JP2001323216A - 発泡型耐火塗料組成物、その塗膜およびその塗膜で被覆された基材 - Google Patents

発泡型耐火塗料組成物、その塗膜およびその塗膜で被覆された基材

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JP2001323216A
JP2001323216A JP2000143281A JP2000143281A JP2001323216A JP 2001323216 A JP2001323216 A JP 2001323216A JP 2000143281 A JP2000143281 A JP 2000143281A JP 2000143281 A JP2000143281 A JP 2000143281A JP 2001323216 A JP2001323216 A JP 2001323216A
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phosphorus
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Tadashi Kurata
田 忠 志 倉
Makoto Saito
藤 誠 斎
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Chugoku Marine Paints Ltd
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Chugoku Marine Paints Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】(A)(メタ)アクリル樹脂等のバインダ
ー用樹脂と、該樹脂(A)100重量部に対して、
(B)ポリリン酸アンモニウム等のリン系難燃剤100
〜400重量部、(C)メラミン等の含窒素化合物系発
泡剤(リン系のものを除く。)50〜300重量部、
(D)多価アルコール系炭素形成剤50〜300重量
部、(E)シリカ等の無機充填剤5〜250重量部を含
む塗料組成物であって、該塗料組成物中の固形分の平均
粒度(JIS K 5400 4.7.2 線条法に準拠し
て測定)が10〜50μmである発泡型耐火塗料組成
物、該組成物から形成された塗膜、該塗膜にて被覆され
た塗膜付き基材。 【効果】鋼材に対する付着強度に優れ、均一発泡性に優
れた発泡型耐火塗膜を形成しうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、発泡型耐火塗料組成物、
その塗膜およびその塗膜で被覆された基材に関し、さら
に詳しくは基材特に鋼材に対する付着強度に優れ、均一
発泡性などに優れた発泡型耐火塗膜を形成しうるような
発泡型耐火塗料組成物、その塗膜およびその塗膜で被覆
された基材に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】発泡型耐火塗料は、建築物の鋼材
などの表面に塗装され、火災時にはその塗膜が発泡し発
泡断熱層を鋼材表面に形成して、鋼材を火災時の炎・熱
から防護している。例えば、発泡型耐火塗料を、鋼材表
面に塗装し、その硬化膜厚が約1〜数mm厚の発泡性耐
火塗膜では、加熱により200〜300℃位から発泡を
開始し、20〜50倍に発泡し、数10mm〜100m
m厚の発泡層を形成し、断熱性を発揮する。
【0003】このような発泡型耐火塗料組成物として、
例えば、特開平8−253710号公報には、合成樹脂
バインダー、メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムを含
有する発泡型塗料組成物が開示されている。この公報に
は、バインダー用樹脂としてアクリル樹脂が挙げられ、
発泡剤としてメラミン樹脂被覆ポリリン酸アンモニウム
または不溶性ポリリン酸アンモニウムが挙げられ、炭素
形成材としてペンタエリスリトールなどの多価アルコー
ル類が挙げられ、難燃助剤、発煙抑制剤または充填材と
してヒュームドシリカ、沈降性シリカ、アルミナ等が挙
げられている。
【0004】しかしながら、この公報に記載の発泡型耐
火塗料組成物を基材表面に塗付硬化してなる塗膜は、火
災時などに熱せられると、塗膜がタレ、割れ、剥離・脱
落などを起こすことがあり、基材特火災時の基材に対す
る付着強度、加熱時の均一発泡性などの点でさらなる改
良の余地があった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、火災時などに
熱せられても、塗膜がタレ、割れ、剥離・脱落などを起
こし難く、火災時などに基材特に鋼材に対する付着強度
に優れ、火災時等に均一発泡性などに優れた発泡型耐火
塗膜を形成しうるような発泡型耐火塗料組成物、その塗
膜およびその塗膜で被覆された基材を提供することを目
的としている。
【0006】
【発明の概要】本発明に係る発泡型耐火塗料組成物は、
(A)バインダー用樹脂と、該バインダー用樹脂(A)
100重量部に対して、(B)リン系難燃剤100〜4
00重量部、(C)含窒素化合物系発泡剤(リン系のも
のを除く。)50〜300重量部、(D)多価アルコー
ル系炭素形成剤50〜300重量部、(E)無機充填剤
5〜250重量部を含む塗料組成物であって、該塗料組
成物中の固形分の平均粒度(JIS K 5400 4.
7.2 線条法に準拠して測定)が10〜50μmであ
ることを特徴としている。
【0007】本発明においては、上記バインダー用樹脂
(A)が(メタ)アクリル樹脂であり、リン系難燃剤
(B)がポリリン酸アンモニウムであり、含窒素化合物
系発泡剤(C)がメラミンであり、多価アルコール系炭
素形成剤(D)が多価アルコールであり、無機充填剤
(E)がシリカであることが好ましい。
【0008】本発明に係る発泡型耐火塗膜は、上記の発
泡型耐火塗料組成物から形成されたことを特徴としてい
る。本発明に係る塗膜付き基材は、鉄鋼に代表される基
材の表面が、上記の発泡型耐火塗料組成物から形成され
た塗膜にて被覆されていることを特徴としている。本発
明によれば、塗膜が火災時などに熱せられて発泡して
も、タレ、割れ、剥離・脱落などを起こしにくく、基材
特に鋼材に対する付着強度に優れ、加熱時の均一発泡性
などに優れた塗膜を形成しうるような発泡型耐火塗料組
成物、その塗膜およびその塗膜で被覆された基材が提供
される。
【0009】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る発泡型耐火塗
料組成物、その塗膜およびその塗膜で被覆された基材に
ついて具体的に説明する。<発泡型耐火塗料組成物> 本発明に係る発泡型耐火塗料
組成物には、バインダー用樹脂(A)と、リン系難燃剤
(B)と、含窒素化合物系発泡剤(リン系のものを除
く。)(C)と、多価アルコール系炭素形成剤(D)
と、無機充填剤(E)とが含まれており、かつ、該塗料
組成物中の固形分の平均粒度(JIS K 5400
4.7.2 線条法に準拠して測定)は10〜50μ
m、好ましくは15〜45μm、さらに好ましくは20
〜40μmである。この発泡型耐火塗料組成物中の固形
分の粒度、すなわち超微粒子合成シリカ等の合成シリ
カ、ガラスバルーン、酸化チタン等に代表される無機充
填剤やポリリン酸アンモニウム等のリン系難燃剤などあ
るいは顔料、溶剤が配合された該塗料中にあって通常、
溶剤不溶性である固形分の平均粒度が上記範囲にある
と、鋼材、コンクリート等の基材表面に塗装された発泡
型耐火塗料組成物からなる塗膜(発泡型耐火塗膜)が加
熱されて発泡する際に塗膜あるいは発泡体のタレ(垂
れ)が生ぜず、また発泡が膜面の部位によらず均一・一
様に起こり均一発泡性に優れ、その結果、被塗物基材は
部位に依らず一様に断熱保護されるため好ましい。
【0010】以下、該組成物用の配合成分(A)〜
(E)について順次説明する。バインダー用樹脂(A) バインダー用樹脂(A)は、硬化して発泡型耐火塗料組
成物中に含まれていた配合成分、すなわち、含窒素化合
物系発泡剤(B)、多価アルコール系炭素形成剤
(C)、無機充填剤(D)を結合する働きを有し、該バ
インダー用樹脂としては、例えば、下記ウレタン樹脂、
エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アルキド樹脂、
酢酸ビニル系樹脂など、特開平8−253710号公報
の[0012]〜[0019]欄に記載されているもの
と同様のものが挙げられ、これらのバインダー用樹脂の
うちでは、(メタ)アクリル樹脂(アクリル樹脂)、エ
ポキシ樹脂が塗料のハイソリッド化(塗料の高不揮発分
化、塗装の厚膜化)を図ることができ、得られる塗膜は
耐水性、耐候性に優れる点でより好ましい。
【0011】ウレタン樹脂としては、具体的には、下記
のようなポリオール類とポリイソシアネート類との反応
生成物であって、常温硬化型二液性ウレタン樹脂塗料に
通常用いられるものを使用できる。上記ポリオール類と
しては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコールが挙げ
られる。
【0012】この他に、例えば、下記のジオール類と、
二塩基酸、そのエステルあるいはそのハライド等との反
応で得られるポリエステルポリオール;多価アルコール
から誘導される単位を含むポリエーテルポリオール;ひ
まし油変性ポリオール、アクリル変性ポリオール、エポ
キシ変性ポリオール、等の変性ポリオール;シリコーン
系ポリオール;などが挙げられる。
【0013】上記ポリエステルポリオール調製用のジオ
ール類としては、具体的には、例えば、エチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、2,3−ブチレ
ングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,2’
−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール等が挙げられる。
【0014】また、上記二塩基酸(ジカルボン酸)とし
ては、脂肪族系、芳香族系の何れであってもよく、具体
的には、例えば、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、
ピメリン酸、セバシン酸、フタル酸、アジピン酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、二量化リノレイン酸等が挙げ
られる。上記ウレタン樹脂製造用のポリイソアネート類
としては、2個以上のイソシアネート基を有する限り、
脂肪族系、芳香族系の何れであってもよく、具体的に
は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタ
メチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネー
ト、トルイジンジイソシアネート、2,4−トリレンジ
イソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、o−,
m−,p−フェニレンジイソシアネート、2,2’−ジ
フェニルプロピレン−p、p’−ジイソシアネート、
1,5−ナフチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0015】エポキシ樹脂としては、脂肪族系、芳香族
系、環式系、非環式系、脂環式系、複素環式系などの何
れであってもよく、多価アルコールから誘導されるポリ
グリシジルエーテル;ポリカルボン酸とエピクロルヒド
リンとの反応生成物であるカルボン酸のポリグリシジル
エーテル等が挙げられる。上記多価アルコールとして
は、具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリ
オール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ビス
フェノール−A、ビスフェノール−F等が挙げられる。
【0016】ポリカルボン酸としては、脂肪族系、芳香
族系などの何れであってもよく、具体的には、例えば、
蓚酸、コハク酸、グルタル酸、テレフタル酸、2,6−
ナフタリンジカルボン酸、二量化リノール酸等が挙げら
れる。(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸及
びその誘導体を主成分モノマーとし、これらモノマーを
共重合してなるものであり、このような(メタ)アクリ
ル樹脂形成用モノマーとしては、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)
アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチル
ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アク
リル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、
(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロ
ピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メ
タ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリ
ル酸グリシジル、スチレンアクリレート等の他、スチレ
ン等の共重合性モノマーが挙げられる。
【0017】アルキド樹脂は、多塩基酸とポリオールと
の反応生成物あるいはその油(脂肪酸)変性物であっ
て、このようなアルキド樹脂形成用の多塩基酸として
は、飽和系、不飽和系の何れであってもよく、飽和多塩
基酸として、具体的には、例えば、無水フタル酸、テレ
フタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げ
られ、不飽和多塩基酸としては、具体的には、例えば、
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられ
る。
【0018】ポリオールとしては、具体的には、例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチ
レングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ジグリセロール、トリグ
リセロール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。酢
酸ビニル系樹脂としては、ポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビ
ニル−エチレンコポリマー、酢酸ビニル−プロピオン酸
ビニルコポリマー、酢酸ビニル−アクリレートコポリマ
ー等が挙げられる。
【0019】本発明においては、これらバインダー用樹
脂の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されないが、
通常、500〜100000、好ましくは1000〜8
0000程度である。これらバインダー用樹脂は、本発
明の発泡型耐火塗料組成物調製時には、例えば、酢酸ビ
ニル系樹脂エマルジョンなど、エマルジョンの形態で用
いてもよい。
【0020】このようなバインダー用樹脂は、発泡型耐
火塗料組成物中の溶剤を除く成分の合計100重量部中
に、通常10〜50重量部、好ましくは15〜30重量
部の量で用いられる。この樹脂量が上記範囲にあると、
塗膜に割れが生じにくく、タレが発生しにくい傾向があ
る。リン系難燃剤(B) リン系難燃剤(B)は、例えば、火災・加熱時に脱水触
媒として作用し、加熱により塗膜中のバインダー等の有
機物を脱水、炭化して防火炭化層を形成させるととも
に、自らも防火性の無機リン酸膜を形成するなどによ
り、耐火効果を向上させる働きなどを有している。
【0021】このようなリン系難燃剤としては、リンの
他、五酸化リン、亜リン酸、正リン酸、ポリリン酸、リ
ン酸アンモニウム、リン酸三ナトリウム、トリクレジル
ホスフェート(TCP)、トリエチルホスフェート(T
EP)、トリス(β-クロロエチル)ホスフェート(T
CEP)、トリスクロロエチルホスフェート(CL
P)、トリスジクロロプロピルホスフェート(CR
P)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、キ
シレニルジフェニルホスフェート(XDP)、酸性リン
酸エステル、メラミンホスフェート、ウレアホスフェー
ト、五塩化リン、オキシ塩化リン、リン酸塩系化合物の
ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウムのア
ンモニウムイオンの一部をメラミンで置換したもの、発
泡性リン・アルミニウム系化合物(太平洋化学社製、商
品名:クラリアント)、リン酸アルミニウムなどが挙げ
られる。これらリン系難燃剤、例えば、ポリリン酸アン
モニウムは、比較的水溶性が高いため、その表面を低水
溶性〜非水溶性の物質(例:樹脂、メラミン)にて被覆
・マイクロカプセル化しその耐水性を向上させ、これに
より発泡型耐火塗膜の耐水性を向上させるようにしても
よい。なお、上記ポリリン酸アンモニウムは、例えば、
オルトリン酸の縮合物であるポリリン酸(例:ピロリン
酸、トリリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸な
ど)のアンモニウム塩であり、例えば、300℃程度以
上の温度に加熱されることによりH2Oが脱離して、火
災の消火効果を発揮すると共に、下記含窒素化合物系発
泡剤(C)と同様に、熱分解して不燃性のアンモニアガ
スを発生させる働きも有している。
【0022】これらのリン系難燃剤(B)は1種または
2種以上組み合わせて用いられる。これらのリン系難燃
剤のうちでは、ポリリン酸アンモニウム、マクロカプセ
ル化ポリリン酸アンモニウム、発泡性リン・アルミニウ
ム系化合物が好ましく、低水溶性である点でマクロカプ
セル化ポリリン酸アンモニウムが特に好ましい。このよ
うなリン系難燃剤(B)は、前記バインダー用樹脂
(A)100重量部に対して、通常100〜400重量
部、好ましくは200〜300重量部の量で用いられ、
また該発泡型耐火塗料組成物中の溶剤を除く成分の合計
100重量部中に、通常20〜60重量部、好ましくは
30〜50重量部の量で用いられる。このリン系難燃剤
(B)が、上記範囲にあると、加熱時の発泡倍率に優
れ、気泡の大きさが適度であり、発泡層中に空洞ができ
にくく、鋼板などの基材との密着性に優れる傾向があ
る。
【0023】含窒素化合物系発泡剤(C) 含窒素化合物系発泡剤(リン系のものを除く。)(C)
としては、加熱されると例えば、200〜300℃程度
の温度で熱分解し、窒素ガスやアンモニアガスを多量に
発生して燃焼を防止できると共に、下記多価アルコール
系炭素形成剤(D)などと協共して多孔性発泡体を形成
しうるような含窒素化合物系発泡剤が用いられる。
【0024】このような含窒素化合物系発泡剤として
は、具体的には、例えば、メラミンの他、炭素数4〜9
のメチロールメラミン、シアヌル酸メラミンなどのメラ
ミン誘導体、あるいはメラミン−ホルムアルデヒド樹
脂;(チオ)尿素、炭素数2〜5のメチロール(チオ)
尿素などの尿素誘導体、あるいは(チオ)尿素−ホルム
アルデヒド樹脂;ベンゾグアナミン、フェニルグアナミ
ン、アセトグアナミン、サクシニルグアナミンなどのグ
アナミン類あるいは該グアナミン類とホルムアルデヒド
との反応生成物;ジシアンジアミド、グアニジン、スル
ファミン酸グアニジンなどの窒素含有化合物が挙げられ
る。これらの含窒素化合物系発泡剤は1種または2種以
上組み合わせて用いることができる。
【0025】これらの含窒素化合物系発泡剤のうちで
は、メラミン、ジシアンジアミドが好ましい。このよう
な含窒素化合物系発泡剤は、前記バインダー用樹脂
(A)100重量部に対して、通常50〜100重量
部、好ましくは60〜80重量部の量で用いられ、また
該発泡型耐火塗料組成物中の溶剤を除く成分の合計10
0重量部中に、通常5〜40重量部、好ましくは10〜
20重量部の量で用いられる。この含窒素化合物系発泡
剤量が上記範囲にあると、発泡層のタレが生じにくく、
気泡が適度の大きさとなり、基材との付着性が良好とな
り、また塗装作業性に優れる傾向がある。
【0026】多価アルコール系炭素形成剤(D) 多価アルコール系炭素形成剤(D)は、発泡型耐火塗膜
が加熱され、含窒素化合物系発泡剤(C)や上記ポリリ
ン酸アンモニウムなどの発泡中に、熱によって炭化し、
気泡を内部に含んだ多孔質の炭化層を形成する。このよ
うな多価アルコール系炭素形成剤(D)としては、例え
ば、多価アルコール、多糖類、膨張性黒鉛など炭素、酸
素、水素のみにより形成されているものが好ましく使用
でき、具体的には、モノ,ジ,トリ-ペンタエリスリト
ール、ポリペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロ
キシエチル)イソシアネート、トリエチレングリコー
ル、ソルビトール、レゾルシノール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ヘキサメチレングリコール、イノシトー
ル等の多価アルコール、澱粉、蔗糖、スターチ等の炭水
化物等を用いてもよい。
【0027】これらの多価アルコール系炭素形成剤は1
種または2種以上組み合わせて用いることができる。こ
れらの多価アルコール系炭素形成剤のうちでは、ペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトールが好ましい。
このような多価アルコール系炭素形成剤は、前記バイン
ダー用樹脂(A)100重量部に対して、通常50〜2
00重量部、好ましくは60〜100重量部の量で用い
られ、また該発泡型耐火塗料組成物中の溶剤を除く成分
の合計100重量部中に、通常5〜60重量部、好まし
くは10〜40重量部の量で用いられる。この多価アル
コール系炭素形成剤量が上記範囲にあると、発泡倍率が
高く、気泡の大きさも適度であり、耐火性能に優れ、ま
た発泡層中に空洞ができにくく、発泡時のタレが生じに
くく、鉄鋼などの基材との密着性が良好となり、塗装作
業性に優れる傾向がある。
【0028】無機充填剤(E) 無機充填剤(E)としては、シリカ、ホウ酸、ホウ酸亜
鉛、ホウ酸鉛、ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、膨張性黒
鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、
焼成クレー、クレー、タルク、マイカ、酸化チタン、ベ
ントナイト、カオリン、モンモリナイト、ウォラストナ
イト、ロックウール、ガラス(ガラスバルーン)、シラ
ス(シラスバルーン)、アスベスト、ハイドロタルサイ
ト、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、アルミナ、シリカア
ルミナ、マグネシア、ゼオライト、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0029】上記シリカとしては、その原料、製法、性
状、形状、組成などは特に限定されず、天然物あるいは
天然物を加工・処理したものでも合成物(合成シリカ)
でもよく、また例えば、湿式法シリカ(水和シリカ)、
乾式法シリカ(フュームドシリカ、無水シリカ)等の親
水性シリカ(表面未処理シリカ);熱処理疎水性シリ
カ、疎水性フュームドシリカ等の表面処理された疎水性
シリカ;等であってもよく、また中実でも中空(バルー
ン)でもよく、成分が無水ケイ酸、含水ケイ酸カルシウ
ム、含水ケイ酸アルミニウム等であってもよく、さらに
はこれらの混合物等であってもよい。
【0030】また、上記の無機充填剤(E)のうちで、
ホウ酸亜鉛、ホウ酸鉛、ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)等
のホウ酸金属塩などは、発泡剤としても機能する。本発
明においては、これらの無機充填剤のうちではシリカを
単独で用いるか、シリカと、他の無機充填剤、好ましく
は発泡性を有する上記ホウ酸金属塩(例:ホウ酸ナトリ
ウム、ホウ酸亜鉛など)あるいはホウ酸、熱膨張性を有
する膨張性黒鉛、ガラスバルーン、シラスバルーンなど
の他の無機充填剤を併用することが好ましく、特にシリ
カ単独で用いるか、シリカと、ホウ酸金属塩(および/
またはホウ酸)、膨張性黒鉛、ガラスバルーンなどとを
併用することが望ましい。このようにシリカと、他の無
機充填剤であるホウ酸金属塩、膨張性黒鉛、ガラスバル
ーンなどとを併用する場合には、シリカ100重量部に
対して、ホウ酸金属塩、膨張性黒鉛などの他の充填剤
は、50〜1000重量部の量で、好ましくは100〜
800重量部の量で用いられる。このようにシリカが配
合された発泡型耐火塗料組成物からなる塗膜(発泡型耐
火塗膜)は、火災などで熱せられ発泡した際に、タレが
効果的に防止される。また、シリカと、発泡性のホウ酸
金属塩または膨張性黒鉛等とが配合された発泡型耐火塗
膜では、タレ防止性、均一発泡性の何れにもいっそう優
れる傾向があり、さらにガラスバルーン、シラスバルー
ンなども配合された発泡型耐火塗膜では加熱発泡層の剥
離、脱落、タレ抑制効果がより大きい。
【0031】このような無機充填剤(E)は、前記バイ
ンダー用樹脂(A)100重量部に対して、合計で、通
常5〜250重量部、好ましくは10〜180重量部の
量で用いられ、また該発泡型耐火塗料組成物中の溶剤を
除く成分の合計100重量部中に、通常5〜50重量
部、好ましくは5〜30重量部の量で用いられる。この
無機充填剤(E)量が、上記範囲にあると、(塗膜表面
の突起の発生が少なく、発泡層の剥離もなく、気泡の大
きさが均一化し、耐火性能が良好となり、しかも塗装作
業性にも優れる傾向がある。
【0032】<発泡型耐火塗料組成物の製造>このよう
な発泡型耐火塗料組成物は、従来より公知の方法を適宜
利用することにより製造でき、例えば、バインダー用樹
脂(A)と、リン系難燃剤(B)と、含窒素化合物系発
泡剤(リン系のものを除く。)(C)と、多価アルコー
ル系炭素形成剤(D)と、無機充填剤(E)と、必要に
より、耐熱性有機繊維、接着性付与剤、塩素化パラフィ
ン等の可塑剤、無機脱水剤(安定剤)、カルボン酸金属
塩、タレ止め沈降防止剤、顔料、チクソトロピー性付与
剤、その他の塗膜形成成分、キシレン等の溶剤、殺菌
剤、防カビ剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、
熱伝導改良剤などとを所定の割合で一度にあるいは任意
の順序で加えて撹拌・混合し、溶剤に溶解・分散等すれ
ばよい。
【0033】なお、上記のような配合成分の攪拌・混合
の際には、ロスミキサー、プラネタリーミキサー、万能
品川攪拌機など、従来より公知の混合・攪拌装置が適宜
用いられる。 <その他の成分>本発明に係る発泡型耐火塗料組成物に
は、上記必須成分(A)〜(E)以外に、上記したよう
に、例えば、耐熱性有機繊維、接着性付与剤、可塑剤
(塩素化パラフィン)、無機脱水剤(安定剤)、カルボ
ン酸の金属塩、タレ止め沈降防止剤、顔料、溶剤などが
配合されていてもよい。
【0034】耐熱性有機繊維としては、例えば、ポリエ
ステル繊維、ポリアミド繊維、ポリイミド繊維等が挙げ
られる。接着性付与剤としては、ビニルトリメトキシシ
ラン、アミノメトキシシランなどのシランカップリング
剤、フェノール樹脂、ロジン、C5系石油樹脂、C9系
石油樹脂、シクロペンタジエン系石油樹脂等が挙げられ
る。
【0035】<可塑剤(塩素化パラフィン)>可塑剤と
しては、TCP(トリクレジルフォスフェート)、塩素
化パラフィン、ポリビニルエチルエーテル等が挙げられ
る。これらの可塑剤は、1種または2種以上組み合わせ
て用いることができる。これらの可塑剤は、得られる塗
膜の耐クラック性の向上に寄与する。
【0036】<無機脱水剤(安定剤)>無機脱水剤(安
定剤)は、発泡型耐火塗料組成物の貯蔵安定性を一層向
上させることができ、このような無機脱水剤としては、
無水石膏(CaSO4)、合成ゼオライト系吸着剤(商
品名:モレキュラーシーブ等)、シリケート類等が挙げ
られ、無水石膏、モレキュラーシーブが好ましく用いら
れる。このような無機脱水剤は、1種または2種以上組
み合わせて用いることができる。
【0037】この無機脱水剤は、本発明の発泡型耐火塗
料組成物中に、通常、0.1〜10重量%、好ましくは
0.1〜5重量%程度の量で含まれていてもよい。 <カルボン酸の金属塩>なお、本発明に係る発泡型耐火
塗料組成物には、さらに、カルボン酸の金属塩が含まれ
ていてもよい。
【0038】カルボン酸の金属塩としては、その分子量
が通常50〜1000、好ましくは100〜600のも
のが用いられる。このようなカルボン酸の金属塩を構成
するカルボン酸としては、脂環構造を有する酸(例:ナ
フテン酸)、芳香環構造を有するカルボン酸(例:α-
(2-カルボキシフェノキシ)ステアリン酸)、ロジン
系樹脂酸、脂肪酸等が挙げられ、ナフテン酸、ロジン系
樹脂酸、脂肪酸が好ましい。
【0039】<タレ止め・沈降防止剤(搖変剤)>タレ
止め・沈降防止剤(搖変剤)としては、有機粘土系A
l、Ca、Znのステアレート塩、レシチン塩、アルキ
ルスルホン酸塩などの塩類、ポリエチレンワックス、ア
マイドワックス、水添ヒマシ油ワックス系、ポリアマイ
ドワックス系および両者の混合物、酸化ポリエチレン系
ワックス等が挙げられ、好ましくは、ポリアマイドワッ
クス、酸化ポリエチレン系ワックス、有機粘土系が用い
られる。このようなタレ止め・沈降防止剤としては、楠
本化成(株)製の「ディスパロン6650」、「ディスパロ
ン305」、「ディスパロン4200-20」、「ディスパロンA6
30-20X」等の商品名で上市されているものが挙げられ
る。
【0040】このようなタレ止め・沈降防止剤は、この
発泡型耐火塗料組成物中に、例えば、0.1〜10重量
%の量で配合される。 <顔料>顔料としては、従来公知の有機系、無機系の各
種顔料を用いることができる。有機系顔料としては、カ
ーボンブラック、フタロシアニンブルー、紺青等が挙げ
られる。無機系顔料としては、例えば、前記無機充填剤
(E)としても用いられる、チタン白、ベンガラ、バラ
イト粉、シリカ、タンカル、タルク、白亜、酸化鉄粉等
のように中性で非反応性のもの;亜鉛華(ZnO、酸化
亜鉛)、鉛白、鉛丹、亜鉛末、亜酸化鉛粉等のように塩
基性で塗料中の酸性物質と反応性のもの(活性顔料)等
が挙げられる。なお、染料等の各種着色剤も含まれてい
てもよい。このような各種顔料は、発泡型耐火塗料組成
物中に、例えば、合計で0.5〜45重量%程度の量で
配合される。
【0041】<溶剤>本発明の発泡型耐火塗料組成物で
は、上記のような各種成分は、溶剤に溶解若しくは分散
している。ここで使用される溶剤としては、例えば、脂
肪族系、芳香族系、ケトン系、エステル系、エーテル
系、アルコール系など、通常、発泡型耐火塗料組成物に
配合されるような各種溶剤が用いられる。上記芳香族系
溶剤としては、例えば、キシレン、トルエン等が挙げら
れ、ケトン系溶剤としては、例えば、MIBK、シクロ
ヘキサノン等が挙げられ、エーテル系溶剤としては、例
えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PM
AC)等が挙げられ、アルコール系溶剤としては、例え
ば、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
【0042】このような溶剤は、任意の量で使用可能で
あるが、上記成分(A)100重量部に対して例えば、
10〜1000重量部の量で、好ましくは50〜500
重量部の量で用いられる。また、本発明の組成物中に1
〜50重量%、好ましくは5〜30重量%となるような
量で用いられる。<塗装方法など> 上記のような発泡型耐火塗料組成物
は、鉄鋼、木材等の被塗物基材の表面に、その乾燥膜厚
が例えば、約1〜数mmとなるように、1〜複数回塗装
される。
【0043】このような溶剤にて必要により希釈された
発泡型耐火塗料組成物の粘度(25℃、B型粘度計、3
号ローター)は、塗装性(タレ性)、1回塗りで得られ
る膜厚などを考慮すると、例えば、0.1〜100ポイ
ズ/25℃、好ましくは5〜30ポイズ/25℃程度で
ある。換言すれば、0.01〜10Pa・s、好ましく
は0.5〜3.0Pa・s程度である。
【0044】上記のような発泡型耐火塗料組成物は塗装
性に優れ、該発泡型耐火塗料組成物を例えば、鉄鋼、ア
ルミニウム、コンクリート、木材、紙等の被塗物基材、
特に鉄鋼等の表面に、常法に従って、例えば、30〜1
50μm/回程度の乾燥膜厚となるように、1回〜複数
回塗布すれば、均一発泡性、基材との密着性、発泡層の
タレ防止に優れ、可撓性を有し、耐クラック性に優れた
発泡型耐火塗膜付き基材が得られる。このような塗装の
際には、刷毛、ロール、スプレー、ディップコーター
等、従来より公知の塗装手段が広く用いられる。
【0045】このような本発明に係る発泡型耐火塗膜
は、鉄鋼、コンクリート、木材等の表面に良好に付着し
ており、仮に火災などで熱せられた際には、200〜3
00℃から発泡を開始し、20〜50倍にまで発泡し、
数十mm〜100mmの発泡層を基材表面に形成し、断
熱性を発揮する。特に、塗料粒度が上記範囲にあり、無
機充填剤(E)としてシリカが上記量で配合された本発
明の発泡型耐火塗料組成物からなる塗膜では、被塗物基
材との付着性に優れ、加熱時の均一発泡性に優れ、発泡
時に垂れ、割れ、剥離が生じにくく、また、発泡不良
(未発泡)による不均一発泡も生じ難く、総合的に耐火
性能が向上する傾向がある。
【0046】
【発明の効果】本発明に係る発泡型耐火塗料組成物を基
材特に鋼材に塗付すれば、基材に対する付着強度に優
れ、均一発泡性、耐タレ性、耐割れ性、耐脱落・剥離性
などに優れた発泡型耐火塗膜を形成できる。特に、塗料
粒度が上記範囲にあり、無機充填剤としてシリカが上記
量で配合された本発明の発泡型耐火塗料組成物では、被
塗物基材との付着性に優れ、加熱時の均一発泡性に優
れ、発泡時に垂れ、割れ、剥離が生じにくく、また、発
泡不良(未発泡)による不均一発泡も生じ難く、総合的
に耐火性能が向上する傾向がある。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はかかる実施例により何ら制限され
るものではない。なお、以下の実施例、比較例などで用
いた商品名、略号の詳細は以下の通り。 <商品名、略号など> (1)「プライオライトAC−80」:スチレンアクリレ
ート変性アクリル樹脂、比重:1.06、分子量:77
400、グッドイヤーケミカル社製。 (2)「ソルベット100」:芳香族系石油混合溶剤(原
料ナフサを精密蒸留装置で精製して得られ、重質の芳香
族性物質を95%以上の量で含有する高沸点溶剤)、比
重:0.870、芳香族物質含有量:98%、昭和シェ
ル石油社製、丸善石油化学社製、三井化学社製、三菱石
油社製。 (3)「テラージュC−80」:リン系難燃剤、ポリリン
酸アンモニウム、白色粉末、平均粒子径:20.0±
5.0μm、高発泡タイプ、リン濃度:27.0〜3
1.0%、チッソ社製。 (4)「ホスタフラムAPA462」:リン系難燃剤、マ
イクロカプセル化長鎖状ポリリン酸アンモニウム、低水
溶性、比重:1.9、白色粉末、溶解度(W/W):
0.09以下、クラリアント社製。 (5)「ホスタフラムAPA422」:リン系難燃剤、長
鎖状ポリリン酸アンモニウム、低水溶性、比重:1.
9、白色粉末、溶解度(W/W):0.5以下、クラリ
アント社製。 (6)「APA100」:発泡性難燃助剤、リン−アルミ
ニウム化合物、水難溶性、アルミニウム含量:17.0
〜20.0%、リン含量:29.0〜33.0%、平均
粒径:5.0〜10.0μm、太平化学産業社製。 (7)「エロジールR972」:超微粒子合成シリカ、S
iO2、比表面積:110±20m2/g、一次粒子径:
約16nm、見掛比重:50g/L(リットル)、真比
重:2.2、日本アエロジル社製。 (8)「ガラスバルーン」:粒径:100メッシュ(14
9μ)のふるいで残留率5wt%以下、平均70ミクロ
ン以下、重量/体積比(嵩比重):0.31〜0.43
g/cc、住友スリーエム社製。
【0048】<試験方法及び評価基準>熱間圧延鋼板
(200×100×4mm厚)の一方面に、発泡型耐火
塗料をその乾燥膜厚が2mmとなるように塗布し、1週
間以上乾燥させ試験板を作成した。得られた試験板を電
気炉内に垂直に設置して、JIS A 1304に規定す
る標準曲線に基づいて電気炉を600℃まで加熱昇温さ
せ、試験板を600℃、1時間電気炉で加熱を行った。
【0049】また、上記加熱後の塗膜面の発泡層の均一
性、気泡の大きさ、発泡層のタレ、表面層の突起、空洞
の有無、発泡層の剥離について下記条件、方法で試験を
行い、下記評価基準で評価した。結果を表1に示す。(1)発泡層の均一性: (イ)評価方法 発泡層の気泡が適度な大きさで均一に分散しているかど
うかを目視で観察する。
【0050】(ロ)評価基準 3:気泡が適度な同じ大きさに、均一に分散している。 2:気泡の大きさが僅かに不揃いで部分的に均一に分散
していない。 1:気泡が不揃いで均一に分散していない。(2)気泡の大きさ: (イ)評価方法 発泡層の気泡の大きさを目視で観察する。
【0051】(ロ)評価基準 3:発泡層の気泡が適度な大きさである。 2:発泡層に僅かに大きな気泡が認められる。 1:発泡層全体に大きな気泡が認められる。(3)発泡層のタレ: (イ)評価方法 発泡層が塗装面に平行して形成されているか、又試験板
の下の方に発泡層がズレていないか目視で観察する。
【0052】(ロ)評価基準 3:タレが認められない。 2:タレが僅かに認められる。 1:全面タレが認められる。(4)表面層の突起: (イ)評価方法 発泡層の表面に突起が多く発生しているかを目視で観察
する。
【0053】(ロ)評価基準 3:表面の突起が認められない。 2:表面の突起が僅かに認められる。 1:表面の突起が顕著である。(5)空洞の有無: (イ)評価方法 発泡層の空洞の有無について目視で観察する。
【0054】(ロ)評価基準 1:空洞が断面積の30%以上ある。 2:空洞が断面積の5〜30%ある。 3:空洞が断面積の5%以下である。(6)発泡層の剥離: (イ)評価方法 発泡層が基材から剥離していないか目視で観察する。
【0055】(ロ)評価基準 3:発泡層の剥離なし。 2:発泡層の剥離が0〜10%程度認められる。 1:発泡層の剥離が10%以上認められる。
【0056】
【実施例1〜7、比較例1〜6】試験板を加熱後塗膜面
の発泡層の均一性、気泡の大きさ、発泡層のタレ、表面
層の突起、空洞の有無、発泡層の剥離について下記条
件、方法で試験を行い、下記評価基準で評価した。熱間
圧延鋼板200×100×4mm厚)の一方面に、発泡
型耐火塗料をその乾燥膜厚が2mmとなるように塗布
し、1週間以上乾燥させ試験板を作成した。
【0057】結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CF021 CG001 DA142 DA162 DB001 DD001 DG001 HA026 HA056 HA166 HA266 HA416 HA426 HA446 HA476 HA526 HA536 JA20 JA21 JB36 JC24 KA06 KA07 KA08 KA20 NA11 NA15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)バインダー用樹脂と、 該バインダー用樹脂(A)100重量部に対して、
    (B)リン系難燃剤100〜400重量部、(C)含窒
    素化合物系発泡剤(リン系のものを除く。)50〜30
    0重量部、(D)多価アルコール系炭素形成剤50〜3
    00重量部、(E)無機充填剤5〜250重量部を含む
    塗料組成物であって、該塗料組成物中の固形分の平均粒
    度(JIS K 5400 4.7.2 線条法に準拠して
    測定)が10〜50μmであることを特徴とする発泡型
    耐火塗料組成物。
  2. 【請求項2】上記バインダー用樹脂(A)が(メタ)ア
    クリル樹脂であり、リン系難燃剤(B)がポリリン酸ア
    ンモニウムであり、含窒素化合物系発泡剤(C)がメラ
    ミンであり、 多価アルコール系炭素形成剤(D)が多価アルコールで
    あり、 無機充填剤(E)がシリカである請求項1に記載の発泡
    型耐火塗料組成物。
  3. 【請求項3】請求項1〜2の何れかに記載の発泡型耐火
    塗料組成物から形成されたことを特徴とする発泡型耐火
    塗膜。
  4. 【請求項4】基材の表面が、請求項1〜2の何れかに記
    載の発泡型耐火塗料組成物から形成された塗膜にて被覆
    されていることを特徴とする塗膜付き基材。
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