JP2003127294A - ラミネートフィルム、ラミネートフィルムの製造方法、ラミネート方法、印画物 - Google Patents

ラミネートフィルム、ラミネートフィルムの製造方法、ラミネート方法、印画物

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JP2003127294A
JP2003127294A JP2002212540A JP2002212540A JP2003127294A JP 2003127294 A JP2003127294 A JP 2003127294A JP 2002212540 A JP2002212540 A JP 2002212540A JP 2002212540 A JP2002212540 A JP 2002212540A JP 2003127294 A JP2003127294 A JP 2003127294A
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beads
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adhesive
resin
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Masaya Kobayashi
雅也 小林
Satoru Iwata
哲 岩田
Yasushi Miura
康 三浦
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性基材上に保護層を形成した本発明のラミ
ネートフィルムはロール状に巻き高温環境に放置されて
も耐熱性基材への貼り付くことがなく、且つ、高画像品
位の印画物を得ることができるラミネートフィルムを提
供する。 【解決手段】表面層と接着層とを有する保護層を耐熱性
基材上に積層したラミネートフィルムであって、前記接
着層が接着性樹脂材料とビーズとを含有し、且つ該ビー
ズの粒径分布の標準偏差が10以下であることを特徴と
するラミネートフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性基材上に保
護層を積層したラミネートフィルムに関する。特に、耐
熱性基材上に形成した保護層を記録部材に熱圧着し、耐
熱性基材を剥離して記録部材保護層を形成する方法に用
いることのできるラミネートフィルム、ラミネートフィ
ルムの製造方法、これを用いたラミネート方法および得
られた印画物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録方法を適用し
て銀塩によるカラー写真や各種印刷法における多色印刷
に匹敵する画質を有する画像を形成できれば、画像形成
単価を大幅に低減できる可能性があり、かかる技術につ
いての要望が拡大している。銀塩写真や多色印刷に匹敵
する多色画像をインクジェット記録法で形成することを
目的とする技術としては、基材上にシリカ等の白色の多
孔質微粒子を含むインク受容層を設けた構成を有する被
記録媒体に、インクジェット記録による画像形成後にイ
ンク受容層表面に透明フィルム層をラミネートして、画
像表面の光沢度や平滑度を上げることで画像品位を上昇
させる方法として、例えば、特開2001-121609号公報な
どが知られている。また、保護層自身の機能性改善とし
て、保護層樹脂を構成するポリマーに紫外線吸収性の分
子構造を組み込み、安定な紫外線吸収層を形成する技術
が特開2000-044901号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
に記載のラミネート材料をロール状に巻いた場合、高温
環境では、保護層の接着剤成分のガラス転移温度(以下
Tgと表す)より温度が高くなるため本来基材に接着して
いる側と反対側の保護層表面が、該表面に接触している
1周外側あるいは内側のラミネート基材部分に貼り付い
て機能を満たさなくなる場合があることを本願発明者ら
は見出し、検討を行った。その結果、ラミネート材料の
保護層表面は、ラミネート時に被ラミネート物との間に
気泡を発生させないためにコーティング法等を用いて表
面が平滑化されており、このため、ロール状に巻いた際
に、1周外側あるいは内側のラミネート基材部分との接
触面積が広く、貼りつきが生じていることがわかった。
そして、該基材との接触面積を減少させるために、接着
層にビーズを混合して、保護層表面に凹凸を形成する
と、貼り付きを防止できることを見出した。しかし、貼
り付きは防止できたものの、ビーズを含む保護層を有す
るラミネートフィルムを用いて得られた印画物は、従来
のビーズを含まない保護層を有するラミネートフィルム
を用いた場合の印画物と比較して、画像品位が低下する
場合があった。そこで本願発明者らが、さらに鋭意検討
を行った結果、ビーズの粒径分布の標準偏差を10以下
に制御することで、高温高湿下での保存においても貼り
つきが生じず、且つ、ビーズを含まない保護層を有する
ラミネートフィルムを用いた場合と同等の高画質の印画
物を得ることができることを見出し、本願発明を完成す
るに至った。つまり、本発明の課題の一つは、ラミネー
トフィルムをロール状に巻いて高温環境下に置いた場合
においても、ロール状ラミネートフィルムが保護層を構
成する材料の軟化により一周外側もしくは内側のラミネ
ート基材部分に貼り付くことなく機能を発揮し、且つ、
これを用いてラミネート加工することにより高画像品位
の印画物が得られるラミネートフィルムを提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明にかか
るラミネートフィルムは、表面層と接着層とを有する保
護層を耐熱性基材上に積層したラミネートフィルムであ
って、前記接着層が接着性樹脂材料とビーズとを含有
し、且つ該ビーズの粒径分布の標準偏差が10以下であ
ることを特徴とするものである。また、本発明にかかる
ラミネートフィルムの製造方法は、耐熱性基材上に表面
層と接着層とが順に積層しているラミネートフィルムの
製造方法において、接着性樹脂材料と粒径分布の標準偏
差が10以下であるビーズを含有する塗工液をコーティ
ング法によって塗工して接着層を形成する工程を有する
ことを特徴とするものである。さらに、本発明にかかる
ラミネート方法は、上記ラミネートフィルムを使用し、
記録部材に保護層をラミネートすることを特徴とするも
のである。さらにまた、本発明にかかる印画物は、上記
ラミネートフィルムによって記録部材表面がラミネート
加工されていることを特徴とするものである。特開平10
-279889号公報において、密書葉書などに使用される情
報記録面同士を感熱擬似接着するためのシートとして、
熱溶融押し出し加工を用いてプラスチックシートの両面
に、内層と感熱接着樹脂層からなる外層を設けた感熱接
着シートの少なくとも外層の一方に球状ビーズを含有す
る技術が記載されているが、該シートを接着させた印画
物の画像品位に関する記載は何らない。また、本願発明
者らの検討によると熱溶融押し出し加工によって形成さ
れた樹脂層は、一般に表面が粗くなるため、保存時の貼
り付きは生じにくいものであった。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態の説明に先立
ち、本発明に係わる、記録部材に保護層をラミネートす
る方法について説明する。
【0006】図1に、本発明のラミネートフィルムを用
いる記録部材の保護層をラミネートする方法の概略を図
示する。
【0007】図1において、1は、保護層を外側にして
巻かれたラミネートフィルム2のロールの巻出しリール
であり、ラミネートフィルム2にバックテンション(図
では反時計回り(CCWと表すことがある)方向のトル
クによる)を与えている。3は加熱ロールであり、その
軸上に該ロールの回転量を検知するロータリエンコーダ
4を持つ。5は、ラミネートフィルム2を加熱ロールに
押し付ける加圧ロールであり、線圧5〜50N/cm、特に
15〜35N/cmで加圧するのが好ましい。6は、ロール
対3、5で熱圧着された保護層と記録部材Pを冷却する
冷却ファンであり、7a、7bは、後端剥離機構の固定
ガイドであって、軸中心に回動可能に構成されている。
7cは、同じく後端剥離機構の可動剥離軸であり、ラミ
ネートフィルム2に保護層を介して熱圧着された記録部
材Pの後端を急速に押し出すことでラミネートフィルム
2上から記録部材Pを剥離する。8は、先端剥離機構の
ガイドであり、この間をラミネートフィルム2に保護層
を介して圧着された記録部材Pが通過することにより、
記録部材先端がラミネートフィルム2との剛性の違いに
より剥離する。10は、使用済みラミネートフィルム2
の巻き取りリールであり、巻き取り方向テンション(図
中CCW)を与えている。11は、記録部材Pのガイ
ド、12は、第1の紙通過センサを構成するフォトイン
タラプタ、13は、第2の紙通過センサを構成するフォ
トインタラプタである。
【0008】記録部材Pがガイド11に挿入され、第1
の紙通過センサ12が紙の「有り」信号を発生すると加熱
ロール3に加圧ロール5が圧接するとともに加熱ロール
3が時計回り(CWと表すことがある)に回転を開始す
る。当該回転の線速度は、5mm/sから40mm/s程度の範
囲から選択可能であるが、10mm/sから30mm/sの範囲
が好ましい。記録部材Pはロール対3、5により保護層
を介してラミネートフィルム2に対して熱圧着する。第
2の紙通過センサ13が紙の「有り」から「無し」への変
化を検知した時点の加熱ロールの角度位置から記録部材
後端が後端剥離機構に位置するまでの加熱ロールの角度
位置を加熱ロール3のロータリエンコーダ4が監視し、
当該角度において後端剥離機構の可動剥離軸7cにより
後端剥離を行なう。これにより記録部材は保護層と共に
後端部がラミネートフィルム2から剥離される。その
後、第2の紙通過センサが紙の「無し」を検知すると排紙
完了に要する長さ分だけラミネートフィルムが送られ
る。これもロータリエンコーダ4が紙後端が第2の紙通
過センサを通過した時点から排紙完了に要するラミネー
トフィルムの長さ分に相当する加熱ロール3の回転を監
視することで行なわれる。記録部材は、後端剥離機構を
通過する経路の急速に折り曲げられたパスにおいて、剛
性の高い記録部材によって、記録部材と接着した保護層
部分とラミネートフィルムに接着した保護層部分との境
界領域が切断されることによって剥離される。後端は既
に剥離済みであるから、ラミネートフィルムに接着して
いた記録部材周囲の保護層を切断できずに、記録部材周
囲に鰭状に繋がって剥離することがない。
【0009】この時、加熱ロール3の位置から先端剥離
機構までの間のラミネート層はロール対3、5にニップ
されていた部分も加熱のみされており再利用できる。こ
の未使用部分を再び加熱ロール位置に巻き戻す為に、そ
の長さに該当した角度だけ加熱ロール3をCCWに回転
させた後、停止する。停止後、可動の圧着ロール5は再
び非圧着位置に退避する。
【0010】続いて本発明の実施形態を説明する。図2
は本発明のラミネートフィルムの断面図である。本発明
のラミネートフィルム2は、耐熱性基材2a上に保護層
2pが積層された構成を有する。保護層2pは、表面層
2b、接着層2cが順次積層された構成を有する。ビー
ズ2dは接着層2cを構成する接着性樹脂材料と共に塗
布される。
【0011】以上説明した本発明のラミネートフィルム
は次のように形成することができる。
【0012】(耐熱性基材)耐熱性基材としては、記録
部材に保護層をラミネートする際における熱圧着条件下
で、さらに加熱加圧条件下で形状を安定して維持でき、
かつ記録部材の記録層上に保護層を形成した段階で剥離
が容易なものであればよく、例えば、ポリエチレンテレ
フタレート(以下、PETと表すことがある)、ポリエ
チレンテレフタレート・イソフタレートコポリマー、ポ
リブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミ
ド、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン・塩化ビニルコポリマー、アクリル樹脂、ポリ
エーテルスルフォンなどの材料からなるフィルムやシー
トなどを用いることができる。
【0013】その厚みについては特に制限を受けるもの
ではないが、経済性としわのはいりにくさ等を考慮して
5〜50μm、より好ましくは10〜40μmの範囲から
選択することができる。
【0014】耐熱性基材は、保護層が形成される側の面
にエンボス加工やサンドブラストなどの粗面化処理また
は粉体粒子を含む樹脂層による粗面化処理がされていて
も良い。
【0015】耐熱性基材が粗面化処理されていない場合
には、本発明のラミネートフィルムを記録部材に貼り合
せた後、耐熱性基材を剥離すると光沢のある保護層を有
する記録部材が得られる。一方、粗面化処理されている
場合には、半光沢またはマット調の保護層を有する記録
部材が得られる。
【0016】(表面層)本発明のラミネートフィルムの
表面層2bを構成する樹脂材料としては、限定されるも
のではないが、たとえば、アクリル系樹脂、スチレン系
樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の高分子
物質を含有する樹脂材料等であってコーティング法によ
って耐熱性基材に塗工できるものを用いることができ
る。
【0017】アクリル系樹脂としては、たとえば、(メ
タ)アクリル酸エステルの単独重合体あるいはこれと共
重合可能な他の単量体との共重合体(以下、(メタ)ア
クリル酸エステル系重合体と表すことがある)が好まし
い。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」のような表現
は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを
表す。
【0018】前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体
の製造に使用することのできる(メタ)アクリル酸エステ
ルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、
(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−n
−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)
アクリル酸−2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸イ
ソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル等のアルキルエス
テル単量体を挙げることができる。これらの(メタ)アク
リル酸エステルは単独で、あるいはこれらの単量体と共
重合可能な他の単量体と組み合わせて前記(メタ)アク
リル酸エステル系重合体の製造に用いることができる。
【0019】前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと
共重合可能な他の単量体の具体例としては(メタ)アクリ
ル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
等の不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸ヒドロキシル
エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルプロピル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシルブチル等の水酸基を有する
単量体;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アク
リル酸エトキシエチルなどのアルコキシ基を有する単量
体;(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエ
ーテル等のグリシジル基を有する単量体;(メタ)アク
リロニトリル等のシアノ基を有する単量体;スチレン、
α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アク
リル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の芳香環
を有する単量体;(メタ)アクリルアミドなどのアミド基
を有する単量体;N−アルコキシ基を有する単量体やN
−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキ
シエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシア
ルキル基を有する単量体;N−メチロール(メタ)アクリ
ルアミド、N−ブチロール(メタ)アクリルアミド等の、
N−アルキロール基を有する単量体;フッ化ビニル、塩
化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル系単量体、
塩化アリル、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、
クロロメチルスチレン等のハロゲン原子が結合した基を
有する単量体;エチレン、プロピレン、ブタジエン等の
オレフィン系単量体などを挙げることができる。
【0020】前記の反応性の官能基を有する単量体成分
を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、こ
れらの官能基を利用して部分架橋して用いることも可能
である。
【0021】本発明のラミネートフィルムの表面層2b
を構成するのに使用することのできるスチレン系樹脂と
しては、例えば、日信化学工業(株)製ビニブラン2730
(商品名)を挙げることができる。
【0022】本発明のラミネートフィルムの表面層2b
を構成するのに使用することのできる塩化ビニル系樹脂
としては、例えば、日信化学工業(株)製ビニブラン27
0(商品名)を挙げることができる。
【0023】本発明のラミネートフィルムの表面層2b
を構成するのに使用することのできる酢酸ビニル系樹脂
としては、例えば、日信化学工業(株)製ビニブラン11
22(商品名)を挙げることができる。本発明のラミネート
フィルムの表面層2bの形成には、たとえば、乳化重合
によって製造した前記高分子物質のエマルジョン、前記
高分子物質を予め合成しこれを懸濁もしくは乳化して水
もしくは水性媒体中に分散した水性分散体(エマルジョ
ンもこの範疇に含まれる)等を用いて調製した樹脂材料
の水性分散体を塗工液として用いることができる。ま
た、溶媒に上記樹脂材料を溶解した系の塗工液であって
も表面保護の機能を満たせば実用に供することができ
る。これらのなかでは、前記高分子物質のエマルジョン
を用いて調製した樹脂材料の水性分散体を塗工液として
用いるのが好ましい。
【0024】本発明のラミネートフィルムの表面層2b
の形成に使用することのできる、前記エマルジョンを用
いて調製した樹脂材料の水性分散体は一般的に良く知ら
れた公知の技術により製造することができる。勿論市販
の材料を使うことも可能である。
【0025】本発明のラミネートフィルムの表面層2b
の層厚は応力によりクラックが入るのを防止できる層厚
が必要である一方、これが大きすぎると記録部材周囲に
沿った剥離の性能が阻害されることがある。本発明のラ
ミネートフィルムの表面層2bの層厚は、一般的には、
1〜10μm、好ましくは2〜8μm、より好ましくは
3〜6μmから選択することができる。 (接着層)本発明のラミネートフィルムの接着層2cも
高分子物質のエマルジョンを含有する塗工液を塗布乾燥
することによって形成することができるが、熱圧着時に
十分軟化し記録部材表面になじむものが好ましい。
【0026】本発明のラミネートフィルムの接着層2c
を構成する接着性樹脂材料として使用することのできる
高分子物質としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、ポリオレフィン樹脂等の高分子物質を挙げること
ができる。中でも、形成される接着層2cの透明性から
アクリル系樹脂を含有する接着性樹脂材料が特に好まし
い。また、インクジェット記録方法によって画像が形成
された印画物の記録部材表面のインクを液体状態で含有
しているインク受容層と水溶性エマルジョンのアクリル
系樹脂を含有する接着性樹脂材料は親和性が高いため、
好ましい。
【0027】前記接着性樹脂材料の調製に特に好ましく
用いられるアクリル系樹脂の製造に使用することのでき
るアクリル系単量体としては、メチルアクリレート、エ
チルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピ
ルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアク
リレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレー
ト、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、2
−エチルへキシルアクリレート、ノニルアクリレートな
どのアルキルエステルモノマー、また2−エトキシエチ
ルアクリレート、3−エトキシプロピルアクリレートな
どのアルコキシアルキルアクリレートなどを挙げること
ができる。
【0028】前記アクリル系樹脂等の高分子物質を含有
する接着性樹脂材料のエマルジョンは一般的に良く知ら
れた公知の技術により製造することができる。
【0029】本発明のラミネートフィルムの接着層2c
の凝集力を調整する上で、メタクリレート系単量体、酢
酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、(メタ)アク
リルアミドを共重合成分として適宜用いることができ
る。接着層2cの凝集力を調整する別の手段としては2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有単
量体、(メタ)アクリル酸のようなカルボキシル基含有
単量体を重合体中に導入しこの活性水素を利用してイソ
シアネート、ブロックイソシアネート、エポキシ等と部
分架橋させる方法がある。
【0030】本発明のラミネートフィルムを使用して記
録部材に保護層2pを容易にかつ低エネルギーでラミネ
ートすることができるようにするには接着層2cを構成
する接着性樹脂材料としてTgの低い材料を用いるのが好
ましく、具体的には、接着層2cを構成する接着性樹脂
材料として、30℃以下のTgを有する接着性樹脂材料が
好ましく、25℃以下のTgを有する接着性樹脂材料がよ
り好ましく、20℃以下のTgを有する接着性樹脂材料が
さらに好ましい。接着性樹脂材料のTgは、接着性樹脂材
料を構成する高分子物質として所望のTgを有するものを
選ぶことにより、容易に調整することができる。
【0031】本発明のラミネートフィルムの接着層2c
は、記録部材のインク受容層に充分に密着し、気泡が存
在しないように接着するのに必要な層厚を持つのが好ま
しい。接着層2cの層厚としては2〜30μmが好まし
く、4〜20μmがさらに好ましい。層厚の上限は保護
層2pを透過して観察される画像等のシャープさやコス
トを勘案して定めることができる。
【0032】(ビーズ)本発明のラミネートフィルムの
接着層2cに含有させることのできるビーズとしてはラ
ミネート後に目立たないよう、接着層2cを構成する接
着性樹脂材料の屈折率に近い屈折率を有する材料から構
成されたビーズを用いるのが好ましい。ビーズを構成す
る材料の屈折率と接着層2cを構成する接着性樹脂材料
の屈折率との差の絶対値は0.2以下とするのが好まし
く、0.1以下とするのがより好ましい。また、ビーズ
は、貼り付き防止効果やラミネート後の印画物の画質へ
の影響を考慮して、接着層にのみ含有させることが好ま
しい。
【0033】また、本発明のラミネートフィルムの接着
層2cに含有させるビーズは、本発明のラミネートフィ
ルムがロール状に巻き取られ高温環境下に置かれた場合
においても保護層2pが反対側の耐熱性基材に貼り付く
ことなく機能を発揮できるようにすることを目的として
使用されるところから、常温よりも高いTgを有する材料
から構成されることが好ましい。
【0034】本発明のラミネートフィルムの接着層2c
を構成する接着性樹脂材料がアクリル系樹脂であるとき
は、屈折率がこれに近いアクリル系樹脂材料から構成さ
れるビーズを用いるのが好ましい。
【0035】本発明に好ましく使用することのできるビ
ーズ、例えば、上記のアクリル系樹脂材料から構成され
るビーズは一般的に良く知られた公知の技術により製造
することができる。勿論市販のビーズ、例えば、ケミス
ノーMR-20G(綜研化学(株)製、商品名;数平均粒径2
2.5μm、標準偏差12.0)、ケミスノーMR-30G(綜研化
学(株)製、商品名;数平均粒径30.1μm、標準偏差1
5.3)等を使うことも可能である。また、これらによっ
て得られたビーズの粒径分布は、数平均粒径を中心に一
般に正規分布する。ラミネートフィルムの接着層にビー
ズが含有していると、ビーズはラミネート処理した印画
物において、記録部材と接着層の間に存在することにな
り、その結果、該ビーズの影響で表面で乱反射等がおこ
り、印画物の画像品位や、光沢等に影響を及ぼし好まし
くない場合がある。特に、写真画像等のプリント物をラ
ミネートした印画物の場合は問題となる。ラミネート処
理を施して得られた印画物がビーズを含有していないラ
ミネートフィルムを用いて得られた印画物と同等の画像
品位を得るためには、ビーズ粒径の標準偏差を10以
下、好ましくは9以下としなければならない。標準偏差
が10より大きい場合は、ビーズの大きさのばらつきに
よる、印画物表面での乱反射が目立ち、画像品位の低下
が確認された。またさらに、印画物の良好な画像品位の
ためには、該ビーズの数平均粒径が接着層の層厚の2.
5倍以下であることがより好ましい。また一方で、良好
なブロッキング防止効果を得るためには、ビーズの数平
均粒径が接着層の層厚より大きいことが好ましく、さら
に好ましくは、該ビーズの数平均粒径が接着層の層厚の
1.5倍以上の場合である。ビーズの一例として、綜研
化学(株)の架橋アクリル粒子MR−20Gの粒径分布を
図3に示す。また、ビーズの添加量は、良好な貼り付き
防止効果を得るために、接着層2cを構成する全材料の
質量に対し0.1質量%以上のビーズを含有させること
が好ましい。一方、ラミネート時に発生する気泡等の影
響を抑制するためには、ビーズの含有量は5質量%以下
であることが好ましい。
【0036】更に、課題の一つとなっている高耐光性の
ラミネートフィルムについて述べる。
【0037】上記課題は、本願発明のラミネートフィル
ムの表面層2b、接着層2cの少なくとも一つの層に対
し、適当量の紫外線吸収剤を含ませることによって解決
することができる。
【0038】本発明に使用することのできる紫外線吸収
剤としては、2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾー
ル系化合物、2−ヒドロキシベンゾフェノン系化合物、
2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシフェニル]
−s−トリアジン系化合物、サリシレート系化合物、シ
アノアクリレート系化合物を用いることができる。
【0039】また上記化合物の基本骨格のベンゼン環水
素はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ
基、ニトロ基、水酸基等の置換基によって置換されてい
ても良い。
【0040】また、紫外線吸収基を分子鎖中に有する高
分子物質を前記紫外線吸収剤に代えてもしくはこれらと
組み合わせて用いることができる。紫外線吸収基を分子
鎖中に有する高分子物質は、揮発やブリードによる性能
劣化が起こりにくく好ましい。
【0041】紫外線吸収基を高分子物質の分子鎖中に導
入するには、上記紫外線吸収剤の基本骨格中のベンゼン
核に反応性の基を導入した化合物を単量体として用いる
のが好ましい。反応性の基の代表的なものとしては、
(1)式で表される基を挙げることができる。
【0042】―X―OOCC(-H又は-CH3)=CH2 (1) (1)式中のXは炭素数1〜12のアルキレン基、オキ
シアルキレン基、又は-CH2CH(OH)CH2-等の2価の基を示
す。
【0043】(1)式で示されるような反応性の基を導
入した化合物を単独で重合しまたはこれと共重合可能な
他の単量体とを組み合わせて共重合することにより、紫
外線吸収基を分子鎖中に有する高分子物質を得ることが
できる。このような紫外線吸収基を分子鎖中に有する高
分子物質については、特開平06-073368号公報(一方
社)、特開平07-126536号公報(一方社)、特開平09-11
8720号公報(アイオーラフ゛コーホ゜レーション)、特開平11-348199号
公報(日本触媒)、特開2000-044901号公報(大塚化
学)等に開示されている。
【0044】本発明にかかるラミネートフィルムは、表
面層と接着層の塗工液を、ロールコーティング法、ロッ
ドバーコーティング法、スプレーコーティング法、エア
ナイフコーティング法、スロットダイコーティング法な
どのコーティング法により順次耐熱性基材の上に塗工
し、乾燥させることによって得ることができる。表面層
の塗工液としては、例えば、前記した保護層材料のエマ
ルジョン液をトルエン/MEK(混合比1:1)で希釈して所
定の固形分濃度に調製したものが用いられる。接着層の
塗工液としては、例えば、ビーズをアルコール(エチル
アルコールあるいはイソプロピルアルコール等)また
は、蒸留水中に添加して、高速ディスパー等の攪拌装置
を使い均一に液中に分散させたビーズ液を、接着性樹脂
材料のエマルジョン溶液を純水を用いて所定の固形分濃
度に調製したものに添加したものが用いられる。本発明
にかかるラミネートフィルムの製造方法の一例を図4を
用いて説明する。塗工液タンク17aには表面層2bの塗工
液が入っていてパイプを通じてグラビアロール16aに導
かれる。塗工液タンク17bには接着層2cの塗工液が入っ
ていてパイプを通じてグラビアロール16bに導かれる。
そして、基材フィルムが巻きだしロール14から繰り出さ
れてグラビアロール16aに導かれ表面層2bがコーティン
グされ 乾燥炉18で乾燥される。乾燥炉から出てきたフ
ィルムは次にグラビアロール16bで接着層2cが同様にコ
ーティングされ乾燥炉18で表面を乾燥し巻き取りロール
15に巻き取られ、ラミネートフィルムが形成される。
【0045】本発明のラミネート処理が適用可能な記録
部材の構成は特に限定されないが、本発明の方法は、イ
ンク受容層を支持体上に設けた構成の被記録媒体にイン
クジェット記録方法により画像を形成して得られた記録
部材に好適に適用し得る。このような被記録媒体のイン
ク受容層の形成に用い得る多孔質無機粒子としては、シ
リカ、アルミナ、炭酸マグネシウム、シリカアルミナ混
晶、シリカマグネシウム混晶等を挙げることができ、こ
れらのなかでは経済性等の面からはシリカが好ましい。
なお、シリカとしては、ミズカシルP−50やP78
(商品名、水澤化学工業株式会社)を好適なものとして
挙げることができる。
【0046】また、インク受容層を形成する際には、必
要に応じて結着材を用いることができ、例えば、ポリビ
ニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、アクリル系樹脂等の
水溶性高分子またはエマルジョンなどが利用できる。多
孔質無機粒子と結着材との配合比は、例えば多孔質無機
粒子100質量部に対して結着材を30〜1000質量
部、好ましくは50〜500質量部の範囲から選択する
ことができる。更に、インク受容層には、分散剤、蛍光
染料、pH調製剤、潤滑剤、界面活性剤等の各種添加剤
を必要に応じて添加することができる。インク受容層の
層厚は例えば30〜60μmの範囲から選択するのが好
適である。
【0047】一方、インクジェット記録方法における記
録方式は、静電吸引方式、圧電素子を用いる方式、発熱
素子を用いる方式等その記録方式は特に限定されない。
【0048】インクジェット記録方法に用いるインクと
しては、水性媒体に、染料や顔料等の色材を含有させた
ものなど、記録方式に適用できるものであればよい。カ
ラー記録を行う場合は、常法に従って、シアン、マゼン
タ、及びイエロー、更には必要に応じてブラックを用い
た減法混色によりフルカラー画像を形成することができ
る。
【0049】以下に、実施例および比較例を挙げて、本
発明を具体的に説明する。
【0050】
【実施例】(実施例1) 塗工液1:JSR(株)製アクリルエマルジョンT37
1(商品名;Tg=85℃、固形分含有率40質量%)を塗工
液1とした。
【0051】塗工液2:日信化学工業(株)製アクリル
エマルジョン2706(商品名;Tg=21℃、固形分含有
率40質量%)に、エチルアルコール90質量部にビー
ズ10質量部を加え混合して調整した10質量%ビーズ
分散液を前記ビーズ(固形分)の含有量が前記アクリルエ
マルジョン固形分100質量部に対し2質量部となるよ
う加え混合分散して塗工液2とした。上記ビーズは、綜
研化学(株)製架橋アクリル粒子MR−20G(商品名;
数平均粒径22.5μm)を極微粉分級機PS−80(商品
名、横浜理化株式会社製)によって粒径63μmより大
きいビーズを除去したものであり、Beckman Coulter社
製 粒度分布測定装置LS230(商品名)で測定した
ところ得られたビーズの標準偏差は10.0、数平均粒
径は21.9μmであった。
【0052】耐熱性基材1:PETフィルム(帝人デュ
ポンフィルム(株)製、#7(商品名);厚み38μ
m)を耐熱性基材とした。
【0053】耐熱性基材1に塗工液1を乾燥層厚5μm
となるようにグラビアコーティング法により塗工し乾燥
して表面層を形成した後、塗工液2を乾燥層厚8μmと
なるように塗工し乾燥して接着層を形成し、ラミネート
フィルムを得た。
【0054】(実施例2)アクリルエマルジョン固形分
100質量部に対し、ビーズの含有量を4質量部とし、
塗工液2を乾燥層厚15μmとした以外は、実施例1と
同様にラミネートフィルムを作成した。 (実施例3) 塗工液3:大塚化学(株)製高分子紫外線吸収材PUV
A30M(商品名;Tg=90℃)をトルエンに溶解し固形
分含有率を25質量%に調整し塗工液3とした。
【0055】塗工液4:日信化学工業(株)製アクリル
エマルジョン2706(商品名;Tg=14℃、固形分含有
率40質量%)に、エチルアルコール90質量部にビー
ズ10質量部を加え混合して調整したビーズ分散液を前
記ビーズ(固形分)の含有量が前記アクリルエマルジョン
固形分100質量部に対し2質量部となるよう加え混合
分散して塗工液とした。上記ビーズは、綜研化学(株)製
架橋アクリル粒子MR−20G(商品名;数平均粒径2
2.5μm)を極微粉分級機PS−80(商品名、横浜理化
株式会社製)によって粒径45μmより大きいビーズを
除去したものであり、得られたビーズの標準偏差は8.
4、数平均粒径は20.5μmであった。
【0056】前記耐熱性基材1にまず塗工液3を乾燥層
厚5μmとなるようにロッドバーコーティング法により
塗工し乾燥して表面層を形成した後、塗工液4を乾燥層
厚8μmとなるように塗工し乾燥して接着層を形成し、
ラミネートフィルムを得た。
【0057】(実施例4) 塗工液5:日信化学(株)製 アクリルエマルジョン2
706(商品名;Tg=14℃、固形分含有率40質量%)
70質量部、BASF(株)製エマルジョン型高分子紫
外線吸収剤UVA−383MG(商品名;固形分含有率
30質量%)30質量部を混合分散して固形分含有率3
7質量%に調整した。実施例1で用いたビーズ分散液を
前記ビーズ(固形分)の含有量が前記アクリルエマルジョ
ン固形分100質量部に対し2質量部となるよう加え混
合分散して塗工液5とした。
【0058】前記耐熱性基材1にまず塗工液1を乾燥層
厚5μmとなるようにロッドバーコーティング法により
塗工乾燥して表面層を形成した後、その上に塗工液5を
乾燥層厚8μmとなるように塗工乾燥して接着層を形成
し、ラミネートフィルムを得た。
【0059】(実施例5)塗工液2のビーズ含有量をアク
リルエマルジョン固形分100質量部に対し0.08質
量部とした以外は、実施例1と同様の方法でラミネート
フィルムを作成した。
【0060】(実施例6) 塗工液6:日信化学工業(株)製アクリルエマルジョン
2706(商品名;Tg=21℃、固形分含有率40質量
%)に、エチルアルコール90質量部にビーズ10質量
部を加え混合して調整したビーズ分散液を前記ビーズ
(固形分)の含有量が前記アクリルエマルジョン固形分1
00質量部に対し2質量部となるよう加え混合分散して
塗工液6とした。上記ビーズは綜研化学(株)製架橋アク
リル粒子MR−30G(商品名;数平均粒径30.1μm)
を極微粉分級機PS−80(商品名、横浜理化株式会社
製)によって粒径45μmより大きいものを除去したも
のであり、得られたビーズの標準偏差は9.8、数平均
粒径は26.0 μmとなった。 耐熱性基材1:PETフィルム(帝人デュポンフィルム
(株)製、#7(商品名);厚み38μm)を耐熱性基
材とした。耐熱性基材1に塗工液1を乾燥層厚5μmと
なるようにスロットダイコーティング法により塗工し乾
燥して表面層を形成した後、塗工液6を乾燥層厚12μ
mとなるように塗工し乾燥して接着層を形成し、ラミネ
ートフィルムを得た。
【0061】(比較例1)ビーズを加えなかったこと以
外は実施例1と同様にしてラミネートフィルムを得た。
【0062】(比較例2)ビーズとして、分級しないM
R−20G(標準偏差12.0、数平均粒径22.5μ
m)を用いた以外は実施例1と同様にしてラミネートフ
ィルムを得た。
【0063】(比較例3)ビーズとして、MR−20G
を分級して標準偏差11.3、数平均粒径22.3μm
としたビーズを用いた以外は、実施例1と同様にしてラ
ミネートフィルムを得た。
【0064】(比較例4)ビーズとして、分級しないM
R−20G(標準偏差12.0、数平均粒径22.5μ
m)を用いた以外は実施例2と同様にしてラミネートフ
ィルムを得た。
【0065】(比較例5)ビーズとして、分級しないMR
−30G(標準偏差15.3、数平均粒径30.1μ
m)を用いた以外は実施例6と同様にしてラミネートフ
ィルムを得た。
【0066】実施例1〜6および比較例1〜5で作成し
たラミネートフィルムに対して、それぞれ以下の評価項
目で評価を行った。
【0067】1)貼り付き防止 それぞれのラミネートフィルムをテンション40N(フ
ィルム幅30cmあたり)で長さ20m巻き取り、60℃
−RH50%環境に48時間放置(条件1)、50℃−RH
80%環境に240時間放置(条件2)の下で耐熱性基
材への貼り付きを以下の基準で評価した。評価結果を表
1に示す。 A:貼り付きが発生しない B:貼り付きは若干発生するが、使用上問題ない C:貼り付きが発生し、使用できない。 2)画像品位 画像としてISOの定める高精細カラーデジタル標準画
像データ N1.tiff画像(JIS X 9201に準拠したISO/JIS-
SCID)をAdobe株式会社製画像ソフトPhotos
hop(商品名)を用いてキヤノン(株)製フォト光沢
紙GP−301(商品名)に印字して画像を形成した。
プリンタはキヤノン(株)製インクジェットプリンタF
−850(商品名)を使用した。実施例1〜6および比
較例1〜5で得たラミネートフィルム(25℃−RH50%環
境下で保存されたもの)を夫々用いて上記インクジェッ
トプリント物をラミネート処理し、印画物を得た。ラミ
ネート方法としては、図1の装置を用い、加熱ロールで
ラミネートフィルムの基材側から140℃に加熱し、記
録部材側のψ50の加圧ロールは非加熱とした。ニップ
加重は線圧30N/cm、送り速度は25mm/sで加
熱圧着して、印画物を得た。保護層にビーズを使用して
いない比較例1のラミネートフィルムを用いて得られた
印画物を基準印画物とし、10人の評価者による目視の
比較により以下の基準で画像品位を評価した。評価結果
を表1に示す。 A:基準印画物と比較して画像品位がほぼ変わらないと
答えた人が7人以上 B:基準印画物と比較して画像品位がほぼ変わらないと
答えた人が4〜6人 C:基準印画物と比較して画像品位がほぼ変わらないと
答えた人が3人以下
【0068】3)ひび割れ 上記2)で形成されたそれぞれの印画物のひび割れを目
視で観察し評価し以下の基準で評価した。評価結果を表
1に示す。 A:ひび割れが発生しなかった B:ひび割れが発生した
【0069】
【表1】 表1に示されているように、ビーズ粒径の標準偏差を1
0以下に制御することにより、貼りつき、ひび割れを防
止することができただけでなく、画像品位にも優れたラ
ミネートフィルムを得ることができた。
【0070】4)耐光性 実施例3および4のラミネートフィルムを用いて得られ
た上記2)の印画物を、アトラスフェードメータ(キセ
ノンアーク)を用い100時間暴露し、印画物の残存濃
度を測定した。残存濃度は、Macbeth社製濃度計Series1
200(商品名)を用いてシアン、マゼンタ、イエロー、
黒の4色の色濃度を暴露前後で測定し暴露後の濃度を暴
露前の濃度で割ったものをパーセント表示した。すべて
のインク色で70%以上濃度が保持されており耐光性が
保持されていた。同様に比較例1のサンプルを測ったと
ころマゼンタと黒は残存濃度が50%で色バランスが破
綻していた。
【0071】なお、本実施例では綜研化学(株)製アクリ
ルビーズを例として説明したが、これに限定されるもの
ではない。
【0072】
【発明の効果】耐熱性基材上に保護層を形成した本発明
のラミネートフィルムはロール状に巻き高温環境に放置
されても耐熱性基材への貼り付くことがなく、且つ、高
画像品位の印画物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラミネートフィルムを用いた記録部材
に保護層をラミネートする方法の概略を示す図である。
【図2】本発明のラミネートフィルムの構成を示す断面
図である。
【図3】綜研化学(株)製架橋アクリル粒子MR−20
Gの粒度分布を示す図である。
【図4】本発明のラミネートフィルム製造工程の概念図
である。
【符号の説明】
1 保護層を外側に巻かれたラミネートフィルム
2のロールの巻出しリール 2 ラミネートフィルム 2a 耐熱性基材 2b 表面層 2c 接着層 2d ビーズ 3 加熱ロール 4 ロータリエンコーダ 5 加圧ロール 6 冷却ファン 7a 後端剥離機構の固定ガイド 7b 後端剥離機構の固定ガイド 7c 後端剥離機構の可動剥離軸 8 先端剥離機構のガイド 10 ラミネートフィルム2の巻き取りリール 11 記録部材Pのガイド 12 第1の紙通過センサを構成するフォトインタ
ラプタ 13 第2の紙通過センサを構成するフォトインタ
ラプタ 14 巻出しロール 15 巻取りロール 16a グラビアロールa 16b グラビアロールb 17a 塗工液タンクa 17b 塗工液タンクb 18 乾燥炉 P 記録部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 康 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK01B AK03B AK15B AK22B AK25B AK41B AK42 AK46B AK51B AK68B AL05B AT00A AT00C BA03 BA07 BA10A BA10C BA25 DE01B DE04B EH46 EH462 EJ86 EJ862 GB90 JA05B JD09B JD14B JJ03 JJ03C JL01 JL11B JL12B JN18B YY00B 4J002 BB001 BC021 BD031 BF021 BF031 BG002 BG011 BG051 BG061 BG071 BG101 BG121 CF001 CK021 CL001 FA082 FD202

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面層と接着層とを有する保護層を耐熱
    性基材上に積層したラミネートフィルムであって、前記
    接着層が接着性樹脂材料とビーズとを含有し、且つ該ビ
    ーズの粒径分布の標準偏差が10以下であることを特徴
    とするラミネートフィルム。
  2. 【請求項2】 前記ビーズの含有量が、前記接着層を構
    成する接着性樹脂材料100質量部に対し0.1〜5質
    量部である請求項1記載のラミネートフィルム。
  3. 【請求項3】 前記接着性樹脂材料のガラス転移温度(T
    g)が、30℃以下である請求項1または2に記載のラミ
    ネートフィルム。
  4. 【請求項4】 前記接着性樹脂材料が、アクリル系樹
    脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エチレン/酢
    酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹
    脂、ポリウレタン樹脂およびポリオレフィン樹脂からな
    る群より選ばれる高分子物質である請求項1ないし3の
    いずれかに記載のラミネートフィルム。
  5. 【請求項5】 前記接着性樹脂材料が、アクリル系樹脂
    である請求項1ないし4のいずれかに記載のラミネート
    フィルム。
  6. 【請求項6】 前記接着性樹脂材料が、紫外線吸収基を
    分子鎖中に有する高分子物質を含むものである請求項1
    ないし5のいずれかに記載のラミネートフィルム。
  7. 【請求項7】 前記表面層を構成する樹脂材料が、紫外
    線吸収基を分子鎖中に有する高分子物質を含むものであ
    る請求項1ないし6のいずれかに記載のラミネートフィ
    ルム。
  8. 【請求項8】 前記ビーズの数平均粒径が、前記接着層
    の層厚より大きい請求項1ないし7のいずれかに記載の
    ラミネートフィルム。
  9. 【請求項9】 前記ビーズの数平均粒径が、前記接着層
    の層厚の2.5倍以下である請求項1ないし8のいずれ
    かに記載のラミネートフィルム。
  10. 【請求項10】 前記ビーズを構成する材料と接着性樹
    脂材料の屈折率の差が、0.2以下である請求項1ない
    し9のいずれかに記載のラミネートフィルム。
  11. 【請求項11】 耐熱性基材上に表面層と接着層とが順
    に積層しているラミネートフィルムの製造方法におい
    て、接着性樹脂材料と粒径分布の標準偏差が10以下で
    あるビーズを含有する塗工液をコーティング法によって
    塗工して接着層を形成する工程を有することを特徴とす
    るラミネートフィルムの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    のラミネートフィルムを使用し、記録部材に保護層をラ
    ミネートすることを特徴とする記録部材のラミネート方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし10のいずれかに記載の
    ラミネートフィルムによって記録部材表面がラミネート
    加工されていることを特徴とする印画物。
  14. 【請求項14】 前記記録部材が、インクジェット記録
    方法によって画像が形成されているものである請求項1
    3に記載の印画物。
  15. 【請求項15】 前記記録部材が、基体とインク受容層
    からなるものである請求項13に記載の印画物。
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