JP2005165087A - 高分子光導波路の製造方法 - Google Patents
高分子光導波路の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005165087A JP2005165087A JP2003405591A JP2003405591A JP2005165087A JP 2005165087 A JP2005165087 A JP 2005165087A JP 2003405591 A JP2003405591 A JP 2003405591A JP 2003405591 A JP2003405591 A JP 2003405591A JP 2005165087 A JP2005165087 A JP 2005165087A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- optical waveguide
- rubber mold
- core
- curable resin
- polymer optical
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Optical Integrated Circuits (AREA)
Abstract
【解決手段】 1)ゴム鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層に、光導波路コア凸部に対応する凹部を設けてなるゴム鋳型を準備する工程、2)ゴム鋳型にクラッド用基材を密着させる工程、3)クラッド用基材を密着させたゴム鋳型の凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を常温下または120℃以下の常温に近い温度条件で硬化させる工程、5)ゴム鋳型をクラッド用基材から剥離する工程、及び6)コアが形成されたクラッド用基材の上にクラッド層を形成する工程、を有することを特徴とする高分子光導波路の製造方法である。
【選択図】 図1
Description
現在、性能的に優れた実用的な方法は、(2)や(3)の方法だけであるが前記のごときコストの問題がある。そして(1)ないし(5)のいずれの方法も、大面積でフレキシブルなプラスチック基材に高分子導波路を形成するのに適用しうるものではない。
この問題を解決する方法の1つとして、デビット・ハートはキャピラリーとなる溝のパターンが形成されたパターン基板と平面基板とをクランプ用治具で固着し、さらにパターン基板と平面基板との接触部分を樹脂でシールなどした後減圧して、モノマー(ジアリルイソフタレート)溶液をキャピラリーに充填して、高分子光導波路を製造する方法を提案した(以下の特許文献1を参照)。この方法はコア形成用樹脂材料としてポリマー前駆体材料を用いる代わりにモノマーを用いて充填材料を低粘度化し、キャピラリー内に毛細管現象を利用して充填させ、キャピラリー以外にはモノマーが充填されないようにする方法である。
また、この方法は、パターン基板と平面基板とをクランプで固着する、あるいはこれに加えさらに接触部を樹脂でシールするなど煩雑な方法であり、量産にはむかず、その結果コスト低下を期待することはできない。また、クラッドとして厚さがmmオーダーあるいは1mm以下のフィルムを用いる高分子光導波路の製造に適用することは不可能である。
しかし、この特許に記載の製造方法を高分子光導波路の製造に適用しても、光導波路のコア部は断面積が小さいので、コア部を形成するのに時間がかかり、量産に適さない。また、モノマー溶液が重合して高分子になるときに体積変化を起こしコアの形状が変化し、透過損失が大きくなるという欠点を持つ。
このように、PDMSを使ったソフトリソグラフィー技術や、毛細管マイクロモールド法は、ナノテクノロジーとして最近、米国を中心に注目を集めている技術である。
<1> 1)ゴム鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層に、光導波路コア凸部に対応する凹部を設けてなるゴム鋳型を準備する工程、2)ゴム鋳型にクラッド用基材を密着させる工程、3)クラッド用基材を密着させたゴム鋳型の凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、5)ゴム鋳型をクラッド用基材から剥離する工程、及び6)コアが形成されたクラッド用基材の上にクラッド層を形成する工程、を有することを特徴とする高分子光導波路の製造方法である。
また、本発明によれば、電子回路形成又は埋め込みシリコン基板または電子回路基板上への高分子光導波路の製造において、電子回路形成又は埋め込みシリコン基板または電子回路基板である基材にあらかじめ、全面にクラッド層又はクラッド層パターンを形成しておき、その後、その上に高分子光導波路を形成するものであり、光導波路が事前に形成された各電子デバイスと近接し、高密度に光素子と電子素子が混載した光電混載型の回路基板が容易に作製することができる。
一方、本発明の高分子光導波路の製造方法においては、酸処理、アルカリ処理、各種有機溶剤処理、高温処理等の大きなハザードの処理は全く含まれていないため、あらかじめ形成された電子回路・素子用導電性パターンや電子デバイスや光学素子が、その後の光導波路の形成工程においてダメージを受けたり、損なわれることもない。また、その電子回路基板やシリコンウエファー基板の存在が光導波路の形成工程に悪影響を与えることもない。
1)ゴム鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層に、光導波路コア凸部に対応する凹部を設けてなるゴム鋳型を準備する工程
2)ゴム鋳型にクラッド用基材を密着させる工程
3)クラッド用基材を密着させたゴム鋳型の凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程
4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程
5)ゴム鋳型をクラッド用基材から剥離する工程
6)コアが形成されたクラッド用基材の上にクラッド層を形成する工程
1)ゴム鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層に、光導波路コア凸部に対応する凹部を設けてなるゴム鋳型を準備する工程
ゴム鋳型の作製は、光導波路コアに対応する凸部を形成した原盤を用いて行うのが好ましいが、それに限定されるものではない。以下では、原盤を用いる方法について説明する。
光導波路コアに対応する凸部を形成した原盤の作製には、従来の方法、例えばフォトリソグラフィー法やRIE法を特に制限なく用いることができる。また、本出願人が先に出願した電着法又は光電着法により高分子光導波路を作製する方法(特願2002−10240号)も、原盤を作製するのに適用することができる。原盤に形成される光導波路コアに対応する凸部の大きさは一般的に5〜1000μm程度、好ましくは40〜200μm程度であり、高分子光導波路の用途等に応じて適宜決められる。例えばシングルモード用の光導波路の場合には、10μm角程度のコアを、マルチモード用の光導波路の場合には、50〜100μm角程度のコアが一般的に用いられるが、大口径の光ファイバー対応の用途によっては数百μm程度と更に大きなコア部を持つ光導波路も利用される。
ゴム鋳型は、前記のようにして作製した原盤の光導波路コアに対応する凸部が形成された面に、ゴム鋳型形成用硬化性樹脂を塗布したり注型し、必要に応じ加熱処理をした後、該ゴム鋳型形成用硬化性樹脂を硬化させ、次いでその硬化樹脂層を剥離して作製される。また、ゴム鋳型には、前記凸部に対応する凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填するための進入部、及び前記凸部に対応する凹部から前記樹脂を排出させるための排出部が形成されるが、その形成方法は特に制限はない。原盤に予め進入部や排出部に対応する凸部を設けておくこともできるが、簡便な方法としては、例えば、原盤にゴム鋳型形成用硬化性樹脂液により硬化樹脂層を形成した後剥離して型をとり、その後、型の両端を前記凹部が露出するように切断することにより進入部及び排出部を形成する方法が挙げられる。
ゴム鋳型形成用硬化性樹脂としては、その硬化物が原盤から容易に剥離できること、鋳型(繰り返し用いる)として一定以上の機械的強度・寸法安定性を有すること、凹部形状を維持する硬さ(硬度)を有すること、及びクラッド用基材との密着性が良好なことが好ましい。ゴム鋳型形成用硬化性樹脂には、必要に応じて各種添加剤を加えることができる。
本発明において用いるクラッド用基材としては、シリコン基板または電子回路基板であり、その基材は、フィルム基材、シリコンウエハー基材、ガラス基材、セラミック樹脂複合基材、プラスチック基材等のものが制限なく用いられる。また屈折率が適正な基材の場合はそのままでよいが、屈折率制御を必要とするものは、前記クラッド用基材に全面または部分的にクラッド層を設けることが好ましい。例えば、樹脂コートや無機材料をPVD法で着膜したものも用いられる。クラッド用コート層の屈折率は、1.55より小さく、1.50より小さいものがより好ましい。特に、コア材の屈折率より0.01以上、より好ましくは0.03以上小さいことが必要である。また、クラッド層の特性としては、平滑性においてRaが0.1μm以下で、ゴム鋳型との密着性に優れ、両者を密着させた場合、ゴム鋳型の凹部以外に空隙が生じないものが好ましい。また、クラッド用基材がゴム鋳型及び/又はコアとの密着性があまり良好でない場合には、オゾン雰囲気による処理、波長300nm以下の紫外線照射処理を行って、ゴム鋳型等との密着性を改善することが好ましい。
前記脂環式アクリル樹脂としてはトリシクロデカン等の脂肪族環状炭化水素をエステル置換基に導入した、OZ−1000、OZ−1100(日立化成(株)製)等も用いられる。
また、前記フィルム基材の厚さは、光学的性能、フレキシビリティーや剛性や取り扱いの容易さ等を考慮して適切に選ばれ、一般的には0.005mm〜0.5mm程度が好ましい。
前記導電性層の膜厚は 0.05〜30μm程度が適切である。より好ましくは0.2〜2μm厚が適切である。これにより、導波路形成時にゴム鋳型の設定を容易にする。30μm厚以上の導電層が近傍に存在するとゴム鋳型の密着性が低下し、コア部型取り精度の低下を生じる。
また、電子回路用の導電性層は、クラッド用基材の光導波路非形成面に設けることが好ましく、また積層させることも可能である。そのクラッド層も前記理由と同様に50μm厚さ以下が好ましい。
ゴム鋳型の凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填するには、ゴム鋳型に、該ゴム鋳型より一回り大きいサイズのクラッド用基材を密着させ、凹部の進入部にコア形成用硬化性樹脂を少量垂らし毛細管現象を利用して充填したり、凹部にコア形成用硬化性樹脂を加圧充填したり、凹部の排出部を減圧吸引したり、あるいは加圧充填と減圧吸引の両方を行うなどにより充填することができる。前記のごとく凹部端部に貫通孔を設けた場合は、進入側貫通孔に樹脂を溜め加圧充填したり、排出側貫通孔に減圧吸引管を挿入して減圧吸引するなどしたり、また両方を併用したりするとなお注入効率を上げることができる。
コア形成用硬化性樹脂は、ゴム鋳型とクラッド用基材との間に形成された空隙(ゴム鋳型の凹部)に充填させるため、用いるコア形成用硬化性樹脂はそれが可能なように十分低粘度であることが必要である。前記コア形成用硬化性樹脂の硬化前粘度は、50mPa・s〜3000mPa・s、望ましくは100mPa・s〜1000mPa・s、更に好ましくは300mPa・s〜700mPa・sにするのが、充填速度、コア形状の良さ及び光損失の少なさの点から好ましい。50mPa・s以下では、ゴム鋳型とクラッド用基材との不要な隙間に入り込み、成形性を損ねることがあり、また3000mPa・s以上では浸透速度が極端に遅くなり、生産性が低下する。
コア形成用硬化性樹脂の硬化物の屈折率は、クラッドとなる前記クラッド用基材(以下の5)の工程におけるクラッド層を含む)より大きいことが必要である。コアとクラッド(クラッド用基材及びクラッド層)との屈折率の差は、0.01以上、好ましくは0.03以上である。
また、この工程において、毛細管現象によるコア形成用硬化性樹脂のゴム鋳型の凹部への充填を促進するために、系全体を減圧(0.1〜200Pa程度)することが望ましい。
また、前記充填を促進するため、前記系の減圧に加えて、ゴム鋳型の進入部から充填するコア形成用硬化性樹脂を加熱することにより、より低粘度化することも有効な手段である。
充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる。紫外線硬化性樹脂を硬化させるには、紫外線ランプ、紫外線LED、UV照射装置等が用いられる。また、熱硬化性樹脂を硬化させるには、オーブン中での加熱等が用いられる。なお、前述の通り、硬化に際しての温度条件としては、常温下または120℃以下の常温に近い温度条件が好ましい。
前記4)の工程の後、ゴム鋳型をクラッド用基材から剥離する。また、前記1)〜3)の工程で用いるゴム鋳型は、屈折率等の条件を満たせばそのままクラッド層に用いることも可能で、この場合は、ゴム鋳型を剥離する必要はなくそのままクラッド層として利用する。この場合、ゴム鋳型とコア材料の接着性を向上させるためにゴム鋳型を酸処理や熱処理やオゾン処理することが好ましい。
コアが形成されたフィルム基材の上にクラッド層を形成するが、クラッド層としてはフィルム(たとえば前記2)の工程で用いたようなクラッド用基材が同様に用いられる)や、クラッド用硬化性樹脂を塗布して硬化させた層、高分子材料の溶剤溶液を塗布して乾燥して得られる高分子膜等が挙げられる。クラッド用硬化性樹脂としては紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、例えば、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が用いられる。
クラッド層としてフィルムを用いる場合は、接着剤を用いて貼り合わされるが、その際、接着剤の屈折率が該フィルムの屈折率と近いことが望ましい。用いる接着剤は紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂が好ましく用いられ、例えば、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が用いられる。
前記紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするために、クラッド層に添加するポリマーと同様のポリマーを添加することができる。
図5(B)は、図5(A)のA−A断面図であり、22はゴム鋳型凹部を示す。図5(C)は、図5(A)のB−B断面図であり、ゴム鋳型凹部両端部において、コア形成用硬化性樹脂の進入部と排出部とに連通する応力緩和のための空隙部22a、22bを有する。
図8(A)は、ゴム鋳型をゴム鋳型凹部及び空隙部が現われるように切断した切断面を示す図で、図8(A)中、20はゴム鋳型、21は空隙部、22は凹部、24は強化部材、24bは強化部材に設けた注入口、24cは排出部をそれぞれ示す。また、図8(B)は、図8(A)をA−A線で切断した切断面を示す。
<ゴム鋳型の作製>
石英基板に紫外線硬化型厚膜レジスト(マイクロケミカル(株)製、SU−8)をスピンコート法で塗布した後、80℃でプリベークし、フォトマスクを通して高圧水銀灯で露光し、現像して、断面が正方形の凸部(幅:50μm、高さ:50μm、長さ:50mm)を5本形成した。次に、これを120℃でポストベークして、光導波路コア作製用原盤を作製した。そして、この原盤の表面に離型剤を塗布した。
次いで、強化部材の開口部から、熱硬化性液状ジメチルシロキサンゴム(ダウコウニングアジア社製:SYLGARD184、粘度5000mPa・s)及びその硬化剤を混合したものを流し込み(この際、原盤凸部の末端部は前記ゴムで覆われないようにした)、120℃で30分間加熱して硬化させた。硬化後、硬化ゴム(硬化樹脂層)と強化部材とが一体になったものを原盤から剥離したところ、前記凸部に対応する凹部を持ち、凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填するための進入部及び該樹脂を凹部から排出させるための排出部が形成されたゴム鋳型が作製された。
アートンフイルム(膜厚100μm)を160℃に加熱した状態で、真空蒸着法により、その片面全面にクロム接着層0.2μm及び銅導電層0.8μmを成膜して、金属導電層を設けた。
次に、スピナ−でポジ型レジスト(東京応化製)を塗布し、80℃2分のプリベークを行い、1.2μmのレジスト膜を得た。次に、高圧水銀灯を有する紫外線露光用真空密着型マスクアライナーを用い、面発光レーザー制御用配線パターンと電源配線パターン用のパターンマスクを用いて、パターン露光を行い、アルカリ剤で現像を行い水洗し、130℃でポストベークを2分間行った。その後、塩化鉄から成るエッチング液で銅及びクロム層を除去し、次ぎにアセトン液に浸漬させながら超音波を与えてレジスト膜の剥離を行い、その後水洗を行った。アートンフィルム上に、薄膜金属からなる導電性パターンが得られ、各種電子デバイスを実装し電子回路を形成した。この電子回路の上に、粘着層を持つフィルムで覆い汚れ等を防止した。
前記ゴム鋳型を、アートンフイルムの電子回路を有しない非形成面に加圧密着させた。また、電子回路が無い部分に前記ゴム鋳型の強化部材の各注入口と各排気口に注入管と減圧脱気管を接続した。圧力調整制御機を通して加圧注入管からゴム鋳型凹部に、粘度が1300mPa・sの紫外線硬化性樹脂(JSR社製:PJ3001)を30kPaの加圧圧力で注入した。また、ゴム鋳型の排出部では、減圧脱気管を通し静圧による−50kPaの減圧吸引を行なった。40秒でゴム鋳型凹部に紫外線硬化性樹脂を充填することができた。
ゴム鋳型から加圧注入管及び減圧脱気管をはずし、ゴム鋳型の露光用開口部から30mW/cm2のUV光を10分間照射してコア形成用硬化性樹脂を硬化させた。ゴム鋳型を剥離すると、アートンフイルム上に屈折率1.57のコアが形成された。
また光スイッチデバイスを半田バンプを用いて接合兼接着を行い、高分子光導波路中に設定し、光スイッチとしての機能の確認ができた。
電子回路を設けないアートンフィルムを用いて実施例1と同様にしてコア及びクラッド層を形成した後、アートンフィルムのコア非形成面に実施例1と同様にして電子回路を形成し、高分子光導波路を作製した。この高分子光導波路の3本の光導波路コアの平均導波損失は、6.1dB/cmであった。他の2本は光導波を確認できなかった。電子回路の導電性パターンを形成する際のフォトリソ工程における光導波路コアの形状劣化は、顕微鏡で確認できた。以上のことから、電子回路と光導波路コアとの混載基板を形成する場合は、予め電子回路を形成してから光導波路コアを形成することが好ましいことが分かる。
<ゴム鋳型の作製>
石英基板に紫外線硬化型厚膜レジスト液(マイクロケミカル(株)製、SU−8)をスピンコート法で塗布した後、80℃加熱オーブンでプリベークし、フォトマスクを通して高圧水銀灯により露光した後、現像工程を経て、断面が正方形の微細凸部(幅:80μm、高さ:80μm、長さ:100mm)を10本作製した。次に、これを120℃でポストベークした。このようにして作製した凸部の1つの端部に、モールドにより、高さ2mm、幅(凸部に直交する方向)10mm、基板長手方向長さ20mmの、断面が長方形の圧力緩和空隙作製用凸部を形成し、原盤とした。
前記原盤に離型剤を塗布した後、この上に熱硬化性シリコーンゴムオリゴマー(ダウコウニングアジア社製:SYLGARD184、ジメチルポリシロキサン)を、凸部の長手方向の一端が一部露出するように、かつ、他端にある空隙部作製用凸部の端部までが覆われるように、塗布した。この上から前記強化部材を押圧し固定した。その後、120℃で30分間加熱して硬化させ、シリコンゴムと強化部材を一体化させた。硬化シリコーンゴム層(硬化樹脂層)の厚さは10mmであった。次いでこれを原盤から剥離しゴム鋳型を得た。ゴム鋳型のシリコンゴム層には、40μm角の凹部と、コア形成用硬化性樹脂の進入部と排出部、空隙部とが形成された。
アートンフイルム(膜厚150μm)を170℃に加熱した状態で、高周波スパッタ法により、片面全面にアルミ導電層を1.1μmの膜厚で成膜して、金属導電層を設けた。
次ぎに、スピナーでポジ型レジスト(東京応化製)を塗布し、80℃2分のプリベークを行い、1.2μmのレジスト膜を形成した。次に、高圧水銀灯を有する紫外線露光用真空密着型マスクアライナーで、面レーザー発光素子制御用電子配線パターンと電源配線パターンを有するパターンマスクを用いてパターン露光を行った。次いで、アルカリ剤で現像を行い、水洗し、130℃でポストベークを2分間行った。その後、塩酸からなるエッチング液でアルミ層を除去し、次ぎにアセトン液に浸漬させながら超音波を与えながらレジストの剥離を行い、その後水洗を行い、アルミ導電層薄膜パターンをフィルムの上に形成し、各種電子テ゛ハ゛イスを接着し、各入力・出力部分の結線実装を行ない電子回路部分を完成させた。次ぎに電子回路部分に粘着層を持つフィルムを被覆し、汚れ・腐食等の防止を行った。
前記ゴム鋳型をアートンフイルムの電子回路部分の非形成面に加圧密着させた。また、前記ゴム鋳型の強化部材の各注入口と各排気口に注入管と減圧脱気管を接続した。注入管にはコア形成用硬化性樹脂を入れた加圧タンクに接続し、さらに加圧タンクに窒素ボンベを直結させ、静圧で該樹脂を圧入できるようにした。また、減圧脱気管は、圧力制御機構と減圧タンクを介して真空ポンプに接続し、圧力調整された静圧力による減圧吸引が行なわれるようにした。
静圧による加圧と同期して静圧による吸引を行ないながら、ゴム鋳型凹部に、粘度が500mPa・sの紫外線硬化性樹脂(JSR社製:PJ3001)を圧力注入した。
充填終了後、ゴム鋳型から注入管及び減圧脱気管をはずし、ゴム鋳型の石英製窓を通して80mW/cm2のUV光を10分間照射してコア形成用硬化性樹脂を硬化させた。
ゴム鋳型を剥離すると、アートンフイルム上に屈折率1.57のコアが形成された。
さらに、アートンフイルムのコア形成面に、硬化後の屈折率がアートンフイルムと同じ1.51である熱硬化性樹脂(JSR(株)製)を全面に塗布した後、加熱硬化させたところ、フレキシブルな高分子光導波路が得られた。この高分子光導波路の平均導波損失は、0.29dB/cmであった。
最後に、実施例1と同様にして、光導波路への光の良好な導波を確認した。
<ゴム鋳型の作製>
石英基板に紫外線硬化型厚膜レジスト液(マイクロケミカル(株)製、SU−8)をスピンコート法で塗布した後、80℃加熱オーブンでプリベークし、フォトマスクを通して高圧水銀灯により露光した後、現像工程・水洗工程を経て、断面が正方形の微細凸部(幅:50μm、高さ:50μm、長さ:100mm)を15本作製した。次に、これを120℃でポストベークした。このようにして作製した凸部の両端部に、モールドにより、高さ2mm、幅(凸部に直交する方向)15mm、基板長手方向長さ10mmの、断面が長方形の圧力緩和空隙作製用凸部を形成し、原盤とした。
次に、図6(A)に示すようなステンレス製の強化部材を作製した。露光用開口部24aは石英材とし、この原盤と強化部材を用いて、実施例2と同様にゴム鋳型を作製した。
基材として、各種レーザー発光素子用ドライバーや光スイッチ用駆動素子等の電子回路が埋めこみ又は表面実装されて設定されている10インチシリコンウエハーの表面にアートン材料(ノルボルネン構造のテトラシクロドデセン誘導体ポリマー)を塗布固化させて、フォトリソ法によりパターニングして10μm厚のクラッド層を形成したものを用いた。
実施例2と同様にして、ゴム鋳型をシルコンウエハーに密着させ、コア用紫外線硬化樹脂液を注入できるように設定を行ない、粘度が1300mPa・sの紫外線硬化性樹脂(JSR社製:PJ3001)をゴム鋳型凹部に充填した。
充填終了後、ゴム鋳型から加圧注入管及び減圧脱気管をはずし、ゴム鋳型の石英製窓を通して50mW/cm2のUV光を10分間照射してコア形成用硬化性樹脂を硬化させた。ゴム鋳型を剥離すると、シリコン基板のクラッド層の上に屈折率1.59のコアが形成された。
さらに、シリコン基材のコア形成面に、硬化後の屈折率がクラッド層材と同じ1.51である紫外線硬化性接着剤(JSR(株)製)を全面に塗布した後、膜厚100μmのアートンフィルムを載せ、50mW/cm2のUV光を15分間照射して紫外線硬化させた。電子回路付きシリコン基板を用いたサンドイッチ型高分子光導波路が得られた。この高分子光導波路の平均導波損失は、0.28dB/cmであった。
最後に、実施例1と同様にして、光導波路での光の良好な導波を確認した。
12 光導波路コアに対応する凸部
20 ゴム鋳型
21a コア形成用硬化性樹脂の注入管
21b 注入ヘッド
21c 脱気管
22 ゴム鋳型凹部
22a コア形成用硬化性樹脂の進入部
22b コア形成用硬化性樹脂の排出部
30 クラッド用基材
31 導電性パターン
40a コア形成用硬化性樹脂
40 コア
50 クラッド層
60 高分子光導波路
Claims (21)
- 1)ゴム鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層に、光導波路コア凸部に対応する凹部を設けてなるゴム鋳型を準備する工程、2)ゴム鋳型にクラッド用基材を密着させる工程、3)クラッド用基材を密着させたゴム鋳型の凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、5)ゴム鋳型をクラッド用基材から剥離する工程、及び6)コアが形成されたクラッド用基材の上にクラッド層を形成する工程、を有することを特徴とする高分子光導波路の製造方法。
- 前記クラッド用基材が、クラッド層付き電子回路を埋め込んで形成したシリコン基板、又はクラッド層付き電子回路基板であることを特徴とする請求項1に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記ゴム鋳型が、前記硬化樹脂層を補強する強化部材を有し、該強化部材に、硬化樹脂層の凹部に連通するコア形成用硬化性樹脂の注入口が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記強化部材が、金属材料又はセラミック材料からなることを特徴とする請求項3に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記強化部材の厚さの最大値が、0.5mm〜40mmであることを特徴とする請求項3または4に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記ゴム鋳型が、前記硬化樹脂層の凹部両端部におけるコア形成用硬化性樹脂の進入部及び/又は排出部に連通する応力緩和のための空隙部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記ゴム鋳型形成用硬化性樹脂が、液状シリコーンゴムからなることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記クラッド用基材の表面に、全面または部分的にクラッド層が設けていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記3)の工程における充填に際し、ゴム鋳型凹部のコア形成用硬化性樹脂排出側から減圧吸引することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記減圧吸引と同期して、ゴム鋳型凹部のコア形成用硬化性樹脂注入側から加圧により充填することを特徴とする請求項9に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記加圧充填及び/又は減圧吸引を静圧力で行なうことを特徴とする請求項9または10に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記加圧充填及び/又は減圧吸引における加圧圧力又は減圧圧力を段階的に変化させて制御することを特徴とする請求項9または10に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記ゴム鋳型の硬化樹脂層の層厚の最大値が、10μm〜50mmであることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記ゴム鋳型のコア形成用硬化性樹脂に接するゴム表面エネルギーが、100μN/cm〜350μN/cmであることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記ゴム鋳型のゴム鋳型形成用硬化性樹脂のシェア(Share)ゴム硬度が、15〜80であることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記ゴム鋳型のコア形成用硬化性樹脂と接するゴム表面粗さが、0.5μm以下であることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記ゴム鋳型のゴム鋳型形成用硬化性樹脂が、365nmの光波長において50%/mm以上の光透過性であることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記クラッド用基材が、セラミック樹脂複合基材、フィルム基材、セラミック基材、又はシリコンウエハーからなることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記コア形成用硬化性樹脂の硬化前粘度が50mPa・s〜3000mPa・sであることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 前記クラッド用基材と前記クラッド層との屈折率の差が、0.1以下であることを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の高分子光導波路の製造方法。
- 1)ゴム鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層に、光導波路コア凸部に対応する凹部を設けてなるゴム鋳型を準備する工程、2)ゴム鋳型にクラッド用基材を密着させる工程、3)クラッド用基材を密着させたゴム鋳型の凹部にコア形成用硬化性樹脂を充填する工程、4)充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程、を有する高分子光導波路の製造方法であって、
前記クラッド用基材が赤外光に対して80%/mm以上の透過性を有し、かつ該クラッド用基材の屈折率と前記4)の工程で硬化されたコア形成用硬化性樹脂の屈折率との差が0.01以上であることを特徴とする高分子光導波路の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003405591A JP2005165087A (ja) | 2003-12-04 | 2003-12-04 | 高分子光導波路の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003405591A JP2005165087A (ja) | 2003-12-04 | 2003-12-04 | 高分子光導波路の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005165087A true JP2005165087A (ja) | 2005-06-23 |
Family
ID=34728217
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003405591A Withdrawn JP2005165087A (ja) | 2003-12-04 | 2003-12-04 | 高分子光導波路の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005165087A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7382960B2 (en) * | 2005-07-25 | 2008-06-03 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Optical waveguide film, and light transmission and reception module |
-
2003
- 2003-12-04 JP JP2003405591A patent/JP2005165087A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7382960B2 (en) * | 2005-07-25 | 2008-06-03 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Optical waveguide film, and light transmission and reception module |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3945322B2 (ja) | 光学素子およびその製造方法 | |
JP2006126568A (ja) | 高分子光導波路デバイスの製造方法 | |
JP2005181662A (ja) | 高分子光導波路の製造方法 | |
JP4144468B2 (ja) | 積層型高分子光導波路およびその製造方法 | |
JP2008020722A (ja) | 光導波路及びその製造方法 | |
JP4196839B2 (ja) | 高分子光導波路の製造方法 | |
JP2004086144A (ja) | 高分子光導波路の製造方法 | |
JP2004144987A (ja) | 高分子光導波路の製造方法 | |
JP2007279515A (ja) | レンズ内蔵光導波路及びその製造方法 | |
JP4265293B2 (ja) | 鋳型及びコネクタ一体型高分子光導波路の製造方法 | |
JP4581328B2 (ja) | 高分子光導波路及び光学素子の製造方法 | |
JP2007233303A (ja) | 高分子光導波路モジュールの製造方法 | |
JP4175183B2 (ja) | 高分子光導波路の製造方法 | |
JP4848986B2 (ja) | 光導波路及びその製造方法 | |
JP2007086330A (ja) | 高分子光導波路デバイスの製造方法 | |
JP4534415B2 (ja) | 高分子光導波路の製造方法 | |
JP4292892B2 (ja) | 積層型高分子光導波路の製造方法及びこの方法により作製される積層型高分子光導波路 | |
JP4140475B2 (ja) | 高分子光導波路作製用原盤及び高分子光導波路の製造方法 | |
JP4561059B2 (ja) | 高分子光導波路の製造方法 | |
JP4281548B2 (ja) | フレキシブル高分子光導波路の製造方法 | |
JP2005165087A (ja) | 高分子光導波路の製造方法 | |
JP4337559B2 (ja) | 高分子光導波路製造用鋳型及び高分子光導波路の製造方法 | |
JP4273975B2 (ja) | フレキシブル高分子光導波路の製造方法 | |
JP2005208285A (ja) | 高分子光導波路の製造方法 | |
JP2007086223A (ja) | 光導波路及び光導波路の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061127 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080826 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080902 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20081029 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20090903 |