JP4194862B2 - 電動機の位置決め制御方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は 電動機を高速で位置決め制御する方法および装置に関するものである。
【0002】
図4は、電動機を位置決め制御する従来の装置の構成を例示している。この図4において、電流検出器107は、電動機(永久磁石型同期電動機、誘導電動機等)108の固定子に流れる電流を検出し、位置検出器(例えば、エンコーダによって構成される)109は、該電動機108の回転子の角度変位量に対応する数のパルス信号を位置検出信号として出力する。また、位置・速度変換器110は、位置検出器109の出力に基づいて、単位時間当たりの上記回転子位置の変化量、つまり、電動機108の回転速度を検出する。
【0003】
偏差カウンタ102は、パルス発振器101から出力される位置指令パルスと位置検出器109から出力されるフィードバックパルスをカウントして、それらの偏差、つまり、上記電動機108の位置偏差を検出する。
速度制御器103は、偏差カウンタ102から出力される上記位置偏差を速度指令として入力し、この速度指令の値と上記位置・速度変換器110から出力される電動機108の実際の回転速度の値とを比較して、両者の差に対応した適正な電流指令を出力する。
【0004】
電流制御器104は、速度制御器103から出力される電流指令の値と上記電流検出器107で検出される固定子電流との差に対応した適正な指示電圧をインバータ106に与える。そこで、インバータ106は、上記電流制御器104からの指示電圧に基づいて交流電源105から得られる電圧をパルス幅変調し、その変調された電圧を電動機に印加する(例えば、非特許文献1参照)。
この制御装置によれば、位置指令パルスによって指令された位置に電動機108の回転子が位置決めされる。
【0005】
図5(a),(b)および(c)は、上記制御装置を用いて電動機108を最短時間で位置決めする際の理想的なトルク分電流i、電動機108の速度ωmおよび該電動機108の位置θmの各時間変化パターンを例示したものである。
この図5に示すように、電動機108を最短時間で位置決めするには、まず、最大のトルク分電流itorqueが流れるような電圧を電動機108に印加して、該電動機108を最大トルクで加速する。これにより、電動機108は、速度ωmがその限界値(電動機108の定格最大速度)ωmaxに到達するまで急加速されることになる。
その後、目標位置θm refに達する前のある時点までは、最大速度ωmaxが維持されるように電動機108を駆動し、ついで、先とは逆に電動機108を最大トルクで減速駆動するためのトルク分電流−itorqueを該電動機108に流して、該電動機108を減速させる。
【0006】
要するに、電動機108を最短時間で位置決めするには、図5(b)に示すパターンで変化する速度指令を発生する必要がある。偏差カウンタ102から出力される速度指令は、該偏差カウンタ102におけるたまりパルスによって形成される。そして、このたまりパルスの数は、パルス発振器101の出力パルスの周波数が高くなるほど多くなる傾向を示す。そこで、電動機108の目標位置θm ref、速度限界値ωmax、電流制限値itorque,−itorqueに基づいてパルス発振器101の出力パルスの周波数を適宜設定して、上記のような速度指令を発生させることになる。
【0007】
【非特許文献】
「ACサーボモータ入門編」第5版、オリエンタルモーター株式会社、1997年11月、p.12
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記制御装置を用いた最短時間位置決め方法は、目標位置が変更された場合や電動機108に負荷トルクが作用した場合、もしくは、負荷トルクが変更された場合に、再度、目標位置から速度指令パターンを算出し直す必要がある。
また、上記方法では、速度指パターンを生成するためのパルス発振器等が必要になるほか、偏差カウンタ102のたまりパルスを指令速度に用いることから、このたまりパルスの蓄積に要する時間のために、通常、電動機108の位置決めが遅れることになる。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、電動機の目標位置や負荷に適応した最短時間位置決め用速度指令を自己生成することができる電動機の位置決め制御方法および装置を提供することにある。
【0010】
上述の目的を達成するため、本発明に係る電動機の位置決め制御方法は、電動機の位置偏差を検出するステップと、前記位置偏差を第1の基準値および該基準値よりも小さい第2の基準値と比較して、前記位置偏差が前記第1の基準値以上であるときに前記電動機の許容最大速度を指示する速度指令を、前記位置偏差が前記第2の基準値以上でかつ前記第1の基準値よりも小さいときに速度零を指示する速度指令を、前記位置偏差が前記第2の基準値よりも小さいときに前記位置偏差に対応する速度を指示する速度指令をそれぞれ発生するステップと、前記電動機の速度が前記速度指令に対応する速度となるように該電動機を駆動するステップと、前記電動機の負荷トルクを前記電動機の駆動電流および速度に基づいて推定するステップと、を含み、前記第1の基準値を下記式に基づいて設定することを特徴としている。
【数3】
ただし、ωm:電動機の実速度
kt:電動機のトルク係数
J:電動機の慣性モーメント
itorque:電動機を最大トルクで加速するためのトルク分電流
TL:電動機の負荷トルク
【0011】
この位置決め制御方法によれば、電動機の目標位置や負荷に適応した最短時間位置決め用速度指令が自己生成され、この速度指令に基づいて電動機が駆動される。
【0012】
前記速度指令にアンチワインドアップ補償を施すようにしても良い。
【0013】
一方、本発明に係る電動機の位置決め制御装置は、電動機の位置偏差を検出する偏差検出手段と、前記位置偏差を第1の基準値および該基準値よりも小さい第2の基準値と比較して、前記位置偏差が前記第1の基準値以上であるときに前記電動機の許容最大速度を指示する速度指令を、前記位置偏差が前記第2の基準値以上でかつ前記第1の基準値よりも小さいときに速度零を指示する速度指令を、前記位置偏差が前記第2の基準値よりも小さいときに前記位置偏差に対応する速度を指示する速度指令をそれぞれ発生する速度指令発生手段と、前記電動機の速度が前記速度指令に対応する速度となるように該電動機を駆動する駆動手段と、 前記電動機の負荷トルクを前記電動機の駆動電流および速度に基づいて推定する負荷トルク推定手段と、を備え、前記第1の基準値を下記式に基づいて設定することを特徴としている。
【数4】
ただし、ωm:電動機の実速度
kt:電動機のトルク係数
J:電動機の慣性モーメント
itorque:電動機を最大トルクで加速するためのトルク分電流
TL:電動機の負荷トルク
【0014】
前記速度指令にアンチワインドアップ補償を施すための補償手段を更に備えることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る電動機の位置決め制御方法および装置の実施の形態について説明する。
図2(a)、(b)および(c)は、最短時間で電動機を位置決めする際の該電動機の理想的な位置、速度およびトルク分電流の変化パターンをそれぞれ例示したものである。なお、この図2(a)、(b)および(c)は、それぞれ図5(c)、(b)および(a)に対応している。
【0016】
前述したように、電動機を最短時間で位置決めするためには、該電動機に許容最大電流(最大のトルク分電流)itorqueを流して、該電動機を最大速度ωmaxまで加速した後、この最大速度ωmaxを維持する電流を電動機に流し、ついで、許容最大電流−itorqueを電動機に流して該電動機を減速させれば良い。
換言すれば、電動機を最短時間で位置決めするためには、電動機の実速度が図2(b)のパターンに従って変化するような速度指令を制御系に与えれば良いことになる。
【0017】
図2(b)の速度パターンは、以下のように分析される。
(1)領域(t0<t≦t1): 電動機の許容最大電流により加速度が固定される。
(2)領域(t1<t≦t2): 電動機が最大速度で運転される。
(3)領域(t2<t≦t3): 電動機の許容最大電流により減加速度が固定される。
(4)領域(t>t3) : 速度を零に近づける速度指令を出し続ける。
【0018】
上記分析結果は、速度指令を図2(d)のように設定すすることによって図2(b)に示す理想的な速度パターンが得られることを示している。
【0019】
ところで、電動機を最短時間で位置決めするための理想速度パターンは、目標位置や電動機に作用する負荷トルクの変更に伴って変化する。したがって、図2(b)に示す理想速度パターンは、一例を示しているに過ぎない。例えば、負荷トルクが増大方向に変更された場合の理想速度パターンは、図3(b)のようになる。この理想速度パターンでは、最大の加速トルクおよび減加速トルクで電動機が加速および減速されているものの、最大速度ωmaxまで該電動機の速度が上昇してない。
図3(d)は、図3(b)の理想速度パターンを実現するための速度指令を示している。
【0020】
図1は、電動機を最短時間で位置決めするための本発明に係る位置決め制御装置の実施の形態を示したものである。この位置決め制御装置では、図2(d)、図3(d)に例示したような最短時間位置決め用速度指令が自己生成される。
図1において、電流検出器7は電動機8に流れる電流(例えば、固定子電流)iを検出し、位置検出器9は電動機8の実位置(回転子の実回転位置)θmを検出する。また、位置・速度変換器10は、上記電動機8の実位置θmの時間変化に基づいて電動機8の実速度ωmを検出する。なお、電動機8としては、永久磁石型同期電動機、誘導電動機、ブラシ付同期電動機等が適用される。
【0021】
位置制御器2は、目標位置入力器1から与えられる目標位置θm refと上記電動機8の実位置θmとの偏差をとり、この位置偏差に対応する速度指令を出力する。
速度制御器3は、速度指令によって指示される目標速度ωm refと上記電動機8の実速度ωmとの偏差に対応した適正な電流指令を電流制御器4へ出力する。なお、この速度制御器3は、多大な速度偏差が生じたときにも安定に電動機8を駆動するためのアンチワインドアップ機能(これについては後述する)を有している。
【0022】
電流制御器4は、速度制御器3から出力される電流指令によって指示される電流と上記電流検出器7で検出される電流との差に対応した適正な指示電圧をインバータ6に与える。インバータ6は、交流電源5から得られる電圧を上記電流制御器4からの指示電圧に基づいてパルス幅変調し、この指示電圧に対応する変調出力電圧を電動機8に印加する周知の構成を有する。
【0023】
負荷推定器11は、上記電動機8の実速度ωmと電流検出器7によって検出される電流iとに基づいて、電動機8に作用している負荷トルクTL(外乱)を推定するものであり、いわゆる外乱オブザーバとしての構成を有する。
上記外乱オブザーバの原理および構成は周知であるので、ここではその説明を省略する。
【0024】
速度指令生成器12は、上記目標位置θm ref、上記電動機8の実位置θm、および上記負荷トルクTLに基づいて、図2および図3の領域t0〜t3における速度指令を生成するものである。
【0025】
速度指令切換器13は、上記目標位置θm ref、上記電動機8の実位置θmおよび後述の第2基準値Δθm2 err-sとに基づいて、切換スイッチ素子14の切換えタイミングを判断し、そのタイミングで切換スイッチ素子14を切換える。スイッチ素子14は、速度指令位置制御器2の出力と速度指令生成器12の出力を速度制御器3の入力に選択的に加えるために設けられている。
【0026】
ここで、図2(a)および図3(a)に示す第1基準値Δθm1 err-sおよび第2基準値Δθm2 err-sについて説明する。
図2および図3における速度指令変化時点t2は、電動機8の減速を開始する時点を意味している。この減速開始時点は、電動機8の目標位置θm refや該電動機8に作用する負荷によって変動するので、予測することが不可能である。
そこで、この実施の形態では、上記第1基準値Δθm1 err-sを演算によって求め、電動機8の位置偏差をこの第1基準値Δθm1 err-sと比較することによって上記速度指令変化時点t2、つまり、電動機8の減速開始タイミングを定めるようにしている。
【0027】
上記第1基準値Δθm1 err-sは、図2(b)、図3(b)に示す速度パターンの領域t0〜t3における面積に対応するものであり、下式に基づいて算定することができる。
【数5】
ただし、ωm:電動機の実速度
kt :電動機のトルク係数
J:電動機の慣性モーメント
itorque :電動機を最大トルクで加速するためのトルク分電流
TL :電動機の負荷トルク
【0028】
一方、上記第2基準値Δθm2 err-sは、電動機8がほぼ目標位置θm refに到達したと見做しうる微小な位置偏差値に固定設定されている。この第2基準値Δθm2 err-sは、第1基準値Δθm1 err-sよりも小さくなる。
【0029】
以下、この実施の形態に係る位置決め制御装置を用いた位置決め制御手法について説明する。
上記速度指令切換器13は、目標位置θm refと電動機8の実位置θmの偏差をとり、この位置偏差を上記第2基準値Δθm2 err-sと比較する。そして、位置偏差がこの第2基準値Δθm2 err-s以上であれば、電動機8がまだ目標位置θm ref近傍に到達していないと判断して、切換スイッチ素子14を図1に示すようにb側に接続する。これにより、速度指令として速度指令生成器12で発生される速度指令が選択されることになる。
【0030】
一方、速度指令生成器12は、上記位置偏差を演算し、この位置偏差を上記第1基準値Δθm1 err-sと比較する。なお、速度指令生成器12は、上記第1基準値Δθm1 err-sを得るために、位置・速度変換器10から与えられる電動機8の実速度ωmと、負荷推定器11から与えられる負荷トルクTLとに基づいて上式の演算を実行する。
【0031】
位置決めが開始された時点においては、上記位置偏差が第2基準値Δθm2 err-s以上である。そこで、速度指令生成器12は、電動機8の許容最大速度(定格速度)ωmaxを指示する速度指令を発生する。この速度指令は、現時点において接点b側に接続されている上記スイッチ14を介して速度制御器3に速度指令ωm refとして入力される。
これにより、電動機8は、許容最大電流(最大のトルク分電流)itorqueが流れるように駆動されて、最大速度ωmaxに向かって加速されることになる。なお、電流itorqueは、電流制御器4に設けられた電流リミッタにより設定されている。
【0032】
速度指令生成器12は、電動機8の位置偏差が第2基準値Δθm2 err-sに達したと判断するまでの間において、つまり、領域(t0<t≦t2)おいて、上記許容最大速度(定格速度)ωmaxを指示する速度指令を継続的に発生する。
したがって、図2の例では、時点t2において電動機8が最大速度ωmaxまで加速され、その後、位置偏差が第1基準値Δθm1 err-sまで低下するまでの間において、つまり、領域(t1<t≦t2)の期間において、この最大速度ωmaxが維持される。上記領域(t1<t≦t2)における電流iは、itorqueよりも小さくなる。これは、加速のためのエネルギーを発生する電流が不要になるからである。
【0033】
一方、図3の例では、電動機8の位置偏差が基準値Δθm1 err-sまで低下する間、継続的に電流itorqueが電動機8に流れる。しかし、電動機8は、負荷トルクの影響で最大速度ωmaxまで加速されないことになる。なお、電動機8が最大速度ωmaxまで加速されない現象は、目標位置θm refの値が小さい場合にも発生する。なぜなら、目標位置θm refの値が小さいほど、減速開始時点t2が早まることになるからである。
【0034】
ところで、一般に、速度制御器3は定常偏差をなくすための積分器を含む補償器(例えば、PI補償器)を備えている。このため、図2(d)および図3(d)に示すようなステップ状に変化する速度指令を速度制御器3に入力すると、速度指令が零まで急激に変化するt2時点で、いわゆるワインドアップ現象を生じることがある。すなわち、オーバーシュート等のために、応答が不安定または振動的になる場合がある。
【0035】
そこで、この実施の形態においては、速度制御器3にアンチワインドアップ機能を持たせて、ワインドアップ現象を回避するようにしている。なお、上記アンチワインドアップ機能は、例えば状態オブザーバ等の周知手段を用いて得ることができるので、ここではその説明を省略する。アンチワインドアップ機能を有する速度制御器3によれば、図2(d)および図3(d)に示す速度指令が与えられた場合でも、図2(b)および図3(b)に示すような理想的な速度パターンに従って電動機8の速度を制御することができる。
【0036】
図2(d)および図3(d)に示すように、速度指令生成器12は、電動機8の位置偏差が第1基準値Δθm1 err-sよりも低下した時点t2で速度零を指示する速度指令を生成する。しかし、この速度指令が生成されても、電動機8の実際の速度ωmは瞬時に零まで降下しない。すなわち、電動機8は、最大の減速トルクを発生する電流―itorqueによって駆動されながら図2(b)、図3(b)のような軌跡を描いて降下し、零に落ち着くことになる。
【0037】
電動機8の位置偏差が前記基準値Δθm2 err-sよりも低下すると、つまり、制御が開始されてから時間t3が経過すると、速度指令切換器12が前記スイッチ素子14を端子a側に切換接続する。
これにより、速度制御器3には位置制御器2の出力、つまり、電動機8の位置偏差に対応する速度指令が与えられるので、前記基準値Δθm2 err-sよりもちいさな微小な位置偏差がなくなるように電動機8が駆動されて、該電動機が目標位置θm refに位置決めされる。
【0038】
なお、上記実施の形態においては、電動機8の実速度ωmを位置検出器9の出力を変換することによって得ているが、該実速度ωmを適宜な速度検出器によって直接検出しても良い。また、上記実施の形態では、電動機8の負荷トルクTLを、外乱オブザーバを使用した負荷推定器で推定しているが、この負荷トルクTLを適宜なトルク検出器によって直接検出しても良い。
【0039】
以上の説明から明らかなように、この実施の形態に係る電動機の位置決め制御方法および装置によれば、目標位置を与えるだけで、電動機を理想の速度パターンにしたがって最短時間で位置決めすることができる。
すなわち、従来のように、発振器の出力パルスによって目標位置を指令して上記理想の速度パターンを実現しようとすると、目標位置や負荷トルクの変更に伴って、上記指令パルスの出力形態を調整し直すという手間を要するが、上記実施の形態によれば、目標位置や負荷に適応した最短時間位置決め用速度指令が自己生成されるので、上記のような手間が不要になる。
しかも、従来では、偏差カウンタに蓄積される上記発振器の出力パルスに基づいて速度指令を形成するので、偏差カウンタにパルスがたまるまでの時間のために制御の遅れを生じることになるが、上記実施の形態によれば、パルス発振器や偏差カウンタが不要になるので制御性が向上する。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係る電動機の位置決め制御方法および装置によれば、目標位置や負荷トルクに適応した最短時間位置決め用速度指令が自己生成されるので、目標位置を設定するだけでもって、その目標位置に電動機が最短時間で位置決めされる。したがって、目標位置や負荷トルクの変更に容易かつ迅速に対応することができる。
また、速度指令を発生する手段としてパルス発振器や偏差カウンタを使用しないので、位置決め制御の応答性が向上するという利点も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動機の位置決め制御装置の一例を示すブロック図である。
【図2】(a)、(b)および(c)は、最短時間で電動機を位置決めする際の該電動機の理想的な位置、速度およびトルク分電流の変化パターンの一例を示したグラフであり、(d)は(b)の理想速度パターンを得るための速度指令を示すグラフである。
【図3】(a)、(b)および(c)は、最短時間で電動機を位置決めする際の該電動機の理想的な位置、速度およびトルク分電流の変化パターンの他の例を示したグラフであり、(d)は(b)の理想速度パターンを得るための速度指令を示すグラフである。
【図4】従来の電動機の位置決め制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】(a)、(b)および(c)は、最短時間で電動機を位置決めする際の該電動機の理想的なトルク分電流、速度および位置の変化パターンの一例を示したグラフである。
【符号の説明】
1 目標位置入力器
2 位置制御器
3 速度制御器
4 電流制御器
6 インバータ
7 電流検出器
8 電動機
9 位置検出器
10 位置・速度変換器
11 負荷推定器
13 速度指令切換器
14 切換スイッチ
Claims (4)
- 電動機の位置偏差を検出するステップと、
前記位置偏差を第1の基準値および該基準値よりも小さい第2の基準値と比較して、前記位置偏差が前記第1の基準値以上であるときに前記電動機の許容最大速度を指示する速度指令を、前記位置偏差が前記第2の基準値以上でかつ前記第1の基準値よりも小さいときに速度零を指示する速度指令を、前記位置偏差が前記第2の基準値よりも小さいときに前記位置偏差に対応する速度を指示する速度指令をそれぞれ発生するステップと、
前記電動機の速度が前記速度指令に対応する速度となるように該電動機を駆動するステップと、
前記電動機の負荷トルクを前記電動機の駆動電流および速度に基づいて推定するステップと、を含み、
前記第1の基準値を下記式に基づいて設定するようにしたことを特徴とする電動機の位置決め制御方法。
kt:電動機のトルク係数
J:電動機の慣性モーメント
itorque:電動機を最大トルクで加速するためのトルク分電流
TL:電動機の負荷トルク - 前記速度指令にアンチワインドアップ補償を施すステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の電動機の位置決め制御方法。
- 電動機の位置偏差を検出する偏差検出手段と、
前記位置偏差を第1の基準値および該基準値よりも小さい第2の基準値と比較して、前記位置偏差が前記第1の基準値以上であるときに前記電動機の許容最大速度を指示する速度指令を、前記位置偏差が前記第2の基準値以上でかつ前記第1の基準値よりも小さいときに速度零を指示する速度指令を、前記位置偏差が前記第2の基準値よりも小さいときに前記位置偏差に対応する速度を指示する速度指令をそれぞれ発生する速度指令発生手段と、
前記電動機の速度が前記速度指令に対応する速度となるように該電動機を駆動する駆動手段と、
前記電動機の負荷トルクを前記電動機の駆動電流および速度に基づいて推定する負荷トルク推定手段と、を備え、
前記第1の基準値を下記式に基づいて設定するようにしたことを特徴とする電動機の位置決め制御装置。
k t :電動機のトルク係数
J:電動機の慣性モーメント
i torque :電動機を最大トルクで加速するためのトルク分電流
T L :電動機の負荷トルク - 前記速度指令にアンチワインドアップ補償を施すための補償手段を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の電動機の位置決め制御装置。
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