JP2005161811A - 転写保護フィルムおよびその処理方法 - Google Patents

転写保護フィルムおよびその処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 インクジェット法による印画物に対して、転写保護フィルムを用いて保護膜層を転写した完成印画物において、折り曲げなど変形させたときに、保護膜表面にクラックが発生することで生じる長期保存化での活性ガスによる画像変色を改善すること。
【解決手段】 耐熱性基材上に表面層と接着層が形成された転写保護フィルムにおいて、該接着層はワックス性材料と熱可塑性樹脂材料から構成されており、前記熱可塑性樹脂材料のガラス転移温度(Tg)が−40以上、30以下であり、且つ破断伸度が500%以上であること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクジェット法により画像形成された印字画像物の画像面上に保護層を転写形成するための転写保護フィルムおよび転写方法に関するものである。
近年、インクジェット法による画像形成は高精細化、高速化が一段と進んでおり、デジタルカメラの普及ととともに写真出力等に多く使用されている。しかし、一般的なインクジェット法では染料系のインクが使用されており、紫外線や空気中の活性ガスにより染料が分解するため、画像の長期間保存性の面で十分でない。また、インクジェット法で用いられる記録紙の記録面はポーラスな樹脂から形成されるため、耐摩擦性の面でも改善が必要である。
上記の課題を改善するために印字画像物への後処理が検討されている。後処理方法としては、印画物の画像面に対して耐熱性基材上に形成された保護膜層を熱圧着により転写し、基材を剥離して完成印画物を得る方法などがある。
更に、インクジェットプリンターの高速印字化に伴い、後処理の高速化も必要である。そのために、加熱効率の高いサーマルヘッドを使用した転写処理が有効である。しかし、瞬間的な加熱により高速処理が可能となるが、保護膜層が薄くなるために、画像の保護性能が低下するという問題がある。
すなわち、保護膜を転写された完成印画物を持つ、触るなどすると、印画物の折り曲がりや変形が生じるが、長期保存を行うとその変形した部分に微細な亀裂状の変色が生じるという課題が指摘されている。
本発明においては、画像面上に保護膜を転写形成したインクジェット方式による印画物において、画像の変色の少ない転写保護フィルムを提供する。
かかる課題を解決するために本発明における転写保護フィルムは以下に示す構成を好ましい形態とするものである。
すなわち、インクジェット記録法により光沢紙上に画像形成を行った印画物の画像面上に対して、加熱圧着および剥離による保護膜層を転写形成するための転写保護フィルムにおいて、
該転写保護フィルムが、耐熱性基材上に表面層と接着層が形成され、該接着層はワックス性材料と熱可塑性樹脂材料から構成されており、前記熱可塑性樹脂材料のガラス転移温度(Tg)が−40℃以上、30℃以下であり、且つ破断伸度が500%以上でることを特徴とする。
前記耐熱性基材の厚みが16μm以下であり、前記基材のJISB0601で定められた表面粗さを表すパラメータである算術平均粗さ(Ra)が50nm以下であり、かつ十点平均粗さ(Rz)が2000nm以下であることを特徴とする。
前記の加熱圧着および剥離の工程が、転写フィルムを保護膜層が形成された耐熱性基材の反対面から加熱し、前記印字画像物の画像面に保護膜層を接触させることにより、該保護膜層を該画像面上に接着する工程と、該画像面に接着した保護膜層を前記耐熱性基材から剥離する工程と、を有することを特徴とする。
前記加熱手段がサーマルヘッドであることを特徴とする。
前記インクジェット記録法により画像形成する記録紙が平滑化処理を施された光沢紙であり、20度反射測定による光沢度が5以上であることを特徴とする。
本発明によれば、かかる転写保護フィルムを用いてインクジェット記録法により形成した画像面上に保護膜層を転写することで、画像の保存性能が大きく向上し、高品位な印画物を得ることが可能となる。また、この印画物は折り曲げなどで発生する変形による耐画像変色性においても良好であり、長期の保存に特に優れた印画物を提供することが可能となる。
かかる課題を解決するための本発明に実施の形態について、以下に更に詳しく説明する。
本発明における転写保護フィルムは、耐熱性基材1a上に表面層1b及び接着層1cからなる保護層1pが積層された構成を有する。図1に本発明における転写保護フィルムの断面概略図の一例を示す。
(耐熱性基材)
耐熱性基材としては、印画物の画像面に保護層を転写する際における熱圧着条件下で、さらに加熱加圧条件下で形状を安定して維持でき、かつ印画物の画像面上に保護層を形成した段階で、保護層から剥離が容易なものが好ましい。このような特性を有する耐熱性基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと表すことがある)、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレートコポリマー、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、アクリル樹脂、ポリエーテルスルフォンなどの材料からなるフィルムを用いることができる。
その厚みについてはサーマルヘッドで加熱する場合の熱容量を軽減させることを考慮して1.5〜16μm、より好ましくは1.5〜10μmの範囲から選択することができる。厚みの下限は基材の価格とハンドリングのしやすさから規定するのが好ましい。
さらに、光沢のある画像面を有する印画物を用いる場合は、印画物の画像面の凹凸を基材表面の平滑面のレプリカで補正する必要がないため基材に対する剛性に関する要件が緩和される。この場合、基材の厚さは、例えば1.5〜6.0μmの範囲から選択することができる。ここに光沢を有する画像面とは、概ねRaが1.0μm以下の表面である。特に、Raが350nm以下の高光沢な画像面に対する転写処理の場合には、基材の厚みを1.5〜4.5μmの範囲から選択し良好な結果を得ることができる。
本発明の転写保護フィルムを印画物に貼り合せた後、基材を剥離すると光沢のある保護層を有する記録部材が得られる。
本発明の発明者らが鋭意検討した結果によれば、上記のような方法で写真画質の表現できる保護層を形成しようとすると、基材のJISB0601で定められた表面粗さを表すパラメータである算術平均粗さ(Ra)が50nm以下であり、かつ十点平均粗さ(Rz)が2000nm以下であることが必要であった。さらに、高濃度なブラック(Bk)の表現を得ようとすると、多くの異なる条件下でBkの光学濃度2.0以上を維持するためにはRaが30nm以下であることが必要であった。またさらに、多くの異なる条件下でBkの光学濃度2.2以上を維持するためにはRaが18nm以下であることが必要であった。
ただし、本発明者の検討によれば、あまりにフラットなフイルムでは記録装置の中での搬送が安定しなくなるため、Rzとしては1200nm以上、より望ましくは1600nm以上の粗面性が必要であった。必要なフイルムのミニマムの粗さはメカニカルな設計に依存するため、一般的に理論化することが難しいが、現在入手可能なデジタルビデオレコーダー(DV規格)用の超平滑なフイルム(Rzが800から1200nm程度)では、圧力の印加を伴う転写では不安定な動作を免れることは難しかった。
画像の光沢性は第1義的には面の平均的な粗さであるRaにより支配され、多少高さが高くても発現頻度の少ない突起物はあまり画像に影響しないと思料される。一方、フイルムの機械装置内における搬送性は、ローラー等装置部材の接触具合に左右され、比較的発現頻度の低い突起物で制御されると考えられる。このように考察すると、発明者らの導出した結論すなわち、前記基材のJISB0601で定められた表面粗さを表すパラメータである算術平均粗さ(以下Raと表す)が50nm以下であり、かつ十点平均粗さ(以下Rzと表す)が2000nm以下であること、は理論的に理解しうるところである。
更に、本発明で用いる耐熱性基材には、基材の耐熱性やすべり性、帯電防止性などを考慮して、保護膜層が形成される反対面に背面層を設けてもよい。また、耐熱性基材と保護膜層との界面に、保護膜層との密着性を制御するために、剥離層を設ける場合も考えられる。
(表面層)
本発明の転写保護フィルムの表面層1bを構成する樹脂材料(ポリマー材料)としては、画像上に転写された状態で保護層としての機能を有し、かつ画像の鑑賞に必要な光透過性などの特性を有する層が形成できるものが用いられる。このような材料としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の高分子物質を含有する樹脂材料が挙げられる。また、アクリル−スチレン系樹脂、アクリル−酢酸ビニル系樹脂など複合系になっていてもよい。
また、印画物を長期に保存した際に発生する画像の紫外線劣化を押さえる目的で、前記樹脂中に紫外線吸収剤を添加、或いは紫外線吸収性官能基を有する単量体を共重合した紫外線吸収性ポリマーを使用しても良い。
使用することのできる紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系化合物、2−ヒドロキシベンゾフェノン系化合物、2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシフェニル]−s−トリアジン系化合物、サリシレート系化合物、シアノアクリレート系化合物を用いることができる。また上記化合物の基本骨格のベンゼン環水素はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、水酸基等の置換基によって置換されていても良い。
また、紫外線吸収基を分子鎖中に有する紫外線吸収性ポリマーは、揮発やブリードによる性能劣化が起こりにくいなどの利点がある。 紫外線吸収基を高分子物質の分子鎖中に導入するには、上記紫外線吸収剤の基本骨格中のベンゼン核に反応性の基を導入した化合物を単量体として用いるのが好ましい。反応性の基の代表的なものとしては、下記式(1)で表されるメタクリロイル基を挙げることができる。

−CnH2n-O-CO-CH2=CCH3 (1)

(1)式で示されるような反応性の基を導入した化合物を単独で重合しまたはこれと共重合可能な他の単量体とを組み合わせて共重合することにより、紫外線吸収基を分子鎖中に有する高分子物質を得ることができる。このような紫外線吸収基を分子鎖中に有する高分子物質については、特開平06-073368号公報(一方社油脂工業)、特開平07-126536号公報(一方社油脂工業)、特開平09-118720号公報(アイオーラブコーポレーション)、特開平11-348199号公報(日本触媒)、特開2000-044901号公報(大塚化学)等に開示されている。
本発明における転写保護フィルムの表面層1bの形成は、たとえば、有機溶媒に上記樹脂材料を溶解した塗工液や、乳化重合によって製造した前記高分子物質のエマルジョン樹脂溶液などを用いて、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコーティング法、スロットダイコーティング法などにより耐熱性基材上に塗工し、乾燥させることにより形成することができる。
また、表面層を構成する材料には、塗膜形成時の成膜性、ロール加工時の巻取り性、更には接着層や耐熱性基材との密着性の制御の観点から、表面張力調整剤や消泡剤、増粘剤、成膜助剤、更には粒子状のフィラー成分などを含有してもよい。
表面層1bの厚みについては、保護膜性能と転写性能を考慮して1.0〜5μmの範囲から選択することができる。
(接着層)
接着層1cは、加熱圧着時に十分軟化、あるいは流動し接着性が発生することにより画像面上に保護膜層を接着せしめる特性が求められる。
このような材料としては、高分子ポリマーからなるヒートシール性の熱可塑性樹脂が好ましい。ヒートシール性接着材料とは、樹脂材料のガラス転移温度あるいは軟化温度を超える温度が与えられると粘着性(タック性)が発生することにより接着する材料である。ここで、ヒートシール性材料が好ましい理由としては、本発明における転写保護フィルムはロール状態に加工形成されており、接着層の室温付近における粘着性が高い場合、接着層が反対面とロール状態で接着してしまうブロッキングが発生する可能性が高くなるためである。また、転写保護フィルムは輸送時や保存時に高温高湿環境下に曝される可能性があるため、このような観点から耐ブロッキング性の良好なヒートシール性の材料が特に好ましい。このような接着性樹脂材料としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
また、加熱手段としてサーマルヘッドで転写処理を行う場合、加熱時間はごく僅かのため、接着層は瞬間的に軟化、流動し接着性が出現する特性が必要である。このような、特性を発現するためには、先のヒートシール性樹脂のガラス転移温度(Tg)を下げる方法や、ワックスと呼ばれる低分子量の結晶性樹脂をヒートシール性樹脂と混合するなどの方法により適宜調整することができる。ヒートシール性樹脂のTgを下げる場合には、未加熱時の接着層の粘着性が高くなるためロール状態でのブロッキングに注意が必要である。また、ワックスを混合する場合には、加熱時に急峻な溶融性を示す材料が好ましい。このようなワックスとしては、カルナバワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャンデリラワックス、フィッシャートロプッシュワックス、合成ポリエチレンワックスなどが良い。これらワックスは撥水性が高く離型性が良好であるために、先のヒートシール性樹脂と混合することで耐ブロッキング性を下げること無く、加熱時の溶融性を高めることが可能となるが、接着層と表面層との密着性を下げるため含有量には注意が必要である。
更に、接着層1cとしては、接着対象となる印画物表面に存在する微細な亀裂(クラック)の拡がりの動きに追随できる伸張性を有することが重要である。先に述べた、保護膜を転写された完成印画物を持つ、触る、折り曲げるなど変形させると、長期の保存を経て微細な亀裂状の画像変色が生じるという課題は、予め存在する印画物表面の微細な亀裂が変形の際に拡がり、その拡がりに対して保護膜層が追随できないために保護膜層にも亀裂が生じ、その亀裂を通って活性ガスが内部に侵入し、染料を分解するために発生すると考えられる。
予め存在する印画物表面の微細な亀裂は、インクジェット記録紙を製造する際の平滑化処理で発生するものである。したがって、キャスト処理、或いはカレンダー処理等の平滑化処理がなされたインクジェット用光沢紙では表面に多数の微細な亀裂が存在する。
接着層の伸張性を高めることで、印画物が変形した際の表面の亀裂の拡がりに接着層が追随できるようになり、保護膜層を貫通する亀裂は発生せず活性ガス侵入による変色も生じないと考えられる。
接着層の伸張性を高めるためには、接着層の機械的特性を大きく左右するヒートシール性樹脂の硬さ、伸張性を制御することが重要である。
本発明においては、保護膜転写処理した印画物に対して、15mmφの変形を与えた後の、オゾンガス環境保存後の変形部分の変色を観察して、接着層に用いるヒートシール樹脂の特性と折り曲げによる画像変色の関係を検討した結果、ガラス転移温度30℃以下であり、JIS K−6760に記載の評価法による樹脂の破断点伸が500%以上の特性を有する場合に画像変色が改善されることが明らかとなった。
また、一方でヒートシール性樹脂のガラス転移温度が低すぎると、接着層の粘着性が増加することからロール状態でのブロッキングが悪化するため、ガラス転移温度は−40℃以上であることが好ましい。
また、表面層と同様に、印画物を長期に保存した際に発生する画像の紫外線劣化を押さえる目的で、前記接着層中に紫外線吸収剤を添加しても良い。或いは、紫外線吸収性官能基を有する単量体を共重合した紫外線吸収性ポリマーを使用しても良い。紫外線吸収剤、紫外線吸収性ポリマーとしては、前記と同様にして用いることができる。
接着層1bの厚みについては、接着性能と転写性能を勘案して1.0〜5μmの範囲から選択することができる。
本発明における転写保護フィルムの接着層1cの形成は、たとえば、有機溶媒に上記樹脂材料を溶解した塗工液や、乳化重合によって製造した上記樹脂材料のエマルジョン樹脂溶液などを用いて、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコーティング法、スロットダイコーティング法などにより表面層上に塗工し、乾燥させることにより形成することができる。
また、接着層を構成する材料には、塗膜形成時の成膜性、ロール加工時の巻取り性、更には接着層や耐熱性基材との密着性の制御の観点から、表面張力調整剤や消泡剤、増粘剤、成膜助剤、耐ブロッキング防止剤、ヒートシール性向上助剤などを含有してもよい。
(転写方法)
次に本発明におけるインクジェット記録法により印画した印画物に対する保護膜層の転写方法について説明する。図2に、サーマルヘッドを加熱手段とした場合の転写方法を模式的に示してあるが、加熱手段を熱ロールとしても同様の方法で使用することが可能である。
図2において、1は、保護膜層を外側にして巻かれた転写保護フィルムのロールの巻出しリールであり、転写保護フィルムにバックテンション(図では反時計回り(以後CCWと表す)方向のトルクによる)を与えている。3はサーマルヘッドである。5は、転写保護フィルムをサーマルヘッドに押し付ける加圧ロールであり、その軸上に該ロールの回転量を検知するロータリエンコーダ4を持つ。この加圧ロールでの加圧条件としては、線圧0.5〜3N/cm、特に1.5〜3N/cmが好ましい。6は、サーマルヘッド3、加圧ロール5で熱圧着された保護膜層と印画物Pを冷却する冷却ファンであり、7a、7bは、後端剥離部の固定ガイドであって、軸中心に回動可能に構成されている。7cは、同じく後端剥離部の可動剥離軸であり、転写保護フィルムに保護膜層を介して熱圧着された印画物Pの後端を急速に押し出すことで転写保護フィルム上の基材上から印画物Pの後端部を保護膜層が接着した状態で剥離する機能を有する。8は、先端剥離部のガイドでこの間を転写保護フィルムに保護膜層を介して圧着された印画物Pが通過する事により、印画物先端が転写保護フィルムとの剛性の違いにより転写保護フィルムの基材に対して剥離する。10は、使用済み転写保護フィルムの巻き取りリールであり、巻き取り方向テンション(図中CCW)を与えている。11は、印画物Pのガイド、12は、第1の紙通過センサを構成するフォトインタラプタ、13は第2の紙通過センサを構成するフォトインタラプタである。
印画物Pがガイド11に挿入され、第1の紙通過センサ12が紙の「有り」信号を発生するとサーマルヘッド3に加圧ロール5が圧接する。転写保護フィルムの線速度は、10mm/sから150mm/s程度の範囲から選択可能であるが、30mm/sから100mm/sの範囲が好ましい。印画物Pはサーマルヘッド3、加圧ロール5により保護膜層を介して転写保護フィルムに対して熱圧着する。第2の紙通過センサ13が紙の「有り」から「無し」への変化を検知した時点の加圧ロール5の角度位置(加圧ロールのロール面の特定位置と基準点と、加圧ロールの中心とが形成する角度により特定される位置)に基づいて印画物後端が後端剥離部に位置する時点までの加圧ロール5の角度位置をロータリエンコーダ4が監視し、印画物後端が後端剥離部への到達を示す角度位置がロータリエンコーダ4により検知された時点で、後端剥離部の可動剥離軸7cにより後端剥離を行なう。これにより印画物は保護膜層と共に後端部が転写保護フィルムの基材部分から剥離される。
その後、排紙完了に要する長さ分だけ転写保護フィルムが送られる。この排紙完了操作は、第2の紙通過センサ13を通過した時点から排紙完了に要する転写保護フィルムの長さ分に相当する加圧ロール5の回転を監視することで行なわれる。その際、後端剥離部のガイド8に沿って通過する経路の急速に折り曲げられたパスにおいて、印画物Pは剛性が高いために折り曲げられずにガイド8を通過するが、転写保護フィルムの基材は折り曲げられたパスに沿って移動する。そして、このパスにおいて印画物の先端部が転写保護フィルムの基材から保護膜層とともに剥離する。この印画物先端における剥離過程では、印画物と接着した保護膜層部分と転写保護フィルムに接着した保護膜層部分との境界領域が切断される。印画物の後端は既に転写保護フィルムの基材に対して剥離済みであるから、転写保護フィルムに接着していた印画物周囲の保護膜層を切断できずに、印画物周囲に保護膜層が鰭状に繋がって剥離することがない。保護膜層が画像面に転写された印画物は排紙トレイ14に排出される。
この印画物先端からの剥離操作と排紙操作の完了時においてサーマルヘッド3の位置から先端剥離部までの間に送り込まれた部分に位置する保護膜層はサーマルヘッド3、加圧ロール5にニップされていた部分についても加熱のみの処理がなされた状態にあり再利用できる。この未使用部分を再び加熱ロール位置に巻き戻す為に、その長さに該当した角度だけ加圧ロール5を時計周り方向に回転させた後、停止する。停止後、可動の加圧ロール5は再び非圧着位置に退避する。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
転写保護フィルムの作製
PETフィルム(東洋紡績(株)製 45KM15(商品名);厚さ4.5μm)を耐熱性基材として用いた。該耐熱性基材に対して、塗工液1−1を用いてグラビアコーティングにより約1.5ミクロンの膜厚で表面層を形成した。次に、表面層の上層に塗工液1−2を用いて表面層と同様の方式により約2.0ミクロンの膜厚に接着層を形成した。更に、該PETフィルムの耐熱性及びすべり性を付与する目的で、塗工液1−3を用いて表面層と同様の方式により保護膜層が形成されたPETフィルム基材の反対面に約0.5ミクロンの膜厚で背面層を形成した。更に、背面層の硬化のために45℃で72時間エージングを行った。
塗工液の配合:1−1
約70度に過熱攪拌しながら成分−1をトルエンに溶解し、固形分20wt%に調整した。
成分−1:三菱レイヨン(株)製 アクリル樹脂
商品名:ダイヤナール BR−113
(ガラス転移温度=約75℃、重量平均分子量=約3万)
塗工液の配合:1−2
成分−1と成分−2が塗膜乾燥時の残存固形重量比で、以下のようになるように混合し、純水により固形分20wt%に調整した。
固形分の重量比:
成分−1:住友化学工業(株)製 エチレン酢酸ビニル共重合樹脂
商品名:スミカフレックス S−401:50重量部
(ガラス転移温度=約−18℃、破断伸度=600%)
成分−2:エレメンティス・ジャパン(株)製 カルナバワックス分散品
SL535E:50重量部
塗工液の配合:1−3
成分−1と成分−2が塗膜乾燥時の残存固形重量比で、以下のようになるように混合し、トルエンにより固形分5wt%に調整した。
固形分の重量比:
成分−1:東亞合成(株)製 シリコーン変性アクリル樹脂
商品名:サイマック US−270: 95重量部
成分−2:日本ポリウレタン工業(株) ポリイソイアネート架橋剤
商品名:コロネート HX: 5重量部
接着層を塗工液2−2を用いて作製した以外は、実施例1と同様にして熱転写保護フィルムを得た。
塗工液の配合:2−2
成分−1と成分−2が塗膜乾燥時の残存固形重量比で、以下のようになるように混合し、トルエンにより固形分20wt%に調整した。
固形分の重量比:
成分−1:東亞合成(株)製 ポリエステル樹脂
商品名:アロンメルト PES−320S30:50重量部
(ガラス転移温度=約12℃、破断伸度=850%)
成分−2:エレメンティス・ジャパン(株)製 カルナバワックス分散品
SL508:50重量部
表面層を下記に示す塗工液3−1、接着層を塗工液3−2を用いて作製した以外は、実施例1と同様にして熱転写保護フィルムを得た。また、接着層は45℃に塗工液3−2を加熱しながら塗工を行った。
塗工液の配合:3−1
成分−1と成分−2が塗膜乾燥時の残存固形重量比で、以下のようになるように混合し、トルエンにより固形分15wt%に調整した。
成分−1:三菱レイヨン(株)製 アクリル樹脂
商品名:ダイヤナール LR−186:50重量部
(ガラス転移温度=約77℃、重量平均分子量=約6万)
成分−2:大塚化学(株)製 紫外線吸収性アクリル樹脂
商品名:PUVA−30M−30T:50重量部
(紫外線吸収成分:30%、重量平均分子量=約1万)
塗工液の配合:3−2
トルエンを60℃に加熱・攪拌しながら粉末状の成分−2のカルナバワックスを溶解した。同様にして、成分−1をトルエンに溶解した。下記の重量比になるように成分−1と成分−2を混合し、トルエンにより20wt%に調整した。ワックス成分の析出を抑制するため45℃に保持した。
固形分の重量比:
成分−1:三井・デュポンポリケミカル製 エチレン酢酸ビニル共重合樹脂
商品名:EVAFLEX EV−210ET:50重量部
(ガラス転移温度=約−26℃、破断伸度=1100% )
成分−2:カルナバワックス:50重量部
(比較例1)
接着層を形成するために塗工液4−2を用いて形成した以外は、実施例1と全く同様にして転写保護フィルムを得た。
塗工液の配合:4−2
成分−1と成分−2が塗膜乾燥時の残存固形重量比で、以下のようになるように混合し、純水により固形分20wt%に調整した。
固形分の重量比:
成分−1:住友化学工業(株)製 エチレン酢酸ビニル共重合樹脂
商品名:スミカフレックス S−752:50重量部
(ガラス転移温度=約15℃、破断伸度=320% )
成分−2:エレメンティス・ジャパン(株)製 カルナバワックス分散品
SL535E:50重量部
(比較例2)
接着層を形成するために塗工液5−2を用いて形成した以外は、実施例1と全く同様にして転写保護フィルムを得た。
塗工液の配合:5−2
成分−1と成分−2が塗膜乾燥時の残存固形重量比で、以下のようになるように混合し、純水により固形分20wt%に調整した。
固形分の重量比:
成分−1:日信化学工業(株)製 アクリルエマルジョン樹脂
商品名:ビニブラン 2706F:50重量部
(ガラス転移温度=42℃)
成分−2:エレメンティス・ジャパン(株)製 カルナバワックス分散品
SL535E:50重量部
(比較例3)
接着層を形成するために塗工液6−2を用いて形成した以外は、実施例1と全く同様にして転写保護フィルムを得た。
塗工液の配合:6−2
成分−1と成分−2が塗膜乾燥時の残存固形重量比で、以下のようになるように混合し、純水により固形分20wt%に調整した。
固形分の重量比:
成分−1:住友化学工業(株)製 エチレン酢酸ビニル共重合樹脂
商品名:スミカフレックス S−305:50重量部
(ガラス転移温度=7℃、破断伸度=420% )
成分−2:エレメンティス・ジャパン(株)製 カルナバワックス分散品
SL535E:50重量部
転写処理
キヤノン(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙GP−301 (商品名)にキヤノン製インクジェットプリンタ(商品名:BJ-F870)で印字した。画像はRGBデータとして、(R,G,B)=(0,0,0) を与え、打ち込み可能な最大濃度のブラックの画像を形成する。また耐光性評価用にイエロー、マゼンタ、シアンの単色パッチを形成した。インクジェットプリント物に対して、以下の条件で転写処理を行った。
印画物の搬送速度:25mm/sec
サーマルヘッド印加電圧:25V(印加周期3msec、デューティ80%)
ニップ加重:40N(200mm幅;2N/cm)
評価
転写処理印画物の折り曲げによるオゾンガス環境下での変色性評価
実施例、及び比較例で得られた転写保護フィルムを用いて画像面上に保護膜を形成した印画物に炊いて15mmφの折り曲げを行い、オゾンガス環境下で保存した時の画像の変色程度を目視で評価した。保存には、スガ試験機(株)製オゾンウェザーメーターOMS−Sを使用した。保存条件は、オゾン濃度3ppm、保存時間6時間とした。変色の程度は以下のように評価した。
○:目視による変色は無い。
△:画像表面上に微細な線上の変色があり。
×:画像全体が変色している。
転写保護フィルムロールの耐ブロッキングテスト評価
実施例、及び比較例で得られた転写保護フィルムロールを温度60℃、湿度50%、保存時間48時間行い、保護膜層のブロッキング性を評価した。ここでブロッキングとは、フィルムを剥がした時に保護膜層と背面層が接着してしまい、基材から剥離してしまう状態である。
○:保護膜の剥れなし。
×:保護膜の剥れ発生。
評価結果
上記の実施例、及び比較例に対する上記(1)〜(2)の評価結果を表1に示す。
Figure 2005161811
本発明における転写保護フィルムの層構成の一例を示した概略図である。 本発明における転写保護フィルムを用いて、記録部材に保護膜層を転写する方法の概略を示す図である。
符号の説明
1a 基材
1b 表面層
1c 接着層
1p 保護膜層
1 巻出しリール
3 サーマルヘッド
4 ロータリエンコーダ
5 加圧ロール
6 冷却ファン
7a、7b 後端剥離部の固定ガイド
7c 後端剥離部の可動剥離軸
8 先端剥離部のガイド
10 転写保護フィルム2の巻き取りリール
11 印画物Pのガイド
12 第1の紙通過センサを構成するフォトインタラプタ
13 第2の紙通過センサを構成するフォトインタラプタ
14 排紙トレイ
P 記録部材

Claims (6)

  1. 耐熱性基材上に印字画像物の保護を目的として剥離可能な保護膜層が形成された転写保護フィルムにおいて、
    前記転写膜層が耐熱性基材側から表面層と接着層が形成され、該接着層はワックス性材料と熱可塑性樹脂材料から構成されており、前記熱可塑性樹脂材料のガラス転移温度(Tg)が−40℃以上、30℃以下であり、且つ破断伸度が500%以上でることを特徴とする転写保護フィルム。
  2. 前記耐熱性基材の厚みが16μm以下であり、前記基材のJISB0601で定められた表面粗さを表すパラメータである算術平均粗さ(Ra)が50nm以下であり、かつ十点平均粗さ(Rz)が2000nm以下であることを特徴とする熱転写保護フィルム。
  3. 前記の転写保護フィルムを用いた転写方法において、転写フィルムを保護膜層が形成された耐熱性基材の反対面から加熱し、前記印字画像物の画像面に接着層を接触させることにより、該保護膜層を該画像面上に接着する工程と、該画像面に接着した保護膜層を前記耐熱性基材から剥離する工程と、を有することを特徴とする転写方法。
  4. 前記加熱手段がサーマルヘッドであることを特徴とする転写方法。
  5. 前記印字画像物がインクジェット記録法により形成されたものであることを特徴とする転写方法。
  6. 前記のインクジェット記録法により画像形成する記録紙が平滑化処理を施された光沢紙であり、20度反射測定による光沢度が5以上であることを特徴とする転写方法。
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