JPH11181390A - デバイス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤 - Google Patents

デバイス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤

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JPH11181390A
JPH11181390A JP35722397A JP35722397A JPH11181390A JP H11181390 A JPH11181390 A JP H11181390A JP 35722397 A JP35722397 A JP 35722397A JP 35722397 A JP35722397 A JP 35722397A JP H11181390 A JPH11181390 A JP H11181390A
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epoxy resin
molecule
sealing
curable adhesive
component
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Application number
JP35722397A
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English (en)
Inventor
Shinji Komori
慎司 小森
Sumiya Miyake
澄也 三宅
Mikio Ito
幹雄 伊藤
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 透明や半透明のガラス板等で、デバイス用中
空パッケージを気密封止するために用いられる接着剤
で、耐湿性に優れ、低応力化がなされ、加熱なしに、迅
速で硬化可能であり、良好な作業性を有するデバイス中
空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤の提供。 【解決手段】 硬化物のTg以下の線膨張係数が4×1
-5(1/℃)以下、吸水率が3.0(%)以下、粘度が
800ポイズ以下、であり、更に(a)1分子内に2個
以上のエポキシ基を有する脂環式エポキシ樹脂、(b)
1分子内に1個以上の芳香環を有するエポキシ樹脂、
(c)1分子内に2個以上の水酸基を有する化合物、
(d)1分子内にエポキシ樹脂と反応可能な官能基を有
するアルコキシシリル化合物、(e)オニウム塩型光カ
チオン硬化開始剤、(f)球状溶融シリカを必須成分と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光透過性の材料、例
えば石英ガラスなどで、デバイス中空パッケージを気密
封止するために用いられる紫外線硬化型接着剤に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】光デバイス、電子デバイス、または光電
子デバイス(以下、単にデバイスと記す)は周囲の温度
変化、湿度変化などに大きく影響を受けるため、樹脂製
のパッケージに封入された状態で使用されることはよく
知られていることである。パッケージの方式としては大
きくは、樹脂封止と気密封止に分類される。このうち気
密封止では、従来、金属を用いたキャン封止が主流であ
ったが、近年、樹脂やセラミックなどの中空パッケージ
内にデバイスを固定し、ケース上部は、光透過性の材
料、例えば石英ガラス、セラミック板などのふたで接着
剤を用い、固定する方式が増加している。従来、接着剤
には熱硬化型のエポキシ樹脂などが用いられることが一
般的であったが、今後、その需要が拡大すると予想され
る光素子、例えば光通信用モジュールの封止においては
デバイスが高熱に弱く、高温にさらすと変質するおそれ
があり、50〜100℃が限界であるため、硬化が不十
分になったり、硬化に長時間を要したりすることが問題
になっている。また、紫外線硬化型樹脂接着剤で最も一
般的なラジカル硬化系のエポキシアクリレートといった
ビニルエステルやウレタンアクリレートは耐湿性が悪か
ったり、接着性が弱いなどの問題点が指摘されている。
【0003】最近、紫外線硬化型樹脂接着剤としてカチ
オン硬化系エポキシ樹脂系接着剤がある。特公平3−3
0633号公報においてはビスフェノール型およびまた
はノボラック型エポキシ化合物と液状脂環族エポキシ化
合物を用いることで接着性、耐水性が良い接着剤となる
ことが記載されている。しかし、本発明者らが、デバイ
ス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤の樹脂組成
物として検討したところ、耐湿性試験で接着剤とふたの
界面で剥離が生じ、内部への水分の侵入により特性変動
が発生した。さらに、温度サイクル試験を実施すると樹
脂にクラックが生じた。本発明者らはこの樹脂組成物の
吸水率が高く、さらに硬化物の線膨張係数が高く、被着
体の線膨張係数との違いから応力が発生して、樹脂にク
ラックが入ったと推察した。線膨張係数をできる限り小
さくする手段として接着剤への無機充填剤の添加が考え
られるが、無機充填剤の多量の添加は接着剤の粘度を著
しく増大させ、作業性を非常に悪いものとする問題が生
じている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述の問題点
を解決すべく、鋭意検討の結果なされたものであり、透
明や半透明のガラス板などで、デバイス用中空パッケー
ジを気密封止するために用いられる接着剤で、きわめて
耐湿性に優れ、かつ低応力化がなされ、加熱することな
しに、迅速で硬化可能であり、良好な作業性を有するデ
バイス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はデバイス中空パ
ッケージを封止する際に用いられる紫外線硬化型接着剤
において、当該接着剤硬化物の(A)ガラス転移点以下
の温度領域の線膨張係数が4×10-5(1/℃)以下であ
り、(B)吸水率が3.0(%)以下であり、当該接着
剤の(C)粘度が800ポイズ以下であり、さらに
(a)1分子内に2個以上のエポキシ基を有する脂環式
エポキシ樹脂、(b)1分子内に1個以上の芳香環を有
するエポキシ樹脂、(c)1分子内に2個以上の水酸基
を有する化合物、(d)1分子内にエポキシ樹脂と反応
可能な官能基を有するアルコキシシリル化合物、(e)
オニウム塩型光カチオン硬化開始剤、(f)球状溶融シ
リカを必須成分とすることを特徴とするデバイス中空パ
ッケージ封止用紫外線硬化型接着剤を提供するものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】一般にデバイスの信頼性試験にお
いて、重要な試験方法の1つとして温度サイクル試験が
ある。この温度サイクル試験は、パッケージや試験片を
冷熱衝撃条件、例えば、下限-40℃、上限85℃、にくり
返しさらし、発生しうる応力に帰因するデバイスの特性
変動や樹脂クラックの有無を試験するものである。一般
に温度サイクル試験では線膨張係数の値が重要な意味を
持ち、被着体と接着剤との線膨張係数の差が大きくなる
と界面に応力が発生する。従って、パッケージの材質の
線膨張係数が10-5〜10-6台であることを考慮すれ
ば、ガラス転移点以下の温度領域の線膨張係数が4×1
-5(1/℃)以下であることは良好な耐温度サイクル性
実現のためには必須条件ということができる。この観点
から元来、線膨張係数を小さい溶融シリカを用いること
は自明なことであるが、さらに本発明者らが検討した結
果、充填剤の形状もきわめて重要なファクターであるこ
とが判明した。すなわち、球状の溶融シリカを用いると
良好な耐温度サイクル性を実現できることが判明した。
この理由は詳細には不明だが、形状が破砕状であると充
填剤と樹脂界面やさらにはデバイス近傍において充填剤
に鋭いエッジがあるとその先端からクラックが発生する
ことが考えられる。
【0007】さらに充填剤に関して述べると球状溶融シ
リカは80μm以上の粒子を含まないことがより好まし
い。80μm以上の粒子を含んだ球状溶融シリカを使用
すると接着剤を塗布する際に用いるディスペンサーのノ
ズルづまりを招くおそれがあり、樹脂の回り込み性も悪
くなる場合もある。また、本接着剤に用いる球状溶融シ
リカが、平均粒径0.3μm以上、2μm以下の球状溶
融シリカXと、平均粒径2μm以上、50μm以下の球
状溶融シリカYとからなり、かつ球状溶融シリカXの添
加重量xと球状溶融シリカYの添加重量yが5:95か
ら40:60の範囲内であることがより好ましい。この
場合、球状溶融シリカが最密充填構造となりシリカを大
量に添加しても粘度上昇を抑えることができる。さらに
樹脂硬化物の硬化収縮を少なくしたり、十分に線膨張係
数を下げる効果を得るために、球状溶融シリカが本接着
剤中にしめる重量分率で50重量パーセント以上である
ことがより好ましい。
【0008】さらにデバイスの信頼性試験において、耐
湿性試験も重要である。耐湿性試験はパッケージや樹脂
硬化物を高温高湿条件にさらし、特性変動や外観不良、
例えば封止キャップ(ふた)の剥離の有無を試験するも
のである。本発明者らはデバイス中空パッケージ封止用
紫外線硬化型接着剤においては、耐湿性試験における不
良の発生は接着剤の硬化物の吸水率に大きく帰因するこ
とを見いだした。すなわち、試験方法として、試験片の
大きさは20×20×1mmとし、85℃、85%に設
定した恒温恒湿槽に24時間投入し、吸湿処理前後の硬
化物の重量変化率から算出した吸水率が3.0(%)以
下であると、耐湿性試験で封止キャップ(ふた)の剥離
や内部への水の侵入による特性変動といった不良が発生
しないことが判明した。吸水率が3.0(%)を越える
と、樹脂自体の膨潤や界面の劣化からふたが剥離した
り、内部への水の多量の侵入で特性変動が発生する。
【0009】また、本発明の必須成分である1分子内に
2個以上のエポキシ基を有する脂環式エポキシ樹脂は、
シクロヘキセン又はシクロペンテンといった環内に2重
結合を有する化合物を過酢酸などの適当な酸化剤を用い
てエポキシ化することによって得られるシクロヘキヘン
オキサイド又はシクロペンテンオキサイドといった脂環
式エポキシ基含有化合物である。脂環式エポキシ樹脂の
代表例としては下記の式で表されるものが挙げられる。
【0010】
【化1】
【0011】脂環式エポキシ樹脂は、分子内のエポキシ
基で環ひずみがあるため、カチオン硬化系での反応性が
よいことが特徴である。従って脂環式エポキシ樹脂をデ
バイス用中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤に適
用すると、硬化は短時間で終了し、作業効率が向上す
る。本接着剤の必須成分である脂環式エポキシ樹脂はエ
ポキシ当量が100以上、2000以下であることがよ
り好ましい。エポキシ当量が100以下であると硬化物
の架橋密度が上がり、脆くなる可能性がある。エポキシ
当量が2000以上であると硬化性が悪くなり、長時
間、紫外線を照射してもタックがなくならないといった
不具合が生じる場合がある。脂環式エポキシ樹脂と光開
始剤で接着剤が構成された場合、その硬化物は脆くなっ
てしまい、温度サイクル試験といった信頼性試験でクラ
ックが発生することがある。さらに、脂環式エポキシ樹
脂と光開始剤のみの場合、吸水率が高くなり、デバイス
の耐湿性試験で不良が多発する。これは脂環式エポキシ
樹脂が比較的極性の高い官能基を有しており、また、撥
水性の置換基が少ないため、樹脂自体の吸湿性が高くな
るからである。
【0012】本発明者らは脂環式エポキシ樹脂と1分子
内に1個以上の芳香環を有するエポキシ樹脂を組み合わ
せ、さらに1分子内に2個以上の水酸基を有する化合
物、より好ましくは多価アルコールである化合物を組み
合わせることで、靱性が付与され、さらにデバイスの耐
湿性試験でふたの剥離といった不良が出ないことが判明
した。
【0013】1分子内に1個以上の芳香環を有するエポ
キシ樹脂は芳香環が分子内にあることで分子自体が撥水
性となり吸水率が下がる。このような1分子内に1個以
上の芳香環を有するエポキシ樹脂の例としては、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールAD型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ(株)製
商品名YX4000といったビフェニル型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性
フェノールノボラック型樹脂、ナフトール類とカルボニ
ル基含有化合物との共縮合樹脂のエポキシ変性化合物な
どが例示できる。さらに、1分子内に1個以上の芳香環
を有するエポキシ樹脂が、ビスフェノール型エポキシ樹
脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ
樹脂、置換フェノール型エポキシ樹脂であることがより
好ましい。この場合、分子内の芳香環ユニットの含有率
が高くなり撥水性がより高くなる。さらに、硬化物に靱
性を付与し、接着性を向上させることができる。さら
に、1分子内に1個以上の芳香環を有するエポキシ樹脂
がビスフェノール型エポキシ樹脂、さらにビスフェノー
ルAD型エポキシ樹脂であることがより好ましい。ビス
フェノールAD型エポキシ樹脂は1分子内に1個以上の
芳香環を有するエポキシ樹脂のなかで樹脂自体の粘度が
低く、デバイス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着
剤に添加した場合、粘度を800ポイズ以下に抑えるこ
とができる。1分子内に1個以上の芳香環を有するエポ
キシ樹脂において低粘度の樹脂と知られているビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂を用いることはなんら問題ない
が、本発明者らが検討した結果、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂では開始剤の相溶性が悪くなるものがあり、
開始剤の種類を選択する幅が狭くなるおそれがあり、デ
バイス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤に用い
る1分子内に1個以上の芳香環を有するエポキシ樹脂と
してビスフェノールAD型エポキシ樹脂を用いることが
より好ましい。デバイス中空パッケージ封止用紫外線硬
化型接着剤の粘度が800ポイズ以上だと、ディスペン
サーによる塗布がしずらくなり、さらに接着剤の回り込
み性も悪くなる。さらに、1分子内に1個以上の芳香環
を有するエポキシ樹脂がビスフェノールAD型エポキシ
樹脂であると、デバイス中空パッケージ封止用紫外線硬
化型接着剤の必須成分である球状溶融シリカを多量に添
加しても粘度の上昇を抑えることができる。
【0014】接着剤の必須成分である1分子内に2個以
上の水酸基を有する化合物は多価アルコールであること
がより好ましい。多価アルコールはエポキシ樹脂との反
応性がよく、接着剤に硬化促進性、可とう性を付与する
作用がある。接着剤に添加する多価アルコールは水酸基
当量が15000以下であることがより好ましい。水酸
基当量が15000こえるの場合、硬化性が低下した
り、未反応物が硬化物に残存する場合もある。さらに水
酸基当量が15000こえるの場合、硬化物のガラス転
移点を下げる場合もある。
【0015】このような1分子内に2個以上の水酸基を
有する化合物の代表例としては、ヘキサンジオール、ネ
オペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリ
セリンなどの多価アルコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレング
リコール類、水酸基変性ポリブタジエンなどが例示でき
る。
【0016】さらに、1分子内にエポキシ樹脂と反応可
能な官能基を有するアルコキシシリル化合物は接着剤に
接着性を付与するという観点で接着剤の必須成分であ
る。エポキシ樹脂と反応可能な官能基を有さないアルコ
キシシリル化合物の場合、硬化物中に未反応物として残
存し、耐湿性試験を実施した際、ブリードがおこること
があり、好ましくない。さらに、本接着剤の硬化系がカ
チオン系であることからエポキシ樹脂と速やかに反応す
る官能基としては脂環式エポキシ基であることがより好
ましい。このような例としては日本ユニカー(株) 商品
名A−186といったエポキシシランカップリング剤が
例示できる。
【0017】本接着剤の必須成分であるオニウム塩型光
カチオン硬化開始剤はとしてはジアゾニウム塩、ヨード
ニウム塩、スルホニウム塩などが例示できる。ジアゾニ
ウム塩は光に対する活性は高いが、光分解する際、窒素
を発生しることから硬化物に気泡を巻き込むおそれがあ
る。また、ヨードニウム塩は紫外線照射を受けて酸を発
生する効率が少ないという点で問題があり、光カチオン
硬化開始剤としてはスルホニウム塩であることがより好
ましい。さらにスルホニウム塩はエポキシ樹脂との相溶
性の点で、ヒドロキシアルキル基を有することがより好
ましく、熱安定性が良いトリアリールスルホニウム塩で
あることがより好ましい。ヒドロキシアルキル基が分子
内にないとエポキシ樹脂と混合した際、相分離を起こす
場合がある。また、スルホニウム塩の置換基がアリール
基以外、例えばメチレン基といったアルキル基がある場
合、接着剤が紫外線の照射を受けることなしに分解し酸
を発生するおそれがある。そのため、接着剤のポットラ
イフが低下する場合がある。
【0018】また、本発明においては可とう性を得るた
めのエラストマー、消泡剤、チキソ付与剤、希釈剤を必
要に応じて添加することは何らさしつかえない。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に示す
が、これによって本発明が限定されるものではない。
【0020】(実施例1〜5及び比較例1〜5)実施例
及び比較例における各成分の配合は表1および表2に示
した通りとし、各成分をディスパーザーを用い加熱、溶
融、混合した後、5インチ3本ロールを用い混練し、粘
ちょうな液状の紫外線硬化型接着剤を得た。また、比較
例5については同様の方法で熱硬化型接着剤を得た。
【0021】(硬化物の作製)40×40×1mmの2
枚のガラス板の間に、40×40×1mmのシリコーン
樹脂シートの中央部に20×20mmの窓を刳り貫いて
作成した枠板を挟み、枠板の窓部に紫外線硬化型接着剤
を流し込んで密封した後、高圧水銀ランプにより、照度
60mW/cm2で120秒間紫外線を照射して硬化さ
せ、硬化物を得た。なお、比較例4については熱硬化型
接着剤であるので、50℃、3時間の熱硬化条件で硬化
させた。
【0022】(線膨張係数の測定)硬化物の線膨張係数
はJIS K 7197に準拠し、熱機械分析装置にて
5℃/minの昇温速度で測定した。結果は表1、表2にま
とめた。
【0023】(吸水率の測定)硬化物の吸水率はJIS
C 2105に準拠して測定した。試験片の大きさは
20×20×1mmとし、硬化物の重量を測定後、85
℃、85%に設定した恒温恒湿槽に24時間投入した。
吸湿処理前後の硬化物の重量を測定し、下式を用い、重
量変化率から吸水率を求めた。結果は表1、表2にまと
めた。 吸水率(%)=(吸湿処理後の重量−吸湿処理前の重
量)/吸湿処理前の重量×100
【0024】(粘度の測定)粘度はコーンプレート型粘
度計を用い、25℃で測定した。結果は表1、表2にま
とめた。
【0025】接着剤の評価は図1に示した模擬中空パッ
ケージにディスペンサーを用い塗布し、石英ガラス製ふ
たで、気密封止し、高圧水銀ランプを使用し、照度60
mW/cm2で120秒間紫外線を照射し、ふたを固定
した。比較例4については50℃、3時間の熱硬化条件
でふたを固定した。そのパッケージに対し、温度サイク
ル試験(上限85℃、下限−40℃で各30分間毎の繰
り返し)、及び高温高湿保管試験(85℃、湿度85%
で保管)を実施した。なお、これらの試験における不良
の判定はパッケージの切り欠き部にて、ふたの側面をプ
ッシュプルゲージでひっかけて、接着力を測定し、5k
gf以下になったところで不良と見なした。結果は表
1、表2にまとめる。
【0026】
【表1】
【0027】注1 ダイセル化学工業(株)製 脂環式エ
ポキシ樹脂 注2 旭電化工業(株)製 脂環式エポキシ 注3 三井化学(株)製 ビスフェノールAD型エポキシ
樹脂 注4 油化シェルエポキシ(株)製 ビスフェノールA型
エポキシ樹脂 注5 大日本インキ化学工業(株)製 フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂 注6 大日本インキ化学工業(株)製 希釈用エポキシ樹
脂 注7 保土谷化学工業(株)製 ポリテトラメチレングリ
コールエーテル 注8 日本ユニカー(株)製 脂環式エポキシシランカッ
プリング剤 注9 日本ユニカー(株)製 水酸基含有ポリマー型シラ
ンカップリング剤 注10 平均粒径1μmで80μm以上の粗粒子をカッ
トした球状溶融シリカ 注11 平均粒径6μmで80μm以上の粗粒子をカッ
トした球状溶融シリカ
【0028】
【表2】
【0029】注1 ユニオンカーバイド日本(株)製 脂
環式エポキシ樹脂 注2 長瀬産業(株)製 フェニルグリシジルエーテル 注3 油化シェルエポキシ(株)製 ビスフェノールF型
エポキシ樹脂 注4 米国スリーエム(株)製 光開始剤 注5 ダイセル・ユーシービ(株)製 芳香族ウレタンア
クリレート樹脂 注6 昭和高分子(株)製 ビニルエステル樹脂 注7 日本チバガイギー(株)製 光開始剤 注8 平均粒径10μmで81μm以上の粗粒子をカッ
トした破砕溶融シリカ 注9 ディスペンス困難で、サンプル作製不可能
【0030】
【発明の効果】本発明によるデバイス中空パッケージ封
止用紫外線硬化型接着剤は硬化物の線膨張係数が小さい
ため、中空パッケージとの線膨張係数の違いによる応力
発生を防止出来、また、吸水率が小さいため耐湿性に優
れ、気密封止したデバイスの特性変動を無くすことが出
来る。さらに、粘度が低いので作業性の点でも優れてい
る。また、加熱することなしに迅速に硬化することが可
能で、透明や半透明のガラス板などでデバイス中空パッ
ケージを気密封止するために用いられる接着剤として最
適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例において、温度サ
イクル試験および高温高湿保管試験を行うために用い
る、模擬中空パッケージの形状を示す図である。
【符号の説明】
1 セラミック製模擬中空パッケージ 2 のりしろ 3 切り欠き部 4 石英ガラス製ふた

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デバイス中空パッケージを封止する際に
    用いられる紫外線硬化型接着剤において、当該接着剤硬
    化物の(A)ガラス転移点以下の温度領域の線膨張係数
    が4×10-5(1/℃)以下であり、(B)吸水率が3.
    0(%)以下であり、当該接着剤の(C)粘度が800
    ポイズ以下であり、さらに(a)1分子内に2個以上の
    エポキシ基を有する脂環式エポキシ樹脂、(b)1分子
    内に1個以上の芳香環を有するエポキシ樹脂、(c)1
    分子内に2個以上の水酸基を有する化合物、(d)1分
    子内にエポキシ樹脂と反応可能な官能基を有するアルコ
    キシシリル化合物、(e)オニウム塩型光カチオン硬化
    開始剤、(f)球状溶融シリカを必須成分とすることを
    特徴とするデバイス中空パッケージ封止用紫外線硬化型
    接着剤。
  2. 【請求項2】 成分(a)の1分子内に2個以上のエポ
    キシ基を有する脂環式エポキシ樹脂がエポキシ当量10
    0以上、2000以下であることを特徴とする請求項1
    記載のデバイス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着
    剤。
  3. 【請求項3】 成分(b)の1分子内に1個以上の芳香
    環を有するエポキシ樹脂がビスフェノール型エポキシ樹
    脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ
    樹脂、置換フェノール型エポキシ樹脂よりなる群から少
    なくとも1種選ばれるエポキシ樹脂であることを特徴と
    する請求項1記載のデバイス中空パッケージ封止用紫外
    線硬化型接着剤。
  4. 【請求項4】 成分(b)の1分子内に1個以上の芳香
    環を有するエポキシ樹脂がビスフェノール型エポキシ樹
    脂であることを特徴とする請求項1記載のデバイス中空
    パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤。
  5. 【請求項5】 成分(b)の1分子内に1個以上の芳香
    環を有するエポキシ樹脂がビスフェノールAD型エポキ
    シ樹脂であることを特徴とする請求項1記載のデバイス
    中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤。
  6. 【請求項6】 成分(c)の1分子内に2個以上の水酸
    基を有する化合物が多価アルコールであることを特徴と
    する請求項1記載のデバイス中空パッケージ封止用紫外
    線硬化型接着剤。
  7. 【請求項7】 成分(c)の1分子内に2個以上の水酸
    基を有する化合物の水酸基当量が15000以下である
    ことを特徴とする請求項1記載のデバイス中空パッケー
    ジ封止用紫外線硬化型接着剤。
  8. 【請求項8】 成分(d)の1分子内にエポキシ樹脂と
    反応可能な官能基を有するアルコキシシリル化合物が脂
    環式エポキシ基を有するアルコキシシリル化合物である
    ことを特徴とする請求項1記載のデバイス中空パッケー
    ジ封止用紫外線硬化型接着剤。
  9. 【請求項9】 成分(e)のオニウム塩型光カチオン硬
    化開始剤がスルホニウム塩であることを特徴とする請求
    項1記載のデバイス中空パッケージ封止用紫外線硬化型
    接着剤。
  10. 【請求項10】 成分(e)のオニウム塩型光カチオン
    硬化開始剤がトリアリールスルホニウム塩であることを
    特徴とする請求項1記載のデバイス中空パッケージ封止
    用紫外線硬化型接着剤。
  11. 【請求項11】 成分(e)のオニウム塩型光カチオン
    硬化開始剤が分子内にヒドロキシアルキル基を有するト
    リアリールスルホニウム塩であることを特徴とする請求
    項1記載のデバイス中空パッケージ封止用紫外線硬化型
    接着剤
  12. 【請求項12】 成分(f)の球状溶融シリカが、最大
    粒径80μm以上の粒子を含まないことを特徴とする請
    求項1記載のデバイス中空パッケージ封止用紫外線硬化
    型接着剤。
  13. 【請求項13】 成分(f)の球状溶融シリカが平均粒
    径0.3μm以上、2μm以下の球状溶融シリカXと、
    平均粒径2μm以上、50μm以下の球状溶融シリカY
    とからなり、かつ球状溶融シリカXの添加重量xと球状
    溶融シリカYの添加重量yが5:95から40:60の
    範囲内であることを特徴とする請求項1記載のデバイス
    中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤。
  14. 【請求項14】 成分(f)の球状溶融シリカが当該接
    着剤中に占める重量分率で50重量パーセント以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載のデバイス中空パッケ
    ージ封止用紫外線硬化型接着剤。
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