JP2008001014A - 画像の保護方法及びインクジェット印画物 - Google Patents

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Abstract

【課題】空隙型インクジェット記録媒体に印字する場合において、安価で活性化ガスによる染料インクの退色を防止する。
【解決手段】クラックを有するインクジェット記録媒体上に形成した画像の保護方法であって、(1)インクジェット記録媒体を準備する工程と、(2)ラミネートフィルムを準備する工程と、(3)インク受容層の画像を形成した表面と、ラミネートフィルムの浸透層側の面とを重ね合わせる工程と、(4)浸透層を加熱することにより溶融させて、インク受容層内に浸透層を構成する材料を浸透させる浸透工程と、(5)インク受容層内に浸透させた浸透層を構成する材料を固化する固化工程と、を有することを特徴とする画像の保護方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像の保護方法及びインクジェット印画物に関する。特に、インクジェット記録方式で印字した印画物上にラミネートフィルムを用いることにより画像を保護し、インク材料を外部の活性ガスから遮断して褪色性を改善した画像の保護方法及びインクジェット印画物に関する。
従来の銀塩写真に代わる写真の出力方法の1つとして、インクジェット記録方式がある。近年、インクジェット記録方式によって記録されたインクジェット記録媒体の初期画質は、十分に写真画像として使用し得るレベルに到達している。しかし、このインクジェット記録媒体を長期間、保存すると経時的に画像劣化が生じ、この画像劣化を防止することが困難であった。このような画像の保存性に関する具体的な課題としては、耐紫外線、耐ガス性及び耐水性の向上等が挙げられる。中でも特に写真画像の場合には、画像の耐ガス性の向上が望まれていた。
ここで、インクジェット記録方式によって得られたインクジェット記録媒体の場合、インク受容層の内部構造により、記録媒体に付与されたインク成分である染料の耐ガス性が異なったものとなっていた。例えば、インクジェット記録媒体として、記録時にインク受容層が膨潤する膨潤型の記録媒体と、インク受容層がポーラスで多数の空隙を有する空隙型の記録媒体を挙げることができる。
この膨潤型の記録媒体では、インクジェット記録時にインク受容層が膨潤して染料を包みこむため、染料によって形成される画像は退色を起こしにくくなるという特徴を有していた。しかしながら、この膨潤型の記録媒体では高速印字を行なった場合、多量のインクがインク受容層内に打ち込まれるためインク受容層がこのインク成分を吸収して急速に膨張し内部空隙が急激に減少することとなっていた。この結果、インクの吸収性が悪くなってしまい高速印字に不向きであった。
そこで、インク吸収性の面からは空隙型の記録媒体は多数の空隙を有するため、この空隙を介したインクの吸収性に優れており、高速印字に適しているといえる。しかしながら、空隙型の記録媒体では、インク受容層がポーラスで多数の空隙を有するため、この記録媒体にインクを打ち込むと空隙内にインク成分が露出して存在することとなっていた。この結果、記録媒体の空隙内に存在する染料等のインク成分が活性ガスにより攻撃されて画像の退色が生じ易くなっていた。
また、従来の記録媒体では、屋外に長時間、曝したときに生じる画像劣化を防止するため、画像の耐光性が問題となっていた。そこで、この画像の耐光性を改善させる方法として、インクジェット方式で画像を形成後、画像形成面をラミネートして画像を保護する方法がある(特許文献1乃至3)。一方、ラミネートフィルムとしては、基材上に、剥離層、機能層、被覆層を設けたものが知られている(特許文献4)。
特開平7−156568号公報 特開平8−224838号公報 特開平8−258210号公報 特開平11−348437号公報
しかしながら、特許文献1乃至4に記載されているようなラミネートフィルムは主に耐光性の向上を目的として用いられているものであり、優れた耐ガス性を有するものではなかった。また、これらのラミネートフィルムを用いて画像形成面をラミネートした場合であっても、画像形成面にピンホールが発生する場合があった。この結果、このピンホールから活性ガスが侵入し、退色を起こしてしまうこととなっていた。更に、銀塩写真と同じように、画像を縁なしで印字した画像形成面をラミネートした場合には、記録媒体の縁の側面から活性ガスが侵入し、画像の4片(エッジ部)で退色が起こることもあった。
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、特に活性ガスによる画像の退色の発生が抑制された、長期保存性のよい画像形成物(印画物)を提供することである。また、本発明の目的は、クラックを有するインク受容層上に画像を設けたインクジェット記録媒体に対して、保存時における画像の退色の発生を防止できる画像保護方法を提供することである。また、これにより形成されたインクジェット印画物を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有することを特徴とする。
1.クラックを有するインクジェット記録媒体上に形成した画像の保護方法であって、
(1)支持体と、前記支持体上にクラックを有するインク受容層とを備えたインクジェット記録媒体であって、前記インク受容層の表面にインクジェット記録方式により画像を形成したインクジェット記録媒体を準備する工程と、
(2)耐熱性基材上に、表面層、中間層、ホットメルト樹脂を含有する浸透層を順に積層させたラミネートフィルムを準備する工程と、
(3)前記インク受容層の画像を形成した表面と、前記ラミネートフィルムの浸透層側の面とを重ね合わせる工程と、
(4)前記浸透層を加熱することにより溶融させて、前記インク受容層内に前記浸透層を構成する材料を浸透させる浸透工程と、
(5)前記インク受容層内に浸透させた浸透層を構成する材料を固化する固化工程と、
を有することを特徴とする画像の保護方法。
7.支持体と、前記支持体上にクラックを有するインク受容層とを有し、前記インク受容層の表面上にインクジェット記録方式により画像が形成されたインクジェット記録媒体であって、前記インク受容層は前記クラック内及びその画像が形成された表面側から厚み方向に向かう領域内にホットメルト樹脂が充填されたインクジェット記録媒体と、
前記インク受容層の画像が形成された表面上に、インク受容層側から順に中間層と、表面層と、
を有するインクジェット印画物。
浸透処理を行なうことによって、長期保存時でも銀塩写真と同等の画質や耐ガス性を有するインクジェット印画物、及び画像の保護方法が得られる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を挙げて、本発明を詳しく説明する。
<ラミネートフィルム>
図2は、本発明のラミネートフィルムの一例の断面図である。図中の2aはラミネートフィルムを構成する耐熱性基材、2pはラミネートフィルムを構成する画像保護層である。本発明のラミネートフィルム2は、図2に示した通り、耐熱性基材2aの上に、表面層2b、中間層2c及び浸透層2dが順次、積層された構成を有する。尚、ラミネートフィルム2を構成する各層の構成材料等については後述する。
<インクジェット印画物>
図3は本発明の典型的なラミネート処理をしたインクジェット印画物の一例の断面模式図であり、Mはインクジェット印画物である。このインクジェット印画物には、原紙(支持体)M1上にインク受容層M2が形成されたインクジェット記録媒体が含まれる。このインクジェット記録媒体はインク受容層がクラックを有するものであり、このようなインクジェット記録媒体としては例えば、キャストコート紙を挙げることができる。このキャストコート紙は、支持体上にインク受容層材料を塗工した後、キャストドラム(高温の鏡面ドラム)に圧接して鏡面を写し取って光沢を付与したものであり、クラックはこの圧接時に生じる。
支持体としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ、等の木材パルプを材料として抄紙したものを用いることができる。支持体中には、必要に応じてサイズ剤や定着剤、歩留り向上剤、紙力増強剤等の通常、抄紙に使用される各種添加剤を1種以上、必要に応じて使用しても良い。
また、このインク受容層は、微細な顔料とバインダーを含む。インク受容層は多層でもよいが、最表層のインク受容層中に含まれる顔料の平均粒子径は数十nmであり、10nm以上、60nm以下であることが好ましい。ここで、顔料の平均粒子径は、光散乱測定による粒度分布測定によって測定することができる。
顔料としては以下のものを用いることができる。すなわち、無機顔料としては、アルミナ水和物、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、水酸化マグネシウム等を挙げることができる。有機顔料としては、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン粒子、マイクロカプセル粒子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等を挙げることができる。顔料としては、これらから選択された1種を、あるいは必要に応じて選択された2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルミナ水和物としては、例えば、下記一般式(1)により表されるものを好適に利用できる。
Al23-n(OH)2n・mH2O・・・(1)
(上記式中、nは0、1、2又は3の何れかを表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の範囲にある値を表す。但し、mとnは同時に0にはならない。)
本発明のインク受容層は、バインダーを含有する。バインダーとしては、ポリビニルアルコールを用いることが好ましいが、それ以外に、ポリビニルアルコールの変性体、澱粉またはその変性体、ゼラチンまたはその変性体、カゼインまたはその変性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸またはその共重合体、アクリル酸エステル共重合体等の従来公知のバインダーを使用することも可能である。
また、このインク受容層はその内部にクラック3を有する。ここで、クラック3は、以下の方法によって判定できる。
(クラックの確認方法)
インクを打ち込む前のインク受容層を有するインクジェット記録媒体の表面、および断面を、レーザー顕微鏡(VK8500,キーエンス社製)で観察する。表面画像(200倍)から裂け目状又は亀裂状の空隙として認められ、且つ3次元表面形状画像(500倍)により亀裂状の深さを有するものをクラックとする。なお、本明細書ではインク受容層内で上記のようにして確認されるクラック以外の空隙を細孔とする。
(クラックの幅の測定方法)
上記方法によりクラックと確認された部分の表面画像(200倍)において、クラックの長手部(最も長い部分)の両端を結ぶ直線を引く。そして、この長手部を結ぶ直線に対して垂直方向に最大幅の長さを有する部分(A)を確認する。次に、この部分(A)の3次元表面形状画像(500倍)におけるインク受容層の面方向(水平方向)における長さを測定した。そして、このようにしてインク受容層中の5点についてクラックの幅を測定し、各断面写真において最も長い部分の長さをそれぞれクラックの幅とした。最終的に、5点における各クラックの幅の平均値を本明細書で規定する「クラックの幅」とした。
(クラックがインク受容層の表面からその厚み方向に向かって支持体にまで達しているか否かの判断方法)
上記方法により得たインクジェット記録媒体中の任意の5点における断面写真において、写真に写っているクラックが支持体にまで達しているか否かを判定する。そして、写真に写っている全てのクラックのうち、支持体にまで達しているクラックが1つでも認められる場合、「クラックがインク受容層の表面からその厚み方向に向かって支持体にまで達している」ものとした。
クラック3の幅は2μm以上であることが好ましい。クラックがこのような幅を有することによって、浸透工程時に浸透層の構成材料を効果的にクラック内に充填させることができる。
また、クラック3は、インク受容層M2の表面4からその厚み方向5に向かって支持体の表面6に達するまで形成されていることが好ましい。クラックがこのような状態で形成されていることによって、浸透工程時に浸透層の構成材料を効果的にクラック内のインク成分を被覆するように充填させることができる。
このインク受容層の表面(支持体と接する面と反対側の面)4上にはインクジェット記録方式により画像が形成されている。インク受容層内の少なくともクラック3内及び画像が形成された面(表面)側から厚み方向5に向かう領域2dの空隙内(クラック及びクラック以外の細孔)には浸透層の構成材料が充填されている。
図3のインクジェット印画物では、インク受容層内において浸透層の構成材料(ホットメルト樹脂など)が充填された領域はグレーの領域で示されている。図3のインク受容層では、クラック3内に浸透層の構成材料が充填されている。また、インク受容層の表面4からその厚み方向5に向かう一定の厚さの領域は、クラック以外の細孔内にも浸透層の構成材料が充填された領域2dとなっている。このように2dはインク受容層M2中に浸透層2dの構成材料が浸透してできた層である。領域2dはインク受容層の一部を構成していても、全部を構成していても良いが、少なくともインク受容層の表面側(画像が形成された面側:支持体と接する面と反対側の面側)、及びクラック内には浸透層の構成材料が充填されている。インク受容層M2の表面4上にはインク受容層側から順に中間層2c、表面層2bが設けられている。
なお、図3にはラミネート処理後に耐熱性基材2aを剥離させ表面層2bが最表面を構成する構造を表しているが、これ以外にラミネート処理後に耐熱性基材2aを剥離させずに最表面層とした構造とすることもできる。この場合、インクジェット印画物は順に、支持体M1、浸透層の構成材料が浸透したインク受容層M2、中間層2c、表面層2b、耐熱性基材2aを有することとなる。
<画像保護方法>
本発明の画像の保護方法は以下の工程を有する。
(1)支持体と、支持体上にクラックを有するインク受容層とを備えたインクジェット記録媒体であって、インク受容層の表面にインクジェット記録方式により画像を形成したインクジェット記録媒体を準備する工程。
(2)耐熱性基材上に、表面層、中間層、ホットメルト樹脂を含有する浸透層を順に積層させたラミネートフィルムを準備する工程。
(3)インク受容層の画像を形成した面と、ラミネートフィルムの浸透層側の面とを重ね合わせる工程。
(4)浸透層を加熱することにより溶融させて、インク受容層内に浸透層を構成する材料を浸透させる浸透工程。
(5)インク受容層内に浸透させた浸透層を構成する材料を固化する固化工程。
以下に、本発明の画像の保護方法について図面を用いて説明する。図4に、インクジェット記録媒体Pの画像表面に、画像保護層2p(ガス遮断層)を形成する方法の一例を示した。図4において、2は本発明のラミネートフィルムである。Pはクラックを有するインク受容層を備えたインクジェット記録媒体Pa上に、インクジェット記録方式により画像Pbを形成した画像形成物(以下、インクジェット記録媒体Pという)である。ただし、このインクジェット記録媒体では支持体は図示していない。また、2は耐熱性基材2a、表面層2b、中間層2c、ホットメルト樹脂を含有する浸透層2dを順に積層させたラミネートフィルムである。まず、このインクジェット記録媒体P及びラミネートフィルムを準備する(工程(1)、(2))。
次に、インクジェット記録媒体Pの画像Pbが形成されている面(以下、画像形成面という)上に、ラミネートフィルム2の浸透層2d側の面を重ね合わせる(図3(a)及び(b)参照:工程(3))。次に、ラミネートフィルム2の耐熱性基材2a側から、加熱を行い、浸透層2dを構成する材料を溶融させる(図3(c)参照)。この溶融により、液体或いは流状物となった浸透層の構成材料は、少なくともインク受容層が有するクラック内に浸透し、該クラック内に充填される(工程(4))。又、この加熱によって表面層2b及び中間層2cが軟化し、インクジェット記録媒体Pの画像形成面に沿った形で密着被覆する。従って、加熱の際に同時に加圧を行うことが好ましい。
この工程(4)において、浸透層の構成材料がインク受容層に浸透するプロセスは以下の3つに分けられる。
(a)インク受容層のクラック内に浸透層の構成材料が充填されるプロセス(例えば、図3ではクラック内の7の方向への浸透プロセス)。
(b)クラック側面の微細な細孔を介して、浸透層の構成材料が水平方向(面方向)に細孔内に浸透するプロセス(例えば、図3ではクラックの側面から8の方向への浸透プロセス)。
(c)インク受容層表面のクラック以外の細孔から垂直方向(厚み方向)に浸透層の構成材料が浸透するプロセス(例えば、図3ではインク受容層の表面4から9の方向への浸透プロセス)。
上記3つのプロセスの中では(a)のプロセスが最初に起こり、引き続いて(b)及び(c)のプロセスが起こるものと考えられる。ここで、最初に(a)のプロセスが起こり浸透層の構成材料がクラック内に充填されるのは、このクラック内に浸透層の構成材料が浸透しやすく、浸透抵抗が小さいためである。
また、本発明で使用するインクジェット記録媒体はキャストコート紙に代表されるものであり、これはインク受容層材料を塗工した後、キャストドラム(高温の鏡面ドラム)に圧接して鏡面を写し取って光沢を付与したものである。このため、このクラックは圧接時に生じたものであり、浸透抵抗が小さいこのクラックを介して浸透層の構成材料が浸透するものと考えられる。そして、このようにしてクラック内に浸透した浸透層の構成材料が、次に、(b)クラック側面の空隙を介してインクジェット記録媒体の面方向にも浸透していくものと考えられる。また、この(b)のプロセスと同時に、(c)インク受容層表面のクラック以外の細孔から垂直方向(厚み方向)に浸透層の構成材料が浸透するプロセスも起こっているものと考えられる。
以上のように、浸透層の構成材料がインク受容層内に浸透するときは、(a)のプロセスが先行し、続いて(b)及び(c)のプロセスが起こっているものと考えられる。このため、インク受容層内に浸透層の構成材料が簡便かつ効果的に浸透してクラック内に存在する染料を包み込むことができる。この結果、優れた耐ガス性を有するインクジェット印画物を得ることができる。
これに対して、従来の亀裂が浅いインクジェット記録媒体では、亀裂内を浸透層の構成材料が浸透する際の浸透抵抗が大きかった。このため、浸透プロセスにおいてインク受容層内に浸透層の構成材料を浸透させる際には、上記(a)〜(c)のプロセスが競合的に起こっていた。しかし、両プロセスとも浸透抵抗が大きいため、インク受容層内に浸透層の構成材料を効果的に浸透させることができなかった。この結果、インク受容層内のインク成分が浸透層の構成材料で効果的に被覆されず、耐ガス性に劣ったものとなっていた。
また、本発明の保護方法では上記(a)、(b)、(c)のプロセスが逐次的に進行することを考慮して、この浸透工程では加熱時間を長く取ることが好ましい。このための方法としては、処理スピードを遅くするか、又は加熱ロールでラミネートフィルムとインクジェット記録媒体がニップされている時間を長くする方法が挙げられる。これらの条件は、クラック構造の特性、浸透層の構成材料の粘度物性・厚み、希望する処理スピード、プロセスマージン、機器等の構成から最適なものを選択することによって調節できる。
本発明の画像の保護方法では、少なくとも画像形成面の表面に近い部分に、浸透層の構成材料を固化することが好ましい。従って、ラミネートフィルムを構成する浸透層2dの構成材料としては溶融粘度が適度な材料を用い、浸透工程時には熱に加えて圧力をかけて浸透層の構成材料を押し込むようにすることが望ましい。上記のように画像形成面の表面に近い部分で浸透層の構成材料を固化することが好ましい理由は、以下の通りである。
一般に、インクジェット印画物の表面から離れた位置に存在する色材は、表面近くに存在する色材に比較して発色に寄与する程度が低い。この理由は、画像形成面の表面から入った光は、記録媒体を構成するインク受容層中に存在する色材に当たり、拡散したり吸収されたりして減衰してしまうことによる。このため、画像形成面からの距離に相乗して光の減衰率は大きくなり、最表面から離れた位置に存在する色材の見た目の光学濃度に寄与する寄与率は小さくなる。
そこで、本発明では、少なくとも、上記インク受容層の最表面近傍に存在する色材に対してラミネートフィルムを構成する浸透層の構成材料によるガス遮断を行うことにより、より効果的に長期保存による画像劣化を防止できる。より具体的には、インク受容層の画像形成面からその厚み方向に向かって少なくとも20μmまでの部分に浸透層の構成材料が充填するように構成することが好ましい。
ここで、浸透層の構成材料の粘度が高かったり、加熱温度が低すぎた場合には、浸透層の構成材料がクラック構造内に浸透しにくくなる。このため、インク受容層に浸透する途中で、固定化されるので好ましくない。更に、加熱温度が高すぎると、薄い耐熱性基材に設けられた浸透層を用いた場合、耐熱性基材の収縮が起こることがある。これらのことから、本発明の画像の保護方法では、加熱手段による加熱温度を100℃以上150℃以下の範囲に設定することが好ましい。
加熱を終了すると、溶融していた浸透層の構成材料は急激に粘度が下がって固化し、印字部の色材は固化した浸透層の構成材料で囲まれることとなる(工程(5))。この結果、印字部は、活性ガスから遮断された状態となる。最後に、ラミネートフィルム2の耐熱性基材2aを剥離させる(図3(d)参照)と、画像形成面上に表面層2bが残る。これにより、画像形成面上には画像保護層2pが形成される。
<ラミネート装置>
図1に、本発明の画像の保護方法によって、インクジェット記録媒体の画像形成面に画像保護層を形成するのに使用可能なラミネート装置の概略を示した。図1に示した装置では、下記の一連の動作からなるラミネート処理を行うことができる。
先ず、インクジェット記録媒体P及びラミネートフィルム2を準備する(工程(1)、(2))。次に、インクジェット記録媒体Pの画像形成面に、本発明のラミネートフィルムの浸透層側の面を重ね合わせる[図3(a)及び(b)参照:工程(3)]。次に、浸透層を加熱することによって浸透層の構成材料を溶融させ、インクジェット記録媒体のインク受容層への浸透、更には圧着[図3(c)参照]を行う(工程(4))。そして、最終的に、浸透層の構成材料の固化後(工程(5))に耐熱性基材の剥離[図3(d)参照]を行い、ラミネート処理を終了する。
図1において、1は、画像保護層2p(浸透層)を外側にして巻かれたラミネートフィルム2のロールの巻出しリールである。ラミネートフィルム2にバックテンション[図では反時計回り(CCWと表すことがある)方向のトルクによる]を与えている。ラミネートフィルム2は、フィルムガイド3を介して加熱加圧ロール4、分離バー5を通って、巻き取り方向テンションが与えられた巻き取りリール6に巻き取られる。加熱加圧ロール4は、プラテンローラー7に対して線圧1.5N/cm以上、5N/cm以下、特に2.5N/cm以上4N/cm以下で加圧するのが好ましい。
9はインクジェット印画物Pの給紙トレイ、10は浸透処理されたインクジェット印画物Pの排紙トレイである。11aは入り口の紙通過検知センサ、11bは出口の紙通過検知センサである。
インクジェット記録媒体Pが給紙トレイ9に挿入され、入り口の紙通過検知センサ11aが紙の「あり」信号を発生すると、設定時間後に加熱加圧ロール4がプラテンローラー7に圧接する。これとともに、プラテンローラー7がCCW方向(図中の矢印の方向)に回転を開始する。当該回転の線速度は、5mm/sec以上、70mm/sec以下程度の範囲から選択可能であるが、特に10mm/sec以上、50mm/sec以下の範囲が好ましい。プラテンローラー7には非接着処理が施してあり、浸透層の構成材料がプラテンローラー7に接着しないようになっている。
インクジェット記録媒体Pは、加熱加圧ロール4とプラテンローラー7により画像保護層2p(浸透層)を介してラミネートフィルム2に熱圧着する。この時に、浸透層の構成材料が熱溶融してインク受容層内に浸透すると共に、インク受容層上に中間層、表面層及び耐熱性基材が設けられる。このようにして得られたインクジェット印画物Pは、下方に押し出される。出口の紙通過検知センサ11bが紙「あり」を検知すると、インクジェット印画物Pの巻き込みローラー対が作動する。分離バー5にインクジェット印画物Pの先端が到達すると、剛性の高いインクジェット印画物のコシとラミネートフィルムの角度により画像保護層2pが熱圧着されたままインクジェット印画物Pに転写される。この結果、画像保護層2p中の耐熱性基材2aのみが巻き取りリール6に巻き取られて、画像保護層2pと耐熱性基材2aが剥離される。
インクジェット印画物Pは、引き込みローラー対8に引き込まれて、排紙トレイ10に排出される。出口の紙通過検知センサ11bが紙の「あり」から「なし」への変化を検知した時点で加熱加圧ロール4は退避する。同時に出口の紙通過検知センサ11bが紙の「あり」から「なし」への変化を検知した時点でタイマーが作動し、排紙完了に要する長さ分だけラミネートフィルムが送られる。その後、プラテンローラー7が静止する。
なお、ラミネートフィルム2とインクジェット印画物Pの後端剥離が可能かどうかは、熱圧着された部分と熱圧着されていない部分での画像保護層2pの膜の切れやすさ及び耐熱性基材と浸透層2dの密着力のバランスにより決まる。
本発明では図1に示したように、加熱手段として加熱加圧ロール4を用いることが好ましい。また、スピードが遅い場合は、サーマルヘッドを加熱手段として用いるラミネート装置であってもよい。更に、熱源としてランプヒーター等を使うのが安価で好ましいが、電磁誘導を利用することも可能である。
以上の説明では、耐熱性基材2aがインクジェット印画物Pから自動剥離されるインクジェット印画物Pについて説明したが、耐熱性基材2aの材料によっては自動剥離せず、処理後に手で剥離してもよい。また、剥離せずに耐熱性基材をインクジェットインクジェット印画物の表面に残したままとすることも可能である。
<ラミネートフィルムの構成材料>
(耐熱性基材)
本発明のラミネートフィルムを構成する耐熱性基材2aの構成材料としては、下記に挙げるものが好ましい。即ち、先ず、上記で説明したようなインクジェット記録媒体に画像保護層2pをラミネートする際における熱圧着条件下で、更には加熱加圧条件下で、形状を安定して維持できる材料であることが好ましい。耐熱性基材2aの構成材料は、上記要件に加えてインクジェット記録媒体のインク受容層上に画像保護層2pを形成した段階で、画像保護層2pと剥離が容易な材料であることが好ましい。
耐熱性基材としては上記のようなものであればいずれのものであってもよいが、具体的には下記のものが挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と表すことがある)、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレートコポリマー及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステルからなる、フィルムやシート等を用いることができる。又、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、アクリル樹脂及びポリエーテルスルフォン等の材料からなるフィルムやシート等を用いることができる。
耐熱性基材2aの厚みとしては浸透層および表面層の厚さとこの場合の浸透層の脱落防止、経済性等を考慮して、適宜厚さを選択することができる。しかしながら、耐熱性基材2aの厚みが薄すぎると、浸透工程における加熱時に収縮が発生しラミネート後の品位を低下させることがあるため好ましくない。好ましくは、加熱加圧ロール4による熱の伝達性を考慮して2μm以上、40μm以下の範囲とするのが良い。また、耐熱性基材を浸透工程後に剥離せず、最表面層として用いる場合には、上記に加え画像の品位を考えて耐熱性基材はできるだけ薄くすることが好ましい。この場合には、耐熱性基材の厚さを2μm以上、20μm以下の範囲とすることが好ましい。
この耐熱性基材2aが粗面化処理されていない場合にはラミネートフィルム2をインクジェット印画物Pに貼り合せた後、この耐熱性基材2aを剥離すると、光沢のある画像保護層2pを有するインクジェット印画物が得られる。
また、これ以外に耐熱性基材2aは、浸透層2dが形成される側の面にエンボス加工やサンドブラスト等の粗面化処理又は粉体粒子を含む樹脂層による粗面化処理がされていてもよい。粗面化処理されている耐熱性基材2aを使用した場合には、半光沢又はマット調の画像保護層2pを有するインクジェット印画物が得られる。耐熱性基材の裏面には搬送性向上等の必要に応じて、背面層を形成してもよい。
(表面層)
工程(5)の後、耐熱性基材を剥離させた場合、本発明のラミネートフィルムを構成する表面層2bはラミネート転写後にインクジェット印画物の最表層を形成する。このため、表面層2bの構成材料はインクジェット印画物Pの画像性、光沢性、耐摩擦性及び耐水性等に大きく影響する。
画像性の観点からは、表面層2bの構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂及び酢酸ビニル系樹脂等の非晶性高分子材料から選択し、これらを主成分として構成することが好ましい。結晶性の高い樹脂材料は、結晶粒界による透明性の低下の問題から好ましくないからである。
又、印画物の光沢性の観点からは、表面層2bを構成する樹脂材料のガラス転移温度を適当なものとすることが重要となる。この理由を以下に説明する。まず、写真画質に匹敵する高い光沢性を有する印画物を得るためには、印画物の最表層を構成する表面層の平滑性が極めて重要となる。ここで、表面層2bを形成する樹脂材料のガラス転移温度が低くなると軟化開始温度も同様に低下するため、室温付近までガラス転移温度が低い樹脂を使用すると常温環境において樹脂の軟化が生じる。この結果、放置時間とともにインクジェット印画物の表面形状が軟化変形してしまい、初期の光沢性が維持されなくなるためである。従って、さまざまな使用環境において安定な形状を保持するという観点から、表面層2bを構成する樹脂材料としてはそのガラス転移温度が60℃以上のものであることが好ましい。
更に、印字物の耐摩擦性の観点から、表面層2bを構成する樹脂材料の膜強度が重要である。樹脂材料の膜強度を大きく左右する因子としては、樹脂材料のガラス転移温度及び分子量等が重要となる。一般に、樹脂材料のガラス転移温度が低くなると樹脂の軟化開始温度が低くなり、軟化開始温度以上においては外力に対して容易に変形が生じてしまう。従って、さまざまな使用環境において外力に対して安定な形状を保持する観点からも、表面層を構成する樹脂材料のガラス転移温度は60℃以上であることが好ましい。樹脂材料のガラス転移温度の測定は、示差走査熱量計(DSC)等による公知の手法を用いて測定することが可能である。
以下に、表面層2bを構成する具体的な樹脂材料について説明する。下記に示す単量体成分を上記した特性に合うように適宜に選択して樹脂材料を調整して用いることができる。又、上記の特性に合うように、市販材料を適宜に選定して表面層を形成してもよい。
アクリル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体或いはこれと共重合可能な他の単量体との共重合体(以下、(メタ)アクリル酸エステル系重合体と表すことがある)が好ましい。尚、「(メタ)アクリル酸エステル」のような表現は、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを意味するものである。
上記のような(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造に使用することのできる(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例としては、下記のものが挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸イソノニル及び(メタ)アクリル酸ラウリル等である。これらの(メタ)アクリル酸エステル単量体は、単独で、或いはこれらの単量体と共重合可能な他の単量体とを組み合わせて重合して、前記のような特性を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を得ることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステルと更に共重合可能な他の単量体の具体例としては、下記のものが挙げられる。
例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸等の不飽和カルボン酸;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルブチル等の水酸基を有する単量体;
(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等のアルコキシ基を有する単量体;
(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基を有する単量体;
(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基を有する単量体;。
スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;
(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の芳香環を有する単量体;(メタ)アクリルアミド等のアミド基を有する単量体;
N−アルコキシ基を有する単量体やN−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル基を有する単量体;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブチロール(メタ)アクリルアミド等の、N−アルキロール基を有する単量体;
フッ化ビニル、塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル系単量体、塩化アリル、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、クロロメチルスチレン等のハロゲン原子が結合した基を有する単量体;
エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン系単量体等である。
上記の中でも反応性の官能基を有する単量体成分を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、これらの官能基を利用して部分架橋して用いることも可能である。
本発明のラミネートフィルムの表面層2bを構成するのに使用できるスチレン系樹脂としては、例えば、日信化学工業(株)製ビニブラン2730等を挙げることができる。
本発明のラミネートフィルムの表面層2bを構成するのに使用できる塩化ビニル系樹脂としては、日信化学工業(株)製ビニブラン270等を挙げることができる。
本発明のラミネートフィルムの表面層2bを構成するのに使用できる酢酸ビニル系樹脂としては、日信化学工業(株)製ビニブラン1122等を挙げることができる。
本発明のラミネートフィルムを構成する表面層2bの形成には、水性分散液(エマルジョンもこの範疇に含まれる)等を用いて調製した塗工液を、後述するような塗工方式により塗工することで形成することができる。この際に使用する水性分散液としては、例えば、上記樹脂材料を有機溶媒に溶解した樹脂溶液、或いは乳化重合によって製造した高分子物質のエマルジョン溶液が挙げられる。更には高分子物質を予め合成し、これを懸濁若しくは乳化して、水若しくは水性媒体中に分散したものが挙げられる。
本発明のラミネートフィルムを構成する表面層2bの形成は、上記のような塗工液を先に説明したような材料からなる耐熱性基材表面に、下記に挙げるような塗工方法を用いて塗工し乾燥させることによって行うことができる。その際に使用する塗工方法としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコーティング法及びスロットダイコーティング法等により選択される方法が挙げられる。
本発明の画像保護層2pは、以上のようにして形成した表面層2b上に中間層2cと浸透層2dとを形成することにより得ることができる。表面層2bの厚みについては、それ自身の内部応力によりクラックが入るのを防止できる膜厚であることが必要となる。一方、膜厚を厚くすると、自動剥離ができなくなるものの光沢度の改善が重視される用途もあることを考慮して、好ましくは0.5μm以上15μm以下、より好ましくは1.0μm以上10μm以下の範囲から、適宜に選択することができる。
(中間層)
本発明のラミネートフィルムではラミネート時に浸透層は溶融し、表面層はラミネート温度で多少軟化しつつも固体のままインク受容層の表面に熱圧着される。しかしながら、浸透層上に表面層を設けたラミネートフィルムを用いた場合、浸透工程時には浸透層の構成材料がインク受容層の内部に浸透拡散するのに対して、表面層が硬いとインク受容層に密着せず浮いてしまう場合がある。また、ラミネート後の表面層は凹凸が大きく、十分な光沢が得られない場合がある。そこで、本発明では、これら浸透層と表面層との間に適切な中間層を入れることによって両層の密着性を改善させ光沢を得ることができる。
これに対してラミネートフィルム中に中間層2cを設けない場合、浸透工程時に表面層2bと浸透層2dの間で分離が発生(イキ分かれ現象)し易くなる。又、分離を起こさない条件で処理すると浸透層2dの構成材料がインク受容層内に十分に浸透せず、気泡が発生することによる白化現象等、安定した良好なラミネート処理の実施が困難となる。
従って、中間層2cの構成材料には、下記の機能が要求される。先ず、加熱により適度に変形してインク受容層の表面形状に沿った形で変形する(即ち、インク受容層中に浸透しない)ことである。又、表面層2bの構成材料との密着力が該表面層2bと耐熱性基材2aとの密着力よりも強く、且つ、インクジェット記録媒体中のインク受容層の構成材料との密着性が良好なことである。
中間層はラミネート温度(浸透工程時の温度)で溶融せず表面層よりも軟化するもの、つまりガラス転移点を有する材料を含むことが好ましい。中間層の構成材料は好ましくはガラス転移点が、ラミネート温度以下であるものが適しており、概ねガラス転移温度が40℃以上、80℃以下のものが好適に用いられる。なお、中間層としては異なるガラス転移点を持つ材料を2種類以上混ぜ合わせ、使用温度範囲で緩やかに特性が変わるようにしてもよい。
中間層の構成材料としては、このような特性をもち透明な樹脂であれば良く、中間層には例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の高分子物質を含有する樹脂材料を用いることができる。
中間層の材質によっては厚みが増すと原紙(支持体)の伸縮に対応できず、表面にクラックが入る場合がある。この場合にはガラス転移温度を前述の範囲内で適切に選択すると同時に、厚さの上限値をクラックの入らない範囲に設定する必要があり、中間層の厚みは15μm以下であることが好ましい。
本発明では、インク受容層が深いクラックを有することから、温湿度の変化により支持体が伸縮したときに表面層に亀裂が入らないよう中間層の厚みを厚くする必要がある。
このため、本発明の中間層2cの膜重量(乾燥重量)としては2g/m2以上が好ましく、4g/m2以上がより好ましい。厚みの上限はフィルムの全体コストから勘案して定めることができる。厚みの下限は、インク受容層のクラックの幅以上であれば想定する温湿度条件(製品保証温湿度30℃−80%RH)以下で表面層に亀裂が発生しないことが分かっているため、この範囲内とすることが好ましい。
本発明のラミネートフィルムを構成する中間層2cは、上記のような樹脂材料からなる塗工液を、表面層2bと同様の方法で表面層2bの上に塗工し、乾燥させることによって形成することができる。塗工方法としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコーティング法及びスロットダイコーティング法等により選択される方法を用いることができる。
(浸透層)
本発明の浸透層の構成材料は、インク受容層内のクラック内に浸透しやすいことを考慮して次の2つの条件が必要である。
A 浸透工程時に、加熱溶融してクラック内に浸透可能な適度な溶融粘度を有する
B 疎水性である。
Aの条件に関しては、加熱溶融時の粘度が小さい場合、浸透層の構成材料がクラックのみに浸透して、インク受容層の全体にわたって存在するインク成分を被覆できずに退色が発生する。逆に、加熱溶融時の粘度が極端に高い浸透層の構成材料を用いた場合、ハンドリング性、形状保持性、処理する機械の複雑さ、コスト高、プロセスマージンの狭さ等を考慮すると実用的ではない。このため、浸透層の構成材料、中でも主構成材料であるホットメルト樹脂の溶融粘度を所定範囲に規定することが好ましい。
Bの条件に関しては、浸透層の構成材料が親水性であるとインク受容層を構成する微粒子との親和性が高まり、浸透過程のコントロールが困難となる。この結果、浸透工程での制御マージンが狭くなる。
本発明の浸透層2dの構成材料は、熱溶融性であることが必要である。ここで、「熱溶融性」とは、層を構成する成分が融点以上に加熱されることで液体状態となる性質を示している。このような材料としては、通常ホットメルトと呼ばれるパラフィンワックスやカルナバワックスやオレフィン系の合成ワックス等が挙げられる。
浸透層2dは、前記熱溶融性材料と、層全体の溶融特性及び膜強度、層間密着等をコントロールするためのバインダー成分(ベースポリマー)とを主体として構成される。浸透層2dはこのような材料を含むことで、加熱時の熱溶融性と、常温における層の安定保持性を両立させることが可能となる。ベースポリマーとしては、エチレン−酢酸ビニル系、ポリエステル系及びポリオレフィン系の材料を使うことができる。これらの樹脂は、前記の溶融性ワックス成分と相溶性に優れる点と、樹脂の加熱粘度特性の調整の幅が広いので好ましい。又、中間層2cや、記録媒体のインク受容層への密着性をより高める目的で、浸透層2dの構成材料として、粘着付与材料を必要に応じて添加して用いることも可能である。
本発明の浸透層2dはラミネートフィルムをインク受容層の画像形成面に熱圧着する際に、溶融して粘度が低くなり液体或いは流状物となってインクジェット記録媒体のインク受容層内に浸透するものである。従って、その粘度をコントロールできることが必要である。なお、浸透層を構成する材料としては、少なくとも熱溶融する材料としてホットメルト樹脂を用いる必要があるが、その他の材料は熱溶融するものであっても、しないものであっても良い。好ましくは、浸透工程時に浸透層を構成する全ての材料が溶融するのが良い。
通常、ラミネート処理プロセスにおける加熱温度(浸透工程時の温度)は、ラミネートフィルムを構成する耐熱性基材2aへの熱ダメージの観点から150℃以下で行われる。従って、100℃以上150℃以下での溶融粘度が低いことが好ましい。
好ましくは浸透工程において浸透層の全構成材料が溶融し、浸透層の全構成材料の溶融粘度が100℃において、600mPa・sec以上、1500mPa・sec以下であるのが良い。浸透層の全構成材料の溶融粘度がこれらの範囲内にあることによって、インク受容層内への優れた浸透性及びハンドリング性を有することができる。
本発明の浸透層2dは、上記樹脂材料からなる塗工液を、中間層2cの上に塗工し乾燥させることによって形成することができる。この際の塗工方法には、前記した2層(中間層、表面層)と同様の塗工方法を用いることができる。
本発明の浸透層2dの膜重量は、インクジェット記録媒体のインク受容層の厚さ、材料等に合わせて適宜、選択される。光学濃度への寄与率が高いインク受容層の表面近くにホットメルト樹脂などの浸透層の構成材料を浸透、固化させることによって、効果的にガスの進入を遮断し褪色を防止することができる。また、マイグレーションを改善するという観点においても、光学濃度への寄与率の高い部分に重点的にホットメルト樹脂などの浸透層の構成材料を溶融浸透させることによって効果的に改善することができる。
また、十分な印字濃度を得て表面層内のマイグレーションを十分に抑制するためインク受容層の厚さ方向にある程度の厚さまでホットメルト樹脂などの浸透層の構成材料を浸透させることが好ましい。
インクジェット記録媒体のインク受容層の厚みは、一般に10から40μm程度である。本発明では浸透工程での浸透層の構成材料の熱溶融時に、浸透と同時にクラック内への充填が発生するため、効果を発現するのに所定の層厚が必要となる。このことから本発明の浸透層の膜重量としては、5〜20g/m2が好ましく、10〜20g/m2がより好ましい。膜重量が大きすぎると、浸透層の構成材料の浸透が完了する前に材料の温度が下がることから、半分、浸透して残りが浸透せずに表面に残り凸凹となりゆず肌状になる。
以上のように表面層2b上に更に中間層2c、浸透層2dを形成することにより、本発明のラミネートフィルムの画像保護層2pを形成することができる。
[1]インクジェット記録媒体の作成
(インクジェット記録媒体1)
基材:
基材(支持体)としては、坪量130g/m2、厚さ150μmの上質紙を用いた。
インク受容層:
(インク受容層用塗工液1)
以下の材料からなるインク受容層用塗工液1を調整し、前記基材上にエアーナイフコーティング法により塗工し乾燥することによって形成した。
合成非晶質シリカ(トクヤマ社製ファインシールX−37B) 148質量部
(平均凝集粒径 3.7μm)
バインダー クラレ製ポリビニルアルコール420H 84質量部
(インク受容層用塗工液2)
以下の材料からなる塗工液を調整し、ホモジナイザーで1時間攪拌後、直径0.2μmのジルコニアビーズを用いたビーズミルで3時間粉砕混合し、分散スラリーを得た。
水 100質量部
合成非晶質シリカ(トクヤマ社製レオロシールQS102) 12質量部
(1次粒子径 15nm)
この分散スラリー100質量部に対し、バインダーとしてクラレ社製ポリビニルアルコール420(固形分含量 9.6質量%)40質量部を加え、インク受容層用塗工液2を調整した。
上記基材上にインク受容層用塗工液1により形成した層上に更に、ロールコーティング法によりインク受容層用塗工液2を塗工する。塗工面が湿潤状態にあるうちに硼砂の0.5質量%水溶液を凝固液として塗工面に塗布し、表面温度が105℃のキャストドラムで圧着乾燥することによりインクジェット記録媒体1を得た。このインクジェット記録媒体1は、インク受容層が2層からなっており、各層の膜厚は基材側の層が乾燥膜厚5μm、その上の層が乾燥膜厚20μmであった。明細書に記載の(クラックの確認方法)に従ってこのインクジェット記録媒体1の断面を観察するとクラックが存在していた。また、明細書に記載の(クラックの幅の測定方法)に従って測定したところ、このクラックの幅は2.2μmであった。更に、明細書に記載の判断方法に従ってクラックがインク受容層の表面から基材(支持体)にまで達しているか否かを判断したところ、このクラックはインク受容層の内部を支持体にまで及んでいた。
[2]ラミネートフィルム
(ラミネートフィルム1)
耐熱性基材1:東レ製PETフィルムルミラー(登録商標)S10(厚さ20μm)を用いた。
表面層用塗工液1:JSR(株)製アクリルエマルジョンT371(商品名)(Tg=85℃、固形分含有率 40質量%)を塗工液とした。
中間層用塗工液2:三菱レイヨン(株)製アクリル樹脂ダイヤナールL−637(商品名)(Tg=42℃、固形分含有率 40質量%)を塗工液とした。
浸透層用材料1:ポリエチレンワックス(スリップエイド SL31(商品名):エレメンティス・ジャパン社製、融点105℃:ホットメルト樹脂)100質量部に対して三井・デュポン ポリケミカル(株)製エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂ポリマーのエバフレックス(登録商標)220(融点65℃)を60質量部、加えて加熱溶融させて、浸透層を形成するための浸透層用材料1とした。
浸透層用材料1について、Brookfield社 粘度計Viscometer LVTを用いて粘度を測定したところ、100℃での溶融粘度は1000mPa・secであった。
耐熱性基材1上に、表面層用塗工液1をスロットダイコーティング法により、乾燥重量1.2g/m2となるように塗工・乾燥して表面層を形成した。この後、表面層上に中間層用塗工液2を乾燥重量2g/m2となるようにスロットダイコーティング法により塗工、乾燥して中間層を形成した。次に、中間層上に浸透層用材料1を乾燥重量14g/m2となるように塗工、乾燥して浸透層を形成してラミネートフィルム1を得た。なお、浸透層用材料の密度は1g/cm3であるため、1g/m2は1μmに相当する。
(ラミネートフィルム2、3、4)
浸透層用材料2:ポリエチレンワックス(スリップエイド SL31(商品名):エレメンティス・ジャパン社製:ホットメルト樹脂)100質量部に対して三井・デュポン ポリケミカル(株)製エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂ポリマーのエバフレックス(商標)220を40質量部加え、加熱溶融させた。この浸透層用材料2についてBrookfield社 粘度計Viscometer LVTを用いて粘度を測定したところ、100℃での溶融粘度は800mPa・secであった。
そして、ラミネートフィルム1の作成に用いた浸透層用材料1の代わりに浸透層用材料2を18,10,8g/m2の量で塗工した以外は、ラミネートフィルム1と同じようにしてそれぞれラミネートフィルム2、3、4を得た。
(ラミネートフィルム5)
浸透層用材料3:ポリエチレンワックス(スリップエイド SL31(商品名):エレメンティス・ジャパン社製:ホットメルト樹脂)100質量部に対して三井・デュポン ポリケミカル(株)製エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂ポリマーのエバフレックス(登録商標)220を80質量部、加えて加熱溶融させた。この浸透層用材料3について、Brookfield社 粘度計Viscometer LVTを用いて粘度を測定したところ、100℃での溶融粘度は1400mPa・secであった。
そして、ラミネートフィルム1の作成に用いた浸透層用材料1の代わりに浸透層用材料3を用いた以外は、ラミネートフィルム1と同じようにしてラミネートフィルム5を得た。
(ラミネートフィルム6)
浸透層用材料4:ポリエチレンワックス(スリップエイド SL31(商品名):エレメンティス・ジャパン社製:ホットメルト樹脂)100質量部に対して三井・デュポン ポリケミカル(株)製エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂ポリマーのエバフレックス(商標)220を35質量部、加えて加熱溶融させた。
浸透層用材料4について、Brookfield社 粘度計Viscometer LVTを用いて粘度を測定したところ、100℃での溶融粘度は600mPa・secであった。
そして、ラミネートフィルム1の作成に用いた浸透層用材料1の代わりに浸透層用材料4を用いた以外は、ラミネートフィルム1と同じようにしてラミネートフィルム6を得た。
[3]インクジェット記録媒体への浸透処理
[1]のインクジェット記録媒体1に対し、それぞれ[2]のラミネートフィルム1から6を用いて浸透処理を行なった。ここで、インクジェット記録媒体1に対してラミネートフィルム1から6を用いて浸透処理を行なったものをそれぞれ、実施例1から6とした。
具体的には、図1に図示した装置を用いて,インクジェット記録媒体のインク受容層とラミネートフィルムの浸透層側とが重なりあうように配置した。そして、加熱ロールでラミネートフィルムの基材側から加熱し、浸透層の構成材料を溶融させてインク受容層内に充填させた。この際、インクジェット記録媒体側の直径12mmのプラテンローラーは非加熱、加熱ロールの加熱温度は120℃とし,ニップ加重は1.5N/cm、送り速度は30mm/secで加熱圧着させた。この後、浸透層の構成材料を放冷させて固化させることにより、画像保護層が画像面にラミネートされた印画物を得た。
<評価>
[4]外観評価
ラミネート処理をされたインクジェット印画物を銀塩写真と比較した。評価方法としては、10人の被験者にサンプルを見せて以下のように行なった。
○:7人以上が銀塩写真と同等、あるいは優れていると評価した。
△:4−6人が銀塩写真と同等、あるいは優れていると評価した。
×:3人以下が銀塩写真と同等、あるいは優れていると評価した、又は全員が銀塩写真よりも劣っていると評価した。
[5]濃度評価
ラミネート処理をしたインクジェット印画物の黒色パッチの画像濃度を測定し、
○:K濃度が2.2以上
△:K濃度が1.8以上2.2未満
×:K濃度が1.8未満
とした。
[6]耐ガス性評価(退色評価)
ラミネート処理をしたインクジェット印画物をスガ試験機(株)オゾンウェザーメーターOMS−Hに投入してオゾンガスによるインクの退色を見た。試験条件は40℃―55%RHでオゾン濃度2.5ppm−10時間とした。インクジェット印画物の黒色パッチのLa**により、オゾンガス暴露前後の色差ΔEを測定(JIS Z 8730に準拠)した。
○:ΔEが2以下のもの(退色が視認できない)
△:ΔEが2より大きく5以下のもの
×:ΔEが5より大きい
とした。なお、このΔEの変化が起こるということは、インクジェット印画物のベース材料の伸縮により表面保護層に亀裂が入り、オゾンガスによりインクが退色したことを示している。
実施例1から6の[4]、[5]、[6]の評価結果を表1に示す。
Figure 2008001014
断面写真の観察により、実施例1から6で製造したインクジェット印画物は全てクラック内の全体及びインク受容層の画像形成面側に浸透層の構成材料が充填されていることが確認できた。そして、浸透層の構成材料が充填された領域の厚みを、インクジェット印画物の任意の5点についてレーザー顕微鏡(500倍)による断面写真を観察し、インク受容層中の浸透層の構成材料が充填されている領域の厚みを測定した。そして、この5点の値について平均化したものを求めた。この測定により浸透層の構成材料が充填されている領域の厚みを測定できたものはその厚みを表1に記載した。また、インク受容層の画像形成面側に浸透層の構成材料が充填されていることは確認できたものの、その厚みが薄く上記方法により正確な測定ができなかったものを「クラック内のみ」と表1に記載した。
表1の結果より、実施例1〜6のインクジェット印画物は、外観、濃度、退色が全て「△」又は「○」となっており、良好な結果が得られたことが分かる。なお、実施例4では浸透層の構成材料の量が少ないため、クラック内で消費される浸透層の構成材料の量が多く、インク受容層の画像形成面近傍への浸透が不十分であった。このため、オゾンによる退色がやや発生しており外観、濃度、退色は「△」であった。また、実施例6では浸透層の構成材料の粘度が低いため、全般的にインク受容層内への浸透が不十分であった。このため、オゾンによる退色がやや発生しており外観、濃度、退色は「△」であった。
本発明の画像の保護方法の実施に使用可能な装置の一例を示す図である。 本発明で用いるラミネートフィルムの一例の断面図である。 本発明のインクジェット印画物の一例を示す断面図である。 本発明のラミネートフィルムを用いた画像の保護方法の一例を説明する模式図である。
符号の説明
1:巻出しリール
2:ラミネートフィルム
2a:耐熱性基材
2b:表面層
2c:中間層
2d:浸透層
2p:画像保護層
3:フィルムガイド
4:加熱加圧ロール
5:分離バー
6:ラミネートフィルム2の巻き取りリール
7:プラテンローラー
8:引き込みローラー対
9:給紙トレイ
10:排紙トレイ
11:印画物Pのガイド
11a:入り口の紙通過検知センサ
11b:出口の紙通過検知センサ
P:インクジェット印画物

Claims (7)

  1. クラックを有するインクジェット記録媒体上に形成した画像の保護方法であって、
    (1)支持体と、前記支持体上にクラックを有するインク受容層とを備えたインクジェット記録媒体であって、前記インク受容層の表面にインクジェット記録方式により画像を形成したインクジェット記録媒体を準備する工程と、
    (2)耐熱性基材上に表面層、中間層、ホットメルト樹脂を含有する浸透層を順に積層させたラミネートフィルムを準備する工程と、
    (3)前記インク受容層の画像を形成した表面と、前記ラミネートフィルムの浸透層側の面とを重ね合わせる工程と、
    (4)前記浸透層を加熱することにより溶融させて、前記インク受容層内に前記浸透層を構成する材料を浸透させる浸透工程と、
    (5)前記インク受容層内に浸透させた浸透層を構成する材料を固化する固化工程と、
    を有することを特徴とする画像の保護方法。
  2. 前記クラックの幅が2μm以上であり、前記クラックはインク受容層の表面からその厚み方向に向かって支持体にまで達することを特徴とする請求項1に記載の画像の保護方法。
  3. 前記中間層がガラス転移温度を有する材料を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像の保護方法。
  4. 前記ガラス転移温度が40℃以上であることを特徴とする請求項3に記載の画像の保護方法。
  5. 前記中間層の乾燥重量が2g/m2以上であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の画像の保護方法。
  6. 支持体と、前記支持体上にクラックを有するインク受容層とを有し、前記インク受容層の表面上にインクジェット記録方式により画像が形成されたインクジェット記録媒体であって、前記インク受容層は前記クラック内及びその画像が形成された表面側から厚み方向に向かう領域内にホットメルト樹脂が充填されたインクジェット記録媒体と、
    前記インク受容層の画像が形成された表面上に、インク受容層側から順に中間層と、表面層と、
    を有するインクジェット印画物。
  7. 前記クラックの幅が2μm以上であり、前記クラックはインク受容層の表面からその厚み方向に向かって支持体にまで達することを特徴とする請求項6に記載のインクジェット印画物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100846663B1 (ko) * 2007-05-28 2008-07-16 박노은 식물의 조직편을 소편으로 만드는 작업을 위한 작업테이블
KR100862419B1 (ko) * 2006-12-05 2008-10-08 현대자동차주식회사 연료전지용 분리판
US9022509B2 (en) 2011-07-21 2015-05-05 Seiko Epson Corporation Image recording apparatus, image recording method, program, and program recording medium for preventing moisture infiltration to a recording medium

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