JP2005158950A - 発光素子及びこれを用いた発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ダイヤモンドのバンドギャップを利用した高効率な発光素子を提供すること。
【解決手段】 ダイヤモンド層1を備えた発光部と、この発光部に電流を供給する金属電極3a、3bと、前記発光部と金属電極3a、3bとの間に設けられたカーボンナノチューブ層2a、2bとを具備し、カーボンナノチューブ層2a、2bはダイヤモンド層1及び金属電極3a、3bに対してそれぞれ接していることを特徴とする。ダイヤモンドと同じ炭素系化合物であるカーボンナノチューブを利用することにより極めて小さい領域に高密度に電子を注入することができ、高効率な発光素子を実現することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発光素子及びこれを用いた発光装置に係わり、特にダイヤモンドを用いた発光素子及びこれを用いた発光装置に関する。
ダイヤモンドはその機械的、化学的および熱的特性に加え、優れた潜在的な半導体的特性や光学特性を持つことから、半導体発光材料として注目されている。特に、ダイヤモンドは室温で約5.5eVのバンドギャップを持ち、紫外領域で発光する発光素子の可能性を秘めている。発光素子として利用する例として、例えば、単結晶ダイヤモンドを用いたものが知られている(特許文献1参照)。この発光素子は、カソードルミネッセンスにより電流密度を上げ電流と発光出力を非線形な関係をもつダイヤモンドを利用したpn接合型の発光素子である。
特開2001−274455公報
ダイヤモンドは間接遷移型半導体であるため、電荷注入により励起された状態において光を出す過程に変化する確率(発光効率)がGaAs等の直接遷移型半導体と比べて悪いことが知られている。そのため、紫外発光を得るためには高励起状態つまり狭い領域にできるだけ多くの電子を注入してやらなければならない。特許文献1に記載の発光素子はpn接合により発光を生じさせるものであるが、現実的にダイヤモンドの電気抵抗が高いため素子の中にこのような大電流密度を生じさせるためにはきわめて大きな電圧が必要となり、装置も大掛かりなものとなってしまう。またカソードルミネッセンスを利用して発光を得ることはできるが真空装置が必要となる。また真空中に一度別な物質から電子を放出させることが必要なため、電子放出素子の仕事関数の準位から真空準位までのエネルギー差を電子に与えなければならない。このため、電子を真空中に放出するためにはかなり大きな電界をかけることが必要となり、エネルギーロスとなってしまう。さらにまた、加速エネルギーが10KeV以上と高いため、注入された電子の運動エネルギーが大きくなり、電子が散乱してしまい、電子の高注入を実現することは困難になる。
また、カソードルミネッセンスと同程度の電流密度を電流の通電により実現しようとすると、ダイヤモンドと金属間の接触抵抗が大きいため、エネルギーロスとなる他、配線、電極とも非常に高温になってしまい、ダイヤモンド本体に問題がなくとも、発光素子の特性を保つことは極めて難しい。
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、ダイヤモンドのバンドギャップを利用した高効率な発光素子を提供することを目的とする。
(構成)
前述した課題を解決するために、本発明は、ダイヤモンドからなる発光部と、この発光部に電流を供給する金属電極と、前記発光部と金属電極との間に設けられたカーボンナノチューブ層とを具備することを特徴とする発光素子を提供する。
また、本発明は、ダイヤモンド層を備えた発光部と、この発光部に電流を供給する金属電極と、前記発光部と金属電極との間に設けられたカーボンナノチューブ層とを具備し、このカーボンナノチューブ層は前記ダイヤモンド層及び金属電極に対してそれぞれ接して
いることを特徴とする発光素子を提供する。
かかる本発明において、以下の構成要件を備えることが望ましい。
(1)前記金属電極として少なくとも一対の金属電極を備え、これらの金属電極は前記ダイヤモンド層の一面に互いに離間して設けられていること。
(2)前記カーボンナノチューブ層中のカーボンナノチューブは前記発光部及び金属電極の各々の表面に対して垂直な方向に配向していること。
(3)前記発光部のダイヤモンドはp型半導体であること。
(4)前記カーボンナノチューブ層中のカーボンナノチューブの密度は1cm2あたり106本以上1012本以下であること。
(5)400nm以下の発光波長領域を有すること。
また、本発明は、上述した本発明の発光素子と、封止ガスが封入された外囲器と、前記外囲器内面に設けられた蛍光体を含む蛍光膜とを具備することを特徴とする発光装置を提供する。
また、本発明は、上述した本発明の発光素子と、蛍光体を含む発光媒体とを具備することを特徴とする発光装置を提供する。
(作用)
本発明の骨子は、ダイヤモンドと同じ炭素系化合物であるカーボンナノチューブを利用することによってきわめて小さい領域に高密度に電子を注入することができることを明らかにした点にある。
例えば、1μm2ごとに1本の直径1nmのカーボンナノチューブをつけると、金属電極からの直接注入に比べて106倍集中して電子を一箇所に注入できる。ダイヤモンドとカーボンナノチューブは炭素同士であるため、接触抵抗が小さい。また、注入される電子が高いエネルギーを持たず、電子がダイヤモンド中で拡散散乱されないため、注入される領域を狭い範囲とすることができ、高密度注入が可能になる。また、カーボンナノチューブから直接電子をダイヤモンドに注入することにより、一度真空中に電子を引き出す電界もいらなくなり、小さい電圧で電流注入ができる。さらにまた、炭素系材料同士なので接合障壁ができにくく、効率的なダイヤモンドのバンドギャップを利用した発光素子が実現できる。
本発明によれば、ダイヤモンドのバンドギャップを利用した高効率な発光素子を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る発光素子を示す断面図である。図1に示すように、ボロン(B)が5×1017cm-3程度ドーピングされたp型導電性ダイヤモンド基板1の表面に導電性カーボンナノチューブからなるカーボンナノチューブ層2a、2bがこの基板1に接合し
て設けられている。カーボンナノチューブ層2a、2bの上面には金属電極3a、3bがそれぞれカーボンナノチューブ層2a、2bに接合して設けられている。金属電極3a、3bは、下から順にAl層とAu層とを積層した構造となっている。金属電極3a、3bには配線4a、4bが接続されている。
図2は、カーボンナノチューブ層2a、2b及びその近傍を電子顕微鏡で拡大した拡大図である。この図において、A、Bはそれぞれ1本の導電性カーボンナノチューブを示す。図2に示されるように、カーボンナノチューブ層2a、2b中の導電性カーボンナノチューブ(A、B等)はダイヤモンド基板1の表面及び金属電極3a、3bの下面に対してそれぞれ垂直な方向に優先的に配向している。Bのようにダイヤモンド基板1の表面から曲がって伸びているものもあるが、Aのようにダイヤモンド基板1の表面に対して垂直な方向に配向して伸びているものがほとんどであった。また、カーボンナノチューブ層2a、2b中の導電性カーボンナノチューブの密度は平均で107個/cm2程度であった。なお、導電性カーボンナノチューブはすべて接合しているわけではない。電子顕微鏡で確認したところ、ダイヤモンド基板1の表面及び金属電極3a、3bの両方に接合できている導電性カーボンナノチューブは平均で107本/cm2程度の密度であった。ここで、導電性カーボンナノチューブの密度は106本/cm2以上1012本/cm2以下であることが好ましい。その理由は、カーボンナノチューブの密度が106本/cm2未満の場合には、電流が流れる絶対量が低下してしまい、1012本/cm2を越える場合は、近接しているナノチューブが近くなりすぎてダイヤモンドへの注入と効率が低下してしまうからである。
また、導電性カーボンナノチューブのうち金属性カーボンナノチューブを用いることが望ましいが、半導体性カーボンナノチューブを用いることもでき、その場合はできるだけバンドギャップが小さいものを用いることが望ましい。カーボンナノチューブをレーザーアブレーション法や化学合成法で作製すると、半導体的なものと金属的なものがそれぞれ合成され、それらの比は1対2になることが知られている。このような直接ダイヤモンド表面にカーボンナノチューブを形成して作成した導電性カーボンナノチューブとしては、例えば単層カーボンナノチューブ(SWNT(Single Wall Carbon Nano Tube))等を用いることができる。この単層カーボンナノチューブとはグラファイト(黒鉛)原子層の1層を巻いて作られる円筒形の物質である。半径が1nm以上2nm以下で長さが0.05μm以上10μm以下の超微細チューブは、半径や巻きを変えることにより不純物を添加することなく金属にも半導体にもなる性質があり、そのエネルギーギャップは0から1eVの範囲で自由に変えることが可能である。さらに、単層カーボンナノチューブ以外に多層カーボンナノチューブ(MWNT(Multi-Wall Carbon Nano Tube))等のカーボンナノチューブを用いることができる。
次に、本実施形態による発光素子の金属電極3a、3bに対して電圧を印加してダイヤモンド基板1に電流を流した。印加電圧は5V以上100V以下とした。このときの電流密度は10μA以上100mA以下であった。印加電圧を上げて電流密度を上げていったところ、約1mA、約45V(直列抵抗45kΩ)においてバンド端発光である235nmの発光が強くなった。以上により電流量による発光強度変化が大きいことが観察された。図3は、印加電圧が60Vの場合における本実施形態の発光素子による発光スペクトルを示す特性図である。この図に示すように、本発光素子は235nmから600nmにかけての発光波長領域を有することがわかった。発光強度は10μW程度であった。また、本実施形態の発光素子による発光は緑色を帯びていた。これは、ダイヤモンド基板1が高温高圧合成により作製された基板である。このため、電流注入により発生した235nmの紫外発光がIbダイヤモンド基板に含まれるNと空孔による複合的な欠陥準位を励起し、基板からのフォトルミネッセンスとして緑色発光が観察される。このときの緑色発光の発光強度と235nm発光の発光強度が同程度となり、非常に高い発光強度を得ることがで
きた。なお、上述したように導電性カーボンナノチューブはすべて接合しているわけではないが、発光部分は高密度に接合ができているためか、光学顕微鏡ではスポット上のものは観察できず面状に発光しているように見えた。
次に、図1に示した発光素子の製造方法について説明する。まず、ボロンが5×1017cm-3程度ドーピングされたp型導電性ダイヤモンド基板1を準備し、このダイヤモンド基板1の表面(100)面上に、導電性カーボンナノチューブをバンドル状(複雑に絡み合ったカーボンナノチューブの束)のカーボンナノチューブ溶剤またはフォトレジスト等の固化材1gあたりに10mg程度分散させたものを塗布し、乾燥させた。導電性カーボンナノチューブは、例えばレーザーアブレーション法等の方法により作製し、フォトレジスト等の固化材の材料としてはノボラック系の物を用いた。導電性カーボンナノチューブをフォトレジスト中に分散させる方法としては、例えば攪拌法や超音波振動を用いることが可能である。
次に、導電性カーボンナノチューブを分散させたフォトレジストを露光現像してパターンを形成し、熱処理を行った。熱処理温度は400℃以上1200℃以下が好ましく、熱処理雰囲気は例えば真空(1Pa以下)または不活性ガス(アルゴン等)等とすると良い。400℃未満の場合は導電性カーボンナノチューブとダイヤモンド基板1間の接合が十分とならず、1200℃を越える場合にはダイヤモンド表面がグラファイト化してしまうためである。この熱処理により、フォトレジストは炭化してしまい、導電性カーボンナノチューブがダイヤモンド基板1の表面に接合し当該表面に対して垂直な方向に配向した状態(導電性カーボンナノチューブ層2a、2b)で残った。導電性カーボンナノチューブの配向性を高めるには、レジスト塗布時に細管を利用し高速で塗布すること等の処理を加えると良い。次に、導電性カーボンナノチューブ層2a、2bの上にスパッタリング等により電極材料層としてAl層とAu層とを順に積層し、フォトリソグラフィーやリフトオフによりこれらの層を導電性カーボンナノチューブ層2a、2bのパターン形状に合わせてパターニングした。これにより、Al層とAu層との積層構造からなる金属電極3a、3bが形成された。さらに、これらの金属電極3a、3bに対してそれぞれ配線4a、4bを設けた。なお、導電性カーボンナノチューブと金属電極3a、3bとの間の接合をさらに良好なものとするために、必要に応じて、電極材料層を形成した後若しくはそのパターニング後に熱処理を行ってもよい。熱処理温度は400℃以上1000℃以下が好ましく、熱処理雰囲気は例えば真空(1Pa以下)または不活性ガス(アルゴン、窒素等)等とすると良い。
なお、上記導電性カーボンナノチューブを分散させたフォトレジスト及び電極材料層を順に積層形成した後、この積層構造をフォトリソグラフィーによりパターニングし、さらに上記熱処理を行ってもよい。この熱処理により、ダイヤモンド基板1の表面及び金属電極3a、3bの下面にそれぞれ接合しこれらの面に対してそれぞれ垂直な方向に配向した導電性カーボンナノチューブを得ることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態として、ダイヤモンド基板上にカーボンナノチューブを配向させる他の方法を示す。
まず、第1の実施形態で用いたものと同様の導電性ダイヤモンド基板を準備し、この導電性ダイヤモンド基板の(100)面上に触媒として金属微粒子(モリブデン−コバルト合金)を分散する。分散する方法としては電子ビーム蒸着法等を用いた。短い時間で蒸着を行うことにより蒸着金属は微粒子となって分散し、カーボンナノチューブを形成するための触媒となる。触媒の金属微粒子としては、他に鉄、ニッケル等の遷移金属やマグネシウム等の金属からなる微粒子を用いることが可能である。
次に、真空中(1Pa以下)で温度を上昇させ、400℃以上1200℃以下の温度下で炭化水素(メタン、エタン、エチレン、アセチレン等)やアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール等)を微量流した。これにより導電性ダイヤモンド基板上に高純度の単層カーボンナノチューブが成長した。導電性ダイヤモンド基板上に分散した触媒は、ナノチューブ先端に残っており、酸素雰囲気で熱処理することにより除去できる。なお、必要に応じてこの除去工程を省略することも可能である。単層カーボンナノチューブはかなりそろった長さを有し、条件を変えることにより0.05μm以上1μm以下の長さのものを制御性良く得ることができる。導電性ダイヤモンド基板上に分散した触媒微粒子のサイズでカーボンナノチューブの直径が決まるので触媒微粒子は小さいほうがよい。本実施形態におけるカーボンナノチューブ層中の導電性カーボンナノチューブの密度は平均で108個/cm2程度であった。なお、CVD法等の方法を用いると、多層カーボンナノチューブ(MWNT)等のカーボンナノチューブを作製することができる。このMWNTの先端は閉じているので、酸素中の熱処理によりチューブの端を除き、金属を接触させた場合の接触抵抗を低減させることができる。このカーボンナノチューブの上に第1の実施形態と同様のプロセスにより金属電極を形成して、本実施形態の発光素子が得られた。
本実施形態の方法により得られた発光素子に対して、第1の実施形態と同様に電圧を印加したところ、この発光素子は約235nmから約600nmまでにかけての発光波長領域を有していた。第1の実施形態と同様に本実施形態の発光素子による発光も緑色を帯びていた。この際の発光スペクトルは製法を変えても大きな差がなく、基板である導電性ダイヤモンドによって決定されていることが明らかとなった。このときの発光強度は20μW程度となり、非常に高い発光強度を得ることができた。また、本実施形態の発光素子の直列抵抗は10kΩ程度であり、発光する電圧は約10Vとなっており、ともに第1の実施形態における発光電圧よりも小さくなることもわかった。これはカーボンナノチューブが第1の実施形態よりも高密度に形成されていることによるものと考えられる。
(比較例)
ダイヤモンド基板と金属電極との間にカーボンナノチューブ層を設けない発光素子を作製して、その発光特性及び電気特性を調べた。
本比較例による発光素子の金属電極に対して100Vの電圧を印加してダイヤモンド基板に電流を流した。このときの電流は1Aであった。この発光素子は約330nmから約700nmの波長のブロードなピークのスペクトルの発光を有することがわかった。このときの発光強度は1μW程度となり、第1及び第2の実施形態に比べて発光強度はかなり低いものとなった。また、本比較例の発光素子の直列抵抗は100MΩ程度あり、発光する電圧は100Vとなっており、ともに第1及び第2の実施形態よりも小さくなることもわかった。これはダイヤモンドと金属間の接触抵抗が大きいため、電気特性ひいては発光特性が劣化したものと考えられる。
(第3の実施形態)
本実施形態は、上述した第1及び第2の実施形態の発光素子を蛍光灯に適用したものである。図4は、本実施形態に係る蛍光灯の構造を示す断面図である。図4に示されるように、本実施形態に係る蛍光灯は、内面に蛍光体12(例えば、ハロリン酸カルシウム蛍光体等)を塗布した透明な細長いガラス管10と、ガラス管10両端に取り付けられた一対の発光素子1a、1bとを備える。一対の発光素子1a、1bとしては、第1及び第2の実施形態の発光素子が用いられる。
発光素子1aに接続される配線4a、4bは、それぞれ配線11a、11cとして金具14aに接続されている。また、発光素子1bに接続される配線4a、4bは、それぞれ
配線11b、11dとして金具14bに接続されている。ガラス管10内は真空(1Pa以下)とするか、或いは封止ガスとして希ガス(Ar、Ne、Xe等)が約20Paの圧力で封入されている。
前述したように、発光素子1a、1bから発せられた光は約235nmから約600nmにかけての発光波長領域(235nmのバンド端発光の紫外領域を含む。)を有し、このバンド端発光の紫外領域の光により蛍光体12が励起され可視光線を発生する。発光色は蛍光体の種類によって異なり、白色、昼光色、青色など数々の色種の光がランプから放射される。
本実施形態の蛍光灯の寿命は100000時間となり、通常の蛍光灯の寿命である50000時間と比べて非常に長い寿命を得ることができた。
(第4の実施形態)
本実施形態は、上述した第1及び第2の実施形態の発光素子と発光媒体とを組み合わせて用いて発光装置を構成したものである。図5は、本実施形態に係る発光装置の構造を示す断面図である。図5に示されるように、本実施形態に係る発光装置は、セル51内に発光素子50が収容され、発光媒体としての発光層52がセル51内に充填されている。発光素子50としては、第1及び第2の実施形態の発光素子が用いられる。発光素子50に接続される配線4a、4bは、それぞれ外部電極53、54に接続されている。
発光層52としては、例えば弗素ポリマー等の樹脂中に無機蛍光体(InGaN等のGaN系、GaAs等の他のIII−V族系、ZnS等のII−VI族系等)、若しくは有機蛍光体(希土類元素に有機化合物配位子が配位した希土類錯体等。例えば、ユーロピウム、テルビウム、エルビウムその他の希土類元素にフェナントロリンやβジケトン等の配位子が配位したもの等。)、または無機蛍光体と有機蛍光体の双方が含まれているものを用いることができる。
前述したように、発光素子1a、1bから発せられた光は約235nmから約600nmにかけての発光波長領域を有し、このバンド端発光である235nmの紫外領域の光により発光層52中の蛍光体が励起され可視光線を発生する。発光色は蛍光体の種類によって異なり、白色、昼光色、青色など数々の色種の光が本発光装置から放射される。
本実施形態の発光装置によれば、10μWの発光強度を得ることができた。また、本実施形態の発光装置の寿命は100000時間となり、通常の蛍光灯の寿命である50000時間と比べて非常に長い寿命を得ることができた。
(第5の実施形態)
本実施形態の発光素子は、発光素子の発光層の対向し合う両面に引き出し電極を設けたものである。図6は、本実施形態に係る発光素子を示す断面図である。図6に示すように、ボロン(B)が5×1017cm-3程度ドーピングされたp型導電性ダイヤモンド基板61(厚み(1μm))の相対向する両面に導電性カーボンナノチューブからなるカーボンナノチューブ層62a、62bがこの基板61に接合して設けられている。カーボンナノチューブ層62a、62bには金属電極63a、63bがそれぞれカーボンナノチューブ層62a、62bに接合して設けられている。金属電極63a、63bは、基板61側から順にAl層とAu層とを積層した構造となっている。金属電極63a、63bには配線64a、64bが接続されている。
本実施形態の発光素子に対して、第1の実施形態と同様に電圧を印加したところ、この発光素子は約235nmから約600nmまでにかけての発光波長領域を有していた。第
1の実施形態と同様に本実施形態の発光素子による発光も緑色を帯びていた。この際の発光スペクトルは製法を変えても大きな差がなく、基板である導電性ダイヤモンドによって決定されていることが明らかとなった。このときの発光強度は20μW程度となり、非常に高い発光強度を得ることができた。また、本実施形態の発光素子の直列抵抗は20kΩ程度であり、発光する電圧は20Vとなっていた。
なお、本実施形態の発光素子では、p型導電性ダイヤモンド基板61の厚みが薄い方が直列抵抗が低くなり発光効率が良くなる。例えば、10μm以下の厚みとすることが望ましい。また、発光領域を広く確保するため、金属電極63a、63b並びにカーボンナノチューブ層62a、62bの形状は、例えば環状とすることが望ましく、それにより囲まれる領域が発光領域となって、効率よく光を外部に取り出すことが可能となる。
(第6の実施形態)
本実施形態の発光素子は、発光素子の発光層を加熱するための加熱機構を設けたものである。図7は、本実施形態に係る発光素子を示す断面図である。図1と同一部分には同一符号を付する。図7に示すように、リンが5×1018cm-3程度ドーピングされたn型導電性ダイヤモンド基板71(厚み(0.5μm))の裏面には基板71を加熱するための配線75が設けられている。この配線75の形状はジグザグ状、渦巻状等、様々な形状とすることができ、その材料としてはW、Mo、Al、Cu等を用いることができる。配線75は、導電性カーボンナノチューブ層2a、2bからn型導電性ダイヤモンド基板71に電流が注入される領域の近傍に設けることが望ましく、本実施形態のように導電性カーボンナノチューブ層2a、2bにそれぞれ対向した裏面領域の他に、基板71の側面領域、導電性カーボンナノチューブ層2a、2bに隣接する基板71の表面領域にも設けることが可能である。発光領域を広く確保することを考慮すると、基板71の中央領域には配線75が設けられない形態も好ましい。
本実施形態の発光素子に対して、第1の実施形態と同様に電圧を印加したところ、この発光素子は約235nmから約600nmまでにかけての発光波長領域を有していた。第1の実施形態と同様に本実施形態の発光素子による発光も緑色を帯びていた。この際の発光スペクトルは製法を変えても大きな差がなく、基板である導電性ダイヤモンドによって決定されていることが明らかとなった。このときの発光強度は20μW程度となり、非常に高い発光強度を得ることができた。また、本実施形態の発光素子の直列抵抗は100kΩ程度であり、発光する電圧は約30Vとなっていた。なお、発光領域の温度を測ったところ、100℃となっていた。本実施形態の発光素子では、この温度に限られることはなく、50℃以上であれば良い。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。例えば、上記実施形態ではダイヤモンド基板を用いたが、本発明のダイヤモンド層は基板状のもの以外に膜状のものをも含むものである。例えば、他の基板(Si等の半導体基板やガラス等の絶縁性基板等)上にダイヤモンド薄膜を形成し、このダイヤモンド薄膜を発光部として用いることも可能である。ダイヤモンド薄膜の成膜方法としては、マイクロ波プラズマCVD法の他、例えばECRCVD法、高周波(RF)CVD法等を用いることも可能である。
また、本実施形態ではダイヤモンドに添加する不純物としてボロンやリンを用いたが、これに限らず、窒素、硫黄等のn型不純物や、Ga、Al等のp型不純物を用いることも可能である。
その他、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示さ
れている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
第1の実施形態に係る本発明の発光素子を示す断面図。 図1のカーボンナノチューブ層2a、2b及びその近傍を電子顕微鏡で拡大した拡大図。 第1の実施形態の発光素子による発光スペクトルを示す特性図。 第3の実施形態に係る本発明の発光装置(蛍光灯)を示す断面図。 第4の実施形態に係る本発明の発光装置を示す断面図。 第5の実施形態に係る本発明の発光素子を示す断面図。 第6の実施形態に係る本発明の発光素子を示す断面図。
符号の説明
1 ダイヤモンド基板
2a、2b カーボンナノチューブ層
3a、3b 金属電極
4a、4b 配線

Claims (10)

  1. ダイヤモンドからなる発光部と、この発光部に電流を供給する金属電極と、前記発光部と金属電極との間に設けられたカーボンナノチューブ層とを具備することを特徴とする発光素子。
  2. 前記カーボンナノチューブ層は前記発光部及び金属電極に対してそれぞれ接していることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  3. ダイヤモンド層を備えた発光部と、この発光部に電流を供給する金属電極と、前記発光部と金属電極との間に設けられたカーボンナノチューブ層とを具備し、このカーボンナノチューブ層は前記ダイヤモンド層及び金属電極に対してそれぞれ接していることを特徴とする発光素子。
  4. 前記金属電極として少なくとも一対の金属電極を備え、これらの金属電極は前記ダイヤモンド層の一面に互いに離間して設けられていることを特徴とする請求項3記載の発光素子。
  5. 前記カーボンナノチューブ層中のカーボンナノチューブは前記発光部及び金属電極の各々の表面に対して垂直な方向に配向していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の発光素子。
  6. 前記発光部のダイヤモンドはp型半導体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の発光素子。
  7. 前記カーボンナノチューブ層中のカーボンナノチューブの密度は1cm2あたり106本以上1012本以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の発光素子。
  8. 400nm以下の発光波長領域を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の発光素子。
  9. 封止ガスが封入された外囲器と、前記外囲器内面に設けられた蛍光体を含む蛍光膜と、前記外囲器内に設けられた請求項1乃至8のいずれかに記載の発光素子とを具備することを特徴とする発光装置。
  10. 蛍光体を含む発光媒体と、請求項1乃至8のいずれかに記載の発光素子とを具備することを特徴とする発光装置。
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