JPH0959009A - トリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウムとその製造方法およびそれを用いた耐火塗料 - Google Patents
トリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウムとその製造方法およびそれを用いた耐火塗料Info
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- JPH0959009A JPH0959009A JP15891896A JP15891896A JPH0959009A JP H0959009 A JPH0959009 A JP H0959009A JP 15891896 A JP15891896 A JP 15891896A JP 15891896 A JP15891896 A JP 15891896A JP H0959009 A JPH0959009 A JP H0959009A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】長期間にわたる加水分解安定性に優れ、かつ難
燃剤もしくは耐火剤の1成分として塗料に添加したと
き、難燃性もしくは耐火性を向上させることのできるポ
リリン酸アンモニウムおよびその製造方法ならびに該ポ
リリン酸アンモニウムを含有する耐火塗料を提供するこ
とである。 【解決手段】メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムを特
定のトリアジン誘導体で処理してトリアジン誘導体で処
理したポリリン酸アンモニウムを得、該ポリリン酸アン
モニウムを合成樹脂に含有させて耐火塗料を得る。
燃剤もしくは耐火剤の1成分として塗料に添加したと
き、難燃性もしくは耐火性を向上させることのできるポ
リリン酸アンモニウムおよびその製造方法ならびに該ポ
リリン酸アンモニウムを含有する耐火塗料を提供するこ
とである。 【解決手段】メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムを特
定のトリアジン誘導体で処理してトリアジン誘導体で処
理したポリリン酸アンモニウムを得、該ポリリン酸アン
モニウムを合成樹脂に含有させて耐火塗料を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トリアジン誘導体
で処理されたポリリン酸アンモニウムおよびその製造方
法ならびに該トリアジン誘導体処理ポリリン酸アンモニ
ウムを含有した耐火塗料に関する。更に詳しくはポリリ
ン酸アンモニウムの加水分解安定性が向上し、かつ該ポ
リリン酸アンモニウムを難燃剤もしくは耐火剤の1成分
として使用した場合、難燃性もしくは耐火性の向上が著
しいポリリン酸アンモニウムおよびその製造方法ならび
にそれを用いた発泡性に優れた耐火塗料に関する。
で処理されたポリリン酸アンモニウムおよびその製造方
法ならびに該トリアジン誘導体処理ポリリン酸アンモニ
ウムを含有した耐火塗料に関する。更に詳しくはポリリ
ン酸アンモニウムの加水分解安定性が向上し、かつ該ポ
リリン酸アンモニウムを難燃剤もしくは耐火剤の1成分
として使用した場合、難燃性もしくは耐火性の向上が著
しいポリリン酸アンモニウムおよびその製造方法ならび
にそれを用いた発泡性に優れた耐火塗料に関する。
【0002】
【従来技術】ポリリン酸アンモニウムの加水分解性を改
善する方法として、特公昭53−15478号公報にメ
ラミン又は燐酸メラミンをメラミン分で5〜50重量%
共存させた条件下にリン酸アンモニウムと尿素又は結晶
リン酸尿素を原料として加熱縮合して改質ポリリン酸ア
ンモニウムを得る方法が開示されている。しかしなが
ら、該公報に開示の方法で得られる改質ポリリン酸アン
モニウムは加水分解安定性が低く、熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、紙、木材、塗料、シーラント、パテ、接着
剤、粘着剤等の難燃剤、耐火剤、防火剤もしくは耐炎剤
の1成分として使用するにはいまだ問題がある。
善する方法として、特公昭53−15478号公報にメ
ラミン又は燐酸メラミンをメラミン分で5〜50重量%
共存させた条件下にリン酸アンモニウムと尿素又は結晶
リン酸尿素を原料として加熱縮合して改質ポリリン酸ア
ンモニウムを得る方法が開示されている。しかしなが
ら、該公報に開示の方法で得られる改質ポリリン酸アン
モニウムは加水分解安定性が低く、熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、紙、木材、塗料、シーラント、パテ、接着
剤、粘着剤等の難燃剤、耐火剤、防火剤もしくは耐炎剤
の1成分として使用するにはいまだ問題がある。
【0003】また、特公昭52−39930号公報に
は、ポリリン酸アンモニウム100重量部とメラミン6
0重量部との粉末を均一に混合し、温度320℃で焼成
し、冷却後、得られた溶融物を粉砕してメラミン付加ポ
リリン酸アンモニウム粉末を得る方法が開示されてい
る。しかしながら、該公報に開示の方法で得られるメラ
ミン付加ポリリン酸アンモニウム粉末は、溶融物生成物
を粉砕するためにメラミンがポリリン酸アンモニウムの
粒子表面に均一に被覆されたものではなく、いまだ加水
分解安定性は充分であるとはいえない。
は、ポリリン酸アンモニウム100重量部とメラミン6
0重量部との粉末を均一に混合し、温度320℃で焼成
し、冷却後、得られた溶融物を粉砕してメラミン付加ポ
リリン酸アンモニウム粉末を得る方法が開示されてい
る。しかしながら、該公報に開示の方法で得られるメラ
ミン付加ポリリン酸アンモニウム粉末は、溶融物生成物
を粉砕するためにメラミンがポリリン酸アンモニウムの
粒子表面に均一に被覆されたものではなく、いまだ加水
分解安定性は充分であるとはいえない。
【0004】さらに、特公平4―55625号公報に
は、ポリリン酸アンモニウム、水、有機懸濁化剤及びメ
ラミン/ホルムアルデヒド樹脂とで懸濁液を製造し、該
懸濁液を撹拌下に標準圧又は加圧下に温度50〜180
℃に加熱し、かつ樹脂成分を硬化させるために該懸濁液
を15〜240分放置することを特徴とする流動性の、
粉末状ポリリン酸アンモニウムを基礎とする加水分解安
定な細分状耐燃剤の製法が開示されている。しかしなが
ら、該製法で得られる細分状耐燃剤は、短時間の加水分
解安定性という面では改良されているものの、長期間に
わたる加水分解安定性という面ではいまだ十分でない。
は、ポリリン酸アンモニウム、水、有機懸濁化剤及びメ
ラミン/ホルムアルデヒド樹脂とで懸濁液を製造し、該
懸濁液を撹拌下に標準圧又は加圧下に温度50〜180
℃に加熱し、かつ樹脂成分を硬化させるために該懸濁液
を15〜240分放置することを特徴とする流動性の、
粉末状ポリリン酸アンモニウムを基礎とする加水分解安
定な細分状耐燃剤の製法が開示されている。しかしなが
ら、該製法で得られる細分状耐燃剤は、短時間の加水分
解安定性という面では改良されているものの、長期間に
わたる加水分解安定性という面ではいまだ十分でない。
【0005】また、特開平6−24719号公報および
欧州特許EP0542373号公報には、ポリリン酸ア
ンモニウムをアミノプラスチック樹脂でマイクロカプセ
ル化したポリリン酸アンモニウムが開示されている。し
かしながら、該公報による製法で得られるアミノプラス
チック樹脂でマイクロカプセル化されたポリリン酸アン
モニウムは、長期間にわたる加水分解安定性という面で
はいまだ十分でないばかりか、凝集体を解砕すべく行わ
れる緩やかな粉砕工程でも被膜が破壊され、それによっ
て加水分解安定性の低下が著しいといった問題点があ
る。
欧州特許EP0542373号公報には、ポリリン酸ア
ンモニウムをアミノプラスチック樹脂でマイクロカプセ
ル化したポリリン酸アンモニウムが開示されている。し
かしながら、該公報による製法で得られるアミノプラス
チック樹脂でマイクロカプセル化されたポリリン酸アン
モニウムは、長期間にわたる加水分解安定性という面で
はいまだ十分でないばかりか、凝集体を解砕すべく行わ
れる緩やかな粉砕工程でも被膜が破壊され、それによっ
て加水分解安定性の低下が著しいといった問題点があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、長期間
にわたる加水分解安定性に優れ、しかも難燃性もしくは
耐火性に優れたポリリン酸アンモニウムを得るべく鋭意
研究を行った。その結果、メラミン被覆ポリリン酸アン
モニウム、メラミンもしくはメチロールメラミンおよび
特定のトリアジン誘導体の混合物をホルムアルデヒド類
と反応させることによって得られるトリアジン誘導体で
処理されたポリリン酸アンモニウムが、上述の課題を解
決できることを見い出し、また、メラミン被覆ポリリン
酸アンモニウム、メラミンもしくはメチロールメラミン
および特定のトリアジン誘導体をホルムアルデヒド類と
反応させることにより、トリアジン誘導体で処理された
ポリリン酸アンモニウムを容易に製造できることを見い
出し、さらにこのようにして得られた特定のトリアジン
誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウムを含有する
塗料が優れた耐火性を発現することを見い出し、これら
の知見に基づき本発明を完成した。以上の記述から明ら
かなように、本発明の目的は、長期間にわたる加水分解
安定性に優れ、かつ難燃剤もしくは耐火剤の1成分とし
て塗料に添加したとき、難燃性もしくは耐火性を向上さ
せることのできるポリリン酸アンモニウムおよびその製
造方法ならびに該ポリリン酸アンモニウムを含有する耐
火塗料を提供することである。
にわたる加水分解安定性に優れ、しかも難燃性もしくは
耐火性に優れたポリリン酸アンモニウムを得るべく鋭意
研究を行った。その結果、メラミン被覆ポリリン酸アン
モニウム、メラミンもしくはメチロールメラミンおよび
特定のトリアジン誘導体の混合物をホルムアルデヒド類
と反応させることによって得られるトリアジン誘導体で
処理されたポリリン酸アンモニウムが、上述の課題を解
決できることを見い出し、また、メラミン被覆ポリリン
酸アンモニウム、メラミンもしくはメチロールメラミン
および特定のトリアジン誘導体をホルムアルデヒド類と
反応させることにより、トリアジン誘導体で処理された
ポリリン酸アンモニウムを容易に製造できることを見い
出し、さらにこのようにして得られた特定のトリアジン
誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウムを含有する
塗料が優れた耐火性を発現することを見い出し、これら
の知見に基づき本発明を完成した。以上の記述から明ら
かなように、本発明の目的は、長期間にわたる加水分解
安定性に優れ、かつ難燃剤もしくは耐火剤の1成分とし
て塗料に添加したとき、難燃性もしくは耐火性を向上さ
せることのできるポリリン酸アンモニウムおよびその製
造方法ならびに該ポリリン酸アンモニウムを含有する耐
火塗料を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は下記よりなる。 1)(a)メラミンモノマーとしてのメラミン被覆量が
0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポリリン酸アン
モニウム100重量部に対し、(b)下記化4で表され
るトリアジン誘導体群より選択される1種もしくは2種
以上の混合物0.1〜30重量部が含有された組成物に
対し、ホルムアルデヒド類を反応させることによって得
られるトリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモ
ニウム。
0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポリリン酸アン
モニウム100重量部に対し、(b)下記化4で表され
るトリアジン誘導体群より選択される1種もしくは2種
以上の混合物0.1〜30重量部が含有された組成物に
対し、ホルムアルデヒド類を反応させることによって得
られるトリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモ
ニウム。
【化4】 (但し、R1はメチル基、フェニル基又は下記化5もしく
は化6で表される基である)
は化6で表される基である)
【化5】
【化6】 (但し、R2はフェニル基又は炭素数1〜12の直鎖もし
くは分岐のアルキル基であり、R3は水素又はメチル基で
ある)
くは分岐のアルキル基であり、R3は水素又はメチル基で
ある)
【0008】2)(a)メラミンモノマーとしてのメラ
ミン被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウム100重量部に対し、(b)上記
化4で表されるトリアジン誘導体群より選択される1種
もしくは2種以上の混合物0.1〜30重量部および
(c)メラミンおよび/または一般式C3H6-n(CH2OH)nで
表される炭素数4〜9のメチロールメラミン(但し、n
は1〜6である)0.1〜30重量部が含有された組成
物に対し、ホルムアルデヒド類を反応させることによっ
て得られるトリアジン誘導体で処理されたポリリン酸ア
ンモニウム。
ミン被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウム100重量部に対し、(b)上記
化4で表されるトリアジン誘導体群より選択される1種
もしくは2種以上の混合物0.1〜30重量部および
(c)メラミンおよび/または一般式C3H6-n(CH2OH)nで
表される炭素数4〜9のメチロールメラミン(但し、n
は1〜6である)0.1〜30重量部が含有された組成
物に対し、ホルムアルデヒド類を反応させることによっ
て得られるトリアジン誘導体で処理されたポリリン酸ア
ンモニウム。
【0009】3)(a)メラミンモノマーとしてのメラ
ミン被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウム100重量部に対し、(b)上記
化4で表されるトリアジン誘導体群より選択される1種
もしくは2種以上の混合物0.1〜30重量部が含有さ
れた組成物に対し、ホルムアルデヒド類を反応させるこ
とを特徴とするトリアジン誘導体で処理されたポリリン
酸アンモニウムの製造方法。
ミン被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウム100重量部に対し、(b)上記
化4で表されるトリアジン誘導体群より選択される1種
もしくは2種以上の混合物0.1〜30重量部が含有さ
れた組成物に対し、ホルムアルデヒド類を反応させるこ
とを特徴とするトリアジン誘導体で処理されたポリリン
酸アンモニウムの製造方法。
【0010】4)(a)メラミンモノマーとしてのメラ
ミン被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウム100重量部に対し、(b)上記
化4で表されるトリアジン誘導体群より選択される1種
もしくは2種以上の混合物0.1〜30重量部および
(c)メラミンおよび/または一般式C3H6-n(CH2OH)nで
表される炭素数4〜9のメチロールメラミン(但し、n
は1〜6である)0.1〜30重量部が含有された組成
物に対し、ホルムアルデヒド類を反応させることを特徴
とするトリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモ
ニウムの製造方法。
ミン被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウム100重量部に対し、(b)上記
化4で表されるトリアジン誘導体群より選択される1種
もしくは2種以上の混合物0.1〜30重量部および
(c)メラミンおよび/または一般式C3H6-n(CH2OH)nで
表される炭素数4〜9のメチロールメラミン(但し、n
は1〜6である)0.1〜30重量部が含有された組成
物に対し、ホルムアルデヒド類を反応させることを特徴
とするトリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモ
ニウムの製造方法。
【0011】5)(a)メラミンモノマーとしてのメラ
ミン被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウム100重量部に対し、(b)上記
化4で表されるトリアジン誘導体群より選択される1種
もしくは2種以上の混合物0.1〜30重量部が含有さ
れた組成物を予め混合し、該混合物に含まれるアミノ基
に対し、0.5〜6当量倍のホルムアルデヒド類を該混
合物に添加し、温度10〜150℃でメチロール化反応
もしくは縮合反応させることを特徴とするトリアジン誘
導体で処理されたポリリン酸アンモニウムの製造方法。
ミン被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウム100重量部に対し、(b)上記
化4で表されるトリアジン誘導体群より選択される1種
もしくは2種以上の混合物0.1〜30重量部が含有さ
れた組成物を予め混合し、該混合物に含まれるアミノ基
に対し、0.5〜6当量倍のホルムアルデヒド類を該混
合物に添加し、温度10〜150℃でメチロール化反応
もしくは縮合反応させることを特徴とするトリアジン誘
導体で処理されたポリリン酸アンモニウムの製造方法。
【0012】6)(a)メラミンモノマーとしてのメラ
ミン被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウム100重量部に対し、(b)上記
化4で表されるトリアジン誘導体群より選択される1種
もしくは2種以上の混合物0.1〜30重量部および
(c)メラミンおよび/または一般式C3H6-n(CH2OH)nで
表される炭素数4〜9のメチロールメラミン(但し、n
は1〜6である)0.1〜30重量部が含有された組成
物を予め混合し、該混合物に含まれるアミノ基に対し、
0.5〜10当量倍のホルムアルデヒド類を該混合物に
添加し、温度10〜150℃でメチロール化反応もしく
は縮合反応させることを特徴とするトリアジン誘導体で
処理されたポリリン酸アンモニウムの製造方法。
ミン被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウム100重量部に対し、(b)上記
化4で表されるトリアジン誘導体群より選択される1種
もしくは2種以上の混合物0.1〜30重量部および
(c)メラミンおよび/または一般式C3H6-n(CH2OH)nで
表される炭素数4〜9のメチロールメラミン(但し、n
は1〜6である)0.1〜30重量部が含有された組成
物を予め混合し、該混合物に含まれるアミノ基に対し、
0.5〜10当量倍のホルムアルデヒド類を該混合物に
添加し、温度10〜150℃でメチロール化反応もしく
は縮合反応させることを特徴とするトリアジン誘導体で
処理されたポリリン酸アンモニウムの製造方法。
【0013】7)(1)メラミンモノマーとしてのメラ
ミン被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウムに該メラミン被覆ポリリン酸アン
モニウムに含まれるメラミンに対し、0.5〜6当量倍
のホルムアルデヒド類を添加し、温度10〜120℃で
1分〜48時間反応させる第1工程(2)メラミン又は
上記化4で表されるトリアジン誘導体群より選択される
1種もしくは2種以上の混合物に含まれるアミノ基の活
性水素に対し、0.5〜10当量倍のホルムアルデヒド
類を該メラミン又はトリアジン誘導体群より選択される
1種もしくは2種以上の混合物に添加し、温度10〜1
20℃で5分〜2時間反応させる第2工程、(3)上記
(1)、(2)で得られた反応物を混合し、温度50〜
150℃で縮合反応を行う第3工程、を経ることを特徴
とするトリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモ
ニウムの製造方法。
ミン被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウムに該メラミン被覆ポリリン酸アン
モニウムに含まれるメラミンに対し、0.5〜6当量倍
のホルムアルデヒド類を添加し、温度10〜120℃で
1分〜48時間反応させる第1工程(2)メラミン又は
上記化4で表されるトリアジン誘導体群より選択される
1種もしくは2種以上の混合物に含まれるアミノ基の活
性水素に対し、0.5〜10当量倍のホルムアルデヒド
類を該メラミン又はトリアジン誘導体群より選択される
1種もしくは2種以上の混合物に添加し、温度10〜1
20℃で5分〜2時間反応させる第2工程、(3)上記
(1)、(2)で得られた反応物を混合し、温度50〜
150℃で縮合反応を行う第3工程、を経ることを特徴
とするトリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモ
ニウムの製造方法。
【0014】8)合成樹脂をバインダーとして、前記第
1項記載のトリアジン誘導体で処理されたポリリン酸ア
ンモニウムを含むことを特徴とする耐火塗料。 9)合成樹脂をバインダーとして、前記第2項記載のト
リアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウムを
含むことを特徴とする耐火塗料。 10)トリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモ
ニウムの含有量が、バインダーである合成樹脂100重
量部に対して50〜800重量部であることを特徴とす
る前記第8項もしくは第9項のいずれか1項記載の耐火
塗料。
1項記載のトリアジン誘導体で処理されたポリリン酸ア
ンモニウムを含むことを特徴とする耐火塗料。 9)合成樹脂をバインダーとして、前記第2項記載のト
リアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウムを
含むことを特徴とする耐火塗料。 10)トリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモ
ニウムの含有量が、バインダーである合成樹脂100重
量部に対して50〜800重量部であることを特徴とす
る前記第8項もしくは第9項のいずれか1項記載の耐火
塗料。
【0015】11)合成樹脂がウレタン樹脂、エポキシ
樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂であることを特徴
とする前記第8項〜第10項のいずれか1項記載の耐火
塗料。 12)合成樹脂がアクリル酸エステル系樹脂エマルジョ
ン、ウレタン系樹脂エマルジョン、エポキシ系樹脂エマ
ルジョン、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、バーサチッ
ク酸ビニル系樹脂エマルジョン、エチレン系樹脂エマル
ジョン等の合成樹脂エマルジョンであることを特徴とす
る前記第8項〜第10項のいずれか1項記載の耐火塗
料。
樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂であることを特徴
とする前記第8項〜第10項のいずれか1項記載の耐火
塗料。 12)合成樹脂がアクリル酸エステル系樹脂エマルジョ
ン、ウレタン系樹脂エマルジョン、エポキシ系樹脂エマ
ルジョン、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、バーサチッ
ク酸ビニル系樹脂エマルジョン、エチレン系樹脂エマル
ジョン等の合成樹脂エマルジョンであることを特徴とす
る前記第8項〜第10項のいずれか1項記載の耐火塗
料。
【0016】本発明のトリアジン誘導体で処理されたポ
リリン酸アンモニウムは、メラミン被覆ポリリン酸アン
モニウムの被覆層に存在するメラミンのアミノ基、メラ
ミンもしくは炭素数4〜8のメチロールメラミンに存在
するアミノ基又は特定のトリアジン誘導体分子に存在す
るアミノ基と該アミノ基の活性水素とホルムアルデヒド
類とを反応させる処理をしたポリリン酸アンモニウムで
あり、かかる処理により、ポリリン酸アンモニウム表面
がトリアジン誘導体によって架橋構造を形成するために
加水分解安定性が向上するものと推測される。かかるポ
リリン酸アンモニウムは例えば次の方法により得ること
ができる。
リリン酸アンモニウムは、メラミン被覆ポリリン酸アン
モニウムの被覆層に存在するメラミンのアミノ基、メラ
ミンもしくは炭素数4〜8のメチロールメラミンに存在
するアミノ基又は特定のトリアジン誘導体分子に存在す
るアミノ基と該アミノ基の活性水素とホルムアルデヒド
類とを反応させる処理をしたポリリン酸アンモニウムで
あり、かかる処理により、ポリリン酸アンモニウム表面
がトリアジン誘導体によって架橋構造を形成するために
加水分解安定性が向上するものと推測される。かかるポ
リリン酸アンモニウムは例えば次の方法により得ること
ができる。
【0017】加熱撹拌もしくは加熱混練機能を備えた反
応容器内に、メラミン被覆量0.5〜20重量%のメラ
ミン被覆ポリリン酸アンモニウム100重量部および該
メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム100重量部に含
まれるメラミン分子のモル数の0.5〜6当量倍に相当
するホルムアルデヒド類の水溶液を投入し、混合する。
メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムに含まれるメラミ
ン分子のアミノ基と容易に反応しメチロール基が形成さ
れる温度である10〜120℃好ましくは20〜90℃
で1分〜48時間反応し、メラミン被覆ポリリン酸アン
モニウムに含まれるメラミン分子がメチロール化された
生成物を得る。このとき、120℃を超える温度で反応
させると、メチロール基の脱水縮合が激しく起り、ま
た、10℃以下ではメチロール化速度が非常に遅くな
る。
応容器内に、メラミン被覆量0.5〜20重量%のメラ
ミン被覆ポリリン酸アンモニウム100重量部および該
メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム100重量部に含
まれるメラミン分子のモル数の0.5〜6当量倍に相当
するホルムアルデヒド類の水溶液を投入し、混合する。
メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムに含まれるメラミ
ン分子のアミノ基と容易に反応しメチロール基が形成さ
れる温度である10〜120℃好ましくは20〜90℃
で1分〜48時間反応し、メラミン被覆ポリリン酸アン
モニウムに含まれるメラミン分子がメチロール化された
生成物を得る。このとき、120℃を超える温度で反応
させると、メチロール基の脱水縮合が激しく起り、ま
た、10℃以下ではメチロール化速度が非常に遅くな
る。
【0018】一方、加熱撹拌又は加熱混練機能を備えた
別の反応容器内にメラミンもしくは炭素数4〜9のメチ
ロールメラミン0.1〜30重量部と前記化4で表され
るトリアジン誘導体群から選択される1種若しくは2種
以上の混合物0.1〜30重量部を入れる。0.1重量
部を下回る場合には、得られる処理されたポリリン酸ア
ンモニウムは長期間にわたる加水分解安定性に劣り、ま
た、30重量部を越えて添加してもそれ以上の加水分解
安定性向上の効果が得られず、耐火性を低下させる原因
となる。添加するホルムアルデヒド類の水溶液の量は、
メラミンもしくは炭素数4〜8のメチロールメラミンと
トリアジン誘導体の1種若しくは2種以上の混合物に含
まれるアミノ基の活性水素当量の和に対して0.1〜1
0当量倍、好ましくは0.5〜8当量倍である。このと
き、0.1当量倍を下回る場合は加水分解安定性の向上
の効果が劣り、10当量倍を上回る量添加しても未反応
ホルムアルデヒド類の残存量が多くなるにすぎない。そ
の後、アミノ基と容易に反応しメチロール基が形成され
る温度である10〜120℃好ましくは20〜90℃で
1分〜48時間反応させ、メチロール化トリアジン誘導
体の水溶液又は懸濁スラリーを調製する。
別の反応容器内にメラミンもしくは炭素数4〜9のメチ
ロールメラミン0.1〜30重量部と前記化4で表され
るトリアジン誘導体群から選択される1種若しくは2種
以上の混合物0.1〜30重量部を入れる。0.1重量
部を下回る場合には、得られる処理されたポリリン酸ア
ンモニウムは長期間にわたる加水分解安定性に劣り、ま
た、30重量部を越えて添加してもそれ以上の加水分解
安定性向上の効果が得られず、耐火性を低下させる原因
となる。添加するホルムアルデヒド類の水溶液の量は、
メラミンもしくは炭素数4〜8のメチロールメラミンと
トリアジン誘導体の1種若しくは2種以上の混合物に含
まれるアミノ基の活性水素当量の和に対して0.1〜1
0当量倍、好ましくは0.5〜8当量倍である。このと
き、0.1当量倍を下回る場合は加水分解安定性の向上
の効果が劣り、10当量倍を上回る量添加しても未反応
ホルムアルデヒド類の残存量が多くなるにすぎない。そ
の後、アミノ基と容易に反応しメチロール基が形成され
る温度である10〜120℃好ましくは20〜90℃で
1分〜48時間反応させ、メチロール化トリアジン誘導
体の水溶液又は懸濁スラリーを調製する。
【0019】上記メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム
又はトリアジン誘導体のメチロール化反応の際には、触
媒として任意量の塩基性化合物を随時添加することがで
きる。このようにして得られた、メチロール化メラミン
被覆ポリリン酸アンモニウムおよびメラミン又はメチロ
ールメラミンとメチロール化されたトリアジン誘導体の
混合水溶液もしくは懸濁液を、加熱撹拌装置又は加熱混
練装置を備えた反応容器に入れ、縮合反応が容易に起こ
り得る温度である50〜150℃、好ましくは70〜1
20℃で10分〜10時間反応させる。50℃を下回る
温度では縮合反応の速度が遅く、150℃を超える温度
ではポリリン酸アンモニウムからアンモニアの脱離が起
こる。この縮合反応の際には、水および/又は有機溶剤
からなる単一又は混合溶媒を用いることができ、例えば
水/アルコール混合溶媒が好適である。また、該縮合反
応の際には触媒として任意量の酸性化合物を随時添加す
ることができる。かかる方法でトリアジン誘導体で処理
されたポリリン酸アンモニウムを得ることができるが、
上記のように原料をそれぞれメチロール化したあとに、
混合し、共縮合させる方法のほかに、かかるそれぞれの
原料を予め、ある一定の割合で混合し、該混合物に含ま
れるアミノ基の活性水素に対しホルムアルデヒド類を添
加し、メチロール化反応および共縮合反応させる方法に
よっても製造することができる。
又はトリアジン誘導体のメチロール化反応の際には、触
媒として任意量の塩基性化合物を随時添加することがで
きる。このようにして得られた、メチロール化メラミン
被覆ポリリン酸アンモニウムおよびメラミン又はメチロ
ールメラミンとメチロール化されたトリアジン誘導体の
混合水溶液もしくは懸濁液を、加熱撹拌装置又は加熱混
練装置を備えた反応容器に入れ、縮合反応が容易に起こ
り得る温度である50〜150℃、好ましくは70〜1
20℃で10分〜10時間反応させる。50℃を下回る
温度では縮合反応の速度が遅く、150℃を超える温度
ではポリリン酸アンモニウムからアンモニアの脱離が起
こる。この縮合反応の際には、水および/又は有機溶剤
からなる単一又は混合溶媒を用いることができ、例えば
水/アルコール混合溶媒が好適である。また、該縮合反
応の際には触媒として任意量の酸性化合物を随時添加す
ることができる。かかる方法でトリアジン誘導体で処理
されたポリリン酸アンモニウムを得ることができるが、
上記のように原料をそれぞれメチロール化したあとに、
混合し、共縮合させる方法のほかに、かかるそれぞれの
原料を予め、ある一定の割合で混合し、該混合物に含ま
れるアミノ基の活性水素に対しホルムアルデヒド類を添
加し、メチロール化反応および共縮合反応させる方法に
よっても製造することができる。
【0020】上述のトリアジン誘導体の例としては、ア
セトグアナミン、ベンゾグアナミン、サクシニルグアナ
ミン、3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,
4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−エチルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−プロピルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−ブチルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−ペンチルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、
セトグアナミン、ベンゾグアナミン、サクシニルグアナ
ミン、3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,
4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−エチルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−プロピルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−ブチルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−ペンチルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、
【0021】2,4−ジアミノ−6−[2’−ヘキシル
イミダゾリル−(1’)]−エチル−1,3,5−トリ
アジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ヘプチルイミ
ダゾリル−(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−[2’−オクチルイミダゾ
リル−(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2’−ノニルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−デシルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−フェニルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダ
ゾリル−(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−[2’−フェニル−4’−
メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−1,3,5
−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデ
シル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル
−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−
[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−
1,3,5−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等が挙
げられる。
イミダゾリル−(1’)]−エチル−1,3,5−トリ
アジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ヘプチルイミ
ダゾリル−(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−[2’−オクチルイミダゾ
リル−(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−[2’−ノニルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−デシルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−フェニルイミダゾリル−
(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダ
ゾリル−(1’)]−エチル−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−[2’−フェニル−4’−
メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−1,3,5
−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデ
シル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル
−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−
[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−
1,3,5−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等が挙
げられる。
【0022】また、本発明で用いられるメラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウムは、メラミンモノマーを昇華さ
せ、ポリリン酸アンモニウムの粒子表面に付加および/
又は付着させたポリリン酸アンモニウムであり、例えば
以下の方法により得ることができる。すなわち、加熱さ
れたニーダー等の加熱混練装置内にポリリン酸アンモニ
ウムを投入し、該ポリリン酸アンモニウムが溶融するこ
となく、かつ該ポリリン酸アンモニウムに付加したアン
モニアの脱離が容易に起こり、またメラミンモノマーが
昇華し得る温度である350℃以下、好ましくは200
〜300℃において、メラミンを添加して加熱を行うこ
とにより、該ポリリン酸アンモニウム粒子表面にメラミ
ンを付加および/または付着させる。このとき添加する
メラミンの割合は、該ポリリン酸アンモニウムに対して
0.5〜20重量%好ましくは2〜15重量%であり、
上記方法により製造した場合、添加したメラミンのほと
んどが該ポリリン酸アンモニウムに付加および/または
付着した状態のメラミン被覆ポリリン酸アンモニウムが
得られる。
リリン酸アンモニウムは、メラミンモノマーを昇華さ
せ、ポリリン酸アンモニウムの粒子表面に付加および/
又は付着させたポリリン酸アンモニウムであり、例えば
以下の方法により得ることができる。すなわち、加熱さ
れたニーダー等の加熱混練装置内にポリリン酸アンモニ
ウムを投入し、該ポリリン酸アンモニウムが溶融するこ
となく、かつ該ポリリン酸アンモニウムに付加したアン
モニアの脱離が容易に起こり、またメラミンモノマーが
昇華し得る温度である350℃以下、好ましくは200
〜300℃において、メラミンを添加して加熱を行うこ
とにより、該ポリリン酸アンモニウム粒子表面にメラミ
ンを付加および/または付着させる。このとき添加する
メラミンの割合は、該ポリリン酸アンモニウムに対して
0.5〜20重量%好ましくは2〜15重量%であり、
上記方法により製造した場合、添加したメラミンのほと
んどが該ポリリン酸アンモニウムに付加および/または
付着した状態のメラミン被覆ポリリン酸アンモニウムが
得られる。
【0023】ここで付加とは、ポリリン酸アンモニウム
からアンモニアが脱離した状態の表面の水酸基にメラミ
ンが化学的に結合した状態を意味し、付加したメラミン
は加熱されても安定であり、再度脱離することはない。
また付着とは、メラミンがポリリン酸アンモニウムの粒
子表面に吸着された状態を意味し、加熱の継続によりポ
リリン酸アンモニウムの粒子表面においてメラミンは昇
華と吸着を繰り返す。
からアンモニアが脱離した状態の表面の水酸基にメラミ
ンが化学的に結合した状態を意味し、付加したメラミン
は加熱されても安定であり、再度脱離することはない。
また付着とは、メラミンがポリリン酸アンモニウムの粒
子表面に吸着された状態を意味し、加熱の継続によりポ
リリン酸アンモニウムの粒子表面においてメラミンは昇
華と吸着を繰り返す。
【0024】メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムの原
料であるポリリン酸アンモニウムは市販品もしくは公知
の方法で得られたものを使用すればよく、該市販品とし
ては、テラージュ(TERRAJU) S10(商標登録申請中、チ
ッソ株式会社製)、テラージュ(TERRAJU) S20(商標登
録申請中、チッソ株式会社製)、スミセーフ−P(商品
名、住友化学工業株式会社製)、エキソリット(Exolit)
-422(商品名、ヘキスト社製)、フォスチェク(Phos-ch
ek) P/30(商品名、モンサント社製)、フォスチェク(P
hos-chek) P/40(商品名、モンサント社製)等が挙げら
れる。また、公知の方法としては例えば、ほぼ等モル量
のオルトリン酸アンモニウムと五酸化リンとをガス状ア
ンモニアの存在下でかつ反応物の同時運動下に温度170
〜350℃に加熱することにより得ることができる。
料であるポリリン酸アンモニウムは市販品もしくは公知
の方法で得られたものを使用すればよく、該市販品とし
ては、テラージュ(TERRAJU) S10(商標登録申請中、チ
ッソ株式会社製)、テラージュ(TERRAJU) S20(商標登
録申請中、チッソ株式会社製)、スミセーフ−P(商品
名、住友化学工業株式会社製)、エキソリット(Exolit)
-422(商品名、ヘキスト社製)、フォスチェク(Phos-ch
ek) P/30(商品名、モンサント社製)、フォスチェク(P
hos-chek) P/40(商品名、モンサント社製)等が挙げら
れる。また、公知の方法としては例えば、ほぼ等モル量
のオルトリン酸アンモニウムと五酸化リンとをガス状ア
ンモニアの存在下でかつ反応物の同時運動下に温度170
〜350℃に加熱することにより得ることができる。
【0025】メラミンは市販のものを用いることがで
き、一般式C3H6-nN6(CH2OH)nで表される炭素数4〜9の
メチロールメラミンは該メラミン1モルに対して1〜6
倍モルのホルムアルデヒドを反応させることによって得
ることができるほか、市販品を使用しても良い。
き、一般式C3H6-nN6(CH2OH)nで表される炭素数4〜9の
メチロールメラミンは該メラミン1モルに対して1〜6
倍モルのホルムアルデヒドを反応させることによって得
ることができるほか、市販品を使用しても良い。
【0026】かかるトリアジン誘導体処理によって得ら
れたポリリン酸アンモニウムを用いて耐火塗料を得るに
は、通常知られている方法で良く、例えば以下の方法に
よって得ることができる。すなわち、ベースとなる合成
樹脂100重量部に対し、本発明によるポリリン酸アン
モニウム50〜800重量部、好ましくは200〜70
0重量部を添加し、混合、混練、撹拌もしくは分散させ
ることによって得られた耐火塗料用組成物を、耐火性の
要求される箇所、例えば鋼板、木材等の表面に塗布、吹
き付けまたは電着等の方法によって塗膜を形成させ、乾
燥および/または加熱硬化させることによって得ること
ができる。
れたポリリン酸アンモニウムを用いて耐火塗料を得るに
は、通常知られている方法で良く、例えば以下の方法に
よって得ることができる。すなわち、ベースとなる合成
樹脂100重量部に対し、本発明によるポリリン酸アン
モニウム50〜800重量部、好ましくは200〜70
0重量部を添加し、混合、混練、撹拌もしくは分散させ
ることによって得られた耐火塗料用組成物を、耐火性の
要求される箇所、例えば鋼板、木材等の表面に塗布、吹
き付けまたは電着等の方法によって塗膜を形成させ、乾
燥および/または加熱硬化させることによって得ること
ができる。
【0027】該耐火塗料用組成物を得る際に、所望によ
り、溶剤、発泡剤、炭素形成剤、無機充填剤および顔料
を同時に含有させることができる。該発泡剤としては、
メラミンモノマー、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、
メラミン−グアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミ
ン−尿素−ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、ジシアン
ジアミド、シアヌル酸メラミン、グアナミン樹脂等が挙
げることができ、好ましい添加量は、合成樹脂100重
量部に対し10〜200重量部、より好ましくは50〜
100重量部である。
り、溶剤、発泡剤、炭素形成剤、無機充填剤および顔料
を同時に含有させることができる。該発泡剤としては、
メラミンモノマー、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、
メラミン−グアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミ
ン−尿素−ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、ジシアン
ジアミド、シアヌル酸メラミン、グアナミン樹脂等が挙
げることができ、好ましい添加量は、合成樹脂100重
量部に対し10〜200重量部、より好ましくは50〜
100重量部である。
【0028】炭素形成剤としてはモノペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリト
ール、ポリペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロ
キシエチル)イソシアヌレート、トリエチレングリコー
ル、ソルビトール、レゾルシノール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ヘキサメチレングリコール、イノシトー
ル等の多価アルコールおよびデンプン、グルコース、蔗
糖、スターチ等の炭水化物を挙げることができ、好まし
い添加量は、合成樹脂100重量部に対し10〜200
重量部、より好ましくは50〜100重量部である。
ール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリト
ール、ポリペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロ
キシエチル)イソシアヌレート、トリエチレングリコー
ル、ソルビトール、レゾルシノール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ヘキサメチレングリコール、イノシトー
ル等の多価アルコールおよびデンプン、グルコース、蔗
糖、スターチ等の炭水化物を挙げることができ、好まし
い添加量は、合成樹脂100重量部に対し10〜200
重量部、より好ましくは50〜100重量部である。
【0029】無機充填剤としては水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、ヒュームドシリカ、沈降性シリ
カ、無水珪酸、硼酸亜鉛、カーボンブラック、膨張性黒
鉛、炭素繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケ
イソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、マイカ、酸化
チタン、ベントナイト、カオリン、モンモリナイト、ウ
ォラストナイト、ロックウール、ガラスファイバー、ア
スベスト、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、酸化ジルコ
ニウム、アルミナ、シリカアルミナ、ゼオライトを挙げ
ることができ、好ましい添加量は、合成樹脂100重量
部に対し1〜200重量部、より好ましくは10〜10
0重量部である。
水酸化マグネシウム、ヒュームドシリカ、沈降性シリ
カ、無水珪酸、硼酸亜鉛、カーボンブラック、膨張性黒
鉛、炭素繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケ
イソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、マイカ、酸化
チタン、ベントナイト、カオリン、モンモリナイト、ウ
ォラストナイト、ロックウール、ガラスファイバー、ア
スベスト、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、酸化ジルコ
ニウム、アルミナ、シリカアルミナ、ゼオライトを挙げ
ることができ、好ましい添加量は、合成樹脂100重量
部に対し1〜200重量部、より好ましくは10〜10
0重量部である。
【0030】本発明に用いられる合成樹脂バインダー
は、当該業者によって通常知られている樹脂を用いるこ
とができる。例えばウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アク
リル樹脂、アルキッド樹脂等であり、酢酸ビニル系樹脂
エマルジョン、アクリル酸エステル系樹脂エマルジョ
ン、エチレン系樹脂エマルジョンなどの合成樹脂エマル
ジョンである。
は、当該業者によって通常知られている樹脂を用いるこ
とができる。例えばウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アク
リル樹脂、アルキッド樹脂等であり、酢酸ビニル系樹脂
エマルジョン、アクリル酸エステル系樹脂エマルジョ
ン、エチレン系樹脂エマルジョンなどの合成樹脂エマル
ジョンである。
【0031】ウレタン樹脂としてはポリオール成分とポ
リイソシアネート成分を常温硬化型二液性ポリウレタン
樹脂として通常知られているものを任意に選択すること
ができる。ポリオール類としては例えば、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール等のポリエーテルポリオールが挙げら
れる。更に、エチレングリコール、1,2−プロピレン
グリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブ
チレングリコール、2,2’−ジメチル−1,3−プロ
パンジオール、ジエチレングリコール等、グルコール単
独もしくはこれらの混合物とコハク酸、アジピン酸、グ
ルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸等の二塩基酸およびこれらの酸エ
ステル、酸ハライドと重縮合することによって得られた
ポリエステルポリオールが挙げられる。
リイソシアネート成分を常温硬化型二液性ポリウレタン
樹脂として通常知られているものを任意に選択すること
ができる。ポリオール類としては例えば、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール等のポリエーテルポリオールが挙げら
れる。更に、エチレングリコール、1,2−プロピレン
グリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブ
チレングリコール、2,2’−ジメチル−1,3−プロ
パンジオール、ジエチレングリコール等、グルコール単
独もしくはこれらの混合物とコハク酸、アジピン酸、グ
ルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸等の二塩基酸およびこれらの酸エ
ステル、酸ハライドと重縮合することによって得られた
ポリエステルポリオールが挙げられる。
【0032】ポリイソシアネート類としては、例えば、
ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシ
アネート、シクロヘキサンジイソシアネート、トルイイ
ジンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジ
イソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート
等およびこれらの混合物が挙げられる。
ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシ
アネート、シクロヘキサンジイソシアネート、トルイイ
ジンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジ
イソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート
等およびこれらの混合物が挙げられる。
【0033】エポキシ樹脂としては脂肪族、芳香族、環
式、非環式、脂環式または複素環式として通常使用され
ているものを任意に選択することができる。例えば、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4
−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、
1,2,6−ヘキサントリオール、グリセロール、トリ
メチロールプロパン、ビスフェノール−A、およびビス
フェノール−Fの如き多価アルコールから誘導されるポ
リグリシジルエーテルを挙げることができる。更に、蓚
酸、コハク酸、グルタル酸、テレフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸および二量化リノール酸の如き脂
肪酸または芳香族ポリカルボン酸とエピクロロヒドリン
との反応生成物であるカルボン酸のポリグリシジルエー
テルを挙げることができる。
式、非環式、脂環式または複素環式として通常使用され
ているものを任意に選択することができる。例えば、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4
−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、
1,2,6−ヘキサントリオール、グリセロール、トリ
メチロールプロパン、ビスフェノール−A、およびビス
フェノール−Fの如き多価アルコールから誘導されるポ
リグリシジルエーテルを挙げることができる。更に、蓚
酸、コハク酸、グルタル酸、テレフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸および二量化リノール酸の如き脂
肪酸または芳香族ポリカルボン酸とエピクロロヒドリン
との反応生成物であるカルボン酸のポリグリシジルエー
テルを挙げることができる。
【0034】アクリル樹脂としてはメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メ
タクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラ
ウリル、メタクリル酸アルキル、メタクリル酸トリデシ
ル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベンジル、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−
ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロ
ピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル
酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル等の
メタクリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の
組み合わせを挙げることができる。
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メ
タクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラ
ウリル、メタクリル酸アルキル、メタクリル酸トリデシ
ル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベンジル、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−
ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロ
ピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル
酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル等の
メタクリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上の
組み合わせを挙げることができる。
【0035】アルキッド樹脂としては無水フタル酸、テ
レフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の飽
和多塩基酸又はマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸
等の不飽和多塩基酸と、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、プロピレング
リコール、トリメチレングリコール、テトラメチレング
リコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグ
リセロール、ペンタエリスリトール等から任意に選択さ
れるポリオールとの反応生成物を挙げることができる。
レフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の飽
和多塩基酸又はマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸
等の不飽和多塩基酸と、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、プロピレング
リコール、トリメチレングリコール、テトラメチレング
リコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグ
リセロール、ペンタエリスリトール等から任意に選択さ
れるポリオールとの反応生成物を挙げることができる。
【0036】合成樹脂エマルジョンに用いられる樹脂と
しては上記に挙げた樹脂が使用できるほか、酢酸ビニル
系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−エチレ
ンコポリマー、酢酸ビニル−プロピオン酸ビニルコポリ
マー、酢酸ビニル−アクリレートコポリマーなどが挙げ
ることができる。その外には塩化ビニル系樹脂、塩化ビ
ニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、バーサ
チック酸ビニル系樹脂、エチレン系樹脂等をエマルジョ
ン化した樹脂エマルジョンを挙げることができる。
しては上記に挙げた樹脂が使用できるほか、酢酸ビニル
系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−エチレ
ンコポリマー、酢酸ビニル−プロピオン酸ビニルコポリ
マー、酢酸ビニル−アクリレートコポリマーなどが挙げ
ることができる。その外には塩化ビニル系樹脂、塩化ビ
ニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、バーサ
チック酸ビニル系樹脂、エチレン系樹脂等をエマルジョ
ン化した樹脂エマルジョンを挙げることができる。
【0037】
【実施例】本発明を具体的に説明するために、以下に実
施例および比較例を示すが、本発明はこれによって限定
されるものではない。また、実施例および比較例におけ
る評価は次の方法により行った。
施例および比較例を示すが、本発明はこれによって限定
されるものではない。また、実施例および比較例におけ
る評価は次の方法により行った。
【0038】(1)加水分解安定性の測定方法 生成物中に含まれる水溶性成分を次の方法によって定量
した。実施各例および比較各例で得られたポリリン酸ア
ンモニウムの各10gを純水90gに懸濁して10重量
%の懸濁液試料調製する。該懸濁液を75℃の温度で3
週間振盪した後、該懸濁液を遠心分離し、上澄み液を
0.45μmの濾紙にて濾過する。濾液の一定量を秤量
瓶に取り、乾燥器中で蒸発乾固し、蒸発残渣量から水溶
成分を算出して加水分解安定性を評価した。この値が小
さいほど加水分解安定性は良いことになる。
した。実施各例および比較各例で得られたポリリン酸ア
ンモニウムの各10gを純水90gに懸濁して10重量
%の懸濁液試料調製する。該懸濁液を75℃の温度で3
週間振盪した後、該懸濁液を遠心分離し、上澄み液を
0.45μmの濾紙にて濾過する。濾液の一定量を秤量
瓶に取り、乾燥器中で蒸発乾固し、蒸発残渣量から水溶
成分を算出して加水分解安定性を評価した。この値が小
さいほど加水分解安定性は良いことになる。
【0039】(2)赤外分光法 トリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウム
の粒子表面における架橋構造の観察をフーリエ変換赤外
分光光度計JIR−AQS20M(日本電子製)を用い
て、KBr錠剤法にて行った。
の粒子表面における架橋構造の観察をフーリエ変換赤外
分光光度計JIR−AQS20M(日本電子製)を用い
て、KBr錠剤法にて行った。
【0040】(3)耐火性の測定方法 耐火塗料組成物(A)の調製:合成樹脂バインダーとし
てエポキシ樹脂、アデカレジンEP4520(商品名、
旭電化株式会社製)71.5重量部、硬化剤、アデカハ
ードナーEH220(商品名、旭電化株式会社製)2
8.5重量部に本発明に関わる実施各例および比較各例
で得られたポリリン酸アンモニウム266.7重量部、
発泡剤としてメラミン66.8重量部、炭素形成剤とし
てジペンタエリスリトール100重量部、二酸化チタン
80重量部、希釈剤としてシンナー164重量部を予め
混合した後に、3本ロールにて十分混練し、耐火塗料組
成物を得た。
てエポキシ樹脂、アデカレジンEP4520(商品名、
旭電化株式会社製)71.5重量部、硬化剤、アデカハ
ードナーEH220(商品名、旭電化株式会社製)2
8.5重量部に本発明に関わる実施各例および比較各例
で得られたポリリン酸アンモニウム266.7重量部、
発泡剤としてメラミン66.8重量部、炭素形成剤とし
てジペンタエリスリトール100重量部、二酸化チタン
80重量部、希釈剤としてシンナー164重量部を予め
混合した後に、3本ロールにて十分混練し、耐火塗料組
成物を得た。
【0041】耐火塗料組成物(B)の調製:合成樹脂バ
インダーとしてアクリル樹脂アクリディック52−20
4(商品名、大日本インキ化学工業(株)製)を樹脂固
形分換算で100重量部に対し、本発明に関わる実施各
例および比較各例で得られたポリリン酸アンモニウム5
90重量部、発泡剤としてメラミン150重量部、炭素
形成剤としてジペンタエリスリトール220重量部、充
填剤として炭酸カルシウム90重量部および二酸化チタ
ン90重量部、希釈剤としてエポキシシンナー(商品
名、日東化成(株)製)88重量部およびペイントうす
め液(商品名、関西ペイント(株)製)88重量部を予
め混合した後に、3本ロールにて十分混練し、耐火塗料
組成物を得た。
インダーとしてアクリル樹脂アクリディック52−20
4(商品名、大日本インキ化学工業(株)製)を樹脂固
形分換算で100重量部に対し、本発明に関わる実施各
例および比較各例で得られたポリリン酸アンモニウム5
90重量部、発泡剤としてメラミン150重量部、炭素
形成剤としてジペンタエリスリトール220重量部、充
填剤として炭酸カルシウム90重量部および二酸化チタ
ン90重量部、希釈剤としてエポキシシンナー(商品
名、日東化成(株)製)88重量部およびペイントうす
め液(商品名、関西ペイント(株)製)88重量部を予
め混合した後に、3本ロールにて十分混練し、耐火塗料
組成物を得た。
【0042】塗膜の調製方法:鋼板(JIS G3141 SPCC-S
D 寸法0.8mm×70mm×150mm)に上記方法により得られ
た塗料組成物を3500g/m2の割合で塗布し室温で7日間乾
燥させ塗膜を得た。 耐火性の測定方法:塗装した鋼板を垂直に立て、該塗膜
面に1000±50℃の酸素混合プロパンガス炎をブン
ゼンバーナーにより10分間当て、裏面の温度を熱電対
により測定した。 発泡倍率の測定方法:鋼板(寸法1.7mm×25mm×100mm)
に上記方法により得られた塗料組成物を3500g/m2の割合
で塗布し室温で7日間乾燥させる。その後600℃に設定
されたマッフル炉(FM−36型、ヤマト科学(株)
製)で10分間加熱する。加熱後の炭化層容積を求め加
熱前の塗膜容積との比より発泡倍率を求める。
D 寸法0.8mm×70mm×150mm)に上記方法により得られ
た塗料組成物を3500g/m2の割合で塗布し室温で7日間乾
燥させ塗膜を得た。 耐火性の測定方法:塗装した鋼板を垂直に立て、該塗膜
面に1000±50℃の酸素混合プロパンガス炎をブン
ゼンバーナーにより10分間当て、裏面の温度を熱電対
により測定した。 発泡倍率の測定方法:鋼板(寸法1.7mm×25mm×100mm)
に上記方法により得られた塗料組成物を3500g/m2の割合
で塗布し室温で7日間乾燥させる。その後600℃に設定
されたマッフル炉(FM−36型、ヤマト科学(株)
製)で10分間加熱する。加熱後の炭化層容積を求め加
熱前の塗膜容積との比より発泡倍率を求める。
【0043】本発明の実施各例に使用したメラミン被覆
ポリリン酸アンモニウムは次の方法により得た。予め2
70〜300℃に加熱された内容量5リットルのニーダ
ーにテラージュ(TERRAJU)S20(商標登録申請中、チッソ
株式会社製)2000重量部を投入した。該ポリリン酸
アンモニウムの温度が240〜270℃になった時点で
メラミンを投入し、6時間加熱混合し、メラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウムを得た。電子顕微鏡による観察の
結果、ポリリン酸アンモニウムの粒子表面がメラミンに
より均一に被覆されていることが確認され、また元素分
析による結果、ほとんどのメラミンがポリリン酸アンモ
ニウムに付加されていることが確認された。
ポリリン酸アンモニウムは次の方法により得た。予め2
70〜300℃に加熱された内容量5リットルのニーダ
ーにテラージュ(TERRAJU)S20(商標登録申請中、チッソ
株式会社製)2000重量部を投入した。該ポリリン酸
アンモニウムの温度が240〜270℃になった時点で
メラミンを投入し、6時間加熱混合し、メラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウムを得た。電子顕微鏡による観察の
結果、ポリリン酸アンモニウムの粒子表面がメラミンに
より均一に被覆されていることが確認され、また元素分
析による結果、ほとんどのメラミンがポリリン酸アンモ
ニウムに付加されていることが確認された。
【0044】実施例1 メラミン含有量が5重量%であるメラミン被覆ポリリン
酸アンモニウム100重量部と濃度35重量%のホルム
アルデヒド水溶液3.4重量部をケンミックスミキサー
(商品名、(株)愛工舎製作所製)に入れ、室温で5分
間撹拌する。それをポリ袋に入れ密閉し25℃に保持さ
れたオーブンの中で24時間反応させ、メチロール化メ
ラミン被覆ポリリン酸アンモニウムを得た。また、撹拌
機、温度計、導入口、コンデンサーを備えた容量500
ミリリットルの反応容器に3,9−ビス[2−(3,5
−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウ
ンデカン5.3重量部、濃度35%のホルムアルデヒド
水溶液10.5重量部、触媒としてウロトロピン0.2
重量部、および水10重量部を加え、80〜90℃で1
0分間加熱撹拌し、トリアジン誘導体の水溶液を得た。
該トリアジン誘導体の水溶液に、上記で得られたメチロ
ール化メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムおよび溶媒
として水/メタノール混合溶液(水110重量部とメタ
ノール35重量部を混合した溶液)を導入口より反応器
内へ入れ、加熱撹拌し還流温度で1.5時間反応させ
る。反応終了後、25〜30℃に急冷し、減圧濾過、メ
タノールでの洗浄を経て、105℃のオーブンで2時間
乾燥しトリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモ
ニウム105重量部を得た。得られた物質の赤外分光ス
ペクトル図を図1に示すとともに、加水分解安定性、耐
火性の評価試験を実施し、その結果を表1に示した。
酸アンモニウム100重量部と濃度35重量%のホルム
アルデヒド水溶液3.4重量部をケンミックスミキサー
(商品名、(株)愛工舎製作所製)に入れ、室温で5分
間撹拌する。それをポリ袋に入れ密閉し25℃に保持さ
れたオーブンの中で24時間反応させ、メチロール化メ
ラミン被覆ポリリン酸アンモニウムを得た。また、撹拌
機、温度計、導入口、コンデンサーを備えた容量500
ミリリットルの反応容器に3,9−ビス[2−(3,5
−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウ
ンデカン5.3重量部、濃度35%のホルムアルデヒド
水溶液10.5重量部、触媒としてウロトロピン0.2
重量部、および水10重量部を加え、80〜90℃で1
0分間加熱撹拌し、トリアジン誘導体の水溶液を得た。
該トリアジン誘導体の水溶液に、上記で得られたメチロ
ール化メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムおよび溶媒
として水/メタノール混合溶液(水110重量部とメタ
ノール35重量部を混合した溶液)を導入口より反応器
内へ入れ、加熱撹拌し還流温度で1.5時間反応させ
る。反応終了後、25〜30℃に急冷し、減圧濾過、メ
タノールでの洗浄を経て、105℃のオーブンで2時間
乾燥しトリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモ
ニウム105重量部を得た。得られた物質の赤外分光ス
ペクトル図を図1に示すとともに、加水分解安定性、耐
火性の評価試験を実施し、その結果を表1に示した。
【0045】実施例2 トリアジン誘導体の水溶液を得る際、3,9−ビス[2
−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニ
ル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカンの量を11重量部、濃度35重量
%のホルムアルデヒド水溶液の量を21.7重量部およ
び触媒としてウロトロピン0.4重量部とした以外は実
施例1に準拠して、トリアジン誘導体で処理されたポリ
リン酸アンモニウム109重量部を得た。得られたポリ
リン酸アンモニウムを用いて、加水分解安定性、耐火性
の評価試験を実施し、その結果を表1に示した。
−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニ
ル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカンの量を11重量部、濃度35重量
%のホルムアルデヒド水溶液の量を21.7重量部およ
び触媒としてウロトロピン0.4重量部とした以外は実
施例1に準拠して、トリアジン誘導体で処理されたポリ
リン酸アンモニウム109重量部を得た。得られたポリ
リン酸アンモニウムを用いて、加水分解安定性、耐火性
の評価試験を実施し、その結果を表1に示した。
【0046】実施例3 メラミン被覆量が5重量%であるメラミン被覆ポリリン
酸アンモニウム100重量部と濃度35%のホルムアル
デヒド水溶液3.4重量部をポリ袋に入れよく手でも
む。それを密閉して25℃に保持されたオーブンの中で
36時間反応させ、メチロール化メラミン被覆ポリリン
酸アンモニウムを得た。また、撹拌機、温度計、導入
口、コンデンサーを備えた容量500ミリリットルの反
応容器に2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチル−イミ
ダゾリル−(1’)〕−エチル−S−トリアジン5.3
重量部、濃度35重量%のホルムアルデヒド水溶液4.
3重量部、および水10重量部を加え、80〜90℃で
30分間加熱撹拌し、トリアジン誘導体の水溶液を得
た。該トリアジン誘導体の水溶液に、上記メチロール化
メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムおよび溶媒として
水/メタノール混合溶液(水110重量部とメタノール
35重量部を混合した溶液)を導入口より反応器内へ入
れ、加熱撹拌し還流温度で5時間反応させる。反応終了
後、25〜30℃に急冷し、減圧濾過、メタノールでの
洗浄を経て、105℃のオーブンで2時間乾燥しトリア
ジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウム100
重量部を得た。得られた物質の赤外分光スペクトル図を
図2に示し、また、加水分解安定性、耐火性の評価試験
の結果を表1に示した。
酸アンモニウム100重量部と濃度35%のホルムアル
デヒド水溶液3.4重量部をポリ袋に入れよく手でも
む。それを密閉して25℃に保持されたオーブンの中で
36時間反応させ、メチロール化メラミン被覆ポリリン
酸アンモニウムを得た。また、撹拌機、温度計、導入
口、コンデンサーを備えた容量500ミリリットルの反
応容器に2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチル−イミ
ダゾリル−(1’)〕−エチル−S−トリアジン5.3
重量部、濃度35重量%のホルムアルデヒド水溶液4.
3重量部、および水10重量部を加え、80〜90℃で
30分間加熱撹拌し、トリアジン誘導体の水溶液を得
た。該トリアジン誘導体の水溶液に、上記メチロール化
メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムおよび溶媒として
水/メタノール混合溶液(水110重量部とメタノール
35重量部を混合した溶液)を導入口より反応器内へ入
れ、加熱撹拌し還流温度で5時間反応させる。反応終了
後、25〜30℃に急冷し、減圧濾過、メタノールでの
洗浄を経て、105℃のオーブンで2時間乾燥しトリア
ジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウム100
重量部を得た。得られた物質の赤外分光スペクトル図を
図2に示し、また、加水分解安定性、耐火性の評価試験
の結果を表1に示した。
【0047】実施例4 トリアジン誘導体の水溶液を得る際、2,4−ジアミノ
−6−〔2’−メチル−イミダゾリル−(1’)〕−エ
チル−S−トリアジンの量を11重量部、濃度35重量
%のホルムアルデヒド水溶液の量を8.9重量部、触媒
として濃度1重量%の炭酸ナトリウム水溶液を5ミリリ
ットルを添加して得たトリアジン誘導体の水溶液を用い
る以外は実施例3に準拠して、トリアジン誘導体で処理
されたポリリン酸アンモニウム110重量部を得た。得
られたポリリン酸アンモニウムを用いて、加水分解安定
性、耐火性の評価試験を実施した。その結果を表1に示
した。
−6−〔2’−メチル−イミダゾリル−(1’)〕−エ
チル−S−トリアジンの量を11重量部、濃度35重量
%のホルムアルデヒド水溶液の量を8.9重量部、触媒
として濃度1重量%の炭酸ナトリウム水溶液を5ミリリ
ットルを添加して得たトリアジン誘導体の水溶液を用い
る以外は実施例3に準拠して、トリアジン誘導体で処理
されたポリリン酸アンモニウム110重量部を得た。得
られたポリリン酸アンモニウムを用いて、加水分解安定
性、耐火性の評価試験を実施した。その結果を表1に示
した。
【0048】実施例5 メラミン被覆量が5重量%であるメラミン被覆ポリリン
酸アンモニウム100重量部と濃度35重量%のホルム
アルデヒド水溶液3.4重量部をケンミックスミキサー
(商品名、(株)愛工舎製作所製)に入れ室温で5分間撹
拌する。それをポリ袋に入れ密閉し25℃に保持された
オーブンの中で24時間反応させ、メチロール化メラミ
ン被覆ポリリン酸アンモニウムを得た。また、撹拌機、
温度計、導入口、コンデンサーを備えた容量500ミリ
リットルの反応容器に3,9−ビス[2−(3,5−ジ
アミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウン
デカン3.2重量部、メラミン2.1重量部、濃度35
重量%のホルムアルデヒド水溶液9.2重量部、触媒と
してウロトロピン0.1重量部、および水10重量部を
加え、80〜90℃で10分間加熱撹拌し、トリアジン
誘導体の水溶液を得た。該トリアジン誘導体の水溶液
に、上記のメチロール化メラミン被覆ポリリン酸アンモ
ニウムおよび溶媒として水/メタノール混合溶液(水1
10重量部とメタノール35重量部を混合した溶液)を
導入口より反応器内へ入れ、加熱撹拌し還流温度で2時
間反応させる。反応終了後、25〜30℃に急冷し、減
圧濾過、メタノールでの洗浄を経て、105℃のオーブ
ンで2時間乾燥しトリアジン誘導体で処理されたポリリ
ン酸アンモニウム105重量部を得た。得られた物質の
赤外分光スペクトル図を図3に示した。また、加水分解
安定性、耐火性の評価試験の結果を表1に示した。
酸アンモニウム100重量部と濃度35重量%のホルム
アルデヒド水溶液3.4重量部をケンミックスミキサー
(商品名、(株)愛工舎製作所製)に入れ室温で5分間撹
拌する。それをポリ袋に入れ密閉し25℃に保持された
オーブンの中で24時間反応させ、メチロール化メラミ
ン被覆ポリリン酸アンモニウムを得た。また、撹拌機、
温度計、導入口、コンデンサーを備えた容量500ミリ
リットルの反応容器に3,9−ビス[2−(3,5−ジ
アミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウン
デカン3.2重量部、メラミン2.1重量部、濃度35
重量%のホルムアルデヒド水溶液9.2重量部、触媒と
してウロトロピン0.1重量部、および水10重量部を
加え、80〜90℃で10分間加熱撹拌し、トリアジン
誘導体の水溶液を得た。該トリアジン誘導体の水溶液
に、上記のメチロール化メラミン被覆ポリリン酸アンモ
ニウムおよび溶媒として水/メタノール混合溶液(水1
10重量部とメタノール35重量部を混合した溶液)を
導入口より反応器内へ入れ、加熱撹拌し還流温度で2時
間反応させる。反応終了後、25〜30℃に急冷し、減
圧濾過、メタノールでの洗浄を経て、105℃のオーブ
ンで2時間乾燥しトリアジン誘導体で処理されたポリリ
ン酸アンモニウム105重量部を得た。得られた物質の
赤外分光スペクトル図を図3に示した。また、加水分解
安定性、耐火性の評価試験の結果を表1に示した。
【0049】実施例6 トリアジン誘導体の水溶液を得る際、3,9−ビス[2
−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニ
ル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカンの量を5.5重量部、メラミンの
量を5.5重量部、濃度35重量%のホルムアルデヒド
水溶液の量を18.4重量部、および触媒としてウロト
ロピンの量を0.2重量部と変えて調製したトリアジン
誘導体の水溶液を用いる以外は実施例5に準拠して、ト
リアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウム1
05重量部を得た。得られた処理ポリリン酸アンモニウ
ムの加水分解安定性、耐火性の評価試験結果を表1に示
した。
−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニ
ル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカンの量を5.5重量部、メラミンの
量を5.5重量部、濃度35重量%のホルムアルデヒド
水溶液の量を18.4重量部、および触媒としてウロト
ロピンの量を0.2重量部と変えて調製したトリアジン
誘導体の水溶液を用いる以外は実施例5に準拠して、ト
リアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウム1
05重量部を得た。得られた処理ポリリン酸アンモニウ
ムの加水分解安定性、耐火性の評価試験結果を表1に示
した。
【0050】実施例7 トリアジン誘導体の水溶液を得る際、メラミンの代わり
に2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチル−イミダゾリ
ル−(1’)〕−エチル−S−トリアジンを2.1重量
部、および濃度35重量%のホルムアルデヒド水溶液の
量を8重量部として調製したトリアジン誘導体の水溶液
を用いる以外は実施例5に準拠して、トリアジン誘導体
で処理されたポリリン酸アンモニウム105重量部を得
た。得られたポリリン酸アンモニウムを用いて、加水分
解安定性、耐火性の評価試験を実施し、その結果を表1
に示した。
に2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチル−イミダゾリ
ル−(1’)〕−エチル−S−トリアジンを2.1重量
部、および濃度35重量%のホルムアルデヒド水溶液の
量を8重量部として調製したトリアジン誘導体の水溶液
を用いる以外は実施例5に準拠して、トリアジン誘導体
で処理されたポリリン酸アンモニウム105重量部を得
た。得られたポリリン酸アンモニウムを用いて、加水分
解安定性、耐火性の評価試験を実施し、その結果を表1
に示した。
【0051】実施例8 トリアジン誘導体の水溶液を得る際、メラミンの代わり
に2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチル−イミダゾリ
ル−(1’)〕−エチル−S−トリアジンを5.5重量
部および濃度35重量%のホルムアルデヒド水溶液の量
を15.4重量部として調製したトリアジン誘導体の水
溶液を用いる以外は実施例5に準拠して、トリアジン誘
導体で処理されたポリリン酸アンモニウム104重量部
を得た。得られたポリリン酸アンモニウムを用いて、加
水分解安定性、耐火性の評価試験を実施し、その結果を
表1に示した。
に2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチル−イミダゾリ
ル−(1’)〕−エチル−S−トリアジンを5.5重量
部および濃度35重量%のホルムアルデヒド水溶液の量
を15.4重量部として調製したトリアジン誘導体の水
溶液を用いる以外は実施例5に準拠して、トリアジン誘
導体で処理されたポリリン酸アンモニウム104重量部
を得た。得られたポリリン酸アンモニウムを用いて、加
水分解安定性、耐火性の評価試験を実施し、その結果を
表1に示した。
【0052】実施例9 トリアジン誘導体の水溶液を得る際、3,9−ビス[2
−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニ
ル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカンの代わりにベンゾグアナミン9.
4重量部および濃度35重量%のホルムアルデヒド水溶
液の量を17.1重量部として調製したトリアジン誘導
体の水溶液を用いる以外は実施例5に準拠して、トリア
ジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウム99重
量部を得た。得られたポリリン酸アンモニウムを用い
て、加水分解安定性、耐火性の評価試験を実施し、その
結果を表1に示した。
−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニ
ル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカンの代わりにベンゾグアナミン9.
4重量部および濃度35重量%のホルムアルデヒド水溶
液の量を17.1重量部として調製したトリアジン誘導
体の水溶液を用いる以外は実施例5に準拠して、トリア
ジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウム99重
量部を得た。得られたポリリン酸アンモニウムを用い
て、加水分解安定性、耐火性の評価試験を実施し、その
結果を表1に示した。
【0053】実施例10 撹拌機、温度計、コンデンサーを備えた容量500ミリ
リットルの反応容器に、2,4−ジアミノ−6−〔2’
−メチル−イミダゾリル−(1’)〕−エチル−S−ト
リアジン3.2重量部、メラミン2.1重量部、濃度3
5重量%のホルムアルヒド水溶液8.4重量部を入れ、
温度60〜80℃に加熱しトリアジン誘導体の水溶液を
得た。次いでメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム10
0重量部、水35重量部およびメタノール120重量部
からなる懸濁液を入れ、還流温度で4時間反応させた。
反応終了後、25〜30℃に急冷し、減圧濾過、メタノ
ールでの洗浄を経て、110℃のオーブンで2時間乾燥
しトリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウ
ム101重量部を得た。得られたポリリン酸アンモニウ
ムを用いて、加水分解安定性、耐火性の評価試験を実施
し、その結果を表1に示した。
リットルの反応容器に、2,4−ジアミノ−6−〔2’
−メチル−イミダゾリル−(1’)〕−エチル−S−ト
リアジン3.2重量部、メラミン2.1重量部、濃度3
5重量%のホルムアルヒド水溶液8.4重量部を入れ、
温度60〜80℃に加熱しトリアジン誘導体の水溶液を
得た。次いでメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム10
0重量部、水35重量部およびメタノール120重量部
からなる懸濁液を入れ、還流温度で4時間反応させた。
反応終了後、25〜30℃に急冷し、減圧濾過、メタノ
ールでの洗浄を経て、110℃のオーブンで2時間乾燥
しトリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウ
ム101重量部を得た。得られたポリリン酸アンモニウ
ムを用いて、加水分解安定性、耐火性の評価試験を実施
し、その結果を表1に示した。
【0054】実施例11 2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチル−イミダゾリル
−(1’)〕−エチル−S−トリアジンの量を5.5重
量部、メラミンの量を5.5重量部、濃度35重量%の
ホルムアルヒド水溶液の量を15.5重量部と変えて調
製したトリアジン誘導体の水溶液を用いる以外は実施例
10に準拠して、トリアジン誘導体で処理されたポリリ
ン酸アンモニウム100重量部を得た。得られたポリリ
ン酸アンモニウムを用いて、加水分解安定性、耐火性の
評価試験を実施し、その結果を表1に示した。
−(1’)〕−エチル−S−トリアジンの量を5.5重
量部、メラミンの量を5.5重量部、濃度35重量%の
ホルムアルヒド水溶液の量を15.5重量部と変えて調
製したトリアジン誘導体の水溶液を用いる以外は実施例
10に準拠して、トリアジン誘導体で処理されたポリリ
ン酸アンモニウム100重量部を得た。得られたポリリ
ン酸アンモニウムを用いて、加水分解安定性、耐火性の
評価試験を実施し、その結果を表1に示した。
【0055】実施例12 メチロール化メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムを得
る際に、メラミン被覆量が10重量%であるメラミン被
覆ポリリン酸アンモニウム100重量部を用い、濃度3
5重量%のホルムアルデヒド水溶液の量を6.8重量部
と変えた以外は実施例1に準拠して、トリアジン誘導体
で処理されたポリリン酸アンモニウム100重量部を得
た。得られたポリリン酸アンモニウムを用いて、加水分
解安定性、耐火性の評価試験を実施し、その結果を表1
に示した。
る際に、メラミン被覆量が10重量%であるメラミン被
覆ポリリン酸アンモニウム100重量部を用い、濃度3
5重量%のホルムアルデヒド水溶液の量を6.8重量部
と変えた以外は実施例1に準拠して、トリアジン誘導体
で処理されたポリリン酸アンモニウム100重量部を得
た。得られたポリリン酸アンモニウムを用いて、加水分
解安定性、耐火性の評価試験を実施し、その結果を表1
に示した。
【0056】実施例13 メチロール化メラミン被覆APPを得る際に、メラミン含
有量が10重量%であるメラミン被覆ポリリン酸アンモ
ニウム100重量部を用い、濃度35重量%のホルムア
ルデヒド水溶液の量を5.1重量部を用いた以外は実施
例3に準拠して、トリアジン誘導体で処理されたポリリ
ン酸アンモニウム100重量部を得た。得られたポリリ
ン酸アンモニウムを用いて、加水分解安定性、耐火性の
評価試験を実施し、その結果を表1に示した。
有量が10重量%であるメラミン被覆ポリリン酸アンモ
ニウム100重量部を用い、濃度35重量%のホルムア
ルデヒド水溶液の量を5.1重量部を用いた以外は実施
例3に準拠して、トリアジン誘導体で処理されたポリリ
ン酸アンモニウム100重量部を得た。得られたポリリ
ン酸アンモニウムを用いて、加水分解安定性、耐火性の
評価試験を実施し、その結果を表1に示した。
【0057】実施例14 メチロール化メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムを得
る際に、メラミン被覆量が7.5重量%であるメラミン
被覆ポリリン酸アンモニウム100重量部を用い、濃度
35重量%のホルムアルデヒド水溶液6.8重量部、ま
た、トリアジン誘導体を得る際に、3,9−ビス[2−
(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)
エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカンの量を8.1重量部、濃度35重
量%のホルムアルデヒド水溶液の量を16.1重量部、
触媒としてウロトロピンの量を0.3重量部と変えた以
外は実施例1に準拠して、トリアジン誘導体で処理され
たポリリン酸アンモニウム100重量部を得た。得られ
たポリリン酸アンモニウムを用いて、加水分解安定性、
耐火性の評価試験を実施し、その結果を表1に示した。
る際に、メラミン被覆量が7.5重量%であるメラミン
被覆ポリリン酸アンモニウム100重量部を用い、濃度
35重量%のホルムアルデヒド水溶液6.8重量部、ま
た、トリアジン誘導体を得る際に、3,9−ビス[2−
(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)
エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカンの量を8.1重量部、濃度35重
量%のホルムアルデヒド水溶液の量を16.1重量部、
触媒としてウロトロピンの量を0.3重量部と変えた以
外は実施例1に準拠して、トリアジン誘導体で処理され
たポリリン酸アンモニウム100重量部を得た。得られ
たポリリン酸アンモニウムを用いて、加水分解安定性、
耐火性の評価試験を実施し、その結果を表1に示した。
【0058】実施例15 メラミン被覆量が7.5重量%であるメラミン被覆ポリ
リン酸アンモニウム100重量部と濃度35重量%のホ
ルムアルデヒド水溶液5.1重量部をケンミックスミキ
サー(商品名、(株)愛工舎製作所製)に入れ室温で5分
間撹拌する。それをポリ袋に入れ密閉し25℃に保持さ
れたオーブンの中で24時間反応させ、メチロール化メ
ラミン被覆ポリリン酸アンモニウムを得た。また、撹拌
機、温度計、導入口、コンデンサーを備えた容量500
ミリリットルの反応容器に3,9−ビス[2−(3,5
−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウ
ンデカン2.6重量部、2,4−ジアミノ−6−〔2’
−エチル−イミダゾリル−(1’)〕−エチル−S−ト
リアジン2.8重量部、濃度35重量%のホルムアルデ
ヒド水溶液13重量部、触媒としてウロトロピン0.2
重量部および水10重量部を加え、80〜90℃で10
分間加熱撹拌し、トリアジン誘導体の水溶液を得た。該
トリアジン誘導体の水溶液に、上記メチロール化メラミ
ン被覆ポリリン酸アンモニウムおよび溶媒として水/メ
タノール混合溶液(水110重量部とメタノール35重
量部を混合した溶液)を導入口より反応器内へ入れ、加
熱撹拌し還流温度で2時間反応させる。反応終了後、2
5〜30℃に急冷し、減圧濾過、メタノールでの洗浄を
経て、105℃のオーブンで2時間乾燥しトリアジン誘
導体で処理されたポリリン酸アンモニウム108重量部
を得た。得られた物質の赤外分光スペクトル図を図4に
示した。また、加水分解安定性、耐火性の評価試験を実
施し、その結果を表1に示した。
リン酸アンモニウム100重量部と濃度35重量%のホ
ルムアルデヒド水溶液5.1重量部をケンミックスミキ
サー(商品名、(株)愛工舎製作所製)に入れ室温で5分
間撹拌する。それをポリ袋に入れ密閉し25℃に保持さ
れたオーブンの中で24時間反応させ、メチロール化メ
ラミン被覆ポリリン酸アンモニウムを得た。また、撹拌
機、温度計、導入口、コンデンサーを備えた容量500
ミリリットルの反応容器に3,9−ビス[2−(3,5
−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウ
ンデカン2.6重量部、2,4−ジアミノ−6−〔2’
−エチル−イミダゾリル−(1’)〕−エチル−S−ト
リアジン2.8重量部、濃度35重量%のホルムアルデ
ヒド水溶液13重量部、触媒としてウロトロピン0.2
重量部および水10重量部を加え、80〜90℃で10
分間加熱撹拌し、トリアジン誘導体の水溶液を得た。該
トリアジン誘導体の水溶液に、上記メチロール化メラミ
ン被覆ポリリン酸アンモニウムおよび溶媒として水/メ
タノール混合溶液(水110重量部とメタノール35重
量部を混合した溶液)を導入口より反応器内へ入れ、加
熱撹拌し還流温度で2時間反応させる。反応終了後、2
5〜30℃に急冷し、減圧濾過、メタノールでの洗浄を
経て、105℃のオーブンで2時間乾燥しトリアジン誘
導体で処理されたポリリン酸アンモニウム108重量部
を得た。得られた物質の赤外分光スペクトル図を図4に
示した。また、加水分解安定性、耐火性の評価試験を実
施し、その結果を表1に示した。
【0059】比較例1 撹拌機、温度計、コンデンサーを備えた容量500ミリ
リットルの反応容器に、メラミン6.3重量部、濃度3
5重量%のホルムアルヒド水溶液12.8重量部を入
れ、温度60〜80℃に加熱し、メチロールメラミン水
溶液を得た。次いで該反応器にポリリン酸アンモニウム
(Exolit-422、商品名、ヘキスト社製)100重量部、
水35重量部、およびメタノール120重量部を投入
し、還流温度で更に4時間反応させる。反応終了後、2
5〜30℃に急冷し、減圧濾過、メタノールでの洗浄を
経て、110℃のオーブンで2時間乾燥しメラミン/ホ
ルムアルデヒド樹脂により処理されたポリリン酸アンモ
ニウム105重量部を得た。得られたポリリン酸アンモ
ニウムの加水分解安定性、耐火性の評価試験を実施し、
その結果を表1に示した。
リットルの反応容器に、メラミン6.3重量部、濃度3
5重量%のホルムアルヒド水溶液12.8重量部を入
れ、温度60〜80℃に加熱し、メチロールメラミン水
溶液を得た。次いで該反応器にポリリン酸アンモニウム
(Exolit-422、商品名、ヘキスト社製)100重量部、
水35重量部、およびメタノール120重量部を投入
し、還流温度で更に4時間反応させる。反応終了後、2
5〜30℃に急冷し、減圧濾過、メタノールでの洗浄を
経て、110℃のオーブンで2時間乾燥しメラミン/ホ
ルムアルデヒド樹脂により処理されたポリリン酸アンモ
ニウム105重量部を得た。得られたポリリン酸アンモ
ニウムの加水分解安定性、耐火性の評価試験を実施し、
その結果を表1に示した。
【0060】比較例2 撹拌機、温度計、コンデンサーを備えた容量2リットル
の反応容器に、メタノール100ミリリットル、濃度3
5重量%のホルムアルデヒド水溶液173重量部、およ
び2,4−ジアミノ−6−モルホリノ−1,3,5−ト
リアジン39.2重量部およびメラミン25.2重量部
を入れる。この反応溶液を温度70℃で1時間加熱し均
一な水溶液を得た。次いで70℃に加熱された、ポリリ
ン酸アンモニウム(Exolit-422、商品名、ヘキスト社
製)180重量部、水400重量部およびメタノール4
00ミリリットルからなる懸濁スラリーを加え、還流温
度で8時間反応させる。反応終了後、室温まで冷却し、
減圧濾過、メタノールでの洗浄を経て、100℃のオー
ブンで2時間乾燥しアミノプラスチック樹脂でマイクロ
カプセル化されたポリリン酸アンモニウムを得た。得ら
れた物の加水分解安定性、耐火性の評価試験を実施し、
その結果を表1に示した。
の反応容器に、メタノール100ミリリットル、濃度3
5重量%のホルムアルデヒド水溶液173重量部、およ
び2,4−ジアミノ−6−モルホリノ−1,3,5−ト
リアジン39.2重量部およびメラミン25.2重量部
を入れる。この反応溶液を温度70℃で1時間加熱し均
一な水溶液を得た。次いで70℃に加熱された、ポリリ
ン酸アンモニウム(Exolit-422、商品名、ヘキスト社
製)180重量部、水400重量部およびメタノール4
00ミリリットルからなる懸濁スラリーを加え、還流温
度で8時間反応させる。反応終了後、室温まで冷却し、
減圧濾過、メタノールでの洗浄を経て、100℃のオー
ブンで2時間乾燥しアミノプラスチック樹脂でマイクロ
カプセル化されたポリリン酸アンモニウムを得た。得ら
れた物の加水分解安定性、耐火性の評価試験を実施し、
その結果を表1に示した。
【0061】比較例3 メラミン被覆量が5重量%であるメラミン被覆ポリリン
酸アンモニウムを何も処理せずに加水分解安定性、耐火
性試験に供した。赤外分光スペクトル図を図5に示し
た。また、加水分解安定性、耐火性試験を実施し、その
結果を表1に示した。
酸アンモニウムを何も処理せずに加水分解安定性、耐火
性試験に供した。赤外分光スペクトル図を図5に示し
た。また、加水分解安定性、耐火性試験を実施し、その
結果を表1に示した。
【0062】
【発明の効果】本発明のトリアジン誘導体で処理された
ポリリン酸アンモニウムは、長期間にわたる加水分解安
定性に優れ、かつ、熱可塑性樹脂、熱硬化製樹脂、塗
料、シーリング材もしくは紙等に難燃剤の1成分として
添加したとき、優れた難燃性もしくは耐火性を発揮する
ため、難燃材もしくは耐火材としての用途に好適に使用
することができる。また、本発明の製造方法によれば、
メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム粒子およびメラミ
ンもしくはメチロールメラミンおよび特定のトリアジン
誘導体とホルムアルデヒドを反応させることによって、
容易にトリアジン誘導体で処理されたメラミン被覆ポリ
リン酸アンモニウムを得ることができる。また、このよ
うにして得られたトリアジン誘導体で処理されたポリリ
ン酸アンモニウムを含有する塗料は、優れた発泡性、耐
火性を示す。
ポリリン酸アンモニウムは、長期間にわたる加水分解安
定性に優れ、かつ、熱可塑性樹脂、熱硬化製樹脂、塗
料、シーリング材もしくは紙等に難燃剤の1成分として
添加したとき、優れた難燃性もしくは耐火性を発揮する
ため、難燃材もしくは耐火材としての用途に好適に使用
することができる。また、本発明の製造方法によれば、
メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム粒子およびメラミ
ンもしくはメチロールメラミンおよび特定のトリアジン
誘導体とホルムアルデヒドを反応させることによって、
容易にトリアジン誘導体で処理されたメラミン被覆ポリ
リン酸アンモニウムを得ることができる。また、このよ
うにして得られたトリアジン誘導体で処理されたポリリ
ン酸アンモニウムを含有する塗料は、優れた発泡性、耐
火性を示す。
【0063】
【表1】
【図1】実施例1で得られたトリアジン誘導体で処理さ
れたポリリン酸アンモニウムの赤外分光スペクトル図。
れたポリリン酸アンモニウムの赤外分光スペクトル図。
【図2】実施例3で得られたトリアジン誘導体で処理さ
れたポリリン酸アンモニウムの赤外分光スペクトル図。
れたポリリン酸アンモニウムの赤外分光スペクトル図。
【図3】実施例5で得られたトリアジン誘導体で処理さ
れたポリリン酸アンモニウムの赤外分光スペクトル図。
れたポリリン酸アンモニウムの赤外分光スペクトル図。
【図4】実施例15で得られたトリアジン誘導体で処理
されたポリリン酸アンモニウムの赤外分光スペクトル
図。
されたポリリン酸アンモニウムの赤外分光スペクトル
図。
【図5】実施例1〜11および比較例3で用いられたメ
ラミン含有量が5%であるメラミン被覆ポリリン酸アン
モニウムの赤外分光スペクトル図。
ラミン含有量が5%であるメラミン被覆ポリリン酸アン
モニウムの赤外分光スペクトル図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 175/00 PHW C09D 175/00 PHW C09K 21/12 C09K 21/12
Claims (12)
- 【請求項1】(a)メラミンモノマーとしてのメラミン
被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポリリ
ン酸アンモニウム100重量部に対し、(b)下記化1
で表されるトリアジン誘導体群より選択される1種もし
くは2種以上の混合物0.1〜30重量部が含有された
組成物に対し、ホルムアルデヒド類を反応させることに
よって得られるトリアジン誘導体で処理されたポリリン
酸アンモニウム。 【化1】 (但し、R1はメチル基、フェニル基又は下記化2もしく
は化3で表される基である) 【化2】 【化3】 (但し、R2はフェニル基又は炭素数1〜12の直鎖もし
くは分岐のアルキル基であり、R3は水素又はメチル基で
ある) - 【請求項2】(a)メラミンモノマーとしてのメラミン
被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポリリ
ン酸アンモニウム100重量部に対し、(b)請求項1
記載の化1で表されるトリアジン誘導体群より選択され
る1種もしくは2種以上の混合物0.1〜30重量部お
よび(c)メラミンおよび/または一般式C3H6-n(CH2O
H)nで表される炭素数4〜9のメチロールメラミン(但
し、nは1〜6である)0.1〜30重量部が含有され
た組成物に対し、ホルムアルデヒド類を反応させること
によって得られるトリアジン誘導体で処理されたポリリ
ン酸アンモニウム。 - 【請求項3】(a)メラミンモノマーとしてのメラミン
被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポリリ
ン酸アンモニウム100重量部に対し、(b)請求項1
記載の化1で表されるトリアジン誘導体群より選択され
る1種もしくは2種以上の混合物0.1〜30重量部が
含有された組成物に対し、ホルムアルデヒド類を反応さ
せることを特徴とするトリアジン誘導体で処理されたポ
リリン酸アンモニウムの製造方法。 - 【請求項4】(a)メラミンモノマーとしてのメラミン
被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポリリ
ン酸アンモニウム100重量部に対し、(b)請求項1
記載の化1で表されるトリアジン誘導体群より選択され
る1種もしくは2種以上の混合物0.1〜30重量部お
よび(c)メラミンおよび/または一般式C3H6-n(CH2O
H)nで表される炭素数4〜9のメチロールメラミン(但
し、nは1〜6である)0.1〜30重量部が含有され
た組成物に対し、ホルムアルデヒド類を反応させること
を特徴とするトリアジン誘導体で処理されたポリリン酸
アンモニウムの製造方法。 - 【請求項5】(a)メラミンモノマーとしてのメラミン
被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポリリ
ン酸アンモニウム100重量部に対し、(b)請求項1
記載の化1で表されるトリアジン誘導体群より選択され
る1種もしくは2種以上の混合物0.1〜30重量部が
含有された組成物を予め混合し、該混合物に含まれるア
ミノ基に対し、0.5〜6当量倍のホルムアルデヒド類
を該混合物に添加し、温度10〜150℃でメチロール
化反応もしくは縮合反応させることを特徴とするトリア
ジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウムの製造
方法。 - 【請求項6】(a)メラミンモノマーとしてのメラミン
被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポリリ
ン酸アンモニウム100重量部に対し、(b)請求項1
記載の化1で表されるトリアジン誘導体群より選択され
る1種もしくは2種以上の混合物0.1〜30重量部お
よび(c)メラミンおよび/または一般式C3H6-n(CH2O
H)nで表される炭素数4〜9のメチロールメラミン(但
し、nは1〜6である)0.1〜30重量部が含有され
た組成物を予め混合し、該混合物に含まれるアミノ基に
対し、0.5〜10当量倍のホルムアルデヒド類を該混
合物に添加し、温度10〜150℃でメチロール化反応
もしくは縮合反応させることを特徴とするトリアジン誘
導体で処理されたポリリン酸アンモニウムの製造方法。 - 【請求項7】(1)メラミンモノマーとしてのメラミン
被覆量が0.5〜20重量%であるメラミン被覆ポリリ
ン酸アンモニウムに該メラミン被覆ポリリン酸アンモニ
ウムに含まれるメラミンに対し、0.5〜6当量倍のホ
ルムアルデヒド類を添加し、温度10〜120℃で1分
〜48時間反応させる第1工程(2)メラミン又は請求
項1記載の化1で表されるトリアジン誘導体群より選択
される1種もしくは2種以上の混合物に含まれるアミノ
基の活性水素に対し、0.5〜10当量倍のホルムアル
デヒド類を該メラミン又はトリアジン誘導体群より選択
される1種もしくは2種以上の混合物に添加し、温度1
0〜120℃で5分〜2時間反応させる第2工程、
(3)上記(1)、(2)で得られた反応物を混合し、
温度50〜150℃で縮合反応を行う第3工程、を経る
ことを特徴とするトリアジン誘導体で処理されたポリリ
ン酸アンモニウムの製造方法。 - 【請求項8】合成樹脂をバインダーとして、請求項1記
載のトリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニ
ウムを含むことを特徴とする耐火塗料。 - 【請求項9】合成樹脂をバインダーとして、請求項2記
載のトリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニ
ウムを含むことを特徴とする耐火塗料。 - 【請求項10】トリアジン誘導体で処理されたポリリン
酸アンモニウムの含有量が、バインダーである合成樹脂
100重量部に対して50〜800重量部であることを
特徴とする請求項8もしくは請求項9のいずれか1項記
載の耐火塗料。 - 【請求項11】合成樹脂がウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂であることを特徴と
する請求項8〜10のいずれか1項記載の耐火塗料。 - 【請求項12】合成樹脂がアクリル酸エステル系樹脂エ
マルジョン、ウレタン系樹脂エマルジョン、エポキシ系
樹脂エマルジョン、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、バ
ーサチック酸ビニル系樹脂エマルジョン、エチレン系樹
脂エマルジョン等の合成樹脂エマルジョンであることを
特徴とする請求項8〜10のいずれか1項記載の耐火塗
料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15891896A JPH0959009A (ja) | 1995-06-15 | 1996-05-29 | トリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウムとその製造方法およびそれを用いた耐火塗料 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-174486 | 1995-06-15 | ||
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JP15891896A JPH0959009A (ja) | 1995-06-15 | 1996-05-29 | トリアジン誘導体で処理されたポリリン酸アンモニウムとその製造方法およびそれを用いた耐火塗料 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1996
- 1996-05-29 JP JP15891896A patent/JPH0959009A/ja active Pending
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