JP2005166817A - 半導体レーザ装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 波長の異なる2つのレーザ光の発光点の間隔を従来に比べて接近させることができ、2つのレーザ光の光軸ずれを抑制できる半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】 この半導体レーザ装置では、赤色発光領域21を含む第2の半導体積層部26は、赤外発光領域20を含む第1の半導体積層部25上に積層されている。したがって、赤外発光領域20を形成するプロセスで汚染されたGaAs基板1上に第2の半導体積層部26を直接に積層する必要が無く、第1の半導体積層部25とGaAs基板1との段差部分が無く、段差部分に第2の半導体積層部26を形成する必要は無い。
【選択図】 図1

Description

この発明は、2種類の波長のレーザ光を発する半導体レーザ装置及びその製造方法に関し、例えば、CD(コンパクトディスク)、CD-ROM、CD-R/RW、DVD(デジタルバーサタイルディスク)、DVD-R/RWなどの光ディスクを1台で使用可能にする光ディスク装置に用いられる半導体レーザ装置に関する。
従来、CDやDVDなどの光ディスクに対応する光ディスクプレーヤに搭載される光ピックアップの光源として、半導体レーザ装置が用いられている。ここで、CD用の光ピックアップとDVD用の光ピックアップでは、半導体レーザ装置の発光波長が異なる。つまり、CD用の光ピックアップでは、半導体レーザ装置の発光波長は780nmであり、DVD用の光ピックアップでは、半導体レーザ装置の発光波長は650nmとなっている。
最近では、1つのプレーヤで、CD、DVDなどの各種のディスクの再生を可能にするために、780nm/650nmの2波長のレーザ光を発生する半導体レーザ装置を内蔵した光ピックアップが商品化されている。
このような2波長レーザ装置としては、図4に示すハイブリッド型半導体レーザ装置と、図5に示すモノリシック型半導体レーザ装置とが商品化されている。
図4に示すハイブリッド型半導体レーザ装置は、CD用半導体レーザ141とDVD用半導体レーザ143とが1つのパッケージにマウントされている。CD用半導体レーザ141は、波長780nmのレーザ光を発光する発光領域142を有し、DVD用半導体レーザ143は波長650nmのレーザ光を発光する発光領域144を有する。この発光領域142と144との間の間隔は約100μmである。2つの上記半導体レーザ141と143は、半田材145でヒートシンク146に固定されている。
一方、図5に示すモノリシック型半導体レーザ装置は、1つの2波長モノリシック半導体チップ151にCD用半導体レーザ156とDVD用半導体レーザ157を組み込んでいる。CD用半導体レーザ156は波長780nmのレーザ光を発光する発光領域152を有し、DVD用半導体レーザ157は波長650nmのレーザ光を発光する発光領域153を有する。この発光領域152と153との間の間隔(発光点間隔)は約100μmである。この半導体チップ151は、半田材154でヒートシンク155に固定されている。
ところで、図4のハイブリッド型半導体レーザ装置および図5のモノリシック型半導体レーザ装置共に、製造上の理由から、2つの発光領域の間隔(発光点間隔)を約100μm以下にするのは困難とされている。
すなわち、図4のハイブリッド型半導体レーザ装置では、発光領域142,144を半導体レーザ141,143のチップ端部からの50μm以内の距離に配置してチップ分離すると特性や信頼性上好ましくない。
また、図5のモノリシック型半導体レーザ装置において、2つの発光領域152,153の間隔を約100μm以下にすることが困難な理由は、図6A〜図6Gに示すモノリシック型2波長半導体レーザ装置の一般的な製造方法に基づいて説明する。
この製造方法では、まず、図6Aに示すように、n-GaAs基板上161上に、レーザ波長780nm用のAlGaAs系のエピタキシャル層として、n-AlGaAsクラッド層162、AlGaAs活性層163、p-AlGaAsクラッド層164、p-GaAsキャップ層165を順に成長する。
次に、図6Bに示すように、符号166で示す領域において、上記エピタキシャル層をGaAs基板61に達するまでストライプ状にエッチング除去する。次に、図6Cに示すように、レーザ波長650nm用のAlGaInP系のエピタキシャル層として、n-AlGaInPクラッド層167、AlGaInP活性層168、p-AlGaInPクラッド層169、p-GaAsキャップ層170を順に成長させる。
次に、図6Dに、符号171で示すように、AlGaAs系のエピタキシャル層の上に成長したAlGaInP系のエピタキシャル層を除去する。
次に、図6Eに示すように、間隔100μmでリッジ172および173を形成した後、分離溝174をn-GaAs基板161に達するまで形成する。次に、図6Fに示すように、SiO酸化膜175を全面に形成する。次に、図6Gに示すように、赤外レーザ(波長780nm)用のP電極176および赤色レーザ(波長650nm)用のP電極177を形成する。
次に、n-GaAs基板161の裏面にN電極を形成して従来のモノリシック型2波長半導体レーザ装置が完成する。
しかし、上に述べたプロセスで製作される従来のモノリシック型2波長半導体レーザ装置では、図6Cに示すように、AlGaInPエピタキシャル層181は、AlGaAs系エピタキシャル層182のリッジ導波路形成プロセス時に汚染されたウェハ上に再成長されるので、良好な結晶品質が得られなくなる。特に、図6Cに、点線で囲まれた加工段差近傍の領域180では、AlGaInPエピタキシャル層181の結晶品質はさらに悪いものとなる。
したがって、エピタキシャル層181の結晶品質を確保するためには、エピタキシャル層181の光導波路は加工段差から少なくとも50μm以上は離す必要がある。この理由により、エピタキシャル層181と182における2つの光導波路(活性層163,168)の間隔は、図6Eに示すように、一般的に100μmに設定されている。
以上の理由から、現在の2波長用光ピックアップでは、発光点間隔が100μmの2波長レーザが使用されている。
このような光ピックアップの光学系を図7に示す。この光学系では、2波長半導体レーザ装置271の光軸に沿って、1/4波長板272、2波長回折格子273が配置され、ビームスプリッタ274が配置されている。このビームスプリッタ274の一方の側に、コリメートレンズ275と、立ち上げミラー276と、2焦点対物レンズ277が配置されている。また、ビームスプリッタ274の他方の側には、センサーレンズ278と受光素子279が配置されている。
このような2波長用光ピックアップでは、光軸のずれた2つの発光点を1つの対物レンズ277でディスク上に集光するので、少なくとも1方の集光スポットは収差の大きい品位の悪いものとなる。これは、CD-RやDVD-Rへの書き込みを行うために高出力レーザ光を用いる場合には大きな問題となる。さらに、光軸ずれによる誤差配分を考慮した光学系組み立てが必要となる。
特開平11−112091号公報
そこで、この発明の課題は、波長の異なる2つのレーザ光の発光点の間隔を従来に比べて接近させることができ、2つのレーザ光の光軸ずれを抑制できる半導体レーザ装置およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の半導体レーザ装置は、半導体基板上に積層された第1の半導体積層部と、
上記第1の半導体積層部上に積層された第2の半導体積層部とを備え、
上記第1の半導体積層部は、第1の波長のレーザ光を発する第1のレーザ発光領域を有し、
上記第2の半導体積層部は、第2の波長のレーザ光を発する第2のレーザ発光領域を有することを特徴としている。
この発明の半導体レーザ装置では、第2のレーザ発光領域を有する第2の半導体積層部は、第1のレーザ発光領域を有する第1の半導体積層部上に積層されている。
したがって、この発明の半導体レーザ装置によれば、第1のレーザ発光領域を形成するプロセスで汚染された半導体基板上に第2の半導体積層部を直接に積層する必要が無く、第1の半導体積層部と半導体基板との段差部分が無く、この段差部分に第2の半導体積層部を形成する必要は無い。したがって、この発明によれば、第1のレーザ発光領域と第2のレーザ発光領域との間隔を、従来のように50μm以上にすることなく、第1のレーザ発光領域と第2のレーザ発光領域の良好な結晶品質を保証できる。
したがって、この発明の半導体レーザ装置によれば、波長の異なる2つのレーザ光の発光点の間隔を従来に比べて接近させることができ、2つのレーザ光の光軸ずれを抑制できる。
また、一実施形態の半導体レーザ装置は、上記第1の半導体積層部はストライプ構造の第1光導波路を有し、上記第2の半導体積層部はストライプ構造の第2光導波路を有する。
この実施形態の半導体レーザ装置では、第1,第2の半導体積層部が、ストライプ構造の第1,第2の光導波路を有するので、このストライプ構造の第1,第2の光導波路に光を閉じ込めることができる。
また、一実施形態の半導体レーザ装置は、上記半導体基板はGaAs基板であり、上記第1のレーザ発光領域はAlGaAs系材料で作製され、上記第2のレーザ発光領域はAlGaInP系材料で作製されている。
この実施形態の半導体レーザ装置では、第1の半導体積層部が有する第1のレーザ発光領域は赤外線領域の波長(例えば780nm付近)のレーザ光を発し、第2の半導体積層部が有する第2のレーザ発光領域は赤色領域の波長(例えば650nm付近)のレーザ光を発する。したがって、赤外レーザ光と赤色レーザ光を発する2波長半導体レーザ装置を実現できる。
また、一実施形態の半導体レーザ装置は、上記半導体基板は、n型GaAs基板であり、
上記第1の半導体積層部は、
n型AlGaAsクラッド層、AlGaAs活性層、p型AlGaAsクラッド層、p型GaAsキャップ層が順次積層されてなり、
上記第2の半導体積層部は、
p型AlGaInPクラッド層、AlGaInP活性層、n型AlGaInPクラッド層、n型GaAsキャップ層が順次積層されてなる。
この実施形態の半導体レーザ装置では、第1の半導体積層部によって、AlGaAs活性層をn型AlGaAsクラッド層とp型AlGaAsクラッド層とで挟んだ構造の第1の半導体レーザを構成し、この第1の半導体レーザは、赤外レーザ光を発生する。また、第2の半導体積層部によって、AlGaInP活性層をp型AlGaInPクラッド層とn型AlGaInPクラッド層とで挟んだ構造の第2の半導体レーザを構成し、この第2の半導体レーザは赤色レーザ光を発生する。
また、一実施形態の半導体レーザ装置は、上記半導体装置において、上記n型GaAs基板の裏面に形成された第1のカソード電極と、上記第2の半導体積層部が有する上記n型GaAsキャップ層上に形成された第2のカソード電極と、上記p型GaAsキャップ層上に形成された共通アノード電極とを備えた。
この実施形態の半導体レーザ装置では、第1の半導体積層部が構成する第1の半導体レーザは、n型GaAs基板の裏面に形成された第1のカソード電極を有し、第2の半導体積層部が構成する第2の半導体レーザは、n型GaAsキャップ層上に形成された第2のカソード電極を有する。また、第1,第2の半導体レーザは、p型GaAsキャップ層上に形成された共通アノード電極を有する。
また、一実施形態の半導体レーザ装置は、上記第1のレーザ発光領域と上記第2のレーザ発光領域は、上記積層の方向と直交する方向に所定の間隔を隔てており、上記所定の間隔を、20μm以下とした。
この実施形態の半導体レーザ装置では、第1のレーザ発光領域と第2のレーザ発光領域との間の上記積層の方向と直交する方向の間隔を20μm以下としたので、波長の異なる2つのレーザ光の発光点の間隔を従来に比べて接近させることができ、2つのレーザ光の光軸ずれを抑制できる。
また、一実施形態の半導体レーザ装置の製造方法は、上記半導体レーザ装置を製造する方法であって、
上記半導体基板上に、上記第1の半導体積層部をエピタキシャル成長させる第1の工程と、
上記第1の半導体積層部上に上記第2の半導体積層部をエピタキシャル成長させる第2の工程とを有し、
上記第2の工程における上記半導体基板の温度を、上記第1の工程における上記半導体基板の温度よりも低くした。
この実施形態の半導体レーザ装置の製造方法では、上記第2の工程における上記半導体基板の温度を、上記第1の工程における上記半導体基板の温度よりも低くしたので、第2の工程における熱が第1の半導体積層部に及ぼす影響を抑制できる。
この発明の半導体レーザ装置によれば、第2のレーザ発光領域を有する第2の半導体積層部は、第1のレーザ発光領域を有する第1の半導体積層部上に積層されている。したがって、第1のレーザ発光領域を形成するプロセスで汚染された半導体基板上に第2の半導体積層部を直接に積層する必要が無く、第1の半導体積層部と半導体基板との段差部分が無く、この段差部分に第2の半導体積層部を形成する必要は無い。したがって、この発明によれば、第1のレーザ発光領域と第2のレーザ発光領域との間隔を、従来のように50μm以上にすることなく、第1のレーザ発光領域と第2のレーザ発光領域の良好な結晶品質を保証できる。したがって、この発明の半導体レーザ装置によれば、波長の異なる2つのレーザ光の発光点の間隔を従来に比べて接近させることができ、2つのレーザ光の光軸ずれを抑制できる。
したがって、この発明によれば、低コスト、かつ、高歩留まりで作製可能であり、しかも、光ピックアップや光ディスク装置の構成を簡略化できる2波長半導体レーザ装置を実現できる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の半導体レーザ装置の第1の実施形態の要部断面を示す図である。図1に示すように、この半導体レーザ装置は、n-GaAs基板1上に、順に、n-AlGaAsクラッド層2と、AlGaAs活性層3と、p-AlGaAsクラッド層4と、GaAsエッチングストップ層5と、p-AlGaAsクラッド層6と、p-GaAsキャップ層7と、p-AlGaInPクラッド層8と、AlGaInP活性層9と、n-AlGaInPクラッド層10と、InGaPエッチングストップ層11と、n-AlGaInPクラッド層12と、n-GaAsキャップ層13とが積層されている。
上記n-AlGaAsクラッド層2と、AlGaAs活性層3と、p-AlGaAsクラッド層4と、GaAsエッチングストップ層5と、p-AlGaAsクラッド層6と、p-GaAsキャップ層7とが第1の半導体積層部25をなす。また、上記p-AlGaInPクラッド層8と、AlGaInP活性層9と、n-AlGaInPクラッド層10と、InGaPエッチングストップ層11と、n-AlGaInPクラッド層12と、n-GaAsキャップ層13とが第2の半導体積層部26をなす。
上記第2の半導体積層部26は、n-AlGaInPクラッド層12からなる赤色レーザ用リッジ14を有し、上記第1の半導体積層部25は、p-AlGaAsクラッド層6からなる赤外レーザ用リッジ15を有する。
また、上記赤色レーザ用リッジ14上にはn-GaAsキャップ層13からなるキャップ13Aが形成されている。また、上記赤外レーザ用リッジ15上には、p-GaAsキャップ層7からなるキャップ7Aが形成されている。
また、上記p-AlGaAsクラッド層6の側面と上記リッジ15の側面、および、上記第2の半導体積層部の側面には、SiO酸化膜16が形成されている。上記リッジ14上のキャップ13Aの上面および上記リッジ15上のキャップ7Aの上面は、SiO酸化膜16から露出している。
また、上記SiO酸化膜16上に、上記キャップ7Aの上面に密接する共通P電極18が形成されている。この共通P電極18は、赤外レーザ用リッジ15を有する第1の半導体積層部25と赤色レーザ用リッジ14を有する第2の半導体積層部26とに共通のアノード電極である。また、上記SiO酸化膜16上に、上記リッジ14上のキャップ13Aの上面に密接する赤色レーザ用N電極17が形成されている。
また、図1において、一点鎖線で囲まれた領域20は、赤外レーザ発光領域であり、領域21は赤色レーザ発光領域である。第1のレーザ発光領域としての上記赤外レーザ発光領域20は、n-AlGaAsクラッド層2とAlGaAs活性層3とp-AlGaAsクラッド層4とGaAsエッチングストップ層5と赤外レーザ用リッジ15を含んでいる。また、第2のレーザ発光領域としての上記赤色レーザ発光領域21は、p-AlGaInPクラッド層8とAlGaIn活性層9とn-AlGaInPクラッド層10とInGaPエッチングストップ層11と赤色レーザ用リッジ14を含んでいる。
この第1実施形態では、赤外レーザ発光領域20の中心と赤色レーザ発光領域21の中心との間の距離d1を10μmとした。この距離d1は、上記n-GaAs基板1上に積層された第1,第2の半導体積層部の積層方向と直交する方向における上記赤外レーザ発光領域20の中心と赤色レーザ発光領域21の中心との間の距離である。
この第1実施形態では、赤外レーザ発光領域20および赤色レーザ発光領域21共に、赤外レーザ用リッジ15および赤色レーザ用リッジ14を含む酸化膜リッジストライプ構造を採用している。この酸化膜リッジストライプ構造では、光は、SiO酸化膜16の低屈折率の効果によって、導波路をなすリッジ15,14内に閉じ込められる。
また、この第1実施形態では、清浄なGaAs基板1上に、第1,第2の半導体積層部25,26を連続的にエピタキシャル結晶成長させて作製できるので、各半導体層の優れた品質が得られる。すなわち、この実施形態では、従来と異なり、第1のレーザ発光領域としての赤外レーザ発光領域20を形成するプロセスで汚染された半導体基板GaAs1上に上記第2の半導体積層部26を直接に積層する必要が無い。また、この実施形態では、第1の半導体積層部25とGaAs基板1との段差部分が無く、段差部分に第2の半導体積層部26を形成する必要は無い。
したがって、この実施形態では、赤外レーザ発光領域20の発光点と赤色レーザ発光領域21の発光点との間の上記距離d1を10μmとすることが可能となって、2つのレーザ光の光軸ずれが従来に比べて格段に少ない2波長半導体レーザ装置を実現できた。
次に、図3A〜図3Fを順に参照して、上記第1実施形態のモノリシック型2波長半導体レーザ装置の製造工程を説明する。
まず、図3Aに示すように、n-GaAs基板1上に、順に、n-AlGaAsクラッド層2、AlGaAs活性層3、p-AlGaAsクラッド層4、GaAsエッチングストップ層5、p-AlGaAsクラッド層6、p-GaAsキャップ層7、p-AlGaInPクラッド層8、AlGaInP活性層9、n-AlGaInPクラッド層10、InGaPエッチングストップ層11、n-AlGaInPクラッド層12、n-GaAsキャップ層13を、MOCVD(有機金属気相成長)法により連続的に一気にエピタキシャル成長を行った。
次に、図3Bに示すように、n-AlGaInPクラッド層12とn-GaAsキャップ層13を、InGaPエッチングストップ層11に達するまで、部分的にエッチングして、幅2μmの赤色レーザ用リッジ14およびリッジ14上のキャップ13Aを形成した。
次に、図3Cに示すように、リッジ14の中央から4μm以上離れた部分をp-GaAsキャップ層7に達するまでエッチング除去した。
次に、図3Dに示すように、p-GaAsキャップ層7とp-AlGaAsクラッド層6を、GaAsエッチングストップ層5に達するまで、部分的にエッチングして、上記赤色レーザ用リッジ14の中央から10μmだけ離れた位置に、幅2μmの赤外レーザ用リッジ15およびリッジ15上のキャップ7Aを形成した。
次に、図3Eに示すように、プラズマCVD法により、SiO膜16を0.2μmの厚さで全面に形成した。
次に、図3Fに示すように、リッジ14,15直上のキャップSiO膜を除去した後、赤色レーザ用のN電極17を赤色レーザ用リッジ14上のキャップ13A上に形成した。また、赤色レーザ用リッジ14と赤外レーザ用リッジ15の両方に共通のアノード電極である共通P電極18を赤外レーザ用リッジ15上のキャップ7A上に形成した。
次に、図1に示すように、n-GaAs基板1の裏面に赤外レーザ用N電極19を形成して、上記第1実施形態のモノリシック型2波長半導体レーザ装置を完成した。
上述したモノリシック型2波長半導体レーザ装置の製造工程では、GaAs基板1上へAlGaAs系半導体層とAlGaInP系半導体層のエピタキシャル成長を連続して行うことによって、2波長レーザの発光点間隔を10μm以下にすることを可能にできた。この製造工程では、AlGaInP系エピタキシャル成長前に導波路形成やエピタキシャル層除去等のプロセスが入らないので、結晶品質の悪化がない。したがって、エピタキシャル成長後に作製する2波長用の2つの光導波路作製プロセスと素子分離プロセスにより、2つの発光点の間隔を10μm以下に近づけることが可能であり、上記間隔のばらつきも±1μm以下にできる。
また、GaAs基板1上へAlGaAs系半導体層とAlGaInP系半導体層を連続してエピタキシャル成長させるには、アルシンガス(AsH)とフォスフィンガス(PH)が供給されるMOCVDリアクタ、またはAs用セルとP用セルが接続されたMBE(分子線エピタキシ)チャンバーを使用すれば成長可能である。なお、これらの装置がない場合には、As系装置によりAlGaAs系半導体層をGaAsキャップ層7までエピタキシャル成長した後に、別のP系装置によりAlGaInP系半導体層をエピタキシャル成長してもよい。
また、GaAs基板1上へAlGaInP系半導体層を形成する工程(第2の工程)におけるGaAs基板の温度を、AlGaAs系半導体層を形成する工程(第1の工程)におけるGaAs基板の温度よりも低くした場合には、第2の工程における熱がAlGaAs系半導体層に及ぼす影響を抑制できる。
図1に示す第1の実施形態の2波長半導体レーザ装置では、N電極17,共通P電極18間に駆動電圧を印可することによって、第2の半導体積層部26が有する赤色レーザ発光領域21を駆動して、656nmの波長で170mWの光出力を取出すことができた。
また、共通P電極18,N電極19間に駆動電圧を印可することによって、第1の半導体積層部25が有する赤外レーザ発光領域20を駆動して、780nmの波長で220mWの光出力を取り出すことができた。
上記第1の実施形態のモノリシック型2波長半導体レーザ装置を、通常の1波長レーザ用の光学系のピックアップに搭載して、CD-R、およびDVD-Rに書き込みを行った所、2波長のうちのいずれの波長のレーザ光についても集光スポットの収差が小さく書き込み品位についての問題が無いことが分かった。したがって、第1実施形態によれば、CD-R用と、DVD−R用の光学系を実質的に単一光路で構成することができるので、光学系組立て時の光軸合わせ調整が容易となり、システム上余計な部品を削減して、小型化、軽量化を図ることができた。
(第2の実施形態)
次に、図2に、この発明の半導体レーザ装置の第2実施形態を示す。この第2実施形態は、赤外レーザ発光領域50では光導波路を溝埋め込み型とし、赤色レーザ発光領域51では光導波路を酸化膜リッジ型としたものである。
図2に示すように、この第2実施形態は、n-GaAs基板31上に、n-AlGaAsクラッド層32と、AlGaAs活性層33と、p-AlGaAsクラッド層34と、エッチングストップ層35と、AlGaAs電流阻止層52と、p-AlGaAs第クラッド層36と、p-GaAsキャップ層37と、p-AlGaInPクラッド層38と、AlGaInP活性層39と、n-AlGaInPクラッド層40と、InGaPエッチングストップ層41と、n-AlGaInPクラッド層42と、n-GaAsキャップ層43とが、順に積層されている。
上記n-AlGaAsクラッド層32と、AlGaAs活性層33と、p-AlGaAsクラッド層34と、エッチングストップ層35と、AlGaAs電流阻止層52と、p-AlGaAs第クラッド層36と、p-GaAsキャップ層37とが、第1の半導体積層部55をなす。また、上記p-AlGaInPクラッド層38と、AlGaInP活性層39と、n-AlGaInPクラッド層40と、InGaPエッチングストップ層41と、n-AlGaInPクラッド層42と、n-GaAsキャップ層43とが、第2の半導体積層部56をなす。
上記第1の半導体積層部55は、AlGaAs電流阻止層52をエッチングストップ層35までストライプ状にエッチングして形成した溝53を有する。
また、第2の半導体積層部56は、n-AlGaInPクラッド層42からなる赤色レーザ用リッジ44を有する。
上記第2の半導体積層部56は、SiO酸化膜54で覆われているが、n-GaAsキャップ層43の上面はSiO酸化膜54から露出している。そして、このSiO酸化膜54およびこのSiO酸化膜54から露出したn-GaAsキャップ層43の上面は、赤色レーザ用N電極(カソード)65で覆われている。
また、SiO酸化膜54で覆われていない上記p-GaAsキャップ層37の上面37Aには、共通P電極(アノード)66が形成されている。この共通P電極66は、第1の半導体積層部55が有する赤外レーザ発光領域50と第2の半導体積層部56が有する赤色レーザ発光領域51とに共通のアノードである。また、n-GaAs基板31の裏面には、上記赤外レーザ発光領域50のためのN電極(カソード)67が形成されている。
上記赤外レーザ発光領域50は、上記n-AlGaAsクラッド層32と、AlGaAs活性層33と、p-AlGaAsクラッド層34と、エッチングストップ層35と、p-AlGaAs第クラッド層36とを含んでいる。また、上記赤色レーザ発光領域51は、上記p-AlGaInPクラッド層38と、AlGaInP活性層39と、n-AlGaInPクラッド層40と、InGaPエッチングストップ層41と、n-AlGaInPクラッド層42とを含んでいる。
この第2の実施形態の2波長半導体レーザ装置では、N電極65と共通P電極66との間に駆動電圧を印可することによって、赤色レーザ発光領域51を駆動させ、756nmの波長で170mWの赤色レーザ光出力を取出すことができた。また、共通P電極66とN電極67との間に駆動電圧を印可することによって、赤外レーザ発光領域50を駆動させ、780nmの波長で220mWの光出力を取出すことができた。
この第2実施形態では、従来と異なり、第1のレーザ発光領域としての赤外レーザ発光領域50を形成するプロセスで汚染された半導体基板GaAs31上に第2の半導体積層部56を直接に積層する必要が無い。また、この実施形態では、第1の半導体積層部55とGaAs基板31との段差部分が無く、段差部分に第2の半導体積層部26を形成する必要は無い。
また、この第2実施形態では、AlGaAs電流阻止層52に溝53を形成した後に、再成長を行うので、2回のエピタキシャル成長が必要であるが、赤外レーザ発光領域50のほぼ中央の発光点と赤色レーザ発光領域51のほぼ中央の発光点との間の上記距離d2を3μmまで短縮することが可能となった。したがって、この第2実施形態によれば、2つのレーザ光の光軸ずれが従来に比べて格段に少ない2波長半導体レーザ装置を実現できた。
この第2の実施形態のモノリシック型2波長半導体レーザ装置を、通常の1波長レーザ用の光学系のピックアップに搭載して、CD-R、およびDVD-Rに書き込みを行った所、2波長のうちのいずれの波長のレーザ光についても集光スポットの収差が小さく、書き込み品位についての問題が無いことが分かった。したがって、この第2実施形態によれば、CD-R用と、DVD−R用の光学系を実質的に単一光路で構成することができるので、光学系組立て時の光軸合わせ調整が容易となり、システム上余計な部品を削減して、小型化、軽量化を図ることができた。
尚、この発明には、数多くの実施形態があり、以上の開示に基づいて多様に改変することが可能である。例えば、上記第1,第2の実施形態においては、MOCVD法によって製造できる半導体レーザ装置としたが、製造方法、発振波長、レーザ光を発生するための構造などは各種のものが公表されており、上記実施形態に限定されるものではない。また、使用する半導体材料なども同様である。
また、この発明は、CD、CD−R、DVD、DVD−R等の再生や書き込みを行う光ピックアップへの適用が好適な適用例であるが、波長の異なる複数のレーザ光を得ることが必要な別の用途にも適用可能である。
この発明の第1の実施形態である2波長半導体レーザ装置の要部を示す断面図である。 この発明の第2の実施形態である2波長半導体レーザ装置の要部を示す断面図である。 上記第1の実施形態である2波長半導体レーザ装置の製造工程を示す図である。 上記第1実施形態の製造工程を示す図である。 上記第1実施形態の製造工程を示す図である。 上記第1実施形態の製造工程を示す図である。 上記第1実施形態の製造工程を示す図である。 上記第1実施形態の製造工程を示す図である。 従来のハイブリッド型2波長半導体レーザ装置の断面図である。 従来のモノリシック型2波長半導体レーザ装置の断面図である。 従来のモノリシック型2波長半導体レーザ装置の製造工程を示す図である。 上記従来の製造工程を示す図である。 上記従来の製造工程を示す図である。 上記従来の製造工程を示す図である。 上記従来の製造工程を示す図である。 上記従来の製造工程を示す図である。 上記従来の製造工程を示す図である。 従来の2波長半導体レーザ装置を備えた光ピックアップの光学系を示す図である。
符号の説明
1,31…n-GaAs基板
2,32…n-AlGaAsクラッド層
3,33…AlGaAs活性層
4,34…p-AlGaAsクラッド層
5,35…エッチングストップ層
6,36…p-AlGaAsクラッド層
7,37…p-GaAsキャップ層
8,38…p-AlGaInPクラッド層
9,39…AlGaInP活性層
10,40…n-AlGaInPクラッド層
11,41…InGaPエッチングストップ層
12,42…n-AlGaInPクラッド層
13,43…n-GaAsキャップ層
14,44…赤色レーザ用リッジ
15…赤外レーザ用リッジ
16,54…SiO酸化膜
17,65…赤色レーザ用N電極
18,66…赤色レーザと赤外レーザの共通P電極
19,67…赤外レーザ用N電極
20,50…赤外レーザ発光領域
21,51…赤色レーザ発光領域
52…AlGaAs電流阻止層
53…溝

Claims (7)

  1. 半導体基板上に積層された第1の半導体積層部と、
    上記第1の半導体積層部上に積層された第2の半導体積層部とを備え、
    上記第1の半導体積層部は、第1の波長のレーザ光を発する第1のレーザ発光領域を有し、
    上記第2の半導体積層部は、第2の波長のレーザ光を発する第2のレーザ発光領域を有することを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 請求項1に記載の半導体レーザ装置において、
    上記第1の半導体積層部はストライプ構造の第1光導波路を有し、
    上記第2の半導体積層部はストライプ構造の第2光導波路を有することを特徴とする半導体レーザ装置。
  3. 請求項1に記載の半導体レーザ装置において、
    上記半導体基板はGaAs基板であり、
    上記第1のレーザ発光領域はAlGaAs系材料で作製され、
    上記第2のレーザ発光領域はAlGaInP系材料で作製されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  4. 請求項1に記載の半導体レーザ装置において、
    上記半導体基板は、n型GaAs基板であり、
    上記第1の半導体積層部は、
    n型AlGaAsクラッド層、AlGaAs活性層、p型AlGaAsクラッド層、p型GaAsキャップ層が順次積層されてなり、
    上記第2の半導体積層部は、
    p型AlGaInPクラッド層、AlGaInP活性層、n型AlGaInPクラッド層、n型GaAsキャップ層が順次積層されてなることを特徴とする半導体レーザ装置。
  5. 請求項4に記載の半導体レーザ装置において、
    上記n型GaAs基板の裏面に形成された第1のカソード電極と、
    上記第2の半導体積層部が有する上記n型GaAsキャップ層上に形成された第2のカソード電極と、
    上記p型GaAsキャップ層上に形成された共通アノード電極とを備えたことを特徴とする半導体レーザ装置。
  6. 請求項1に記載の半導体レーザ装置において、
    上記第1のレーザ発光領域と上記第2のレーザ発光領域は、上記積層の方向と直交する方向に所定の間隔を隔てており、
    上記所定の間隔を、20μm以下としたことを特徴とする半導体レーザ装置。
  7. 請求項1に記載の半導体レーザ装置を製造する方法であって、
    上記半導体基板上に、上記第1の半導体積層部をエピタキシャル成長させる第1の工程と、
    上記第1の半導体積層部上に上記第2の半導体積層部をエピタキシャル成長させる第2の工程とを有し、
    上記第2の工程における上記半導体基板の温度を、上記第1の工程における上記半導体基板の温度よりも低くしたことを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
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