JP2005165379A - 定電圧電源回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】出力電圧を分圧した帰還電圧と基準電圧との差を誤差増幅器で増幅し、その出力で出力トランジスタを制御して出力電圧を一定値に制御するシリーズレギュレータ型の定電圧電源回路において、基準電圧を電源立ち上げ後から緩やかな勾配で立ち上げて誤差増幅器に供給する。
【選択図】図1
Description
図11は、このような定電圧電源回路の従来回路の例である。スイッチSW1がONされるとバッテリーB1の電圧Vbが定電圧電源回路1の電源入力端子Ni−Ng間に印加される。プラス側電源入力端子Niとプラス側出力端子Noとの間にはPNPトランジスタTr1が接続されており、その内部抵抗を変化させることにより出力端子No−Ng間に現れる出力電圧Voを一定値に制御する方式の回路である。トランジスタTr1の内部抵抗は、そのベース電流を調整することで制御される。出力電圧Voを抵抗R1、R2で分圧した帰還電圧Vfと基準電圧生成回路2で生成された基準電圧Vrefとが誤差増幅器OP1に入力され、その差が増幅されて出力に現れる。その出力電圧はNPNトランジスタTr2と抵抗R3とからなるエミッタフォロワ回路により電圧−電流変換され、変換された出力電流でトランジスタTr1のベースが駆動される。
しかしこの回路方式の場合、スイッチSW1をONして電源を立ち上げた以降、出力電圧Voは0Vから出発して単調増加して定常値に達するとは限らず、定常値に落ち着く前にオーバーシュートを生ずることが多い。このオーバーシュートの発生の有無、オーバーシュートの程度は、誤差増幅器OP1の電圧増幅率、抵抗R1とR2による分圧比、トランジスタTr2と抵抗R3による電流−電流変換比、トランジスタTr1と抵抗R4からなる出力段回路の電流増幅率、トランジスタTr1のコレクタから見た負荷回路における電流−電圧変換比により影響される。そして、一般にこれらの値が大きな程、またそれらの増幅、変換過程における位相遅れと呼ばれる応答遅れ、時間遅れが大きい程オーバーシュートが生じやすく、生じるオーバーシュートは大きくなる。
ここで、前記電圧増幅率、電流増幅率が大きい場合にオーバーシュートが生ずる理由を図8の従来回路の場合について考えると、出力電圧Voを分圧した帰還電圧Vfを基準電圧Vrefに一致させようとする帰還制御作用が強すぎること、及びその帰還制御作用に位相遅れ(時間遅れ)があることが主因である。しかし、この他に基準電圧Vrefの立ち上がりが速いために基準電圧Vrefと帰還電圧Vfとの間に大きな偏差が生じすぎることも原因となっている。
以下、このような考えに基づいてオーバーシュートを防ぐ定電圧電源回路を実施例に分けて説明する。
図1に、第1の実施形態の定電圧電源回路1を示す。なお、本実施形態の出力電圧Voを一定に制御する帰還制御に関係する回路部分は「背景技術」で説明した図11の回路と同じであるので同一または相当部分には同じ符号が付してある。
3入力誤差増幅器OP3は、第1の非反転入力端子+IN1と第2の非反転入力端子+IN2の2つの非反転入力端子と、一つの反転入力端子−INとを有する誤差増幅器である。第1の非反転入力端子+IN1に入力された電圧と、第2の非反転入力端子+IN2に入力された電圧とのうちの何れか低い方の電圧値をVpとすると、電圧Vpが有効な非反転入力電圧として扱われる。即ち、3入力誤差増幅器OP3の出力には、有効な非反転入力電圧Vpから反転入力端子−INに入力された帰還電圧Vfを差し引いた誤差電圧ΔVに電圧増幅率を掛けた値の電圧が出力される。3入力誤差増幅器OP3の具体例については後述する。
第2の非反転入力端子+IN2と接地側端子Ngとの間にはコンデンサC2が接続されている。コンデンサC2は、カレントミラー回路で構成された定電流源3から出力される定電流により充電を受ける。定電流源3は、PNPトランジスタTr3とTr4と抵抗R7とで構成される。両トランジスタのエミッタは共にプラス側電源入力端子Niに接続され、ベースは共通に接続された上でトランジスタTr3のコレクタに接続されている。抵抗R7は、トランジスタTr3のコレクタと接地側端子Ngとの間に接続されている。
入力電圧Vinが11Vを超えるとトランジスタTr5がOFFして、コンデンサC2はトランジスタTr4のコレクタ電流による充電を受けられる状態となり、図3の(2)に示すように一定電流による充電を受けて両端の電圧Vcはランプ状に上昇を開始する。上昇勾配は、定電流源3の出力電流の値とコンデンサC2の容量で決まる。コンデンサC2の電圧Vcは、入力電圧Vin近く(約12V)まで上昇して飽和する。
PNPトランジスタTr13、Tr14は差動増幅回路を構成している。その負荷にはNPNトランジスタTr18、Tr19からなるカレントミラー回路で構成される能動負荷が接続されている。トランジスタTr13のベースはコレクタ接地されたPNPトランジスタTr15のエミッタに接続されており、そのトランジスタTr15のベースは反転入力端子−INに接続されている。
トランジスタTr16とTr17は共通接続されたエミッタをプラス電位側にして並列に接続されているため、第1の入力端子+IN1と第2の入力端子+IN2に加えられる電圧の何れか低い側に接続されたトランジスタのみが導通し他方はOFF状態となる。即ち、差動増幅回路を構成しているトランジスタ14のベースは、トランジスタTr16とTr17のうちの低い方の電圧がベースに供給されているトランジスタによって駆動される。この低い方の電圧が前述した有効な非反転入力電圧Vpである。
トランジスタTr20のエミッタには、トランジスタTr10より定電流が供給されている。従って、トランジスタTr20のエミッタ電流が増加するとそのエミッタにベースが接続されたNPNトランジスタTr21のベース電流が減少する。トランジスタTr21のベース電流が減少するとそのエミッタ電流も減少し、エミッタと接地GND間に接続された抵抗R10の電圧が小さくなるため、その両端にベースとエミッタが接続されたNPNトランジスタ22のベース電流が減少してそのコレクタ電流も減少する。
図5に、第2の実施形態の定電圧電源回路1を示す。本実施形態は、第1の実施形態の図1の回路中における定電流源3を抵抗R8に置き換えただけの回路である。抵抗R8はプラス側電源入力端子NiとコンデンサC2との間に接続されている。
従って、本実施形態の場合も第1の実施形態の場合と同様に、電源投入直後のオーバーシュートが防止される。
図6に、第3の実施形態の定電圧電源回路1を示す。本実施形態の回路は、第2の実施形態の図5の回路中におけるトランジスタTr5、コンパレータCO1、抵抗R5、R6を取り除いた回路である。
第1の実施形態の中で説明したように、コンパレータCO1は入力電圧Vinを抵抗R5、R6により分圧した電圧Vbbが基準電圧Vrefに達するまでの間、トランジスタTr5を導通させてコンデンサC2を短絡して確実に放電させる働きをするものであった。
図7に、第4の実施形態の定電圧電源回路1を示す。本実施形態の回路は、「背景技術」の中で説明した従来回路である図11の基準電圧生成回路2の出力側に抵抗R9とコンデンサC2とからなるローパスフィルタ4を追加した回路である。抵抗R9は基準電圧生成回路2の出力と誤差増幅器OP1の入力端子間に接続され、コンデンサC2は誤差増幅器OP1の同じ入力端子と接地側端子Ngとの間に接続されている。
Vp=(1−exp(−t/R9・C2))・Vref
従って、時定数R9・C2の値を大きくしておけば、誤差増幅器OP1へ基準電圧として入力される電圧は緩やかに上昇して最終値Vrefに到達する。これによりオーバーシュートは防止される。
図8に、第5の実施形態の定電圧電源回路1を示す。これまで説明してきた実施形態は、いずれも誤差増幅器に入力する基準電圧Vrefを電源投入後から緩やかに立ち上げる考えに基づくものであった。これに対して本実施形態の定電圧電源回路1は、基準電圧Vrefそのものは通常通りの立ち上げで誤差増幅器OP1に入力するものの、出力電圧Voの誤差増幅器OP1の入力端子への電圧帰還比率(分圧比)を変化させてオーバーシュートを防ごうとする考えに基づく回路である。
Vo=Vf/FR (1)式
の関係にあり、帰還電圧Vfが同じの場合は電圧帰還比率FRが大きい程、出力電圧Voの値は小さくなる。従来回路の図11の場合の電圧帰還比率FRは、R2/(R1+R2)であった。帰還電圧Vfは、帰還制御作用により基準電圧Vrefに等しくなるように制御される。
図8はこの考えに従った定電圧電源回路1で、従来回路の図11と異なる点は分圧抵抗R1と並列にコンデンサC3が追加してある点のみである。図9に電源立ち上げ後の各部の波形を示す。スイッチSW1がONされ基準電圧Vrefが図9の(1)のように出力された直後には、出力電圧Voはまだ低いので帰還制御作用によりトランジスタTr1から出力側に電流が供給され出力電圧Vo及び帰還電圧Vfは図9の(2)、(4)のように上昇を開始する。
帰還電圧Vfの値は基準電圧Vrefにほぼ等しくなっているので、抵抗R3を流れる電流はほぼ一定となっている。従って、その電流と等しい抵抗R1を流れる電流とコンデンサC3を流れる電流の和も一定である。和が一定であると、出力電圧Voの上昇につれて抵抗R1を流れる電流は増加するのでコンデンサC3を流れる充電電流は逆に減少していく。こうしてコンデンサCの充電電流は減少してやがてゼロとなる。この充電電流がゼロとなった状態が定常状態で、この時、出力電圧Voは定常値 Vref・(R1+R2)/R2 に等しくなる。
図10に、第6の実施形態の定電圧電源回路1を示す。これまで説明してきた実施形態の回路では、誤差増幅器OP1、3入力誤差増幅器OP2、基準電圧生成回路2、定電流源3、コンパレータCO1は全て電源入力端子間(Ni−Ng間)に接続して電源を供給してきた。これに対して本実施形態では、これら回路への電源供給を電源入力端子間(Ni−Ng間)に追加して設けた補助定電圧電源回路5より行なうように変更を加えている。
誤差増幅器OP1、3入力誤差増幅器OP2、基準電圧生成回路2、定電流源3、コンパレータCO1には、この補助定電圧電源回路5の出力電圧がプラス側電源電圧として供給される。
Claims (7)
- 出力電圧を分圧した帰還電圧と基準電圧との差を誤差増幅器で増幅し、その出力で出力トランジスタを制御して該出力電圧を一定値に制御するシリーズレギュレータ型の定電圧電源回路であって、前記基準電圧を電源立ち上げ後から緩やかな勾配で立ち上げて前記誤差増幅器に供給するようにしたことを特徴とする定電圧電源回路。
- 請求項1に記載の定電圧電源回路において、電源入力端子間に定電流源とコンデンサとを定電流源をプラス側電源入力端子側にして直列に接続し、
前記誤差増幅器として前記コンデンサの充電電圧と前記基準電圧の何れか低い方の電圧と前記帰還電圧との差を増幅する3入力誤差増幅器を用い、
前記コンデンサは電源入力端子間の電圧が所定値以下の場合には両端が短絡、所定値以上の場合には開放されるように構成したことを特徴とする定電圧電源回路。 - 請求項2に記載の定電圧電源回路において、前記定電流源を抵抗に置き換えたことを特徴とする定電圧電源回路。
- 請求項1に記載の定電圧電源回路において、電源入力端子間に抵抗とコンデンサとを抵抗をプラス側電源入力端子側にして直列に接続し、
前記誤差増幅器として前記コンデンサの充電電圧と前記基準電圧の何れか低い方の電圧と前記帰還電圧との差を増幅する3入力誤差増幅器を用いたことを特徴とする定電圧電源回路。 - 請求項1に記載の定電圧電源回路において、前記基準電圧を抵抗とコンデンサとからなるローパスフィルタを通した上で前記誤差増幅器に入力するようにしたことを特徴とする定電圧電源回路。
- 請求項1に記載の定電圧電源回路において、前記帰還電圧は前記出力電圧を出力端子間に直列に接続した2個の抵抗で分圧して生成されるように構成し、該2個の抵抗のうちプラス側出力端子に接続された抵抗に並列にコンデンサを接続したことを特徴とする定電圧電源回路。
- 請求項1に記載の定電圧電源回路において、電源入力端子間にマイナス側電源入力端子を基準にプラス側電源入力端子に加えられる電圧よりも低い定電圧を供給する補助定電圧電源回路を追加して設け、前記基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、前記誤差増幅器と、前記基準電圧を電源立ち上げ後から緩やかな勾配で立ち上げて前記誤差増幅器に供給するための回路の電源を、該補助定電圧電源回路の出力端子とマイナス側電源入力端子間から供給するようにしたことを特徴とする定電圧電源回路。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008059141A (ja) * | 2006-08-30 | 2008-03-13 | Seiko Epson Corp | 複合型システム電源回路 |
CN102063143A (zh) * | 2010-11-10 | 2011-05-18 | 中国兵器工业集团第二一四研究所苏州研发中心 | 一种缓变电源管理电路 |
JP2012010332A (ja) * | 2010-06-25 | 2012-01-12 | Micrel Inc | ロードスイッチ |
KR101443178B1 (ko) * | 2007-10-10 | 2014-09-22 | 라피스 세미컨덕터 가부시키가이샤 | 전압제어회로 |
DE102021202149A1 (de) | 2021-03-05 | 2022-09-08 | Robert Bosch Gesellschaft mit beschränkter Haftung | Spannungsreglerschaltung und Verfahren zur Bereitstellung einer geregelten Spannung |
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2003
- 2003-11-28 JP JP2003399502A patent/JP2005165379A/ja active Pending
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