具体的な作動態様について説明する。即ち、防振すべき振動として、上述の第一の選択組合せ構成を採用したエンジンマウント100と比較的しつつ説明するために、(I)低周波大振幅振動であるエンジンシェイクと、(II) 中周波中振幅振動であるアイドリング振動、(III)高周波小振幅振動である走行こもり音の3種類の振動を考慮することとし、各振動に対する防振効果を以下に説明する。
(I)エンジンシェイクに対する防振効果
エンジンシェイク等の低周波大振幅振動の入力時には圧力変動伝達機構56や中間室70は、殆ど機能し得ないことから、エンジンマウント200の機能的構成をモデル的に示すと、第一の選択組合せ構成を採用したエンジンマウント100と同じとなり、図7に示される通りである。その防振特性も、図8中に減衰係数:C1で示されるようになり、低周波第振幅に対して有効な受動的防振効果が、上述のエンジンマウント100と同様に発揮され得る。
(II) アイドリング振動に対する防振効果
アイドリング振動等の中周波中振幅振動の入力時には、必要に応じて、切換バルブ202が切換作動せしめられて、作用空気室50に対して負圧208が及ぼされる。即ち、作用空気室50が大気中206に接続されて大気圧が及ぼされた状態下では、実質的に第一の選択組合せ構成を採用したエンジンマウント100と同じとなり、その機能的構成をモデル的に示すと、図9に示される通りである。一方、作用空気室50が負圧源208に接続されて負圧が及ぼされた状態下では、かかる負圧がゴム弾性板44に作用せしめられて、該ゴム弾性板44が引張変形せしめられることとなる。
ここにおいて、作用空気室50が大気中206に接続されている場合と負圧源208に接続されている場合とで、中間室70の壁部を構成するゴム弾性板44のばね特性が変化する。即ち、作用空気室50を大気中206に接続した状態下では、図9に示されているように、ゴム弾性板44が非拘束状態とされて、柔らかいばね特性が発揮される一方、作用空気室50を負圧源208に接続した状態下では、図12にモデル的に示されているように、ゴム弾性板44が作用空気室50側に負圧吸引変形されたり、更に強く吸引されてゴム弾性板44が中央凹所40の底面に重ね合わされることによって変形拘束されて硬いばね剛性が発揮される。このため、作用空気室50が大気中206に接続されている場合と負圧源208に接続されている場合では、中間室70の壁ばね剛性が異なり、その結果、第二のオリフィス通路74のチューニング周波数が変化して、有効な防振効果が発揮される周波数が変化する。
なお、このことから明らかなように、ゴム弾性板44のばね特性は、ダイヤフラム32ほどには柔らかくなく、その弾性変形に基づいてアイドリング振動等の中周波中振幅の振動の入力時に惹起される中間室70の圧力変動は吸収し得ずに中間室70に対して、第二のオリフィス通路74を通じての流体流動を生ぜしめ得るに十分な圧力変動が惹起され得る程度のばね剛性を有している。
従って、例えば通常のアイドリング状態と、始動時やエアコン作動時等のファートアイドリング状態とで、切換バルブ206を切り換えて、作用空気室50を大気中206と負圧源208とに選択的に接続することにより、中周波数域の領域でも数Hz〜数十Hzの範囲で周波数の異なるアイドリング振動に対して、より高度に第二のオリフィス通路74をチューニングさせて、一層優れた防振効果を得ることが可能となるのである。
因みに中周波中振幅振動であるアイドリング振動の領域における防振特性として、作用空気室50を大気中206に接続せしめた状態下での絶対ばね定数:K2と減衰係数:C2の値と、作用空気室50を負圧源208に接続せしめた状態下での絶対ばね定数:K3と減衰係数:C3の値を、図8に示しておく。かかる図からも、作用空気室50を大気中206と負圧源208に切り換えることによって、アイドリング振動周波数域で、低動ばね特性が最も有効に発揮される周波数が変更調節されて、有効な防振効果が発揮され得ることが認められる。
尤も、このようにアイドリング振動の発生周波数域で、停車状態下における車両状態(例えば、エアコンのON/OFF等)に応じて切換バルブ76を切換作動させて第二のオリフィス通路74のチューニングを変更設定することは、本発明において必須ではない。例えば、アイドリング振動の変化量が比較的小さい場合等においては、アイドリング状態下で、常時、作用空気室50が負圧源208に接続されるようにして、かかる状態下で、第二のオリフィス通路74が、アイドリング振動に対して有効な防振効果を発揮し得るようにチューニングしておくことにより、有効な防振効果を得ることが可能である。因みに、そのようなチューニングを施したもののアイドリング状態下での防振特性として、絶対ばね定数:K4の値を、図8に示しておく。
(III)走行こもり音等に対する防振効果
走行こもり音等の高周波小振幅振動の入力時には、作用空気室50に対して大気圧206を及ぼすことにより、圧力変動伝達機構56が有効に機能し得て、主液室36の圧力が中間室70に伝達されてゴム弾性板44の弾性変形に基づいて逃がされることとなる。それ故、かかる状態下でのエンジンマウント200の機能的構成をモデル的に示すと、第一の選択組合せ構成を採用したエンジンマウント100と同じとなり、図10に示される通りである。その防振特性も、図8に示される絶対ばね定数:K2のとおりとなり、高周波小振幅に対して有効な受動的防振効果が、上述のエンジンマウント100と同様に発揮され得る。
従って、上述の如き第二の選択組合せ構成201を採用した、図4に示されたエンジンマウント200においては、前述の第一の選択組合せ構成を採用したエンジンマウント100に比して、自動車の走行状態に応じて防振特性をより一層適合させて変更設定することが出来るのであり、それによって、入力される振動、特にアイドリング振動に対して、一層優れた防振性能が発揮され得るのである。
続いて、前述の如き本実施形態のマウント本体10に対して第三の選択組合せ構成を付加して採用した、図5に示すエンジンマウント300においては、第三の選択組合せ構成として、動的圧力切換手段301を備えており、この静的圧力切換手段301により、作用空気室50の圧力が、入力すべき振動に対応して動的に制御可能とされている。かかる動的圧力切換手段301は、マウント本体10の仕切部材34に形成された空気通路52に対して、外部から外嵌固定されて接続される空気管路304を備えている。この分岐管路304は、二つに分岐されており、空気通路52から延び出して分岐せしめられた一つの分岐管路が大気中306に開口せしめられている一方、他方の分岐管路が負圧源308に接続されている。また、空気管路304の分岐部分には動的切換バルブ302が配設されており、この動的切換バルブ302の切換作動に基づいて、作用空気室50が、大気中306と負圧源308とに択一的に接続されるようになっている。
特に、本実施形態では、かかる動的切換バルブ302の切換作動が、図示しない制御装置により、例えば自動車用エンジンを構成する内燃機関の点火パルス信号を参照して、点火タイミングに対応した周波数と適当な位相をもって作動制御されるようになっている。
このような第三の選択組合せ構成を採用したエンジンマウント300の概略構成をモデル的に表したものが、図13である。即ち、第二の選択組合せ構成をモデル的に示した図11において、静的切換バルブ202に代えて動的切換バルブ303を採用することによって、第三の選択組合せ構成を採用したエンジンマウント300が実現可能となる。
そして、この動的切換バルブ303を、例えば車両停車時におけるアイドリング振動や、走行時における走行こもり音等、防振すべき振動の周波数と位相に対応した周期と位相で切換作動させて、ゴム弾性板44を加振することにより、中間室70の背後に形成された作用空気室50に対して、外部から動的な空気圧変動100が及ぼされるようになっている。なお、この空気圧変動は、上述の如く、点火パルス等の防振すべき振動に対応した位相を有する制御用振動を用いて制御装置により動的切換バルブ302の制御信号を生成し、動的切換バルブ302を高速で切換作動させて、作用空気室50を大気中78と負圧源80とに交互に切換接続することなどによって及ぼすことが可能である。なお、負圧源208としては、第二の選択組合せ構成を採用したエンジンマウント200においても同様に、負圧ポンプの他、自動車の内燃機関における吸気系に生ぜしめられる負圧を利用することが可能であり、かかる負圧をアキュムレータ等に貯蔵して利用することも可能である。
ここにおいて、かかる空気圧変動として、防振を目的とする振動に対応した周波数と位相を採用して、防振すべき振動に対応する負圧変動を作用空気室50に及ぼし、この作用空気室50の圧力変動でゴム弾性板44を積極的乃至は能動的に弾性変形させて加振変形させる。これにより、中間室70の圧力を、積極的に制御することが出来るのであり、この中間室70の圧力を、例えば圧力変動伝達機構56を介して、主液室36に及ぼすことによって、主液室36の圧力を積極的乃至は能動的に制御することが出来るのである。
従って、本実施形態のエンジンマウント300においては、能動的な防振効果を得ることが可能となり、例えば、図8に能動制御によって発揮される絶対ばね定数:K5が示されているように、入力振動による主液室36の圧力変動を相殺的に抑えること等により、所謂ばねゼロ制御等を実現することも可能となる。即ち、前記第一及び第二の選択組合せ構成を採用したエンジンマウント100,200は、何れも、受動型の防振効果を発揮し得るものであり、特に第二の選択組合せ構成を採用したエンジンマウント200にあっては、大気圧78と負圧源80と共に圧力調節手段を構成する制御装置82や静的切換バルブ202を備えるも、作用空気室50の静的圧力レベルを調節するだけであり、静圧切換手段が構成されているものであったが、本実施形態のエンジンマウント300においては、大気圧78と負圧源80と共に圧力調節手段を構成する制御装置や動的切換バルブ302によって、作用空気室50の動的圧力レベルを調節する動圧制御手段が構成されており、一層優れた防振性能を発揮し得るようになっているのである。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらは、あくまでも例示であって、本発明はこれらの実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
例えば、前記実施形態では、圧力変動伝達手段が、変位量が制限される可動板部材である可動板ゴム62によって構成されており、この可動板ゴム62が、制限ストローク範囲で実質的にフリーに板圧方向で変位許容されていたが、かかる可動板ゴム62に代えて、部分的に固定的に保持されたゴム弾性膜の弾性変形に基づいて、主液室36と中間室70の間での圧力伝達を許容するゴム弾性膜を採用することも可能である。
その具体的な一例を、図14に示す。なお、本図では、その理解を容易とするために、前記実施形態におけるマウント本体10と同様な構造とされた部材及び部位に対して、それぞれ、第一の実施形態と同一の符号を付しておく。本実施形態のマウント本体では、略円板形状のゴム弾性膜104が採用されており、このゴム弾性膜104は、外周面に加硫接着された圧入リング105を介して、外周面が仕切部材34における中央凹所40の開口部位に対して固定的に取り付けられている。そして、主液室36と中間室70の間での圧力変動の伝達が、ゴム弾性膜104の両側に及ぼされる両室36,70の圧力差に伴うゴム弾性膜104の中央部分の弾性変形に基づいて実現されるようになっている。
なお、ゴム弾性膜104は、それ自体の弾性に基づいて変形量が制限されることにより、主液室36と中間室70の間での圧力伝達量を制限するようになっていても良いし、ゴム弾性膜104の弾性変形許容量を一層確実に制限するために帆布等をゴム弾性膜104に接着しても良いが、本実施形態では、第一の実施形態と同様に、ゴム弾性膜104の上下に所定距離を隔てて上下の支持板金具58,60を配設して、ゴム弾性膜104の弾性変形に伴う変位を、これら支持板金具58,60に対する当接で制限するようになっている。
また、本実施形態では、ゴム弾性膜104として、可動板ゴム62と同様な構造のものが採用されており、製造が容易となっている。そこにおいて、ゴム弾性膜104では、上下の支持板金具58,60を配して弾性変形量を制限すると共に、ゴム材料を調節すること等によって、可動板ゴム62よりも変形し易い(動的ばね定数の小さい)ものとすることが望ましい。それによって、中周波中振幅振動の入力時には、作用空気室50を大気中に解放せしめた状態下でも、主液室36に惹起された圧力変動をゴム弾性膜104を介して中間室70に対して有効に及ぼし、且つ中間室70では、可動板ゴム62の壁ばね剛性に基づいて、該可動板ゴム62の圧力吸収を回避して中間室70に有効な圧力変動を生ぜしめ、以て、第二のオリフィス通路74を通じての流体流動量を十分に確保することで第二のオリフィス通路74による防振効果を有効に享受することが可能となる。
さらに、上述の実施形態において、第一及び第二のオリフィス通路72,74の具体的構造やチューニング周波数、更に圧力変動伝達手段の具体的構造や、前記実施形態において圧力変動伝達手段を構成していたゴム弾性板44やゴム弾性膜104における圧力伝達量の拘束構造やその拘束の程度、および、調圧用ゴム板の具体的構造などは、前記実施形態に制限されるものでなく、要求される防振特性やマウントサイズ等に応じて、適宜に変更されることは、言うまでもない。
加えて、マウント本体やエンジンマウントにおける付加的な構成、具体的にはストッパ機構やフェイルセーフ機構,或いは第一の取付金具や第二の取付金具をパワーユニットや車両ボデーに対して固定するこめのブラケットなどは、必要に応じて採用されるものであり、またそれらの具体的構造について、何等限定されるものでないことは、言うまでもない。
また、前記実施形態における第一の選択組合せ構成と第二の選択組合せ構成,第三の選択組合せ構成は、予め組合せることが可能に準備されていれば良く、必ずしも、それら全ての組合せ構成を組み合わせたエンジンマウントとして、何れの組合せ構成のエンジンマウントも実車において採用されている必要はなく、現実に採用されていない組合せ構成が存在する場合でも、本発明は有効に成立し、そのような場合の各エンジンマウントも、設計自由度やその拡張可能性が確保されるという本発明の効果が発揮され得る以上、本発明の範囲に含まれるものであることは、勿論である。
本発明の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウントを、第一の選択組合せ構成を採用した態様で示す縦断面説明図であって、図2におけるI−I断面に相当する図である。 図1におけるII−II断面図である。 図2における III−III 断面図である。 本発明の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウントを、第二の選択組合せ構成を採用した態様で示す縦断面説明図であって、図1に対応する図である。 本発明の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウントを、第三の選択組合せ構成を採用した態様で示す縦断面説明図であって、図1に対応する図である。 図1に示されたエンジンマウントの機能的構成のモデル図である。 図1に示されたエンジンマウントにおける低周波大振幅振動に対する防振作用を表す機能的構成のモデル図である。 図1,4,5に示されたそれぞれのエンジンマウントにおける防振特性としての減衰係数と絶対ばね定数の周波数特性を表すグラフである。 図1に示されたエンジンマウントにおける中周波中振幅振動に対する防振作用を表す機能的構成のモデル図である。 図1に示されたエンジンマウントにおける高周波小振幅振動に対する防振作用を表す機能的構成のモデル図である。 図4に示されたエンジンマウントの機能的構成のモデル図である。 図2に示されたエンジンマウントにおける中周波中振幅振動に対する防振作用を表す機能的構成のモデル図である。 図5に示されたエンジンマウントの機能的構成のモデル図である。 本発明において採用され得るマウント本体の別の具体例を示す縦断面図である。
符号の説明
10 エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
32 ダイヤフラム
34 仕切部材
36 主液室
38 平衡室
44 ゴム弾性板
50 作用空気室
56 圧力変動伝達機構
62 可動板ゴム
70 中間室
72 第一のオリフィス通路
74 第二のオリフィス通路
100 エンジンマウント
200 エンジンマウント
300 エンジンマウント

Claims (7)

  1. 要求される防振特性が異なる複数種類の自動車用として、下記(A)記載のマウント本体に対して、下記(B−1),(B−2),(B−3)の何れかの選択組合せ構成を選択的に組み合わせた構成で提供することを特徴とするシリーズ型エンジンマウント。
    (A) 相互に離隔配置されて、防振すべき部材にそれぞれ取り付けられる第一の取付部材および第二の取付部材と、
    それら第一の取付部材と第二の取付部材を弾性連結する本体ゴム弾性体と、
    該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる、非圧縮性流体が封入された受圧室と、
    可撓性膜で壁部の一部が構成されて容積変化が許容される、非圧縮性流体が封入された平衡室と、
    前記受圧室と前記平衡室を相互に連通する第一のオリフィス通路と、
    非圧縮性流体が封入された中間室と、
    前記第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニングされて、該中間室と前記平衡室を相互に連通する第二のオリフィス通路と、
    前記受圧室と前記中間室の間に設けられて、制限的に許容される変位乃至は
    によって該受圧室と該中間室の間で圧力変動を制限的に伝達する圧力変動伝達手段と、
    前記中間室の壁部の一部を構成するように配設されて、弾性変形により該中間室の圧力変動を調節する調圧用ゴム板と、
    該調圧用ゴム板を挟んで、前記中間室と反対側に形成された作用空気室と、
    該作用空気室に接続されて外部に開口するポートに連通せしめられた空気通路と
    を、有することを特徴とする流体封入式のマウント本体。
    (B−1)前記ポートを、常時、大気中に解放せしめることにより、前記作用空気室に対して、常時、略大気圧が及ぼされるようにした第一の選択組合せ構成。
    (B−2)前記ポートを、静的圧力切換バルブを介して、大気中と負圧源とに択一的に選択接続することにより、該静的圧力切換バルブの切換作動に基づいて、前記作用空気室の圧力を大気圧と負圧とに静的に変更設定することが出来るようにした第二の選択組合せ構成。
    (B−3)前記ポートを、動的圧力切換バルブを介して、大気中と負圧源とに周期的に切換接続することにより、該動的圧力切換バルブの切換作動に基づいて、前記作用空気室の圧力を動的に調圧変更することが出来るようにした第三の選択組合せ構成。
  2. 前記マウント本体において、
    前記第一のオリフィス通路がエンジンシェイク等の低周波大振幅振動にチューニングされており、該第一のオリフィス通路を通じて流動する流体の流動作用に基づいて低周波大振幅振動に対する防振効果が発揮されるようになっていると共に、前記圧力変動伝達手段がアイドリング振動等の中周波中振幅振動にチューニングされており、中周波中振幅振動に伴う前記受圧室の圧力変動は前記中間室に伝達するが低周波大振幅振動に伴う該受圧室の圧力変動は変位乃至は変形が制限されることによって該中間室に伝達しないで該受圧室から逃げないようにされている一方、前記第二のオリフィス通路が中周波中振幅振動にチューニングされており、該第二のオリフィス通路を通じて流動する流体の流動作用に基づいて中周波中振幅振動に対する防振効果が発揮されるようになっていると共に、前記調圧用ゴム板が走行こもり音等の高周波小振幅振動にチューニングされており、前記受圧室から前記圧力変動伝達手段を通じて前記中間室に及ぼされた高周波小振幅振動に伴う該中間室の圧力変動は吸収するが、同様にして該中間室に及ぼされた中周波中振幅振動に伴う該中間室の圧力変動は変形が制限されることによって吸収しないで該中間室から逃げないようにされている請求項1に記載のシリーズ型エンジンマウント。
  3. 前記マウント本体において、
    前記第二の取付部材を筒体形状とし、該第二の取付部材の一方の開口部側に前記第一の取付部材を離隔配置せしめて、それら第一の取付部材と第二の取付部材を前記本体ゴム弾性体で連結することにより該第二の取付部材の一方の開口部を流体密に覆蓋すると共に、該第二の取付部材の軸方向他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に覆蓋する一方、該第二の取付部材によって支持せしめた仕切部材を該本体ゴム弾性体と該可撓性膜の対向面間に配設して、該仕切部材と該本体ゴム弾性体の対向面間に前記受圧室を形成すると共に、該仕切部材と該可撓性膜の対向面間に前記平衡室を形成し、更に、該仕切部材の内部に前記中間室を形成すると共に、該中間室と該平衡室の間に前記作用空気室を形成し、該中間室と該受圧室の間の隔壁部分に該圧力変動伝達手段を設けると共に、該中間室と該作用空気室の間の隔壁を前記調圧用ゴム板を利用して構成する一方、該仕切部材を利用して前記第一のオリフィス通路および前記第二のオリフィス通路を形成した請求項1又は2に記載のシリーズ型エンジンマウント。
  4. 前記(B−2)に記載の第二の選択組合せ構成において、前記静的圧力切換バルブが自動車の走行時とアイドリング時とで切換作動せしめられるようにした請求項1乃至3の何れかに記載のシリーズ型エンジンマウント。
  5. 前記(B−3)に記載の第三の選択組合せ構成において、前記動的圧力切換バルブが防振すべき振動周波数に応じた周期で大気中と負圧源とに切換接続されるようにした請求項1乃至4の何れか記載のシリーズ型エンジンマウント。
  6. 前記負圧源として、自動車の内燃機関における吸気系に生ぜしめられる負圧を利用するようにした請求項1乃至5の何れかに記載のシリーズ型エンジンマウント。
  7. 要求される防振特性が異なる複数種類の自動車に提供されるシリーズ型エンジンマウントの製造方法であって、
    下記(A)記載のマウント本体を製造して準備するマウント本体準備工程と、
    下記(B−1),(B−2),(B−3)の中から、要求される防振性能に適合する組合せ構成を何れか一つ選択する組合せ選択工程と、
    前記マウント本体準備工程で製造した前記マウント本体に対して、前記組合せ選択工程において(B−1),(B−2),(B−3)の中から選択した何れかの選択組合せ構成を組み合わせることにより、製品としてのエンジンマウントを提供する工程とを、
    含むことを特徴とするシリーズ型エンジンマウントの製造方法。
    (A) 相互に離隔配置されて、防振すべき部材にそれぞれ取り付けられる第一の取付部材および第二の取付部材と、
    それら第一の取付部材と第二の取付部材を弾性連結する本体ゴム弾性体と、
    該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる、非圧縮性流体が封入された受圧室と、
    可撓性膜で壁部の一部が構成されて容積変化が許容される、非圧縮性流体が封入された平衡室と、
    前記受圧室と前記平衡室を相互に連通する第一のオリフィス通路と、
    非圧縮性流体が封入された中間室と、
    前記第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニングされて、該中間室と前記平衡室を相互に連通する第二のオリフィス通路と、
    前記受圧室と前記中間室の間に設けられて、制限的に許容される変位乃至は変形によって該受圧室と該中間室の間で圧力変動を制限的に伝達する圧力変動伝達手段と、
    前記中間室の壁部の一部を構成するように配設されて、弾性変形により該中間室の圧力変動を調節する調圧用ゴム板と、
    該調圧用ゴム板を挟んで、前記中間室と反対側に形成された作用空気室と、
    該作用空気室に接続されて外部に開口するポートに連通せしめられた空気通路と
    を、有することを特徴とする流体封入式のマウント本体。
    (B−1)前記ポートを、常時、大気中に解放せしめることにより、前記作用空気室に対して、常時、略大気圧が及ぼされるようにした第一の選択組合せ構成。
    (B−2)前記ポートを、静的圧力切換バルブを介して、大気中と負圧源とに択一的に選択接続することにより、該静的圧力切換バルブの切換作動に基づいて、前記作用空気室の圧力を大気圧と負圧とに静的に変更設定することが出来るようにした第二の選択組合せ構成。
    (B−3)前記ポートを、動的圧力切換バルブを介して、大気中と負圧源とに周期的に切換接続することにより、該動的圧力切換バルブの切換作動に基づいて、前記作用空気室の圧力を動的に調圧変更することが出来るようにした第三の選択組合せ構成。
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