JP3221277B2 - 不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子及びその製造方法 - Google Patents

不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平均粒子径が15μm
を越える粒子径を持つ不溶性ポリリン酸アンモニウム粒
子及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、ポリリ
ン酸アンモニウムの長期加水分解安定性が向上し、かつ
該ポリリン酸アンモニウムを難燃剤もしくは耐火剤の一
成分として使用し場合、難燃性もしくは耐火性の向上の
著しい不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリリン酸アンモニウムの加水分解安定
性を改善する方法として、特公昭53−15478号公
報にメラミン又はリン酸メラミンをメラミン分で5〜5
0重量%共存させた条件下にリン酸アンモニウムと尿
素、又は結晶リン酸尿素を原料として加熱縮合して改質
ポリリン酸アンモニウムを得る方法が開示されている。
しかしながら、該公報に開示の方法で得られる改質ポリ
リン酸アンモニウムは加水分解安定性が低く、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、紙、木材、塗料、シーラント、パ
テ、接着剤、粘着剤等の難燃剤、耐火剤、防火剤若しく
は耐炎剤の一成分として使用するには未だ問題がある。
【0003】また、特公昭52−39930号公報に
は、ポリリン酸アンモニウム100重量部とメラミン6
0重量部との粉末を均一に混合し、温度320℃で焼成
し、冷却後、得られた溶融物を粉砕してメラミン付加ポ
リリン酸アンモニウム粉末を得る方法が開示されてい
る。しかしながら、該公報に開示の方法で得られるメラ
ミン付加ポリリン酸アンモニウム粉末は、溶融物を粉砕
するためにメラミンがポリリン酸アンモニウムの粒子表
面に均一に被覆されたものではなく、未だ加水分解安定
性は十分であるとはいえない。
【0004】さらに、特公平4−55625号公報に
は、ポリリン酸アンモニウム、水、有機懸濁化剤及びメ
ラミン/ホルムアルデヒド樹脂とで懸濁液を製造し、該
懸濁液を攪拌下に標準圧または加圧下に温度50〜18
0℃に加熱し、かつ樹脂成分を硬化させるために該懸濁
液を15〜240分間放置することを特徴とする流動性
の、粉末状ポリリン酸アンモニウムを基礎とする加水分
解安定な細分状耐燃剤の製法が開示されている。しかし
ながら、該製法で得られる細分状耐燃剤は、短時間の加
水分解安定性という面では改良されているものの、長期
間にわたる加水分解安定性という面では未だ充分でな
い。
【0005】一方、本発明者らは先に、メラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウム粒子表面のメラミンと、メラミン
分子中のアミノ基の活性水素と反応し得る官能基を有す
る架橋剤とで、メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム粒
子表面が架橋されていることを特徴とする不溶性ポリリ
ン酸アンモニウム粒子及び該不溶性ポリリン酸アンモニ
ウム粒子を製造する方法を提案した(特願平6−937
21号)。しかしながら、該不溶性ポリリン酸アンモニ
ウム粒子を耐火剤の一成分として用いてなる熱硬化性樹
脂、紙、木材、塗料、シーラント、パテ、接着剤、粘着
剤或いはそれらの組成物は、該ポリリン酸アンモニウム
粒子の平均粒子径が15μm以下であることに起因し
て、発泡性が劣るため燃焼時に形成される炭素質の断熱
層が薄く、結果として耐火性の低下を招くということを
見い出した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、長期間にわたり加水分解安定性に優れたポリリン酸
アンモニウム粒子で、更に、該ポリリン酸アンモニウム
粒子を難燃剤の一成分として熱硬化性樹脂、紙、木材、
塗料、シーラント、パテ、接着剤、粘着剤等に添加した
とき、難燃性もしくは耐火性が向上するポリリン酸アン
モニウムを得るべく鋭意研究を行った。その結果、メラ
ミン被覆ポリリン酸アンモニウムの粒子表面が、被覆メ
ラミン分子中のアミノ基の活性水素と反応し得る官能基
を有する架橋剤により架橋され、かつ平均粒子径が15
μmを越える粒子径を持つ不溶性ポリリン酸アンモニウ
ム粒子が上述の課題を解決できることを見いだし、ま
た、メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムの粒子表面に
おいて、被覆メラミン分子を、該メラミン分子中のアミ
ノ基の活性水素と反応し得る官能基を有する架橋剤で架
橋させることにより、不溶性ポリリン酸アンモニウム粒
子が製造できることを見いだし、これらの知見に基づき
本発明を完成した。以上の記述から明らかなように本発
明の目的は、長期間にわたる加水分解安定性に優れたポ
リリン酸アンモニウムであり、更に、該ポリリン酸アン
モニウム粒子を難燃剤の一成分として熱硬化性樹脂、
紙、木材、塗料、シーラント、パテ、接着剤、粘着剤等
に添加したとき、難燃性または耐火性が向上するポリリ
ン酸アンモニウム粒子及びその製造方法を提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を有
する。 (1)メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム粒子表面の
メラミンと、メラミン分子中のアミノ基の活性水素と反
応し得る官能基を有する架橋剤とで、メラミン被覆ポリ
リン酸アンモニウム粒子表面が架橋され、かつ平均粒子
径が15μmを越える粒子径を持つことを特徴とする不
溶性ポリリン酸アンモニウム粒子。 (2)メラミン分子中のアミノ基の活性水素と反応し得
る官能基を有する架橋剤が、イソシアネート基、オキシ
メチル基、ホルミル基もしくはエポキシ基を有する架橋
剤である前記第1項記載の不溶性ポリリン酸アンモニウ
ム粒子。 (3)下記の工程(A)、(B)および(C)からなる
ことを特徴とする平均粒子径が15μmを超える粒子径
を有する不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子の製造方法 (A)リン酸一アンモニウムまたはリン酸二アンモニウ
ムと五酸化リンとをモル比0.8〜1.3でガス状アン
モニアの存在下に反応物の同時運動下に温度170℃〜
350℃に加熱してポリリン酸アンモニウムを製造する
工程、(B)工程(A)で得られたポリリン酸アンモニ
ウムにメラミンを、該ポリリン酸アンモニウムに対して
2〜15重量%添加し、温度200〜350℃に加熱し
てポリリン酸アンモニウム粒子表面にメラミンを付加及
び/または付着させる工程、(C)メラミン被覆ポリリ
ン酸アンモニウム粒子にメラミン分子中のアミノ基の活
性水素と反応し得る官能基を有する架橋剤を付着或いは
含浸させたのち、被覆メラミンと該架橋剤とを反応させ
て不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子を製造する工程。 (4)メラミン分子中のアミノ基の活性水素と反応し得
る官能基を有する架橋剤としてイソシアネート基、オキ
シメチル基、ホルミル基もしくはエポキシ基を有する架
橋剤を使用することを特徴とする前記第3項記載の不溶
性ポリリン酸アンモニウム粒子の製造方法。
【0008】本発明による不溶性ポリリン酸アンモニウ
ム粒子は、メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムの被覆
層に存在するメラミン分子中のアミノ基の活性水素に、
イソシアネート基、オキシメチル基、ホルミル基もしく
はエポキシ基等の該活性水素と反応し得る官能基を有す
る架橋剤を反応させることにより同一粒子上のメラミン
分子との間に架橋構造が形成されているポリリン酸アン
モニウムであり、かかるポリリン酸アンモニウム粒子は
例えば以下の方法により得ることができる。加熱攪拌或
いは加熱混練機能を備えた反応容器内にメラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウム及び架橋剤、例えばホルムアルデ
ヒド水溶液を投入し混合する。その後、メラミン分子中
のアミノ基の活性水素間に架橋構造が容易に形成される
温度50〜200℃好ましくは80〜150℃に加熱昇
温し、反応が充分に終了する時間、例えば0.5〜2時
間反応させることによりメラミン被覆ポリリン酸アンモ
ニウムのメラミン被覆層に架橋構造が形成され、本発明
にかかわる不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子が得られ
る。
【0009】反応は、溶媒系又は非溶媒系のいずれの反
応系であってもよく、溶媒系にあっては水及び/又は有
機溶媒からなる単一溶媒又は混合溶媒を用いることがで
きる。また、使用する該架橋剤はメラミン分子中のアミ
ノ基の活性水素と反応し得る官能基を1個もしくは2個
以上有する化合物であり、その使用量は該メラミン被覆
ポリリン酸アンモニウムに含有されるメラミン1分子に
対して0.5〜6倍モル当量好ましくは1〜3倍モル当
量の該官能基含有量相当である。0.5倍モル当量より
少ない場合にはメラミン被覆層に充分な架橋構造を形成
することができず、加水分解安定性の向上は望めない。
また、6倍モル当量より多い場合には未反応物が残留す
るようになる。メラミン分子中のアミノ基の活性水素と
反応し得る官能基としてはイソシアネート基、オキシメ
チル基、ホルミル基もしくはエポキシ基をあげることが
でき、該官能基を1個もしくは2個以上含有する化合物
として、例えばイソシアネート基を有する化合物として
は、1,6−ジイソシアネートヘキサン、1,1’−メ
チレンビス(4−イソシアネートベンゼン)、3,3’
−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート及
び1,5−ジイソシアノナフタレート等が挙げられ、オ
キシメチル基を有する化合物としては、炭素数2〜5個
のメチロール(チオ)尿素、炭素数4〜9個のメチロー
ルメラミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトー
ル等を挙げることができる。また、ホルミル基を有する
化合物としては、ホルムアルデヒド、マロンアルデヒ
ド、グリオキザール等が挙げられ、エポキシ基を有する
化合物してエチレングリコールジグリシジルエーテル、
グリセロールポリグリシジルエーテル、及びビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂等に代表される各種エ
ポキシ樹脂等を挙げることができ、これらはすべて市販
品を使用することができる。
【0010】また、本発明で使用するメラミン被覆ポリ
リン酸アンモニウムは、メラミンを昇華させ、ポリリン
酸アンモニウム粒子表面にメラミンを付加及び/または
付着させたポリリン酸アンモニウムであり、不溶性ポリ
リン酸アンモニウム粒子の平均粒子径が15μmを越え
るのに十分な粒子径を有するものである。該メラミン被
覆ポリリン酸アンモニウムは、例えば以下の方法により
得ることができる。加熱されたニーダー等の加熱混練装
置内にポリリン酸アンモニウムを投入し、該ポリリン酸
アンモニウムが溶融することなく、かつ該ポリリン酸ア
ンモニウムに付加したアンモニアの脱離が容易に起こ
り、またメラミンが昇華し得る温度である350℃以
下、好ましくは200〜300℃において、メラミンを
添加して加熱を行うことにより該ポリリン酸アンモニウ
ム粒子表面にメラミンを付加及び/または付着させる。
このとき添加するメラミンの割合は、該ポリリン酸アン
モニウムに対して0.5〜20重量%好ましくは2〜1
5重量%であり、上記方法により製造した場合、添加し
たメラミンのほとんどが該ポリリン酸アンモニウムに付
加及び/または付着した状態のメラミン被覆ポリリン酸
アンモニウムが得られる。ここで付加とは、ポリリン酸
アンモニウムからアンモニアが脱離した状態の表面の水
酸基にメラミンが化学的に結合した状態を意味し、付加
したメラミンは加熱されても安定であり、再度脱離する
ことはない。また付着とは、メラミンがポリリン酸アン
モニウムの粒子表面に吸着された状態を意味し、加熱の
継続によりポリリン酸アンモニウムの粒子表面において
メラミンは昇華と吸着を繰り返す。
【0011】メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムの原
料であるポリリン酸アンモニウムは、本発明による不溶
性ポリリン酸アンモニウム粒子の平均粒子径を15μm
越えるようにするために充分なほどの粒子径(例えば1
2μm以上)を備えていることが必要である。このよう
なポリリン酸アンモニウムとしては、市販品もしくは公
知の方法で得られたものを使用することができる。該市
販品としては、エキソリット(Exolit)-422(商品名、
ヘキスト社製)、フォスチェック(Phos-chek)P/30
(商品名、モンサント社製)、フォスチェック(Phos-c
hek)P/40(商品名、モンサント社製)等が挙げられ
る。公知の方法としては例えば、ほぼ等モル量(モル比
0.8〜1.3)のリン酸一アンモニウムまたはリン酸
二アンモニウムと五酸化リンとをガス状アンモニアの存
在下にかつ反応物の同時運動下に温度170〜350℃に加熱
することにより得ることができる。
【0012】
【実施例】本発明を具体的に説明するために、以下に実
施例及び比較例を示すが、本発明はこれによって限定さ
れるものではない。また、実施例及び比較例における評
価は次の方法により行った。
【0013】(1)加水分解安定性の測定方法 生成物中に含まれる水溶性成分を次の方法によって定量
した。実施各例及び比較各例で得られたポリリン酸アン
モニウム粒子の各10gを純水90gに懸濁して10重
量%の懸濁液試料調製する。該懸濁液を75℃の温度で
3週間振盪した後、該懸濁液を遠心分離し、上澄み液を
0.45μmの濾紙にて濾過する。濾液の一定量を秤量
瓶に取り、乾燥器中で蒸発乾固し、蒸発残渣量から水溶
成分を算出して加水分解安定性を評価した。この値が小
さいほど加水分解安定性は良いことになる。
【0014】(2)平均粒子径の測定方法 レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA-700(堀場製
作所製)を使用し、エチルアルコール分散媒中で測定し
た。 (3)耐火性の測定方法 耐火塗料組成物の調製:合成樹脂バインダーとして常乾
型アルキド樹脂、ベッコゾールES-5004-50(商品名、大
日本インキ化学工業(株)製)100重量部に本発明に
関わる実施各例および比較各例で得られた不溶性ポリリ
ン酸アンモニウム250重量部、発泡剤としてメラミン
50重量部、炭素形成剤としてジペンタエリスリトール
100重量部、二酸化チタン50重量部、希釈剤として
のトルエン200重量部を予め混合した後に、3本ロー
ルにて十分混練し、耐火塗料組成物を得た。 塗膜の調製方法:上記方法により得られた塗料組成物を
鋼板(JIS G3141 SPCC-SD 寸法0.8mm厚×70mm×150m
m)に固形分換算で約300g/m2の割合で塗布し室温で7日
間乾燥させ塗膜を得た。 耐火性の測定方法:塗装した鋼板を垂直に立て、該塗膜
面に1000±50℃の酸素混合プロパンガス炎をブン
ゼンバーナーにより10分間当て、裏面の温度を熱電対
により測定した。
【0015】本発明の実施各例に使用したメラミン被覆
ポリリン酸アンモニウムは次の方法により得た。すなわ
ち、予め270〜300℃に加熱された内容量5リット
ルのニーダーにポリリン酸アンモニウムとしてエキソリ
ット(Exolit)-422(商品名、ヘキスト社製)1800
重量部を投入した。該混合物の温度が240〜260℃
になった時点でメラミン200重量部を投入し、5時間
加熱混合し、メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム19
40重量部を得た。電子顕微鏡による観察の結果、ポリ
リン酸アンモニウムの粒子表面がメラミンにより均一に
被覆されていることが確認された。
【0016】実施例1 加熱混練機能及び脱気機能を備えた内容積5リットルの
ニーダーにメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム100
0重量部及び濃度37重量%のホルムアルデヒド水溶液
64.3重量部を投入し常温において混合する。次に温
度100℃に昇温し、脱気しながら同温度を1時間保持
し、メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムの粒子表面が
架橋された不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子1000
重量部を得た。
【0017】実施例2 ホルムアルデヒド水溶液の使用量を129重量部とする
以外は実施例1に準拠し、メラミン被覆ポリリン酸アン
モニウムの粒子表面が架橋された不溶性ポリリン酸アン
モニウム粒子1020重量部を得た。
【0018】実施例3 架橋させる温度及び時間をそれぞれ150℃、0.5時
間とする以外は実施例1に準拠し、メラミン被覆ポリリ
ン酸アンモニウムの粒子表面が架橋された不溶性ポリリ
ン酸アンモニウム粒子1010重量部を得た。
【0019】実施例4 加熱攪拌機能及び還流機能を備えた内容積5リットルの
フラスコにメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム100
0重量部、濃度37重量%のホルムアルデヒド水溶液6
4.3重量部、水909重量部及びメチルアルコール9
0.9重量部を投入し常温において混合する。次に加熱
昇温し還流温度で1時間保持したのち、濾過し、乾燥器
中に温度110℃にて2時間乾燥し、メラミン被覆ポリ
リン酸アンモニウムの粒子表面が架橋された不溶性ポリ
リン酸アンモニウム粒子1010重量部を得た。
【0020】実施例5 ホルムアルデヒド水溶液の使用量を129重量部とする
以外は実施例4に準拠し、メラミン被覆ポリリン酸アン
モニウムの粒子表面が架橋された不溶性ポリリン酸アン
モニウム粒子1020重量部を得た。
【0021】実施例6 加熱攪拌機能及び還流機能を備えた内容積5リットルの
フラスコにメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム100
0重量部、濃度49重量%のグリオキザール92重量
部、水909重量部及びメチルアルコール90.9重量
部を投入し常温において混合する。次に加熱昇温し還流
温度で2時間保持した後濾過し、乾燥器中に温度100
℃にて1時間乾燥し、メラミン被覆ポリリン酸アンモニ
ウムの粒子表面が架橋された不溶性ポリリン酸アンモニ
ウム粒子1025重量部を得た。
【0022】実施例7 加熱攪拌機能及び還流機能を備えた内容積5リットルの
フラスコにメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム100
0重量部、1,6−ジイソシアネートヘキサン92重量
部、ニッカオクチック錫2.6重量部及びキシレン90
0重量部を投入し常温において混合する。次に加熱昇温
し温度120℃で2時間保持した後濾過し、乾燥器中に
温度120℃にて2時間乾燥し、メラミン被覆ポリリン
酸アンモニウムの粒子表面が架橋された不溶性ポリリン
酸アンモニウム粒子1080重量部を得た。
【0023】実施例8 加熱攪拌機能及び還流機能を備えた内容積5リットルの
フラスコにメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム900
重量部と水600重量部/メタノール400重量部の混
合溶媒を投入し常温において混合する。次いで別途調整
したメチロールメラミン液(メラミン100重量部に濃
度37重量%のホルムアルデヒド水溶液160重量部を
加え温度70℃で1時間攪拌溶解したもの)を加え、p
Hを4に調整し還流温度にて2時間反応させてメチロー
ルメラミンを樹脂化した。冷却後濾過し温度130℃で
2時間乾燥した。メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム
の粒子表面が架橋された不溶性ポリリン酸アンモニウム
粒子1025重量部を得た。
【0024】実施例9 内容積20リットルのレディゲミキサーM20(商品
名、レディゲ社製)にメラミン被覆ポリリン酸アンモニ
ウム5000重量部及び37重量%のホルムアルデヒド
水溶液964.5重量部を投入し、混合、含浸させた。
その後25℃で1昼夜放置した。次いで加熱攪拌機能及
び還流機能を備えた内容積20リットルのフラスコに、
該混合物と水6000重量部/メタノール1750重量
部を加え、加熱昇温し還流温度で1時間保持した後濾過
し、温度110℃にて2時間乾燥した。メラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウムの粒子表面が架橋された不溶性ポ
リリン酸アンモニウム粒子5010重量部を得た。
【0025】実施例10 37重量%のホルムアルデヒド水溶液を482.2重量
部投入した以外は、実施例9に準拠し、メラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウムの粒子表面が架橋された不溶性ポ
リリン酸アンモニウム粒子4950重量部を得た。
【0026】比較例1 平均粒子径が15μm以下である不溶性ポリリン酸アン
モニウム微粒子を得る為、以下の方法によってII型ポリ
リン酸アンモニウム微粒子を得、該II型ポリリン酸アン
モニウム微粒子を用いて、エキソリット-422を用いた方
法に準拠してメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム微粒
子を調製した。 II型ポリリン酸アンモニウム微粒子の製造方法:加熱さ
れたニーダー等の加熱混練装置内に等モル量のリン酸二
アンモニウムと五酸化リンを投入し、温度290〜30
0℃に加熱混合する。次いでリン酸二アンモニウムに対
して0.5倍モル当量の尿素を溶解させた濃度77重量
%の尿素水溶液を噴霧しながら添加し、引き続きアンモ
ニアガス雰囲気下に温度250〜270℃で2〜3時間
混練し、II型ポリリン酸アンモニウム微粒子を得た。次
に、内容積20リットルのレディゲミキサーM20(商
品名、レディゲ社製)に上記の方法で得たメラミン被覆
ポリリン酸アンモニウム微粒子5000重量部及び37
重量%のホルムアルデヒド水溶液964.5重量部を投
入し、混合、含浸させた。その後25℃で1昼夜放置し
た。次いで加熱攪拌機能及び還流機能を備えた内容積2
0リットルのフラスコに、該混合物と水6000重量部
/メタノール1750重量部を加え、加熱昇温し還流温
度で1時間保持した後濾過し、温度110℃にて2時間
乾燥した。メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムの粒子
表面が架橋された不溶性ポリリン酸アンモニウム微粒子
5000重量部を得た。
【0027】比較例2 加熱攪拌機能及び還流機能を備えた内容積5リットルの
フラスコにポリリン酸アンモニウムとして、エキソリッ
ト-4221000重量部と水1200重量部/メタノール
300重量部の混合溶媒を投入し常温において混合す
る。次いで別途調製したメチロールメラミン液(メラミ
ン100重量部に濃度37重量%のホルムアルデヒド水
溶液160重量部を加え温度70℃で1時間攪拌溶解し
たもの)を加え、pHを4に調整し、還流温度にて1時
間反応させてメチロールメラミンを樹脂化した。冷却後
濾過し、温度110℃で窒素雰囲気下1時間乾燥した。
メラミン/ホルムアルデヒド樹脂でマイクロカプセル化
されたポリリン酸アンモニウム粒子1080重量部を得
た。
【0028】比較例3 加熱混練機能及び脱気機能を備えた内容積5リットルの
ニーダーにメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム100
0重量部及び濃度37重量%のホルムアルデヒド水溶液
64.3重量部を投入し常温において混合する。次に温
度50℃に昇温し、脱気しながら同温度を1時間保持し
たがメラミン被覆ポリリン酸アンモニウムの粒子表面に
架橋構造は形成されたなかった。
【0029】比較例4 加熱混練機能及び脱気機能を備えた内容積5リットルの
ニーダーにメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム100
0重量部及び濃度37重量%のホルムアルデヒド水溶液
64.3重量部を投入し常温において混合する。次に温
度250℃に昇温し、脱気しながら同温度を1時間保持
する。メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムの粒子表面
に架橋された不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子が得ら
れるが、該不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子からのア
ンモニアの脱離が激しく、望むべき加水分解安定性良好
な不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子は得られなかっ
た。
【0030】比較例5 加熱攪拌機能及び還流機能を備えた内容積5リットルの
フラスコにメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム100
0重量部、濃度37重量%のホルムアルデヒド水溶液
6.4重量部、水909重量部及びメチルアルコール9
0.9重量部を投入し常温において混合する。次に加熱
昇温し温度85℃で還流状態に1時間保持した後濾過
し、乾燥器中に温度100℃にて1時間乾燥し、メラミ
ン被覆ポリリン酸アンモニウムの粒子表面が架橋された
不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子995重量部を得る
が、該不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子の架橋度が低
いため、望むべき加水分解安定性が得られなかった。
【0031】実施各例及び比較各例により得られたポリ
リン酸アンモニウムについて、加水分解安定性、平均粒
子径、耐火性の測定および評価を行った。その結果を表
1に示す。
【0032】
【発明の効果】本発明の不溶性ポリリン酸アンモニウム
粒子は、長期間にわたる加水分解安定性、耐火性に優れ
ているため熱硬化性樹脂、紙、木材、塗料、シーラン
ト、パテ、接着剤、粘着剤等へ難燃剤の一成分として好
適に使用することができる。また、本発明の製造方法に
よれば、メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム粒子にお
いて、メラミンと該メラミン分子中のアミノ基の活性水
素と反応し得る官能基を有する架橋剤を使用して反応さ
せているため、効率よく不溶性ポリリン酸アンモニウム
を得ることができる。
【0033】
【表1】
フロントページの続き 審査官 大工原 大二 (56)参考文献 特開 平7−187626(JP,A) 特開 平6−263416(JP,A) 特開 平7−277713(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 25/40 CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム粒
    子表面のメラミンと、メラミン分子中のアミノ基の活性
    水素と反応し得る官能基を有する架橋剤とでメラミン被
    覆ポリリン酸アンモニウム表面が架橋され、かつ平均粒
    子径が15μmを越える粒子径を有することを特徴とす
    る不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子。
  2. 【請求項2】メラミン分子中のアミノ基の活性水素と反
    応し得る官能基を有する架橋剤が、イソシアネート基、
    オキシメチル基、ホルミル基もしくはエポキシ基を有す
    る架橋剤である請求項1記載の不溶性ポリリン酸アンモ
    ニウム粒子。
  3. 【請求項3】下記の工程(A)、(B)および(C)か
    らなることを特徴とする平均粒子径が15μmを超える
    粒子径を有する不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子の製
    造方法 (A)リン酸一アンモニウムまたはリン酸二アンモニウ
    ムと五酸化リンとをモル比0.8〜1.3でガス状アン
    モニアの存在下に反応物の同時運動下に温度170℃〜
    350℃に加熱してポリリン酸アンモニウムを製造する
    工程、(B)工程(A)で得られたポリリン酸アンモニ
    ウムにメラミンを、該ポリリン酸アンモニウムに対して
    2〜15重量%添加し、温度200〜350℃に加熱し
    てポリリン酸アンモニウム粒子表面にメラミンを付加及
    び/または付着させる工程、(C)メラミン被覆ポリリ
    ン酸アンモニウム粒子にメラミン分子中のアミノ基の活
    性水素と反応し得る官能基を有する架橋剤を付着或いは
    含浸させたのち、被覆メラミンと該架橋剤とを反応させ
    て不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子を製造する工程。
  4. 【請求項4】 メラミン分子中のアミノ基の活性水素と
    反応し得る官能基を有する架橋剤としてイソシアネート
    基、オキシメチル基、ホルミル基もしくはエポキシ基を
    有する架橋剤を使用することを特徴とする請求項3記載
    の不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子の製造方法。
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