JP2005162959A - 透明基材の接着方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 厚みが薄く、かつ安価で接着性、耐衝撃性、耐貫通性、耐温度サイクル性、透明性、防犯性等に優れる等の特徴をもつ透明材料を作製する際に用いられる接着方法を提供する。
【解決手段】 熱及び/又は活性エネルギー線で硬化可能な透明樹脂と繊維布からなる複合組成物を2枚の透明基材に挟んで接着する透明基材の接着方法。硬化後の複合組成物の全全光線透過率が70%以上であることが望ましく、線膨張係数が40ppm以下であることが望ましく、また、複合組成物に用いられる熱及び/又は活性エネルギー線で硬化可能な樹脂の硬化後の屈折率と前記繊維布の屈折率との差が0.01以下であることが望ましく、繊維布の屈折率は1.45〜1.55であることが望ましい。
【解決手段】 熱及び/又は活性エネルギー線で硬化可能な透明樹脂と繊維布からなる複合組成物を2枚の透明基材に挟んで接着する透明基材の接着方法。硬化後の複合組成物の全全光線透過率が70%以上であることが望ましく、線膨張係数が40ppm以下であることが望ましく、また、複合組成物に用いられる熱及び/又は活性エネルギー線で硬化可能な樹脂の硬化後の屈折率と前記繊維布の屈折率との差が0.01以下であることが望ましく、繊維布の屈折率は1.45〜1.55であることが望ましい。
Description
本発明は透明基材の接着方法に関するものである。
従来、硬化性樹脂を用いて線膨張の異なる2枚の基板を接着する場合、接着及び硬化時の温度から室温へ冷却する過程で基板の線膨張差や硬化性樹脂の収縮によって、基板に反りやうねりが生じる問題があった。さらに、このような方法で接着された基板を、加熱・冷却の温度サイクル工程や吸水・乾燥のサイクル工程で処理した場合、基板と接着剤層でクラックや界面剥離が発生したり、変形したりすることがあった。例えば、表示パネル用プラスチック基板等に用いられる透明樹脂とガラスクロス等を複合化した透明シートとガラス等とを、線膨張係数が大きいエポキシ樹脂を接着剤として用いると、加熱・冷却の温度サイクル工程において、接着剤層でクラックや界面剥離が発生したり、変形したりする。また、硬化性樹脂にフィラー等を添加して接着剤の線膨張係数を小さくすることも実施されているが、少量のフィラーの添加では大きく線膨張係数を低下させるには至らず、また、多量のフィラーを添加した場合、接着剤の粘度が上がってしまい、取り扱いが困難になることや接着剤内の気泡が残るため、表示パネル用プラスチック基板等に使用する場合は欠陥となる場合があった。
また、自動車・船舶用・建築物の窓板材は一般にガラス板が使用されており、周知のようにガラス板は衝撃を受けると割れやすく、防犯性に劣り、また飛び散った破片で大怪我をすることがある。その改善策として、2枚のガラス板の間に有機樹脂膜(中間膜)を挟持させた構造の合わせガラスが使用されている。(例えば特許文献1参照。)この有機樹脂膜には、耐衝撃性に優れるポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリビニルブチラール(PVB)樹脂膜が用いられており、この有機樹脂膜の存在により、合わせガラスの割れ飛散性、耐貫通性、防犯性等が高められている。しかしながら十分な耐貫通性を持たせるには厚みの厚い樹脂膜が必要となり、厚みの制御が難しく、コストも高く、また従来のサッシに適用するのが難しい等の問題を有していた。
2枚のガラス板の間に、繊布および/または繊維と透明な接着剤で挟持させた構造の合わせガラスも提案されており、合わせガラスの割れ飛散性の改善されている。(例えば特許文献2参照。)しかしながら、繊布および繊維と透明な接着剤の組み合わせだけでは、繊布および繊維と透明な接着剤との屈折率の異なりから、充分な視認性が得られず、自動車・船舶用・建築物の窓板材等の視認性が重要な用途には好ましくなかった。
また、自動車・船舶用・建築物の窓板材は一般にガラス板が使用されており、周知のようにガラス板は衝撃を受けると割れやすく、防犯性に劣り、また飛び散った破片で大怪我をすることがある。その改善策として、2枚のガラス板の間に有機樹脂膜(中間膜)を挟持させた構造の合わせガラスが使用されている。(例えば特許文献1参照。)この有機樹脂膜には、耐衝撃性に優れるポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリビニルブチラール(PVB)樹脂膜が用いられており、この有機樹脂膜の存在により、合わせガラスの割れ飛散性、耐貫通性、防犯性等が高められている。しかしながら十分な耐貫通性を持たせるには厚みの厚い樹脂膜が必要となり、厚みの制御が難しく、コストも高く、また従来のサッシに適用するのが難しい等の問題を有していた。
2枚のガラス板の間に、繊布および/または繊維と透明な接着剤で挟持させた構造の合わせガラスも提案されており、合わせガラスの割れ飛散性の改善されている。(例えば特許文献2参照。)しかしながら、繊布および繊維と透明な接着剤の組み合わせだけでは、繊布および繊維と透明な接着剤との屈折率の異なりから、充分な視認性が得られず、自動車・船舶用・建築物の窓板材等の視認性が重要な用途には好ましくなかった。
本発明は、厚みが薄く、かつ安価で接着性、耐衝撃性、耐貫通性、耐温度サイクル性、透明性、防犯性等に優れる等の特徴をもつ透明材料を作製する際に用いられる接着方法を提供するものである。
すなわち本発明は、
(1) 熱及び/又は活性エネルギー線で硬化可能な透明樹脂と繊維布からなる複合組成物を2枚の透明基材に挟んで接着する透明基材の接着方法。
(2) 前記複合組成物の、硬化後の全光線透過率が70%以上であることを特徴とする(1)記載の透明基材の接着方法。
(3) 前記透明樹脂および繊維布からなる複合組成物の、硬化後の線膨張係数が40ppm以下であることを特徴とする(1)、(2)何れか一項記載の透明基材の接着方法。
(4) 前記透明樹脂の硬化後の屈折率と前記繊維布の屈折率との差が0.01以下であることを特徴とする(1)〜(3)何れか一項記載の透明基材の接着方法。
(5) 前記繊維布の屈折率が1.45〜1.55であることを特徴とする(1)〜(4)何れか一項記載の透明基材の接着方法。
(6) 前記繊維布がガラスクロスであることを特徴とする(1)〜(5)何れか一項記載のシートの接着方法。
(7) 前記繊維布がガラスペーパー(不織布)であることを特徴とする(1)〜(5)何れか一項記載の透明基材の接着方法。
(8) 前記透明樹脂の硬化後のアッベ数が45以上であることを特徴とする(1)〜(7)何れか一項記載の透明基材の接着方法。
である。
(1) 熱及び/又は活性エネルギー線で硬化可能な透明樹脂と繊維布からなる複合組成物を2枚の透明基材に挟んで接着する透明基材の接着方法。
(2) 前記複合組成物の、硬化後の全光線透過率が70%以上であることを特徴とする(1)記載の透明基材の接着方法。
(3) 前記透明樹脂および繊維布からなる複合組成物の、硬化後の線膨張係数が40ppm以下であることを特徴とする(1)、(2)何れか一項記載の透明基材の接着方法。
(4) 前記透明樹脂の硬化後の屈折率と前記繊維布の屈折率との差が0.01以下であることを特徴とする(1)〜(3)何れか一項記載の透明基材の接着方法。
(5) 前記繊維布の屈折率が1.45〜1.55であることを特徴とする(1)〜(4)何れか一項記載の透明基材の接着方法。
(6) 前記繊維布がガラスクロスであることを特徴とする(1)〜(5)何れか一項記載のシートの接着方法。
(7) 前記繊維布がガラスペーパー(不織布)であることを特徴とする(1)〜(5)何れか一項記載の透明基材の接着方法。
(8) 前記透明樹脂の硬化後のアッベ数が45以上であることを特徴とする(1)〜(7)何れか一項記載の透明基材の接着方法。
である。
本発明の接着方法によれば、接着性、透明性、耐衝撃性、耐貫通性、耐温度サイクル性、防犯性等に優れる透明材料を提供することが可能となる。
本発明は熱及び/又は活性エネルギー線で硬化可能な透明樹脂と繊維布からなる複合組成物を2枚の透明基材に挟んで接着する透明基材の接着方法であり、厚みが薄く、かつ安価で接着性、透明性、耐衝撃性、耐貫通性、耐温度サイクル性、防犯性等に優れる透明基材の生産することができる。例えばガラス基材どうしを接着する合わせガラスや、線膨張係数の異なる2枚の透明基材、例えば ガラス基材と、透明樹脂とガラスクロス等を複合化した透明複合シート基材や透明シート基材との接着等に応用が可能であり、また液晶封止用シール材としての使用も可能である。
上述の複合組成物の、硬化後の波長550nmでの全光線透過率は70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上、さら好ましくは85%以上である。全光線透過率が70%未満の場合、自動車・船舶用・建築物の窓板材や表示パネル用プラスチック基板等に使用する場合 透過率低下に伴い視認性が低下し、視認性が重要な用途には好ましくない。
上述の複合組成物の、硬化後の線膨張係数が40ppm以下であることが好ましく、より好ましくは30ppm以下、さら好ましくは20ppm以下である。線膨張係数が40ppmを超えると、接着後に加熱・冷却等の温度サイクルを有する工程の場合、処理によりクラック・界面剥離の発生や変形が生じることがあり、温度サイクルを有する用途には好ましくない。
上述の複合組成物の形態は、特に限定されるものではない。液状透明樹脂を繊維布に含浸した形態や、繊維布に透明樹脂を含浸した後、液状樹脂を加熱処理で硬化を促進すること方法、固形樹脂を加熱溶融・含浸した後冷却する方法や、固形樹脂を溶剤に溶解・含浸した後、乾燥処理等によって溶剤を除去する方法等で得た複合シート状の形態でもかまわない。
本発明において、繊維布としては、ガラスクロス、ガラスペーパー(不織布)等のガラス繊維基材が好ましいが、その他、合成繊維、鉱物繊維等からなる織布や不織布等が挙げることができる。本発明で用いる繊維布の屈折率は特に制限されないが、1.45〜1.55であることが好ましく、より好ましくは1.50〜1.54である。特にガラス繊維
の屈折率が1.50〜1.54である場合は、ガラスのアッベ数に近い樹脂が選択でき好ましい。詳細については後述するが、樹脂とガラスとのアッベ数が近いと広い波長領域において両者の屈折率が一致し、広い波長領域で高い光線透過率が得られる。繊維布の屈折率が1.55以上では、同じ屈折率でアッベ数が45以上の樹脂を選択するのが困難であり、1.45以下では特殊な組成のガラス繊維となり、コスト的に不利である。特に、1.50〜1.54の範囲であれば、SガラスやNEガラスなどの一般的なガラス繊維が適用でき、かつ同じ屈折率でアッベ数が45以上の樹脂の選択も可能である。ガラスクロスやガラスペーパーに用いられるガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、石英ガラスなどがあげられ、中でもアッベ数が45以上の樹脂と屈折率を一致させることができ、かつ入手が容易なSガラス、Tガラス、NEガラスが好ましい。またガラスクロスやガラスペーパーを用いる場合、フィラメントの織り方に限定はなく、平織り、ななこ織り、朱子織り、綾織りなどが適用でき、中でも平織りが好ましい。ガラスクロスの厚みに限定はなく、通常、20〜200μmであるのが好ましく、より好ましくは40〜150μmである。ガラスクロスやガラス不織布などのガラス繊維布は1枚だけでもよく、複数枚を重ねて用いてもよい。本発明に用いられる繊維布は、樹脂成分との濡れ性を改善する目的で各種のシランカップリング剤、ボランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等の表面処理剤で処理されても良く、これに限定されるものではない。
の屈折率が1.50〜1.54である場合は、ガラスのアッベ数に近い樹脂が選択でき好ましい。詳細については後述するが、樹脂とガラスとのアッベ数が近いと広い波長領域において両者の屈折率が一致し、広い波長領域で高い光線透過率が得られる。繊維布の屈折率が1.55以上では、同じ屈折率でアッベ数が45以上の樹脂を選択するのが困難であり、1.45以下では特殊な組成のガラス繊維となり、コスト的に不利である。特に、1.50〜1.54の範囲であれば、SガラスやNEガラスなどの一般的なガラス繊維が適用でき、かつ同じ屈折率でアッベ数が45以上の樹脂の選択も可能である。ガラスクロスやガラスペーパーに用いられるガラスの種類としては、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、石英ガラスなどがあげられ、中でもアッベ数が45以上の樹脂と屈折率を一致させることができ、かつ入手が容易なSガラス、Tガラス、NEガラスが好ましい。またガラスクロスやガラスペーパーを用いる場合、フィラメントの織り方に限定はなく、平織り、ななこ織り、朱子織り、綾織りなどが適用でき、中でも平織りが好ましい。ガラスクロスの厚みに限定はなく、通常、20〜200μmであるのが好ましく、より好ましくは40〜150μmである。ガラスクロスやガラス不織布などのガラス繊維布は1枚だけでもよく、複数枚を重ねて用いてもよい。本発明に用いられる繊維布は、樹脂成分との濡れ性を改善する目的で各種のシランカップリング剤、ボランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等の表面処理剤で処理されても良く、これに限定されるものではない。
本発明で用いられる熱及び/又は活性エネルギー線で硬化可能な透明樹脂は、厚さ200μmのシートにした場合、波長550nmの全光線透過率が70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上である。全光線透過率が70%未満であると、透過率低下に伴い視認性が低下し、視認性が重要な用途には好ましくない。
上述の透明樹脂は、熱や活性エネルギー線等で架橋させることができるものであれば特に制限されない。透明性、接着性、生産性の面からアクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。これら樹脂は、単独で用いても2種以上を併用しても良い。使用する活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、メタルハライドタイプ、高圧水銀灯ランプ等が挙げられる。
これら上述の透明樹脂は、優れた透明性を実現するため、硬化後の樹脂の屈折率と繊維布の屈折率との差を0.01以下にすることが好ましく、0.005以下がより好ましい。屈折率差が0.01より大きい場合には、得られる複合組成物の透明性が劣る傾向がある。全光線透過率は70%以上が好ましい。70%以下であると着色が認められる傾向にあり、優れた透明性が求められる場合には好ましくない。
硬化後の樹脂と繊維布との屈折率差を0.01以下にするには、(1)繊維布との屈折率差が0.01以下の樹脂を選択する、(2)繊維布の屈折率を調整して樹脂の屈折率に合わせる、(3)樹脂の屈折率を調整して繊維布の屈折率を合わせる方法などが採用し得る。しかし
ながら、樹脂と繊維布との屈折率差が0.01以下の組み合わせを選択することは容易で
なく、また、繊維布の屈折率を調整して樹脂の屈折率に合わせる方法では特殊な繊維を用いることになり、コストの面から好ましくないため、樹脂の屈折率を調整して繊維布の屈折率に合わせる方法が低コストの汎用の繊維を用いることができるので好ましい。
硬化後の樹脂と繊維布との屈折率差を0.01以下にするには、(1)繊維布との屈折率差が0.01以下の樹脂を選択する、(2)繊維布の屈折率を調整して樹脂の屈折率に合わせる、(3)樹脂の屈折率を調整して繊維布の屈折率を合わせる方法などが採用し得る。しかし
ながら、樹脂と繊維布との屈折率差が0.01以下の組み合わせを選択することは容易で
なく、また、繊維布の屈折率を調整して樹脂の屈折率に合わせる方法では特殊な繊維を用いることになり、コストの面から好ましくないため、樹脂の屈折率を調整して繊維布の屈折率に合わせる方法が低コストの汎用の繊維を用いることができるので好ましい。
また、これら上述の透明樹脂は、硬化後のアッベ数が45以上であることが好ましく、さらにアッベ数が50以上であることがより好ましい。ここでいうアッベ数(υd)とは、屈折率の波長依存性、すなわち分散の度合いを示すもので、υd=(nD−1)/(nF−nC)で求めることができる。ここで、nC、nD、nFは、それぞれブラウンホーファーの線のC線(波長656nm)、D線(589nm)、F線(486nm)に対する屈折率である。アッベ数が小さい材料は、波長によって屈折率が大きく変化する。一般的なガラスクロスはアッベ数が50以上であるため、硬化後のアッベ数が45以下の透明
樹脂と複合化すると、波長589nmで屈折率を合わせたとしても、例えば400nm以下の波長では屈折率がずれてしまい、400nm以下の光線透過率が低下する傾向にある。硬化後のアッベ数が45以上の透明樹脂を用いれば、一般的なガラスクロスおよびガラス不織布と広い波長範囲で屈折率を一致させることができ、例えば400nm以下の波長においても優れた光線透過率を実現できることができる。
樹脂と複合化すると、波長589nmで屈折率を合わせたとしても、例えば400nm以下の波長では屈折率がずれてしまい、400nm以下の光線透過率が低下する傾向にある。硬化後のアッベ数が45以上の透明樹脂を用いれば、一般的なガラスクロスおよびガラス不織布と広い波長範囲で屈折率を一致させることができ、例えば400nm以下の波長においても優れた光線透過率を実現できることができる。
さらに上述の複合組成物の550nmでの全光線透過率が70%未満に低下しない範囲ではあれば、熱及び/又は活性エネルギー線で硬化可能な透明樹脂中に可塑性樹脂を併用してもよい。この可塑性樹脂は特に限定するものではない。
さらに上述の透明樹脂中に樹脂成分とともに無機充填材を併用することが好ましい。この無機充填材は複合組成物の550nmでの全光線透過率が70%未満に低下しない範囲では特に限定するものではないが、硬化後の樹脂及び繊維布との屈折率差が0.01以下好ましく、さらに屈折率差は0.005以下がより好ましい。無機充填材は弾性率を高め、線膨張係数を低下させ、吸水性を低下させるために配合されるものである。無機充填材としては、例えばタルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ等が挙げられる。これらの中でも屈折率差をより小さくするために、繊維布の同組成もしくは繊維布を粉砕した無機充填材が好ましい。
本発明で用いられる繊維布へ樹脂を含浸させるときの樹脂の形態としては、通常、液状であるが、粉末状の樹脂、あるいは固形樹脂を加熱溶融した状態であってもよい。複合基材層における繊維布の含有量は、1〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%である。繊維布の含有量が1重量%以下では、複合化による強度向上効果が認められず、90重量%以上では成形が困難となる。
以下、本発明の内容を実施例により詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の例に限定されるものではない。
(実施例1)
100μmのNEガラス系ガラスクロス(日東紡製#2116タイプ、屈折率1.510)を焼きだしして有機物を除去した後、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。このガラスクロスに、脂環式多官能エポキシ樹脂(商品名EHPE−3150、ダイセル化学(株)製)100重量部、メチルヘキサヒドロフタル酸(商品名MH−700)82.3重量部、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール1重量部を80℃で溶融混合し、高速攪拌機を用いて10分攪拌しエポキシ系樹脂ワニスからなる樹脂(硬化後の屈折率1.510、アッベ数 52)を含浸し、脱溶剤および脱泡した。この樹脂を含浸したクロス2枚を離型処理したガラス板に挟み込んで、オーブン中で100℃*2時間+120℃*2時間+150℃*2時間+175℃*2時間加熱して、100μmの透明シートを得た。また、33μmのNEガラス系ガラスクロス(日東紡製NEA−106、屈折率1.510)を焼きだしして有機物を除去した後、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。次に脂環式多官能エポキシ樹脂(商品名EHPE−3150、ダイセル化学(株)製)100重量部、メチルヘキサヒドロフタル酸(商品名MH−700)82.3重量部、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール1重量部を80℃で溶融混合し、高速攪拌機を用いて10分攪拌しエポキシ系樹脂ワニス(硬化後の屈折率1.510、アッベ数 52)を得た。さらに、得られた樹脂ワニスをガラスクロスに含浸後、50℃で60分乾燥させ溶剤を除去した後にこの樹脂を含浸したクロス1枚を、厚み400μmのガラスと厚み200μmの透明シートの間に挟み込み真空プレスを用いて真空下、1MPaで加圧しながら室温から180℃まで3℃/分で昇温させ180℃/2時間処理することにより厚みが640μmの透明複合体
を得た。透明複合体の、樹脂の屈折率は1.533であり、透明複合接着剤の全光線透過率は89%、線膨張係数は12ppmであった。さらに、この基板を室温〜180℃の温度サイクル処理を3回実施したが、クラック・界面剥離の発生や変形は生じなく、また、気泡の存在も観察されなかった。
100μmのNEガラス系ガラスクロス(日東紡製#2116タイプ、屈折率1.510)を焼きだしして有機物を除去した後、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。このガラスクロスに、脂環式多官能エポキシ樹脂(商品名EHPE−3150、ダイセル化学(株)製)100重量部、メチルヘキサヒドロフタル酸(商品名MH−700)82.3重量部、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール1重量部を80℃で溶融混合し、高速攪拌機を用いて10分攪拌しエポキシ系樹脂ワニスからなる樹脂(硬化後の屈折率1.510、アッベ数 52)を含浸し、脱溶剤および脱泡した。この樹脂を含浸したクロス2枚を離型処理したガラス板に挟み込んで、オーブン中で100℃*2時間+120℃*2時間+150℃*2時間+175℃*2時間加熱して、100μmの透明シートを得た。また、33μmのNEガラス系ガラスクロス(日東紡製NEA−106、屈折率1.510)を焼きだしして有機物を除去した後、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。次に脂環式多官能エポキシ樹脂(商品名EHPE−3150、ダイセル化学(株)製)100重量部、メチルヘキサヒドロフタル酸(商品名MH−700)82.3重量部、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール1重量部を80℃で溶融混合し、高速攪拌機を用いて10分攪拌しエポキシ系樹脂ワニス(硬化後の屈折率1.510、アッベ数 52)を得た。さらに、得られた樹脂ワニスをガラスクロスに含浸後、50℃で60分乾燥させ溶剤を除去した後にこの樹脂を含浸したクロス1枚を、厚み400μmのガラスと厚み200μmの透明シートの間に挟み込み真空プレスを用いて真空下、1MPaで加圧しながら室温から180℃まで3℃/分で昇温させ180℃/2時間処理することにより厚みが640μmの透明複合体
を得た。透明複合体の、樹脂の屈折率は1.533であり、透明複合接着剤の全光線透過率は89%、線膨張係数は12ppmであった。さらに、この基板を室温〜180℃の温度サイクル処理を3回実施したが、クラック・界面剥離の発生や変形は生じなく、また、気泡の存在も観察されなかった。
(実施例2)
NEガラスクロス(厚さ94μm、日東紡績製、屈折率1.510、NEA−2116高開繊タイプ)を焼きだしして有機物を除去した後、アクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このクロスにノルボルナンジメチロールジアクリレート(東亞合成(株)試作品 TO−2111、硬化後の屈折率1.520)90重量部とヒドロキシピバルアルデシヒドとトリメチロールプロパンのアセタール化合物のジアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD R−604、硬化後の屈折率1.496)10重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカル製のイルガキュア184)を0.5重量部とからなる樹脂(硬化後の屈折率1.512、アッベ数51)を高速攪拌機で10分攪拌しアクリレート系樹脂ワニスを得た。さらに、得られた樹脂ワニスをガラスクロスに含浸後、この樹脂を含浸したクロス1枚を、実施例1と同様にガラスと透明シートの間に挟み込み、両面から約10J/cm2のUV光を照射して硬化させた。さらに真空オーブン中、180℃で
2時間加熱することにより厚みが700μmの透明複合体を得た。透明複合体の、樹脂の屈折率は1.533であり、透明複合接着剤の全光線透過率は87%、線膨張係数は12ppmであった。さらに、この基板を室温〜180℃の温度サイクル処理を3回実施したが、クラック・界面剥離の発生や変形は生じなく、また、気泡の存在も観察されなかった。
NEガラスクロス(厚さ94μm、日東紡績製、屈折率1.510、NEA−2116高開繊タイプ)を焼きだしして有機物を除去した後、アクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このクロスにノルボルナンジメチロールジアクリレート(東亞合成(株)試作品 TO−2111、硬化後の屈折率1.520)90重量部とヒドロキシピバルアルデシヒドとトリメチロールプロパンのアセタール化合物のジアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD R−604、硬化後の屈折率1.496)10重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカル製のイルガキュア184)を0.5重量部とからなる樹脂(硬化後の屈折率1.512、アッベ数51)を高速攪拌機で10分攪拌しアクリレート系樹脂ワニスを得た。さらに、得られた樹脂ワニスをガラスクロスに含浸後、この樹脂を含浸したクロス1枚を、実施例1と同様にガラスと透明シートの間に挟み込み、両面から約10J/cm2のUV光を照射して硬化させた。さらに真空オーブン中、180℃で
2時間加熱することにより厚みが700μmの透明複合体を得た。透明複合体の、樹脂の屈折率は1.533であり、透明複合接着剤の全光線透過率は87%、線膨張係数は12ppmであった。さらに、この基板を室温〜180℃の温度サイクル処理を3回実施したが、クラック・界面剥離の発生や変形は生じなく、また、気泡の存在も観察されなかった。
(実施例3)
100μmのSガラス系ガラスクロス(ユニチカクロス製#2117、屈折率1.530) を焼きだしして有機物を除去した後、アクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(
アクリルシラン)で処理した。このクロスにジシクロペンタジエニルジアクリレート(式1)(東亞合成(株)製M−203、硬化後の屈折率1.527)92重量部、ビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]スルフィド(式3)(東亞合成(株)試作品TO−2066、
硬化後の屈折率1.606)8重量部、及び光重合開始剤0.5重量部からなるアクリレー
ト系樹脂組成物(硬化後の屈折率1.533、アッベ数51)を含浸、脱泡した後、この樹
脂を含浸したクロス1枚を実施例1と同様にガラスと透明シートの間に挟み込み、両面から約10J/cm2のUV光を照射して硬化させた。さらに真空オーブン中、180℃で
2時間加熱することにより厚みが700μmの透明複合体を得た。透明複合体の、樹脂の屈折率は1.533であり、透明複合接着剤の全光線透過率は86%、線膨張係数は11ppmであった。さらに、この基板を室温〜180℃の温度サイクル処理を3回実施したが、クラック・界面剥離の発生や変形は生じなく、また、気泡の存在も観察されなかった。
100μmのSガラス系ガラスクロス(ユニチカクロス製#2117、屈折率1.530) を焼きだしして有機物を除去した後、アクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(
アクリルシラン)で処理した。このクロスにジシクロペンタジエニルジアクリレート(式1)(東亞合成(株)製M−203、硬化後の屈折率1.527)92重量部、ビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]スルフィド(式3)(東亞合成(株)試作品TO−2066、
硬化後の屈折率1.606)8重量部、及び光重合開始剤0.5重量部からなるアクリレー
ト系樹脂組成物(硬化後の屈折率1.533、アッベ数51)を含浸、脱泡した後、この樹
脂を含浸したクロス1枚を実施例1と同様にガラスと透明シートの間に挟み込み、両面から約10J/cm2のUV光を照射して硬化させた。さらに真空オーブン中、180℃で
2時間加熱することにより厚みが700μmの透明複合体を得た。透明複合体の、樹脂の屈折率は1.533であり、透明複合接着剤の全光線透過率は86%、線膨張係数は11ppmであった。さらに、この基板を室温〜180℃の温度サイクル処理を3回実施したが、クラック・界面剥離の発生や変形は生じなく、また、気泡の存在も観察されなかった。
(実施例4)
80μmのNEガラス系ガラスクロス(日東紡製NEA−2319E、屈折率1.510)を焼きだしして有機物を除去した後、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。このクロスにトリグリシジルイソシアヌレート(日産化学工業製TEPIC)100重量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化製リカシッドMH−700)147重量部、テトラフェニルホスホニウムブロマイド(北興化学工業製TPP−PB)2重量部を110℃で溶融混合したエポキシ系樹脂組成物(硬化
後の屈折率1.513、アッベ数52)を含浸し、脱泡した。この樹脂を含浸したクロス2枚を積層して、市販の、加熱処理等の強化処理が施されていない板厚2.7mmフロートガラス板(FL3)2枚の間に挟み込み、オーブン中で100℃*2時間+120℃*2
時間+150℃*2時間+175℃*2時間加熱して、5.6mmの合わせガラスを得た。得られた合わせガラスを500mm×500mmに切り出し、窓枠に取り付けた後クレセント付近をバールで打ち破る(100mmの穴があく)のに要した相対時間(厚み2.7mmのフロートガラスを打ち破る時間を1としたとき)を打ち破り強度とした時、得られた合わせガラスの打ち破り強度は100以上であった。また、樹脂の屈折率は1.513であり、透明複合接着剤の全光線透過率は85%、線膨張係数は13ppmであった。
80μmのNEガラス系ガラスクロス(日東紡製NEA−2319E、屈折率1.510)を焼きだしして有機物を除去した後、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。このクロスにトリグリシジルイソシアヌレート(日産化学工業製TEPIC)100重量部、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化製リカシッドMH−700)147重量部、テトラフェニルホスホニウムブロマイド(北興化学工業製TPP−PB)2重量部を110℃で溶融混合したエポキシ系樹脂組成物(硬化
後の屈折率1.513、アッベ数52)を含浸し、脱泡した。この樹脂を含浸したクロス2枚を積層して、市販の、加熱処理等の強化処理が施されていない板厚2.7mmフロートガラス板(FL3)2枚の間に挟み込み、オーブン中で100℃*2時間+120℃*2
時間+150℃*2時間+175℃*2時間加熱して、5.6mmの合わせガラスを得た。得られた合わせガラスを500mm×500mmに切り出し、窓枠に取り付けた後クレセント付近をバールで打ち破る(100mmの穴があく)のに要した相対時間(厚み2.7mmのフロートガラスを打ち破る時間を1としたとき)を打ち破り強度とした時、得られた合わせガラスの打ち破り強度は100以上であった。また、樹脂の屈折率は1.513であり、透明複合接着剤の全光線透過率は85%、線膨張係数は13ppmであった。
(比較例1)
実施例1で用いた透明複合接着剤のかわりに厚み40μmの樹脂接着剤のみで実施した以外は実施例1と同様に透明複合体を作製した。透明接着剤の全光線透過率は88%、線膨張係数は70ppmであった。さらに、この基板を室温〜180℃の温度サイクル処理を3回実施した結果、ガラスと透明接着剤層の間で界面剥離が発生した。
(比較例2)
ノルボルナンジメチロールジアクリレート(東亞合成(株)試作品 TO−2111、架橋後の屈折率1.520)90重量部とヒドロキシピバルアルデシヒドとトリメチロールプロパンのアセタール化合物のジアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD R−604、架橋後の屈折率1.496)10重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカル製のイルガキュア184)を0.5重量部からなる樹脂組成物(硬化後の屈折率1.512、アッベ数51)に、NEガラス系ガラスクロス(日東紡製#2116タイプ、屈折率1.510)をボールミルで粉砕し、得られたNEガラスフィラー(平均粒径0.5μm)を20体積部添加し
、三本ロールにて混合した透明接着剤を実施例2で用いた透明複合接着剤のかわりに厚み40μmで実施した以外は実施例2と同様に透明複合体を作製した。透明接着剤の全光線透過率は88%、線膨張係数は56ppmであった。しかし、この基板を室温〜180℃の温度サイクル処理を3回実施した結果、ガラスと透明接着剤層の間で界面剥離が発生した。
実施例1で用いた透明複合接着剤のかわりに厚み40μmの樹脂接着剤のみで実施した以外は実施例1と同様に透明複合体を作製した。透明接着剤の全光線透過率は88%、線膨張係数は70ppmであった。さらに、この基板を室温〜180℃の温度サイクル処理を3回実施した結果、ガラスと透明接着剤層の間で界面剥離が発生した。
(比較例2)
ノルボルナンジメチロールジアクリレート(東亞合成(株)試作品 TO−2111、架橋後の屈折率1.520)90重量部とヒドロキシピバルアルデシヒドとトリメチロールプロパンのアセタール化合物のジアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD R−604、架橋後の屈折率1.496)10重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカル製のイルガキュア184)を0.5重量部からなる樹脂組成物(硬化後の屈折率1.512、アッベ数51)に、NEガラス系ガラスクロス(日東紡製#2116タイプ、屈折率1.510)をボールミルで粉砕し、得られたNEガラスフィラー(平均粒径0.5μm)を20体積部添加し
、三本ロールにて混合した透明接着剤を実施例2で用いた透明複合接着剤のかわりに厚み40μmで実施した以外は実施例2と同様に透明複合体を作製した。透明接着剤の全光線透過率は88%、線膨張係数は56ppmであった。しかし、この基板を室温〜180℃の温度サイクル処理を3回実施した結果、ガラスと透明接着剤層の間で界面剥離が発生した。
(比較例3)
ノルボルナンジメチロールジアクリレート(東亞合成(株)試作品 TO−2111、架橋後の屈折率1.520)90重量部とヒドロキシピバルアルデシヒドとトリメチロールプロパンのアセタール化合物のジアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD R−604、架橋後の屈折率1.496)10重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカル製のイルガキュア184)を0.5重量部からなる樹脂組成物(硬化後の屈折率1.512、アッベ数51)に、NEガラス系ガラスクロス(日東紡製#2116タイプ、屈折率1.510)をボールミルで粉砕し、得られたNEガラスフィラー(平均粒径0.5μm)を60体積部添加し
、三本ロールにて混合した透明接着剤を実施例2で用いた透明複合接着剤のかわりに厚み40μmで実施した以外は実施例2と同様に透明複合体を作製した。透明接着剤の全光線透過率は88%、線膨張係数は30ppmであったが、接着剤層に多数の気泡残りが観察された。さらに、この基板を室温〜180℃の温度サイクル処理を3回実施した結果、ガラスと透明接着剤層の間で界面剥離が発生した。
(比較例4)
実施例4で用いたのと同様のフロートガラス板(FL3)のみを用いた。ガラスの打ち破り強度は1であった。
(比較例5)
実施例4で用いたガラス板の間に厚み0.8mmのPVB中間層を設けた合わせガラス。合わせガラスの打ち破り強度は15であった。
(比較例6)
実施例4で用いたガラス板の間に厚み2.3mmのPVB中間層を設けた合わせガラス。合わせガラスの打ち破り強度は80であった。
ノルボルナンジメチロールジアクリレート(東亞合成(株)試作品 TO−2111、架橋後の屈折率1.520)90重量部とヒドロキシピバルアルデシヒドとトリメチロールプロパンのアセタール化合物のジアクリレート(日本化薬(株)製KAYARAD R−604、架橋後の屈折率1.496)10重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカル製のイルガキュア184)を0.5重量部からなる樹脂組成物(硬化後の屈折率1.512、アッベ数51)に、NEガラス系ガラスクロス(日東紡製#2116タイプ、屈折率1.510)をボールミルで粉砕し、得られたNEガラスフィラー(平均粒径0.5μm)を60体積部添加し
、三本ロールにて混合した透明接着剤を実施例2で用いた透明複合接着剤のかわりに厚み40μmで実施した以外は実施例2と同様に透明複合体を作製した。透明接着剤の全光線透過率は88%、線膨張係数は30ppmであったが、接着剤層に多数の気泡残りが観察された。さらに、この基板を室温〜180℃の温度サイクル処理を3回実施した結果、ガラスと透明接着剤層の間で界面剥離が発生した。
(比較例4)
実施例4で用いたのと同様のフロートガラス板(FL3)のみを用いた。ガラスの打ち破り強度は1であった。
(比較例5)
実施例4で用いたガラス板の間に厚み0.8mmのPVB中間層を設けた合わせガラス。合わせガラスの打ち破り強度は15であった。
(比較例6)
実施例4で用いたガラス板の間に厚み2.3mmのPVB中間層を設けた合わせガラス。合わせガラスの打ち破り強度は80であった。
実施例で得られたガラスと透明シート複合体は、透明性を損なわず、温度サイクル処理を行ってもクラック・界面剥離が発生せず、優れたものであった。また、合わせガラスは薄い複合基材層と構成されているにもかかわらず透明性を損なわずに厚みの厚い中間樹脂層を持つ合わせガラス以上の強度を示す、優れたものであった。
線膨張係数の異なる2枚の透明基材を接着する、例えば、透明樹脂とガラスクロス等を複合化した透明複合シート基材と、ガラス基材または透明シート基材等からなる表示パネル用プラスチック基板等の、また、ガラス基材どうしを接着する 例えば、合わせガラスや液晶封止用シール材の接着方法として好適である。
Claims (8)
- 熱及び/又は活性エネルギー線で硬化可能な透明樹脂と繊維布からなる複合組成物を2枚の透明基材に挟んで接着する透明基材の接着方法。
- 前記複合組成物の、硬化後の全光線透過率が70%以上であることを特徴とする請求項1記載の透明基材の接着方法。
- 前記複合組成物の、硬化後の線膨張係数が40ppm以下であることを特徴とする請求項1、2何れか一項記載の透明基材の接着方法。
- 前記透明樹脂の硬化後の屈折率と前記繊維布の屈折率との差が0.01以下であることを特徴とする請求項1〜3何れか一項記載の透明基材の接着方法。
- 前記繊維布の屈折率が1.45〜1.55であることを特徴とする請求項1〜4何れか一項記載の透明基材の接着方法。
- 前記繊維布がガラスクロスであることを特徴とする請求項1〜5何れか一項記載のシートの接着方法。
- 前記繊維布がガラスペーパー(不織布)であることを特徴とする請求項1〜5何れか一項記載の透明基材の接着方法。
- 前記透明樹脂の硬化後のアッベ数が45以上であることを特徴とする請求項1〜7何れか一項記載の透明基材の接着方法。
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---|---|---|---|
JP2003406858A JP2005162959A (ja) | 2003-12-05 | 2003-12-05 | 透明基材の接着方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001019500A (ja) * | 1999-06-30 | 2001-01-23 | Sekisui Chem Co Ltd | 電磁波シールドガラス積層体及びその製造方法 |
JP2001505149A (ja) * | 1997-06-30 | 2001-04-17 | サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション | 保護グレージング積層品のための中間層フィルム |
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-
2003
- 2003-12-05 JP JP2003406858A patent/JP2005162959A/ja active Pending
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