JP2005163837A - フッ素樹脂被覆ゴムローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】 複写機などの定着装置に用いられる加圧ローラに適した、用紙搬送力が向上し、且つ柔軟性が増し耐久性に優れたフッ素樹脂被覆ゴムローラを提供すること。
【解決手段】 動的粘弾性測定装置(ARES)による100℃での貯蔵弾性率(G‘)測定値が60MPa以下であり、パーフルオロアルキルビニルエーテルの含有量が6〜25重量%である、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体からなる、厚さ0.01〜0.15mmのチューブにより被覆されてなるフッ素樹脂被覆ゴムローラ、及び該ゴムローラからなる加圧ローラ。
【選択図】 なし
【解決手段】 動的粘弾性測定装置(ARES)による100℃での貯蔵弾性率(G‘)測定値が60MPa以下であり、パーフルオロアルキルビニルエーテルの含有量が6〜25重量%である、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体からなる、厚さ0.01〜0.15mmのチューブにより被覆されてなるフッ素樹脂被覆ゴムローラ、及び該ゴムローラからなる加圧ローラ。
【選択図】 なし
Description
本発明は、オフィスオートメーション機器(OA機器)、例えば複写機などの定着装置に用いられる加圧ローラにおいて、用紙搬送力の向上と同時にローラ表面硬度の柔軟性を向上させた耐久性に優れたフッ素樹脂被覆ゴムローラに関する。
複写機などの定着装置に用いられる加圧ローラとして、従来より主としてゴムローラが採用されている。こうしたゴムローラは、その表面にシリコンコーティング、或いはフッ素樹脂塗料によるコーティングが施されていたが、これらは耐久性の面で問題があるため、最近ではフッ素樹脂系チューブにより被覆されたゴムローラが多用されるようになった。用いられるフッ素樹脂系チューブとしては、耐久性、耐熱性等に優れたテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAという)製チューブが多用される傾向にある。しかしながら、これらPFA製チューブで被覆されたゴムローラは滑り性が良すぎるため、特にオンデマンド方式による定着装置に用いると、ゴムローラと用紙との間において必要とする用紙搬送力が得られずに用紙が滑ってしまい、その進行を妨げるという問題が生じていた。(特許第2944457号公報)
また、最近ではカラープリンターの普及に伴い、画像鮮明性の観点から加圧ローラとして柔軟性に富むゴムローラが求められ、内層のシリコンゴム自体も柔軟性が増して来ている。しかしながら、ゴムローラの表層に使用されているフッ素樹脂層と下層の弾性体層の硬度差が大きいと、ローラ定着方式及びフィルム定着方式による定着装置の何れにおいても画像不良を引き起こすという問題が生じていた。
本発明は、複写機などの定着装置に用いられる加圧ローラとして、用紙搬送力が向上し、かつ柔軟性が増し耐久性に優れたフッ素樹脂被覆ゴムローラを提供することを目的とする。
樹脂個々の柔軟性の尺度として動的粘弾性測定装置(ARES)による貯蔵弾性率を指標に用いた。この貯蔵弾性率の数値が小さいほど柔軟性があると解釈できる。またローラ成形体の柔軟性はローラ表面硬度としてデュロメータ(タイプC)硬度測定器にて求めた。この場合でも数値が小さい程柔軟性が高いことを示している。
通常のPFAにおいてはコモノマーとしてPPVE(パーフルオロプロピルビニルエーテル)が3〜4重量%含まれており、その貯蔵弾性率は100℃において約70MPaであり、下地のシリコーン樹脂に柔軟性を持たせて、その貯蔵弾性率を約1MPaと小さくしても、PFA樹脂がシリコーン樹脂に比較して高い弾性を持つためにロール自体を柔らかくすることが困難であった。その解決手段の一つとしてPFA樹脂の厚さを薄くするという方法も考えられるが、薄いPFA樹脂膜製作にも自ずと限界があり、また薄くしすぎると膜強度及び耐久性上の問題も生じてくる。
本発明は、動的粘弾性測定装置(ARES)による100℃での貯蔵弾性率(G‘)測定値が60MPa以下であり、パーフルオロアルキルビニルエーテルの含有量が6〜25重量%であるテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体からなる、厚さ0.01〜0.15mmのチューブにより被覆されてなることを特徴とするフッ素樹脂被覆ゴムローラを提供する。
前記PAVEが、パーフルオロエチルビニルエーテル(PEVE)である前記フッ素樹脂被覆ゴムローラは、本発明の好ましい態様である。
前記フッ素樹脂被覆ゴムローラが、オフィスオートメーション機器の定着部に用いられるゴムローラであることは、本発明の好ましい態様である。
本発明によれば、特定の性質を有するテトラフルオロエチレン(TFE)・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)の共重合体からなる、厚さ0.01〜0.15mmのチューブによりゴムローラが被覆されることにより、用紙搬送力が向上し、かつ柔軟性が増し耐久性、耐熱性、離型性に優れたフッ素樹脂被覆ゴムローラを得ることができる。
更に、本発明のフッ素樹脂チューブで被覆されたゴムローラは、チューブ表層が細かな凹凸に追従するため、トナー粒子の大小に係わらず均一に加熱溶融することができ、カラープリンター、複写機などに応用することにより、高画質の画像が得られる。
即ち、本発明の弗素樹脂被覆ゴムローラは、複写機などの定着装置に用いられる加圧ローラ或いは定着ローラとして有用であり、特にオンデマンド方式による定着装置に有用である。
即ち、本発明の弗素樹脂被覆ゴムローラは、複写機などの定着装置に用いられる加圧ローラ或いは定着ローラとして有用であり、特にオンデマンド方式による定着装置に有用である。
本発明は、動的粘弾性測定装置(ARES)による100℃での貯蔵弾性率(G‘)測定値が60MPa以下であることを特徴とするテトラフルオロエチレン(TFE)・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)共重合体(PFA)からなる、厚さ0.01〜0.15mmのチューブにより被覆されてなることを特徴とするフッ素樹脂被覆ゴムローラを提供する。
本発明のフッ素樹脂被覆ゴムローラは、用紙搬送力が向上し、かつ柔軟性が増し、耐久性、耐熱性、離型性に優れたフッ素樹脂被覆ゴムローラである。
本発明におけるテトラフルオロエチレン(以下、TFEという)・パーフルオロアルキルビニルエーテル(以下、PAVEという)共重合体(以下、PFAという)は、PAVEを6〜25重量%、好ましくは6〜20重量%含有する物が好ましい。本発明のPFAの柔軟性はPAVEの含有量に比例して向上するが、PAVEの含有量が6重量%未満である場合には十分な柔軟性が得られないため好ましくなく、25重量%を越える場合には機械的特性が極端に低下するため好ましくない。
本発明におけるPAVEとしては、パーフルオロエチルビニルエーテル(PEVE)であることが好ましい。前記PAVEが、パーフルオロエチルビニルエーテル(PEVE)である前記フッ素樹脂被覆ゴムローラは、本発明の好ましい態様である。
コモノマーがPEVEの場合には、PEVEのTFEに対する反応性が高いために均質性良くコモノマー含有量の高いポリマーを得ることができる。PAVEがパーフロロプロピルビニルエーテル(PPVE)である場合は、PPVEのTFEに対する反応性がPEVEと比べて乏しいため、通常行なわれているPFAの重合条件で、コモノマー含有量の高いポリマーを均質性高く得ることは、PEVEと比べて難しくなる傾向がある。
本発明におけるテトラフルオロエチレン(TFE)・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)共重合体(PFA)は、主成分であるTFEにコモノマーとしてPAVEを加え、重合圧1.0〜4.0MPa、 重合温度50℃〜120℃の重合条件のもと、公知の重合法により、PAVEの分布が均質な重合体として得ることができる。
重合により得られたPFAは、非粘着性、耐熱性、耐油性、耐薬品性、及びトナーに対する離型性向上の観点から、ポリマー鎖末端の反応性官能基である不安定末端基をフッ素化等によりトリフロロメチル基(−CF3)に変換することが好ましい。より好ましくは、106個の炭素中に−COF、−COOH、或いは−CONH2等の不安定末端基の数が0個、多くとも15個である。
フッ素化は、通常大気圧あるいは0.0〜1MPa(ゲージ圧)の範囲で、通常50℃〜250℃、好ましくは200℃までの温度のフッ素ガスに、PFAを1〜20時間接触させることにより行う。用いるフッ素ガスは純粋なフッ素ガスを用いてもよいが、安全性の面から窒素ガス、ヘリウムガス、及びアルゴンガス等の不活性ガスで2〜50容量%に希釈されたフッ素ガスを用いることが好ましい。接触させるPFAの形状は、特に限定されず、粉末状、ペレット状、フレーク状等のいずれの形状であってもよい。
フッ素化によって樹脂中の比較的低分子量ポリマーは除去されるが、更に除去したい場合には、フッ素化後、PFAを融点付近以下の温度で加熱処理する、あるいは再押出しを行なうとよい。このことによってPFA樹脂の非粘着性、耐熱性、耐油性、耐薬品性、及びトナーに対する離型性をより一層向上させることもできる。
本発明におけるPFAは、動的粘弾性測定装置(ARES)による100℃での貯蔵弾性率(G‘)測定値が60MPa以下である。貯蔵弾性率は樹脂の柔軟性を示し、貯蔵弾性率の値が小さくなるにつれ共重合体の柔軟性が増すことを示している。
従来のPFA(パーフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)を3〜4重量%含む)の貯蔵弾性率(G‘)が、100℃において70〜80MPa, 200℃において26〜31MPaであるのに対し、本発明のPFAは、100℃では60MPa以下、200℃では20MPa以下であり、加温領域では従来のPFAより柔軟性に富み、複写機などの定着装置に用いられる加圧ローラとしての使用温度領域100〜200℃の温度領域において柔らかくシリコンゴムの柔軟性を損なわないものが得られる。このような樹脂としては本出願人による先の出願(特願2002−330617)に記載された樹脂が好ましい。
因みに、表1にPAVEの一種としてPEVEを用いた場合のPEVE含有量と温度に対する貯蔵弾性率の変化を、PPVEを3〜4重量%含有する従来品のPFA(PFA350−J)と比較して表1に例示する。
本発明におけるPFAからなるチューブは、通常の溶融押出成形法により筒状に成形され、成形方法については特に限定されるものではない。筒状に成形されたチューブは熱収縮性を有するものであっても良く、必要に応じて延伸されたものであってもよい。
また、本発明におけるPFAからなるチューブは、本発明におけるPFAのみから成形されてもよいが、必要に応じPFAに、チューブの特性を著しく損なわない範囲で他の成分、例えば公知の添加剤を含んで成形されてもよい。また、フッ素樹脂チューブがゴムローラ表面と接着し易いように、フッ素樹脂チューブの内表面に予め公知の方法に従ってエッチング処理および/またはプライマー処理などを施しておいてもよい。
また、本発明におけるPFAからなるチューブは、本発明におけるPFAのみから成形されてもよいが、必要に応じPFAに、チューブの特性を著しく損なわない範囲で他の成分、例えば公知の添加剤を含んで成形されてもよい。また、フッ素樹脂チューブがゴムローラ表面と接着し易いように、フッ素樹脂チューブの内表面に予め公知の方法に従ってエッチング処理および/またはプライマー処理などを施しておいてもよい。
本発明におけるPFAからなるチューブの厚さは、0.01〜0.15mmであることが好ましい。チューブの厚さが0.01mm未満である場合には十分な耐久性が得られず、0.15mmを越える場合にはチューブが硬くなるため好ましくない。
本発明におけるゴムローラは、芯金にゴムが付設されてなるものである。用いられるゴムとしては特に制限は無く、シリコン系エラストマー、フッ素系エラストマーなどを例示することができる。また、その硬度について特に制限はないが、デュロメータ硬度(タイプC)により約10〜30度のゴム硬度を有するものが、通常最も好ましい用紙搬送力を示すため好ましい。
本発明のフッ素樹脂被覆ゴムローラは、公知のフッ素樹脂被覆ゴムローラの製造方法により製造することができる。例えば、まず芯金と本発明におけるPFAからなるチューブとを筒状成型棒の内部に隙間をあけて配置し、かつ筒状成型棒の内表面と該チューブの外表面とが接触するように配置した後、該隙間に生ゴム、ラテックス、あるいはエラストマーなどを流し込み、必要に応じて加硫することにより得ることができる。あるいは、予めゴムローラを作製しておき、その表面に本発明にかかるチューブを被覆してもよい。この際用いられるチューブとしては、熱収縮性を有するものが好ましい。
本発明のフッ素樹脂被覆ゴムローラは画像鮮明性が向上するため、複写機などの定着装置に用いられる加圧ローラとして有用であり、特にオンデマンド方式による定着装置に有用である。
本発明のフッ素樹脂被覆ゴムローラが、オフィスオートメーション機器の定着部に用いられるゴムローラであることは、本発明の好ましい態様である。
即ち、オフィスオートメーション、例えば、複写機、カラープリンターなど、の定着部は通常100℃〜200℃の温度がかかった条件で使用されており、本発明のフッ素樹脂被覆ゴムローラは、従来のフッ素樹脂被覆ローラとしての特性、例えは、トナーに対する離型性、耐熱性などを損なうことなく、使用温度条件における柔軟性を向上させ、そのことによって用紙搬送能力を向上させるという特徴を有する。このことにより、プリンター或いは複写機としての高速化が可能となり、また用紙とコピーローラとの間の滑りが小さくなるために画像鮮明性の向上に繋がる物として期待される。
即ち、オフィスオートメーション、例えば、複写機、カラープリンターなど、の定着部は通常100℃〜200℃の温度がかかった条件で使用されており、本発明のフッ素樹脂被覆ゴムローラは、従来のフッ素樹脂被覆ローラとしての特性、例えは、トナーに対する離型性、耐熱性などを損なうことなく、使用温度条件における柔軟性を向上させ、そのことによって用紙搬送能力を向上させるという特徴を有する。このことにより、プリンター或いは複写機としての高速化が可能となり、また用紙とコピーローラとの間の滑りが小さくなるために画像鮮明性の向上に繋がる物として期待される。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
PEVE含有量、メルトフローレイト、貯蔵弾性率、用紙搬送力、耐久性、及び表面硬度の測定方法を下記に示す。
PEVE含有量、メルトフローレイト、貯蔵弾性率、用紙搬送力、耐久性、及び表面硬度の測定方法を下記に示す。
<PEVE含有量(重量%)>
測定サンプルとして、PEVEを含むフッ素樹脂を350℃にて圧縮成形した後水冷して得られる厚さ約50μmのフィルムを使用した。
赤外吸収測定装置として、PERKIN ELMER製 FT−IR Spectrometer(SPECTRUM 1000)を用い、窒素雰囲気下に赤外吸収スペクトルの測定を行い、サンプルフィルムの2750〜2100cm−1の領域にあるピークの吸光度(Abs1)と1105〜1067cm−1の領域にあるピークの吸光度(Abs2)から吸光度の比を求め、下式に従ってPEVE含有量を求めた。
PEVE(重量%)={1.2797×[(Abs2)/(Abs1)]}+0.75068
測定サンプルとして、PEVEを含むフッ素樹脂を350℃にて圧縮成形した後水冷して得られる厚さ約50μmのフィルムを使用した。
赤外吸収測定装置として、PERKIN ELMER製 FT−IR Spectrometer(SPECTRUM 1000)を用い、窒素雰囲気下に赤外吸収スペクトルの測定を行い、サンプルフィルムの2750〜2100cm−1の領域にあるピークの吸光度(Abs1)と1105〜1067cm−1の領域にあるピークの吸光度(Abs2)から吸光度の比を求め、下式に従ってPEVE含有量を求めた。
PEVE(重量%)={1.2797×[(Abs2)/(Abs1)]}+0.75068
<メルトフローレイト(MFR)>
ASTM D1238に準じて行った。東洋精機製メルトインデクサーを使用し、5gの試料を372±1℃に保持された内径9.53mmのシリンダーに充填して5分間保持した後、49.03Nの荷重(ピストン及び重り)下に内径2.1mm、長さ8mmのオリフィスを通して押し出し、この時の押し出し速度(g/10分)をMFRとして求めた。
ASTM D1238に準じて行った。東洋精機製メルトインデクサーを使用し、5gの試料を372±1℃に保持された内径9.53mmのシリンダーに充填して5分間保持した後、49.03Nの荷重(ピストン及び重り)下に内径2.1mm、長さ8mmのオリフィスを通して押し出し、この時の押し出し速度(g/10分)をMFRとして求めた。
<貯蔵弾性率(G‘)>
350℃で圧縮成形し、厚み0.8〜2.0mmのシートを測定用資料として作製した。その一部を縦45mm×横12.5mmに切り取り、動的粘弾性測定用試料とした。動的粘弾性測定装置(通称ARES:Rheometric Scientific F.E.社製)を用いて室温〜200℃温度における貯蔵弾性率(G‘)を求めた。
350℃で圧縮成形し、厚み0.8〜2.0mmのシートを測定用資料として作製した。その一部を縦45mm×横12.5mmに切り取り、動的粘弾性測定用試料とした。動的粘弾性測定装置(通称ARES:Rheometric Scientific F.E.社製)を用いて室温〜200℃温度における貯蔵弾性率(G‘)を求めた。
<用紙搬送力>
オンデマンド方式による定着装置(ローラ外径25mm)におけるポリイミド系耐熱性ベルトと、各例で得られた定着用加圧ゴムローラとの間にコピー用紙を置き、この状態で用紙を引っ張ったときの力を(g)で表す。
オンデマンド方式による定着装置(ローラ外径25mm)におけるポリイミド系耐熱性ベルトと、各例で得られた定着用加圧ゴムローラとの間にコピー用紙を置き、この状態で用紙を引っ張ったときの力を(g)で表す。
<耐久性>
上記定着装置をニップ幅5.0mm、ローラ温度で連続運転した時のフッ素樹脂被覆ゴムローラの連続稼動時間数と、その時のローラ状態の肉眼所見を表す。
上記定着装置をニップ幅5.0mm、ローラ温度で連続運転した時のフッ素樹脂被覆ゴムローラの連続稼動時間数と、その時のローラ状態の肉眼所見を表す。
<表面硬度>
フッ素樹脂被覆ゴムローラを室温下、及び100℃に保った各々の恒温槽中に1時間放置し、デュロメーター(タイプC)硬度測定器を用いてローラ表面硬度を測定した。
フッ素樹脂被覆ゴムローラを室温下、及び100℃に保った各々の恒温槽中に1時間放置し、デュロメーター(タイプC)硬度測定器を用いてローラ表面硬度を測定した。
(実施例1)
パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)として、パーフルオロエチルビニルエーテル(PEVE)を6.7重量%含むPFA[貯蔵弾性率(G‘):100℃で47.7MPa、20℃で244.1MPa、MFR:2.4g/10min(372℃)]を、環状ダイを用いて溶融押出し、径24mm、厚さ0.03mmのチューブを得た。得られたチューブの内面はエッチングによる内面処理後、プライマー処理が施された。中心部に芯金が配置された筒状成型棒の内表面に、筒状成型棒の内表面と該チューブの外表面とが接触するように配置し、かつ該チューブの内表面と前記予め配置された芯金とが隙間を有するように配置し、該隙間にシリコーン系の未加硫ゴムを流し込み加硫した後、筒状成型棒を取り去ることによりフッ素樹脂被覆ゴムローラを得た。得られたゴムローラの用紙搬送力、耐久性、及び表面硬度を、各々表2、表3および表4に示す。
パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)として、パーフルオロエチルビニルエーテル(PEVE)を6.7重量%含むPFA[貯蔵弾性率(G‘):100℃で47.7MPa、20℃で244.1MPa、MFR:2.4g/10min(372℃)]を、環状ダイを用いて溶融押出し、径24mm、厚さ0.03mmのチューブを得た。得られたチューブの内面はエッチングによる内面処理後、プライマー処理が施された。中心部に芯金が配置された筒状成型棒の内表面に、筒状成型棒の内表面と該チューブの外表面とが接触するように配置し、かつ該チューブの内表面と前記予め配置された芯金とが隙間を有するように配置し、該隙間にシリコーン系の未加硫ゴムを流し込み加硫した後、筒状成型棒を取り去ることによりフッ素樹脂被覆ゴムローラを得た。得られたゴムローラの用紙搬送力、耐久性、及び表面硬度を、各々表2、表3および表4に示す。
(比較例1)
PAVEとして、パーフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)を3.3重量%含む市販のPFA[三井・デュポンフロロケミカル社製、テフロン(登録商標)PFA350−J、貯蔵弾性率(G‘):100℃で72.9MPa、20℃で248.7MPa、MFR:1.9g/10min(372℃)]を用いる以外は、実施例1と同様にしてフッ素樹脂被覆ゴムローラを得た。得られたゴムローラの用紙搬送力、耐久性、及び表面硬度を、各々表2、表3および表4に示す。
PAVEとして、パーフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)を3.3重量%含む市販のPFA[三井・デュポンフロロケミカル社製、テフロン(登録商標)PFA350−J、貯蔵弾性率(G‘):100℃で72.9MPa、20℃で248.7MPa、MFR:1.9g/10min(372℃)]を用いる以外は、実施例1と同様にしてフッ素樹脂被覆ゴムローラを得た。得られたゴムローラの用紙搬送力、耐久性、及び表面硬度を、各々表2、表3および表4に示す。
(比較例2)
チューブを被覆しない他は実施例1と同様にしてゴムローラを得た後、得られたゴムローラの表面にプライマー処理を施し、その上に4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体系のフッ素樹脂塗料による厚さ0.015mmのコーティングを施し、フッ素樹脂被覆ゴムローラを得た。得られたゴムローラの用紙搬送力および耐久性を、各々表2および表3に示す。
チューブを被覆しない他は実施例1と同様にしてゴムローラを得た後、得られたゴムローラの表面にプライマー処理を施し、その上に4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体系のフッ素樹脂塗料による厚さ0.015mmのコーティングを施し、フッ素樹脂被覆ゴムローラを得た。得られたゴムローラの用紙搬送力および耐久性を、各々表2および表3に示す。
(実施例2)
カラーレーザープリンター(キャノン製)による印刷を行い、夫々の画像を目視にて評価した結果、表5に示すように、画像鮮明性、しっとり感、光沢、トナー離型性の各項目の総合評価において従来のトナー定着用加圧ゴムローラよりも明らかに優れた結果を示した。
カラーレーザープリンター(キャノン製)による印刷を行い、夫々の画像を目視にて評価した結果、表5に示すように、画像鮮明性、しっとり感、光沢、トナー離型性の各項目の総合評価において従来のトナー定着用加圧ゴムローラよりも明らかに優れた結果を示した。
以上の結果から、本発明におけるフッ素樹脂被覆ゴムローラが良好な用紙搬送力、柔軟性、及び適度な耐久性の全てを兼ね備えたものであるのに対し、比較例1は用紙搬送力が実用域において不十分であり、比較例2は耐久性が悪く、ゴムローラとして問題があることが明らかである。よって、本発明におけるフッ素樹脂被覆ゴムローラは実用性の高いものであることが分かる。
Claims (3)
- 動的粘弾性測定装置(ARES)による100℃での貯蔵弾性率(G‘)測定値が60MPa以下であり、パーフルオロアルキルビニルエーテルの含有量が6〜25重量%である、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体からなる、厚さ0.01〜0.15mmのチューブにより被覆されてなるフッ素樹脂被覆ゴムローラ。
- 前記パーフルオロアルキルビニルエーテルが、パーフルオロエチルビニルエーテルであることを特徴とする請求項1に記載のフッ素樹脂被覆ゴムローラ。
- フッ素樹脂被覆ゴムローラが、オフィスオートメーション機器の定着部に用いられるゴムローラである請求項1〜3記載のフッ素樹脂被覆ゴムローラ。
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