JP2005171005A - 輝尽性蛍光体の製造方法、輝尽性蛍光体及び放射線像変換パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】 輝尽発光量に優れた輝尽性蛍光体の製造方法、輝尽性蛍光体及び放射線画像変換パネルの提供。
【解決手段】 少なくとも下記の3つの工程を経て、酸素ドープ・ユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウムなどの希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体を製造する方法。≪工程1≫輝尽性蛍光体前駆体を液相法により形成する工程、≪工程2≫工程1で形成された輝尽性蛍光体前駆体を40℃〜200℃で、0.5〜200時間加熱する工程、≪工程3≫工程2で加熱された輝尽性蛍光体前駆体とアルミナ微粒子の混合物を600℃以上に加熱する工程。
【選択図】 なし
【解決手段】 少なくとも下記の3つの工程を経て、酸素ドープ・ユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウムなどの希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体を製造する方法。≪工程1≫輝尽性蛍光体前駆体を液相法により形成する工程、≪工程2≫工程1で形成された輝尽性蛍光体前駆体を40℃〜200℃で、0.5〜200時間加熱する工程、≪工程3≫工程2で加熱された輝尽性蛍光体前駆体とアルミナ微粒子の混合物を600℃以上に加熱する工程。
【選択図】 なし
Description
本発明は輝尽性蛍光体の製造方法、輝尽性蛍光体(以下、蛍光体ともいう)及び放射線像(放射線画像)変換パネルに関する。
従来の放射線写真法に代わる有効な診断手段として、特開昭55−12145号等に記載の輝尽性蛍光体を用いる放射線像記録再生方法が知られている。
この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートとも呼ばれる)を利用するもので、被写体を透過した、あるいは被検体から発せられた放射線を輝尽性蛍光体に吸収させ、可視光線、紫外線等の電磁波(励起光という)で時系列的に輝尽性蛍光体を励起して、蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光光という)として放射させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号を得、得られた電気信号に基づいて被写体あるいは被検体の放射線画像を可視画像としてCRTやフィルム上に再生するものである。読み取り後の変換パネルは、残存画像の消去が行われ、次の撮影に供される。
この方法によれば、放射線写真フィルムと増感紙とを組み合わせて用いる放射線写真法に比して、はるかに少ない被爆線量で情報量の豊富な放射線画像が得られる利点がある。また、放射線写真法では撮影毎にフィルムを消費するのに対して、放射線像変換パネルは繰り返し使用されるので、資源保護や経済効率の面から有利である。
放射線像変換パネルは、支持体とその表面に設けられた輝尽性蛍光体層、または自己支持性の輝尽性蛍光体層のみからなり、輝尽性蛍光体層は通常輝尽性蛍光体とこれを分散支持する結合材からなるものと、蒸着法や焼結法によって形成される輝尽性蛍光体の凝集体のみから構成されるものがある。また、輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されているものも知られている。さらに、輝尽性蛍光体層の支持体側とは反対側の表面には通常、ポリマーフィルムや無機物の蒸着膜からなる保護膜が設けられる。
輝尽性蛍光体としては、通常400〜900nmの範囲にある励起光によって波長300〜500nmの範囲にある輝尽発光を示すものが一般的に利用され、特開昭55−12145号、同55−160078号、同56−74175号、同56−116777号、同57−23673号、同57−23675号、同58−206678号、同59−27289号、同59−27980号、同59−56479号、同59−56480号等に記載の希土類元素賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体;特開昭59−75200号、同60−84381号、同60−106752号、同60−166379号、同60−221483号、同60−228592号、同60−228593号、同61−23679号、同61−120882号、同61−120883号、同61−120885号、同61−235486号、同61−235487号等に記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体;特開昭55−12144号に記載の希土類元素賦活オキシハライド蛍光体;特開昭58−69281号に記載のセリウム賦活3価金属オキシハライド蛍光体;特開昭60−70484号に記載のビスマス賦活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体;特開昭60−141783号、同60−157100号に記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロ燐酸塩蛍光体;特開昭60−157099号に記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロホウ酸塩蛍光体;特開昭60−217354号に記載の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属水素化ハロゲン化物蛍光体;特開昭61−21173号、同61−21182号に記載のセリウム賦活希土類複合ハロゲン化物蛍光体;特開昭61−40390号に記載のセリウム賦活希土類ハロ燐酸塩蛍光体;特開昭60−78151号に記載の2価のユーロピウム賦活ハロゲン化セリウム・ルビジウム蛍光体;特開昭60−78151号に記載の2価のユーロピウム賦活複合ハロゲン化物蛍光体、等が挙げられ、中でも、沃素を含有する2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、沃素を含有する希土類元素賦活オキシハロゲン化物蛍光体及び沃素を含有するビスマス賦活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体は高輝度の輝尽発光を示す。
特開平9−291278号、特開平7−233369号等で開示されている液相からの輝尽性蛍光体の製造方法は、蛍光体原料溶液の濃度を調整して微粒子状の輝尽性蛍光体前駆体を得る方法であり、粒径分布の揃った輝尽性蛍光体粉末の製造方法として有効である。この方法で得られる輝尽性蛍光体前駆体(以下、蛍光体前駆体、前駆体ともいう)は、高温での焼成により初めて輝尽発光する。つまり焼成によって輝尽性蛍光体前駆体から輝尽性蛍光体が製造される。一般的な焼成工程では、輝尽性蛍光体前駆体を石英ボート、アルミナルツボ、石英ルツボ等の耐熱性容器に充填し、電気炉の炉心に入れて焼成を行う。この時の温度は400〜1300℃で、焼成時間は0.5〜12時間の範囲が適当である。焼成の雰囲気としては、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等の中性雰囲気、あるいは少量の水素ガスを含有する窒素ガス雰囲気等の弱還元雰囲気、あるいは微量酸素雰囲気が利用される。
放射線像変換パネルを使用した放射線像変換方式の優劣は、放射線像変換パネルの輝尽性発光輝度(感度ともいう)及び得られる画像の鮮鋭性に大きく左右され、特に、これらの特性に対しては、用いる輝尽性蛍光体の特性が大きく影響を与えるとされている。
上記問題に対し、例えば、主に2種の平均粒子径を有する輝尽性蛍光体を混合し、輝度と鮮鋭度とを向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、2種の異なる平均粒子径を有する輝尽性蛍光体を混合しただけでは、得られる放射線像変換パネルの特性が、いずれか一方の輝尽性蛍光体粒子の特性に偏り、総合的な特性の向上への寄与が低下し、その改良効果も小さいことが判明した。また、混合する輝尽性蛍光体粒子間での平均粒子径差が小さいと特性の改良度が低下し、逆に、平均粒子径差が大きいと、得られる画像のざらつき感、いわゆる粒状度の劣化を招く結果となり、この画像の粒状度劣化は、例えば、医療画像に適用した際、病変等の発見や確認を困難とし、致命的な問題を引き起こす可能性があり、早急な改良が要望されている。
上記問題に対し、例えば、放射線画像変換パネルの発光強度や画像の鮮鋭度、粒状度等が、蛍光体粒子の大小、蛍光体の分散性、蛍光体の均一性、充填率等に左右され、特に蛍光体充填率が大きく影響することから、充填率向上の手段として、ガラス転移点(以下、Tgともいう)30〜150℃の樹脂を使用し、輝尽性蛍光体の充填率が70%以上の放射線像変換パネルが開示されており、達成手段として蛍光体層の圧縮が示されている。(例えば、特許文献2を参照)
放射線像変換パネルは、使用に際してフィルムやロールと室温条件下で摺擦されるため、使用する結合剤樹脂のTgは30℃以上が好ましいと考えられる。しかしTgの高い樹脂を結合剤樹脂として使用すると、塗膜が乾燥途中で変形しにくくなり充填率が高くなりにくい。またできた塗膜を圧縮する場合、樹脂の軟化特性が悪いため蛍光体に負荷がかかり発光体の結晶構造の破壊等による発光の低下が生じ、輝尽発光量が少なくなるという問題が生じた。
特公平4−75480号公報
特開平3−21898号公報
放射線像変換パネルは、使用に際してフィルムやロールと室温条件下で摺擦されるため、使用する結合剤樹脂のTgは30℃以上が好ましいと考えられる。しかしTgの高い樹脂を結合剤樹脂として使用すると、塗膜が乾燥途中で変形しにくくなり充填率が高くなりにくい。またできた塗膜を圧縮する場合、樹脂の軟化特性が悪いため蛍光体に負荷がかかり発光体の結晶構造の破壊等による発光の低下が生じ、輝尽発光量が少なくなるという問題が生じた。
本発明の目的は、輝尽発光量に優れた輝尽性蛍光体の製造方法、輝尽性蛍光体及び放射線画像変換パネルを提供することにある。
本発明の目的は以下の厚生により達成される。
1.少なくとも下記の3つの工程を経て、下記一般式(1)で表される希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体(輝尽性蛍光体)を製造することを特徴とする輝尽性蛍光体の製造方法。
一般式(1)
Ba1-xM2 xFBryI1-y:aM1,bLn,cO
(式中、M1はLi,Na,K,Rb,Csから選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属原子、M2はBe,Mg,Sr及びCaから選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属原子、LnはCe,Pr,Sm,Eu,Gd,Tb,Tm,Dy,Ho,Nd,Er及びYbから選ばれる少なくとも一種の希土類元素、x,y,a,b及びcは、それぞれ0≦x≦0.3、0<y≦0.3、0≦a≦0.05、0<b≦0.2、0<c≦0.1である)
≪工程1≫輝尽性蛍光体前駆体を液相法により形成する工程、
≪工程2≫工程1で形成された輝尽性蛍光体前駆体を40℃〜200℃で、0.5〜200時間加熱する工程、
≪工程3≫工程2で加熱された輝尽性蛍光体前駆体とアルミナ微粒子の混合物を600℃以上に加熱する工程。
Ba1-xM2 xFBryI1-y:aM1,bLn,cO
(式中、M1はLi,Na,K,Rb,Csから選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属原子、M2はBe,Mg,Sr及びCaから選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属原子、LnはCe,Pr,Sm,Eu,Gd,Tb,Tm,Dy,Ho,Nd,Er及びYbから選ばれる少なくとも一種の希土類元素、x,y,a,b及びcは、それぞれ0≦x≦0.3、0<y≦0.3、0≦a≦0.05、0<b≦0.2、0<c≦0.1である)
≪工程1≫輝尽性蛍光体前駆体を液相法により形成する工程、
≪工程2≫工程1で形成された輝尽性蛍光体前駆体を40℃〜200℃で、0.5〜200時間加熱する工程、
≪工程3≫工程2で加熱された輝尽性蛍光体前駆体とアルミナ微粒子の混合物を600℃以上に加熱する工程。
2.前記≪工程2≫を窒素雰囲気下で行なうことを特徴とする前記1に記載の輝尽性蛍光体の製造方法。
3.前記1または2に記載の輝尽性蛍光体の製造方法によって得られることを特徴とする輝尽性蛍光体。
4.前記3に記載の輝尽性蛍光体を有することを特徴とする放射線像変換パネル。
本発明による輝尽性蛍光体の製造方法、輝尽性蛍光体及び放射線画像変換パネルは輝尽発光量に優れた効果を有する。
本発明の輝尽性蛍光体について詳細に説明する。
本発明は、前記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体の製造方法は少なくとも下記の3つの工程を経ることを特徴としており、該製造方法により輝尽性蛍光体を得、該輝尽性蛍光体を放射線画像変換パネルが有することにより、輝尽発光量が多くなり、本発明の目的を達成できたのである。
≪工程1≫輝尽性蛍光体前駆体を液相法により形成する工程、
≪工程2≫工程1で形成された輝尽性蛍光体前駆体を40℃〜200℃で、0.5〜200時間加熱する工程、
≪工程3≫ 工程2で加熱された輝尽性蛍光体前駆体とアルミナ微粒子の混合物を600℃以上に加熱する工程。
≪工程2≫工程1で形成された輝尽性蛍光体前駆体を40℃〜200℃で、0.5〜200時間加熱する工程、
≪工程3≫ 工程2で加熱された輝尽性蛍光体前駆体とアルミナ微粒子の混合物を600℃以上に加熱する工程。
また、請求項2の発明は前記≪工程2≫を窒素雰囲気下で行なうことを特徴としており、本発明の効果をより奏する点で好ましい。
液相法による輝尽性蛍光体前駆体の製造については、特開平10−140148号に記載された前駆体製造方法、同10−147778号に記載された前駆体製造装置が好ましく利用できる。ここで輝尽性蛍光体前駆体とは、輝尽性蛍光体の原料であって輝尽発光性や瞬時発光性をほとんど示さない物質を言う。例えば、液相法で輝尽性蛍光体の前駆体を製造する場合には、前記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体が600℃以上の高温を経ていない状態を言う。また、固相法における輝尽性蛍光体の前駆体は、輝尽性蛍光体材料そのもの、または輝尽性蛍光体材料を混合したもの、またはこれらの物質が600℃以上の高温を経ていない状態を言う。
以下、液相法による前駆体の製造方法を示すが、これにより、微粒子化され粒径分布の揃った輝尽性蛍光体の輝尽発光強度を向上させることができる。
本発明では以下の液相合成法により前記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体の前駆体を得ることが好ましい。
本発明に有用な前駆体の形成方法としては、最初に、水系媒体中に弗素化合物以外の原料化合物を溶解させる。原料化合物として、Baのハロゲン化物(例えばBaBr2、BaI2)とLnのハロゲン化物(例えばEuI3)、そして必要に応じてM2のハロゲン化物(例えばMgI2)、そしてさらにM1のハロゲン化物(例えばRbI)を水系媒体中に入れ十分に混合し、溶解させて水溶液を調製する。Baのハロゲン化物の濃度を0.25(mol/L)以上、好ましくは1(mol/L)以上、さらに好ましくは1.35(mol/L)以上、最も好ましくは3.0〜4.5(mol/L)として水系媒体との量比を調整しておく。つまり、BaI2水溶液と、M2、M1水溶液を混合した時に、全体の中のBaI2濃度が記載範囲となるように予め濃く作っておく。また、Lnの濃度は0.01〜10(mol/L)が好ましく、0.05〜1(mol/L)が特に好ましい。この時、所望により、少量の酸、他のハロゲン化物(例えば、NH4I、KI、NaI等)、アンモニア、アルコール、水溶性高分子ポリマー、水不溶性金属酸化物微粒子粉体等を添加してもよい。この水溶液を反応母液という。反応母液を50℃以上の温度、好ましくは80℃以上の温度に攪拌しながら維持する。
次に、この反応母液に、フッ素化合物(例えばNH4F)の水溶液の濃度を5(mol/L)以上、好ましくは8(mol/L)以上、さらに好ましくは10〜13(mol/L)として、ポンプ付きのパイプ等を用いて注入する。この際、激しく攪拌されている部分に液の注入を行うのが好ましい。このフッ素化合物水溶液を反応母液に注入することによって、前記一般式(1)に該当する輝尽性蛍光体の前駆体の結晶を沈殿として得ることができる。
次に、この前駆体を濾過、遠心分離等によって溶液から分離し、メタノール等の有機溶媒で十分に洗浄し、乾燥する。乾燥した前駆体に、アルミナ微粒子(焼結による粒子形状の変化、粒子間融着による粒子サイズ分布の変化を防止するための焼結防止剤)を添加、混合し、前駆体表面に焼結防止剤を均一に付着させる。
さらに、焼結防止剤が付着した前駆体を、大気中で5〜40℃、0〜40%RHの雰囲気下で200〜20000時間保持した後、例えば、通常、輝尽性蛍光体を製造する輝尽性蛍光体製造装置(図示せず)において、下記a)〜e)の工程を経る焼成方法により輝尽性蛍光体を得ることができる。
本発明においては、焼結防止剤を添加した後、大気中で5〜40℃、0〜40%RHの雰囲気下で200〜20000時間保持した後、焼成することが好ましい。従来、焼結防止剤の添加から焼成までの間で何らかの処理を行うことは開示されていなかった。
a)炉心管内部の前駆体充填部に前駆体を充填する工程、
b)0.1〜10体積%の水素を含み残りが窒素である雰囲気ガスを流通させながら前駆体51を加熱する工程、
c)b)に引き続いて、0.1〜7体積%の酸素と0.1〜10体積%の水素を含み残りが窒素である雰囲気ガスを流通させながら、前駆体を加熱する工程、
d)c)に引き続いて、0.1〜10体積%の水素を含み残りが窒素である雰囲気ガスを流通させながら、前駆体51を加熱する工程、
e)d)に引き続いて、0.1〜10体積%の水素を含み残りが窒素である雰囲気ガスを流通させながら、焼成炉を焼成炉上側部分待避位置と焼成炉下側部分待避位置の各々に移動させ、輝尽性蛍光体を100℃以下に急冷して取り出す工程。
b)0.1〜10体積%の水素を含み残りが窒素である雰囲気ガスを流通させながら前駆体51を加熱する工程、
c)b)に引き続いて、0.1〜7体積%の酸素と0.1〜10体積%の水素を含み残りが窒素である雰囲気ガスを流通させながら、前駆体を加熱する工程、
d)c)に引き続いて、0.1〜10体積%の水素を含み残りが窒素である雰囲気ガスを流通させながら、前駆体51を加熱する工程、
e)d)に引き続いて、0.1〜10体積%の水素を含み残りが窒素である雰囲気ガスを流通させながら、焼成炉を焼成炉上側部分待避位置と焼成炉下側部分待避位置の各々に移動させ、輝尽性蛍光体を100℃以下に急冷して取り出す工程。
前記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体を焼成する場合、ヨウ素、臭素等のハロゲンガスが発生する場合があるので、雰囲気ガスに接触する部分は耐食性を持つことが好ましい。
ガス導入、排出部等に用いられる材質としては、ステンレス合金、アルミニウム等が好ましい。また雰囲気ガスに接する表面がフッ素コーティングされていることが好ましい。フッ素樹脂としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)等が選択でき、特にPFA、ETFEが好ましい。
前記熱源としては、従来公知のあらゆる熱源を使用することができ、例えば公知の電気ヒーターを採用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
(前駆体ユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウムの製造)
ユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体前駆体を合成するために、2つの
孔をもつ耐圧容器にBaI2水溶液(4mol/L)2500mlとEuI3水溶液(0.2mol/L)26.5mlを反応器に入れた。更に、水溶液中にヨウ化カリウム992gを添加した。この反応器中の反応母液を撹拌しながら83℃で保温した。弗化アンモニウム水溶液(10mol/L)600mlを反応母液中にローラーポンプを用いて注入し、沈澱物を生成させた。注入終了後乾燥空気を10L/minの割合で20分間通気した。通気前後の溶液の質量比は0.95であった。そのままの温度で90分間攪拌した。90分攪拌した後ろ過しエタノール2000mlで洗浄した。回収した前駆体の質量を計測し、投入したBaI2量と比較することにより求めた収率は62%であった。平均粒径3.1μmの前駆体ユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウムの結晶を得た。
ユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体前駆体を合成するために、2つの
孔をもつ耐圧容器にBaI2水溶液(4mol/L)2500mlとEuI3水溶液(0.2mol/L)26.5mlを反応器に入れた。更に、水溶液中にヨウ化カリウム992gを添加した。この反応器中の反応母液を撹拌しながら83℃で保温した。弗化アンモニウム水溶液(10mol/L)600mlを反応母液中にローラーポンプを用いて注入し、沈澱物を生成させた。注入終了後乾燥空気を10L/minの割合で20分間通気した。通気前後の溶液の質量比は0.95であった。そのままの温度で90分間攪拌した。90分攪拌した後ろ過しエタノール2000mlで洗浄した。回収した前駆体の質量を計測し、投入したBaI2量と比較することにより求めた収率は62%であった。平均粒径3.1μmの前駆体ユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウムの結晶を得た。
(ユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウム輝尽性蛍光体の製造)
前記前駆体ユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウムに、アルミナ超微粒子粉体(粒径13nm)を0.2(質量%)添加し、ミキサーで充分撹拌して、結晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させた。
前記前駆体ユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウムに、アルミナ超微粒子粉体(粒径13nm)を0.2(質量%)添加し、ミキサーで充分撹拌して、結晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させた。
前記前駆体ユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウムの結晶粉体とアルミナ超微粒子の混合物を、防湿保管庫内で、保管条件を各々、表1記載の雰囲気の下、表1記載の時間保持し、保管した。
次に、防湿保管庫内の保管条件の異なる各々のユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウムの結晶粉体とアルミナ超微粒子の混合物を、10Lの炉芯容積をもつバッチ式ロータリーキルンの石英製炉芯管に充填し、99%窒素/1%水素混合ガスを10L/min.の流量で20分間流通させて雰囲気を置換した。十分に炉芯内雰囲気を置換した後、99%窒素/1%水素混合ガスの流量を2L/min.に減じ、2rpmの速度で炉芯管を回転させながら、10℃/min.の昇温速度で820℃まで加熱した。
試料温度が820℃に到達した後、温度を820℃に保ちながら98.4%窒素/1%水素/0.6%酸素の混合ガスを10L/min.の流量で20分間流通させて雰囲気を置換した。その後98.4%窒素/1%水素/0.6%酸素の混合ガスの流量を2L/min.に減じ、20分間保持した。
次に99%窒素/1%水素混合ガスを10L/min.の流量で20分間流通させて雰囲気を置換した。十分に炉芯内雰囲気を置換した後、99%窒素/1%水素混合ガスの流量を2L/min.に減じ、60分間保持した。
その後、99%窒素/1%水素混合ガスの流量を2L/min.に保ったまま10℃/min.の降温速度で25℃まで冷却した後雰囲気を大気に戻し、生成された酸素ドープ・ユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウム蛍光体粒子を取り出した。作製した粉体を篩により分級し、平均粒径2.5μmのユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウム輝尽性蛍光体(試料1〜15)を得た。
(放射線像変換パネル(試料)1〜15の作製。)
蛍光体層形成材料として、上記で得た各々のユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウム輝尽性蛍光体427g、ポリウレタン樹脂(住友バイエルウレタン社製、デスモラック4125)15.8g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂2.0gをメチルエチルケトン−トルエン(1:1)混合溶媒に添加し、プロペラミキサーによって分散し、粘度25〜30PSの塗布液を調製した。この塗布液をドクターブレードを用いて下塗付きポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布したのち、100℃で15分間乾燥させて、230μの厚さの蛍光体層を塗設し、各々の蛍光体シート1〜15を得た。
蛍光体層形成材料として、上記で得た各々のユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウム輝尽性蛍光体427g、ポリウレタン樹脂(住友バイエルウレタン社製、デスモラック4125)15.8g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂2.0gをメチルエチルケトン−トルエン(1:1)混合溶媒に添加し、プロペラミキサーによって分散し、粘度25〜30PSの塗布液を調製した。この塗布液をドクターブレードを用いて下塗付きポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布したのち、100℃で15分間乾燥させて、230μの厚さの蛍光体層を塗設し、各々の蛍光体シート1〜15を得た。
前記作製した蛍光体シート1〜15を、各々一辺が20cmの正方形に断裁した後、防湿性保護フィルムを用いて、減圧下で周縁部をインパルスシーラーを用いて融着、封止して、放射線像変換パネル(試料)1〜15を作製した。尚、融着部から蛍光体シート周縁部までの距離は1mmとなるように融着した。融着に使用したインパルスシーラーのヒーターは3mm幅のものを使用した。
(放射線像変換パネルの評価)
輝尽発光量(PSL)
各、放射線像変換パネルに管電圧80KVp、200mRのX線を照射した後、パネルをHe−Neレーザー光(633nm)4.0J/m2で走査して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を光学フィルタ(B−410)を通して受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光して輝尽発光量(PSL)を測定した。下記表1に輝尽発光量(PSL)を比較例1を1.0として相対値で示した。輝尽発光量(PSL)は大きい方が好ましい。
輝尽発光量(PSL)
各、放射線像変換パネルに管電圧80KVp、200mRのX線を照射した後、パネルをHe−Neレーザー光(633nm)4.0J/m2で走査して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を光学フィルタ(B−410)を通して受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光して輝尽発光量(PSL)を測定した。下記表1に輝尽発光量(PSL)を比較例1を1.0として相対値で示した。輝尽発光量(PSL)は大きい方が好ましい。
本発明により、輝尽発光量の多い輝尽性蛍光体を製造できることが分かる。
Claims (4)
- 少なくとも下記の3つの工程を経て、下記一般式(1)で表される希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体(輝尽性蛍光体)を製造することを特徴とする輝尽性蛍光体の製造方法。
一般式(1)
Ba1-xM2 xFBryI1-y:aM1,bLn,cO
(式中、M1はLi,Na,K,Rb,Csから選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属原子、M2はBe,Mg,Sr及びCaから選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属原子、LnはCe,Pr,Sm,Eu,Gd,Tb,Tm,Dy,Ho,Nd,Er及びYbから選ばれる少なくとも一種の希土類元素、x,y,a,b及びcは、それぞれ0≦x≦0.3、0<y≦0.3、0≦a≦0.05、0<b≦0.2、0<c≦0.1である)
≪工程1≫輝尽性蛍光体前駆体を液相法により形成する工程、
≪工程2≫工程1で形成された輝尽性蛍光体前駆体を40℃〜200℃で、0.5〜200時間加熱する工程、
≪工程3≫工程2で加熱された輝尽性蛍光体前駆体とアルミナ微粒子の混合物を600℃以上に加熱する工程。 - 前記≪工程2≫を窒素雰囲気下で行なうことを特徴とする請求項1に記載の輝尽性蛍光体の製造方法。
- 請求項1または2に記載の輝尽性蛍光体の製造方法によって得られることを特徴とする輝尽性蛍光体。
- 請求項3に記載の輝尽性蛍光体を有することを特徴とする放射線像変換パネル。
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2003
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