JP2005155657A - ディスクブレーキのブレーキパッド - Google Patents

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Abstract

【課題】異音の大きさを低減できるディスクブレーキのブレーキパッドを提供する。
【解決手段】本願発明のブレーキパッド1a、1bは、ディスクロータに当接する当接部21a、21bを備えている。この当接部21a、21bは、小面積当接部21aと、小面積当接部21aよりもディスクロータに当接する面積の大きい大面積当接部21bとの二つから構成されている。又、これらの小面積当接部21aと大面積当接部21bとは、面積比が1:1.3〜1:2.7になるようにして、細溝状のスリット22を介して分離して形成されている。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、自動車等の車両に装備されるディスクブレーキに使用されるディスクブレーキのブレーキパッドに関するものである。
例えば自動車には、制動装置としてディスクブレーキが広く利用されている。このディスクブレーキは、ホイールハブに取付けられホイールハブと共に回転するディスクロータと、ディスクロータの内側面及び外側面の両側面に夫々当接し得るように配設されたブレーキパッドとを備えている。そして、これらのブレーキパッドに形成された当接部を、ピストン等によってディスクロータの内側面、外側面の夫々に当接させて押し付ける。これにより、ディスクロータとブレーキパッドとの間に摩擦力を発生させてディスクロータを制動させ、車輪を制動できるようにしたものである。
しかしながら、ディスクブレーキのブレーキパッドとディスクロータとが摺動する際、「鳴き」と呼ばれる異音が発生する。そこで、この異音を抑えるものとして従来から、例えば図7A、図7Bに示すようなディスクブレーキのブレーキパッドaが提案されている。このものは、ブレーキパッドaの当接部bに、ディスクロータの径大部側に当接する径大当接端部dからディスクロータのその径大部より径の小さい径小部側に当接する径小当接端部eにかけて漸次深さの傾斜するスリットcを、当接部bの面積を二等分するように設け、このスリットcによってウェット走行でブレーキに絶えず水がかかるような状態で摩擦係数の低下を防止すると共に、異音の発生率を低下できるようにしたものである。
しかし、スリットcを、径大当接端部dから径小当接端部eに漸次深さの傾斜するように形成するのは、加工が面倒で製作に時間を要する。
又、このものにおいては、スリットcによって異音の発生率を低下させることができたとしても、スリットcによって発生する異音の大きさを低減できるか否かについては明らかにされておらず、発生する異音の大きさを低減できるというものではない。
特開平10−9311号公報
本願発明は、異音の大きさを低減できるディスクブレーキのブレーキパッドを提供することを目的とする。
本願発明は、次の特徴を有するディスクブレーキのブレーキパッドを提供することにより、上記課題を解決する。
本願の請求項1記載の発明は、車両に回転可能に設けられたディスクロータに当接して制動させるディスクブレーキのブレーキパッドであって、ディスクロータに当接する当接部を備え、この当接部は、小面積当接部と、小面積当接部よりもディスクロータに当接する面積が大きくなるように形成されるととともに、ディスクロータと当接不能に形成された非当接部を介して小面積当接部から分離して形成された大面積当接部との二つから構成されたものであることを特徴とするディスクブレーキのブレーキパッドである。
本願の請求項2記載の発明は、上記小面積当接部と大面積当接部との面積の比が、1:1.3〜1:2.7であることを特徴とするディスクブレーキのブレーキパッドである。
本願の請求項3記載の発明は、上記非当接部が、細溝状のスリットからなるものであることを特徴とするディスクブレーキのブレーキパッドである。
本願の請求項1記載の発明は、小面積当接部と大面積当接部との二つの当接部から構成しているため、ブレーキパッドとディスクロータとが摺動する際に発生する異音を低減できる。
本願の請求項2記載の発明は、ブレーキパッドとディスクロータとが摺動する際に発生する異音を、確実且つ効率的に低減できる。
本願の請求項3記載の発明は、小面積当接部と大面積当接部とが細溝状のスリットによって分離して形成されているため、ブレーキパッドとディスクロータとが摺動する際に生じる磨耗粉をスリットから排出できる。これにより、ブレーキパッドとディスクロータとの間に磨耗粉が介在することによって異音が助長されるようなことを防止できる。又、一つの当接部から構成した従来のブレーキパッドと全体を同じ大きさに形成した場合でも、ディスクロータに当接する小面積当接部と大面積当接部との合計面積を、一つの当接部から構成した場合の当接部の面積に比して減小量を小さくでき、摩擦力の減少を極力抑えることができる。
図1は、本願発明のディスクブレーキのブレーキパッドの一実施の形態の側面図、図2は、図1のII−II線断面図である。又、図3は、ブレーキパッドを有するディスクブレーキの一実施の形態の要部を断面にした説明図である。
本願発明のディスクブレーキのブレーキパッドは、自動車等の車両に装備されるディスクブレーキに使用される。以下、このブレーキパッドを有するディスクブレーキ100を、左車輪に使用される左車輪用のものを例示して説明する。この実施形態で用いるディスクブレーキ100は、図3に示すようにディスクロータ101と、キャリパ102と、ブレーキパッド1a、1bとを備えている。
ディスクロータ101は、外側面と内側面との夫々に、外摺動面101a、内摺動面101bを備えている。そして、このディスクロータ101は、ホイールハブ(図示せず)に固定されホイールハブと共に回転可能とされている。
キャリパ102は、車体に固設されたブラケット(図示せず)にディスクロータ101の軸方向(Y−Y方向)に移動可能に支持されたキャリパボディ102aを備えている。又、キャリパボディ102aには、シリンダ102bが形成されている。また、そのシリンダ102b内には、ピストン102cがディスクロータ101の軸方向に移動可能に配設されている。
ブレーキパッドは、ディスクロータ101の外摺動面101aに当接するアウター用のブレーキパッド1aと、ディスクロータ101の内摺動面101bに当接するインナー用のブレーキパッド1bとの二つからなる。
アウター用のブレーキパッド1aは、図1、図2に示すように、パッド部2と、パッド部2を支持した金属製の裏金3とを備えている。この実施形態では、ブレーキパッド1aの全体における径方向の長さL1が、63.5mm程度、その径方向と直交する方向の長さL2が、156.0mm程度のものから構成されている。又、パッド部2の厚さは、12mm程度で、裏金3の厚さは、6.6mm程度である。
パッド部2は、金属繊維、アラミド繊維等を基材とし、これに真鍮、銅、アルミニウム等の金属粉、カシュー樹脂粉末等の摩擦調節剤、及び、フェノール樹脂等の結合材を包含したものから構成されている。パッド部2の内側面には、ディスクロータ101の外摺動面101aに当接する当接部21a、21bを備えている。
この当接部は、小面積当接部21aと、小面積当接部21aよりもディスクロータ101の外摺動面101aに当接する面積の大きい大面積当接部21bとの二つから構成されている。又、これらの小面積当接部21aと大面積当接部21bとは、ディスクロータ101と当接不能に形成された非当接部としてのスリット22を介して互いに分離されている。
この実施形態のスリット22は、パッド部2におけるディスクロータ101の径小部側に当接する径小当接端部24をスリット22の第1端22aとするとともに、ディスクロータ101のその径小部より径の大きい径大部側に当接するパッド部2の径大当接端部23をスリット22の第2端22bとし、この第1端22aから第2端22bにかけて直線状に形成されている。又、スリット22は、ディスクロータ101の回転の中心から半径方向に、スリット22の中央点(スリット22の長手方向及び幅方向の中央点)を通るように伸ばした基準線Pに対して傾斜するように形成されている。また、その基準線Pに対するスリット22の傾斜は、車両の前進に際してディスクロータ101が回転する方向(以下、ディスクロータ101の主回転方向、図1図示のX方向)側にほぼ30°傾斜した傾斜角αを有するものに形成されている。従って、この実施形態におけるスリット22の第2端22bは、第1端22aに対して、ディスクロータ101の主回転方向の前方側に配位されている。
又、この実施形態のスリット22は、当接部21a、21bからの深さが10mm程度で、幅が3.5mm程度の細溝状のものに形成されている。尚、このスリット22の幅は、この形態のものに限らず、適宜変更できる。好ましくは、2mm〜5mm程度である。
このようなスリット22によって分離された小面積当接部21aと大面積当接部21bとの面積の比は、1:1.3〜1:2.7になるようにしておくのが好ましい。大面積当接部21bの面積が小面積当接部21aの面積に対して1.3倍未満になると、異音の低減の効果が少なくなってしまう。一方、大面積当接部21bの面積が小面積当接部21aの面積に対して2.7倍を超えると、小面積当接部21aが破損する恐れが生じるとともに、異音の低減の効果が少なくなってしまう。より好ましくは、小面積当接部21aと大面積当接部21bとの面積比が、1:1.4〜1:2.0となる範囲である。この図1に示す実施形態では、小面積当接部21aと大面積当接部21bとの面積比が、1:2.5になるように形成されている。
パッド部2の外側面は、裏金3に接着剤等の固着手段によって固着されている。これにより、パッド部2は、裏金3に、当接面21a、21bと反対側から支持されている。
このように構成されたアウター用のブレーキパッド1aは、裏金3に設けられた支持部31、31がブラケット(図示せず)に支持されることにより、図3に示すようにディスクロータ101とキャリパ102に設けられた爪部102dとの間に、ブレーキパッド1aの当接部21a、21bとディスクロータ101の外摺動面101aとが対向して当接可能に配設されている。又、スリット22は、ディスクロータ101の主回転方向(図1のX方向)の前方側に配位され、アウター用のブレーキパッド1aにおける小面積当接部21aは、大面積当接部21bに対し、ディスクロータ101の主回転方向の前方側となる位置に配位される。
インナー用のブレーキパッド1bは、この実施形態では、上述のアウター用のブレーキパッド1aと同一構成を採っている。この実施形態においては、一種類のブレーキパッドを製作し、その一種類のブレーキパッドを、アウター用のブレーキパッド1aとして使用するとともに、インナー用のブレーキパッド1bとして使用するようにしている。
そして、このインナー用のブレーキパッド1bは、裏金3に設けられた支持部31、31がブラケット(図示せず)に支持されることにより、図3に示すようにディスクロータ101とピストン102cとの間に、ブレーキパッド1bの当接部21a、21bとディスクロータ101の内摺動面101bとが対向して当接し得るように配設されている。
この状態で、インナー用のブレーキパッド1bの当接部21a、21bに対するディスクロータ101の主回転方向は、アウター用のブレーキパッド1aの当接部21a、21bに対するディスクロータ101の主回転方向と反対方向になる。従って、インナー用のブレーキパッド1bの小面積当接部21aは、大面積当接部21bに対し、ディスクロータ101の主回転方向の後方側となる位置に配位される。
尚、この実施形態では、図示しない右車輪用のディスクブレーキのアウター用のブレーキパッド及びインナー用のブレーキパッドにも、図1に示すブレーキパッドを使用するようにしている。従って、右車輪用のディスクブレーキにおいては、アウター用のブレーキパッドの小面積当接部は、大面積当接部に対し、ディスクロータ101の主回転方向の後方側となる位置に配位され、右車輪用のディスクブレーキのインナー用のブレーキパッドの小面積当接部は、大面積当接部に対し、ディスクロータ101の主回転方向の前方側となる位置に配位される。
このようにしてディスクブレーキ100に組み付けられたブレーキパッド1a、1bは、車両に設けられたブレーキペダル(図示せず)が踏み込み操作されると、シリンダ102b内に充填された液の圧によって、ピストン102cがディスクロータ101側に移動する。その移動により、インナー用のブレーキパッド1bの当接部21a、21bがディスクロータ101の内摺動面101bに当接して押圧する。又、この押圧に伴なって、キャリパ102の爪部102dを介してアウター用のブレーキパッド1aの当接部21a、21bがディスクロータ101の外摺動面101aに当接して押圧する。これにより、各ブレーキパッド1a、1bの当接部21a、21bとディスクロータ101の内摺動面101b、外摺動面101aとの間に摩擦力を発生させて制動させることができる。
又、その制動に際して、アウター用のブレーキパッド1a及びインナー用のブレーキパッド1bとディスクロータ101との摺動に際し、各ブレーキパッド1a、1bの当接部21a、21bを、大面積当接部21bと小面積当接部21aとの二つから構成しているため、異音を低減できる。その理由は、必ずしも明らかでないが、本発明者は、ディスクロータ101と大面積当接部21bとが接することにより発する周波と、ディスクロータ101と小面積当接部21aとが接することにより発する周波とが、互いの音域を打ち消しあうためであると推測する。
ここで、異音に関する試験を行ったので、以下に説明する。この試験は、本願発明品と比較例との異音の大きさを比較することにより行なった。本願発明品のブレーキパッドとして、上記基準線Pに対してほぼ30°の傾斜角αを有し且つ溝幅3.5mm、深さ10mmのスリット22によって、小面積当接部21aが大面積当接部21bに対してディスクロータ101の主回転方向(図1のX方向)の前方側になるように形成するとともに、小面積当接部21aと大面積当接部21bとの面積比が1:1.5になるように形成し、それを、左車輪用および右車輪用のディスクブレーキ夫々のアウター用のブレーキパッド1a及びインナー用のブレーキパッド1bとして用いた。
従って、左車輪用のディスクブレーキにおけるアウター用のブレーキパッド1aは、小面積当接部21aが大面積当接部21bに対してディスクロータ101の主回転方向の前方側に配位されている。一方、インナー用のブレーキパッド1bは、小面積当接部21aが大面積当接部21bに対してディスクロータ101の主回転方向の後方側に配位されている。又、右車輪用のディスクブレーキにおけるアウター用のブレーキパッド1aは、小面積当接部21aが大面積当接部21bに対してディスクロータ101の主回転方向の後方側に配位され、インナー用のブレーキパッド1bは、小面積当接部21aが大面積当接部21bに対してディスクロータ101の主回転方向の前方側に配位されている。
比較例のブレーキパッドとして、図7Aに示すものと同様に、基準線と同方向に延設し基準線に対して傾斜角の有しないスリットによって面積の等しい二つの当接部からなるものを用いた。ただし、この比較例のスリットは、図7Aに示すもののように深さが漸次傾斜したものではなく、全長に渡って深さがほぼ一定なものである。
又、この試験に用いた車両は、車種がメルセデスベンツ(商標)WDB201024−1F729289、年式が平成2年9月登録、走行距離が148367kmであるものを使用した。
また、試験に用いたディスクロータ101は、使用距離が18000kmであるものを使用した。
又、ブレーキパッドは、車両に装着後、ごく一般的な使用状況で、約4000km弱を走行し25%程度磨耗した状態で行った。
そして、測定は、時速60kmで走行し、ブレーキングを開始したブレーキ開始地点から10mだけ進んだA地点、ブレーキ開始地点から30mだけ進んだB地点、及びブレーキ開始地点から50mだけ進んだC地点の三つの地点における音を、夫々、三回ずつ、測定することによって行なった。又、この測定は、ONO製・集音マイクを前輪の両外側、約8cmの位置に吸盤で固定し、この集音マイクによって左右の両車輪における音の平均値を採ることによって行った。尚、測定値には、エンジン音又はタイヤの摩擦音等も含まれている。
試験の結果は、図4A及び図4Bに示すように、A地点では、本願発明品と比較例とはほぼ同じ値(本願発明品の平均値が59.0db(デシベル)、比較例の平均値が58.3db)であった。B地点では、本願発明品と比較例との両者共に、A地点より小さくなり(本願発明品の平均値が43.7db、比較例の平均値が27.3db)、比較例は本願発明品よりもやや小さくなった。一方、C地点では、本願発明品の平均値は28.3dbであり、A地点のほぼ半分に減じた。これに対し、比較例の平均値は121.7dbであり、A地点のほぼ2倍の値になり、本願発明品に比べてほぼ4.3倍の値になった。
以上、本願発明品は、面積の等しい二つの当接部から構成した比較例に比し、ディスクロータ101が高速回転から低速回転になった際におけるディスクロータ101とブレーキパッド1との摺動による異音を低減することができた。
尚、上記実施形態では、アウター用のブレーキパッド1aとインナー用のブレーキパッド1bとを同じものから構成しているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。例えば左車輪用のディスクブレーキのアウター用のブレーキパッド1aとして図1に示すものを用い、インナー用のブレーキパッド1bとして、図5に示すようにスリット22をディスクロータ101の主回転方向(X方向)の前方側となる位置に形成し、小面積当接部21aが大面積当接部21bに対してディスクロータ101の主回転方向の前方側となる位置に配位させる。又、これとともに、右車輪用のディスクブレーキのアウター用のブレーキパッドとして図5に示すものを用い、インナー用のブレーキパッドとして、図1に示すものを用い、小面積当接部21aが大面積当接部21bに対してディスクロータ101の主回転方向の前方側となる位置に配位させるようにしても良い。このようにして、全てのブレーキパッドを、小面積当接部21aが大面積当接部21bに対してディスクロータ101の主回転方向の前方側となる位置に配位させるようにしておくと、より好ましい。
又、上記実施形態では、非当接部を溝幅が2mm〜5mm程度の細溝状のスリット22から構成しているが、例えば溝幅が5mmを超える太幅状の溝から構成し、或いは径大当接部23から径小当接部24にかけて漸次幅が細く又は太くなる溝から構成しても良い。ただし、例えば太い幅の溝から構成すると、小面積当接部21aと大面積当接部21bとの合計面積を確保して摩擦力を減じないようにするためには、ブレーキパッドの全体の大きさを大きくしなければならなくなってしまうため、上記実施形態のように細溝状のスリット22から構成しておくのが、より好ましい。
また、上記実施形態では、スリット22を、上記基準線Pに対してほぼ30°の傾斜角αを有する傾斜状のものから構成しているが、この形態のものに限らず、例えば上記基準線Pに一致する方向に延ばして形成したもの、或いは上記基準線Pに直交する方向に延ばして形成したものでも良く、適宜変更し得る。好ましくは、上記基準線Pに対して傾斜角αが30°〜45°程度となるように形成する。
又、スリット22は、直線状のものに限らず、湾曲状のものであっても良い。例えば、図6Aに示すように、パッド部2の径小当接端部24をスリットの第1端22aとするとともに、その第1端22aよりもディスクロータ101の主回転方向の前方側に位置するパッド部2の径大当接端部23をスリットの第2端22bとし、第1端22aから第2端22bまでの範囲に渡って、ディスクロータ101の主回転方向と反対方向側に膨らむ、変曲点を有しない湾曲状に形成する。また、この場合において、図6Aでは湾曲状のものとして円弧状のものを示したが、例えば楕円形状のもの等、適宜変更し得る。スリット22を、このような湾曲状に形成することにより、パッド部2とディスクロータ101との摺動により生じる磨耗粉を、より効率良く排出でき、磨耗粉が介在することによって異音が助長されるようなことを確実に防止できる等による消音の効果を奏する。尚、変曲点を有しない湾曲状に形成する場合において、膨らむ方向や位置等は限定されない。
或いは、図6Bに示すように、パッド部2の径小当接端部24をスリットの第1端22aにするとともに、その第1端22aよりもディスクロータ101の主回転方向の前方側に位置するパッド部2の径大当接端部23をスリットの第2端22bとし、第1端22aから第2端22bまでの範囲に渡って、ディスクロータ101の主回転方向に膨らむ第1湾曲部22cと、主回転方向と反対側に膨らむ第2湾曲部22dとを有し側面視略S字状を呈する変曲点を有する湾曲状に形成する。スリット22を、このような変曲点を有する湾曲状に形成した場合も、同様にパッド部2とディスクロータ101との摺動により生じる磨耗粉を、より効率良く排出でき、磨耗粉が介在することによって異音が助長されるようなことを確実に防止できる等による消音の効果を奏する。尚、このように変曲点を有する湾曲状に形成する場合において、変曲点の数を二又は三以上設けるようにしても良く、或いは膨らむ方向や位置等も適宜変更し得る。
本願発明のブレーキパッドの一実施の形態の側面図である。 図1のII―II線断面図である。 ブレーキパッドを有するディスクブレーキの要部を断面にした説明図である。 図4Aは、比較試験における異音の測定データを示す図表、図4Bは、その測定データに基いて作成した折れ線グラフである。 ブレーキパッドの他の実施形態の側面図である。 図6Aは、ブレーキパッドの更に他の実施形態の側面図、図6Bは、ブレーキパッドの更に他のもう一つの実施形態の側面図である。 従来例に係り、図7Aは、その側面図、図7Bは、その正面図である。
符号の説明
1a、1b ブレーキパッド
2 パッド部
21a 小面積当接部
21b 大面積当接部
22 スリット
101 ディスクロータ
特許出願人 株式会社クランツ
特許出願人 株式会社アイ・アンド・エム

出願人代理人 弁理士 田川 幸一

Claims (3)

  1. 車両に回転可能に設けられたディスクロータに当接して制動させるディスクブレーキのブレーキパッドであって、
    ディスクロータに当接する当接部を備え、
    この当接部は、小面積当接部と、小面積当接部よりもディスクロータに当接する面積が大きくなるように形成されるととともに、ディスクロータと当接不能に形成された非当接部を介して小面積当接部から分離して形成された大面積当接部との二つから構成されたものであることを特徴とするディスクブレーキのブレーキパッド。
  2. 上記小面積当接部と大面積当接部との面積の比が、1:1.3〜1:2.7であることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキのブレーキパッド。
  3. 上記非当接部は、細溝状のスリットからなるものであることを特徴とする請求項1又は2記載のディスクブレーキのブレーキパッド。
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