JP2005162935A - 発光材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】常温領域(200℃以下)における長寿命の発光材料の製造方法を提供する。
【解決手段】ヒドロキシル基とメトキシル基を有するケイ素有機化合物のアルコール溶液に、ホウ素イオンとハロゲンイオンをこの順に加え、室温で加水分解、脱水縮合させて反応生成物溶液を調製し、発光材料の微粒子をアルコール中で攪拌しながら分散させ、そのアルコール中に前記反応生成物溶液を滴下して発光材料の微粒子表面に反応生成物のガラス被膜を形成させ、微粒子を分離した後200℃以下の温度で噴霧乾燥する。該方法により製造された発光材料は、湿気や塵埃が遮断され発光材料の輝度が長時間保持される。
【選択図】なし

Description

本発明は、EL素子、蛍光素子、蓄光素子などの発光素子の輝度を保持して長寿命化を図った発光材料の製造方法に関するものである。
1936年にフランスのG.デトリオー(Destriau)がZnS系蛍光体に交番高電圧を印加したときに発光する現象としてエレクトロルミネセンス(以下「EL」と略記する)を発見して以来、これをフラットパネルディスプレイとして利用するため数多くの研究が行われ、実用化の段階に至っている。その過程において、現時点での技術的課題として、高輝度化、高精細化、低電力化、長寿命化、低コスト化などが挙げられている。これらの課題は、発光材料の劣化をはじめとして電子輸送材料、正孔輸送材料、素子構造、界面あるいは電極などの劣化など様々な原因によるものがある。この中で発光材料の劣化は基本的に重要で、特に封止が完全でなければならない。すなわち、酸素と水分(湿気)および微細な塵埃などの除去ならびに排除が不可欠である(下記非特許文献1〜3参照)。
上記の技術的課題を克服するための対策として、近時発光材料自体の構造に種々工夫が試みられている。例えば下記特許文献1には、有機電界発光素子としてベンゾチオフェン誘導体を用いることにより高発光効率と長寿命化を図る発明が記載されており、また、発光材料自体の構造に無関係に長寿命化を図る発明の例としては、例えば下記特許文献2には、発光基板全体を覆うようにダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を形成して信頼性を高め、長寿命化を図る方法が記載されている。但しこのDLC膜は薄膜であるためスクラッチキズなどで剥離するのを防止するためDLC膜を保護するためさらに樹脂フィルムを貼り付ける必要がある。その他無機質の被膜を発光材料の表面にスパッタリングなどにより蒸着させる方法も行われているが、この方法では表面に蒸着されるだけで微少な細孔に浸入するにいたらず十分な封止効果は得られないので、長寿命ELディスプレイ用素子として用いることは難しい。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、発光材料の表面に薄膜であるが堅牢でスクラッチキズなどで剥離する心配のないガラス被膜を形成することにより、表面を微細孔に到るまで完全に封止し、酸素と水分(湿気)および微細な塵埃などを完全に排除して発光材料の劣化を防止し、高輝度を保持して長寿命化を図るものである。
従来ガラス製品は、硬度と剛性あるいは耐浸透性、耐汚染性、水蒸気バリアー性、ガスバリアー性といった特性を有しているため、この特性を生かした用途として、各種容器、照明用具、各種表示製品、光学ガラス、管球ガラス、色ガラス、工芸ガラス、ソルダー、パッシベーション用ガラス、結晶化ガラス等、身近でその応用製品として使われてきた。また、上記の特性を利用した技術として、金属などの表面にピンホールのないガラスコーティング膜を形成して水蒸気およびガスバリアー性被膜として利用されている。
しかしながら上記従来のガラスコーティング膜の形成技術はいずれも1500℃〜2300℃という高温の熱処理工程が必要であった。近時開発された有機ケイ素化合物を加水分解するゾル−ゲル法においても、最終的に完全に脱水してガラス化するためには、1100℃以上の加熱処理が必要で、その際の容積収縮も無視できない。これに対して200℃以下の低い温度(以下「常温領域」という)において水蒸気およびガスバリアー性ガラス被膜を形成することは従来不可能と考えられてきた。しかし、反応触媒の使用により常温領域においてガラス被膜を形成することが可能となり、この技術を利用して発光材料の表面にピンホールのないガラス薄膜を形成させることにより、上記のガラスの持つ物性を生かして長寿命発光材料の製造方法を発明するに至った。
特開2001−354668号公報 特開2003−234179号公報 猪口敏夫著 「エレクトロルミネセントディスプレイ」産業図書(株)(1991) 城戸淳二「有機ELのすべて」(株)日本実業出版社 (2003) 河村正行「よくわかる有機ELディスプレイ」電波新聞社(2003)
本発明が解決しようとする問題点は、ELディスプレイに使用する発光材料の輝度の長時間保持を妨げる原因となる湿気や塵埃を遮断する方法として、堅牢でかつELディスプレイとして輝度の妨げにならない薄いガラス保護皮膜を如何にして発光材料の表面に形成するか、にある。したがって本発明の目的は、常温領域における工程によって長寿命の発光材料の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明に係る発光材料の製造方法は、ヒドロキシル基とメトキシル基を有するケイ素有機化合物のアルコール溶液に、ホウ素イオンとハロゲンイオンをこの順に加え、室温で加水分解、脱水縮合させた反応生成物溶液を調製し、発光材料の微粒子をアルコール中で攪拌しながら分散させ、そのアルコール中に前記反応生成物溶液を滴下して発光材料の微粒子表面に反応生成物のガラス被膜を形成し、微粒子を分離した後200℃以下の温度で噴霧乾燥することを特徴とする。
本発明に係る発光材料の製造方法はまた、ヒドロキシル基とメトキシル基を有するケイ素有機化合物のアルコール溶液に、ホウ素イオンとハロゲンイオンをこの順に加え、室温で加水分解、脱水縮合させた反応生成物溶液を、ミキサー中に分散浮遊させた発光材料の微粒子に噴霧して微粒子表面に前記反応生成物のガラス被膜を形成した後、微粒子を200℃以下の温度で噴霧乾燥することを特徴とする。
上記本発明において、ケイ素有機化合物の加水分解、脱水縮合を行う場合に、促進剤としてアルキルチタネートまたは塩化チタンを添加することが有効である。また、イソシアネート基(−NCO)を有する化合物を前記ケイ素有機化合物に対して1〜10wt.%加え、ゲル化を促進させて増粘し、加水分解、脱水縮合によるガラス化を促進させることもできる。
さらに本発明は、発光材料の微粒子に対して0.05〜3.0wt.%の四塩化ケイ素をアルコールに溶解し、その溶液中に前記発光材料の微粒子を解膠分散させ、攪拌しながら発光材料の微粒子表面のヒドロキシル基と四塩化ケイ素とを反応させて微粒子表面にケイ素酸化物のガラス被膜を形成させ、微粒子を分離した後200℃以下の温度で噴霧乾燥することを特徴とする発光材料の製造方法である。この方法において発光材料の微粒子に対する四塩化ケイ素の添加量を上記の範囲で変えることにより被膜の厚さをコントロールすることができる。
本発明に係る発光材料の製造方法は、発光材料の表面に堅牢でスクラッチキズなどで剥離する心配がなく、かつELディスプレイとして輝度の妨げにならない0.05μm以下の薄いガラス被膜を常温領域で形成することにより、発光材料の表面を完全に封止して酸素と水分(湿気)および微細な塵埃などを完全に排除するものであって、特に発光材料の劣化を防止して高輝度を保持し、長寿命の発光材料が得られるという利点がある。
上記本発明に係る発光材料の製造方法は以下の3工程からなる。
(1)被膜形成用反応生成物溶液の作製工程
(2)発光素子の表面にガラス薄膜を形成する工程
(3)噴霧乾燥工程
以下工程順に説明する。
(1)被膜形成用反応生成物溶液(以下「主剤溶液」という)の作製工程
本発明において発光素子の表面に形成されるガラス被膜は、基本的に化1に示したように発光素子の表面に化学的に固定化されたケイ素酸化物のネットワークをもつ0.05μm以下の薄膜である。
その原料として用いられるケイ素有機化合物は、ヒドロキシル基とメトキシル基を有するアルコール可溶性のシラン化合物である。特に好ましいケイ素有機化合物は、ヒドロキシル基(−OH)、メトキシル基(−OCH)およびメチル基(−CH)を有するもの、例えばヒドロキシメトキシシランあるいはメトキシメチルシランで、前者は
〔Si(OH)(OCH4−n
なる一般式で表され、後者は
〔Si(CH(OCH4−n
なる一般式で表される。いずれも式中nは1〜3の整数である。これらのケイ素有機化合物は何れも市販品があり、容易に入手して使用することができる。また上記ケイ素有機化合物は、部分的に加水分解・脱水縮合して得られる低縮合物も市販されており、それを原料として用いることも可能である。
Figure 2005162935
本発明の方法において、ガラス被膜の形成に用いる主剤溶液は、アルコール溶液中でホウ素イオンとハロゲンイオンの存在下に上記ケイ素有機化合物を室温で加水分解・脱水縮合させることにより作製される。先ずホウ素イオンB3+を与える化合物、次いでハロゲンイオンXを与える化合物の順序に添加して溶液中にBX なる錯イオンを生成させる。ホウ素イオンB3+を与える化合物としては、ホウ酸(HBO)、またはトリエトキシボランB(OEt)が好適に用いられる。反応液中のB3+イオンの濃度は、ケイ素有機化合物に対して1.0〜3.0wt.%の範囲が好ましい。また、ハロゲンイオンXとしてはフッ素イオンFまたは塩素イオンClもしくはこれらの混合物が用いられる。使用する化合物としては上記反応液中でこれらのイオンを生ずる塩類が好ましく、例えばFイオン源としてはフッ化水素アンモニウム(NHF・HF)、フッ化ナトリウム(NaF)など、Clイオン源としては塩化アンモニウム(NHCl)などが好適である。反応液中のハロゲンイオンXの濃度はNHF・HFまたはNHClとしてそれぞれケイ素有機化合物に対して1.0〜3.0wt.%の範囲が好ましい。
溶液中に生成したBX 錯イオンは、式(1)のようにケイ素有機化合物のメトキシル基の部分Si(OCH)と容易に交換してSiX 錯イオンとなり、式(2)、式(3)のように加水分解・脱水縮合の反応が促進される結果、常温領域において化1に示したケイ素酸化物のネットワークを有するガラス被膜が形成されるものと考えられる。
Si−OCH+BX +1/2HO → SiX +4CHOH+B3+
‥‥‥(1)
SiX +4HO → Si(OH)+5X (2)
Si(OH) → [化1]+HO (3)
本発明の方法において、ガラス被膜の形成に用いる主剤溶液の調製は、上記のケイ素有機化合物をそのまま反応に用いてもよいが、反応の制御を容易にするため適当な溶媒で希釈して用いることが望ましい。希釈用溶媒としては、脂肪族の低級アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの単独またはそれらの混合物が好適に用いられる。この希釈用溶媒の使用量はケイ素有機化合物の粒子径によって異なるが、溶媒1リットル中にケイ素有機化合物50〜400gの範囲で添加して溶解させることが好ましい。
主剤溶液の調製において、加水分解・脱水縮合の反応促進剤としてアルキルチタネートまたは四塩化チタンを添加することは有効である。アルキルチタネートとしては例えばテトラブチルチタネートなどが挙げられる。これらの添加量はケイ素有機化合物に対して1〜10wt.%が好適である。また、イソシアネート基(−NCO)を有する化合物を加え、ゲル化を促進させて増粘し、加水分解、脱水縮合によるガラス化を促進させることもできる。その添加量は前記ケイ素有機化合物に対して1〜10wt.%が好ましい。イソシアネート基を有する化合物としては、例えばトリレンジイソシアナート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアナートなどが挙げられる。イソシアネート基によるゲル化促進機構は、ケイ素有機化合物のヒドロキシル基(OH)との反応によりウレタン結合(−NHCOO−)が生成されることによるものと考えられる。
(2)発光素子の表面に薄膜を形成する工程
本発明は上記で得られた主剤溶液を発光材料の表面に被覆してガラス薄膜を形成させ、それを常温領域で噴霧乾燥して発光材料を製造する方法である。発光材料の表面に反応生成物を被覆してガラス薄膜を形成する方法は二通りあり、その一つは、発光材料の微粉体をアルコール中に攪拌して分散させ、攪拌しながらそのアルコール中に前記主剤溶液を滴下または噴霧する方法である。この方法において、アルコール中に分散する発光材料の微粉体の濃度は、例えばアルコール1リットルに微粉体50〜800gの範囲で行うことが望ましい。また、発光材料の微粒子に対する主剤溶液の添加量は、主剤溶液中のケイ素有機化合物の量を微粒子の量に対して0.05〜3.0wt.%即ち、発光材料100gに対してケイ素有機化合物0.05〜3.0gの範囲が好ましい。これらの範囲外では形成されるガラス薄膜の厚さを0.05μm以下に調節することが難しくなるため好ましくない。主剤溶液の滴下終了後暫く攪拌を続けた後全体をデカンテーション用の容器に移して被覆された発光材料の微粒子を含む層を分離する。
発光材料の表面に反応生成物の被膜を形成してガラス薄膜とする他の一つの方法は、分散媒を使用せずに行う方法である。発光材料の微粉体を例えばヘンシェルミキサーなどでよく攪拌して空気中で分散浮遊させながら微粉体に対して0.1〜2.0wt.%の主剤溶液を噴霧する。噴霧終了後なお十分に攪拌した後ミキサーを止め、微粉体をミキサーから取り出す。
上記ガラス被膜形成工程は、主剤溶液中に存在するケイ素有機化合物が発光材料の微粒子表面に存在するヒドロキシル基と反応してメタノールが発生し、その結果として下記化2および化3に示すように発光材料の微粒子表面にケイ素酸化物のネットワーク化1が化学的に固定化されガラス被膜が形成されると考えられる。前記表面のヒドロキシル基に関しては、一般に無機質の発光材料などの表面にはヒドロキシル基が自然発生的に存在するものであるが、発光材料の材質によってはヒドロキシル基が存在しない場合もあり、そのような場合には、例えば紫外線処理などにより人為的にヒドロキシル基を導入することが必要である。
Figure 2005162935
Figure 2005162935
以上被膜形成剤として主剤溶液を用いる発光材料の製造方法について説明したが、本発明に係る発光材料の製造方法はさらに四塩化ケイ素を用いて行うこともできる。この場合は、発光材料の微粒子に対して0.05〜3.0wt.%の四塩化ケイ素を、例えば溶媒1リットル中に四塩化ケイ素50〜400gの濃度でアルコール中に溶解しておき、その中に計算量の発光材料の微粒子を投入して解膠分散させ、攪拌しながら発光材料の微粒子表面のヒドロキシル基と四塩化ケイ素とを反応させて発光材料の表面にケイ素酸化物のガラス薄膜を形成させ、前記溶媒を使用する方法に準じてデカンテーションにより発光材料を含む層を分離する。
(3)噴霧乾燥工程
前記分散媒を使用する方法の場合は、得られる発光素子はアルコールとの混合物の状態であるから、そのまま例えばスプレードライヤーなどにより200℃以下の温度で噴霧乾燥する。分散媒を使用せずに行う方法の場合は、必ずしも噴霧乾燥の必要はないが、クリスタル状の発光材料微粒子を凝集しないように分散させることが肝要である。
発光材料の微粒子の水蒸気およびガスバリアー性ガラス被膜形成。
主剤(触媒を含む)を以下のように調製した。
1.ケイ素有機化合物(東芝シリコーン社製、商品名「粉体処理用シリコーン」;化学構造は化4参照、一般物性は表1に示す。)20gをエチルアルコール200mlに溶解する。
2.得られた溶液にホウ酸(HBO)0.4gを添加して混合する。
3.フッ化水素アンモニウム(NHF・HF)0.4gを添加して混合する。
4.さらにテトラブチルチタネート〔(CTiO〕1gを添加して混合する。
Figure 2005162935
Figure 2005162935
Figure 2005162935
分散媒を用いる方法は以下の操作手順による。
まづ被膜形成対象の発光材料の微粒子(エクラン社製リン系発光材料)200gをエチ
ルアルコール1リットルに添加し、ヘンシェルミキサー中で完全に分散状態とした後、前
記主剤溶液22g(発光材料に対しケイ素有機化合物は約1wt.%)をその溶液に滴下
してさらに十分に攪拌する。その後一旦ミキサーを止め、粒子の分散液をデカンテーショ
ン用の容器にうつし、静置してデカンテーションを行う。バリアー性被膜が形成された発
光材料の微粒子は浮上しているので、微粒子層を溶液層と分離し、微粒子層をスプレイド
ライヤーを用いて噴霧乾燥することにより本発明の発光材料が得られた。
被膜のバリアー性テストは撥水性テストにより判定を行う。300mlビーカーに水200mlを入れ、これに粉体を入れると無処理の微粒子は全て沈降する。主剤添加量1.0〜3.0wt.%のガラス被膜形成度の高い微粒子は浮上して水に濁りがないが、主剤添加量0.05〜1.0wt.%で処理したものは、水に浮上したとき、水の濁りに差が見られる。
分散媒を用いない方法は以下の操作手順による。
被膜形成対象の発光材料の微粉体(同上)200gをヘンシェルミキサーにより空気中でよく攪拌して浮遊流動状態にしながら微粉体に対して前記主剤溶液22g(ケイ素有機化合物の発光材料に対する割合は前記分散媒を用いる方法と同じ)を噴霧する。噴霧終了後なお十分に攪拌した後ミキサーを止め、粉体をミキサーから取り出すことにより本発明の発光材料を得た。
実施例1の分散媒を用いた方法で得られた発光材料微粒子は、その表面のガラス被膜のX線回折図がアモルファスを示す大きい一つのピーク(中心:504nm)のみを示し、ガラス被膜が形成されていることを示した。なお、このガラス被膜の厚さはEPMAにより測定した結果0.03μmであった。
図1は、発光材料の輝度推移を示したものである。曲線1は実施例1で製造された発光材料の輝度推移を、分光方式望遠輝度計を用いて測定したものである。曲線2は、同一発光材料の未処理従来品を同様に測定した輝度推移を示す。両者とも50時間(H)後には輝度が約20%程低下するが、未処理従来品の輝度は曲線2のように、20000H経過後さらに40%程度まで低下する。これに対して実施例1の発光材料の輝度は曲線1に見られるように、20000H経過後もほぼ同一の輝度が保持されている。
図2は前記実施例1で製造された発光材料の微粒子の電子顕微鏡写真を示したものである。
リン系蓄光材料の微粒子((株)エクラン社製:グリーン:60μm)に対して、実施例1と全く同様の処理方法により表面に本発明のガラス被膜を形成したものを製造し、これと未処理の同一材料とについて、ブラックランプ20W4本で30分間照射した場合の残光輝度経時変化を測定して比較した。結果を図5に示す。測定機器はミノルタ社製:LS−100を使用、測定距離:100cm、測定角度は垂直測定で行った。図5においてガラス被膜形成処理を行った蓄光材料(◆印)は、16時間経過後もなお5mcd(ミリカンデラ)/mの残光輝度を有するが、未処理の同一材料(▲印)は8時間経過後急激に残光輝度が低下することを示す。
本発明に係る発光材料の製造方法は、上記のように液中においても、また気相においても微粒子表面にガラス薄膜を形成することができ、使用するケイ素有機化合物および四塩化ケイ素などは、発光材料の微粒子に対し0.05〜3.0wt.%の添加量で、ピンホールのない堅牢でかつELディスプレイとして輝度の妨げにならない薄い保護膜となり水蒸気バリアー性とガスバリアー性を付与することができる方法である。従って本発明はフラットELディスプレイ用発光材料のみでなく薬品工業、精密部品、半導体素子、絶縁耐電圧機器などにおいて水蒸気バリアー性とガスバリアー性を必要とする分野で利用することができるものである。
発光材料の輝度推移の比較図 本発明の方法により製造された発光材料微粒子の電子顕微鏡写真 蓄光材料の残光輝度推移の比較図
符号の説明
1 本発明の発光材料の輝度推移
2 未処理の発光材料の輝度推移

Claims (5)

  1. ヒドロキシル基とメトキシル基を有するケイ素有機化合物のアルコール溶液に、ホウ素イオンとハロゲンイオンをこの順に加え、加水分解、脱水縮合させて反応生成物溶液を調製し、発光材料の微粒子をアルコール中で攪拌しながら分散させ、該アルコール中に前記反応生成物溶液を滴下して該微粒子表面に該反応生成物のガラス被膜を形成させ、該微粒子を分離した後200℃以下の温度で噴霧乾燥することを特徴とする発光材料の製造方法。
  2. ヒドロキシル基とメトキシル基を有するケイ素有機化合物のアルコール溶液に、ホウ素イオンとハロゲンイオンをこの順に加え、加水分解、脱水縮合させた反応生成物溶液を、ミキサー中に分散浮遊させた発光材料の微粒子に噴霧して該微粒子表面に該反応生成物のガラス被膜を形成させた後、該微粒子を200℃以下の温度で噴霧乾燥することを特徴とする発光材料の製造方法。
  3. 加水分解、脱水縮合促進剤としてアルキルチタネートまたは塩化チタンを添加する請求項1または2記載の発光材料の製造方法。
  4. イソシアネート基を有する化合物をケイ素有機化合物に対して1〜10wt.%加え、ゲル化により増粘させて加水分解、脱水縮合を促進させる請求項1乃至3のいずれかに記載の発光材料の製造方法。
  5. 発光材料の微粒子に対して0.05〜3.0wt.%の四塩化ケイ素をアルコールに溶解し、該溶液中に該発光材料の微粒子を解膠分散させ、攪拌しながら該発光材料の微粒子表面のヒドロキシル基と四塩化ケイ素とを反応させて該微粒子表面にケイ素酸化物のガラス被膜を形成させ、該微粒子を分離した後200℃以下の温度で噴霧乾燥することを特徴とする発光材料の製造方法。
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