JP2005159904A - アンテナ装置及び時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】コア部と巻線部の絶縁処理によるコア部の拡大化を抑制してアンテナ装置の小型化を図る。
【解決手段】少なくとも表層部が導電性を有する材料から形成されたコア部(36)と、このコア部(36)にコイルが巻きつけられて形成された巻線部(37)と、を備えたアンテナ装置(10)であって、コア部(36)の表層部に、フッ素樹脂をコーティングした。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンテナ装置及び時計に関する。
無線機や電波時計等の電子機器には、電波を送受信するためのアンテナ装置が設けられている。アンテナ装置としては、例えば、黄銅や銅等の金属板よりなる導電性を有するアンテナ本体の表層部にニッケル等の金属メッキを施したものがある(例えば、特許文献1参照。)。また、図24に示すように、フェライト等のコア部材210にコイルを巻きつけて巻線部220を形成したアンテナ装置200もある。
ところで、フェライト等の材料として透磁率が高く導電性の高いコア部材210を用いた場合、電波を受信することによって巻線部220に発生した電流がコア部材210にも流れてしまい、受信効率が悪くなるという問題があった。
そこで、コア部材210に絶縁テープ240を、例えば、約200μmの厚さで巻きつけることによって、コア部材210と巻線部220に巻かれたコイルとが電気的に導通しないようにしている。
特開平6−350324号公報
しかし、コア部材に絶縁テープを巻くと、絶縁テープの厚みでコア部材も大きくなってしまうため、長いコイルが必要となり、直流抵抗特性等を落とすという問題があった。また、コア部材をH字形状に形成すると、必要な強度を確保するためにフランジを設ける必要があるため、フランジ部分が折れやすくなるという問題があった。
そこで、本発明の課題は、コア部材と巻線部の絶縁処理によるコア部材の拡大化を抑制することにより、必要なコイル長を短縮して直流抵抗特性を向上させるとともに、アンテナ装置の小型化を図ることができるアンテナ装置及び時計を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、アンテナ装置(例えば、図2〜図6のアンテナ装置10)であって、少なくとも表層部が導電性を有する材料から形成されたコア部(例えば、図6〜図12のコア部36)と、このコア部にコイルが巻きつけられて形成された巻線部(例えば、図6〜図9の巻線部37)と、を備え、前記コア部の表層部に、非導電性樹脂がコーティングされてなることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、コア部の表層部に、非導電性樹脂をコーティングすることにより、コア部の表層部は絶縁される。これにより、電波を受信することによって巻線部に発生した電流がコア部に流れることがなくなり、電波の受信効率を向上させることができる。また、コア部の表層部は、非導電性樹脂のコーティングによって絶縁することができるため、従来のように、絶縁テープを巻きつける場合に比べて、絶縁層をはるかに薄くすることができるので、コア部の拡大化を抑制することができ、必要なコイル長を短縮することができる。これにより、直流抵抗特性を向上させるとともに、アンテナ装置の小型化を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアンテナ装置において、前記コア部と前記巻線部との双方の周囲を囲むカバーケース(例えば、図2,3,4,6,13〜図21のカバーケース31)を更に備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、コア部と巻線部との双方の周囲を囲むカバーケースを設けることにより、コア部及び巻線部は、カバーケースによって外部の衝撃から保護される。よって、アンテナ装置の耐衝撃性を高めることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のアンテナ装置において、前記カバーケースは、着脱自在な二つのカバーピース(例えば、図2,3,4,6,13〜図21の上部カバーピース31a、下カバーピース31b)を組み合わせることにより構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、カバーケースは、着脱自在な二つのカバーピースを組み合わせることにより構成されるので、コア部及び巻線部の取り付け操作を容易にすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のアンテナ装置において、前記カバーケースの角部は、前記カバーケースの中央部に比べて肉厚とされていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、カバーケースの角部を中央部に比べて肉厚としたので、例えば、落下等における衝撃力が作用しやすい部位の耐衝撃性を更に高めることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の何れか一項に記載のアンテナ装置において、前記カバーケースにおける前記コア部の厚み方向の面に、前記巻線部の長手方向の長さよりも長い辺を有する窓部(図13,15,17,19の窓部45a、45b)が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、カバーケースにおけるコア部の厚み方向の面に、巻線部の長手方向の長さよりも長い辺を有する窓部が設けられているので、カバーケースにおけるコア部の厚み方向の面において、その面の厚み部分と重なるように巻線部を窓部側に突出させて配置することができることとなって、その重なった分だけカバーケースを薄型化することができる。よって、アンテナ装置の薄型化を図ることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5の何れか一項に記載のアンテナ装置において、前記コア部及び前記巻線部のうちの少なくとも一方と前記カバーケースとが複数の箇所で点接着されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、コア部及び巻線部のうちの少なくとも一方とカバーケースとを複数の箇所で点接着したので、強度を維持したまま、コア部、カバーケース、接着剤の温度膨張係数と湿度収縮係数の違いによって発生するコア部の歪みによる特性劣化の緩和を図ることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載のアンテナ装置において、前記巻線部には、フレキシブル基板(例えば、図1,2,3,5のフレキシブル基板33)が接続されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、巻線部にフレキシブル基板が接続されているので、アンテナ装置を電子機器等に内蔵する際に配線の引き回しを自在にすることができる。
請求項8に記載の発明は、時計(例えば、図1の腕時計100)であって、請求項1〜7の何れか一項に記載のアンテナ装置と、このアンテナ装置を収納するとともに、バンドを取り付けるためのバンド取付部(例えば、図1の延出部9)を備えた時計ケース(例えば、図1の時計ケース1)とを備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、アンテナ装置を時計ケースに設けないで、バンドに収納しているので、時計ケース、ひいては時計全体の大幅な薄型化を図ることができる。
請求項1に記載の発明によれば、コア部の表層部に、非導電性樹脂をコーティングすることにより、コア部の表層部は絶縁される。これにより、電波を受信することにより巻線部に発生した電流がコア部に流れることがなくなり、電波の受信効率を向上させることができる。また、コア部の表層部は、非導電性樹脂のコーティングによって絶縁することができるため、従来のように、絶縁テープを巻きつける場合に比べて、絶縁層をはるかに薄くすることができるので、コア部の拡大化を抑制することができ、必要なコイル長を短縮することができる。これにより、直流抵抗特性を向上させるとともに、アンテナ装置の小型化を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、コア部と巻線部との双方の周囲を囲むカバーケースを設けることにより、コア部及び巻線部は、カバーケースによって外部の衝撃から保護される。よって、アンテナ装置の耐衝撃性を高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、カバーケースは、着脱自在な二つのカバーピースを組み合わせることにより構成されるので、コア部及び巻線部の取り付け操作を容易にすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、カバーケースの角部を中央部に比べて肉厚としたので、例えば、落下等における衝撃力が作用しやすい部位の耐衝撃性を更に高めることができる。
請求項5に記載の発明によれば、カバーケースにおけるコア部の厚み方向の面に、巻線部の長手方向の長さよりも長い辺を有する窓部が設けられているので、カバーケースにおけるコア部の厚み方向の面において、その面の厚み部分と重なるように巻線部を窓部側に突出させて配置することができることとなって、その重なった分だけカバーケースを薄型化することができる。よって、アンテナ装置の薄型化を図ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、コア部及び巻線部のうちの少なくとも一方とカバーケースとを複数の箇所で点接着したので、強度を維持したまま、コア部、カバーケース、接着剤の温度膨張係数と湿度収縮係数の違いによって発生するコア部の歪みによる特性劣化の緩和を図ることができる。
請求項7に記載の発明によれば、巻線部にフレキシブル基板が接続されているので、アンテナ装置を電子機器等に内蔵する際に配線の引き回しを自在にすることができる。
請求項8に記載の発明によれば、アンテナ装置を時計ケースに設けないで、バンドに収納しているので、時計ケース、ひいては時計全体の大幅な薄型化を図ることができる。
以下、本発明に係るアンテナ装置及び時計の最良の実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態においては、時計として、腕時計を例に挙げて説明する。
<腕時計の構成>
最初に腕時計100の構成について説明する。図1は、腕時計100の拡大断面図である。腕時計100は、図1に示すように、時計ケース1を備えている。この時計ケース1は、ケース本体2と、このケース本体2の上面における開口周囲に取り付けられるベゼル3と、このベゼル3に取り付けられる時計ガラス4と、ケース本体2の下面に取り付けられる金属製の裏蓋5と、この裏蓋5とベゼル3とを結合する締結ねじ6とを備えた構成になっている。
ケース本体2は、例えば、ABS樹脂などの合成樹脂からなり、その中央部には、図1に示すように、時計モジュール7を収納するモジュール収納部8が上下面に開口されて設けられている。また、このケース本体2にはベゼル3の外部側方(図1では右側方)に延出したバンド取付部としての延出部9が設けられており、この延出部9にはアンテナ装置10を収納するアンテナ収納部11が上面側に開放されて設けられている。また、延出部9には、バンドを取り付けるためにピンを通す孔部9aが形成されている。この場合、アンテナ装置10は、ゴムなどの緩衝部材12で包まれてアンテナ収納部11に収納され、この状態で、例えば、合成樹脂からなるカバーパネル13がアンテナ収納部11を塞いで延出部9の上面に取り付けられることにより、アンテナ収納部11がこのカバーパネル13で覆われている。また、ケース本体2には、アンテナ収納部11とモジュール収納部8とを連絡する連絡路15が設けられており、アンテナ装置10のフレキシブル基板33(後述する)が、連絡路15を通してモジュール収納部8内の時計モジュール7に電気的に接続されている。
ベゼル3は、例えば、ステンレスなどの強度の高い金属からなり、その中央部に開口部16がモジュール収納部8に対応して設けられ、これにより全体が厚みの薄い枠形状に形成されている。このベゼル3は、ケース本体2の上面におけるモジュール収納部8の周囲に沿って設けられた位置決め用の突起部17によって位置規制された状態で両面接着テープ18によってケース本体2の上面に接着されている。この場合、ベゼル3は、その開口部16の内周面に鍔部16aがケース本体2のモジュール収納部8の上側に突出して設けられていると共に、この開口部16の内周面における鍔部16aの上側に段差部16bが設けられた構成になっている。これにより、ベゼル3は、その開口部16内において鍔部16a上にリング状のソーラパネル19が装着され、このソーラパネル19の上側に時計ガラス4が装着され、この状態で鍔部16aの下面にモジュール収納部8内の時計モジュール7の上面縁部が当接するように構成されている。
また、このベゼル3の下面には、図1に示すように、両面接着テープ18を配置するためのテープ収納凹部20が両面接着テープ18の厚みよりも少し浅く形成されている。
裏蓋5は、例えば、ステンレスやチタン等の強度の高い金属からなり、図1に示すように、全体が厚みの薄いほぼ平板状に形成され、ケース本体2のモジュール収納部8の下面を覆った状態で、防水リング23を介して本体ケース2の下面に締結ねじ6によって取り付けられている。この場合、防水リング23は、モジュール収納部8の周囲に沿ってケース本体2の下面に設けられたリング溝24内に配置され、この状態で裏蓋5の上面に弾接するように構成されている。締結ねじ6は、裏蓋5に設けられた孔に下側から挿入され、ベゼル3と裏蓋5とをその間にケース本体2を挟み付けて締結するように構成されている。
<アンテナ装置の構成>
次に、腕時計100に設けられたアンテナ装置10について説明する。
アンテナ装置10は、図2〜図6に示すように、アンテナ本体30と、このアンテナ本体30を収納し、アンテナ本体30を上下方向から挟み込んで、アンテナ本体30を外部からの衝撃等から保護するカバーケース31と、このカバーケース31とアンテナ本体30とを接着する接着剤32と、アンテナ本体30と時計モジュール7内の回路基板(図示せず)とを電気的に接続するフレキシブル基板33と、を備えている。アンテナ本体30は、図7〜図9に示すように、コア部36と、このコア部36にコイルを巻きつけて形成した巻線部37と、により構成されている。コア部36は、例えば、電波の受信感度が高いフェライトからなり、図10〜図12に示すように、その断面がほぼ長方形に形成された角棒状の芯材部38を備え、この芯材部38の両端部に芯端片39をそれぞれ形成した構造になっている。
芯端片39は、図10〜図12に示すように、それぞれ直方体の上部外側を斜めに切り落した傾斜面39aを有する形状に形成され、この傾斜面39aを外側に向けた状態で互いに対向して配置されている。そして、芯材部38は、図10及び図12に示すように、互いに対向する芯端片39の上下方向における中間部に位置し、且つ、図11及び図12に示すように、芯端片39の前後方向(図12では左右方向)における前部(図12では右端部)に位置し、この状態で、コイルとしての銅線等がほぼ均等な厚みで巻き付けられて巻線部37を形成している。
また、コア部36の表層部には、例えば、厚さ20〜30μm程度のフッ素樹脂(非導電性樹脂)がコーティングされており、巻線部37と絶縁されている。
なお、フッ素樹脂による表層部のコーティンングは、例えば、芯材部38のみに施したり、芯材部38と互いに対向する芯端片39に施したりすることによって巻線部37とコア部36との絶縁を確保する。
カバーケース31は、例えば、電波を遮断しないポリブチレンテレフタレート(PBT)などの合成樹脂からなり、図13〜図21に示すように、アンテナ本体30の上半分の周囲を囲む上部カバーピース31aと、アンテナ本体30の下半分の周囲を囲む下部カバーピース31bと、を備えている。
上部カバーピース31aは、図13〜図16に示すように、側面側から見てほぼ「コ」字状に形成された細長い枠状のケースで、その内部にアンテナ本体30の巻線部37の巻回部分を収納する収納部40aが形成された構造になっている。すなわち、上部カバーピース31aは、図13及び図15に示すように、収納部40aが上面部41a、下面部42a、背面部43aで形成され、これにより正面側が開放された細長い箱形状に形成されているとともに、図13及び図14に示すように、背面部43aの両側に鍔部44aがそれぞれ側方に突出して形成された構造になっている。
背面部43aには、芯材部38のうち、巻線部37の長手方向の長さよりも長い辺を有する長方形状の窓部45aが形成されている。窓部45aは、アンテナ本体30を囲んだ際に、巻線部37が最も外側に突出する位置に形成されており、窓部45aを設けることにより、背面部43aの厚み部分と重なるように巻線部37を窓部45側に突出させて配置することができる。これにより、上部カバーピース31aの厚み方向の長さ、即ち、上面部41a及び下面部42aの幅方向の長さを短くすることができるようになっている。また、窓部45aを設けることにより、例えば、巻線部37で発生する熱を発散させることができるようにされており、アンテナ本体30を外部の衝撃から守りつつ、放熱効果が高い構造とされている。
また、両側の鍔部44aは、図2〜図6に示すように、アンテナ本体30の巻線部37を収納部40aに収納したときに、アンテナ本体30の芯端片39と密着するように構成されている。
さらに、図6に示すように、上部カバーピース31aの角部31cは、上面部41a、下面部42a、背面部43aの厚さに比べて肉厚とされており、上部カバーピース31aの剛性を高める構造となっている。
下部カバーピース31bは、図17〜図20に示すように、側面側から見てほぼ「コ」字状に形成された細長い枠状のケースで、その内部にアンテナ本体30の巻線部37を収納する収納部40bが形成された構造になっている。すなわち、下部カバーピース31bは、図17及び図19に示すように、収納部40bが上面部41b、下面部42b、背面部43bで形成され、これにより正面側が開放された細長い箱形状に形成されているとともに、図18及び図19に示すように、背面部43bの両側に鍔部44bがそれぞれ側方に突出して形成された構造になっている。
背面部43bには、芯材部38のうち、巻線部37の長手方向の長さよりも長い辺を有する長方形状の窓部45bが形成されている。窓部45bは、アンテナ本体30を囲んだ際に、巻線部37が最も外側に突出する位置に形成されており、窓部45bを設けることにより、背面部43bの厚み部分と重なるように巻線部37を窓部45b側に突出させて配置することができる。これにより、下部カバーピース31bの厚み方向の長さ、即ち、上面部41b及び下面部42bの幅方向の長さを短くすることができるようになっている。また、窓部45bを設けることにより、巻線部37で発生する熱を発散させることができるようにされており、アンテナ本体30を外部からの衝撃から守りつつ、放熱効果が高い構造とされている。
また、両側の鍔部44bは、図2〜図6に示すように、アンテナ本体30の巻線部37を収納部40bに収納したときに、アンテナ本体30の芯端片39にと密着するように構成されている。
さらに、下部カバーピース31bの角部31dは、上面部41b、下面部42b、背面部43bの厚さに比べて肉厚とされており、下部カバーピース31bの剛性を高める構造となっている。
接着剤32は、例えば、エポキシ系の接着剤であり、図2及び図6に示すように、アンテナ本体30の巻線部37をカバーケース31の収納部40a,40b内に収納した状態で、巻線部37の外周面と収納部40a,40bの内周面との間に塗布され、アンテナ本体30とカバーケース31とを点接着するように構成されている。すなわち、アンテナ本体30の巻線部37の巻回部分はその断面形状がほぼ円形状に形成されており、またカバーケース31の収納部40は、その断面形状がコ字状で、その内部の断面形状は巻線部37の巻回部分が内接するほぼ正方形状に形成されている。このため、アンテナ本体30の巻線部37の巻回部分がカバーケース31の収納部40a,40b内に収納されると、収納部40a,40b内の隅部に隙間が形成される。この隙間に接着剤32が塗布される。
また、図2に示すように、接着剤32は、芯端片39間の距離を約三等分する位置に塗布されている。
フレキシブル基板33は、図2及び図5に示すように、一端部33aがカバーケース31の一方(同図では右側)の鍔部44に取り付けられ、他端部33bがカバーケース31の中間部分から下側に延出され、この延出された他端部33bが図1に示すように、時計ケース1内に挿入されて時計モジュール7の回路基板(図示せず)に取り付けられるように構成されている。すなわち、このフレキシブル基板33は、その中間部がほぼ直角に屈曲され、その表面に2本の配線リード47が一端部33aから他端部33bに連続して形成されている。
そして、フレキシブル基板33の一端部33aに位置する配線リード47の各端子部には、それぞれアンテナ本体30の巻線部37の各端部が図4に示すハンダ47aによって電気的に接続された状態で固着されている。また、このフレキシブル基板33の他端部33bに位置する配線リード47の各端子部は、時計モジュール7の回路基板(図示せず)の接続端子に電気的に接続されて取り付けられるように構成されている。これにより、フレキシブル基板33は、アンテナ本体30と時計モジュール7の回路基板(図示せず)とを電気的に接続している。
この場合、フレキシブル基板33の一端部33aには、図5に示すように、上部カバーピース31aの一方の鍔部44aに設けられた位置決めピン48が挿入されて位置決めされる位置決め孔49が設けられている。また、このフレキシブル基板33は、図5に示すように、その一端部33aがカバーケース31の一方の鍔部44に配置されるとともに、その中間部分がカバーケース31の背面部43に重なるように配置され、かつ、他端部33bがカバーケース31の下面部42の中間部分から下側に延出された状態で、カバーケース31に取り付けられている。
<腕時計の動作>
次に、アンテナ装置10を備えた腕時計100の動作について説明する。
図22は、腕時計100の内部構成を示すブロック図である。腕時計100は、CPU60と、入力部61と、表示部62と、ROM63と、RAM64と、受信制御部65と、タイムコード変換部66と、計時回路部67と、発振回路部68と、を備えて構成される。また、発振回路部68を除く各部はバス69によって接続され、発振回路部68は計時回路部67に接続されている。
CPU60は、所定のタイミング或いは入力部61から入力された操作信号に応じてROM63に格納されたプログラムを読み出してRAM64に展開し、該プログラムに基づいて腕時計100を構成する各部への指示やデータの転送等を行う。具体的には、例えば所定時間毎に受信制御部65を制御して標準電波の受信処理を実行し、タイムコード変換部66から入力された図23に示すような標準タイムコードに基づいて計時回路部67で計数される現在時刻データを修正する。
入力部61は、腕時計100の各種機能の実行を指示するためのスイッチ等であり、これらのスイッチが操作されると、対応する操作信号をCPU60に出力する。
表示部62は、文字板やCPU60によって制御されるアナログ指針機構(図示せず)を含み、計時回路部67によって計時された現在時刻を表示する。
ROM63は、腕時計100にかかるシステムプログラムやアプリケーションプログラム、本実施形態を実現するためのプログラムやデータ等を記憶する。
RAM64は、CPU60の作業領域として用いられ、ROM63から読み出されたプログラムやCPU60で処理されたデータ等を一時的に記憶する。
受信制御部65は、電波受信装置70を備えている。この電波受信装置70には、上記のアンテナ装置10が設けられており、アンテナ装置10で受信した標準電波の不要な周波数成分をカットして該当する周波数信号を取り出し、この周波数信号を対応した電気信号に変換した信号をタイムコード変換部66へ出力する。
タイムコード変換部66は、電波受信装置70から入力された電気信号をデジタル信号に変換し、標準時刻コードや積算コード、曜日コード等の時計機能に必要なデータを含む標準タイムコードを生成してCPU60に出力する。
計時回路部67は、発振回路部68から入力される信号を計数して現在時刻を計時し、計時した現在時刻データをCPU60に出力する。発振回路部68は、常時一定周波数のクロック信号を出力する回路である。
本実施形態におけるアンテナ装置10によれば、コア部36の表層部にフッ素樹脂をコーティングすることにより、コア部36の表層部は絶縁される。これにより、電波を受信することによって巻線部37に発生した電流がコア部36に流れることがなくなり、電波の受信効率を向上させることができる。また、コア部36の表層部は、フッ素樹脂によって絶縁することができるため、従来のように、絶縁テープを巻きつける場合(厚さ200μm)に比べて、絶縁層をはるかに薄くすることができる(厚さ20〜30μm)ので、コア部36の拡大化を抑制することができ、必要なコイル長を短縮することができる。これにより、直流抵抗特性を向上させるとともに、アンテナ装置10の小型化を図ることができる。
また、コア部36と巻線部37との双方の周囲を囲むカバーケース31を設けることにより、コア部36及び巻線部37は、カバーケース31によって外部からの衝撃から保護される。よって、アンテナ装置10の耐衝撃性を高めることができる。
さらに、カバーケース31は、上部カバーピース31a及び下部カバーピース31bを組み合わせることにより構成されるので、コア部36及び巻線部37の取り付け操作を容易にすることができる。
また、カバーケース31の角部31c,31dを他の部分に比べて肉厚にしたので、アンテナ装置10の耐衝撃性を更に高めることができる。
さらに、コア部36の厚み方向の面に、巻線部37の長さよりも大きな窓部45a,45bが設けられているので、カバーケース31におけるコア部36の厚み方向の背面部43a、43bにおいて、背面部43a、43bの厚み部分と重なるように巻線部37を窓部45a、45b側に突出させて配置することができることとなって、その重なった分だけカバーケース31を薄型化することができることとなって、アンテナ装置10の薄型化を図ることができる。
また、コア部36と巻線部37のうち少なくとも一方とカバーケース31とを複数の箇所で接着剤32により点接着したので、強度を維持したまま、コア部36、カバーケース31、接着剤32の温度膨張係数と湿度収縮係数の違いによって発生するコア部36の歪みによる特性劣化の緩和を図ることができる。
さらに、巻線部37にフレキシブル基板33が接続されているので、アンテナ装置10を電子機器等に内蔵する際に配線の引き回しを自在にすることができる。
また、アンテナ装置10を腕時計100の時計ケース1内に設けることにより、腕時計100の薄型化を図ることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、コア部36にフッ素樹脂をコーティングする方法に代えて、エポキシ粉体を塗布してもよい。また、カバーケース31の形状、カバーピースへの分割数は任意であって、自由に設計変更可能である。さらに、アンテナ本体30とカバーケース31とを接着剤32で接着する位置も任意であって、自由に設計変更可能である。また、カバーケース31と巻線部37とを接着剤32によって接着しているが、カバーケース31とコア部36とを接着剤32によって接着してもよい。
本発明におけるアンテナ装置を有する腕時計の断面図である。 本発明におけるアンテナ装置の平面図である。 本発明におけるアンテナ装置の側面図である。 本発明におけるアンテナ装置の背面図である。 本発明におけるアンテナ装置の底面図である。 図5に示すアンテナ装置のVI−VI断面図である。 本発明のアンテナ装置におけるアンテナ本体の平面図である。 図7に示すアンテナ本体の底面図である。 図7に示すアンテナ本体の側面図である。 本発明のアンテナ装置におけるアンテナ本体のコア部の平面図である。 本発明におけるアンテナ本体の底面図である。 本発明におけるアンテナ本体の側面図である。 本発明のアンテナ装置におけるカバーケースの上部カバーピースの平面図である。 本発明のアンテナ装置におけるカバーケースの上部カバーピースの背面図である。 本発明のアンテナ装置におけるカバーケースの上部カバーピースの底面図である。 本発明のアンテナ装置におけるカバーケースの上部カバーピースの側面図である。 本発明のアンテナ装置におけるカバーケースの下部カバーピースの平面図である。 本発明のアンテナ装置におけるカバーケースの下部カバーピースの背面図である。 本発明のアンテナ装置におけるカバーケースの下部カバーピースの底面図である。 本発明のアンテナ装置におけるカバーケースの下部カバーピースの側面図である。 本発明のアンテナ装置におけるカバーケースの背面図である。 腕時計の内部構成を示すブロック図である。 タイムコードのフォーマットを示す図である。 (a)は、従来のアンテナ本体の平面図である。(b)は、(a)に示す従来のアンテナ本体のB−B断面図である。
符号の説明
1 時計ケース
9 延出部(バンド取付部)
10 アンテナ装置
31 カバーケース
31a 上部カバーピース
31b 下部カバーピース
33 フレキシブル基板
36 コア部
37 巻線部
45a 窓部
45b 窓部
100 腕時計(時計)

Claims (8)

  1. 少なくとも表層部が導電性を有する材料から形成されたコア部と、このコア部にコイルが巻きつけられて形成された巻線部と、を備え、
    前記コア部の表層部に、非導電性樹脂がコーティングされてなることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記コア部と前記巻線部との双方の周囲を囲むカバーケースを更に備えることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記カバーケースは、着脱自在な二つのカバーピースを組み合わせることにより構成されていることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記カバーケースの角部は、前記カバーケースの中央部に比べて肉厚とされていることを特徴とする請求項2又は3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記カバーケースにおける前記コア部の厚み方向の面に、前記巻線部の長手方向の長さよりも長い辺を有する窓部が設けられていることを特徴とする2〜4の何れか一項に記載のアンテナ装置。
  6. 前記コア部及び前記巻線部のうちの少なくとも一方と前記カバーケースとが複数の箇所で点接着されていることを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載のアンテナ装置。
  7. 前記巻線部には、フレキシブル基板が接続されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のアンテナ装置。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載のアンテナ装置と、このアンテナ装置を収納するとともに、バンドを取り付けるためのバンド取付部を備えた時計ケースとを備えることを特徴とする時計。
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