JPH11116934A - デバイス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤 - Google Patents

デバイス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤

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JPH11116934A
JPH11116934A JP28069597A JP28069597A JPH11116934A JP H11116934 A JPH11116934 A JP H11116934A JP 28069597 A JP28069597 A JP 28069597A JP 28069597 A JP28069597 A JP 28069597A JP H11116934 A JPH11116934 A JP H11116934A
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JP
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molecule
sealing
epoxy resin
adhesive
hollow package
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Application number
JP28069597A
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Inventor
Shinji Komori
慎司 小森
Mikio Ito
幹雄 伊藤
Sumiya Miyake
澄也 三宅
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化物の線膨張係数が小さくて中空パッケー
ジとの線膨張係数の違いによる応力発生を防止出来、吸
水率が小さく耐湿性に優れ、気密封止したデバイスの特
性変動を無くすことが出来、また、加熱することなしに
迅速に硬化することが可能な、光デバイス、電子デバイ
ス、および光電子デバイスの中空パッケージ封止用紫外
線硬化型接着剤を提供する。 【解決手段】 1分子内に2個以上のエポキシ基を有す
る脂環式エポキシ樹脂(a)、1分子内に1個以上の芳
香環を有するエポキシ樹脂(b)、1分子内に2個以上
の水酸基を有する化合物(c)、1分子内にエポキシ樹
脂と反応可能な官能基を有するアルコキシシリル化合物
(d)、光カチオン硬化開始剤(e)、および、シリカ
(f)を必須成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光透過性の材料、
例えば石英ガラスなどで、光デバイスや電子デバイス、
光電子デバイスなどの中空パッケージを気密封止するた
めに用いられる、紫外線硬化型接着剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】光デバイス、電子デバイス、または光電
子デバイス(以下、単にデバイスと記す)は、周囲の温
度変化や湿度変化などによって大きく影響を受けるた
め、パッケージに封入された状態で使用されることはよ
く知られている。パッケージの方式としては、大きくは
樹脂封止と気密封止に分類される。気密封止でとは、従
来、金属を用いたキャン封止や低融点ガラスを用いての
封止が主流であったが、近年は、樹脂やセラミックなど
の中空パッケージ内にデバイスを固定し、ケース上部に
は光透過性の材料、例えば石英ガラス、セラミック板な
どのふたを、接着剤を用いて固定する方式が増加してい
る。
【0003】従来、接着剤には熱硬化型のエポキシ樹脂
などが用いられることが一般的であったが、今後は、そ
の需要が拡大すると予想される光素子や光電素子、例え
ば光通信用モジュールの封止においては、デバイスが高
熱に弱く、高温にさらすと変質する恐れがあり、50〜
100℃が限界であるため、それでは硬化が不十分にな
ったり、硬化に長時間を要したりすることが問題になっ
ている。一方、紫外線硬化型樹脂接着剤では、最も一般
的なラジカル硬化系のエポキシアクリレートのような、
ビニルエステルやウレタンアクリレートは耐湿性が悪か
ったり、接着性が弱いなどの問題点が指摘されている。
【0004】最近、紫外線硬化型樹脂接着剤として、カ
チオン硬化系エポキシ樹脂系接着剤が知られるようにな
った。特公平3−30633号公報においては、ビスフ
ェノール型および/またはノボラック型のエポキシ化合
物と、液状脂環族エポキシ化合物を用いることで、接着
性や耐水性の良い接着剤となることが記載されている。
しかし、本発明者らが、デバイス中空パッケージ封止用
紫外線硬化型接着剤の樹脂組成物として検討したとこ
ろ、耐湿性試験で接着剤とふたの界面で剥離が生じ、内
部への水分の侵入により特性変動が発生した。さらに、
温度サイクル試験を実施すると、樹脂にクラックが生じ
た。本発明者らは、この樹脂組成物の吸水率が高く、さ
らに硬化物の線膨張係数が高く、被着体の線膨張係数と
の違いから応力が発生して、樹脂にクラックが入ったも
のと推察した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述のよう
な問題点を解決すべく鋭意検討の結果なされたものであ
り、透明や半透明のガラス板などでデバイス用中空パッ
ケージを気密封止するために用いられる接着剤であっ
て、きわめて耐湿性に優れ、かつ低応力化がなされ、加
熱することなしに迅速に硬化することが可能な、紫外線
硬化型接着剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、光デバイ
ス、電子デバイス、または光電子デバイスの中空パッケ
ージを封止するために用いられる接着剤であって、硬化
物のガラス転移点以下の温度領域における線膨張係数が
6×10-5/℃以下で、且つ、吸水率が5.0%以下で
あることを特徴とする、デバイス封止用紫外線硬化型接
着剤である。
【0007】またさらに第2の発明は、光デバイス、電
子デバイス、または光電子デバイスの中空パッケージを
封止するために用いられる接着剤であって、1分子内に
2個以上のエポキシ基を有する脂環式エポキシ樹脂
(a)、1分子内に1個以上の芳香環を有するエポキシ
樹脂(b)、1分子内に2個以上の水酸基を有する化合
物(c)、1分子内にエポキシ樹脂と反応可能な官能基
を有するアルコキシシリル化合物(d)、光カチオン硬
化開始剤(e)、および、シリカ(f)を必須成分とす
ることを特徴とする、デバイス中空パッケージ封止用紫
外線硬化型接着剤である。
【0008】
【発明の実施の形態】デバイスの信頼性試験において、
重要な試験方法の1つとして温度サイクル試験がある。
この温度サイクル試験は、パッケージや試験片を冷熱衝
撃条件、例えば、下限−40℃、上限85℃にくり返し
てさらし、発生した応力に帰因するデバイスの特性変動
や樹脂クラックの有無を観察するものである。一般に温
度サイクル試験では、線膨張係数の値が重要な意味を持
ち、被着体と接着剤との線膨張係数の差が大きくなる
と、界面に応力が発生する。従って、パッケージの材質
の線膨張係数が10-5〜10-6台であることを考慮すれ
ば、ガラス転移点以下の温度領域における線膨張係数
が、6×10-5/℃以下であることは、良好な耐温度サ
イクル性実現のためには必須条件ということができる。
また、ガラス転移点を境界値として、ガラス転移点以上
の温度では線膨張係数が急激に大きくなることを考慮す
れば、ガラス転移点が温度サイクル試験の上限温度より
高いことが、より好ましいという事実にも注意を要す
る。
【0009】さらに、デバイスの信頼性試験において、
耐湿性試験も重要である。耐湿性試験は、パッケージや
樹脂硬化物を高温高湿条件にさらし、特性変動や外観不
良、例えば封止キャップ(ふた)の剥離の有無を観察す
るものである。本発明者らは、デバイス中空パッケージ
封止用紫外線硬化型接着剤においては、耐湿性試験にお
ける不良の発生は、接着剤の硬化物の吸水率に大きく帰
因することを見い出した。すなわち、試験方法として、
試験片の大きさは20×20×1mmとし、85℃、湿
度85%に設定した恒温恒湿槽に24時間投入した。そ
して、吸湿処理前後の硬化物の重量変化率から算出した
吸水率が5.0%以下であれば、耐湿性試験では封止キ
ャップ(ふた)の剥離や、内部への水の侵入による特性
変動といった、不良が発生しないことが判明した。吸水
率が5.0%を越えると、樹脂自体の膨潤や界面の劣化
から、ふたが剥離したり、内部への水の多量の侵入で特
性変動が発生する。
【0010】また、本発明の必須成分である、1分子内
に2個以上のエポキシ基を有する脂環式エポキシ樹脂
(a)は、シクロヘキセン又はシクロペンテンといっ
た、環内に2重結合を有する化合物を過酢酸などの適当
な酸化剤を用いてエポキシ化することによって得られ
る、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキ
サイドといった脂環式エポキシ基含有化合物である。脂
環式エポキシ樹脂の代表例としては、下記のような式で
表される種々のものが挙げられる。
【0011】
【化1】
【0012】脂環式エポキシ樹脂は、分子内のエポキシ
基で環ひずみがあるため、カチオン硬化系での反応性が
よいことが特徴である。従って、脂環式エポキシ樹脂を
デバイス用中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤に
適用すると、硬化は短時間で終了し、作業効率が向上す
る。本接着剤の必須成分である脂環式エポキシ樹脂は、
エポキシ当量が100以上、2000以下であることが
より好ましい。エポキシ当量が100以下だと、硬化物
の架橋密度が上がり脆くなる可能性がある。また、エポ
キシ当量が2000以上だと、硬化性が悪くなり、長時
間紫外線を照射してもタックがなくならないといった不
具合が生じる場合がある。脂環式エポキシ樹脂と光開始
剤で接着剤が構成された場合、その硬化物は脆くなって
しまい、温度サイクル試験のような信頼性試験でクラッ
クが発生することがある。さらに、脂環式エポキシ樹脂
と光開始剤のみの場合は、吸水率が5.0%以上とな
り、デバイスの耐湿性試験で不良が多発する。これは脂
環式エポキシ樹脂が、比較的極性の高い官能基を有して
おり、また、撥水性の置換基が少ないため、樹脂自体の
吸湿性が高くなるからである。
【0013】本発明者らは、脂環式エポキシ樹脂(a)
と1分子内に1個以上の芳香環を有するエポキシ樹脂
(b)を組み合わせ、さらに1分子内に2個以上の水酸
基を有する化合物(c)、より好ましくは多価アルコー
ルである化合物を組み合わせることで、靱性が付与さ
れ、さらにデバイスの耐湿性試験でふたの剥離といった
不良が出ないことを見い出した。
【0014】1分子内に1個以上の芳香環を有するエポ
キシ樹脂(b)は、芳香環が分子内にあることで、分子
自体が撥水性となり吸水率が下がる。このような1分子
内に1個以上の芳香環を有するエポキシ樹脂の例として
は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、
油化シェルエポキシ(株)製 商品名YX4000のよう
なビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、
ジシクロペンタジエン変性フェノールノボラック型樹
脂、ナフトール類とカルボニル基含有化合物との共縮合
樹脂のエポキシ変性化合物などが例示できる。また、1
分子内に1個以上の芳香環を有するエポキシ樹脂が、ビ
スフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂、置換フェノール型エポ
キシ樹脂であることがより好ましい。この場合、分子内
の芳香環ユニットの含有率が高くなり撥水性がより高く
なる。さらに、硬化物に靱性を付与し、接着性を向上さ
せることができる。
【0015】本発明による接着剤の必須成分である、1
分子内に2個以上の水酸基を有する化合物(c)は、多
価アルコールであることがより好ましい。多価アルコー
ルはエポキシ樹脂との反応性がよく、接着剤に硬化促進
性や可とう性を付与する作用がある。接着剤に添加する
多価アルコールは、水酸基当量が15000以下である
ことがより好ましい。水酸基当量が15000を越える
場合、硬化性が低下したり、未反応物が硬化物に残存す
る場合もある。さらに、硬化物のガラス転移点を低下さ
せる場合もある。
【0016】このような1分子内に2個以上の水酸基を
有する化合物(c)の代表例としては、ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリンなどの多価アルコール、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキ
レングリコール類、水酸基変性ポリブタジエンなどが例
示できる。
【0017】さらに、1分子内にエポキシ樹脂と反応可
能な官能基を有するアルコキシシリル化合物(d)は、
接着剤に接着性を付与するための必須成分である。エポ
キシ樹脂と反応可能な官能基を有さないアルコキシシリ
ル化合物の場合、硬化物中に未反応物として残存し、耐
湿性試験を実施した際、ブリードがおこることがあり、
好ましくない。さらに、本接着剤の硬化系がカチオン系
であることから、エポキシ樹脂と速やかに反応する官能
基としては脂環式エポキシ基であることがより好まし
い。このような例としては、日本ユニカー(株)の商品名
A−186のようなエポキシシランカップリング剤が例
示できる。
【0018】本接着剤の必須成分である光カチオン硬化
開始剤(e)としては、ジアゾニウム塩、ヨードニウム
塩、スルホニウム塩などが例示できる。ジアゾニウム塩
は光に対する活性は高いが、光分解する際に窒素を発生
するため、硬化物に気泡を巻き込むおそれがある。ま
た、ヨードニウム塩は紫外線照射を受けて酸を発生する
効率が少ないという点で問題があり、光カチオン硬化開
始剤としては、スルホニウム塩であることがより好まし
い。さらに、スルホニウム塩はエポキシ樹脂との相溶性
の点で、ヒドロキシアルキル基を有することがより好ま
しく、熱安定性の良いトリアリールスルホニウム塩であ
ることがより好ましい。ヒドロキシアルキル基が分子内
にないと、エポキシ樹脂と混合した際に相分離を起こす
場合がある。また、スルホニウム塩の置換基がアリール
基以外、例えばメチレン基のようなアルキル基がある場
合、接着剤が紫外線の照射を受けることなしに分解し
て、酸を発生するおそれがある。そのため、接着剤のポ
ットライフが低下する場合がある。
【0019】また、シリカ(f)は、樹脂硬化物の線膨
張係数を小さくするための、接着剤の必須成分である。
シリカは、接着剤中に多量に入れると粘度が上昇し、作
業性が悪くなるが、シリカとして球状溶融シリカを用い
ることにより、粘度上昇を抑え、多量に添加することが
できる。また、球状溶融シリカを添加すると、紫外線照
射による硬化の際、硬化物中で光の散乱が均一に大きく
なり、厚膜の硬化が可能となる。さらに、使用する球状
溶融シリカは、80μm以上の粒子を含まないことがよ
り好ましい。80μm以上の粒子を含んだシリカを使用
すると、接着剤を塗布する際に用いるディスペンサーの
ノズルづまりを招くおそれがあり、樹脂の回り込み性が
悪くなる場合もある。
【0020】また、本接着剤に用いるシリカが、平均粒
径0.3μm以上、2μm以下の球状溶融シリカXと、
平均粒径2μm以上、50μm以下の球状溶融シリカY
とからなり、かつ球状溶融シリカXの添加重量xと、球
状溶融シリカYの添加重量yの比が、5:95から4
0:60の範囲内であることがより好ましい。この場
合、シリカが最密充填構造となり、シリカを大量に添加
しても粘度上昇を抑えることができる。さらに、樹脂硬
化物の硬化収縮を少なくしたり、十分に線膨張係数を下
げる効果を得るためには、シリカが本接着剤中に占める
重量分率が、30重量パーセント以上であることがより
好ましい。
【0021】また本発明においては、可とう性を得るた
めのエラストマー、消泡剤、チキソ付与剤、希釈剤を必
要に応じて添加することは何ら差し支えない。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に示す
が、これによって本発明が何ら限定されるものではな
い。
【0023】(実施例1〜5、及び比較例1〜4)実施
例については表1、比較例については表2に示した配合
により、各成分をディスパーザーを用いて加熱、溶融、
混合した後、5インチ3本ロールを用いて混練し、粘ち
ょうな液状の接着剤を得た。なお、比較例4は熱硬化型
であるが、他と同様な方法で接着剤を調製した。得られ
た各接着剤について、下記の方法により硬化物試料を作
成し、線膨張係数および吸水率を測定した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】(硬化物の作製)40×40×厚さ1mm
の2枚のガラス板の間に、40×40×厚さ1mmのシ
リコーン樹脂シートの中央部に20×20mmの窓を刳
り貫いて作成した枠板を挟み、枠板の窓部に紫外線硬化
型接着剤を流し込んで密封した後、高圧水銀ランプによ
り、照度60mW/cm2で120秒間紫外線を照射して
硬化させ、硬化物を得た。なお、比較例4については熱
硬化型接着剤であるので、50℃、3時間の熱硬化条件
で硬化させた。
【0027】(線膨張係数の測定)硬化物の線膨張係数
は、JIS−K7197に準拠し、熱機械分析装置にて
5℃/minの昇温速度で測定した。
【0028】(吸水率の測定)硬化物の吸水率は、JI
S−C2105に準拠して測定した。試験片の大きさは
20×20×1mmとし、硬化物の重量を測定した後、
85℃、85%に設定した恒温恒湿槽に24時間投入し
た。吸湿処理後の硬化物の重量を測定し、吸湿処理前の
重量に対する、重量変化率(%)を求めた。
【0029】(接着剤の評価)図1に示したセラミック
製の模擬中空パッケージ(1)の、のりしろ(2)部に、デ
ィスペンサーを用いて接着剤を塗布し、石英ガラス製ふ
た(4)で覆った後、気密封止し、高圧水銀ランプを使用
して、照度60mW/cm2で120秒間紫外線を照射
し、ふたを固定した。比較例4については、50℃、3
時間の熱硬化条件でふたを固定した。なお、模擬中空パ
ッケージ(1)の寸法は、長さ12.5mm、幅7.5m
m、高さ3.6mm、周囲の壁の厚さ0.4mmで、その
底部およびふた(4)の厚さは0.3mmであった。
【0030】これらの各パッケージに対して、温度サイ
クル試験(上限85℃、下限−40℃で各30分間毎の
繰り返し)、及び、高温高湿保管試験(85℃、湿度8
5%で保管)を実施した。これらの試験における不良の
判定は、パッケージの切り欠き部(3)にて、ふた(4)の
側面をプッシュプルゲージに引っかけて接着力を測定
し、5kgf以下になったところで不良と見なした。
【0031】線膨張係数、吸水率、温度サイクル試験、
および、高温高湿保管試験の結果を、表3(実施例)、
表4(比較例)にまとめて示した。本発明によるデバイ
ス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤(実施例)
はいずれも、従来の中空パッケージ封止用接着剤である
比較例に比べて、線膨張係数および吸水率は、1/3〜
1/2のレベルであり、また、温度サイクル試験および
高温高湿保管試験では、2桁以上の格段に優れた特性を
有していることが分かる。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】本発明によるデバイス中空パッケージ封
止用紫外線硬化型接着剤は、硬化物の線膨張係数が小さ
いため、中空パッケージとの線膨張係数の違いによる応
力発生を防止出来、また、吸水率が小さいため耐湿性に
優れ、気密封止したデバイスの特性変動を無くすことが
出来る。また、加熱することなしに迅速に硬化すること
が可能で、透明や半透明のガラス板などでデバイス用中
空パッケージを気密封止するために用いられる接着剤と
して好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例において、温度サ
イクル試験および高温高湿保管試験を行なうために用い
る、模擬中空パッケージの形状を示す図である。
【符号の説明】
1 セラミック製模擬中空パッケージ 2 のりしろ 3 切り欠き部 4 石英ガラス製ふた

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光デバイス、電子デバイス、または光電
    子デバイスの中空パッケージを封止するために用いられ
    る接着剤であって、硬化物のガラス転移点以下の温度領
    域における線膨張係数が6×10-5/℃以下で、且つ、
    吸水率が5.0%以下であることを特徴とする、デバイ
    ス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤。
  2. 【請求項2】 光デバイス、電子デバイス、または光電
    子デバイスの中空パッケージを封止するために用いられ
    る接着剤であって、1分子内に2個以上のエポキシ基を
    有する脂環式エポキシ樹脂(a)、1分子内に1個以上
    の芳香環を有するエポキシ樹脂(b)、1分子内に2個
    以上の水酸基を有する化合物(c)、1分子内にエポキ
    シ樹脂と反応可能な官能基を有するアルコキシシリル化
    合物(d)、光カチオン硬化開始剤(e)、および、シ
    リカ(f)を必須成分とすることを特徴とする、デバイ
    ス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤。
  3. 【請求項3】 1分子内に2個以上のエポキシ基を有す
    る脂環式エポキシ樹脂(a)、1分子内に1個以上の芳
    香環を有するエポキシ樹脂(b)、1分子内に2個以上
    の水酸基を有する化合物(c)、1分子内にエポキシ樹
    脂と反応可能な官能基を有するアルコキシシリル化合物
    (d)、光カチオン硬化開始剤(e)、および、シリカ
    (f)を必須成分とすることを特徴とする、請求項1記
    載のデバイス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着
    剤。
  4. 【請求項4】 1分子内に2個以上のエポキシ基を有す
    る脂環式エポキシ樹脂(a)が、エポキシ当量100以
    上、2000以下であることを特徴とする、請求項2も
    しくは請求項3記載のデバイス中空パッケージ封止用紫
    外線硬化型接着剤。
  5. 【請求項5】 1分子内に1個以上の芳香環を有するエ
    ポキシ樹脂(b)が、ビスフェノール型エポキシ樹脂、
    ビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹
    脂、置換フェノール型エポキシ樹脂よりなる群から選ば
    れた、少なくとも1種のエポキシ樹脂であることを特徴
    とする、請求項2もしくは請求項3記載のデバイス中空
    パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤。
  6. 【請求項6】 1分子内に2個以上の水酸基を有する化
    合物(c)が、多価アルコールであることを特徴とす
    る、請求項2もしくは請求項3記載のデバイス中空パッ
    ケージ封止用紫外線硬化型接着剤。
  7. 【請求項7】 1分子内に2個以上の水酸基を有する化
    合物(c)が、水酸基当量15000以下であることを
    特徴とする、請求項2もしくは請求項3記載のデバイス
    中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤。
  8. 【請求項8】 1分子内にエポキシ樹脂と反応可能な官
    能基を有するアルコキシシリル化合物(d)が、脂環式
    エポキシ基を有するアルコキシシリル化合物であること
    を特徴とする、請求項2もしくは請求項3記載のデバイ
    ス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤。
  9. 【請求項9】 光カチオン硬化開始剤(e)が、スルホ
    ニウム塩であることを特徴とする、請求項2もしくは請
    求項3記載のデバイス中空パッケージ封止用紫外線硬化
    型接着剤。
  10. 【請求項10】 スルホニウム塩が、トリアリールスル
    ホニウム塩であることを特徴とする、請求項9記載のデ
    バイス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤。
  11. 【請求項11】 スルホニウム塩が、分子内にヒドロキ
    シアルキル基を有するトリアリールスルホニウム塩であ
    ることを特徴とする、請求項9記載のデバイス中空パッ
    ケージ封止用紫外線硬化型接着剤
  12. 【請求項12】 シリカ(f)が、球状溶融シリカであ
    ることを特徴とする、請求項2もしくは請求項3記載の
    デバイス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤。
  13. 【請求項13】 球状溶融シリカが、最大粒径80μm
    以上の粒子を含まないことを特徴とする、請求項12記
    載のデバイス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着
    剤。
  14. 【請求項14】 球状溶融シリカが、平均粒径0.3μ
    m以上、2μm以下の球状溶融シリカXと、平均粒径2
    μm以上、50μm以下の球状溶融シリカYとからな
    り、且つ球状溶融シリカXの添加重量xと、球状溶融シ
    リカYの添加重量yの比が、5:95から40:60の
    範囲内であることを特徴とする、請求項12記載のデバ
    イス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤。
  15. 【請求項15】 シリカ(f)の当該接着剤中に占める
    重量分率が、30重量パーセント以上であることを特徴
    とする、請求項2もしくは請求項3記載のデバイス中空
    パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤。
JP28069597A 1997-10-14 1997-10-14 デバイス中空パッケージ封止用紫外線硬化型接着剤 Pending JPH11116934A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001160568A (ja) * 1999-09-17 2001-06-12 Sony Chem Corp 接続材料
JP2005162959A (ja) * 2003-12-05 2005-06-23 Sumitomo Bakelite Co Ltd 透明基材の接着方法
JP2013077701A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Canon Inc 電子部品および電子機器ならびにこれらの製造方法。

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