JP2005154903A - 蒸着膜形成方法及び蒸着膜形成装置 - Google Patents

蒸着膜形成方法及び蒸着膜形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005154903A
JP2005154903A JP2004336018A JP2004336018A JP2005154903A JP 2005154903 A JP2005154903 A JP 2005154903A JP 2004336018 A JP2004336018 A JP 2004336018A JP 2004336018 A JP2004336018 A JP 2004336018A JP 2005154903 A JP2005154903 A JP 2005154903A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vapor deposition
vapor
film forming
substrate
forming apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004336018A
Other languages
English (en)
Inventor
Dokon Kim
度根 金
Kansho So
官燮 宋
Meishu Kyo
明洙 許
Shakuken Tei
錫憲 鄭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Samsung SDI Co Ltd
Original Assignee
Samsung SDI Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from KR1020030084467A external-priority patent/KR100908971B1/ko
Priority claimed from KR1020040077233A external-priority patent/KR100601503B1/ko
Application filed by Samsung SDI Co Ltd filed Critical Samsung SDI Co Ltd
Publication of JP2005154903A publication Critical patent/JP2005154903A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】 非接触方式の高周波誘導加熱を用いて表示装置の基板上に均一な蒸着膜を形成する方法及びその方法に適した蒸着膜形成装置を提供する。
【解決手段】 誘導加熱方式を用いて蒸着物質に熱を加えて得られた蒸着物質蒸気を基板面に接触させて凝縮させることにより,蒸着膜を形成する。このとき,蒸着スペースに基板を垂直に据置き,蒸着膜を形成するための蒸着物質の蒸気を基板面に供給する。したがって,基板が大型化しても蒸着膜を形成する際に基板が曲がることはなく,均一な蒸着膜の形成が可能となる。また,蒸着源と基板面との間の距離を短縮できるため,設備が小型化し,設備にかかる費用を抑えることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は,蒸着膜形成方法及び装置に関する。
一般に,蒸着膜形成装置は,各種電子部品の薄膜蒸着等に用いられる。特に,半導体,LCD,有機電界発光表示装置などの電子装置及び表示装置の薄膜形成に使われる。
このような蒸着膜形成装置を用いる薄膜形成工程は,薄膜形成用物質に高エネルギーを加えて蒸気を発生させ,この蒸気が広まりながら基板面に接して凝結する原理を用いて薄膜を形成するものである。
表示装置の一種である有機電界発光表示装置においては,電子(electron)の注入電極(cathode)と正孔(hole)の注入電極(anode)から各々電子(electron)と正孔(hole)が発光層(emitting layer)の内部に注入され,注入された電子(electron)と正孔(hole)が結合する。このときエキシトン(exciton)が励起状態から基底状態に遷移し,これによって発光が得られる。
このような原理によって発光する有機電界発光表示装置は,従来の薄膜液晶表示素子とは異なり,別途の光源が不要となるため,素子の体積と重さを減らすことができる。
有機電界発光表示装置は,駆動方式の点で,パッシブマトリクス型(passive matrix type)とアクティブマトリクス型(active matrix type)に分けられる。
パッシブマトリクス型の有機電界発光表示装置は,その構成が単純であり,製造方法も単純であるといった長所を有している一方で,消費電力が大きく,表示素子の大面積化が困難であり,配線の数が増加するほど開口率が低下するといった短所をも有している。
したがって,一般的には,小型の表示素子にはパッシブマトリクス型の有機電界発光表示装置が適用され,大面積の表示素子にはアクティブマトリクス型の有機電界発光表示装置が適用される。
また,有機電界発光表示装置は,一般的に,上部電極と下部電極との間に,Alq3(アルミニウム錯体)からなる発光層を含む有機膜が介在する構造を有する。そして,上部電極と下部電極のいずれか一方(例えば,下部電極)がアノード電極となり,他方(例えば,上部電極)がカソード電極となって,発光を得る。
このような有機電界発光表示装置は,発光形態に応じて電極構造が異なる。
背面発光型の場合,上部電極は,反射度が優れる金属膜からなり,前面発光型の場合,上部電極は,薄いMg:Agのような半透明金属膜と半透明金属膜上に形成されたITO(酸化インジウムスズ,Indium Tin Oxide)またはIZO(酸化インジウム亜鉛,Indium Zinc Oxide)のような透明導電膜からなる二重膜構造からなる。
このような上部電極の金属膜は,電子ビーム蒸着源,抵抗加熱蒸着源,または高温セル蒸着源により形成される。
しかしながら,上記のような蒸着源を用いた従来の金属膜蒸着方式は,蒸着源を成膜室の下段部に設けた後,基板を回転または移動させて成膜する上向き蒸着方式であり,基板が大型化すると基板及びマスクが下方に垂れてしまうおそれがあった。この場合,高精細化の確保や成膜均一度の確保が困難になる。
また,電子ビームの蒸着源によれば,電子ビームの集束による局部的な加熱が可能であり,基板内の温度上昇が抑えられる。したがって,所望する時間だけ成膜することができる。しかし,高電圧により加速した電子ビームが蒸発物質に衝突することによって発生する二次電子及びX−rayのようなエネルギー粒子が有機膜や基板を損傷するおそれがある。このため,別途の遮蔽(shield)装置を備える必要がある。蒸着基板が大型化するとこれに対応する遮蔽装置の構成が難しくなり,特にX−ray粒子に対して適切な遮蔽装置を構成することは困難である。このため,一般的には,大型有機発光表示装置の金属膜成膜工程にこの電子ビーム蒸着が用いられることはない。
また,抵抗加熱蒸着源及び高温セル蒸着源の場合,金属物質の所定の蒸着率を得るためには,1000℃〜1600℃の高温が要求される。このため,発生する熱が基板に与える熱量が大きくなり過ぎるという問題がある。
したがって,抵抗加熱蒸着源及び高温セル蒸着源によれば,有機膜の物理的・化学的変形を誘発して,有機発光表示装置の寿命を短縮させ,発光効率を低下させるおそれがある。また,抵抗加熱蒸着源及び高温セル蒸着源を採用した場合,高温によってマスクパターンが熱変形してしまい,高精細化の実現が困難となるという問題がある。
さらに,抵抗加熱蒸着源及び高温セル蒸着源を採用する場合,熱源の大きさが基板の大きさに比例して増加することになる。このため,基板が大型化すると,熱源から生じた熱を基板に到達させないようにすることが困難となる。
また,抵抗加熱蒸着源及び高温セル蒸着源は,蒸着物質の蒸気が上向きに移動するため,水平上向き蒸着方式には適する。しかし,垂直方式については,蒸着物質の蒸気の移動経路を強制的に変更しなければならず,別途の装置が必要となってしまう。
このような電子ビーム蒸着源,抵抗加熱蒸着源,及び高温セル蒸着源を用いた場合に生じる問題に対して,最近,マグネトロンスパッタリング装置を用いて金属膜及び透明導電膜を形成するための研究が進められている。しかし,マグネトロンスパッタリング装置を用いた場合,プラズマの形成時に生じる高エネルギーを有する粒子(Energitic Paticles;中性Ar,イオン化された原子,γ-電子,熱電子等)と基板とが衝突する際に発生する有機膜と上部電極との界面反応により,有機電界発光表示装置の駆動電圧の上昇,漏洩電流(leakage current)の発生,及び寿命の低下等,素子特性の劣化が生じるおそれがある。
本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的は,大型化された基板に対しても良質な蒸着膜を形成することが可能な,新規かつ改良された蒸着膜形成方法及び蒸着膜形成装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,蒸着スペースに基板(例えば,表示装置の基板)を置き,高周波誘導加熱方式により蒸着源から蒸着物質に熱を加えて得られた蒸着物質の蒸気を基板の蒸着面に接触させて凝縮させることにより,蒸着膜を形成する蒸着膜形成方法が提供される。そして,この方法は,蒸着スペースにおいて,基板をその蒸着面が重力方向に対して略平行となるように配置し,蒸着物質の蒸気を基板の蒸着面に供給することを特徴としている。蒸着面が重力方向に対して略平行となるように基板が配置されるため,蒸着工程において基板の外周部が下方に垂れることはない(湾曲しない)。また,蒸着スペースを減らすことができる。さらに,蒸着物質を速かに蒸発温度まで加熱することができる。
本発明の方法において,蒸着膜の形成のために,望ましくは,基板を基準として蒸着源を垂直方向(重力方向)に移動させながら蒸気の供給を実施することができる。その際,蒸着源の移動は基板に対して相対的な概念であるから,蒸着源が固定された状態で基板が垂直に動く形態であってもよい。また,蒸着源を一つだけ備えるようにしてもよいが,複数備えるようにしてもよい。単一蒸着源は,基板面に対向して配置され,水平方向に長い形状を有することが好ましい。複数の蒸着源は,それぞれが基板面に対向して配置され,各蒸着源が水平方向に一定の間隔で配列されることが好ましい。
本発明の方法によれば,蒸着物質の蒸気を水平に供給するために,蒸着源で上向き式に,あるいは,方向の区分なしに,発生した蒸気を水平に誘導することができる。なお,水平に供給するということは,平均的に水平に供給されることを意味しており,一定の角度範囲で分散することも水平方向の概念に含まれる。
上記課題を解決するために,本発明の第2の観点によれば,蒸着物質を加熱する高周波誘導コイルを備えて蒸着物質の蒸気を発生させる蒸着源部,及び,蒸気を任意位置及び任意方向に誘導して基板の蒸着面に蒸気を噴射する誘導部を備えてなる蒸着源を含むことを特徴とする蒸着膜形成装置が提供される。
蒸着源部は,蒸着物質を収容する坩堝を備え,高周波誘導コイルは,坩堝を覆うように設けられることが好ましい。
また,蒸着源部と誘導部から外部に熱が放出しないようにする熱遮断部を更に備えることが好ましい。熱の影響が基板に及ばないようにすることができる。
さらに,熱遮断部と高周波誘導コイルは,冷却水の流路を備え,水冷可能であることが好ましい。この構成によれば,熱遮断部は熱遮断機能が向上する。また,高周波誘導コイルは,迅速に所定の温度に調整(冷却)される。
垂直に据置かれた(蒸着面が重力方向に対して略平行となるように配置された)基板の前方において,蒸着源を垂直に(基板の蒸着面に沿って)昇降させる移送装置を更に備えることが好ましい。
上記課題を解決するために,本発明の第3の観点によれば,蒸着物質を蒸発させる蒸着源部と,蒸着源部と連結され,蒸着物質の蒸気を誘導し,基板の蒸着面に蒸着物質の蒸気を噴射する誘導部と,を備える少なくとも一つの蒸着源を含む蒸着膜形成装置が提供される。そして,この蒸着膜形成装置は,蒸着源部が,胴体をなす反応槽と,この反応槽の内部に位置する坩堝と,反応槽の外部に設けられる高周波誘導コイルと,を備えることを特徴としている。
蒸着源部は,反応槽の上部に取り付けられる反応槽キャップを更に備え,反応層キャップは,誘導部と反応槽を通じさせる通孔を有することが好ましい。かかる構成によれば,蒸着物質の充填及び坩堝の切替えが容易となる。
蒸着源部は,高周波誘導コイルの外部に反応槽を囲む形態の反応槽ハウジングを更に備えるようにしてもよい。また,反応槽の上部を例えばナット構造とし,反応槽キャップを例えばボルト構造として,両者を螺合することが好ましい。
坩堝は,シリコンカーバイド(SiC)またはシリコンナイトライド(SiNx)中のいずれかを含む材料で構成されることが好ましい。
反応槽と高周波誘導コイル(加熱ヒータ)との間に,反応槽の外壁に取り付けられたセラミックカバーを更に備えるようにしてもよい。
誘導部は,反応槽キャップの通孔と結合する蒸着物質蒸気移送管と,蒸着物質蒸気移送管に穿孔した形成された噴射ノズルとを備えることが好ましい。
誘導部は,蒸着物質蒸気移送管を囲み,噴射ノズルに対応する開口部を備える誘導部ハウジングを更に備えることが好ましい。
誘導部ハウジングの内壁に設けられる反射板を更に備えることもできる。
誘導部は,蒸着物質蒸気移送管の外壁に設けられる加熱ヒータを更に備えることが好ましい。
蒸着物質蒸気移送管は,垂直部と水平部とからなり,垂直部は,水平部の中央部に連結されることが好ましい。また,垂直部は,水平部の両端部のいずれか一方に連結されることも好ましい。噴射ノズルは,蒸着物質蒸気移送管の水平部に位置することが好ましい。また,蒸着源を水平方向へ移送させる移送装置を更に備えるようにしてもよい。
蒸着物質蒸気移送管を垂直部のみで構成することも可能である。この場合,蒸着源を水平方向へ移送させる移送装置を更に備えることが好ましい。
蒸着物質は,金属または無機物のいずれかであることが好ましい。
本発明によれば,垂直に配置して蒸着膜を形成することが可能となる。したがって,基板が大型化しても基板の垂れの問題がなくなり,均一な蒸着膜の形成が実現する。
また,本発明によれば,蒸着源と基板面との間の距離を短縮できる。したがって,蒸着スペースが縮小し,設備の小型化や設備費用の削減が可能となる。しかも,蒸着源と蒸着対象との間の距離が均等化されるため,蒸着膜の均一性を高めることができる。
また,本発明によれば,非接触方式の高周波誘導加熱を用いて蒸着物質を速かに蒸発温度まで加熱することができる。
また,本発明によれば,蒸着物質の充填及び坩堝の切替えが容易となる。
また,本発明によれば,蒸着物質として金属または無機物を使用することができる。
このように,本発明によれば,基板が大型化しても,コストを抑えつつ高品質の蒸着膜を形成することが可能となる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書および図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施の形態)
図1は,本発明の第1の実施の形態に係る蒸着膜形成装置の蒸着源の構成を示す側断面図であり,図2は,図1の蒸着源の蒸着源部10の平断面を示す図面である。
図1に示したように,蒸着膜形成装置の蒸着源は,蒸着膜を形成するための蒸着物質の蒸気を発生させる蒸着源部10,この蒸着源部10から生じた蒸気を任意位置及び任意方向へ誘導する誘導部20,及び蒸着源部10と誘導部20から生じる熱が外部に放出されることを遮蔽する熱遮断部30からなる。また,この蒸着源は,誘導部20の出口部25の外側に,蒸着率測定器40を更に備えている。この蒸着率測定器40は,気化した物質(蒸気)が基板50(図2参照)に供給される経路上に配置される。
蒸着源部10は,外部エネルギーが与えられると,内部にセット(収容)された蒸着物質18を気化させる機能を有する。本実施の形態では,蒸着源部10は,主に高周波誘導加熱炉からなる。この高周波誘導加熱炉は,例えば金属または無機物質である蒸着物質18がセットされる容器としての坩堝14,誘導加熱源である高周波誘導コイル12,及び温度測定用バイメタル16からなる。温度測定用バイメタル16は,坩堝14(好ましくは,蒸着物質18)の温度を測定する。誘導加熱源である高周波誘導コイル12に流れる電流の量は,温度測定用バイメタル16によって測定された温度に応じて決定される。これによって,蒸着物質18の蒸発率と基板50における膜蒸着率が適切に調節される。
坩堝14の入口側に誘導部20が配置される。誘導部20は,坩堝14を覆うケースと一体であって,連続的な胴体を成すように形成されている。ただし,図面上区分して示されている。誘導部20は,一種の管路を成すように形成され,蒸着源部10から生じた蒸着物質18の蒸気を,所望の位置,即ち,基板50の面に誘導する役割を担う。誘導部20の入口部23,即ち,管路の入口部23には坩堝14の入口側から出た蒸気が流入する。流入した蒸気は管路内に積層する形態となり,充分な蒸着物質の蒸気圧が得られると管路の出口部25を通じて管路の外に放出される。誘導部20の出口部25の外側には蒸着膜の形成を必要とする基板50が置かれる。
ところが,誘導部20が構成する管路の壁面が蒸着物質18の気化温度より十分低い場合,蒸着物質の蒸気は壁面に触れたときエネルギーを失うことになり,相変異を起こす。即ち,蒸着物質の蒸気は,誘導部20の内面に凝縮されて液体や固体となって析出される。この場合,蒸着物質の蒸気は,誘導部の出口部25の外側に配置される基板50に供給されず,基板50の面に蒸着されなくなる。つまり,誘導部20は,蒸気を誘導することができなくなる。このような現象を防止するために,本実施の形態においては,誘導部20の壁面にヒータコイル26のような加熱手段が設けられ,その温度を制御するためのバイメタル28が設置される。誘導部20の壁面が加熱されると,蒸着物質の蒸気は,壁面に接触してもエネルギーが失われず,誘導部20の内部で蒸気状態を維持しながら内部圧力により出口部25へ移動する。
図2に示したように,蒸着源部10は,水平に並べられた複数個の蒸着物質格納部を有している。各蒸着物質格納部において,高周波誘導コイル12は,蒸着物質18がセットされた坩堝14を覆うように設けられる。高周波誘導コイル12は,通常,銅のような導電体からなる。蒸着膜形成装置において,基板50の面に実用的な蒸着率で蒸着がなされるには,蒸着物質格納部は,通常,1000〜1600℃程度の高温に維持されることが好ましい。しかし,銅のような導体は融点が低いため,このような温度をコイル形態で維持することは難しい。このような問題を回避するため,コイルの温度を下げる冷却手段が必要となる。本実施の形態では,中空の銅チューブをコイル形態で巻いて高周波誘導コイル12を形成する。そして,この銅チューブの中心には冷却水が流れるようにする。即ち,本実施の形態に係る高周波誘導コイル12には電流と冷却水を流すことができる。
高周波誘導コイル12に高周波電流が流れると,電流の流れによって,高周波誘導コイル12内に変化する磁界が形成され,磁界内の非線形的磁性体物質は,ヒステリシス損により熱を発生させる。この熱により坩堝14が高温になると,蒸着物質18が気化されて坩堝14の入口の上に拡散して放出されることになる。
図2において,破線で表示した部分は,本実施の形態に係る誘導部20の出口部25である。誘導部20の出口部25は,蒸着対象面における成膜均一性を高めるために多様な形態に形成される。図2に示した出口部25は,基板50の表面に対向するように形成され,基板50の幅Wに対応して水平に長く形成されている。図2とは異なり,蒸着物質格納部が1つであり,出口部が基板50の幅に対応して水平に長く形成される場合,蒸着物質格納部と出口部の各位置までの距離の差が大きくなる。この場合,出口部25の各位置における蒸着物質の蒸気の方向と速度が相違する可能性が高く,出口部25の外に配置された基板50の表面に対する成膜均一性が落ちてしまう。このような問題をなくすために,本実施の形態では,蒸着物質格納部が複数個形成され,蒸着物質格納部と長く形成される出口部25の各位置との間の距離が一定に保たれるようにしている。
このように蒸着源部10及び誘導部20には加熱手段が形成されているため多くの熱が発生することになる。基板50が大型化するほど,基板50の面に対する実用的な蒸着率を得るために,熱の発生は逐次増加する。このように発生した熱は,周辺に伝達される。そして,この熱は,基板50に形成された少なくとも発光層を含む有機膜を変性させて表示装置の寿命を劣化させてしまうとともに,基板50の前方に配置されたマスク60のパターンを容易に変形させてしまう。したがって,熱が基板50側に伝達されないように,本実施の形態では,熱遮断部30が蒸着源部10と誘導部20を覆う。熱遮断部30は,外部から冷媒が供給され,この冷媒を循環し,排出する冷却器としての構造を有することが好ましい。例えば,ウォータージャケット,ウォーターコイルやその他の冷却構造を採ることができる。
蒸着率測定器40は,基板50に特定の膜を任意の蒸着率で蒸着するために蒸着源と基板50との間に,より具体的には,誘導部の出口部25と基板50との間に設けられる。
蒸着率測定器40の位置に板面を形成し,蒸着した膜の厚さと蒸着が行われた時間を測定すれば,膜の平均的な蒸着率が計算できる。また,蒸着率測定器40は,蒸着率を短い周期で測定することによって,蒸着のリアルタイム制御を可能にすることができる。蒸着率測定器40は,蒸着源が垂直(重力方向)に移動する場合,膜蒸着のリアルタイム制御を可能にするために,蒸着源と共に移動するように蒸着源の周辺に備えられる。
図3は,図1に示した蒸着源を上下移動させる移送装置が備えられた蒸着膜形成装置の蒸着チャンバ100を示す側面図である。この蒸着膜形成装置によれば,垂直に(蒸着面が重力方向に略平行となるように)配置された基板に蒸着を行なうことができる。
図3に示したように,本実施の形態に係る蒸着膜形成装置は,蒸着源部,誘導部,及び熱遮断部からなる蒸着源90と,機構部を有している。蒸着源90は,図1に示した蒸着膜形成装置の蒸着源に対応する。機構部は,蒸着源90が取り付けられるテーブル70,テーブル70が昇降可能に設けられる垂直構造体80,及び基板50を垂直に据置く据置部(図示せず)からなる。垂直構造体80は,テーブル70を昇降させるために,通常,油圧または空圧機構,ワイヤ,チェーン,ベルト,これに連結するギア,プリー,動力を与えて精密な位置制御が可能なステップモータなどを備える。
蒸着チャンバ100は,バルブ110を介して真空ポンプ120と連結されており,蒸着工程中に連続的に排気がなされるように構成されている。
蒸着チャンバ100内で蒸着がなされる1つの形態を見ると,まず,蒸着チャンバ100内に基板50が供給されて,この基板50が据置部に垂直に据置かれる。真空ポンプ120が動作して蒸着チャンバ100内の真空度が蒸着工程に適した水準に調整される。蒸着源部の高周波誘導コイル12(図1,2参照)に電流を流して坩堝14内の蒸着物質18を誘導加熱して気化させる。これと並行して,誘導部20の加熱装置(ヒータコイル26)を用いて誘導部20の壁体を加熱する。誘導部20の壁体は,物質の気化温度より低く,かつ,気化した蒸着物質が接しても凝縮しない(相変異を起こさない)程度の温度に調整される。なお,この壁体の温度は,蒸着される物質に応じて調整される。
坩堝14で気化した蒸着物質は,誘導部20に入口部23を介して流入して誘導部20内の蒸気圧を高める。そして,出口部25を介してこの蒸気圧に比べて気圧が低い蒸着源90の外側に放出される。物質蒸気が出口部25を介して放出されると,蒸着源90と基板50との間に位置するように蒸着源90に固定された蒸着率測定器40を用いて膜の蒸着率が測定される。蒸着率が安定した状態に達すると,機構部の作用によりテーブル70は,基板50の前方において垂直に下降したり上昇したりする。
高周波誘導コイル12や誘導部加熱装置(ヒータコイル26)のための電気線と,高周波誘導コイル12と熱遮断部30のための冷却水出入配管は,図3には図示してはいないが,蒸着源90と共に移動するように形成される。
出口部25は,基板50の幅に合せて水平に長く形成されるため,機構部のテーブル70の一回の下降あるいは上昇により,基板50の前面(表面)に蒸着膜を形成することができる。基板50の前面にマスク60を配置すれば,マスク60のパターンに応じて基板50の所定部分に限定して蒸着がなされることになる。蒸着膜の厚さは,テーブル70の移動速度,坩堝14の温度などに応じて調節可能である。出口部25の長さ方向の両端では蒸着率が落ちることがある。このため,基板50の全面に渡り均一な蒸着状態を得るためには,出口部25は基板50の幅Wより少し長く形成されることが好ましい。
このような本実施の形態に係る蒸着膜形成装置によれば,蒸着源90と基板50との間を短くすることができる。したがって,従来の上向き式のように,蒸着源から蒸気が広まりながら基板の前面をカバーするために蒸着源と基板面との間に設けられていたいわゆる拡散スペースが不要となる。これによって,真空状態を形成する蒸着チャンバ100を小型化することができ,真空設備にかかる費用を低減することができる。
図4は,本実施の形態に係る装置を用いて基板に連続的な蒸着がなされたときの,蒸着時間と膜蒸着率との関係(一例)を示すグラフである。
図4に示したように,A区間において,蒸着率は一定の高い水準を維持し,B区間において,蒸着率は“0”に近づく。ここで,Aは基板に対する正常的な蒸着がなされる区間であり,Bは蒸着がなされた基板を別のスペースに移し,別のスペースで準備状態にあった基板をチャンバ内の据置部に据置く区間であることが分る。
蒸着が連続的に行われる場合,その効率を高めるためには,基板が切替えられるB区間でも真空雰囲気が維持されることが好ましい。このために,蒸着チャンバの真空雰囲気を維持しながら蒸着チャンバと連結され待機基板が積載されるロッドロックチャンバ等にも真空ポンプ等を備えることが好ましい。これによって,蒸着チャンバとロッドロックチャンバとの隔壁が開くとき,蒸着チャンバの真空度が大きく変化しなくなる。
B区間では,蒸着源90の高周波誘導コイル12に電流を流さないようにして,基板50に対して蒸着物質が蒸着しないようにする。このとき,誘導部20の加熱装置(ヒータコイル26)を停止させることは誘導部20に残留している蒸気を勘案して,高周波誘導コイル12の停止タイミングに対して時間差をおいてなされることが好ましい。また,B区間では蒸着源90を加熱しないように制御すれば,蒸着源90の温度が低下し,蒸着物質の浪費を防止することができる。さらに,蒸着源90から蒸着チャンバ内に伝達し蓄積する熱を減らすことができる。
続くA’区間とB’区間もA区間とB区間と同じ形態を有する。A’区間ではB区間において蒸着チャンバに搬入された基板に対する蒸着作業が新しくなされる。そして,連続的に各区間が繰り返され,複数の基板に対する蒸着処理が行われる。
(第2の実施の形態)
図5aは,本発明の第2の実施の形態に係る蒸着膜形成装置を説明するための概略図であり,図5bは,同実施の形態に係る蒸着膜形成装置の蒸着源を説明するための概略図であり,図5cは,同実施の形態に係る蒸着膜形成装置の蒸着源部に限定して示した図面であり,図5dは,同実施の形態に係る蒸着膜形成装置の誘導部に限定して示した図面である。
図5a〜図5dを参照すると,本発明の第2の実施の形態に係る蒸着膜形成装置は,蒸着膜形成装置の胴体を成すチャンバCと,基板S上に蒸着物質を噴射するための蒸着源200と,この蒸着源200を垂直方向に移動させることができる移送装置Mとを備える。
図5bに示したように,蒸着源200は,基板S上に蒸着しようとする蒸着物質を収容し,この蒸着物質を蒸発させる蒸着源部300と,蒸着源部300に連結され,基板S上に蒸着しようとする蒸着物質を誘導し,基板S上に蒸着物質を噴射するための誘導部400とを備える。
蒸着源部300は,蒸着源部300の胴体を成す反応槽(reactor)310と,反応槽310の内部に位置して,基板S上に蒸着しようとする蒸着物質を収容する坩堝(crucible)320と,反応槽310の外部に設けられる高周波誘導コイル(heat coil)330と,反応槽310の上部に取り付けられ,誘導部400と連結される通孔345を備える反応槽キャップ340と,蒸着源部300の最外郭に位置して反応槽310を囲む反応槽ハウジング(reactor housing)350とを備える。また,反応槽310と高周波誘導コイル330とを分離させるために,反応槽310及び高周波誘導コイル330との間にセラミックカバー360を更に備えることもできる。
反応槽310は,反応槽キャップ340と結合する。反応槽310の上部が一種のナット(Nut)構造であることが好ましい。
坩堝320は,蒸着物質を受け入れるものである。この坩堝320に収容される蒸着物質としては,例えば,金属または無機物質である。また,坩堝320は,高温環境で使われるため,温度が上昇しても破損しないシリコンカーバイド(SiC),シリコンナイトライド(SiNx),またはこれらの等価物から構成されることが好ましい。
高周波誘導コイル330は,高周波誘導電流が流れると,高周波誘導加熱方式により反応槽310と坩堝320を過熱する。これによって,坩堝320内に収容されている蒸着物質が蒸発する。高周波誘導コイル330を用いた高周波誘導加熱によれば,蒸着温度までの上昇時間を30分未満に抑えることができる。このため,蒸着しようとする金属または無機物などの蒸着物質を短時間で溶解することができ,蒸着工程のための蒸着物質の蒸気圧も短時間に得ることができる。したがって,基板上に金属または無機物からなる薄膜を蒸着する工程において,その工程時間を短縮することができ,蒸着物質の不要な消耗を防止できる。
反応槽キャップ340は,外周部がボルト(bolt)構造を有しており,反応槽310の上部に結合(螺合)される。即ち,反応槽310と反応槽キャップ340は,ボルト・ナット構造により結合されるものである。このような反応槽キャップ340は,坩堝320から蒸発した蒸着物質が外部に漏洩しないように機能し,また,蒸着物質の充填及び坩堝320の交換を容易にする役割を果たす。
反応槽ハウジング350は,高温に加熱された蒸着源部300の熱が基板Sに伝わらないようにするために,放熱板及び冷却構造など(図示せず)を備えている。
セラミックカバー360は,高周波誘導コイル330と反応槽310とを分離する役割を果たす。坩堝320で加熱され蒸発した蒸着物質蒸気,特に金属蒸気が反応層310の外部に漏洩すると,高周波誘導コイル330の絶縁が破壊されるおそれがあるが,セラミックカバー360を備えることによってこれが防止される。
誘導部400は,蒸着源部300の反応槽キャップ340の通孔345に結合されて,蒸着源部300から生じた蒸着物質蒸気の移動経路となる蒸着物質蒸気移送管410と,蒸着物質蒸気移送管410に穿孔された形態からなる円形の噴射ノズル420と,蒸着物質蒸気移送管410を囲み,円形の噴射ノズル420と対応する開口部435を備える誘導部ハウジング430と,蒸着物質蒸気移送管410の外壁に設けられる加熱ヒータ440と,誘導部ハウジング430の内壁に設けられる反射板450とを備える。
蒸着物質蒸気移送管410は,蒸着源部300から蒸発した蒸着物質蒸気の移動経路であって,垂直部411と水平部415とからなり,垂直部411の終端部が水平部415の中央部に連結されて略T字状をなす。垂直部411は,反応槽キャップ340の通孔345に結合されており,水平部415には噴射ノズル420が位置する。
噴射ノズル420は,蒸着物質蒸気移送管410を介して移動する蒸着物質蒸気を基板S上に蒸着させるために,蒸着物質蒸気を噴射するものであって,蒸着物質蒸気移送管410の水平部415に穿孔された円形のホール形態からなる。
誘導部ハウジング430は,放熱板及び冷却構造(図示せず)を備えており,誘導部400の熱が基板Sに伝わらないように機能する。
加熱ヒータ440は,蒸着物質蒸気移送管410の外壁に設けられ,誘導部400を加熱する。この過熱ヒータ440を備えることによって,蒸着源部300から流れてきた蒸着物質蒸気は,蒸着物質蒸気移送管410を移動する間,熱損失により凝縮してしまうことが防止される。
反射板450は,加熱ヒータ440から生じた熱が外部に放出しないようにして,誘導部400の熱効率を向上させる。
図5aに示したように,基板Sの前には,基板S上に形成される金属または無機物からなる薄膜の形態を定義するマスクパターンMaskが配置される。
このような構成を有する本実施の形態に係る蒸着膜形成装置の動作を説明する。
まず,蒸着源部300の坩堝320に,蒸着しようとする蒸着物質(金属または無機物など)を収容する。
次に,高周波誘導コイル330に高周波誘導電流が流れると,高周波誘導加熱方式により反応槽310と坩堝320が過熱される。これによって,坩堝320内に収容されている蒸着物質が蒸発し,金属蒸気または無機物蒸気などの蒸着物質蒸気が生じる。即ち,高周波誘導加熱方式によって坩堝320内の蒸着物質が速かに蒸発する。したがって,予備時間を短縮することができる。
蒸着物質蒸気は,誘導部400の蒸着物質蒸気移送管410を通って移動し,噴射ノズル420を介して基板S上に噴射される。その際,蒸着物質蒸気が蒸着物質蒸気移送管410を移動する間,熱損失により凝縮しないように,誘導部400の加熱ヒータ440によって蒸着物質蒸気移送管410を過熱する。
反応槽キャップ340は,反応槽310の上部とボルト・ナット方式により結合されているため,蒸着物質蒸気の漏れは防止される。
また,セラミックカバー360によって反応槽310と高周波誘導コイル330は分離されている。したがって,蒸着物質蒸気の漏れによる高周波誘導コイルの絶縁破壊は防止される。
(第3の実施の形態)
図6は,本発明の第3の実施の形態に係る蒸着膜形成装置を説明するための概略図である。
図6に示したように,本実施の形態に係る蒸着膜形成装置は,図5a〜図5dに示した第2の実施の形態に係る蒸着膜形成装置と構造的に類似している。ただし,本実施の形態に係る蒸着膜形成装置は,複数の蒸着源500,600を備えている点で第2の実施の形態に係る蒸着膜形成装置と異なる。これら複数の蒸着源500,600はそれぞれ,蒸着物質蒸気移送管510,610を備えている。蒸着物質蒸気移送管510,610はそれぞれ,水平部511,611と垂直部515,615とからなり,垂直部515,615の端部が水平部511,611の端部と連結されている。
水平部511と水平部611は,互い平行に配置される。また,垂直部515と垂直部615はそれぞれ,水平部511と水平部611の対向する端部に連結される。
(第4の実施の形態)
図7は,本発明の第4の実施の形態に係る金属及び無機物蒸着膜形成装置を説明するための概略図である。
図7に示したように,本実施の形態に係る蒸着膜形成装置は,図5a〜図5dに示した第2の実施の形態に係る蒸着膜形成装置と構造的に類似している。ただし,本実施の形態に係る蒸着膜形成装置は,複数の蒸着源700,800を備えている点で第2の実施の形態に係る蒸着膜形成装置と異なる。これら複数の蒸着源700,800はそれぞれ,蒸着物質蒸気移送管710,810を備えている。蒸着物質蒸気移送管710,810はともに垂直部のみで構成されている。
図5aに示した移送装置Mは,蒸着源200を水平方向に移動させるものであるが,蒸着源700,800の移送装置(図示せず)は,蒸着源700,800を水平方向へ移動させるものである。
蒸着源200,500,600,700,800を垂直方向または水平方向に移送できる移送装置Mを備えることにより,大面積の基板に金属または無機物からなる薄膜を均一に形成することができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は,非接触方式の高周波誘導加熱を用いて表示装置の基板上に蒸着膜を形成する方法及びその方法に適した蒸着膜形成装置に適用可能である。
本発明の第1の形態に係る蒸着膜形成装置の蒸着源の構成を示す側断面図である。 図1の蒸着源の蒸着源部の平断面を示す図面である。 図1の蒸着源を上下移動させる移送装置と,垂直に据置かれた基板に蒸着を行なう蒸着膜形成装置が設けられた蒸着チャンバを示す側面図である。 図1の蒸着膜形成装置を用いて基板に連続的な蒸着を行った場合の蒸着時間と膜蒸着率の関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る蒸着膜形成装置を説明するための概略図である。 同実施の形態に係る蒸着膜形成装置の金属膜蒸着源を説明するための概略図である。 同実施の形態に係る蒸着膜形成装置の蒸着源部に限定して示した図面である。 同実施の形態に係る蒸着膜形成装置の誘導部に限定して示した図面である。 本発明の第3の実施の形態に係る蒸着膜形成装置を説明するための概略図である。 本発明の第4の実施の形態に係る蒸着膜形成装置を説明するための概略図である。
符号の説明
10,300 蒸着源部
12,330 高周波誘導コイル
14 坩堝
16,28 バイメタル
18 蒸着物質
20,400 誘導部
23 入口部
25 出口部
26 ヒータコイル
30 熱遮断部
40 蒸着率測定器
50 基板
60 マスク
70 テーブル
80 垂直構造体
90,200,500,600,700,800 蒸着源
100 蒸着チャンバ
110 バルブ
120 真空ポンプ
310 反応槽
320 坩堝
340 反応槽ギャップ
345 通孔
350 反応槽ハウジング
360 セラミックカバー
410,510,610,710,810 蒸着物質移送管
411,511,611 垂直部
415,515,615 水平部
420 噴射ノズル
430 誘導部ハウジング
435 開口部
440 加熱ヒータ
450 反射板
M 移送装置

Claims (24)

  1. 蒸着スペースに基板を置き,高周波誘導加熱方式により蒸着源から蒸着物質に熱を加えて得られた蒸着物質の蒸気を前記基板の蒸着面に接触させて凝縮させることにより,蒸着膜を形成する蒸着膜形成方法であって,
    前記蒸着スペースにおいて,前記基板を蒸着面が重力方向に対して略平行となるように配置し,前記蒸着物質の蒸気を前記基板の蒸着面に供給することを特徴とする,蒸着膜形成方法。
  2. 複数の前記蒸着源を,前記基板の蒸着面に対向する位置に,前記基板の蒸着面の幅に合わせて配列し,
    前記各蒸着源を重力方向に前記基板と相対的に移動させて,前記基板の蒸着面に前記蒸気の供給を行なうことを特徴とする,請求項1に記載の蒸着膜形成方法。
  3. 蒸着物質を加熱する高周波誘導コイルを備えて前記蒸着物質の蒸気を発生させる蒸着源部,及び,前記蒸気を任意位置及び任意方向に誘導して基板の蒸着面に前記蒸気を噴射する誘導部を備えてなる蒸着源を含むことを特徴とする,蒸着膜形成装置。
  4. 前記蒸着源部は,前記蒸着物質を収容する坩堝を備え,
    前記高周波誘導コイルは,前記坩堝を覆うように設けられることを特徴とする,請求項3に記載の蒸着膜形成装置。
  5. 前記蒸着源部と前記誘導部から外部に熱が放出しないようにする熱遮断部を更に備えることを特徴とする,請求項3または4に記載の蒸着膜形成装置。
  6. 前記熱遮断部と前記高周波誘導コイルは,水冷可能なように形成されることを特徴とする,請求項5に記載の蒸着膜形成装置。
  7. 前記基板は,蒸着面が重力方向に対して略平行となるように配置され,
    前記蒸着源を前記基板の蒸着面に沿って移動させる移送装置を更に備えることを特徴とする,請求項3〜6のいずれかに記載の蒸着膜形成装置。
  8. 蒸着物質を蒸発させる蒸着源部と,前記蒸着源部に連結され,前記蒸着物質の蒸気を誘導し,基板の蒸着面に前記蒸着物質の蒸気を与える誘導部と,を備える少なくとも一つの蒸着源を含み,
    前記蒸着源部は,
    反応槽と,
    前記反応槽の内部に位置する坩堝と,
    前記反応槽の外部に設けられる高周波誘導コイルと,
    を備えることを特徴とする,蒸着膜形成装置。
  9. 前記蒸着源部は,前記反応槽の上部に取り付けられる反応槽キャップを更に備え,
    前記反応層キャップは,前記誘導部と前記反応槽を通じさせる通孔を有することを特徴とする,請求項8に記載の蒸着膜形成装置。
  10. 前記蒸着源部は,前記高周波誘導コイルの外部に,前記反応槽を囲む形態の反応槽ハウジングを更に備えることを特徴とする,請求項8または9に記載の蒸着膜形成装置。
  11. 前記反応槽と前記反応槽キャップは螺合されることを特徴とする,請求項8〜10のいずれかに記載の蒸着膜形成装置。
  12. 前記坩堝は,シリコンカーバイド(SiC)またはシリコンナイトライド(SiNx)のいずれかを含む材料で構成されることを特徴とする,請求項8〜11のいずれかに記載の蒸着膜形成装置。
  13. 前記反応槽と前記高周波誘導コイルとの間に,前記反応槽の外壁に取り付けられたセラミックカバーを更に備えることを特徴とする,請求項8〜12のいずれかに記載の蒸着膜形成装置。
  14. 前記誘導部は,
    前記反応槽キャップの通孔と結合する蒸着物質蒸気移送管と,
    前記蒸着物質蒸気移送管に穿孔して形成された噴射ノズルと,
    を備えることを特徴とする,請求項8〜13のいずれかに記載の蒸着膜形成装置。
  15. 前記誘導部は,前記蒸着物質蒸気移送管を囲み,前記噴射ノズルに対応する開口部を備える誘導部ハウジングを更に備えることを特徴とする,請求項14に記載の蒸着膜形成装置。
  16. 前記誘導部ハウジングの内壁に設けられる反射板を更に備えることを特徴とする,請求項15に記載の蒸着膜形成装置。
  17. 前記誘導部は,前記蒸着物質蒸気移送管の外壁に設けられる加熱ヒータを更に備えることを特徴とする,請求項14〜16のいずれかに記載の蒸着膜形成装置。
  18. 前記蒸着物質蒸気移送管は,垂直部と水平部からなり,
    前記垂直部は,前記水平部の中央部に連結されることを特徴とする,請求項14〜17のいずれかに記載の蒸着膜形成装置。
  19. 前記蒸着物質蒸気移送管は,垂直部と水平部からなり,
    前記垂直部は,前記水平部の両端部のいずれか一方に連結されることを特徴とする,請求項14〜17のいずれかに記載の蒸着膜形成装置。
  20. 前記蒸着源を垂直方向へ移送させる移送装置を更に備えることを特徴とする,請求項18または19に記載の蒸着膜形成装置。
  21. 前記噴射ノズルは,前記蒸着物質蒸気移送管の水平部に位置することを特徴とする,請求項18〜20のいずれかに記載の蒸着膜形成装置。
  22. 前記蒸着物質蒸気移送管は,垂直部のみで構成されることを特徴とする,請求項14〜17のいずれかに記載の蒸着膜形成装置。
  23. 前記蒸着源を水平方向に移送させる移送装置を更に備えることを特徴とする,請求項22に記載の蒸着膜形成装置。
  24. 前記蒸着物質は,金属または無機物のいずれかであることを特徴とする,請求項8〜23のいずれかに記載の蒸着膜形成装置。
JP2004336018A 2003-11-26 2004-11-19 蒸着膜形成方法及び蒸着膜形成装置 Pending JP2005154903A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR1020030084467A KR100908971B1 (ko) 2003-11-26 2003-11-26 표시장치 기판의 증착막 형성장치
KR1020040077233A KR100601503B1 (ko) 2004-09-24 2004-09-24 증착 장치

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005154903A true JP2005154903A (ja) 2005-06-16

Family

ID=34742208

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004336018A Pending JP2005154903A (ja) 2003-11-26 2004-11-19 蒸着膜形成方法及び蒸着膜形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005154903A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008274322A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Sony Corp 蒸着装置
EP2412005A2 (en) * 2009-03-26 2012-02-01 SNU Precision Co., Ltd. Source supplying unit, method for supplying source, and thin film depositing apparatus
WO2012090753A1 (ja) * 2010-12-28 2012-07-05 トッキ株式会社 成膜装置
JP2012193413A (ja) * 2011-03-16 2012-10-11 Ulvac Japan Ltd 真空蒸着装置及び薄膜の形成方法
JP2013186969A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Ulvac Japan Ltd 有機el素子の電極膜形成方法、有機el素子の電極膜形成装置
WO2014034410A1 (ja) * 2012-08-29 2014-03-06 キヤノントッキ株式会社 蒸発源
WO2015177217A1 (de) * 2014-05-23 2015-11-26 Manz Ag Verdampferquelle für die oberflächenbehandlung von substraten
WO2017086588A1 (ko) * 2015-11-19 2017-05-26 주식회사 다원시스 유도 가열을 이용한 증착 장치 및 증착 시스템

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008274322A (ja) * 2007-04-26 2008-11-13 Sony Corp 蒸着装置
EP2412005A2 (en) * 2009-03-26 2012-02-01 SNU Precision Co., Ltd. Source supplying unit, method for supplying source, and thin film depositing apparatus
EP2412005A4 (en) * 2009-03-26 2013-11-20 Snu Precision Co Ltd SOURCE POWER UNIT, SOURCE POWER SUPPLY METHOD, AND THIN LAYER DEPOSITION APPARATUS
WO2012090753A1 (ja) * 2010-12-28 2012-07-05 トッキ株式会社 成膜装置
JP2012193413A (ja) * 2011-03-16 2012-10-11 Ulvac Japan Ltd 真空蒸着装置及び薄膜の形成方法
JP2013186969A (ja) * 2012-03-06 2013-09-19 Ulvac Japan Ltd 有機el素子の電極膜形成方法、有機el素子の電極膜形成装置
WO2014034410A1 (ja) * 2012-08-29 2014-03-06 キヤノントッキ株式会社 蒸発源
JP2014047365A (ja) * 2012-08-29 2014-03-17 Canon Tokki Corp 蒸発源
WO2015177217A1 (de) * 2014-05-23 2015-11-26 Manz Ag Verdampferquelle für die oberflächenbehandlung von substraten
WO2017086588A1 (ko) * 2015-11-19 2017-05-26 주식회사 다원시스 유도 가열을 이용한 증착 장치 및 증착 시스템
CN107043910A (zh) * 2015-11-19 2017-08-15 株式会社达文希斯 利用感应加热的蒸镀装置以及蒸镀系统
KR101769547B1 (ko) * 2015-11-19 2017-08-21 주식회사 다원시스 유도 가열을 이용한 증착 장치 및 증착 시스템

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100666574B1 (ko) 증발원
KR100796148B1 (ko) 수직이동형 증착시스템
KR100823508B1 (ko) 증발원 및 이를 구비한 증착 장치
JP3924751B2 (ja) 有機電界発光膜蒸着用蒸着源
KR100666575B1 (ko) 증발원 및 이를 이용한 증착 장치
KR20060109561A (ko) 증발원 및 이를 채용한 증착장치
KR100761079B1 (ko) 냉각수단을 갖는 증발원 및 이를 이용한 증착 장치
KR20070025163A (ko) 무기 증착원 및 이의 가열원 제어방법
JP2015067847A (ja) 真空蒸着装置
JP2005154903A (ja) 蒸着膜形成方法及び蒸着膜形成装置
JP5557817B2 (ja) 蒸発源および成膜装置
KR100601503B1 (ko) 증착 장치
KR100666573B1 (ko) 증발원 및 이를 이용한 증착 장치
KR100952313B1 (ko) 원료 공급 유닛과 원료 공급 방법 및 박막 증착 장치
KR100962967B1 (ko) 증발원
CN111455322B (zh) 坩埚装置、蒸镀装置
KR101553619B1 (ko) Oled 제조용 인라인 증착장치
JP4171365B2 (ja) 蒸着装置
JP5557700B2 (ja) 蒸着装置及び有機el装置の製造方法
KR102190640B1 (ko) 선형 증착원
KR102104307B1 (ko) 고온용 선형 증착원
JP2006002218A (ja) 成膜源、成膜方法、および加熱板、ならびに有機el素子の製造方法
KR100583056B1 (ko) 증착물질 가열장치
JP2023509077A (ja) 蒸発方法、蒸発装置、及び蒸発源
KR101530027B1 (ko) Oled 제조용 인라인 증착장치

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071016

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20071023

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20080123

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081104

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20081209

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090204

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090304

A602 Written permission of extension of time

Effective date: 20090309

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

A601 Written request for extension of time

Effective date: 20090403

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

A602 Written permission of extension of time

Effective date: 20090408

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090714