JPH09286875A - 発泡耐火材 - Google Patents

発泡耐火材

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JPH09286875A
JPH09286875A JP12794296A JP12794296A JPH09286875A JP H09286875 A JPH09286875 A JP H09286875A JP 12794296 A JP12794296 A JP 12794296A JP 12794296 A JP12794296 A JP 12794296A JP H09286875 A JPH09286875 A JP H09286875A
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JP
Japan
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melamine
ammonium polyphosphate
resin
coated
coated ammonium
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Application number
JP12794296A
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English (en)
Inventor
Takashi Takebayashi
貴史 竹林
Masuo Iwata
満寿夫 岩田
Hiroteru Watabe
大輝 渡部
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特異的に優れた耐火性を発揮し、かつ低毒性
で、耐水性、耐候性にもすぐれた発泡耐火材を提供す
る。 【解決手段】平均粒子径が15〜35μmである被覆ポ
リリン酸アンモニウムを用いた、合成樹脂をバインダー
とする発泡耐火材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の平均粒子径
の被覆ポリリン酸アンモニウムを用いることを特徴とす
る、耐火性、耐水性、耐候性に優れた低毒性の発泡耐火
材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、多くの構造体に対して火炎の
影響を遅らせるために様々な耐火材が知られている。そ
れらの耐火材は、それが適応された基材の温度上昇の速
度を遅らせ、構造体が火炎の熱によって破損するまでの
時間を引き延ばす機能を持つものであり、一般的にセメ
ント等の無機質にロックウール、石綿繊維などを混合し
た吹き付け式耐火被覆材が使用されている。しかしなが
ら、ロックウールでは耐火機能を発揮するために厚い被
覆を必要とし、化粧仕上げが出来ないため美観上問題が
ある。また、石綿繊維は環境衛生の問題などから、現在
では建築材料に含まれる石綿繊維を少なくしたり、使用
しない方向で検討されている。
【0003】このような問題を解決する技術として、火
災等の温度上昇時に、構造体に塗布された塗膜を発泡さ
せ、断熱層を形成することによって耐火性を付与する発
泡耐火材が提案されている。例えば、特開平5−863
10号公報には発泡性耐火塗料として発泡剤としてのポ
リリン酸アンモニウムと炭素生成材料としてのペンタエ
リスリトール、メラミン等を含有した一液変成エポキシ
樹脂よりなる発泡耐火塗料が開示されている。また、特
開平5−70540号公報には膨張性黒鉛、リンまたは
リン化合物、分枝型多価アルコール、含窒素化合物系発
泡剤と配合した厚塗り発泡性耐火組成物が開示されてい
る。さらに、特開平6ー16975号公報にはチャー形
成剤としてポリリン酸アンモニウムを配合した防火塗料
が開示されている。しかしながら、上記公報に記載の耐
火塗料、耐火組成物や防火塗料は、その成分であるポリ
リン酸アンモニウムやリン化合物の水溶性が高いことに
起因し、該耐火塗料や耐火組成物を鉄筋やコンクリート
もしくは木材等に塗布し、乾燥させたあとの塗膜の耐水
性に問題がある。
【0004】上記ポリリン酸アンモニウムの有する水溶
性が高いという問題点を解決するための手段として、本
発明者らは、特開平6−263416号公報において、
粉末状ポリリン酸アンモニウム粒子表面にメラミンを付
加および/または付着させたメラミン被覆ポリリン酸ア
ンモニウムを提案した。さらに、特願平6−93721
号では該メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム粒子表面
のメラミンと、メラミン分子中のアミノ基の活性水素と
反応しうる官能基を有する架橋剤とで、メラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウム粒子表面を架橋した被覆ポリリン
酸アンモニウム粒子を提案した。また、耐水性を向上す
る他の手段としてはポリリン酸アンモニウムまたは上記
メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムをさらに熱硬化性
樹脂で被覆する方法が挙げられる。
【0005】本発明者らは、上記ポリリン酸アンモニウ
ムを用いた耐火材の耐火性の改善について鋭意研究を行
った。その結果、特定の平均粒子径を有する被覆ポリリ
ン酸アンモニウムを用いると、得られる発泡耐火材は、
耐火性が特異的に向上することを見いだし、この知見に
基づき、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決する手段】本発明は下記から構成される。 (1)平均粒子径が15〜35μmである被覆ポリリン
酸アンモニウムを用いることを特徴とする、合成樹脂を
バインダーとした発泡耐火材。 (2)被覆ポリリン酸アンモニウムの被覆量が全体の1
重量%以上、20重量%以下である前記第1項記載の発
泡耐火材。 (3)被覆ポリリン酸アンモニウムが、粉末状ポリリン
酸アンモニウム粒子表面にメラミンを付加および/また
は付着させたメラミン被覆ポリリン酸アンモニウムであ
る前記第1項もしくは第2項記載の発泡耐火材。 (4)被覆ポリリン酸アンモニウムが、前記メラミン被
覆ポリリン酸アンモニウム粒子の被覆層に存在するメラ
ミン分子中のアミノ基が持つ活性水素と、該活性水素と
反応しうる官能基を有する化合物とによって該粒子表面
が架橋されたものである前記第1項もしくは第2項のい
ずれか1項記載の発泡耐火材。 (5)被覆ポリリン酸アンモニウムが、粉末状ポリリン
酸アンモニウム粒子表面を熱硬化性樹脂で被覆したもの
である前記第1項もしくは第2項のいずれか1項載の発
泡耐火材。 (6)被覆ポリリン酸アンモニウムが、前記メラミン被
覆ポリリン酸アンモニウム粒子表面を熱硬化性樹脂で被
覆したものである前記第1項もしくは第2項のいずれか
1項記載の発泡耐火材。
【0007】本発明で用いる被覆ポリリン酸アンモニウ
ムは、レーザー回折式粒度分布測定などにおいて平均粒
子径が15〜35μmの範囲にあるものである。平均粒
子径が15μmより小さくなると、それを配合した合成
樹脂をバインダーとした耐火材の燃焼後のチャーの発泡
が低下し、十分な耐火性を得ることができず、また平均
粒子径が35μmより大きくなっても、チャーにひび割
れや欠落などが生じて十分な耐火性を得ることができな
い。
【0008】本発明で用いる被覆ポリリン酸アンモニウ
ムは、(a)粉末状ポリリン酸アンモニウム粒子表面に
メラミンを付加及び/または付着したメラミン被覆ポリ
リン酸アンモニウム、(b)前記メラミン被覆ポリリン
酸アンモニウム粒子の被覆層に存在するメラミン分子中
のアミノ基が持つ活性水素と、該活性水素と反応しうる
官能基を有する化合物とによって該粒子表面が架橋され
た被覆ポリリン酸アンモニウム、(c)粉末状ポリリン
酸アンモニウムまたは前記メラミン被覆ポリリン酸アン
モニウム粒子表面を熱硬化性樹脂で被覆した被覆ポリリ
ン酸アンモニウムである。
【0009】(a)は以下の方法によって得ることがで
きる。すなわち、加熱されたニーダー等の加熱混練装置
内にポリリン酸アンモニウム粒子を投入し、該ポリリン
酸アンモニウム粒子が溶融することなく、かつ該ポリリ
ン酸アンモニウム中のアンモニアが容易に脱離を起こす
温度、しなわち、300℃以下、好ましくは200〜3
00℃において0.5〜5時間加熱をおこない、本来ポ
リリン酸アンモニウム中に化学量論量存在しているアン
モニアの一部(化学量論量のアンモニアに対して1〜2
0重量%)を脱離させたアンモニアが不足した状態のポ
リリン酸アンモニウムまたはポリリン酸アンモニウムの
公知の製造工程に於いてアンモニアの結合量が化学量論
量以下である状態のポリリン酸アンモニウム(以下、こ
れらをアンモニア不足ポリリン酸アンモニウムという)
を生成させ、次いで同一の装置に於いて該アンモニア不
足ポリリン酸アンモニウム粒子が溶融しない温度でかつ
メラミンが昇華し得る温度である250〜300℃の温
度に加熱してメラミンを添加し、アンモニア不足ポリリ
ン酸アンモニウム粒子表面のアンモニアが脱離して酸と
なったヒドロキシル基に該メラミンを付加及び/または
付着させる。
【0010】付加とはメラミンがポリリン酸アンモニウ
ムに由来する酸素−プロトン結合のプロトンとイオン的
に結合した状態を意味し、付加したメラミンは加熱され
ても安定であり再度脱離することはない。また、付着と
は、メラミンがポリリン酸アンモニウム粒子表面に物理
的もしくは化学的に吸着された状態をいい、加熱の継続
によってポリリン酸アンモニウム粒子表面に吸着してい
るメラミンは昇華と吸着を繰り返し酸素−プロトン結合
のプロトンとイオン的に結合する。
【0011】(b)は、上記メラミン被覆ポリリン酸ア
ンモニウムのメラミン被覆層に存在するメラミン分子中
のアミノ基が持つ活性水素に、イソシアネート基、グリ
シジル基もしくはアルデヒド基等の該活性水素と反応し
得る官能基を有する化合物を反応させることによって同
一粒子上のメラミン分子間に架橋構造が形成されている
被覆ポリリン酸アンモニウムであり、以下の方法によっ
て得ることができる。すなわち、加熱攪拌もしくは加熱
混練機構を備えた反応器に、メラミン被覆ポリリン酸ア
ンモニウム粒子とメラミン分子中のアミノ基に帰属する
活性水素と反応し得る官能基を有する化合物、例えばホ
ルムアルデヒド水溶液を投入し、混合する。活性水素間
の架橋構造が容易に形成される温度80〜200℃好ま
しくは100〜150℃に加熱昇温し架橋反応が完結す
るのに十分な時間反応させることによって、メラミン被
覆ポリリン酸アンモニウム粒子の被覆層に架橋構造を形
成した不溶性ポリリン酸アンモニウム粒子を得ることが
できる。この架橋反応は非溶媒系または溶媒系のいずれ
の反応系であってもよく、溶媒系では、水、有機溶媒ま
たはそれらの2種以上の混合溶媒であってもよい。ま
た、架橋剤に含有される官能基は、メラミン被覆ポリリ
ン酸アンモニウムのメラミン分子中のアミノ基に対して
0.5〜6倍当量、好ましくは1〜3倍当量である。
0.5倍当量より少ない場合にはメラミン間の架橋が十
分行われず加水分解を受け易くなる。また、6倍当量よ
り多い場合には未反応物が残留し好ましくない。
【0012】メラミン分子中のアミノ基に帰属する活性
水素と反応する官能基としてはイソシアネート基、グリ
シジル基、カルボキシル基、メチロール基もしくはアル
デヒド基であり、該官能基の数は1または2以上であ
る。該官能基を有する化合物としては例えば、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネー
ト、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソ
シアネート、1,5ージイソシアノナフタレート、モノ
メチロール尿素、ジメチロール尿素、モノメチロールメ
ラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミ
ン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラ
ミン、ヘキサメチロールメラミン、メチロールメラミン
初期縮合物、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、ホルムアルデヒド、マロンアルデヒド、グリオ
キザール、エチレングリコールジグリシジルエーテル、
グリセロールポリグリシジルエーテル、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、環式脂肪族エポキシ樹脂等に代表される各種エポキ
シ樹脂等を挙げることができ、これらはすべて市販品を
使用することができる。
【0013】(c)は、粉末状ポリリン酸アンモニウム
または上記メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムを熱硬
化性樹脂により被覆したものであり、その被覆方法は、
特に限定されるものではなく、公知の被覆方法を適用す
ることができる。例えば、化学的被覆方法として、複合
コアセルベーション法、液中硬化法、界面重合法、イン
・サイテュー(in situ)重合法、機械的被覆方
法として噴霧乾燥法、ハイブリダイゼーション法などが
挙げられる。 (この各種の方法をもう少しくわしく記述すること)使
用できる熱硬化性樹脂は、水が透過しにくく、耐水性に
優れた被膜を形成することのできる樹脂がよく、例えば
アルキド樹脂、アリル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、キシレン樹
脂、フラン樹脂などの熱硬化性樹脂、およびこれらの変
性樹脂から選ばれた1種または2種以上のものである。
【0014】本発明で用いる被覆ポリリン酸アンモニウ
ムは、被覆量が全体の1重量%以上、20重量%以下の
ものが好ましい。被覆量が、1重量%未満だとえられる
被覆ポリリン酸アンモニウムの耐水性が低下し、また、
被覆量が20重量%より多くなると被覆ポリリン酸アン
モニウム中のリン濃度が低下し、その結果、強固なチャ
ーを形成することができず、チャーのひび割れや欠落を
招き、十分な耐火性を得難くなる。
【0015】本発明で用いられる合成樹脂バインダー
は、当該業者によって通常知られている樹脂を用いるこ
とができる。例えばウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アク
リル樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル
樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、
ABS等、またはそれらの変性樹脂や酢酸ビニル系樹脂
エマルジョン、アクリル酸エステル系樹脂エマルジョ
ン、エチレン系樹脂エマルジョン等の合成樹脂エマルジ
ョンである。
【0016】ウレタン樹脂としては、ポリオール成分と
ポリイソシアネート成分を常温硬化型二液性ポリウレタ
ン樹脂として通常使用されているものを任意に選択する
ことができる。ポリオール類としては、例えば、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールが
挙げられる。 更に、エチレングリコール、1,2ープ
ロピレングリコール、2,3ブチレングリコール、1,
4ブチレングリコール、2,2’ージメチルー1,3ー
プロパンジオール、ジエチレングリコール等グリコール
単独でもしくはこれらの混合物とコハク酸、アジピン
酸、グルタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸等の二塩基酸及びこれらの
酸エステル、酸ハライドと重縮合することによって得ら
れたポリエステルポリオールが挙げられる。
【0017】ポリイソシアネート類としては、例えば、
ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシ
アネート、シクロヘキサンジイソシアネート、トルイジ
ンジイソシアネート、2,4ートリレンジイソシアネー
ト、2,6ートリレンジイソシアネート、4,4’ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、pーフェニレンジイソ
シアネート、m−フェニレンジイソシアネート、1,5
ーナフチレンジイソシアネート等およびこれらの混合物
が挙げられる。
【0018】エポキシ樹脂としては、脂肪族、芳香族、
環式、非環式、脂環式または複素環式として通常使用さ
れているものを任意に選択することができる。例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,2ープロピレングリコール、1,
4ブチレングリコール、1,5ペンタンジオール、1,
2,6ーヘキサントリオール、グリセロール、トリメチ
ロールプロパン、ビスフェノールーA、及びビスフェノ
ールーFの如き多価アルコールから誘導されるポリグリ
シジルエーテルを挙げることができる。更に、蓚酸、コ
ハク酸、グルタル酸、テエレフタル酸、2,6−ナフタ
リンジカルボン酸及び二量価リノール酸の如き脂肪族ま
たは芳香族ポリカルボン酸とエピクロロヒドリンとの反
応生成物であるカルボン酸のポリグリシジルエーテルを
挙げることができる。
【0019】アクリル樹脂としては、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸nーブチル、メ
タクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタ
クリル酸2ーエチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、
メタクリル酸アルキル、メタクリル酸トリデシル、メタ
クリル酸ステアリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリ
ル酸2ーヒドロキシエチル、メタクリル酸2ーヒドロキ
シプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタ
クリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジ
ル等のメタクリル酸エステルから選ばれる1種または2
種以上の組み合わせを挙げることができる。
【0020】アルキド樹脂としては、無水フタル酸、テ
レフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の飽
和多塩基酸、またはマレイン酸、無水マレイン酸、フマ
ル酸等の不飽和多塩基酸とエチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレン
グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジ
グリセロール、トリグリセロール、ペンタエリスリトー
ル等から任意に選択されるポリオールとの反応生成物を
挙げることができる。
【0021】合成樹脂エマルジョンとしては、アクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸ー2ーエチルヘキシル、アクリル酸スチレン等
の単量体から合成されるアクリル酸エステル系樹脂エマ
ルジョンが挙げられる。その他の例としてはポリ酢酸ビ
ニルエマルジョン、酢酸ビニルーエチレンコポリマエマ
ルジョン、酢酸ビニループロピオン酸ビニルコポリマエ
マルジョン、酢酸ビニルーアクリレートコポリマエマル
ジョンを挙げることができる。
【0022】上記樹脂に対する被覆ポリリン酸アンモニ
ウムの添加量は使用する合成樹脂バインダーによって異
なるが、一般的に合成樹脂バインダー100重量部に対
して50〜400重量部、好ましくは100〜300重
量部である。50重量部を下回る添加量では耐火性が不
十分となり、400重量部を越える添加量では耐火性の
効果のこれ以上の向上がほとんど見られない場合が多
い。
【0023】本発明の発泡耐火材には、合成樹脂バイン
ダ−の特性を活かすために、必要に応じて被覆ポリリン
酸アンモニウム以外に発泡剤および炭素形成剤を同時に
配合することができる。発泡剤としては、メラミン、メ
ラミン−ホルムアルデヒド、炭素数4〜9のメチロ−ル
メラミン、シアヌル酸メラミンなどのメラミン誘導体、
(チオ)尿素、(チオ)尿素−ホルムアルデヒド樹脂、
炭素数2〜5のメチロ−ル(チオ)尿素などの尿素誘導
体、ベンゾグアナミン、フェニルグアナミン、アセトグ
アナミン、サクシニルグアナミンなどのグアナミン類及
び該グアナミン類とホルムアルデヒドとの反応生成物、
ジシアンジアミド、グアニジン及びスルファミン酸グア
ニジンなどの窒素含有化合物を挙げることができる。
【0024】炭素形成剤としてはモノペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスルトール、トリペンタエリスリト
ール、ポリペンタエリスリトール、トリス(2ーヒドロ
キシエチル)イソシアネート、トリエチレングリコー
ル、ソルビトール、レゾルシノール、グリセリン、トリ
メチロールメタン、トリメチロールプロパン、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレン
グリコール、イノシトールなどの多価アルコール及びデ
ンプン、グルコース、蔗糖、スターチ等の炭水化物を挙
げることができる。
【0025】本発明の発泡耐火材には、難燃助剤、発煙
抑制剤もしくは充填剤としての水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム等の無機金属水和物、ヒュ−ムドシリ
カ、沈降性シリカ、無水珪酸、ほう酸亜鉛、カ−ボンブ
ラック、炭素繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、ケイソウ土、焼成クレ−、クレ−、タルク、マイカ
酸化チタン、ベントナイト、カオリン、モンモリナイ
ト、ウオラストナイト、ロックウ−ル、ガラスファイバ
−、アスベスト、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、酸化
ジルコニウム、アルミナ、シリカアルミナ、マグネシ
ア、ゼオライイト等の無機化合物、ポリエステル繊維、
ポリアミド繊維、ポリイミド繊維等の耐熱性有機繊維の
任意量を配合することができる。その他に、接着性付与
剤としてビニルトリメトキシシラン、アミノトリメトキ
シシランなどのシランカップリング剤やエポキシ樹脂、
フェノ−ル樹脂、ロジン、C5系石油樹脂、C9系石油樹
脂、シクロペンタジエン系石油樹脂等も配合することが
できる。
【0026】本発明の発泡耐火材には難燃助剤、発煙抑
制剤や充填剤として、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム等の無機金属水和物、ヒュームドシリカ、沈降
性シリカ、無水珪酸、ほう酸亜鉛、カーボンブラック、
炭素繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソ
ウ土、焼成クレー、クレー、タルク、マイカ、酸化チタ
ン、ベントナイト、カオリン、モンモリナイト、ウォラ
ストナイト、ロックウール、ガラスファイバー、アスベ
スト、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、酸化ジルコニウ
ム、アルミナ、シリカアルミナ、マグネシア、ゼオライ
ト等の無機化合物、ポリエステル繊維、ポリアミド繊
維、ポリイミド繊維等の耐熱性有機繊維の任意量を配合
することができる。その他に、接着性付与剤としてビニ
ルトリメトキシシラン、アミノトリメトキシシランなど
のシランカップリング剤やエポキシ樹脂、フェノール樹
脂、ロジン、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、シクロ
ペンタジエン系石油樹脂等も配合することができる。
【0027】本発明を具体的に説明するために、以下に
実施例及び比較例を示すが、本発明はこれによって限定
されるものではない。また、実施例及び比較例における
評価は次の方法によりおこなった。
【0028】1)塗布鋼板の調製 鋼板(JIS. G3141 SPCC−SD 寸法
0.8mm厚×70mm×150mm)に実施各例およ
び比較各例で得た発泡耐火材を、固形分換算で約3,0
00g/m2の割合で塗布し、室温で7日間乾燥させて
塗布鋼板を調製した。 2)耐火性 得られた塗布鋼板を垂直に立て、この塗装板の表面に
1,000±50℃の酸素混合プロパンガス炎をブンゼ
ンバーナーにより10分間あて塗布鋼板の裏面温度を熱
伝対により測定した。 3)耐水性 得られた塗布鋼板を50℃の温水に7日間浸積したの
ち、50℃で3日間乾燥し、温水浸積後の耐火性と浸積
前の耐火性を鋼板裏面温度の測定により比較した。 4)耐候性 促進耐候性の評価をJIS.K5400 サンシャイン
カーボンアーク灯式に準拠しておこなった。すなわち、
塗布鋼板をウェザーメータ(ブラックパネル温度計60
℃、降雨周期;120分周期ー18分降雨)に600時
間暴露し、暴露後の耐火性と暴露前の耐火性を鋼板裏面
温度の測定により比較した。
【0029】実施例1 合成樹脂バインダーとして、エポキシ樹脂アデカレジン
EP−4520(商品名、旭電化工業(株)製)60重
量部と変成脂肪族ポリアミンであるアデカハドナーEH
−220(商品名、旭電化工業(株)製)40重量部
に、レーザー回折式粒度分布測定において平均粒子径2
1μmのメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム250重
量部、発泡剤としてメラミン50重量部、炭素形成剤と
してペンタエリスリトール100重量部、二酸化チタン
30重量部、炭酸カルシウム30重量部、希釈剤として
キシレン200重量部を予め混合した後に、三本ロール
にて十分に混練したものを鋼板に塗布し乾燥した。乾燥
後の塗布鋼板について耐火性、耐水性、耐候性の評価を
行い、その結果を表1に示す。
【0030】実施例2〜8、比較例1〜7 表1に記載の平均粒子径を有するポリリン酸アンモニウ
ムおよび被覆ポリリン酸アンモニウムを使用する以外は
実施例1に準拠して、塗装鋼板を調製し、得られた塗装
鋼板を用いて耐火性、耐水性、耐候性の評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】特定の平均粒子径範囲にある被覆ポリリ
ン酸アンモニウムを用いた本発明の発泡耐火材は、特異
的に優れた耐火性を発揮し、かつ低毒性で、耐水性、耐
候性にもすぐれている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04B 1/94 B01J 13/02 D

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径が15〜35μmである被覆ポ
    リリン酸アンモニウムを用いることを特徴とする、合成
    樹脂をバインダーとした発泡耐火材。
  2. 【請求項2】被覆ポリリン酸アンモニウムの被覆量が全
    体の1重量%以上、20重量%以下である請求項1記載
    の発泡耐火材。
  3. 【請求項3】被覆ポリリン酸アンモニウムが、粉末状ポ
    リリン酸アンモニウム粒子表面にメラミンを付加および
    /または付着したメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム
    である請求項1または請求項2のいずれか1項記載の発
    泡耐火材。
  4. 【請求項4】被覆ポリリン酸アンモニウムが、請求項3
    項記載のメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム粒子の被
    覆層に存在するメラミン分子中のアミノ基が持つ活性水
    素と、該活性水素と反応しうる官能基を有する化合物と
    によって該粒子表面が架橋されたものである請求項1ま
    たは請求項2のいずれか1項記載の発泡耐火材。
  5. 【請求項5】被覆ポリリン酸アンモニウムが、粉末状ポ
    リリン酸アンモニウム粒子表面を熱硬化性樹脂で被覆し
    たものである請求項1または請求項2のいずれか1項記
    載の発泡耐火材。
  6. 【請求項6】被覆ポリリン酸アンモニウムが、請求項3
    記載のメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム粒子表面を
    熱硬化性樹脂で被覆したものである請求項1または請求
    項2のいずれか1項記載の発泡耐火材。
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