JP2005162398A - エスカレータ装置 - Google Patents

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Hitoshi Kawamoto
斉 河本
Kiyoshi Kobayashi
清 小林
Manabu Oishi
学 大石
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Abstract

【課題】 利用者の乗った踏段が水平部から傾斜部又は傾斜部から水平部に移行する際の踏段間の段差を緩やかにし、エスカレータ利用者の安全を確保することにある。
【解決手段】 上階側回転系3,5と下階側回転系8にエンドレスに掛け渡された踏段チェーン9に接続された複数の踏段10がガイドレール11にガイドされながら循環移動するエスカレータ装置であって、上階側乗降口1又は下階側乗降口6の水平部21と所要の傾斜角度をもつ傾斜部22との間に所要の傾斜角度よりも緩慢な傾斜角度となる緩傾斜部23を有するようにガイドレール11を設置することにより、緩傾斜部を移動する各踏段間の段差が傾斜部を移動する各踏段間の定常段差よりも低く設定し、急激な傾斜による不安定な状態を緩和し、利用者の安全性を確保するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、傾斜角度の大きな傾斜部を有するように複数の踏段を接続した構成に適用して好適なエスカレータ装置に関する。
一般に、エスカレータ装置は、利用者が乗り口近くの水平部の踏段に乗り込むと、この踏段の軌跡が急に水平から傾斜へ移行するための段差が発生する。その結果、高齢者や幼児などは、エスカレータに乗り込むタイミングがとりずらく、恐怖感を覚えることが多い。特に、エスカレータの下降運転中に乗り込む場合、上階側の高い位置から下階側を見下ろすことになり、恐怖感も大きく増幅する。
また、最近では、エスカレータの設置面積の縮小化に伴い、踏段の傾斜角度を大きくとる要求が高まっており、安全性とは相反する方向に進んでいることも事実である。
何れにせよ、エスカレータの踏段は、水平から傾斜に移行する際に段差が変化することから、利用者にとって不安定、かつ恐怖感を覚えるものであり、利用者の安全性に十分配慮する必要がある。
そこで、従来、安全対策としては、エスカレータの運転速度を下げることにより、踏段の段差をゆっくり変化させる方法が考えられている。
また、他の安全対策としては、利用者が乗り口から乗り込んで傾斜部に至るまでの時間を長くするために乗り口の水平部を長くするとか、利用者の恐怖感を緩和させるために、傾斜部の一部に踊り場と称する中間水平部を設けることにより、上階側から下階までの視界を遮る方法が知られている(特許文献1)。
さらに、中間水平路の隣接する少なくとも2つの踏段の踏板面を車椅子搭載面とするエスカレータ装置において、隣接する2つの踏段の車椅子搭載面が中間水平路を移動する際、この車椅子搭載面の前部と後部に車椅子の前後移動を防止する車止め体を設け、車椅子利用者の安全性を確保するものが提案されている(特許文献2)。
特開昭48−10783号公報 特開平05−229776号公報
従って、以上のような従来技術では、エスカレータ利用者は、乗り口の短い距離の水平部から30度ないし35度の傾斜部に移動するので、乗り口から踏段に乗り込んで傾斜部に移行する際に発生する踏段の段差運動に恐怖感を抱くという問題点がある。また、傾斜部が急勾配であれば、安全装置の動作等による運転停止が生じた場合、乗客が転倒する危険性も増えてくる。
そこで、従来は、エスカレータの運転速度を下げたり、各踏段間の段差をゆっくり変化させる方法が考えられているが、輸送人数が減少したり、利用者が連なる複数の踏段上を歩き出すといった2次的な問題が出てくる。
また、利用者の恐怖感を取り除くために乗り口の水平部を長くする方法も考えられているが、各踏段相互に段差のない水平部が長く続く結果、利用者は踏段相互間の区別がつきにく、また水平部が長く続いた分だけ、傾斜部が急激な傾斜となる問題がある。
さらに、近年、福祉志向のニーズから、車椅子用エスカレータ装置の需要も高まっているが、この種のエスカレータ装置の下降運転時、介添え者が車椅子の下階側の踏段に立ち、踏段の進行方向に背を向けて車椅子を支えることから、例えば水平部から傾斜部への移行途中で踏段に段差が発生したとき、車椅子を固定しにくく、不安定な状態となる。また、車椅子用エスカレータ装置では、介添え者が踏段上に車椅子を乗せた後に車椅子運転用釦類を操作するが、下降運転の場合には介添え者の乗った踏段が段差運動を開始していることから、車椅子運転用釦の操作が非常にしにくい状態にある。
さらに、既設建物にエスカレータ装置を設置する際に建物の梁が障害となっている場合やデザイン上の観点から、エスカレータ装置の傾斜部の一部に水平部を設けることがあるが、段差のない水平部が長く続く場合には各踏段の区別がつけにくくなり、歩行時に前後の踏段を跨いで立ってしまうと、再度、踏段が傾斜部に移行するとき、利用者の左右の足が別々の踏段に乗った状態となって段差が発生することから危険な状態となる。
さらに、車椅子用エスカレータ装置では、車椅子を乗せた車椅子乗用踏段が中間水平部を移動中に、車椅子を乗せた連続2段以上の車椅子乗用踏段の他に、その前後の踏段も水平となるので、通常下階側の車椅子乗用踏段だけでなく、上階側の踏段にも、車椅子の前後移動を制限する車止め体を設ける必要があり、さらに前後2つの踏段からそれぞれ突没自在に車止め体を動作させるための駆動装置を新たに設ける必要がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、利用者の乗った踏段が水平部から傾斜部又は傾斜部から水平部に移行する際の踏段間の段差を緩やかにし、エスカレータ利用者の安全を確保するエスカレータ装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、踏段の軌跡の中に長い水平部が存在する場合、前後の踏段間の区別が付きにくくなることから発生する危険性を排除し、下降時に利用者の抱く恐怖感を和らげ、安全性を確保するエスカレータ装置を提供することにある。
(1) 上記課題を解決するために、本発明は、上階側回転系と下階側回転系にエンドレスに掛け渡された踏段チェーンに接続された複数の踏段がガイドレールにガイドされながら循環移動するように構成されたエスカレータ装置において、上階側乗降口の水平部及び下階側乗降口の水平部の少なくとも一方の水平部と所要の傾斜角度をもつ傾斜部との間に当該所要の傾斜角度よりも緩慢な傾斜角度となる緩傾斜部を有するように前記ガイドレールを設置し、前記緩傾斜部を移動する各踏段間の段差が前記傾斜部を移動する各踏段間の定常段差よりも低く設定する構成である。
この発明は以上のような構成とすることにより、例えば下降運転時、上階側の乗り口近くの水平部と傾斜部上部との間及び下階側の傾斜部下部と下階側降り口側水平部との間に傾斜部の傾斜角度よりも緩慢な傾斜角度となる緩傾斜部を有するようにガイドレールを設置することにより、水平部と傾斜部との間の各踏段間の段差が緩慢な傾斜角度に基づく段差となるので、踏段の急な段差運動による利用者の恐怖感を軽減できる。
また、従来のエスカレータ装置では、利用者が乗降時のタイミングのずれ等からバランスを崩す状態があったときに水平部から急に傾斜部に移行する場合には危険な状態となるが、この発明では、踏段が水平部から緩傾斜部に移行後に一定の段差となるので、利用者がバランスを崩す状態が発生しても、立ち直る機会を得ることができ、転倒などの最悪な事態を防ぐことができる。
(2) また、本発明は、上階側回転系と下階側回転系にエンドレスに掛け渡された踏段チェーンに接続された複数の踏段がガイドレールにガイドされながら循環移動するように構成されたエスカレータ装置において、上階側乗降口の水平部と下階側乗降口の水平部との間に設けられる所要の傾斜角度をもつ傾斜部の一部に踊り場と呼ばれる中間水平部を有する場合、この中間水平部と当該中間水平部の前後に位置する傾斜部との間に所要の傾斜角度よりも緩慢な傾斜角度となる緩傾斜部を有するようにガイドレールを設置すれば、前述と同様な作用効果を奏する他、特に踏段が傾斜部と中間水平部との間を移動する際、各踏段間の段差が緩慢に変化するように水平部又は傾斜部に導くことができる。
(3) さらに、従来、上階側乗降口の水平部と下階側乗降口の水平部との間に位置する所要の傾斜角度をもつ傾斜部の一部に踊り場と呼ばれる中間水平部を設けたエスカレータ装置があるが、この中間水平部に代えて、この中間水平部全体にわたって所要の傾斜角度よりも緩慢な傾斜角度となる緩傾斜部を有するようにガイドレールを設置すれば、利用者の目線が各踏段間に発生する段差に注がれるので各踏段の一段一段の区別が付け易くなり、また歩行によって前後の踏段を跨いで立ってしまうといった状態を未然に回避でき、ひいては利用者の安全性を担保することが可能である。
(4) さらに、本発明は、前記(1)ないし(3)の何れかの構成において、隣接する少なくとも2つの踏段を車椅子乗用踏段とし、そのうちの下階側車椅子乗用踏段の端部に車椅子の滑り防止用車止め体を設けた構成である。
従って、以上のような構成とすることにより、例えば乗り口水平部から傾斜部に至る間に緩傾斜部を設けることにより、下降運転時、介添え者が低速運転中の車椅子乗用踏段に車椅子を乗せた後、車椅子用運転釦を操作する際、一旦、緩傾斜部分にて介添え者の乗った踏段の段差運動が停止するので、介添え者は確実に車椅子用運転釦を操作することが可能となる。
また、中間水平部に緩傾斜部を設けることにより、車椅子乗用踏段と上階側の踏段との間に段差が発生していることから、上階側の踏段に車椅子滑り防止用車止め体を設置する必要がなくなり、ひいては車止め体を動作させるための駆動装置を簡素化できる。
また、本発明は、前記(1)ないし(3)の何れかの構成において、傾斜部及び緩傾斜部のうち、少なくとも傾斜部を移動する踏段のライザ側踏面が緩やかな傾斜で持ち上がるようにガイドレールを設置すれば、下降運転時に安全装置の動作で急停止した場合でも、踏段のライザ側踏面が緩く傾斜で持ち上がっていることから、利用者によるとっさの踏ん張りが利き、下階側に転落することを防止できる。また、下降運転時に踏段の踏面が軽く利用者側を向いているので、上階側から下階側を見下ろした時に感じる恐怖感を緩和することが可能である。
本発明は、水平部又は中間水平部と所要の傾斜角度をもつ傾斜部との間或いは中間水平部に代えて当該中間水平部全体にわたって緩傾斜部を設けることにより、傾斜角度のエスカレータ利用者の恐怖感を和らげることができ、ひいては利用者を安全に移動させることができる。
また、本発明は、中間水平部において、緩傾斜部を設けることにより、車椅子の前後移動を制限でき、少なくとも下階側の踏段側に車椅子の車止め体を設けるだけでよく、しかも緩傾斜部で各踏段間の段差運動が中断するので、介添え者の運転操作が容易となり、ひいては車椅子利用者の安全性を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るエスカレータ装置の一実施の形態を説明するための概略構成図である。
このエスカレータ装置は、例えば下降運転時、上階側の乗り口1に敷設される乗降板2の下部機械室に設置される駆動装置3の回転駆動力を駆動チェーン4を通して上部スプロケット5に伝達される。この上部スプロケット5と下階側の降り口6に敷設される乗降板7下部に設置される下部スプロケット8とに踏段チェーン9がエンドレスに掛け渡され、この踏段チェーン9に多数の踏段10,…が接続されている。なお、エスカレータ装置の上昇運転時、図とは全く逆に降り口6が乗り口、乗り口1が降り口となる。
前記踏段チェーン9に接続される各踏段10,…は、ガイドレール11(後記する図2参照)にガイドされながら踏段チェーン9の移動に伴って移動する構成となっている。12は移動手すりである。
つまり、このエスカレータ装置は、下降運転時、踏段チェーン9に接続された踏段10が下側から導入されて上部スプロケット5で反転された後、ガイドレール11に沿って乗降板2の下を水平方向に移動し、上階側の乗り口の乗降板2から外部に現れる。上階側の乗降板2から出た踏段10は、1段〜2段程度水平移動を続けた後、ガイドレール11の曲率にそって水平から傾斜の方向に変えながら移動する。このとき、前後2つの踏段間で段差運動が発生する。
一方、上昇運転時にも同様に下階側の乗り口から上階側の降り口に向かって、下階側近くの水平部から傾斜部及び上階側近くの傾斜部から水平部ととの間で各踏段間に段差運動が発生する。
次に、図2を用いて、隣接する2つの踏段間の段差運動の発生状態について、現状技術と本発明の一実施の形態とを比較しながら説明する。なお、同図において、10a及び10bは踏段10の下部回転輪及び上部回転輪であって、これら下部回転輪10a及び上部回転輪10bは下部側及び上部側のガイドレール11,11に沿って滑走可能に係合されている。
図2(a)は現状のエスカレータ装置における踏段10の段差運動の発生状態を説明する図であって、踏段10はガイドレール11の曲率半径Rにそって水平部21から傾斜部22に移行していくが、このとき、前後2つの踏段10,10間の段差は、0mm→h1→h2→h3の順序で徐々に大きくなっていき、完全に傾斜部22に移った後には所定の段差例えばh3を維持する。つまり、前後の踏段10,10間の段差は最終的には定常段差h3となった時、ガイドレール11の曲率がなくなり、ガイドレール11が傾斜角度α(α≦35度)の方向に直線となるので、各踏段10,10間は段差h3を維持しながら傾斜部22を移動する。
一方、図2(b)は、本発明に係るエスカレータ装置の一実施の形態を説明する図であって、踏段10は乗り口1の乗降板2から出て水平部21からユーザ要求の例えば35度の傾斜角度をもつ傾斜部22に移行するが、この水平部21と最終傾斜角度の傾斜部22との間に当該傾斜角度よりも緩やかな傾斜角度をもつ緩傾斜部23を形成するようにガイドレール11を設置する構成である。すなわち、上階側の水平部21を移動する踏段10は曲率半径Rにそって段差運動を開始し、前後2つの踏段10,10間の段差がh4(但し、h4<h3(定常段差))となった時、ガイドレール11の曲率がなくなり、以後、前後の踏段10,10間の段差がh4を維持しつつ下降傾斜移動するように、傾斜角度β(β<α)をもってガイドレール11が設置される。そして、ガイドレール11は、傾斜角度β方向に長さLだけ直線に設けた後、再び、曲率半径Rをもって傾斜角度αとなるまで向きを変更する。この際、前後の踏段10,10間に発生する段差はh4から徐々に大きくなり、最終的に定常段差h3となって維持する。
従って、以上のような実施の形態によれば、水平部21と傾斜部22との間に当該傾斜部22の傾斜角度よりも緩慢な傾斜角度となる緩傾斜部23を有するようにガイドレール11を設置するので、水平部21と傾斜部22との間の各踏段10,10間の段差が緩慢な傾斜角度に基づく段差となるので、各踏段10,10間の急な段差運動による利用者の恐怖感を軽減することができる。
また、従来のエスカレータ装置では、利用者が乗降時のタイミングのずれ等からバランスを崩す状態があったときに水平部21から急に傾斜部22に移行する場合には危険な状態となるが、本実施の形態では、踏段10が水平部21から緩傾斜部23に移行後に一定高さの段差となるので、利用者がバランスを崩す状態が発生しても、立ち直る機会を得ることができ、転倒などの最悪な事態を未然に防ぐことができる。
なお、この緩傾斜部23は、乗り口1の水平部21と最終傾斜角度の傾斜部22との間、当該傾斜部22と降り口6の水平部21との間に設けられるが、それ以外にも例えば傾斜部の一部に踊り場と呼ばれる中間水平部を有するエスカレータ装置については、傾斜部22と中間水平部との間や中間水平部と傾斜部22との間に設けてもよい。
図3は中間水平部24に緩傾斜部23を設ける例について説明する図である。この例は、中間水平部24の前後に傾斜角度β(β<α)を有する緩傾斜部23を有するようにガイドレール11を設置するものである。同図において実線は現状のエスカレータ装置におけるガイドレール11の軌跡を示し、点線は緩傾斜部23を設けたときのガイドレール11の軌跡を示している。
図4は中間水平部24全体に緩傾斜部13を設けた例を示す図であり、さらに具体的には、中間水平部24に代わって中間水平部24全体を緩傾斜部23で置き換えた例である。
先ず、図4(a)は実線で示す現状のエスカレータ装置におけるガイドレール11の軌跡と点線で示す本発明に係るエスカレータ装置に適用したガイドレール11の軌跡を示す図である。
同図(b)は、図4(a)に示す現状エスカレータ装置におけるガイドレール11の軌跡(実線)に従って踏段10を移動させた時の前後踏段10,10間の段差の発生状態を表している。この図から明らかなように、中間水平部24では、前後の踏段10,10間に段差が発生しないので、利用者は踏段10,10間の区別が付けづらい。特に中間水平部24が長い場合、踏段10上を歩く利用者も多く、前後の踏段10,10とに跨って立っていることに気付かないと、踏段10が傾斜部22に移行するときに非常に危険である。特に、中間水平部24の前後に連なるガイドレール11の傾斜角度は最終傾斜角度である例えばα=35度となるので、前後の踏段10,10間の段差は中間水平部24とその前後の傾斜部22との間で急激に変化する。よって、利用者は予め段差変化の激しい状態を把握し、速やかに安全な体制を確立する必要がある。
一方、同図(c)は、図4(a)に示す本発明に係るエスカレータ装置に適用するガイドレール11の軌跡(点線)に従って踏段10を移動させた時の前後踏段10,10間の段差の発生状態を表している。本発明に係るエスカレータ装置は、中間水平部24に傾斜角度γ(γ<α)の緩傾斜部23を設けることにより、各踏段10,10間に緩やかな段差h5(h5<h3(定常段差))を発生させることにより、一段一段の踏段10の区別が明確になり、利用者にとっても段差が発生しているので、目線が常に段差に向けられることになり、ひいては移動による利用者の安全性を担保することができる。
なお、緩傾斜部23は、中間水平部24だけでなく、上階側及び下階側に比較的近い乗降部に比較的長い水平部21をもつエスカレータ装置においても、緩傾斜部23を設ければ、これら乗降部の水平部21における踏段10,10間の区別が容易となり、常に次の変化に対応する体制を確立でき、利用者の安全性を担保することができる。
次に、図5は循環移動する複数の踏段10,…の中に少なくとも2段以上の連続する車椅子乗用踏段10Aを有す車椅子用エスカレータ装置に適用した実施の形態を示す図であり、さらに詳しくは、同図(a)は従来例で説明した特許文献2に示す現状の車椅子用のエスカレータ装置であり、同図(b)は本発明に係る車椅子用エスカレータ装置の適用例である。
図5(a)は、中間水平部24に複数の車椅子乗用踏段10Aを設けた現状のエスカレータ装置である。中間水平部24を有しない場合には下段側の車椅子乗用踏段側に車止め体31dを設ける構成でも良いが、例えば2段以上の踏段で構成される中間水平部24の場合、車椅子32が2段以上の車椅子乗用踏段10A、…と前後の踏段とからなる段差のない移動可能な水平面となっているので、下階側の車椅子乗用踏段10Aだけでなく、上階側方向への移動を防止するために上階側車椅子乗用踏段10Aにも同様に車止め体31uを設ける必要があり、しかも車椅子乗用踏段に車椅子32を乗せるタイミングを見計らって車止め体31d,31uを突出させる必要があり、車止め体駆動装置(図示せず)が複雑化する問題がある。
一方、図5(b)は、本発明に係るエスカレータ装置に車椅子32を乗せた図であって、中間水平部24に図4(c)のごとき緩傾斜部23を設ける構成とすれば、特殊踏段10Bを含む車椅子乗用踏段10Aと上階側の踏段10との間に段差が発生するので、下階側車椅子乗用踏段に車止め体31dを設けるだけでよく、特許文献2に示すように上階側の車椅子乗用踏段への車止め対策は不要となる。
さらに、車椅子用エスカレータの乗り口水平部21から傾斜部22に至る間に緩傾斜部23を設ければ、下降運転時、介添え者が車椅子32を低速運転中の車椅子乗用踏段10A,10Bに乗せ、車椅子用運転釦(図示せず)を操作する時、一旦、介添え者の乗った踏段の段差運動が停止するので、介添え者は一定の目線で車椅子運転用釦を操作することができる。
図6(a),(b)は踏段10が乗り口1の水平部21から傾斜部22に移行した時、踏段踏面のライザ10C側端部を傾斜角度εだけ持ち上げるようにガイドレール11を設定し、踏段の踏面が緩やかに傾斜させるようにしたものである。
このように踏段踏面のライザ10C側端部を傾斜角度εだけ持ち上げるようにガイドレール11を設定すれば、傾斜部22、緩傾斜部23の何れかにおいて踏段10のライザ側踏面を持ち上げるように緩やかに傾斜するので、下降運転時の利用者は、安全装置の動作等によるエスカレータの急停止時に踏ん張れる足場を提供でき、利用者が下階側に転倒する危険性を軽減できる。また、下降運転時、踏段10の踏面が軽く会釈する方向,つまり利用者側を向いているので、上階側から下階側を見下ろした場合に感じる恐怖感を緩和することができる。
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
また、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
本発明に係るエスカレータ装置の一実施の形態を示す全体構成図。 本発明に係るエスカレータ装置の一実施の形態を説明する踏段間の段差発生状態を説明する図であって、同図(a)は現状の踏段間の段差発生状態図、同図(b)は本発明に係るエスカレータ装置における踏段間の段差発生状態図。 本発明に係るエスカレータ装置の他の実施の形態を説明する図であって、中間水平部への適用例を示す図。 本発明に係るエスカレータ装置の他の実施の形態としての中間水平部へのさらに他の適用例を示す図であって、同図(a)は現状と本発明に係るエスカレータ装置に適用するガイドレールの軌跡を示す図、同図(b)は同図(a)の現状のエスカレータ装置における中間水平部の状態図、同図(c)は本発明に係るエスカレータ装置における段差の変化を表す図。 中間水平部を有する車椅子用のエスカレータ装置を示す構成図であって、同図(a)は現状の車椅子搭載状態を示す図、同図(b)は本発明に係るエスカレータ装置に適用した緩傾斜部を設けた構成図。 本発明に係るエスカレータ装置の他の実施の形態を説明する図であって、同図(a)は踏段のライザ側踏面と水平面との関係を示す図、同図(b)は踏段のライザ側踏面が所定の角度だけ傾斜している状態を示す図。
符号の説明
1…乗り口、2…乗降板、3…駆動装置3、5…上部スプロケット、6…降り口6、7…乗降板、8…下部スプロケット、9…踏段チェーン、10…踏段、11…ガイドレール、21…水平部、22…傾斜部、23…緩傾斜部、24…中間水平部、31d…車止め体、32…車椅子。

Claims (5)

  1. 上階側回転系と下階側回転系にエンドレスに掛け渡された踏段チェーンに接続された複数の踏段がガイドレールにガイドされながら循環移動するように構成されたエスカレータ装置において、
    上階側乗降口の水平部及び下階側乗降口の水平部の少なくとも一方の水平部と所要の傾斜角度をもつ傾斜部との間に当該所要の傾斜角度よりも緩慢な傾斜角度となる緩傾斜部を有するように前記ガイドレールを設置し、前記緩傾斜部を移動する各踏段間の段差が前記傾斜部を移動する各踏段間の定常段差よりも低く設定したことを特徴とする特徴とするエスカレータ装置。
  2. 上階側回転系と下階側回転系にエンドレスに掛け渡された踏段チェーンに接続された複数の踏段がガイドレールにガイドされながら循環移動するように構成されたエスカレータ装置において、
    上階側乗降口の水平部と下階側乗降口の水平部との間に設けられる所要の傾斜角度をもつ傾斜部の一部に踊り場と呼ばれる中間水平部を有する場合、この中間水平部と当該中間水平部の前後に位置する前記傾斜部との間に前記所要の傾斜角度よりも緩慢な傾斜角度となる緩傾斜部を有するように前記ガイドレールを設置し、前記踏段が前記傾斜部と前記中間水平部との間を移動する際、各踏段間の段差が緩慢に変化するように前記水平部又は前記傾斜部に導くことを特徴とするエスカレータ装置。
  3. 上階側回転系と下階側回転系にエンドレスに掛け渡された踏段チェーンに接続された複数の踏段がガイドレールにガイドされながら循環移動するように構成されたエスカレータ装置において、
    上階側乗降口の水平部と下階側乗降口の水平部との間に位置する所要の傾斜角度をもつ傾斜部の一部に設けられる踊り場と呼ばれる中間水平部に代えて、当該中間水平部全体にわたって前記所要の傾斜角度よりも緩慢な傾斜角度となる緩傾斜部を有するように前記ガイドレールを設置することを特徴とするエスカレータ装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載のエスカレータ装置において、
    隣接する少なくとも2つの踏段を車椅子乗用踏段とし、そのうちの下階側車椅子乗用踏段の端部に車椅子の滑り防止用車止め体を設けたことを特徴とするエスカレータ装置。
  5. 請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載のエスカレータ装置において、
    前記傾斜部及び緩傾斜部のうち、少なくとも前記傾斜部を移動する踏段のライザ側踏面が緩やかな傾斜で持ち上がるように前記ガイドレールを設置することを特徴とするエスカレータ装置。
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JP2007045534A (ja) * 2005-08-05 2007-02-22 Fujitec Co Ltd エスカレータ

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