JP2005160152A - 電動機の高速位置決め方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機の目標位置やクーロン摩擦負荷トルク、慣性モーメントの変動による負荷に適応した高速位置決め用速度指令を自己生成する。
【解決手段】電動機8の位置偏差を第1基準値およびこの基準値よりも小さい第2基準値と比較して、位置偏差が第1基準値以上であるときに電動機8の許容最大速度を指示する速度指令を、位置偏差が第2基準値以上でかつ第1基準値よりも小さいときに速度零を指示する速度指令を、位置偏差が第2基準値よりも小さいときに位置偏差に対応する速度を指示する速度指令をそれぞれ発生し、電動機の速度が速度指令に対応する速度となるように該電動機を駆動する。第1基準値は、電動機8の実速度、電動機8のトルク係数、電動機8の慣性モーメント、負荷となる慣性モーメント、最大トルクを出力するための電動機8のトルク分電流、電動機8に対するクーロン摩擦負荷に基づいて設定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、クーロン摩擦による負荷および慣性モーメントの変動による負荷が作用する電動機を高速で位置決めする方法および装置に関するものである。
図4は、電動機を位置決めするための従来の装置の構成を例示している。この図4において、電流検出器107は、電動機(永久磁石型同期電動機、誘導電動機等)108の固定子に流れる電流を検出し、位置検出器(例えば、エンコーダによって構成される)109は、該電動機108の回転子の角度変位量に対応する数のパルス信号を位置検出信号として出力する。また、位置・速度変換器110は、位置検出器109の出力に基づいて、単位時間当たりの上記回転子位置の変化量、つまり、電動機108の回転速度を検出する。
偏差カウンタ102は、パルス発振器101から出力される位置指令パルスと位置検出器109から出力されるフィードバックパルスをカウントして、それらの偏差、つまり、上記電動機108の位置偏差を検出する。
速度制御器103は、偏差カウンタ102から出力される上記位置偏差を速度指令として入力し、この速度指令の値と上記位置・速度変換器110から出力される電動機108の実際の回転速度の値とを比較して、両者の差に対応した適正な電流指令を出力する。
電流制御器104は、速度制御器103から出力される電流指令の値と上記電流検出器107で検出される固定子電流との差に対応した適正な指示電圧をインバータ106に与える。そこで、インバータ106は、上記電流制御器104からの指示電圧を交流電源105の出力に基づいて形成して電動機に印加する(例えば、非特許文献1参照)。
この制御装置によれば、位置指令パルスによって指令された位置に電動機108の回転子が位置決めされる。
図5(a),(b)および(c)は、上記装置を用いて電動機108を最短時間で位置決めする際の理想的なトルク分電流i、電動機108の速度ωmおよび該電動機108の位置θmの各時間変化パターンを例示したものである。
この図5に示すように、電動機108を最短時間で位置決めするには、まず、最大のトルク分電流itorqueが流れるような電圧を電動機108に印加して、該電動機108を最大トルクで加速する。これにより、電動機108は、速度ωmがその限界値(電動機108の定格最大速度)ωmaxに到達するまで急加速されることになる。
その後、目標位置θm refに達する前のある時点までは、最大速度ωmaxが維持されるように電動機108を駆動し、ついで、先とは逆に電動機108を最大トルクで減速駆動するためのトルク分電流−itorqueを該電動機108に流して、該電動機108を減速させる。
要するに、電動機108を最短時間で位置決めするには、図5(b)に示すパターンで変化する速度指令を発生する必要がある。偏差カウンタ102から出力される速度指令は、この偏差カウンタ102におけるたまりパルスによって形成される。このたまりパルスの数は、パルス発振器101の出力パルスの周波数が高くなるほど多くなる傾向を示す。そこで、電動機108の目標位置θm ref、速度限界値ωmax、電流制限値itorque,−itorqueに基づいてパルス発振器101の出力パルスの周波数を適宜設定して、上記のような速度指令を発生させることになる。
「ACサーボモータ入門編」第5版、オリエンタルモーター株式会社、1997年11月、p.12
しかしながら、上記装置を用いた高速位置決め方法は、目標位置が変更された場合や、電動機108にクーロン負荷や慣性モーメントの変動による負荷が作用した場合、もしくは、このクーロン負荷や慣性モーメントの変動による負荷が変更された場合に、再度、目標位置指令を速度指令パターンに基づいて算出し直す必要がある。
また、上記方法では、速度指令パターンを生成するためのパルス発振器等が必要になり、しかも、偏差カウンタ102のたまりパルスを指令速度に用いることから、このたまりパルスの蓄積に要する時間のために、通常、電動機108の位置決めが遅れることになる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、電動機の目標位置や負荷に適応した高速位置決め用速度指令を自己生成することができる電動機の高速位置決め方法および装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明に係る電動機の高速位置決め方法は、位置偏差を検出するステップと、前記位置偏差を第1基準値および該基準値よりも小さい第2基準値と比較して、前記位置偏差が前記第1基準値以上であるときに前記電動機の許容最大速度を指示する速度指令を、前記位置偏差が前記第2基準値以上でかつ前記第1基準値よりも小さいときに速度零を指示する速度指令を、前記位置偏差が前記第2基準値よりも小さいときに前記位置偏差に対応する速度を指示する速度指令をそれぞれ発生するステップと、前記電動機の速度が前記速度指令に対応する速度となるように該電動機を駆動するステップと、を含み、前記第1基準値を下記式に基づいて設定するようにしたことを特徴としている。
Figure 2005160152
ただし、ωm:電動機の実速度
t:電動機のトルク係数
M:電動機の慣性モーメント
L:負荷となる慣性モーメント
itorque:最大トルクを出力するための電動機のトルク分電流
LC:電動機に対するクーロン摩擦負荷
この位置決め制御方法によれば、電動機の目標位置、クーロン摩擦負荷および慣性モーメントの変動による負荷に適応した高速位置決め用速度指令が自己生成され、この速度指令に基づいて電動機が駆動される。
前記電動機の負荷となる慣性モーメントは、該電動機の駆動電流、速度および加速度に基づいて推定することができる。また、前記速度指令には、アンチワインドアップ補償を施すようにしても良い。
一方、本発明に係る電動機の高速位置決め装置は、電動機の位置偏差を検出する偏差検出手段と、前記位置偏差を第1基準値および該基準値よりも小さい第2基準値と比較して、前記位置偏差が前記第1基準値以上であるときに前記電動機の許容最大速度を指示する速度指令を、前記位置偏差が前記第2基準値以上でかつ前記第1基準値よりも小さいときに速度零を指示する速度指令を、前記位置偏差が前記第2基準値よりも小さいときに前記位置偏差に対応する速度を指示する速度指令をそれぞれ発生する速度指令発生手段と、前記電動機の速度が前記速度指令に対応する速度となるように該電動機を駆動する駆動手段と、を備え、前記第1基準値を下記式に基づいて設定するようにしたことを特徴としている。
Figure 2005160152
ただし、ωm:電動機の実速度
t:電動機のトルク係数
M:電動機の慣性モーメント
L:負荷となる慣性モーメント
itorque:最大トルクを出力するための電動機のトルク分電流
LC:電動機に対するクーロン摩擦負荷
電動機の駆動電流、速度および加速度を検出する手段と、前記駆動電流、速度および加速度に基づいて、前記電動機の負荷となる慣性モーメントを推定する手段とを備えることができる。また、前記速度指令にアンチワインドアップ補償を施すための補償手段を更に備えることができる。
本発明に係る電動機の高速位置決め方法および装置によれば、目標位置、クーロン摩擦負荷トルクおよび慣性モーメントの変動による負荷トルクに適応した高速位置決め用速度指令が自己生成されるので、目標位置を設定するだけでもって、その目標位置に電動機が高速で位置決めされる。したがって、目標位置やクーロン摩擦負荷、慣性モーメントの変動による負荷の変更に容易かつ迅速に対応することができる。
また、速度指令を発生する手段としてパルス発振器や偏差カウンタを使用しないので、位置決め制御の応答性が向上するという利点も得られる。
以下、図面を参照して本発明に係る電動機の高速位置決め方法および装置の実施形態について説明する。
図2の(a)、(b)および(c)は、高速で電動機を位置決めする際の該電動機の理想的な位置、速度およびトルク分電流の変化パターンをそれぞれ例示したものである。なお、この図2の(a)、(b)および(c)は、それぞれ図5の(c)、(b)および(a)に対応している。
前述したように、電動機を高速で位置決めするためには、該電動機に許容最大電流(最大のトルク分電流)itorqueを流して、該電動機を最大速度ωmaxまで加速した後(領域t0<t≦t1)、この最大速度ωmaxを維持する電流を電動機に流し(領域t1<t≦t2)、ついで、許容最大電流−itorqueを電動機に流して該電動機を減速(領域t2<t≦t3)させれば良い。
換言すれば、電動機を高速で位置決めするためには、この電動機の速度が図2(b)のパターンに従って変化するような速度指令を制御系に与えれば良いことになる。
図2(b)の速度パターンは、以下のように分析される。
(1)領域(t0<t≦t1):電動機の許容最大電流により加速度が固定されている。
(2)領域(t1<t≦t2):電動機が最大速度で運転される。
(3)領域(t2<t≦t3):電動機の許容最大電流により減加速度が固定されている。
(4)領域(t3>t) :速度を零に近づける速度指令を出し続ける。
上記分析結果は、速度指令を図2(d)のように設定することによって図2(b)に示す理想的な速度パターンが得られることを示している。
ところで、電動機を最短時間で位置決めするための理想速度パターンは、目標位置や、電動機に作用するクーロン摩擦負荷および慣性モーメントの変動による負荷の変動によって変化する。したがって、図2(b)に示す理想速度パターンは、一例を示しているに過ぎない。
図1は、電動機を高速で位置決めするための本発明に係る位置決め装置の実施の形態を示したものである。この位置決め装置では、図2(d)に例示したような高速位置決め用速度指令が自己生成される。
図1において、電流検出器7は電動機8に流れる電流(例えば、固定子電流)iを検出し、位置検出器9は電動機8の実位置(回転子の実回転位置)θmを検出する。また、位置・速度変換器10は、上記電動機8の実位置θmの時間変化に基づいて電動機8の実速度ωmを検出する。なお、電動機8としては、永久磁石型同期電動機、誘導電動機、ブラシ付同期電動機等が適用される。
位置制御器2は、目標位置入力器1から与えられる目標位置θm refと電動機8の実位置θmとの偏差を演算し、この位置偏差に対応する速度指令を出力する。また、速度制御器3は、速度指令によって指示される目標速度ωm refと上記電動機8の実速度ωmとの偏差に対応した適正な電流指令を電流制御器4へ出力する。なお、この速度制御器3は、多大な速度偏差が生じたときにも安定に電動機8を駆動するためのアンチワインドアップ機能(これについては後述する)を有している。
電流制御器4は、速度制御器3から出力される電流指令によって指示される電流と上記電流検出器7で検出される電流との差に対応した適正な指示電圧をインバータ6に与える。インバータ6は、交流電源5から入力された電圧を上記電流制御器4からの指示電圧に基づいてパルス幅変調し、この指示電圧に対応する変調出力電圧を電動機8に印加する周知の構成を有する。
負荷推定器11は、上記電動機8の実速度ωmと電流検出器7によって検出される電流iとに基づいて、電動機8に作用している負荷TL(クーロン摩擦負荷トルクTLCと慣性モーメントの変動JLによる負荷トルクとを足したもの)を推定するものであり、いわゆる外乱オブザーバとしての構成を有する。
なお、上記外乱オブザーバの原理および構成は周知であるので、ここではその説明を省略する。
速度・加速度変換器12は、位置・速度変換器10によって得られる電動機8の実速度ωmの時間変化に基づいて該電動機8の加速度αを検出する。
負荷分離器13は、負荷推定器11によって推定される電動機8の負荷TLを、速度・加速度変換器12によって検出された加速度αに基づいてクーロン摩擦負荷TLCと負荷となる慣性モーメント(慣性モーメントの変動による負荷トルクであり、以下、負荷慣性モーメントという)JLに分離する。
ところで、電動機8の負荷がクーロン摩擦負荷TLCと負荷慣性モーメントJLである場合、該電動機8の速度ωおよび負荷トルクTLは、それぞれ図3(a)および(b)に示すような態様で変化する。同図から明らかなように、電動機8の負荷トルクTLは、加速中および定常状態においてそれぞれTL1およびTL2になる。そして、定常状態における負荷トルクTL2は、クーロン摩擦負荷TLCを意味する。
そこで、負荷分離器13は、電動機8の加速終了時点tr以後における負荷トルクTL(=TL2)をクーロン摩擦負荷TLCとして得る。
一方、上記負荷トルクTLがTL1である加速中においては、
L1=JLα+TL2=JLα+TLC (1)
の関係が成立するので、負荷慣性モーメントJL
L=(TL1−TLC)/α (2)
と表される。
したがって、負荷分離器13は、加速中の負荷トルクTL(=TL1)と、上記のようにして得られたクーロン摩擦負荷TLCと、加速中の加速度αとに基づいて上記(2)式の演算を実行して、負荷慣性モーメントJLを得る。
クーロン摩擦負荷TLCと負荷慣性モーメントJLは、負荷推定器11で推定される負荷トルクTLから上記のようにして分離される。なお、負荷分離器13は、例えば電動機8の所定の最大速度ωmaxと実速度ωmの偏差Δωm err(図3参照)を演算し、この偏差Δωm errが所定の微小範囲になった時点trを加速の終了、つまり定常状態の開始として判断する。
速度指令切換器15は、上記目標位置θm ref、上記電動機8の実位置θmおよび後述の第2基準値Δθm2 err-sに基づいて切換スイッチ素子16の切換えタイミングを判断し、そのタイミングで切換スイッチ素子16を切換える。スイッチ素子16は、位置制御器2の出力と速度指令生成器14の出力を速度制御器3の入力に選択的に加えるために設けられている。
ここで、図2(a)に示す第1基準値Δθm1 err-sおよび第2基準値Δθm2 err-sについて説明する。
図2における速度指令変化時点t2は、電動機8の減速を開始する時点を意味している。この減速開始時点は、電動機8の目標位置θm ref、該電動機8に作用するクーロン摩擦負荷および慣性モーメントの変動によって変化するので、予測することは不可能である。
そこで、この実施の形態では、上記第1基準値Δθm1 err-sを演算し、電動機8の位置偏差をこの第1基準値Δθm1 err-sと比較することによって上記速度指令変化時点t2、つまり、電動機8の減速開始タイミングを定めるようにしている。
上記第1基準値Δθm1 err-sは、図2(b)に示す速度パターンの領域t2〜t3における面積に対応するものであり、下式に基づいて算定することができる。
Figure 2005160152
ただし、ωm:電動機の実速度
t:電動機のトルク係数
M:電動機の慣性モーメント
L:負荷となる慣性モーメント
itorque:最大トルクを出力するための電動機のトルク分電流
LC:電動機に対するクーロン摩擦負荷
一方、上記第2基準値Δθm2 err-sは、電動機8がほぼ目標位置θm refに到達したと見做しうる微小な位置偏差値に固定設定されている。この第2基準値Δθm2 err-sは、第1基準値Δθm1 err-sよりも小さくなる。
以下、この実施の形態に係る位置決め制御装置を用いた位置決め制御手法について説明する。
上記速度指令切換器15は、目標位置θm refと電動機8の実位置θmの偏差をとり、この位置偏差を上記第2基準値Δθm2 err-sと比較する。そして、位置偏差がこの第2基準値Δθm2 err-s以上であれば、電動機8がまだ目標位置θm ref近傍に到達していないと判断して、切換スイッチ素子16を図1に示すようにb側に接続する。これにより、速度指令として速度指令生成器14で発生される速度指令が選択されることになる。
一方、速度指令生成器14は、上記位置偏差を演算し、この位置偏差を上記第1基準値Δθm1 err-sと比較する。なお、速度指令生成器14は、上記第1基準値Δθm1 err-sを得るために、位置・速度変換器10から与えられる電動機8の実速度ωmと、負荷分離器13から与えられるクーロン摩擦負荷トルクTLCと負荷となる慣性モーメント(慣性モーメントの変動分)JLとに基づいて上式(3)の演算を実行する。
位置決めが開始された時点においては、上記位置偏差が第2基準値Δθm2 err-s以上である。そこで、速度指令生成器14は、電動機8の許容最大速度(定格速度)ωmaxを指示する速度指令を発生する。この速度指令は、現時点において接点b側に接続されている上記スイッチ16を介して速度制御器3に速度指令ωm refとして入力される。
これにより、電動機8には、停止状態から許容最大速度ωmax に移行すべく急峻な指示が与えられて、無限大の駆動電流が流れようとする。しかし、電動機8は、電流制御器4に設けられた電流リミッタの作用により許容最大電流(最大のトルク分電流)itorqueが流れるように駆動されて、前記許容最大速度ωmaxに向かって加速される。
速度指令生成器14は、電動機8の位置偏差が第2基準値Δθm2 err-sに達したと判断するまでの間において、つまり、前記領域(t0<t≦t1)おいて、上記許容最大速度(定格速度)ωmaxを指示する速度指令を継続的に発生する。
したがって、図2の例では、時点t2において電動機8が最大速度ωmaxまで加速され、その後、位置偏差が第1基準値Δθm1 err-sまで低下するまでの間において、つまり、前記領域(t1<t≦t2)の期間において、この最大速度ωmaxが維持される。なお、上記領域(t1<t≦t2)における電流iは、itorqueよりも小さくなる。
ところで、一般に、速度制御器3は定常偏差をなくすための積分器を含む補償器(例えば、PI補償器)を備えている。このため、図2(d)に示すようなステップ状に変化する速度指令、つまり、t0時点で零からωmaxまで急激に変化し、t2時点でωmaxから零まで急激に変化する速度指令を速度制御器3に入力すると、t0,t1時点で、いわゆるワインドアップ現象を生じることがある。すなわち、オーバーシュート等のために、応答が不安定または振動的になる場合がある。
そこで、この実施の形態においては、速度制御器3にアンチワインドアップ機能を持たせて、ワインドアップ現象を回避するようにしている。なお、上記アンチワインドアップ機能は、例えば状態オブザーバ等の周知手段を用いて得ることができるので、ここではその説明を省略する。アンチワインドアップ機能を有する速度制御器3によれば、図2(d)に示すような理想的な速度パターンに従って電動機8の速度を制御することができる。
図2(d)に示すように、速度指令生成器14は、電動機8の位置偏差が第1基準値Δθm1 err-sよりも低下した時点t2で速度零を指示する速度指令を生成する。しかし、この速度指令が生成されても、電動機8の実際の速度ωmは瞬時に零まで降下しない。すなわち、電動機8は、最大の減速トルクを発生する電流−itorqueによって駆動されながら図2(b)のような軌跡を描いて降下し、零に落ち着くことになる。
電動機8の位置偏差が前記第2基準値Δθm2 err-sよりも低下すると、つまり、制御が開始されてから時間t3が経過すると、速度指令切換器15が前記スイッチ素子16を端子a側に切換接続する。
これにより、速度制御器3には位置制御器2の出力、つまり、電動機8の位置偏差に対応する速度指令が与えられるので、第2基準値Δθm2 err-sよりも小さい微小な位置偏差がなくなるように電動機8が駆動されて、該電動機8が目標位置θm refに位置決めされる。
なお、上記実施の形態においては、電動機8の実速度ωmを位置検出器9の出力を変換することによって得ているが、該実速度ωmを適宜な速度検出器によって直接検出しても良い。また、上記実施の形態では、電動機8に作用するクーロン摩擦負荷トルクおよび慣性モーメントの変動による負荷トルクを外乱オブザーバを使用した負荷推定器で推定しているが、これらのトルクを適宜なトルク検出器によって直接検出しても良い。
以上の説明から明らかなように、この実施の形態に係る電動機の位置決め制御方法および装置によれば、目標位置を与えるだけで、電動機を理想の速度パターンにしたがって高速で位置決めすることができる。
すなわち、従来のように、発振器の出力パルスによって目標位置を指令して上記理想の速度パターンを実現しようとすると、目標位置やクーロン摩擦負荷トルク、慣性モーメントの変動による負荷の変動に伴って、上記指令パルスの出力形態を調整し直すという手間を要するが、上記実施の形態によれば、目標位置や負荷に適応した高速位置決め用速度指令が自己生成されるので、上記のような手間が不要になる。
しかも、従来では、偏差カウンタに蓄積される上記発振器の出力パルスに基づいて速度指令を形成するので、偏差カウンタにパルスがたまるまでの時間のために制御の遅れを生じることになるが、上記実施の形態によれば、パルス発振器や偏差カウンタが不要になるので制御性が向上する。
本発明に係る電動機の高速位置決め装置の一例を示すブロック図である。 (a)、(b)および(c)は、それぞれ最短時間で電動機を位置決めする際の該電動機の理想的な位置、速度およびトルク分電流の変化パターンの一例を示したグラフであり、(d)は(b)の理想速度パターンを得るための速度指令を示すグラフである。 (a)および(b)は、それぞれ電動機の負荷がクーロン摩擦負荷と負荷慣性モーメントである場合における該電動機の速度および負荷トルクの変化態様を示すグラフである。 従来の電動機の位置決め装置の構成例を示すブロック図である。 (a)、(b)および(c)は、それぞれ最短時間で電動機を位置決めする際の該電動機の理想的なトルク分電流、速度および位置の変化パターンの一例を示したグラフである。
符号の説明
1 目標位置入力器
2 位置制御器
3 速度制御器
4 電流制御器
6 インバータ
7 電流検出器
8 電動機
9 位置検出器
10 位置・速度変換器
11 負荷推定器
12 速度・加速度変換器
13 負荷分離器
14 速度指令生成器
15 速度指令切換器

Claims (6)

  1. 電動機の位置偏差を検出するステップと、
    前記位置偏差を第1基準値および該基準値よりも小さい第2基準値と比較して、前記位置偏差が前記第1基準値以上であるときに前記電動機の許容最大速度を指示する速度指令を、前記位置偏差が前記第2基準値以上でかつ前記第1基準値よりも小さいときに速度零を指示する速度指令を、前記位置偏差が前記第2基準値よりも小さいときに前記位置偏差に対応する速度を指示する速度指令をそれぞれ発生するステップと、
    前記電動機の速度が前記速度指令に対応する速度となるように該電動機を駆動するステップと、を含み、
    前記第1基準値を下記式に基づいて設定するようにしたことを特徴とする電動機の高速位置決め方法。
    Figure 2005160152
    ただし、ωm:電動機の実速度
    t:電動機のトルク係数
    M:電動機の慣性モーメント
    L:負荷となる慣性モーメント
    itorque:最大トルクを出力するための電動機のトルク分電流
    LC:電動機に対するクーロン摩擦負荷
  2. 前記電動機の負荷と負荷となる慣性モーメントを、該電動機の駆動電流、速度および加速度に基づいて推定することを特徴とする請求項1に記載の電動機の高速位置決め方法。
  3. 前記速度指令にアンチワインドアップ補償を施すステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の電動機の高速位置決め方法。
  4. 電動機の位置偏差を検出する偏差検出手段と、
    前記位置偏差を第1基準値および該基準値よりも小さい第2基準値と比較して、前記位置偏差が前記第1基準値以上であるときに前記電動機の許容最大速度を指示する速度指令を、前記位置偏差が前記第2基準値以上でかつ前記第1基準値よりも小さいときに速度零を指示する速度指令を、前記位置偏差が前記第2基準値よりも小さいときに前記位置偏差に対応する速度を指示する速度指令をそれぞれ発生する速度指令発生手段と、
    前記電動機の速度が前記速度指令に対応する速度となるように該電動機を駆動する駆動手段と、を備え、
    前記第1基準値を下記式に基づいて設定するようにしたことを特徴とする電動機の高速位置決め装置。
    Figure 2005160152
    ただし、ωm:電動機の実速度
    t:電動機のトルク係数
    M:電動機の慣性モーメント
    L:負荷となる慣性モーメント
    itorque:最大トルクを出力するための電動機のトルク分電流
    LC:電動機に対するクーロン摩擦負荷
  5. 電動機の駆動電流、速度および加速度を検出する手段と、前記駆動電流、速度および加速度に基づいて、前記電動機の負荷と負荷となる慣性モーメントを推定する手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の電動機の高速位置決め装置。
  6. 前記速度指令にアンチワインドアップ補償を施すための補償手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の電動機の高速位置決め装置。
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