JP2005162997A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
〔課題〕
ハロゲン元素或いはリンを或程度の量を用いて難燃化を図る以外に、プラスチックスの物性を損なうことなく、充分な難燃性を付与する技術は、幅広い研究が行われているにせよ、見当たらなかったと言える。
〔解決手段〕
窒素含有率1重量(%)以上のポリマーと、0.1重量(%)以上10重量(%)以下の酸化ビスマスを併用することにより、着炎を著しく妨げ、仮に着炎しても、焔を取り去ると直ちに消炎することを発見。この組成物がプラスチックスの物性を損なわず、また、ハロゲン元素、リン等の従来からの難燃付与物質を含まずに難燃化が可能なことが明らかにされた。
ハロゲン元素或いはリンを或程度の量を用いて難燃化を図る以外に、プラスチックスの物性を損なうことなく、充分な難燃性を付与する技術は、幅広い研究が行われているにせよ、見当たらなかったと言える。
〔解決手段〕
窒素含有率1重量(%)以上のポリマーと、0.1重量(%)以上10重量(%)以下の酸化ビスマスを併用することにより、着炎を著しく妨げ、仮に着炎しても、焔を取り去ると直ちに消炎することを発見。この組成物がプラスチックスの物性を損なわず、また、ハロゲン元素、リン等の従来からの難燃付与物質を含まずに難燃化が可能なことが明らかにされた。
Description
本発明は、従来知られていなかった、難燃性樹脂組成物に関するものである。
熱可塑性、熱硬化性を問わず、プラスチックス(以後この表現に統一する)を難燃化することは、エロクトロニクス部品分野、家電製品、建築材料、自動車内装といった頗る広いプラスチックスの応用分野に必要欠くべからざることとなっている。当然のことながら火災発生の危険性を防止するためがその主な目的となる。
ここで言う難燃性とは、所望の厚みの規格化された寸法、試験法でUL規格のV−0と認定された場合を意味するものとする。
ここで言う難燃性とは、所望の厚みの規格化された寸法、試験法でUL規格のV−0と認定された場合を意味するものとする。
難燃性をプラスチックスに付与するには、ポリ塩化ビニルのように分子構造に塩素原子のようなハロゲン元素を含んでいる場合は別にして、塩素、臭素等のハロゲン元素と、アンチモン、リン等の化合物を併用することが定石的に行われており、これらとは別に、例えば赤リンのようなリン原子を5重量(%)、又はリンの有機化合物もリン原子含有率として、同一レベルでの使用も行われている。特に、臭素とアンチモンの化合物、例えばデカブロムビフェニルと三酸化アンチモンとの併用は、一つの代表的な難燃性付与のパターンを形成し、広く用いられている。
然るに、環境改善の動きは一つの大きな流れとなっており、これに棹差すことは許されても、流れに逆行することは出来ない。プラスチックスの難燃性付与剤で最も問題とされるのは、ハロゲン元素を含んだ難燃性樹脂を焼却処分する時に発生するとされるダイオキシン類似またはそのものである。ダイオキシンは家庭ゴミを始め、紙類(漂白剤の残留塩素、稀少量の)でも、燃焼温度が1,000℃以下の場合に発生することは、現在では常識化しており、プラスチックスの難燃剤よりも遥かに多量である。
然し、一度形成された一般概念、つまりプラスチックスを燃やすとダイオキシンが発生するといったことから、プラスチックスを実用化しているユーザーがそれらを使用しない方向を打ち出しており、産業界も難燃性付与としてハロゲン元素を用いずに難燃化する方法を色々と模索している。
一方、赤リン始めリン化合物は、例えば土中埋没処理された場合、どのように変化するか不明の点が多く、使用を控える動きもある。
現在は、シリコン樹脂、フッ素樹脂の併用などが主に検討されているが、まだ完全なものはないようである。建材などの用途には、例えば水酸化マグネシウムの使用も行われているが、エレクトロニクス部品分野では、水に親和性のあるフィラー等は使用困難である。
然し、一度形成された一般概念、つまりプラスチックスを燃やすとダイオキシンが発生するといったことから、プラスチックスを実用化しているユーザーがそれらを使用しない方向を打ち出しており、産業界も難燃性付与としてハロゲン元素を用いずに難燃化する方法を色々と模索している。
一方、赤リン始めリン化合物は、例えば土中埋没処理された場合、どのように変化するか不明の点が多く、使用を控える動きもある。
現在は、シリコン樹脂、フッ素樹脂の併用などが主に検討されているが、まだ完全なものはないようである。建材などの用途には、例えば水酸化マグネシウムの使用も行われているが、エレクトロニクス部品分野では、水に親和性のあるフィラー等は使用困難である。
即ち、本発明は、ハロゲン元素及びその化合物にアンチモン、リンの化合物の併用を行うことなく、プラスチックスに難燃性を付与せんとするものである。
窒素原子(以下原子を省略)を、20重量(%)以上含むプラスチックス、例えばメラミン〜ホルムアルデヒド樹脂は難燃性であるが、一般的に言って分子量の比較的小さい窒素を充分な難燃性を示すまで含有させることは難しい。組合せから言えば、窒素とリンの併用は難燃性を示す可能性があるものの、窒素とアンチモンを同時に用いても、ほとんど窒素単独の難燃性を示すに止まる。
本発明者らは、窒素と併用することにより、難燃効果を示す配合物の組合せを各種検討した結果、ビスマスの酸化物を窒素と共用することにより優れた難燃効果を示すことを見出し、発明を完成することが出来た。
即ち、本発明は、窒素を含むプラスチックスに酸化ビスマスを併用することであるが、窒素はプラスチックスの成分でも、窒素化合物の添加でも良い。
窒素を含むプラスチックス類としては、例えば次の種類があげられる(順不同)。
熱硬化では、
(イ)ユリア、メラミン、グアナミン類とホルムアルデヒドの縮合系樹脂
(ロ)イソシアナートを一成分とするポリウレタン樹脂
(ハ)イソシアナートの脱炭酸ガスで形成されるカルボジイミド基−N=C=N−を有するポリカルボジイミド
(ニ)1級、2級アミンを硬化剤とするエポキシ樹脂、同ポリアミドアミンも同様
(ホ)アンモニアレゾール型フェノール樹脂
(ヘ)ベンゾオキサジン樹脂
(ト)含窒素エポキシ樹脂例えばイソシアヌレート型エポキシ樹脂
(チ)ポリエステルは含窒素タイプはほとんど実用化されていないが、含窒素モノマー、例えばトリアリルイソシアヌレートを用いた場合
などがあげられる。
窒素を含むプラスチックス類としては、例えば次の種類があげられる(順不同)。
熱硬化では、
(イ)ユリア、メラミン、グアナミン類とホルムアルデヒドの縮合系樹脂
(ロ)イソシアナートを一成分とするポリウレタン樹脂
(ハ)イソシアナートの脱炭酸ガスで形成されるカルボジイミド基−N=C=N−を有するポリカルボジイミド
(ニ)1級、2級アミンを硬化剤とするエポキシ樹脂、同ポリアミドアミンも同様
(ホ)アンモニアレゾール型フェノール樹脂
(ヘ)ベンゾオキサジン樹脂
(ト)含窒素エポキシ樹脂例えばイソシアヌレート型エポキシ樹脂
(チ)ポリエステルは含窒素タイプはほとんど実用化されていないが、含窒素モノマー、例えばトリアリルイソシアヌレートを用いた場合
などがあげられる。
熱可塑性樹脂、例えばアクリロニトリルをモノマーに含むポリマー類の難燃化に有用であるが、ドリップ防止は完全ではない。
以上のプラスチックス成分に窒素を含む場合以外に、窒素を含まないプラスチックスに、窒素化合物を加えることも出来る。例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ジシアンジアミドなどは有用である。
前出した窒素を含むプラスチックスと併用して難燃化を実現するビスマスの化合物としては、酸化ビスマス、特に三酸化ビスマスが好適である。
水に可溶又は水で分解するタイプは適当ではないが、三酸化ビスマスは水に全く溶けず、その上、安全性も高い(急性経口毒性、LD50:5,000mg/kgラット)。
水に可溶又は水で分解するタイプは適当ではないが、三酸化ビスマスは水に全く溶けず、その上、安全性も高い(急性経口毒性、LD50:5,000mg/kgラット)。
含窒素プラスチックスの窒素含有率は、ポリマー自体に構成成分として窒素を含む場合でも、或いは窒素化合物を添加する場合でも、1重量(%)以上である。
上限は、現在最も窒素含有率が多いと思われるタイプはメラミン1モルにホルムアルデヒド2モル位を反応、硬化させたメラミン樹脂であるが、この場合、窒素含有率はほぼ55〜56(%)位となる。この場合は三酸化ビスマスを加えなくとも難燃性であり、三酸化ビスマスと併用して難燃性を実現するために必要な窒素量は、 ほぼ30重量(%)以下となり、より望ましくは窒素原子の使用量は3重量(%)以上20重量(%)以下である。
窒素と併用する三酸化ビスマスの使用量は、0.1重量(%)以上10重量(%)以下、より望ましくは0.5重量(%)以上5重量(%)以下である。
いずれの場合も、前記の制限値以下では難燃化効果が乏しく、また以上では余分に添加しても効果は増大しない。
上限は、現在最も窒素含有率が多いと思われるタイプはメラミン1モルにホルムアルデヒド2モル位を反応、硬化させたメラミン樹脂であるが、この場合、窒素含有率はほぼ55〜56(%)位となる。この場合は三酸化ビスマスを加えなくとも難燃性であり、三酸化ビスマスと併用して難燃性を実現するために必要な窒素量は、 ほぼ30重量(%)以下となり、より望ましくは窒素原子の使用量は3重量(%)以上20重量(%)以下である。
窒素と併用する三酸化ビスマスの使用量は、0.1重量(%)以上10重量(%)以下、より望ましくは0.5重量(%)以上5重量(%)以下である。
いずれの場合も、前記の制限値以下では難燃化効果が乏しく、また以上では余分に添加しても効果は増大しない。
三酸化ビスマス以外にも、酸化ビスマス類は幾種類か報告されているが、比較的低温度(五酸化ビスマスは126℃)で結晶水を失うなど、性質の変化が激しい上、試薬的な規模でしか入手出来ないので、難燃化の作用が認められる工業的規模での使用は難しい。
本発明を実施するに当り、必要に応じて有機乃至無機のフィラー類、繊維状補強剤、着色剤、離型剤、溶剤等を必要に応じて併用出来ることは勿論である。
次に、本発明の理解を助けるために、以下に実施例を示す。
〔実施例1〕〔カルボジイミド(A)の合成〕
攪拌機、還流コンデンサー、温度計、ガス導入管を付した2リットル四ツ口フラスコに、トリレンジイソシアナート混合体(2,4体65重量%、2,6体35重量%)を600g、メタノール28gを仕込み、窒素置換した後、50℃、1時間加熱した後、トルエン630g加え、更にカルボジイミド化触媒として、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレンを6g加え、85℃で6時間反応させると、メチル基末端のカルボジイミド(A)の50%トルエン溶液が得られた。
〔試料の作成〕
前出したカルボジイミド(A)100g、エロジル(日本アエロジル社#200)1.5g、三酸化ビスマス1gをホモミキサーで30分攪拌し、直ちに厚さ0.8m/mの平織シラン処理のガラスクロスに含浸、24時間風乾後、100℃で1時間乾燥した。
UL−94の難燃性試験を行った所、ほとんど着炎せず、燃焼しなかった。V−0と判定された。
攪拌機、還流コンデンサー、温度計、ガス導入管を付した2リットル四ツ口フラスコに、トリレンジイソシアナート混合体(2,4体65重量%、2,6体35重量%)を600g、メタノール28gを仕込み、窒素置換した後、50℃、1時間加熱した後、トルエン630g加え、更にカルボジイミド化触媒として、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレンを6g加え、85℃で6時間反応させると、メチル基末端のカルボジイミド(A)の50%トルエン溶液が得られた。
〔試料の作成〕
前出したカルボジイミド(A)100g、エロジル(日本アエロジル社#200)1.5g、三酸化ビスマス1gをホモミキサーで30分攪拌し、直ちに厚さ0.8m/mの平織シラン処理のガラスクロスに含浸、24時間風乾後、100℃で1時間乾燥した。
UL−94の難燃性試験を行った所、ほとんど着炎せず、燃焼しなかった。V−0と判定された。
〔実施例2〕〔ポリエステル(B)の合成〕
攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付した1リットルセパラブルフラスコに、1,4シクロヘキサンジメタノール300g、イソフタル酸166gを仕込み、190〜200℃に窒素気流中、酸価31迄反応させた後、温度を一旦150℃迄下げ、無水マレイン酸98g、ジイソプロポキシチタン1gを加え、更に温度200〜205℃でエステル化を続け、最終的に酸価29.4で中止し、ハイドロキノン0.12gを180℃で加えた後、金属バット中に注入、固化させた。
淡黄色、固型のポリエステル(B)が得られた。
攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付した1リットルセパラブルフラスコに、1,4シクロヘキサンジメタノール300g、イソフタル酸166gを仕込み、190〜200℃に窒素気流中、酸価31迄反応させた後、温度を一旦150℃迄下げ、無水マレイン酸98g、ジイソプロポキシチタン1gを加え、更に温度200〜205℃でエステル化を続け、最終的に酸価29.4で中止し、ハイドロキノン0.12gを180℃で加えた後、金属バット中に注入、固化させた。
淡黄色、固型のポリエステル(B)が得られた。
〔配合物の調整、試験〕
ポリエステル(B) 50重量部
トルエン 50 〃
トリアリルイソシアヌレート(N含有率≒16%) 50 〃
実施例1のカルボジイミド(A)(トルエン溶液) 200 〃
ジクミルパーオキシド 3 〃
酸化ビスマス 5 〃
エロジル#200 3 〃
をホモミキサーで30分攪拌し、直ちに実施例1と同様にガラスクロスに含浸、風乾、加熱乾燥を行った後、160℃の熱プレスで2時間10kg/mmの加熱加圧を行ない、硬化させた。
UL−94のテストでは着炎しても、炎を除くと直ちに消炎し、V−0に合格することが確認された。
ポリエステル(B) 50重量部
トルエン 50 〃
トリアリルイソシアヌレート(N含有率≒16%) 50 〃
実施例1のカルボジイミド(A)(トルエン溶液) 200 〃
ジクミルパーオキシド 3 〃
酸化ビスマス 5 〃
エロジル#200 3 〃
をホモミキサーで30分攪拌し、直ちに実施例1と同様にガラスクロスに含浸、風乾、加熱乾燥を行った後、160℃の熱プレスで2時間10kg/mmの加熱加圧を行ない、硬化させた。
UL−94のテストでは着炎しても、炎を除くと直ちに消炎し、V−0に合格することが確認された。
〔比較例〕
酸化ビスマスを使用しない他はすべて実施例2と同様の試料を調整し、難燃テストを行った所、着炎し、炎を除いても5秒以上燃焼が続き、V−0には合格しなかった。
酸化ビスマスを使用しない他はすべて実施例2と同様の試料を調整し、難燃テストを行った所、着炎し、炎を除いても5秒以上燃焼が続き、V−0には合格しなかった。
〔実施例3〕
実施例2で合成したポリエステル(B)を用い、次の配合並びに成形条件で厚さ1.2m/mのテストピースを作成した。
ポリエステル(B) 80重量部
ジアリルフタレート 20 〃
メラミン(N含有率≒67%) 30 〃
水酸化アルミニウム 100 〃
酸化ビスマス 3 〃
ステアリン酸亜鉛 5 〃
100℃ロール混練後、150℃5分成形
このテストピースをUL−94に規定された燃焼テストを行った所、いづれも5秒以内に消炎し、V−0に合格することが確認された。
実施例2で合成したポリエステル(B)を用い、次の配合並びに成形条件で厚さ1.2m/mのテストピースを作成した。
ポリエステル(B) 80重量部
ジアリルフタレート 20 〃
メラミン(N含有率≒67%) 30 〃
水酸化アルミニウム 100 〃
酸化ビスマス 3 〃
ステアリン酸亜鉛 5 〃
100℃ロール混練後、150℃5分成形
このテストピースをUL−94に規定された燃焼テストを行った所、いづれも5秒以内に消炎し、V−0に合格することが確認された。
〔実施例4〕
100(%)固型のポリカルボジイミドとして、日清紡(株)のカルボジライトV−05をベースとし、8.2重量(%)のイソシアナート基は、V−05を100重量部にアニリン19重量部を加え、90〜94℃で赤外分析の結果、イソシアナート基の吸収が消失する迄反応した。常温では軟らかい、淡赤褐色の固体であった。
カルボジイミド当量は約285と計算された。これをカルボジイミド(C)とした。
次の配合物を100〜110℃のロール混練で成形材料化した。
カルボジイミド(C)(推定N含有量10%) 80重量部
トリグリシジルイソシアヌレート(N含有量≒13%) 60 〃
フェノールノボラック 60 〃
キュアゾール2E4MZ(硬化剤、四国化成(株)) 10 〃
ヘキスト ワックスS 6 〃
ステアリン酸亜鉛 6 〃
シリカ(200メッシュ)微粉末 500 〃
三酸化ビスマス 10 〃
フッ素系離型剤を吹きつけた160〜165℃の金型に前記材料を成形し、厚さ1.2m/mのテストピースを得た。180℃2時間の後硬化を行った後、UL−94難燃試験を行った結果、V−0と判定された。
100(%)固型のポリカルボジイミドとして、日清紡(株)のカルボジライトV−05をベースとし、8.2重量(%)のイソシアナート基は、V−05を100重量部にアニリン19重量部を加え、90〜94℃で赤外分析の結果、イソシアナート基の吸収が消失する迄反応した。常温では軟らかい、淡赤褐色の固体であった。
カルボジイミド当量は約285と計算された。これをカルボジイミド(C)とした。
次の配合物を100〜110℃のロール混練で成形材料化した。
カルボジイミド(C)(推定N含有量10%) 80重量部
トリグリシジルイソシアヌレート(N含有量≒13%) 60 〃
フェノールノボラック 60 〃
キュアゾール2E4MZ(硬化剤、四国化成(株)) 10 〃
ヘキスト ワックスS 6 〃
ステアリン酸亜鉛 6 〃
シリカ(200メッシュ)微粉末 500 〃
三酸化ビスマス 10 〃
フッ素系離型剤を吹きつけた160〜165℃の金型に前記材料を成形し、厚さ1.2m/mのテストピースを得た。180℃2時間の後硬化を行った後、UL−94難燃試験を行った結果、V−0と判定された。
〔実施例5〕〔ポリエステルポリオール(D)の合成〕
攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付した1リットルセパラブルフラスコに、ネオペンチルグルコール150g、トリメチロールプロパン22g、アジピン酸0.6gを仕込み、窒素気流下、200〜215℃で脱水縮合を進め、酸価3、ヒドロキシル価160で反応を中止。
ポリエステル70重量(%)、酢酸ブチル30重量(%)のポリエステルポリオール(D)が淡黄色で得られた。
8.2重量のイソシアナート基を含むカルボジイミドとして、日清紡(株)製カルボジライトV−05(カルボジイミド当量262)を用いた。
ポリエステルポリオール(D) 100重量部
カルボジライトV−05 210 〃
ジブチル錫ジラウレート 0.3 〃
三酸化ビスマス 8 〃
を均一溶液とし、ガラス板上に0.5m/m厚になるようにコーティングし、80℃2時間、120℃2時間焼付けて、カルボジイミド基を内臓したウレタンポリエステル塗膜を形成させた。
塗膜面を下に、ガラス板を30°の角度に傾け、ライターの焔を30秒当てたが、塗膜は黒ずんだものの、発煙も着火もしなかった。
攪拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付した1リットルセパラブルフラスコに、ネオペンチルグルコール150g、トリメチロールプロパン22g、アジピン酸0.6gを仕込み、窒素気流下、200〜215℃で脱水縮合を進め、酸価3、ヒドロキシル価160で反応を中止。
ポリエステル70重量(%)、酢酸ブチル30重量(%)のポリエステルポリオール(D)が淡黄色で得られた。
8.2重量のイソシアナート基を含むカルボジイミドとして、日清紡(株)製カルボジライトV−05(カルボジイミド当量262)を用いた。
ポリエステルポリオール(D) 100重量部
カルボジライトV−05 210 〃
ジブチル錫ジラウレート 0.3 〃
三酸化ビスマス 8 〃
を均一溶液とし、ガラス板上に0.5m/m厚になるようにコーティングし、80℃2時間、120℃2時間焼付けて、カルボジイミド基を内臓したウレタンポリエステル塗膜を形成させた。
塗膜面を下に、ガラス板を30°の角度に傾け、ライターの焔を30秒当てたが、塗膜は黒ずんだものの、発煙も着火もしなかった。
〔比較例〕
三酸化ビスマスを除いた他は実施例5と同様に塗膜を形成させ、ライダの焔を当てた所、約10秒後に発火し、塗膜全面に着炎した。
三酸化ビスマスを除いた他は実施例5と同様に塗膜を形成させ、ライダの焔を当てた所、約10秒後に発火し、塗膜全面に着炎した。
本発明によれば、1重量(%)以上の窒素含有率0.1重量(%)以上の三酸化ビスマスを併用することにより、ハロゲン元素をまったく含まずに難燃性とすることが可能であり、新規な難燃性付与組成物として各方面への応用展開が期待される。
Claims (7)
- (1)1分子中に1重量(%)又は以上の窒素原子を含むポリマー、又は硬化可能なオリゴマー乃至ポリマーと、(2)0.1重量(%)以上10重量(%)以下の酸化ビスマスとを併用することよりなる難燃性樹脂組成物。
- 窒素原子を含むポリマー或いはオリゴマーがカルボジイミド基−N=C=N−を有することよりなる請求項1記載の方法。
- 窒素原子を構成成分の一つとする複素環状構造の化合物を含むことよりなる請求項1記載の方法。
- 窒素原子を含むポリマー、又はオリゴマーがエポキシ樹脂であることよりなる請求項1記載の方法。
- 窒素原子を含むポリマー、又はオリゴマーがラジカル硬化型樹脂であることよりなる請求項1記載の方法。
- 窒素原子を含むポリマー、又はオリゴマーがポリウレタン樹脂であることよりなる請求項1記載の方法。
- 酸化ビスマスが主として三酸化ビスマスからなる請求項1記載の方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9221073B2 (en) | 2011-08-30 | 2015-12-29 | Basf Se | High molecular weight polycarbodiimide and method of producing same |
JP2021066845A (ja) * | 2019-10-28 | 2021-04-30 | 日清紡ケミカル株式会社 | 相溶化剤及びポリエステル樹脂組成物 |
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CN114585685A (zh) * | 2019-10-28 | 2022-06-03 | 日清纺化学株式会社 | 相容剂和聚酯树脂组合物 |
CN114585685B (zh) * | 2019-10-28 | 2023-11-03 | 日清纺化学株式会社 | 相容剂和聚酯树脂组合物 |
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