JP2006123422A - ラミネート用部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面保護層を、耐熱性基材の表面からはく離させて、被保護物の表面に良好に転写させることができ、当該被保護物の表面を、均一でかつきれいなマット調に仕上げることができるラミネート用部材を提供する。
【解決手段】 耐熱性基材2の、表面保護層4が積層される面21を、シランカップリング剤、シリカゾル、マット剤を含む塗工液を塗布した後、シランカップリング剤とシリカゾルとをゾル−ゲル反応させて形成されるバインダ中にマット剤が分散された構造を有し、かつ表面保護層4に対して離型性を有するマット層3を形成することで、あらかじめ粗面化したラミネート用部材1である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、画像形成した記録媒体等の被保護物の表面に転写されて、当該被保護物を保護するラミネートとなる表面保護層を備えたラミネート用部材に関するものである。
記録紙等の記録媒体の表面に、例えば、インクジェットプリンタ等を用いてインクジェット方式によって形成した画像や、レーザープリンタ等を用いて電子写真法によって形成した画像等を保護して、その耐候性や耐摩耗性等を向上するために、記録媒体をラミネートで被覆することが行われる。
詳しくは、耐熱性基材の片面に、当該耐熱性基材とはく離可能で、かつ、記録媒体等の被保護物に対する接着性を有する、ラミネートのもとになる表面保護層を積層したラミネート用部材を用意し、このラミネート用部材を、上記被保護物の表面に積層して加熱しながら加圧等すると、表面保護層が、耐熱性基材から、被保護物の表面に転写されて、ラミネートが形成される(例えば特許文献1、2参照)。
特開平6−91767号公報(第0007欄) 特開2000−233474号公報(請求項1、第0006欄〜第0007欄)
従来のラミネート用部材を用いて、記録媒体等の被保護物の表面に形成されるラミネートは、いずれも、その表面が光沢であるため、例えば、記録媒体の表面に形成される画像はグロス調のみしか得られないという問題がある。
ラミネートされた画像をマット調に仕上げるためには、例えば、耐熱性基材の、表面保護層を積層する面を、微小な凹凸を有するマット面として、このマット面の凹凸を、その上に塗工液を塗布したのち乾燥させる等して形成する表面保護層の、被保護物の表面に転写した際にラミネートの表面となる面に写し取らせることが考えられる。
しかし、耐熱性基材をマット面とした上に、直接に、表面保護層を積層した場合には、たとえ、耐熱性基材および表面保護層として、互いにはく離しやすい材料からなるものを選択して組み合わせたとしても、両者の接触面積が、光沢面の場合よりも著しく増加する上、転写時の加熱、加圧等によって両者の界面で融着が生じたり、凹凸形状が押しつぶされることによっていわゆるアンカー効果を生じたりすることから、表面保護層を、耐熱性基材から良好にはく離させて、被保護物の表面に転写させることができないおそれがある。そして、被保護物の表面に、表面保護層が転写されてラミネートが形成された部分と、表面保護層が転写されず、ラミネートが形成されなかった部分とが生じたり、全面にラミネートが形成された場合でも、マットの調子が場所によって大きく異なったりするという問題がある。
本発明の目的は、表面保護層を、耐熱性基材の表面からはく離させて、被保護物の表面に良好に転写させることができ、当該被保護物の表面を、均一でかつきれいなマット調に仕上げることができるラミネート用部材を提供することにある。
請求項1記載の発明は、耐熱性基材を備えると共に、この耐熱性基材の片面に、当該耐熱性基材とはく離可能で、かつ被保護物に対する接着性を有し、耐熱性基材から被保護物の表面に転写されて、当該被保護物を保護するラミネートを形成するための表面保護層が積層されるラミネート用部材であって、
上記耐熱性基材の、表面保護層が積層される面が、バインダのもとになるシランカップリング剤およびシリカゾルと、マット剤とを含む塗工液を塗布した後、シランカップリング剤とシリカゾルとをゾル−ゲル反応させて形成され、バインダ中にマット剤が分散された構造を有すると共に、表面保護層に対して離型性を有するマット層を形成することで、あらかじめ粗面化されることを特徴とするラミネート用部材である。
請求項2記載の発明は、マット層が、シリカゾルSとシランカップリング剤Cとを、重量比S/Cで表して20/80〜70/30の割合で含む塗工液を用いて形成される請求項1記載のラミネート用部材である。
請求項3記載の発明は、マット剤が、吸油量250ml/100g以上、比表面積200m2/g以上のシリカである請求項1記載のラミネート用部材である。
請求項4記載の発明は、マット層が、当該マット層を形成する固形分の総量に対して5〜20重量%のマット剤を含有する塗工液を用いて形成される請求項1記載のラミネート用部材である。
請求項5記載の発明は、表面保護層が、マット層上に、当該マット層に対して離型性を有する表面保護層本体と、被保護物に対して接着性を有する接着層とをこの順に積層して形成される請求項1記載のラミネート用部材である。
請求項1記載の発明によれば、耐熱性基材の、表面保護層を積層する面が、シランカップリング剤、シリカゾル、およびマット剤を含む塗工液を塗布した後、シランカップリング剤とシリカゾルとをゾル−ゲル反応させて、バインダ中にマット剤が分散された構造を有するマット層を形成することで、当該マット剤による微小な凹凸を有するマット面とされて、粗面化される。そのため、このマット層上に、塗工液を塗布したのち乾燥させる等して形成される表面保護層の、被保護物の表面に転写された際にラミネートの表面となる面に、マット面の微小な凹凸を写し取らせて粗面化することができる。
また、このマット層は、シリカゾルの持つ高い耐熱性と、シランカップリング剤による離型性とを兼ね備えていることから、転写時の加熱、加圧等によってマット層と表面保護層との界面で融着が生じたり、凹凸形状が押しつぶされることによっていわゆるアンカー効果を生じたりするおそれがなく、表面保護層を、耐熱性基材から良好にはく離させて、被保護物の表面に転写させることができる。
しかも、マット層は、シリカゾルとシランカップリング剤とのゾル−ゲル反応(加水分解および重縮合反応)によって形成される強固な構造を有する上、シランカップリング剤の持つ有機官能基の機能によって、耐熱性基材と高い密着性を有しているため、表面保護層を被保護物に転写する際に、当該マット層自体が耐熱性基材からはく離するおそれもない。
したがって、上記のマット層を備える請求項1記載の発明のラミネート用部材を使用すれば、表面保護層を、耐熱性基材の表面から良好にはく離させて、被保護物の表面に転写させることができ、当該被保護物の表面を、均一でかつきれいなマット調に仕上げることが可能となる。
また、請求項2に記載したように、シリカゾルSとシランカップリング剤Cとを、重量比S/Cで表して20/80〜70/30の割合で含む塗工液を用いてマット層を形成する場合には、上で説明した、シリカゾルによる、マット層に耐熱性を付与する効果と、シランカップリング剤による、表面保護層の離型性を向上する効果とを共に向上して、表面保護層を、耐熱性基材からより一層、良好にはく離させて、被保護物の表面に転写させることができる。また、シランカップリング剤による、マット層に、耐熱性基材との密着性を付与する効果を向上して、表面保護層を被保護物の表面に転写する際に、マット層自体がはく離するのをより確実に防止することもできる。
また、請求項3に記載したように、マット剤として、吸油量250ml/100g以上、比表面積200m2/g以上のシリカを用いる場合には、当該シリカを、シランカップリング剤とシリカゾルとを含む塗工液中に、凝集等を生じることなく均一に分散させることができる。そのため、マット層の表面を、シリカによる凹凸が均一に分布した、均一なマット面に仕上げることができ、このマット層の凹凸を表面保護層に写し取らせて、被保護物の表面に転写させることで、当該被保護物の表面を、より一層、均一で良好なマット調に仕上げることが可能となる。また、シリカが凝集して、マット層の一部が、部分的に、耐熱性基材に対して密着力の不足を生じたり、表面保護層の離型性が低下したりするのを防止することもできる。
請求項4に記載したように、マット層のもとになる固形分の総量に対して5〜20重量%のマット剤を含有する塗工液を用いてマット層を形成する場合には、マット剤の量が不足するのを防止して、マット層の表面を良好なマット面に仕上げることができ、このマット層の凹凸を表面保護層に写し取らせて、被保護物の表面に転写させることで、当該被保護物の表面を、より一層、均一で良好なマット調に仕上げることができる。また、相対的にバインダの量が不足するのを防止して、表面保護層を被保護物の表面に転写する際に、マット層自体がはく離するのをより確実に防止することも可能となる。
請求項5に記載したように、表面保護層を、マット層上に、当該マット層に対して離型性を有する表面保護層本体と、被保護物に対して接着性を有する接着層とをこの順に積層して形成する場合には、マット層と直接に接する表面保護層本体を、接着性を有しない樹脂等で形成できるため、表面保護層を、耐熱性基材からより一層、良好にはく離させて、被保護物の表面に転写させることができる。また、接着層を、被保護物に対する接着性に優れた樹脂等で形成できるため、表面保護層の、被保護物の表面への接着性を高めて、被保護物を、ラミネートによってより一層、強固に保護することが可能となる。
図1(a)は、本発明のラミネート用部材1の、実施の形態の一例を示す拡大断面図である。また図1(b)は、上記例のラミネート用部材1のうち表面保護層4を、被保護物としての記録媒体Pの表面に転写して、当該記録媒体Pの表面を保護するラミネートLMを形成した状態を示す拡大断面図である。さらに、図2(a)(b)は、上記例のラミネート用部材1を製造する途中の工程を示す拡大断面図である。
これらの図を参照して、この例のラミネート用部材1は、耐熱性基材2を備えると共に、この耐熱性基材2の片面21に、その表面31がマット面とされたマット層3を形成し、次いで、このマット層3の、マット面とされた表面31に、当該マット層3に対して離型性を有する表面保護層本体41と、記録媒体Pに対して接着性を有する接着層42とをこの順に積層して、2層構造の表面保護層4を形成することで構成されている。
上記のうち、耐熱性基材2としては、表面保護層4を記録媒体Pの表面に転写する際の加熱、加圧条件下で、形状を安定して維持できる、種々の材料からなるフィルムまたはシートが、いずれも使用可能である。そのような耐熱性基材2としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレートコポリマー、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリプロピレン等のポリオレフイン;ポリアミド;ポリイミド;トリアセチルセルロース;ポリ塩化ビニル;塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー;アクリル樹脂;ポリエーテルスルフォン等の種々の材料からなるフィルムやシートなどが挙げられる。中でも、特に、ポリエチレンテレフタレートフィルムが、価格、機械的強度、寸法安定性、耐熱性等の見地から好適に使用される。
耐熱性基材2の厚みは特に制限されないが、経済性と、加熱、加圧した際のしわの生じ難さ等を考慮すると、5〜50μmであるのが好ましく、10〜40μmであるのがさらに好ましい。
耐熱性基材2の表面21に形成されるマット層3は、バインダのもとになるシランカップリング剤およびシリカゾルと、マット剤とを含む塗工液を塗布した後、シランカップリング剤とシリカゾルとをゾル−ゲル反応、すなわちシランカップリング剤とシリカゾルとを加水分解および重縮合反応させて、ゾルをゲルとして固化させ、次いでゲルを加熱することによって酸化物固体を生成させることで形成される。これにより、先に説明したように、その表面31が、マット剤による微小な凹凸を有するマット面とされ、かつ、表面保護層4に対して良好な離型性を有すると共に、耐熱性基材2に対して高い密着性を有するマット層3が形成される。
シランカップリング剤としては、同一分子中に、耐熱性基材2を形成する樹脂との密着性を確保するための有機官能基Xと、ゾル−ゲル反応によって加水分解してシリカゾルと結合するための加水分解性基OR1とを有する、式(1):
XSi(OR1)3 (1)
で表される種々の化合物が、いずれも使用可能である。
このうち、加水分解性基OR1としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。また、有機官能基Xとしては、その構造中に、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノ基、ウレイド基、クロロブロピル基、メルカプト基、スルフィド基などの官能基を有する基が挙げられる。耐熱性基材2として、先に述べたポリエチレンテレフタレートフィルムを使用する場合に、当該フィルムとの密着性に優れたマット層3を形成するための有機官能基Xとしては、上記のうち、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基を含む基が挙げられる。
エポキシ基を含む有機官能基Xの例としては、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。また、アミノ基を含む有機官能基Xの例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。さらに、メルカプト基を含む有機官能基Xの例としては、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。このうち、エポキシ基を含む有機官能基Xを有するシランカップリング剤が、マット剤の分散性が良い上、マット層3のマット感の点でも優れているため、最も好適に使用される。
シリカゾルとしては、式(2):
SiO2 (2)
で表され、かつ、その平均粒子径がおよそ5〜100nmであるシリカ微粒子を、有機溶媒等の種々の媒体中にコロイド状に分散して流動性を持つ液体状もしくは気体状とした、種々のシリカゾル(コロイダルシリカ)が、いずれも使用可能である。シリカゾルの具体例としては、いずれも日産化学社製の、分散媒体の種類によって分類されるメタノールシリカゾル、IPA−ST、EG−ST、NPC−ST−30、MEK−ST、MIBK−ST、XBA−ST、PMA−ST、DMAC−ST等が挙げられる。
マット剤としては、マット層3の表面31をマット面に仕上げることができる、有機または無機の種々の微小粒子が、いずれも使用可能である。そのような無機の微小粒子としては、例えば、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、アルミナ、酸性白土、クレー、炭酸マグネシウム、カーボンブラック、酸化スズ、チタンホワイト、尿素粉末樹脂など挙げられる。
しかし、特にマット面の耐熱性を向上して、転写時の加熱、加圧等によってマット層と表面保護層との界面で融着が生じたり、凹凸形状が押しつぶされることによっていわゆるアンカー効果を生じたりするのを防止して、表面保護層を、耐熱性基材から良好にはく離させて、被保護物の表面に転写させることを考慮すると、マット剤としてはシリカを使用するのが好ましい。
また、シリカとしては、シランカップリング剤とシリカゾルとを含む塗工液中に、凝集等を生じることなく均一に分散させて、マット層3の表面31を、シリカによる凹凸が均一に分布した、均一なマット面に仕上げること、シリカが凝集して、マット層の一部が、部分的に、耐熱性基材に対して密着力の不足を生じたり、表面保護層の離型性が低下したりするのを防止すること、等を考慮すると、吸油量が250ml/100g以上、好ましくは270ml/100g以上、さらに好ましくは300ml/100g以上で、かつ比表面積が200m2/g以上、好ましくは300m2/g以上のシリカを用いるのが好ましい。
なお、吸油量が大きすぎるシリカを使用した場合には、インクの粘度が高くなりすぎて、均一に塗布するのが難しくなるおそれがあるので、シリカの吸油量は、上記の範囲内でも特に、400ml/100g以下であるのが好ましい。また、比表面積が大きすぎるシリカは、粒径が小さすぎて、却って、シランカップリング剤とシリカゾルとを含む塗工液中に、凝集等を生じることなく均一に分散させるのが難しいので、シリカの比表面積は、上記の範囲内でも特に、500m2/g以下であるのが好ましい。
これらの特性を有するシリカの具体例としては、東ソー・シリカ社製のニップジェル(登録商標)AZ−200、AZ−201、AZ−204、AZ−400、デグサ・ジャパン社製のカープレックス(登録商標)ST−82、富士化学シリシア社製のサイリシア250、320、350、370、380、420、430、440、450、トクヤマ社製のファインシール(登録商標)X−37等が挙げられる。
塗工液は、上記各成分のうち、バインダのもとになるシリカゾルSとシランカップリング剤Cとを、重量比S/Cで表して20/80〜70/30の割合、特に40/60〜60/40の割合で含んでいるのが好ましい。この範囲よりシリカゾルが多い場合、およびこの範囲よりシリカゾルが少ない場合には、そのいずれにおいても、形成されるマット層3が脆くなり、耐熱性基材2に対する密着性が低下するおそれがある。また、マット層3の耐溶剤性や、表面保護層4の離型性が低下するおそれもある。そして、マット層3の耐溶剤性が低下した場合には、表面保護層4のうち、特に表面保護層本体41のもとになる塗工液を塗布した際にマット層3が侵食されて、転写時に、表面保護層4のみをきれいに離型させることができず、マット層3ごと、耐熱性基材2からはく離してしまうおそれがある。
また、塗工液における、マット剤の割合は、マット層3を形成する固形分、すなわちシランカップリング剤、シリカゾル、およびマット剤の総量に占めるマット剤の割合で表して5〜20重量%、特に10〜15重量%であるのが好ましい。この範囲よりマット剤が多い場合には、相対的に、シランカップリング剤とシリカゾルとをゾル−ゲル反応させて形成されるバインダの量が少なくなるため、形成されるマット層3が脆くなり、また、耐熱性基材2に対する密着性が低下するおそれがある。そして、マット層3の密着性が低下した場合には、転写時に、表面保護層4のみをきれいに離型させることができず、マット層3ごと、耐熱性基材2からはく離してしまうおそれがある。一方、上記の範囲よりマット剤が少ない場合には、マット層3の表面31を良好なマット面にすることができないため、当該マット層31上に積層された表面保護層4を記録媒体Pの表面に転写した際に、当該記録媒体Pの表面を良好なマット調に仕上げることができないおそれがある。
なお、マット層3のもとになる塗工液には、バインダとして、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などの樹脂を併用することもできるが、これらの樹脂を併用した場合には、マット層3の耐熱性が低下したり、表面保護層4の離型性が低下したりするおそれがあるので、バインダとしては、上で説明した、シランカップリング剤とシリカゾルとをゾル−ゲル反応させて形成されるもののみを使用するのが好ましい。
マット層3は、上記の各成分を含む塗工液を、耐熱性基材2の片面に塗布した後、加熱する等して乾燥、固化させると共に、シランカップリング剤とシリカゾルとをゾル−ゲル反応させることによって形成される。その厚みは、2〜10μm、特に2〜5μmであるのが好ましい。マット層3の厚みがこの範囲未満では、塗工液を塗布する際に、マット剤が欠き落とされる等して、マット層3の表面31を良好なマット面にすることができないおそれがある。逆に、マット層3の厚みがこの範囲を超える場合には、マット剤がマット層3中に埋没してしまって、やはりマット層3の表面31を良好なマット面にすることができないおそれがある。また、ラミネート用部材1を記録媒体Pと重ね合わせて加熱、加圧することによって、表面保護層4を記録媒体Pの表面に転写する際の感度が低下して、表面保護層4を良好に転写できないおそれもある。
マット層31上に積層する表面保護層4のうち、表面保護層本体41は、記録媒体Pの記録面を保護し、さらに過酷な保存環境下においても、表面のマット調が変質したり、白化したり、あるいはクラック等が発生したりするのをできるだけ抑制することを考慮すると、分子量およびガラス転移温度の高い樹脂を主成分として用いて形成するのが好ましく、特に、重量平均分子量が5万以上で、かつガラス転移温度が70℃以上、好ましくは90〜120℃である樹脂を主成分として用いて表面保護層本体41を形成するのが好ましい。そのような樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。また、表面保護層本体41の耐水性、耐溶剤性、耐磨耗性などを特に高めるために、熱硬化性、紫外線硬化性、電子線硬化性等の、硬化性を有する樹脂を用いても良い。
また、インクジェット方式による画像形成では、インクに染料を用いている場合が多く、画像の、耐紫外線劣化性が十分でない。このような場合は、例えばベンゾトリアゾール等の、紫外線吸収性を有する化合物を、表面保護層本体41中に含有させることで、耐紫外線劣化性を向上させることができる。紫外線吸収性の化合物を表面保護層本体41中に含有させる方法としては、当該紫外線吸収性化合物を、表面保護層本体41を形成する上記の樹脂に添加する方法や、樹脂と共重合させる方法などがある。また、樹脂に添加する場合は、高分子量タイプの紫外線吸収性化合物を用いることが、紫外線吸収性を持続させる点で好ましい。
表面保護層本体41は、上記の各成分を含む溶液もしくはエマルジョンを塗工液として用いて、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコーティング法、スロットダイコーティング法等によって塗工した後、乾燥させて形成することができる。表面保護層本体41の厚みは、応力によってクラックが入るのを防止できる膜厚が必要である一方、厚みが大きすぎる場合には、特に、表面保護層4の周縁部で、転写時の離型性が阻害されるおそれがあることから、1〜15μm、特に2〜10μmであるの好ましい。
上記表面保護層本体41と共に表面保護層4を形成する接着層42は、記録媒体に対する接着性を有する種々の樹脂によって形成することができる。特に、加熱、加圧されることで軟化、溶融して接着力を生じる、いわゆる感熱接着性を有する樹脂を用いて接着層42を形成するのが好ましい。感熱接着性を有する樹脂からなる接着層42は、その軟化もしくは溶融温度未満では接着性を有しないため、長尺のラミネート用部材1をロール状に捲回した状態で、接着層42が耐熱性基材2の裏面に接着するブロッキング等を生じないという利点がある。
上記の樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフイン樹脂(ポリプロピレン樹脂等)、ポリエチレン樹脂等が挙げられる。
接着層42は、表面保護層本体41を侵食したりするのを防止するために、例えば、これらの樹脂を含む水系エマルションを塗工液として用いて、表面保護層本体41上に塗布した後、乾燥させて形成される。接着層42の厚みは、5〜30μm、特に10〜20μmであるのが好ましい。接着層42の厚みがこの範囲未満では、接着に寄与する樹脂の量が不十分になるため、また、厚みがこの範囲を超える場合には、ラミネート用部材1を記録媒体Pと重ね合わせて加熱、加圧することによって、表面保護層4を記録媒体Pの表面に転写する際の感度が低下するため、いずれの場合にも、表面保護層4を良好に転写できないおそれがある。
耐熱性基材2の、マット層3と表面保護層4とが積層された側と反対側の面には、ブロッキング防止や滑り性の付与、帯電防止性の付与等を目的とした種々の背面層を形成しても良い。
図3は、上記例のラミネート用部材1の表面保護層4を、記録媒体Pの表面に転写してラミネートLMを形成するために用いるラミネート装置の内部構造の一例を説明する図である。
図3を参照して、このラミネート装置は、本発明のラミネート用部材1を、表面保護層4側を外側にしてロール状に捲回した原反ロール11と、この原反ロール11から、図中に実践の矢印で示すように連続的に繰り出したラミネート用部材1の、表面保護層4側の表面に沿わせて、図中に一点鎖線の矢印で示すように、ラミネートする枚葉状の記録媒体Pを供給する供給トレー12と、この両者を間に挟んで加熱しながら加圧することで、記録媒体Pの表面に表面保護層4を転写するための、熱ロール13と圧ロール14とを備えている。
また、ラミネート装置は、両ロール13、14間を通過したラミネート用部材1と記録媒体Pとを冷却するためのファン15と、3つのロール16a〜16cからなり、このうち、ラミネート用部材1の、耐熱性基材2側に配置されたロール16bを、センサS2によって記録媒体Pの通過を検知することで、所定のタイミングで、図中に破線の矢印で示す方向へ移動させて、ラミネート用部材1と記録媒体Pとを湾曲させて、記録媒体Pを、転写された表面保護層4ごと耐熱性基材2からはく離させるためのはく離手段16と、はく離後の耐熱性基材2を巻き取るための巻き取りロール17と、原反ロール11と巻き取りロール17との間を搬送されるラミネート用部材1(耐熱性基材2)に所定の張力をかけるためのテンションロール18とを備えている。
上記のラミネート装置は、供給トレー12に記録媒体Pが供給されないときは、圧ロール14を、図中に白矢印で示す方向に退避させて、ラミネート用部材1の加圧を解除すると共に、原反ロール11と巻き取りロール17の回転を停止させて、待機状態に入る。そして、供給トレー12に記録媒体Pが供給されたことをセンサS1で検知した際に、原反ロール11と巻き取りロール17の回転を開始させると共に、圧ロール14を図の位置に復帰させて、上記の工程によりラミネートを行うように自動制御される。
そのため、上記のラミネート装置を用いれば、枚葉状の記録媒体Pを、供給トレー12を通して供給して、ラミネート用部材1と共に一定の速度で、熱ロール13と圧ロール14との間を通過させた後、はく離手段16を通過させて両者をはく離させるだけで、自動的に、記録媒体Pの表面を、ラミネートLMで被覆して、写真等の、記録媒体Pの表面に形成された画像を保護すると共に、その画像を、転写された表面保護層4の表面のマット面によって、マット調に仕上げることができる。
以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて説明する。
実施例1:
イソプロパノール35.0重量部と、純水2.0重量部と、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン11.0重量部とを配合し、1時間、かく拌した後、酢酸を1滴、滴下してさらに1時間、かく拌したものをA液(固形分濃度23.0重量%)とする。
また、シリカ微粒子をメタノール中にコロイド状に分散させたシリカゾル〔日産化学社製のメタノールシリカゾル〕36.8重量部と、メタノール11.2重量部とを配合して10分間、かく拌したものをB液(固形分濃度23.0重量%)とする。
次に、上記A液48.0重量部と、B液48.0重量部とを配合(シリカゾルSとシランカップリング剤Cの重量比S/C=50/50)して1時間、かく拌した後、マット剤としてのシリカ〔富士化学シリシア社製のサイリシア370、吸油量300ml/100g、比表面積300m2/g〕4.0重量部を加えてさらに1時間、かく拌してマット層3用の塗工液を調製した。シリカの、固形分の総量に対する割合は15.3重量%であった。
次に、この塗工液を、耐熱性基材2としての、厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、メイヤーバーを用いて塗布し、乾燥させて、厚み4μmのマット層3を形成した。
次に、このマット層3上に、アクリル樹脂を含む、表面保護層本体41用の塗工液〔大塚化学社製のPUVA15M−30T〕を塗布し、乾燥させて厚み5μmの表面保護層本体41を形成し、次いでその上に、接着層42用の塗工液〔日信化学社製のビニブラン(登録商標)CとビニブランGとを、重量比でC/G=3/1で配合したもの〕を塗布し、乾燥させて厚み14μmの接着層42を形成して、ラミネート用部材1を製造した。
実施例2:
マット層3用の塗工液のうちA液で用いるシランカップリング剤を、同量の3−アミノプロピルトリメトキシシランに変更したこと以外は実施例1と同様にして、ラミネート用部材1を製造した。
実施例3:
マット層3用の塗工液のうちA液で用いるシランカップリング剤を、同量の3−メルカプトプロピルトリメトキシシランに変更したこと以外は実施例1と同様にして、ラミネート用部材1を製造した。
実施例4:
マット層3用の塗工液のうちA液で用いるシランカップリング剤を、同量のビニルトリメトキシシランに変更したこと以外は実施例1と同様にして、ラミネート用部材1を製造した。
実施例5:
マット層3用の塗工液のうちA液として、イソプロパノール35.0重量部と、純水2.0重量部と、シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5.5重量部と、同じくシランカップリング剤としての3−アミノプロピルトリメトキシシラン5.5重量部とを配合し、1時間、かく拌した後、酢酸を1滴、滴下してさらに1時間、かく拌したもの(固形分濃度23.0重量%)を同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして、ラミネート用部材1を製造した。
実施例6〜9:
A液とB液の配合割合を調整して、シリカゾルSとシランカップリング剤Cの重量比S/C=20/80(実施例6)、10/90(実施例7)、70/30(実施例8)、80/20(実施例9)としたこと以外は実施例1と同様にして、ラミネート用部材1を製造した。
実施例10:
いずれも実施例で使用したのと同じA液43.2重量部と、B液43.2重量部とを配合(シリカゾルSとシランカップリング剤Cの重量比S/C=50/50)して1時間、かく拌した後、有機バインダとしてのポリアミド樹脂〔富士化成工業社製のトーマイド(登録商標)394〕9.6重量部を加えて1時間、かく拌し、マット剤としてのシリカ〔富士化学シリシア社製のサイリシア370〕4.0重量部を加えてさらに1時間、かく拌してマット層3用の塗工液を調製したこと以外は実施例1と同様にして、ラミネート用部材1を製造した。
実施例11〜13:
マット剤として、下記のシリカを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ラミネート用部材1を製造した。
実施例11:東ソー・シリカ社製のニップジェルAZ−200(吸油量330ml/100g、比表面積300m2/g)
実施例12:トクヤマ社製のファインシールX−37(吸油量250ml/100g、比表面積275m2/g)
実施例13:デグサ・ジャパン社製のカープレックスCS−8(吸油量241ml/100g、比表面積119m2/g)
実施例14〜17:
シリカの配合量を、1.3重量部(実施例14、シリカの、固形分の総量に対する割合は5.0重量%)、6.0重量部(実施例15、シリカの、固形分の総量に対する割合は20.0重量%)、0.9重量部(実施例16、シリカの、固形分の総量に対する割合は3.0重量%)、7.5重量部(実施例17、シリカの、固形分の総量に対する割合は25.0重量%)としたこと以外は実施例1と同様にして、ラミネート用部材1を製造した。
比較例1:
シリコーン樹脂(信越化学社製のX−62−980)22重量部と、トルエン38重量部と、メチルエチルケトン36重量部とを配合してかく拌し、次いでシリカ〔富士化学シリシア社製のサイリシア370、吸油量300ml/100g、比表面積300m2/g〕4.0重量部を加えて粉砕、かく拌した後、塗工直前に白金触媒(信越化学社製のCAT−PS−80)を加えてマット層用の塗工液を調製し、この塗工液を、耐熱性基材2としての、厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、メイヤーバーを用いて塗布し、乾燥、硬化させて、厚み4μmのマット層3を形成したこと以外は実施例1と同様にして、ラミネート用部材1を製造した。
比較例2:
ポリエステル樹脂〔東洋紡績社製のバイロン(登録商標)200〕22.4重量部を、トルエン36.8重量部およびメチルエチルケトン36.8重量部に加えて溶解し、次いでシリカ〔富士化学シリシア社製のサイリシア370、吸油量300ml/100g、比表面積300m2/g〕4.0重量部を加えてマット層用の塗工液を調製し、この塗工液を、耐熱性基材2としての、厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、メイヤーバーを用いて塗布し、乾燥させて、厚み4μmのマット層3を形成したこと以外は実施例1と同様にして、ラミネート用部材1を製造した。
上記各実施例、比較例で製造したラミネート用部材1について、下記の各試験を行って、その特性を評価した。
離型性試験:
記録媒体としては、インクジェット用の受像紙(キヤノン社製のMP−101)を使用し、図3に示す内部構造を有するラミネート装置(キヤノン社製のTS4400)を使用して、上記受像紙の表面に、実施例、比較例で製造したラミネート用部材1を用いてラミネートを行った。そして、ラミネート途中の、熱ロール13と圧ロール14との間を通過後、はく離手段16に供給される前の、熱転写された状態のラミネート部材1と、受像紙との積層体を装置から取り出し、はく離強度試験機(東洋精機社製)を用いて、マット層3と表面保護層4とのはく離強度を測定した。そして、下記の基準で表面保護層4の離型性を評価した。
◎:はく離強度が1.8g/inch以上、8.0g/inch以下であった。離型性きわめて良好。
○:はく離強度が1.5g/inch以上、1.8g/inch未満あるか、または8.0g/inchを超え、20.0g/inch以下であった。離型性良好。
×:はく離強度が1.5g/inch未満であるか、または20.0g/inchを超えていた。離型性不良。
解説:はく離強度が1.5g/inch未満では、マット層3と表面保護層4との密着力が弱すぎて、ラミネート用部材1を所定の幅にスリットして原反ロール状に捲回する際等に自然はく離してしまうため、ラミネート用部材1として使用できない。また、はく離強度が20.0g/inchを超える場合には転写不良を生じる。
マット感試験:
ラミネート用部材1を製造途中の、表面保護層4を積層する前のマット層3の表面31の60°光沢度を、堀場製作所製のグロスチェッカーIG−320を用いて測定した。そして、下記の基準で、マット層3の表面31のマット感を評価した。
◎:光沢度が7%以上、12%以下であった。マット感きわめて良好。
○:光沢度が5%以上、7%未満であるか、または12%を超え、15%以下であった。マット感良好。
△:光沢度が15%を超え、20%以下であった。マット感は許容範囲内。
×:光沢度が5%未満であるか、または20%を超えていた。マット感不良。
解説:光沢度が20%を超える場合には、視覚的にマット面として認識できない。また、5%より小さいと、ラミネートのマットが強すぎて、光の乱反射により、転写後の画像濃度が、転写前に比べて30%以上、低下することから、受像紙表面に形成した画像の画質が低下する。
密着性試験:
ラミネート用部材1を製造途中の、表面保護層4を積層する前のマット層3の表面に、粘着テープ(日東電工社製のN29、18mm)を、荷重2kgをかけて接着した後、はく離速度4.7cm/秒で90°はく離した後の状態を観察し、下記の基準で密着性を評価した。
◎:マット層は全くはく離しなかった。密着性きわめて良好。
○:ごくわずか、点状にはく離した。密着性良好。
△:点状にマット層がはく離した。密着性は許容範囲内。
×:面状にマット層がはく離した。密着性不良。
以上の結果を表1〜4に示す。なお、表中の総合評価は、1つでも×があるものを「不可」、△以上であるものを「可」、○以上であるものを「良」、全て◎であるものを「優」とした。
Figure 2006123422
Figure 2006123422
Figure 2006123422
Figure 2006123422
表より、バインダとしてシリコーン樹脂を用いた比較例1のラミネート用部材は、表面保護層の離型性が良好であるものの、マット層の、耐熱性基材への密着性が悪いことが判った。また、バインダとしてポリエステル樹脂を用いた比較例2のラミネート用部材は、逆に、マット層の、耐熱性基材への密着性が良好であるものの、表面保護層の離型性が悪いことが判った。
これに対し、各実施例のラミネート用部材は、いずれも、表面保護層の離型性、およびマット層の、耐熱性基材への密着性が、ともに実用範囲内である上、マット感も実用範囲内であることが判った。
また、各実施例のうち、シランカップリング剤の種類が異なる実施例1〜5を比較すると、有機官能基Xがエポキシ基、アミノ基、またはメルカプト基を含む基であるシラ
ンカップリング剤を用いた実施例1〜3、5が、耐熱性基材であるポリエチレンテレフタレートフィルムに対する密着性が良く、その中でも、特に、有機官能基Xがエポキシ
基を含む基であるシランカップリング剤を用いた実施例1、5が、マット剤の分散性が良い上、マット層のマット感の点でも優れていることが確認された。また、S/C比が異なる実施例1、6〜9を比較すると、S/C比は20/80〜70/30であるのが好ましく、40/60〜60/40であるのがさらに好ましいことが確認された。また、実施例1と、バインダとしてポリアミド樹脂を併用した実施例10とを比較すると、バインダとしては、樹脂を併用しない方が好ましいことが確認された。
また、マット剤としてのシリカの物性が異なる実施例1、11〜13を比較すると、シリカの吸油量は250ml/100g以上であるのが好ましく、比表面積は200m2/g以上であるのが好ましいことが確認された。さらに、マット剤の、固形分の総量に対する含有割合が異なる実施例1、14〜17を比較すると、含有割合は、5〜20重量%であるのが好ましく、10〜15重量%であるのがさらに好ましいことが確認された。
図(a)は、本発明のラミネート用部材の、実施の形態の一例を示す拡大断面図、図(b)は、上記例のラミネート用部材のうち表面保護層を、被保護物としての記録媒体の表面に転写して、当該記録媒体の表面を保護するラミネートを形成した状態を示す拡大断面図である。 図(a)(b)は、それぞれ、上記例のラミネート用部材を製造する途中の工程を示す拡大断面図である。 上記例のラミネート用部材の表面保護層を、記録媒体の表面に転写してラミネートを形成するために用いるラミネート装置の内部構造の一例を説明する図である。
符号の説明
1 ラミネート用部材
2 耐熱性基材
3 マット層
4 表面保護層
41 表面保護層本体
42 接着層
P 記録媒体(被保護物)
LM ラミネート

Claims (5)

  1. 耐熱性基材を備えると共に、この耐熱性基材の片面に、当該耐熱性基材とはく離可能で、かつ被保護物に対する接着性を有し、耐熱性基材から被保護物の表面に転写されて、当該被保護物を保護するラミネートを形成するための表面保護層が積層されるラミネート用部材であって、
    上記耐熱性基材の、表面保護層が積層される面が、バインダのもとになるシランカップリング剤およびシリカゾルと、マット剤とを含む塗工液を塗布した後、シランカップリング剤とシリカゾルとをゾル−ゲル反応させて形成され、バインダ中にマット剤が分散された構造を有すると共に、表面保護層に対して離型性を有するマット層を形成することで、あらかじめ粗面化されることを特徴とするラミネート用部材。
  2. マット層が、シリカゾルSとシランカップリング剤Cとを、重量比S/Cで表して20/80〜70/30の割合で含む塗工液を用いて形成される請求項1記載のラミネート用部材。
  3. マット剤が、吸油量250ml/100g以上、比表面積200m2/g以上のシリカである請求項1記載のラミネート用部材。
  4. マット層が、当該マット層を形成する固形分の総量に対して5〜20重量%のマット剤を含有する塗工液を用いて形成される請求項1記載のラミネート用部材。
  5. 表面保護層が、マット層上に、当該マット層に対して離型性を有する表面保護層本体と、被保護物に対して接着性を有する接着層とをこの順に積層して形成される請求項1記載のラミネート用部材。
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