JP2005159128A - ガラスセラミック配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンデンサを構成する誘電体層と絶縁基体との熱膨張の差によってクラックや剥離が発生するのを防ぎ、信頼性の高いガラスセラミック配線基板を提供すること。
【解決手段】 ガラスセラミックスから成る絶縁基体2の内部に、銅または銅を主成分とする金属の導体層から成る一対の対向電極3a,3bがチタン酸バリウムを主成分とする誘電体層4を挟んで配設されて成るコンデンサが内蔵されており、一対の対向電極3a,3bは誘電体層4の側面に延出している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガラスセラミックスから成る絶縁層の内部にコンデンサを内蔵し、表層および内部に配線層を具備した、混成集積回路基板等に適したガラスセラミック配線基板に関するものである。
近年、IT(Information Technology)産業の中核をなす半導体分野では、半導体素子の性能向上が著しく、大型コンピュータ,パーソナルコンピュータ,移動通信端末等に代表される情報処理装置の、高速化、装置の小型化、多機能化等を支えている。
これに伴いコンデンサも小型化され、基板への挿入用リードを配したセラミックコンデンサから表面実装に対応したチップコンデンサへ、されにはコンデンサをセラミック配線基板の内部に形成したコンデンサ内蔵セラミック配線基板が開発されている。これらのコンデンサ内蔵セラミック配線基板は、回路を基板内に作りこむことができるため、別体のマッチング回路を省くことが可能で、実装コストも削減できて、チップコンデンサの表面実装に較べて接続信頼性が高い等のメリットを有する。この技術を用いたモジュール部品も、小型化、高機能化、高容量化が望まれている。
高容量のコンデンサに使用される誘電体組成物は、チタン酸バリウムに代表されるTiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物や、鉛系複合ペロブスカイト(PMN:Pb(Mg,Nb)O,PZN:Pb(Zn,Nb)O,PMW:Pb(Mg,W)O等)が一般的であるが、昨今の環境問題への配慮から鉛フリーのチタン酸バリウムやチタン酸ストロンチウム、ジルコン酸バリウムへの期待が高まっている。
一方、電気信号の伝送の高速化の要求から、配線導体として銀や銅を主成分とした低抵抗材料が用いられ、特にマイグレーションが少なく原料が安価な銅への期待が高まっている。また昨今の携帯端末やレーダー、衛星通信を主体とする高周波向けモジュールの要求から、セラミックスの誘電率や誘電正接をモジュールの設計や用途に合わせることも望まれている。これらの要求を満たすために、導体材料の銀や銅の融点よりも低い800〜1000℃付近で焼成するものであって、目的の電気特性に合うようにアルミナやガラスを選択して混合したガラスセラミック配線基板が開発された。
このようなコンデンサを内蔵したガラスセラミック配線基板は、所定の回路配線が形成された絶縁層となるガラスセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)に配線導体用ペーストをスクリーン印刷法等によって塗布することにより一方のコンデンサ電極パターンを形成し、その上に誘電体ペーストをスクリーン印刷法により塗布して誘電体層を形成し、さらに配線導体用ペーストをスクリーン印刷法により塗布して他方のコンデンサ電極パターンを形成した後、所定の配線導体が形成された絶縁層となるグリーンシートを順次積層してグリーンシート積層体を作製し、しかる後、これを焼成することにより得られる。
しかしながら、前述した絶縁層と誘電体層とを順次積層したグリーンシート積層体を焼成すると、絶縁層のセラミック材料と誘電体層のセラミック材料とが接触する誘電体層の側面において、ガラス成分等の相互拡散によりコンデンサの値が所望のものにならなかった。そこで、誘電体層の露出部分をセラミック層等の皮膜で覆い、セラミックの相互拡散を防止する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開平7−307242号公報
しかしながら、特許文献1には、誘電体層の端部と絶縁層の接触を完全に遮断する構成として、絶縁性が高く材料間の相互拡散を防止する第2のセラミック成分を、誘電体層の露出する部分に塗布する方法が報告されているが、形成されたセラミック層は脆く塑性変形しないので、絶縁層と誘電体層との接合部の応力を緩和するには不十分であり、また新たな材料や工程を付加するために管理項目が増え、歩留まり低下や製造コストの増大を招く等の問題点を有していた。
また、絶縁層の材料がガラスセラミックスで誘電体層がチタン酸バリウムの場合、2つの材料は熱膨張係数が異なるが、降伏応力が高い銀は誘電体層と絶縁層の熱膨張の差を吸収する緩衝層としての役目を果たすことができない。従って、誘電体層と絶縁層との層間の剥離、誘電体層や絶縁層のクラックが発生して、ガラスセラミック配線基板の強度が低くなり、絶縁性や耐湿性が損なわれて、信頼性の高いコンデンサを形成できないという問題点を有していた。
また、特許文献1には、銀−パラジウム合金のような金属皮膜を誘電体層の露出部分に形成する構成も記載されているが、銀−パラジウム合金はマイグレーションを起こすため、信頼性の高いコンデンサを得ることができない。また、マイグレーションを防止するには、コンデンサの電極とこの金属皮膜との距離を広げなければならず、小型のモジュールを作製ることができないという問題点を有していた。
本発明は、上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、コンデンサを内蔵したガラスセラミック配線基板の信頼性が高く、高い電気的な容量かつ容量ばらつきの小さいガラスセラミック配線基板を提供することにある。
本発明のガラスセラミック配線基板は、ガラスセラミックスから成る絶縁基体の内部に、銅または銅を主成分とする金属の導体層から成る一対の対向電極がチタン酸バリウムを主成分とする誘電体層を挟んで配設されて成るコンデンサが内蔵されており、前記一対の対向電極は前記誘電体層の側面に延出していることを特徴とするものである。
本発明のガラスセラミック配線基板は、好ましくは、前記一対の対向電極は、その一方が前記誘電体層の側面に全周にわたって延出していることを特徴とするものである。
また本発明のガラスセラミック配線基板は、好ましくは、前記一対の対向電極は、前記誘電体層の側面に延出している延出部の幅が20μm以上であることを特徴とするものである。
本発明のガラスセラミック配線基板によれば、ガラスセラミックスから成る絶縁基体の内部に、銅または銅を主成分とする金属の導体層から成る一対の対向電極がチタン酸バリウムを主成分とする誘電体層を挟んで配設されて成るコンデンサが内蔵されており、一対の対向電極は降伏応力の低い銅が誘電体層の側面に延出していることから、絶縁基体と誘電体層の緩衝材として機能し、収縮や熱膨張のミスマッチによって発生する層間の剥離やクラックを防止することができる。これは、焼成工程の降温域で絶縁層と誘電体層の熱膨張係数が異なっていても、両者の間には降伏応力が低く塑性変形する銅または銅を主成分とする対向電極が介在して両者間に発生する応力を緩和し、絶縁層と誘電体層との間に剥離が発生したり絶縁層や誘電体層にクラックが発生することを防ぐことができるからである。
従って、本発明のガラスセラミック配線基板は、強度が高く、また剥離やクラック等による隙間が無いために絶縁性が高く、水分が浸入しないためにコンデンサの容量の低下等がない信頼性の高いものを得ることが可能となる。さらに、銅は銀のようなマイグレーションを起こすこともないので、信頼性の高いコンデンサを内蔵したガラスセラミック配線基板を得ることができる。
本発明のガラスセラミック配線基板は、好ましくは、一対の対向電極はその一方が誘電体層の側面に全周にわたって延出していることから、絶縁層中のセラミック材料と誘電体層中のセラミック材料とが側面で直接接触することがない。従って、誘電体層の全周にわたって熱膨張の不整合によって発生する層間の剥離やクラックの発生を防止することができ、さらに絶縁層と誘電体層との接触部分における材料の相互拡散を防止することができる。従って、絶縁層と誘電体層との相互拡散による誘電体層の誘電率の低下やそのばらつきが増大するのを抑えることができ、より信頼性の高いコンデンサを形成できる。
また本発明のセラミック配線基板は、好ましくは、一対の対向電極は誘電体層の側面に延出している延出部の幅が20μm以上であることから、延出部を有する対向電極が絶縁基体と誘電体層との間に生じる応力を緩和する緩衝部として十分に機能し、絶縁基体と誘電体層との熱膨張の差によって発生する層間の剥離やクラックを防止することができる。また、誘電体層の側面に形成された延出部は絶縁層と誘電体層との間の材料の相互拡散防止の効果を発揮するために十分な幅を有するものとなり、より一層信頼性が高く、容量が大きくそのバラつきも小さいコンデンサを得ることが可能となる。
本発明のガラスセラミック配線基板(以下、配線基板ともいう)を図面に基づき以下に詳細に説明する。図1は、本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。本発明の配線基板1は、複数の絶縁層2a〜2cを積層して成る絶縁基体2、誘電体層4を挟んで対向配置された銅の導体層から成る一対の対向電極としての上部のコンデンサ電極3a,下部のコンデンサ電極3b、誘電体層4、銅から成る配線導体5、上部コンデンサ電極3a,下部コンデンサ電極3bと配線導体5とを電気的に接続する銅からなる貫通導体6を具備している。
本発明における絶縁層2a〜2cは、ガラス粉末とセラミック粉末とから成る。このガラス粉末としては、例えばSiO−B系、SiO−B−Al系、SiO−B−Al−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す)、SiO−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは同じまたは異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す)、SiO−B−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは上記と同じである)、SiO−B−M O系(但し、MはLi,NaまたはKを示す)、SiO−B−Al−M O系(但し、Mは上記と同じである)、Pb系ガラス、Bi系ガラス等が挙げられる。中でもSiO−Al−CaO−MgO系が好ましい。
また、セラミック粉末としては、例えばAl、SiO、ZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、AlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等が挙げられる。中でもAlが好ましい。
この絶縁層2a〜2cの焼成前の生シートであるグリーンシートは、ガラス粉末およびセラミック粉末、有機樹脂バインダ、有機溶剤および可塑剤等を添加混合してスラリーとし、そのスラリーを用いてドクターブレード法やカレンダロール法を採用することによって成形する。
このガラス粉末およびセラミック粉末に添加混合される有機樹脂バインダとしては、従来からセラミックグリーンシートに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等)、ポリビニルブチラール系、ポリビニルアルコール系、アクリル−スチレン系、ポリプロピレンカーボネート系、セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。中でもアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体が好ましい。
グリーンシートを成形するためのスラリーに用いられる有機溶剤としては、ガラス粉末とセラミック粉末と有機樹脂バインダを分散させ、グリーンシート成形に適した粘度のスラリーが得られるように、例えば炭化水素類、エーテル類、エステル類、ケトン類、アルコール類等の有機溶剤が挙げられる。
以上のようにして作製したグリーンシートに、必要に応じて金型加工等により貫通孔を形成し、この貫通孔に銅等の金属粉末に適当な有機樹脂バインダ、溶剤を添加混合した貫通導体用ペーストをスクリーン印刷等により充填して、貫通導体6となる貫通導体パターンを形成する。
次に、これらのグリーンシートの表面に、銅粉末に適当な有機樹脂バインダ、溶剤を添加混合した配線導体用ペーストをスクリーン印刷等により塗布し、配線導体5や下部のコンデンサ電極3b、上部コンデンサ電極3a等の所定形状の配線層パターンを形成する。
次に、グリーンシート上に形成するコンデンサについて説明する。
内蔵されたコンデンサの誘電体層4は、ガラス粉末と誘電体粉末とから成る。好適なガラス粉末としては、例えばSiO−B系、SiO−B−Al系、SiO−B−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す)SiO−B−M O系(但し、MはLi,NaまたはKを示す)、SiO−B−Al−M O系(但し、Mは上記と同じである)、Pb系ガラス、Bi系ガラス等を用いることができる。中でもSiO−B−BaO−CaOが好ましい。
また誘電体粉末としては、絶縁層2a〜2cとの同時焼成が可能な、チタン酸ストロンチウム、ジルコン酸バリウム、酸化チタン等の高誘電率の誘電体の粉末が使用できる。その平均粒径については、ペーストにしたりスクリーン印刷したりする際の分散性およびパターン形成の容易性の点から、0.05〜3μmであることが好ましい。
これらのガラス粉末および誘電体粉末、有機樹脂バインダ、有機溶剤および可塑剤等を添加混合してスラリーと成し、スクリーン印刷によってグリーンシート上に形成された下部のコンデンサ電極3b上に、所定の面積や厚みを持つ誘電体層4を形成する。
また、この誘電体ペーストに用いられる有機樹脂バインダおよび有機溶剤は、ガラスセラミックス焼結体から成る絶縁層2a〜2cとの同時焼成が可能であれば特に制限されるものではなく、例えばグリーンシートに配合される有機樹脂バインダ、有機溶剤と同様のものが使用可能である。
本発明の配線基板1においては、下部のコンデンサ電極3bが誘電体層4の側面まで延出している。これにより、降伏応力が低く塑性変形しやすい銅または銅を主成分とするコンデンサ電極3a,3bの少なくとも一方が誘電体層4の側面に延出していることから、絶縁基体2と誘電体層4との間の緩衝材として機能し、絶縁基体2と誘電体層4との熱膨張の差によって発生する層間の剥離やクラックを防止することができる。また、焼成工程の降温域で絶縁基体2と誘電体層4の熱膨張係数が異なっていても、両者の間に介在する銅または銅を主成分とするコンデンサ電極3a,3bが塑性変形して両者の間に発生する応力を緩和し、剥離やクラックが発生することがない。従って、配線基板1の強度が高くなり、剥離やクラック等による隙間が無いために絶縁性が高く、水分が浸入しないために容量の低下がない信頼性の高いコンデンサを得ることが可能となる。
特に、コンデンサの信頼性を高めるためには、コンデンサ電極3a,3bは銅や銅を主成分とした導体層で形成する。銅や銅を主成分とした導体層は、降伏応力が70MPa程度と低く、また誘電体層4の側面に延出していることから、絶縁基体2と誘電体層4の緩衝材として機能するほか、銀のようなマイグレーションを起こすことがないので信頼性が高いものとなる。また、マイグレーションを防止するために、配線導体5、上部のコンデンサ電極3a、下部のコンデンサ電極3bについてこれらの間の距離を必要以上に大きくする必要がなく、小型の配線基板1を作製することができる。
本発明において、コンデンサ電極3a,3bのうち一方は誘電体層4の側面に全周にわたって延出することが好ましい。この場合、絶縁基体2中のセラミック材料と誘電体層4中のセラミック材料とが誘電体層4の側面で全周にわたって直接接触することがなくなり、絶縁基体2と誘電体層4との熱膨張の差によって発生する層間の剥離やクラックを誘電体層4の全周にわたって防止することができる。また、絶縁基体2と誘電体層4とが誘電体層4の全周にわたって接触しないので、接触部分での材料の相互拡散を防ぐことができ、本来の誘電体層4の組成が維持され、容量が高くそのバラつきの小さいコンデンサを形成することができる。
また本発明において、コンデンサ電極3a,3bが誘電体層4の側面に延出している延出部の幅が20μm以上であることが好ましい。この場合、延出部が絶縁基体2と誘電体層4との緩衝部として十分機能し、絶縁基体2と誘電体層4との熱膨張の差によって発生する層間の剥離やクラックを防止することができる。またこの場合、延出部の幅は絶縁基体2と誘電体層4との拡散防止の効果を発揮するために十分なものとなり、より信頼性が高く、容量が大きくそのバラつきも小さいコンデンサを得ることが可能となる。
このコンデンサを備えたグリーンシートと、配線導体パターンを形成したグリーンシートとを、3〜20MPaの圧力および30〜80℃の温度で加熱圧着する等して積層体を作製する。この積層体中におけるグリーンシートの位置や数や大きさには特に制限はなく、所望のコンデンサを有する配線基板1の構成となるように配設して積層すればよい。
その後、例えば配線導体用ペーストの金属粉末が銅粉末である場合、窒素中において800〜1000℃の温度で積層体を焼成することにより、本発明の配線基板1が得られる。
また、積層体を焼成する際に、グリーンシートが焼結する温度では実質的に焼結収縮しない無機成分、例えばアルミナから成る拘束グリーンシートを積層体の両面に積層して焼成すると、この拘束グリーンシートによって積層体の主面方向の焼成時の収縮が拘束されて抑制されるために配線基板1の寸法精度が向上し、配線基板1に内蔵させるコンデンサの容量値のばらつきを小さくすることが可能となる。また、この方法で焼成した場合、厚み方向の焼成収縮が通常の方法で焼成した場合に比較して大きくなるので、誘電体層4の厚みをより薄くすることが可能となり、コンデンサの高容量化も容易となる。
さらに、配線基板1の表面に位置する配線導体5は、その表面に電子部品を実装する際の半田濡れ性の向上や配線導体5の腐食防止のためにニッケル、銅、金等のめっきを施してもよい。
本発明の配線基板の実施例について以下に説明する。
下記表1に示すようにサンプルNo.1〜5の5種類の配線基板を作製した。サンプルNo.1は従来の配線基板の例を示しており、図3のように下部のコンデンサ電極3bは誘電体層4の側面に延出していない。一方、No.2〜5は本発明の配線基板1の例を示しており、図1のように下部のコンデンサ電極3bが誘電体層4の側面に延出している。また、サンプルNo.2,4は、長方形のパターン形状の誘電体層4の2辺のみに下部のコンデンサ電極3bが延出しており、サンプルNo3,5は、長方形のパターン形状の誘電体層4の4辺全てに下部のコンデンサ電極3bが延出する構成である。
これらの配線基板1は、絶縁基体2の絶縁層となるグリーンシートを得るために、ガラスとしてSiO−B−BaO−CaO系ガラス粉末50質量部と、誘電体粉末としてAl粉末50質量部とを混合し、これらの無機粉末100質量部に有機樹脂バインダとしてアクリル樹脂12質量部,フタル酸系可塑剤6質量部および溶剤としてトルエン30質量部を加え、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いて、ドクターブレード法により厚さ200μmのグリーンシートを成形した。
これらのグリーンシートに打ち抜き金型またはパンチングマシーンを用いて所定の位置に貫通孔を形成し、この貫通孔にスクリーン印刷法で貫通導体用ペーストを充填し貫通導体6とした。貫通導体用ペーストとしては、銅の粉末(平均粒径3μm)100質量部に対して上記ガラスと同組成のガラス粉末を4〜16質量部を加え、さらにビヒクル成分として所定量のエチルセルロース系樹脂およびテルピネオールを加えて、3本ロールにより適度な粘度になるように混合したものを用いた。
次に、充填した貫通導体用ペースト中の有機溶剤の質量が減少するまで60℃の温風により乾燥させた。
次に、グリーンシートの所定箇所に下部のコンデンサ電極3bや配線導体5となる配線導体用ペーストをスクリーン印刷法により約20μmの膜厚で塗布した。下部のコンデンサ電極3bのパターン形状は、サンプルNo.1〜5の全てを1.04mm×2.04mmとした。配線導体用ペーストとしては、銅の粉末(平均粒径3μm)100質量部に対して上記ガラスと同組成のガラス粉末2質量部を加え、さらにビヒクル成分として所定量のエチルセルロース系樹脂およびテルピネオールを加えて、3本ロールにより適度な粘度になるように混合したものを用いた。
次に、印刷した配線導体用ペースト中の有機溶剤の重量が減少するまで60℃の温風により乾燥させた。
また、誘電体層4となる誘電体ペーストを得るために、ガラス粉末とBaTiO粉末とから成り、ガラス粉末とBaTiO粉末との和を100質量部とし、有機樹脂バインダとしてアクリル樹脂12質量部,フタル酸系可塑剤6質量部および溶剤としてトルエン30質量部を加え、ロータリーエバポレーター等で混合しペーストした。このペーストを用いて、スクリーン印刷法にて誘電体層4を印刷形成した。誘電体層4のパターン形状はサンプルNo.1〜5の全てを1mm×2mmとし、下部のコンデンサ電極3bの中央部に配置した。
次に、印刷した配線導体用ペースト中の有機溶剤の質量が減少するまで60℃の温風により乾燥させた。
さらに、誘電体層4の側面を覆うように上部のコンデンサ電極3aの延出部を所定のパターンで配線導体ペーストの側面にスクリーン印刷によって形成した。
サンプルNo.1は従来の配線基板の例であるため、この工程を行わず延出部を形成しなかった。
サンプルNo.2,4は本発明の配線基板の例であり、誘電体層4の2つの短辺の側面のみが覆われるように下部のコンデンサ電極3bの延出部をスクリーン印刷によって形成し、延出部のパターンの幅をそれぞれ0.015mm、0.020mmとした。
サンプルNo.3,5も本発明の配線基板の例であり、誘電体層4の4辺の側面が覆われるように下部のコンデンサ電極3bの延出部をスクリーン印刷によって形成し、延出部のパターンの幅をそれぞれ0.015mm、0.020mmとした。
次に、印刷した配線導体用ペースト中の有機溶剤の質量が減少するまで60℃の温風により乾燥させた。
次に、上部のコンデンサ電極3aを誘電体層4上にスクリーン印刷によって形成した。上部のコンデンサ電極3aのパターン形状は、サンプルNo.1〜5の全てを0.9mm×1.9mmとし、誘電体層4上の中央に配置した。
次に、印刷した配線導体用ペースト中の有機溶剤の質量が減少するまで60℃の温風により乾燥させた。
次に、貫通導体6や配線導体5となる配線導体用ペーストが形成されたグリーンシートと、貫通導体6、配線導体5、下部のコンデンサ電極3b、誘電体層4および上部のコンデンサ電極3aが形成されたグリーンシートとを順次積層した。
このようにして得られたグリーンシートの積層体を、500℃で3時間の有機樹脂バインダの燃焼行程と900℃で1時間のセラミックスの焼結工程とを含む工程を窒素雰囲気中で実施し、緻密なガラスセラミック焼結体から成る絶縁基体2の内部や表面に同時焼成により形成された配線導体5および誘電体層2を配設して成る配線基板1を作製した。
この後、誘電体層4と絶縁基体2との界面、および誘電体層4とコンデンサ電極3a,3bとの界面の観察を、各サンプルのコンデンサを切り出して樹脂に埋め込み、ラップ研磨板によって回転研磨し、走査型顕微鏡にて倍率1000倍で観察することによって行なった。各界面が良好に接合しているものを良品とし、隙間やクラックが確認されたものを不良品とした。
また、得られた配線基板1中のコンデンサの容量値のバラツキとして、各サンプルから50個の容量値の測定結果の標準偏差(σ)を算出した。バラツキの判定として、3σが容量値の平均値を100とした場合に20以下の場合を良品とし、20より大きい場合を不良品として評価した。
測定結果をまとめて表1に示し、界面の状態、容量値のバラツキの2つの項目を満たすものを判定欄に良品として○で示し、一つでも満たさないものを不良品として×で示した。
Figure 2005159128
表1より、本発明の配線基板1であるNo.2〜5は断面の観察で剥離やクラックがなく、σの3倍も20以下となり、いずれも良好な特性を示した。
これに対して、従来の配線基板であるNo.1は、断面の観察で剥離やクラックが見られ、σの3倍も20を超えて25.3となり、良好な特性を示さなかった。
また、No.2は3σが19.2を示した。No.3は3σが13.1を示し、非常に良好な特性を示した。No.4は3σが14.3を示し、同様に非常に良好な特性を示した。No.5は3σが9.8を示し、最も良好な特性を示した。
本発明のガラスセラミック配線基板について実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明のガラスセラミック配線基板について実施の形態の他の例を示す断面図である。 従来のガラスセラミック配線基板の一例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・ガラスセラミック配線基板
2・・・絶縁基体
2a,2b,2c・・・絶縁層
3a・・・上部のコンデンサ電極
3b・・・下部のコンデンサ電極
4・・・誘電体層
5・・・配線導体
6・・・貫通導体

Claims (3)

  1. ガラスセラミックスから成る絶縁基体の内部に、銅または銅を主成分とする金属の導体層から成る一対の対向電極がチタン酸バリウムを主成分とする誘電体層を挟んで配設されて成るコンデンサが内蔵されており、前記一対の対向電極は前記誘電体層の側面に延出していることを特徴とするガラスセラミック配線基板。
  2. 前記一対の対向電極は、その一方が前記誘電体層の側面に全周にわたって延出していることを特徴とする請求項1記載のガラスセラミック配線基板。
  3. 前記一対の対向電極は、前記誘電体層の側面に延出している延出部の幅が20μm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のガラスセラミック配線基板。
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