JP2002372591A - 電波時計 - Google Patents

電波時計

Info

Publication number
JP2002372591A
JP2002372591A JP2001179565A JP2001179565A JP2002372591A JP 2002372591 A JP2002372591 A JP 2002372591A JP 2001179565 A JP2001179565 A JP 2001179565A JP 2001179565 A JP2001179565 A JP 2001179565A JP 2002372591 A JP2002372591 A JP 2002372591A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
case
core member
magnetic core
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001179565A
Other languages
English (en)
Inventor
Takanori Endo
貴則 遠藤
Seiro Hachiman
誠朗 八幡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2001179565A priority Critical patent/JP2002372591A/ja
Publication of JP2002372591A publication Critical patent/JP2002372591A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンテナが時刻情報を含む電波を確実に受信
できるとともに、所定の強度を確保しつつ厚さ及び重量
の増大を最小限に抑える。 【解決手段】 電波時計は、ケース12に収容された駆
動部13と、駆動部により駆動される表示部14と、電
波を受信するアンテナ16と、アンテナの検出出力に基
づいて駆動部を制御するコントローラ17とを備える。
ケースの全部又は一部が樹脂を射出成形又は注型成形す
ることにより形成され、アンテナが樹脂に被包されてケ
ースに埋設される。ケースは枠部12a,ガラス蓋12
b及び裏蓋12cにより構成された腕時計用のケースで
あり、裏蓋が樹脂により一体的に形成され、アンテナが
裏蓋に埋設される。アンテナ16が平板状に形成された
磁芯部材16aと磁芯部材に巻回されたコイル16bと
を有し、磁芯部材が磁性材料からなる粉末又はフレーク
及びプラスチックの複合材により形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、時刻情報を含む所
定の電波を受信して時刻を修正する電波時計に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電波時計として、図6に
示すように、枠部2aとガラス蓋2bと裏蓋により構成
されたケース2の外側面に棒状のアンテナ6が設けら
れ、このアンテナ6がプラスチック又は非磁性材料から
なるカバー8に収納されたものが知られている。この電
波時計1では、アンテナ6がフェライト棒からなる磁芯
部材6aと、この磁芯部材6aに巻回されたコイル6b
とを有する。また枠部2aには一対の受け具2d,2d
が突設され、これらの受け具2d,2dにはバンド9の
両端がそれぞれ枢着される。このように構成された電波
時計1では、アンテナ6の直径を小さくかつ長さを短く
形成することにより、電波時計1の小型化を図ってい
る。
【0003】しかし、上記従来の電波時計では、フェラ
イト棒の直径を小さくかつ長さを短くすると、電波時計
の落下等に伴う衝撃荷重により割れる場合があった。ま
た、上記電波時計では、バンド9の軸線とケース2の中
心軸とが一致しないため、見栄えを損う問題点もあっ
た。これらの点を解消するために、図5に示すように、
磁芯部材6aを平板状に形成することにより必要な断面
積を確保し、アンテナ6を裏蓋2cの外面に沿って設
け、そのアンテナ6をプラスチック又は非磁性材料から
なるカバー8で被覆することも考えられる。このように
アンテナ6を裏蓋2cの外面に設ければ、通常の使用状
態において外力がそのアンテナに加わることを防止する
ことができ、アンテナ6の破損を回避するとともに、バ
ンド9の軸線とケース2の中心軸とを一致させてその見
栄えを向上させることが期待できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アンテナ6を
裏蓋2cの外面に設けることは、時計全体の厚さにその
アンテナ6及びカバー8の厚みが加わることになり、そ
れらの厚みが加わることに起因して電波時計全体の厚さ
が増大する不具合がある。また、裏蓋2cが金属により
形成されている場合には、アンテナ6がその裏蓋2cの
影響を受けて、損失が増加し、インダクタンスが変化
し、更に共振周波数が変わって作動しなくなる不具合が
ある。更に、電波時計が腕時計である場合には、常に腕
に装着する必要からその重量を可能な限り抑制すること
が望まれる。本発明の目的は、アンテナが時刻情報を含
む電波を確実に受信できるとともに、所定の強度を確保
しつつ厚さ及び重量の増大を最小限に抑えることができ
る電波時計を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1及び図2に示すように、ケース12に収容された駆
動部13と、ケース12に設けられ駆動部13により駆
動されて時刻を表示する表示部14と、時刻情報を含む
電波を受信するアンテナ16と、ケース12に収容され
アンテナ16の検出出力に基づいて駆動部13を制御す
るコントローラ17とを備えた電波時計の改良である。
その特徴ある構成は、ケース12の全部又は一部が樹脂
を射出成形又は注型成形することにより形成され、アン
テナ16が樹脂に被包されてケース12に埋設されたと
ころにある。
【0006】この請求項1に記載された電波時計では、
アンテナ16及びコンデンサにて構成される共振回路が
時刻情報を含む所定の周波数(例えば40kHz)の電
波と共振すると、コントローラ17は上記電波に含まれ
る時刻情報を読取って駆動部13を制御し、表示部14
を修正する。このときアンテナ16は樹脂からなるケー
ス12に埋設されているため、上記電波は速やかにアン
テナ16に到達する。この時、アンテナ16を埋設する
ケース12は樹脂からなるので、時刻情報を含む電波に
よりそのケース12に渦電流は発生しないので、アンテ
ナ16及びコンデンサにて構成される共振回路は上記電
波と確実に共振する。またアンテナ16を極めて薄く形
成することにより、電波時計11全体の厚さの増大を最
小限に抑えることができる。
【0007】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、ケース12が枠部12a,ガラス蓋12b
及び裏蓋12cにより構成された腕時計用のケースであ
り、裏蓋12cが樹脂により一体的に形成され、アンテ
ナ16が裏蓋12cに埋設された電波時計である。この
請求項2に記載された電波時計では、裏蓋12cを形成
する樹脂は金属より軽いので、裏蓋12cにアンテナ1
6を埋設しても全体の重量としては金属からなる裏蓋単
体における重量と大差はなくなる。このため、アンテナ
を設けることに伴う電波時計全体の重量の増大を最小限
に抑えることができる。
【0008】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
係る発明であって、アンテナ16が平板状に形成された
磁芯部材16aと磁芯部材16aにこの磁芯部材16a
の平面内に延びる軸線を中心として螺旋状に巻回された
コイル16bとを有し、磁芯部材16aが磁性材料から
なる粉末又はフレーク及びプラスチックの複合材により
形成された電波時計である。この請求項3に記載された
電波時計では、磁芯部材16を比較的機械的な強度が高
い複合材により形成するため、この磁芯部材16を埋設
するケース12の一部又はケース12の一部である裏蓋
12cの強度を向上させることができ、その部分に衝撃
荷重が作用した場合の磁芯部材16aの損傷を回避する
ことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明第1の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、電
波時計11はケース12と、ケース12に収容された駆
動部13と、駆動部13により駆動されて時刻を表示す
る表示部14と、時刻情報を含む電波を受信するアンテ
ナ16と、ケース12に収容されアンテナ16の検出出
力に基づいて駆動部13を制御するコントローラ17と
を備える。この実施の形態における電波時計11は腕時
計型のものを示し、ケース12は枠部12a,ガラス蓋
12b及び裏蓋12cにより構成される。枠部12aは
金属により円形リング状に形成され、ガラス蓋12bは
電気絶縁材料(ガラス板)により円板状に形成され、ケ
ース12の一部である裏蓋12cは、樹脂を射出成形又
は注型成形することにより形成される。また表示部14
は目盛板14aと、駆動部13により駆動されかつ目盛
板14a上を回転する短針14b,長針14c及び秒針
(図示せず)からなる。
【0010】アンテナ16は、平板状に形成された磁芯
部材16aと、磁芯部材16aにこの磁芯部材16aの
平面内に延びる軸線を中心として螺旋状に巻回されたコ
イル16bとを有する。磁芯部材16aはフェライト又
はアモルファス箔の積層材により長方形の板状に形成さ
れるか、或いは金属又はフェライトの粉末又はフレーク
とプラスチックとの複合材により長方形の板状に形成さ
れることが好ましい。上記プラスチックとしては加工性
の良い熱可塑性のプラスチックを用いたり、或いは耐熱
性の良い熱硬化性のプラスチックを用いたりすることが
できる。また上記金属の粉末としては、カーボニル鉄粉
末,鉄−パーマロイ等のアトマイズ粉末,還元鉄粉末等
が用いられる。一方、金属のフレークとしては、上記粉
末をボールミル等で微細化して粉末を成形した後に、こ
の粉末を機械的に扁平化して得られたフレークや、鉄系
又はコバルト系アモルファス合金の溶湯粒を水冷銅に衝
突させて得られたフレークが用いられる。
【0011】磁芯部材16aを複合材により形成する場
合には、20〜95体積%の磁性材料と、5〜80体積
%のプラスチックからなる複合材により形成されること
が好ましい。磁性材料からなる粉末又はフレークが20
体積%未満であると、得られた磁芯部材16aの透磁率
が低くなり、必要な透磁率を得るには磁芯部材16a自
体を大型にする必要があり、アンテナ16自体の薄型化
を図ることができなくなる。一方、磁性材料からなる粉
末又はフレークが95体積%以上であると得られた磁芯
部材16aの強度が得られない。なお、磁性材料からな
る粉末又はフレークの特に好ましい範囲は、射出成形の
場合が30体積%〜65体積%であり、圧縮成形の場合
が80体積%〜94体積%である。
【0012】複合材による磁芯部材16aは、射出成形
又は圧縮成形することにより形成される。但し、アンテ
ナ16が特に薄い必要がある場合には、可撓性を有する
フィルム又はシートに複合材を塗布乾燥させることによ
り、磁芯部材16aをそのフィルム又はシートと、その
フィルム又はシートに塗布された複合材からなる塗膜と
により形成しても良い。このように形成された磁芯部材
16aであっても、脆弱なフェライトにより形成された
磁芯部材と比較して薄くしても割れ難いものになる。ま
た磁性材料からなる粉末又はフレークがプラスチックに
分散されている、即ち磁性粉又はフレークがプラスチッ
クにより相互に絶縁されているため、磁芯部材16a全
体としては導電性を有することはなく、高周波の電波を
受けても渦電流は発生しない。一方、コイル16bは銅
線であり、上述した磁芯部材16aにこの磁芯部材16
aの軸芯を中心として螺旋状に巻回される。
【0013】アンテナ16は樹脂に被包されてケース1
2の一部である裏蓋12cに埋設される。アンテナ16
の埋設は樹脂を射出成形又は注型成形する際に行われ
る。金型21を用いた注型成形によりアンテナ16を裏
蓋12cに埋設させる例を代表して説明すると、この実
施の形態における注型成形は図3(a)に示すような上
下に2分割可能な金型21を用いて行われる。金型21
は樹脂注入口22aが形成され裏蓋12cの内部形状を
形成する上型22と、その上型22が小ネジ26により
取り外し可能に取付けられ裏蓋12cの外部形状を形成
する下型23とにより構成される。上型22にはコイル
16bの両端における銅線が通過する孔22cが形成さ
れ、上型22及び下型23の内部には磁芯部材16aを
その中央に浮かして支持するためのピン22b,23b
がそれぞれ形成される。実際に樹脂を注型する際には、
図3(b)に示すように、磁芯部材16aをそのピン2
2b,23bにより金型21の内部で浮かして支持し、
その状態で注入孔22aから樹脂を注入して成型する。
注入する樹脂としては、比較的剛性の高いものが選択さ
れ、例えば、合成高分子ポリアミド(商標名;ナイロ
ン)、ポリカーボネート、アセタール等が挙げられる。
【0014】金型21に注入した樹脂が硬化した後は上
型22を下型23から取り外し、図3(c)に示すよう
にその下型23から樹脂成形品24を取り出す。この樹
脂成型品24はアンテナ16がその樹脂により一体的に
被包されたものであり、磁芯部材16aを支持していた
ピン22b,23bに相応する小穴24aが形成され
る。この小穴24aは必要に応じて樹脂により封止さ
れ、アンテナ16が樹脂に一体的に被包され、コイル1
6bの両端における銅線が内面側から出現した図3
(d)に示す裏蓋12cが得られる。このように構成さ
れた裏蓋12cでは、アンテナ16が樹脂により被包さ
れて密封されるので、そのアンテナ16は外気から確実
に隔離され、大気中の湿度や塵埃から有効に保護するこ
とができる。また、この裏蓋12cは、平板状に形成さ
れた磁芯部材16aと、この磁芯部材16aに螺旋状に
巻回したコイル16bからなるアンテナ16を使用して
いるため、その厚さを比較的薄くすることにより裏蓋1
2c自体の厚さを比較的薄く形成することができる。
【0015】裏蓋12cの内面側から出現したコイル1
6bの両端における銅線は図示しないコンデンサ(図示
せず)及びコントローラ17に電気的に接続される。上
記アンテナ16及びコンデンサにより所定の周波数の電
波と共振する共振回路が構成され、また上記共振回路に
はこの共振回路を開閉するスイッチ(図示せず)が設け
られ、このスイッチはコントローラ17により所定の時
間毎にオンするように構成される。上記所定の周波数は
40kHzであり、この電波は郵政省の通信総合研究所
の原子時計に基づいて発せられる日本の標準時の時刻情
報を含む電波である(以下、この電波を標準電波とい
う)。なお、図1の符号12d,12dは枠部12aに
突設された一対の受け具であり、これらの受け具12
d,12dにはバンド19の両端がそれぞれ枢着され
る。
【0016】このように構成された電波時計11の動作
を説明する。コントローラ17は所定時間が経過する
と、スイッチをオンする。スイッチがオンすると、アン
テナ16及びコンデンサにて構成される共振回路が標準
電波と共振するので、コントローラ17は上記標準電波
に含まれる時刻情報を読取って駆動部13を制御し、表
示部14を修正する。このときアンテナ16を埋設する
裏蓋12cは樹脂により形成されているため、上記標準
電波はその裏蓋12cを透過してアンテナ16に到達す
る。また電波時計11を誤って落してこの時計に衝撃荷
重が作用しても、磁芯部材16aを金属又はフェライト
の粉末又はフレークとプラスチックとの複合材にて形成
すれば、磁芯部材16aは損傷せず、アンテナ16は上
記標準電波を確実に受信することができる。また裏蓋1
2cを形成する樹脂は金属より軽いので、裏蓋12cに
アンテナ16を埋設しても全体の重量としては金属から
なる裏蓋単体における重量と大差はなくなる。この結
果、アンテナを設けることに伴う電波時計全体の重量の
増大を最小限に抑えることができ、更にアンテナ16を
極めて薄く形成することにより電波時計11全体の厚さ
の増大を最小限に抑えることもできる。
【0017】図4は本発明の第2の実施の形態を示す。
この実施の形態では、電波時計30は置き時計型の電波
時計であり、ケース31に収容された駆動部(図示せ
ず)と、ケース31に設けられ駆動部により駆動されて
時刻を表示する表示部33と、時刻情報を含む電波を受
信するアンテナ34と、ケース31に収容されアンテナ
34の検出出力に基づいて駆動部を制御するコントロー
ラ(図示せず)とを備える。ケース31は、樹脂を射出
成形又は注型成形することにより形成された上壁31
a、前壁31c、後壁31d及び側壁31eと、金属に
より形成された下壁31bとを有する。表示部33は前
壁31cの開口部31fに挿着された目盛板33aと、
駆動部により駆動されて目盛板33a上を回転する短針
33b、長針33c及び秒針(図示せず)と、上記開口
部31fを塞ぐ透明プラスチック板33dとを有する。
アンテナ34は平板状の磁芯部材34aと、この磁芯部
材34aに巻回されたコイル34bとを有し、磁芯部材
34aは第1の実施の形態で説明した磁性材料からなる
粉末又はフレーク及びプラスチックの複合材により形成
される。そしてこのアンテナ34は樹脂に被包されてケ
ース31の一部である上壁31aに埋設される。
【0018】このように構成された電波時計30では、
第1の実施の形態と同様に、アンテナ34を埋設するケ
ース31の一部である上壁31aは樹脂により形成され
ているため、標準電波は確実にアンテナ34に到達す
る。また磁芯部材34aを金属又はフェライトの粉末又
はフレークとプラスチックとの複合材にて形成するの
で、磁芯部材34aは損傷せず、アンテナ34は上記標
準電波を確実に受信する。またケース31を形成する樹
脂は金属より軽いのでそのケース31にアンテナ34を
埋設しても電波時計30全体の重量の増大を最小限に抑
えることができる。更にアンテナ34をケース31に埋
設したので、電波時計30の見栄えを損うことはない。
【0019】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>図1及び図2に示すアンテナ16を作製し
た。具体的には、エポキシ系の樹脂接着剤とカーボニル
鉄粉とアセトンを重量比で2.5:87.5:10の比
率で混合し、目が2mmの篩いでその混合物を篩分けし
た。その後エポキシ系樹脂接着剤が硬化する以前に長さ
及び幅がそれぞれ20mmの凹部を有する金型にその混
合物を7.5g装入して55kg/mm2の圧力を加
え、その状態で一昼夜放置してエポキシ系樹脂接着剤を
硬化させた。エポキシ系樹脂接着剤が硬化した後に金型
から取り出して長さ、幅及び厚さがそれぞれ20mm×
20mm×2mmの複合材からなる板状の磁芯部材16
aを得た。
【0020】この磁芯部材16aに直径0.1mmの被
覆導線を700回巻回してコイル16bを形成した。こ
の磁芯部材16a及びコイル16bからなるアンテナ1
6全体の重量及びその厚さを測定したところ、重量は1
0.5gであり、厚さは3mmであった。このアンテナ
16をエポキシ樹脂に埋め込んでその樹脂を硬化させ、
直径が38.8mmであって、厚さが5mmの円板状の
模擬裏蓋12cを得た。この模擬裏蓋12cを実施例1
とした。
【0021】<比較例1>実施例1と同一の手順により
実施例1と同一のアンテナ16を得た。このアンテとは
別に直径が38.8mmであって、厚さが1.5mmの
ステンレス鋼からなる円板状の裏蓋を準備した。そして
実施例1と同一のアンテナ16をこの裏蓋の裏面に配置
し、そのアンテナ16を覆うようにエポキシ樹脂をその
裏蓋に塗布乾燥させてその樹脂を硬化させ、直径が3
8.8mmであって、厚さが5.5mmの円板状の模擬
裏蓋を得た。この模擬裏蓋を比較例1とした。
【0022】<比較試験及び評価>実施例1及び比較例
1における模擬裏蓋の厚さ及び重量の成分を求めるとと
もに、それぞれの模擬裏蓋におけるアンテナの自己イン
ダクタンス(LmH)とQ値をRFインピーダンス・ア
ナライザ HP 4191A(横河ヒューレット・パッカ
ード社製)にて測定し、またアンテナが標準電波と共振
してコントローラがその時刻情報を読取って表示部の時
刻を修正したか否か、即ち電波時計の時刻修正機能が作
動した否かを調べた。その結果を表1に示す。なお、各
アンテナのコイルはそのコイルの自己インダクタンスL
が10mHとなるように巻回した。
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかなように、実施例1及び比
較例1双方の模擬裏蓋におけるそれぞれアンテナの自己
インダクタンスLに大差はなく、それぞれ標準電波と共
振したが、実施例1のアンテナにおけるQ値は比較例1
のアンテナにおけるQ値に比較して高い値を示してお
り、実施例1のアンテナは比較例1のアンテナに比較し
てその感度が高いことが判る。これは、比較例1におけ
るアンテナが金属からなる裏蓋に接触していることに起
因するものと考えられ、金属に接触していない実施例1
のアンテナに比較してそのQ値が低下したものと考えら
れる。
【0025】また、実施例1の模擬裏蓋における厚さは
比較例1の模擬裏蓋における厚さより0.5mm薄く、
実施例1の模擬裏蓋における重量は比較例1の模擬裏蓋
における重量より12.3g軽い。これは金属からなる
裏蓋の有無に起因するものと考えられる。このため、樹
脂からなる裏蓋にアンテナを埋設する本発明に係る電波
時計は、アンテナを金属からなる裏蓋の外面に設けてカ
バーしたものを使用した電波時計に比較してその重量の
増加を抑制できることが判る。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、樹
脂を射出成形又は注型成形することにより形成されたケ
ースの全部又は一部にアンテナを埋設したので、時刻情
報を含む所定の周波数(40kHz)の電波を速やかに
そのアンテナに到達させることができ、かつその電波と
確実に共振させることができる。また、樹脂は金属より
軽いので、ケースにアンテナを埋設しても全体の重量と
しては金属を用いたものと大差はなくなり、アンテナを
設けることに伴う電波時計全体の重量の増大を最小限に
抑えることができる。更に、磁芯部材を比較的機械的な
強度が高い複合材により形成すれば、この磁芯部材を埋
設するケースの一部又はケースの一部である裏蓋の強度
を向上させることができ、その部分に衝撃荷重が作用し
た場合の磁芯部材の損傷を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態の電波時計を示す図2のA
−A線断面図。
【図2】図1のB−B線断面図。
【図3】その裏蓋を注型成形により得る製造工程を示す
図。
【図4】本発明第2実施形態の電波時計を示す斜視図。
【図5】従来例を示す電波時計の断面図。
【図6】別の従来例を示す電波時計の正面図。
【符号の説明】
11,30 電波時計 12,31 ケース 12a 枠部 12b ガラス蓋 12c 裏蓋 13 駆動部 14 表示部 16,34 アンテナ 16a,34a 磁芯部材 16b,34b コイル 17 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01Q 1/40 H01Q 1/40 1/44 1/44 7/06 7/06 (72)発明者 八幡 誠朗 東京都文京区小石川1丁目12番14号 三菱 マテリアル株式会社RF−ID事業センタ ー内 Fターム(参考) 2F002 AA01 AA02 AA12 AB02 AB03 AB06 AC01 AC03 AC04 DA00 FA16 2F082 AA00 BB00 EE03 FF01 FF04 FF10 2F083 AA00 BB08 JJ12 5J046 AA02 AA04 AA07 AA13 AB11 QA02 SA06 5J047 AA02 AA04 AA07 AA13 AB11 EF02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース(12,31)に収容された駆動部(13)
    と、前記ケース(12)に設けられ前記駆動部(13)により駆
    動されて時刻を表示する表示部(14,33)と、時刻情報を
    含む電波を受信するアンテナ(16,34)と、前記ケース(1
    2,31)に収容され前記アンテナ(16,34)の検出出力に基づ
    いて前記駆動部(13)を制御するコントローラ(17)とを備
    えた電波時計において、 前記ケース(12,31)の全部又は一部が樹脂を射出成形又
    は注型成形することにより形成され、 前記アンテナ(16,34)が前記樹脂に被包されて前記ケー
    ス(12,31)に埋設されたことを特徴とする電波時計。
  2. 【請求項2】 ケース(12)が枠部(12a),ガラス蓋(12b)
    及び裏蓋(12c)により構成された腕時計用のケースであ
    り、前記裏蓋(12c)が樹脂により一体的に形成され、ア
    ンテナ(16)が前記裏蓋(12c)に埋設された請求項1記載
    の電波時計。
  3. 【請求項3】 アンテナ(16,34)が平板状に形成された
    磁芯部材(16a,34a)と前記磁芯部材(16a,34a)にこの磁芯
    部材(16a,34a)の平面内に延びる軸線を中心として螺旋
    状に巻回されたコイル(16b,34b)とを有し、 前記磁芯部材(16a,34a)が磁性材料からなる粉末又はフ
    レーク及びプラスチックの複合材により形成された請求
    項1又は2記載の電波時計。
JP2001179565A 2001-06-14 2001-06-14 電波時計 Pending JP2002372591A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001179565A JP2002372591A (ja) 2001-06-14 2001-06-14 電波時計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001179565A JP2002372591A (ja) 2001-06-14 2001-06-14 電波時計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002372591A true JP2002372591A (ja) 2002-12-26

Family

ID=19020113

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001179565A Pending JP2002372591A (ja) 2001-06-14 2001-06-14 電波時計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002372591A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1536512A1 (en) * 2003-11-27 2005-06-01 Casio Computer Co., Ltd. Antenna unit and watch having the antenna unit
US7167140B2 (en) * 2003-07-02 2007-01-23 Nec Tokin Corporation Coil antenna
JP2008153299A (ja) * 2006-12-14 2008-07-03 Sumida Corporation 封止コイル部品及び封止コイル部品の製造方法
GB2445434A (en) * 2007-01-02 2008-07-09 Samsung Electro Mech Film antenna with a protective layer, mounted in or on the casing of a communication device
CN108427266A (zh) * 2017-02-14 2018-08-21 卡西欧计算机株式会社

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5884588U (ja) * 1981-12-04 1983-06-08 セイコーインスツルメンツ株式会社 受信機能付電子時計
JPH05232948A (ja) * 1992-02-21 1993-09-10 Casio Comput Co Ltd 自動演奏装置
JPH11297520A (ja) * 1998-04-08 1999-10-29 Mitsubishi Materials Corp 盗難防止用タグ及びその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5884588U (ja) * 1981-12-04 1983-06-08 セイコーインスツルメンツ株式会社 受信機能付電子時計
JPH05232948A (ja) * 1992-02-21 1993-09-10 Casio Comput Co Ltd 自動演奏装置
JPH11297520A (ja) * 1998-04-08 1999-10-29 Mitsubishi Materials Corp 盗難防止用タグ及びその製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7167140B2 (en) * 2003-07-02 2007-01-23 Nec Tokin Corporation Coil antenna
EP1536512A1 (en) * 2003-11-27 2005-06-01 Casio Computer Co., Ltd. Antenna unit and watch having the antenna unit
JP2008153299A (ja) * 2006-12-14 2008-07-03 Sumida Corporation 封止コイル部品及び封止コイル部品の製造方法
GB2445434A (en) * 2007-01-02 2008-07-09 Samsung Electro Mech Film antenna with a protective layer, mounted in or on the casing of a communication device
US7548206B2 (en) 2007-01-02 2009-06-16 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Film type antenna and mobile communication terminal case using the same
GB2445434B (en) * 2007-01-02 2011-10-12 Samsung Electro Mech Film type antenna and mobile communication terminal case using the same
CN108427266A (zh) * 2017-02-14 2018-08-21 卡西欧计算机株式会社
CN108427266B (zh) * 2017-02-14 2020-09-29 卡西欧计算机株式会社

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1640893B1 (en) Antenna for RFID tag
KR102267300B1 (ko) 안테나와 안테나 제조 방법
EP2560234B1 (en) Triaxial antenna and core assembly used therefor
JP3964401B2 (ja) アンテナ用コア、コイルアンテナ、時計、携帯電話機、電子装置
CN100440078C (zh) 电波手表
WO2005053096A1 (ja) アンテナ並びにこれを用いた電波時計、キーレスエントリーシステム及びrfidシステム
JP4089167B2 (ja) Rfid用タグ
JP2002325013A (ja) アンテナコイル
JP2003108966A (ja) タグ用アンテナコイル及びそれを用いたrfid用タグ
JP2007537637A (ja) 誘導エネルギー伝送用アンテナ装置およびこのアンテナ装置の使用方法
JP2002271127A (ja) トランスポンダ用アンテナ
JP2004193215A (ja) 電子部品及びその製造方法
JP2002372591A (ja) 電波時計
JP2004128956A (ja) アンテナ及びアンテナ製造方法
JP4752150B2 (ja) 腕時計用のアンテナ及びそれを内蔵する腕時計
CN103248990A (zh) 一种压电陶瓷扬声器与近距离无线通讯天线集成的装置
JP2001264463A (ja) 電波時計
JP2001337181A (ja) 電波時計用アンテナ
JP2009237795A (ja) Rfidタグ
JP4304672B2 (ja) 電波時計用アンテナ及びこれを用いた電波時計
JP2004312459A (ja) アンテナ及びアンテナ用コア
JP2017044555A (ja) アンテナユニット及び電子時計
JP2003110341A (ja) アンテナの磁芯部材
JP2003035787A (ja) 電波時計
JP2002341057A (ja) タグ内蔵腕時計

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080609

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100831

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110105