JP2013186969A - 有機el素子の電極膜形成方法、有機el素子の電極膜形成装置 - Google Patents

有機el素子の電極膜形成方法、有機el素子の電極膜形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】坩堝の損傷を防ぎながら、電子注入層の表面に電極膜を高速成膜できる有機EL素子の電極膜形成方法、有機EL素子の電極膜形成装置を提供する。
【解決手段】
表面に電子注入層が露出する成膜対象物50を真空雰囲気中に配置し、坩堝21内のアルミニウム23を800℃以下の温度に加熱して溶融させ、液体のアルミニウムから蒸気を発生させ、蒸気を真空雰囲気中に放出させ、電子注入層の表面にAl膜を形成した後、Al膜の表面に金属電極膜を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、有機EL素子の電極膜形成方法、有機EL素子の電極膜形成装置に関する。
有機EL素子は、発光効率が高く、薄い発光装置を組み立てることができることから、表示装置や照明機器の用途に注目されている。
図6を参照し、従来の有機EL素子150の内部構成図である。従来の有機EL素子150は、基板151と、基板151上に配置された有機積層膜152と、有機積層膜152上に配置された電子注入層153と、電子注入層153の表面に配置された電極膜154とを有している。
電子注入層153にはLiFが用いられ、電極膜154にはAlが用いられたLiF/Al構造は、電子注入効果が良く、デバイスの発光効率を向上できることがよく知られている(例えば、特許文献2参照)。
現在、量産を伴う高速成膜や基板の大型化に対応でき、高い導電性の電極膜を形成できる電極膜形成方法が要請されている。
従来の電極膜形成方法では、有機膜を成膜された基板の温度を抑えるために、短時間で厚いAl膜を形成する必要があり、坩堝内のAlを1000℃〜1200℃の加熱温度で加熱して、Al膜の成膜速度を高めていた。その結果、坩堝内で溶融した液体Alの浸潤性が高く、小さいAl原子が坩堝の粒子界に入り込み、坩堝が割れたり、寿命が短くなるという問題があった。
それに対し、坩堝の損傷を防ぐためにAlの成膜速度を下げて成膜を行うと、クラスタ式装置の場合には、タクトが長くなるという不都合があり、インライン式装置の場合には、装置が大きくなるという不都合があった。また、成膜時間を短縮するために、Al膜の膜厚を薄くすると、導電性が不足し、かつ水分や酸素の透過性が高くなり、有機積層膜が劣化するおそれがあった。
特開2004−152959号公報 特開2005−267926号公報
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、坩堝の損傷を防ぎながら、電子注入層の表面に電極膜を高速成膜できる有機EL素子の電極膜形成方法、有機EL素子の電極膜形成装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、電子注入層の表面に電極膜を形成する有機EL素子の電極膜形成方法であって、表面に前記電子注入層が露出する成膜対象物を真空雰囲気中に配置し、坩堝内のAlを800℃以下の温度に加熱して溶融させ、液体のAlから蒸気を発生させ、前記蒸気を前記真空雰囲気中に放出させ、前記電子注入層の表面にAl膜を形成するAl膜形成工程と、前記Al膜の表面に金属電極膜を形成する金属電極膜形成工程と、を有する有機EL素子の電極膜形成方法である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成方法であって、前記坩堝の材質はカーボンである有機EL素子の電極膜形成方法である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成方法であって、前記坩堝のうち前記Alが接触する壁面はPBNで被覆されている有機EL素子の電極膜形成方法である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成方法であって、前記坩堝の材質はSiNである有機EL素子の電極膜形成方法である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成方法であって、前記電子注入層は、LiFと、Liと、CsFと、Csのうちいずれか一種類の物質を含む有機EL素子の電極膜形成方法である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成方法であって、前記Al膜形成工程では、前記Al膜を1nm以上80nm以下の膜厚で形成する有機EL素子の電極膜形成方法である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成方法であって、前記金属電極膜形成工程では、真空蒸着法により前記金属電極膜を形成する有機EL素子の電極膜形成方法である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成方法であって、前記金属電極膜は、Cuと、Agと、Inと、Snと、Biと、Pbと、Mgと、Znのうちいずれか一種類の金属を含む金属膜又は合金膜である有機EL素子の電極膜形成方法である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成方法であって、前記金属電極膜形成工程では、スパッタ法により前記金属電極膜を形成する有機EL素子の電極膜形成方法である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成方法であって、前記金属電極膜は、Alと、Cuと、Agと、Auと、Ptと、Niと、Crと、Moと、Tiと、Feと、Wと、Taと、Zrのうちいずれか一種類の金属を含む金属膜又は合金膜である有機EL素子の電極膜形成方法である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成方法であって、前記金属電極膜は積層膜である有機EL素子の電極膜形成方法である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成方法であって、前記金属電極膜のうち少なくとも一層は、Alと、Cuと、Agと、Auと、Ptのうちいずれか一種類を含む金属膜又は合金膜である有機EL素子の電極膜形成方法である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成方法であって、前記金属電極膜のうち少なくとも一層は、Niと、Crと、Moと、Tiと、Wと、Taと、Zrのうちいずれか一種類の金属を含む金属膜又は合金膜である有機EL素子の電極膜形成方法である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成方法であって、前記坩堝と、前記金属電極膜の材料から成るターゲットとを同一の真空槽内に配置し、前記Al膜形成工程と前記金属電極膜形成工程とを、前記同一の真空槽内で行う有機EL素子の電極膜形成方法である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成方法であって、前記Al膜形成工程の後、前記坩堝内の前記Alの加熱を続けながら、前記同一の真空槽内にスパッタガスを導入し、前記金属電極膜形成工程を行う有機EL素子の電極膜形成方法である。
本発明は、真空槽と、前記真空槽内にAlの蒸気を放出させるAl蒸気放出部と、前記真空槽内に金属電極膜材料の粒子を放出させる金属電極膜材料放出部と、を有し、前記Al蒸気放出部は、Alが収容される坩堝と、前記坩堝を加熱して前記Alを溶融させ、液体のAlから蒸気を発生させ、前記蒸気を前記真空槽内に放出させる加熱装置と、前記坩堝内の前記Alの温度を測定する温度測定部と、前記温度測定部の測定結果に基づいて前記加熱装置の発熱量を増減して、前記Alの温度を800℃以下に維持する制御装置と、を有し、前記真空槽内に配置された成膜対象物の電子注入層の表面にAl膜を形成し、前記Al膜の表面に金属電極膜を形成する有機EL素子の電極膜形成装置である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成装置であって、前記坩堝の材質はカーボンである有機EL素子の電極膜形成装置である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成装置であって、前記坩堝のうち前記Alが接触する壁面はPBNで被覆されている有機EL素子の電極膜形成装置である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成装置であって、前記坩堝の材質はSiNである有機EL素子の電極膜形成装置である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成装置であって、前記金属電極膜材料放出部は、前記金属電極膜材料が収容される副坩堝と、前記副坩堝内の前記金属電極膜材料を加熱して、蒸気を発生させる副加熱装置と、を有する有機EL素子の電極膜形成装置である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成装置であって、前記坩堝と前記副坩堝とを一緒に、前記成膜対象物に対して相対移動させる移動装置を有する有機EL素子の電極膜形成装置である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成装置であって、前記金属電極膜材料放出部は、前記真空槽内に配置され、前記金属電極膜材料のターゲットを保持するターゲット保持部と、前記ターゲット保持部に保持された前記ターゲットに電圧を印加するスパッタ用電源と、前記真空槽内にスパッタガスを導入するスパッタガス導入部と、を有する有機EL素子の電極膜形成装置である。
本発明は有機EL素子の電極膜形成装置であって、前記坩堝と前記ターゲット保持部とを一緒に、前記成膜対象物に対して相対移動させる移動装置を有する有機EL素子の電極膜形成装置である。
坩堝内のアルミニウムは800℃以下に維持されるので、溶融したアルミニウム中のAl原子が坩堝の壁内に侵入することが抑制され、坩堝の損傷が防止される。
Al膜を形成した後、Al膜の表面に金属電極膜を形成するので、Al膜の膜厚を薄くすることが可能となり、Al膜の成膜時間を短縮できる。
本発明の第一例の有機EL素子の電極膜形成装置の内部平面図 本発明の第一例の有機EL素子の電極膜形成装置の内部側面図 (a)〜(d):本発明の有機EL素子の電極膜形成方法を説明するための図 本発明の第二例の有機EL素子の電極膜形成装置の内部平面図 本発明の第三例の有機EL素子の電極膜形成装置の内部平面図 従来の有機EL素子の内部構成図
<第一例の有機EL素子の電極膜形成装置の構造>
第一例の有機EL素子の電極膜形成装置の構造を説明する。
図1は第一例の有機EL素子の電極膜形成装置10aの内部平面図、図2は同内部側面図である。
第一例の有機EL素子の電極膜形成装置10aは、真空槽11と、真空槽11内にアルミニウム(Al)の蒸気を放出させるAl蒸気放出部20と、真空槽11内に金属電極膜材料の粒子を放出させる金属電極膜材料放出部30とを有している。
真空槽11には真空排気部12が接続されている。真空排気部12を動作させると、真空槽11内は真空排気され、真空雰囲気が形成される。
金属電極膜材料放出部30は、真空槽11内に配置され、金属電極膜材料のターゲット31を保持するターゲット保持部32と、ターゲット保持部32に保持されたターゲット31に電圧を印加するスパッタ用電源33と、真空槽11内にスパッタガスを導入するスパッタガス導入部34とを有している。
本実施形態では、ターゲット31の表面は上方に向けられて真空槽11内に露出されており、ターゲット31の裏面はターゲット保持部32に密着され、ターゲット保持部32に電気的に接続されている。
スパッタ用電源33はターゲット保持部32に電気的に接続されている。スパッタ用電源33からターゲット保持部32に電圧を印加すると、ターゲット保持部32を介してターゲット31に電圧が印加される。真空槽11は接地電位に置かれている。
スパッタガス導入部34は真空槽11に接続されている。
真空排気された真空槽11内にスパッタガス導入部34からスパッタガス(例えばArガス)が導入され、スパッタ用電源33からターゲット31に電圧が印加されると、ターゲット31上でスパッタガスが電離されて、プラズマが生成され、プラズマ中のイオンがターゲット31に入射して、ターゲット31の表面がスパッタされ、ターゲット31の粒子が真空槽11内に放出される。
Al蒸気放出部20は、アルミニウム23が収容される坩堝21と、坩堝21を加熱してアルミニウム23を溶融させ、蒸気を発生させ、蒸気を真空槽11内に放出させる加熱装置22とを有している。図1では加熱装置22の図示を省略している。
坩堝21の材質はここではカーボン(C)又は窒化珪素(SiN)である。坩堝21の材質がカーボンの場合には、坩堝21のうちアルミニウム23と接触する壁面は熱分解窒化ホウ素(PBN)で被覆されていてもよい。
坩堝21の数は一個又は二個以上である。本実施形態では、坩堝21は真空槽11内に配置されている。
加熱装置22は、坩堝21に接触して設けられた抵抗加熱ヒータ22aと、抵抗加熱ヒータ22aに電気的に接続されたヒータ用電源22bとを有している。
ヒータ用電源22bから抵抗加熱ヒータ22aに電流を流すと、抵抗加熱ヒータ22aは発熱して、熱伝導により坩堝21が加熱され、坩堝21からの熱伝導により坩堝21内のアルミニウム23が加熱され、溶融して、液体のアルミニウム23から蒸気が生成され、生成された蒸気は真空槽11内に放出される。
Al蒸気放出部20は、坩堝21内のアルミニウム23の温度を測定する温度測定部24と、温度測定部24の測定結果に基づいて加熱装置22の発熱量を増減して、アルミニウム23の温度を800℃以下に維持する制御装置25とを有している。
本実施形態では、温度測定部24は放射温度計であり、坩堝21の上方に配置され、検出面を坩堝21内のアルミニウム23に向けられている。アルミニウム23から放出された赤外線又は可視光線は、温度測定部24の検出面に入射して検出され、検出結果に基づいてアルミニウム23の温度が測定される。
なお、温度測定部24は坩堝21内のアルミニウム23の温度を測定できるならば放射温度計に限定されず、坩堝21の外側底面と接触する熱電対であり、坩堝21の底面の温度を測定することによりアルミニウム23の温度を間接的に測定するように構成してもよい。
制御装置25は、温度測定部24に接続されており、温度測定部24の測定結果を受け取り、受け取った測定結果に基づいて、アルミニウム23の温度が800℃以下に維持されるように、加熱装置22の発熱量を増減する。
ここでは、制御装置25にはアルミニウム23の蒸発温度より高い第一の基準温度と、第一の基準温度より高く800℃より低い第二の基準温度とが予め設定されている。
制御装置25は、温度測定部24の測定結果を基準温度と比較して、測定結果が第二の基準温度より高い場合には、温度測定部24のヒータ用電源22bに制御信号を送信して、ヒータ用電源22bの出力電流を減少させるように構成されている。アルミニウム23の温度が第二の基準温度より高くなると、800℃に達する前に抵抗加熱ヒータ22aの発熱量が減少して、アルミニウム23の温度は第二の基準温度以下に低下し、すなわち800℃以下に維持される。
また、制御装置25は、温度測定部24の測定結果が第一の測定結果より低い場合には、ヒータ用電源22bに制御信号を送信して、ヒータ用電源22bの出力電流を増加させるように構成されている。アルミニウム23の温度が第一の基準温度より低くなると、抵抗加熱ヒータ22aの発熱量が増加して、アルミニウム23の温度は第一の基準温度以上に増加し、アルミニウム23からの蒸気の生成が継続される。
坩堝21とターゲット31より上方には、成膜対象物50を保持する成膜対象物保持部13が配置されている。成膜対象物保持部13に成膜対象物50を保持させると、成膜対象物50の表面は下方に向けられて真空槽11内に露出される。
本実施形態では、坩堝21とターゲット保持部32とは同一の移動部材14に設置されており、移動部材14には移動装置15が接続されている。
移動装置15はモーターであり、動力を移動部材14に伝達して、移動部材14を成膜対象物50の表面と平行な方向に往復移動させるように構成されている。
移動装置15を動作させて移動部材14を移動させると、移動部材14に設置された坩堝21とターゲット31とは一緒に成膜対象物50に対して相対移動され、成膜対象物50の真下位置を通過するようになっている。
坩堝21とターゲット31とが成膜対象物50の真下に位置する場合に、坩堝21内のアルミニウム23から放出された蒸気とターゲット31から放出されたスパッタ粒子とは成膜対象物50の表面にそれぞれ到達する。
なお、ターゲット31と坩堝21とを互いに異なる移動装置に設けて別々に移動させるように構成してもよいが、同一の移動装置15に設けて一緒に移動させる構成の方が、移動装置15の台数を低減でき、低コストである。
また、移動装置15は、坩堝21とターゲット31とを成膜対象物50に対して相対移動できるならば、上記構成に限定されず、坩堝21とターゲット31とは真空槽11に対して静止され、移動装置15は成膜対象物50を真空槽11に対して移動させ、坩堝21とターゲット31の真上位置を通過させるように構成してもよい。
<第一例の有機EL素子の電極膜形成方法>
第一例の有機EL素子の電極膜形成方法を説明する。
図1、2を参照し、真空排気部12を動作させて、真空槽11内を真空排気し、真空雰囲気を形成する。以後、真空排気部12の動作を継続して、真空槽11内の真空雰囲気を維持する。
本実施形態では、図1を参照し、真空槽11には真空排気された前工程室18が気密に接続されている。前工程室18内には成膜対象物が配置されている。
図3(a)は前工程室18内に配置された成膜対象物50の内部側面図である。
成膜対象物50は、基板51と、基板51上に配置された有機積層膜52と、有機積層膜52上に配置された電子注入層53とを有しており、成膜対象物50の表面には電子注入層53が露出されている。
有機積層膜52は、ホール注入層と、ホール輸送層と、発光層と、電子輸送層とがこの順に積層された積層膜からなり、電子注入層53は電子輸送層の表面に配置されている。
電子注入層53はここではLiFと、Liと、CsFと、Csのうちいずれか一種類の物質を含む薄膜である。
図1、2を参照し、真空槽11内の真空雰囲気を維持しながら、前工程室18内の成膜対象物50を真空槽11内に移動させ、電子注入層53が露出する表面を下方に向けた状態で成膜対象物保持部13に保持させる。
(Al膜形成工程)
坩堝21を成膜対象物50の表面と対面する範囲(以下、成膜領域という)の外側に位置させておく。
ヒータ用電源22bから抵抗加熱ヒータ22aに電流を流して発熱させ、坩堝21を加熱し、坩堝21内のアルミニウム23を溶融させ、蒸気を発生させる。
坩堝21の加熱中は、温度測定部24により坩堝21内のアルミニウム23の温度を測定し、制御装置25は温度測定部24の測定結果に基づいて、加熱装置22の発熱量を増減し、アルミニウム23の温度を800℃以下に維持させる。
アルミニウム23の温度が800℃以下に維持されることにより、800℃より高い温度に加熱する場合に比べて、溶融したアルミニウム23中のAl原子の運動エネルギーが抑制され、Al原子が坩堝21の壁内に侵入することが防止され、坩堝21の寿命が延長される。ただし、アルミニウムの蒸気の流量は減少する。
移動装置15により坩堝21を成膜対象物50に対して相対移動させ、成膜領域を通過させる。通過中にアルミニウム23から放出された蒸気は成膜対象物50の表面に到達し、図3(b)を参照し、成膜対象物50の電子注入層53の表面にAl膜54が形成される。
坩堝21を成膜対象物50に対して相対移動させながら成膜を行っており、大面積の成膜対象物50に対しても均一な膜厚でAl膜54が成膜される。
形成するAl膜54の膜厚は1nm以上80nm以下が好ましい。膜厚が1nmより薄いと、Al膜54と電子注入層53との間の電子注入効果が不十分になり、また、後述する金属電極膜形成工程でスパッタ法により成膜を行う場合に、電子注入層53や有機積層膜52に対するダメージを十分防ぐことができない。一方、膜厚が80nmより厚いと、アルミニウムの蒸気の流量が少ないために、成膜時間が長くかかるという不都合がある。
Al膜54を形成した後、坩堝21を成膜領域の外側に静止させる。
加熱装置22による坩堝21の加熱は継続する。
(金属電極膜形成工程)
ターゲット31を成膜領域の外側に位置させる。
スパッタガス導入部34から真空槽11内にスパッタガスを導入させ、真空槽11内の圧力を増加させる。スパッタガスの圧力により、坩堝21内のアルミニウム23からの蒸気の放出が抑制される。
スパッタ用電源33からターゲット31に電圧を印加して、ターゲット31上でスパッタガスのプラズマを生成し、ターゲット31の表面をスパッタさせ、ターゲット31の粒子を真空槽11内に放出させる。
移動装置15によりターゲット31を成膜対象物50に対して相対移動させ、成膜領域を通過させる。通過中にターゲット31から放出されたスパッタ粒子は成膜対象物50の表面に到達し、図3(c)を参照し、成膜対象物50のAl膜54の表面に金属電極膜55が形成される。
Al膜54の表面に金属電極膜55を形成することにより、電極膜全体としての導電性を向上でき、かつ、水分や酸素の透過性を低減できる。そのため、Al膜54の膜厚を薄くすることが可能となり、上述のAl膜形成工程におけるAl膜54の成膜時間を短縮できる。
金属電極膜55をスパッタ法で形成することにより、真空蒸着法に比べて、金属電極膜55の応力や密度を容易に調整することができ、また、高融点金属の成膜が可能となる。
ターゲット31を成膜対象物50に対して相対移動させながら成膜を行うことにより、大面積の成膜対象物50に対しても均一な膜厚で金属電極膜55を成膜できる。
ターゲット31の材質は、好ましくはAlと、Cuと、Agと、Auと、Ptと、Niと、Crと、Moと、Tiと、Feと、Wと、Taと、Zrのうちいずれか一種類の金属又はその金属を含む合金である。これらの金属又は合金のターゲット31をスパッタして金属電極膜55を形成すると、金属電極膜55の導電性と封止性をより向上できる。
金属電極膜55を形成した後、スパッタ用電源33からターゲット31への電圧印加を停止し、ターゲット31上のプラズマを消失させる。
(封止膜形成工程)
本実施形態では、第一例の有機EL素子の電極膜形成装置10aは、真空槽11内に封止膜材料の粒子を放出させる封止膜材料放出部40を有している。
封止膜材料放出部40は、真空槽11内に配置され、封止膜材料の副ターゲット41を保持する副ターゲット保持部42と、副ターゲット保持部42に保持された副ターゲット41に電圧を印加する副スパッタ用電源43と、副ターゲット41を成膜対象物50に対して相対移動させる副移動装置45とを有している。
副ターゲット保持部42と、副スパッタ用電源43と、副移動装置45の構造は、上述のターゲット保持部32と、スパッタ用電源33と、移動装置15の構造とそれぞれ同じであり、説明を省略する。
副ターゲット41を成膜領域の外側に位置させておく。
スパッタガス導入部34から真空槽11内にスパッタガスを導入させ、副スパッタ用電源43から副ターゲット保持部42を介して副ターゲット41に電圧を印加させ、副ターゲット41上でスパッタガスのプラズマを生成し、副ターゲット41の表面をスパッタさせ、副ターゲット41の粒子を真空槽11内に放出される。
副移動装置45により副ターゲット41を成膜対象物50に対して相対移動させ、成膜領域を通過させる。通過中に副ターゲット41から放出されたスパッタ粒子は成膜対象物50の表面に到達し、図3(d)を参照し、成膜対象物50の金属電極膜55の表面に封止膜56が形成される。
封止膜56を形成した後、副スパッタ用電源43から副ターゲット41への電圧印加を停止し、副ターゲット41上のプラズマを消失させる。
スパッタガス導入部34から真空槽11内へのスパッタガスの導入を停止し、真空槽11内のスパッタガスを真空排気して、真空雰囲気を形成する。
本実施形態では、図1を参照し、真空槽11には真空排気された後工程室19が気密に接続されている。真空槽11内の真空雰囲気を維持しながら、成膜済みの成膜対象物50を後工程室19内に移動させる。
このようにして図3(d)に示すような有機EL素子が得られる。基板51と有機積層膜52との間に配置された不図示の補助電極膜と、金属電極膜55との間に電圧を印加すると、補助電極膜から有機積層膜52にホール(正孔)が供給され、金属電極膜55からAl膜54に電子が供給され、供給された正孔と電子は有機積層膜52内の発光層で結合して光が発生し、光は外部に放出される。
次いで、図1を参照し、前工程室18内の未成膜の成膜対象物50を真空槽11内に移動させ、上述の各工程を順に繰り返す。
なお、金属電極膜形成工程と封止膜形成工程中に加熱装置22による坩堝21の加熱を停止してもよいが、坩堝21の加熱を継続した方が、次の成膜対象物50に対してAl膜形成工程を再開するときに、アルミニウム23の溶融に要する時間を省略できるため好ましい。
また、第一例の有機EL素子の電極膜形成装置10aから封止膜材料放出部40を省略し、封止膜形成工程はAl膜形成工程、金属電極膜形成工程を行う真空槽11とは別の真空槽内で行ってもよい。
また、Al蒸気放出部20と金属電極膜材料放出部30とを互いに異なる真空槽11に設け、Al膜形成工程と金属電極膜形成工程とを互いに異なる真空槽11内で行ってもよいが、同一の真空槽11内で行った方が、真空槽11の数を低減でき、低コストである。
<第二例の有機EL素子の電極膜形成装置の構造>
第二例の有機EL素子の電極膜形成装置の構造を説明する。
図4は第二例の有機EL素子の電極膜形成装置10bの内部平面図である。
第二例の有機EL素子の電極膜形成装置10bの構造のうち、第一例の有機EL素子の電極膜形成装置10aの構造と同じ部分には、同じ符号を付して説明を省略する。
第二例の有機EL素子の電極膜形成装置10bの金属電極膜材料放出部30は、金属電極膜材料が収容された副坩堝361、362と、副坩堝361、362内の金属電極膜材料を加熱して蒸発させる副加熱装置37とを有している。
副坩堝361、362の数はここでは2個であるが、1個又は3個以上でもよい。本実施形態では、副坩堝361、362は真空槽11内に配置されている。
副加熱装置37は、ここでは副坩堝361、362に接触して設けられた副抵抗加熱ヒータ37a1、37a2と、副抵抗加熱ヒータ37a1、37a2に電気的に接続された副ヒータ用電源37bとを有している。副ヒータ用電源37bから副抵抗加熱ヒータ37a1、37a2に電流を流すと、副抵抗加熱ヒータ37a1、37a2は発熱して、熱伝導により副坩堝361、362が加熱され、副坩堝361、362内の金属電極膜材料が加熱されて蒸発する。
なお、副坩堝361、362内の金属電極膜材料を加熱して蒸発できるならば、副加熱装置37は上記構成に限定されず、副坩堝361、362内の金属電極膜材料に電子線を照射して加熱する電子線銃(EBガン)を有していてもよい。副抵抗加熱ヒータ37a1、37a2の方が装置のコストが安く、電子線銃の方が高融点金属の成膜が可能となる。
成膜対象物保持部13は坩堝21と副坩堝361、362の上方に配置されている。
本実施形態では、移動装置15はモーターであり、成膜対象物保持部13に接続され、成膜対象物保持部13を成膜対象物50の表面に対して直角な回転軸線を中心に回転移動させるように構成されている。
移動装置15により成膜対象物保持部13を回転軸線を中心に回転させると、成膜対象物保持部13に保持された成膜対象物50も一緒に回転軸線を中心に回転され、坩堝21内のアルミニウムと、副坩堝361、362内の金属電極膜材料とから放出された蒸気は、成膜対象物50の表面に面内で均一な流量で到達する。
なお、移動装置15は、坩堝21と副坩堝361、362とを成膜対象物50に対して相対移動できるならば、上記構成に限定されず、成膜対象物保持部13は真空槽11に対して静止され、移動装置15は坩堝21と副坩堝361、362とを成膜対象物50の表面に対して直角な回転軸線を中心に回転移動させるように構成してもよい。
また、副坩堝361、362の代わりに金属電極膜材料のスパッタターゲットが配置され、真空槽11には真空槽11内にスパッタガスを導入するガス導入部が接続されていてもよい。
<第二例の有機EL素子の電極膜形成方法>
第二例の有機EL素子の電極膜形成方法を説明する。
図4を参照し、真空排気部12を動作させて、真空槽11内を真空排気し、真空雰囲気を形成する。以後、真空排気部12の動作を継続して、真空槽11内の真空雰囲気を維持する。
本実施形態では、真空槽11には真空排気された搬送室17が気密に接続されている。搬送室17内には、表面に有機積層膜52が露出された成膜対象物(不図示)が配置されている。
真空槽11内の真空雰囲気を維持しながら、搬送室17内の成膜対象物50を真空槽11内に移動させ、有機積層膜52が露出する表面を下方に向けた状態で、成膜対象物50に保持させる。
移動装置15を動作させて成膜対象物50を回転軸線を中心に回転させる。以後成膜対象物50の回転を継続する。
(電子注入層形成工程)
本実施形態では、第二例の有機EL素子の電極膜形成装置10bは、真空槽11内に電子注入層材料の粒子を放出させる電子注入層材料放出部60を有している。
電子注入層材料放出部60は、電子注入層材料を収容する電子注入層用坩堝61と、電子注入層用坩堝61内の電子注入層材料を加熱して蒸発させる電子注入層用加熱装置(不図示)とを有している。電子注入層材料は、ここではLiFと、Liと、CsFと、Csのうちいずれか一種類の物質である。
電子注入層用加熱装置により電子注入層用坩堝61内の電子注入層材料を加熱して蒸発させる。電子注入層材料の蒸気は真空槽11内に放出され、成膜対象物50の表面に到達し、図3(a)を参照し、成膜対象物50の有機積層膜52の表面に電子注入層53が形成される。
電子注入層53を形成した後、電子注入層用加熱装置による電子注入層材料の加熱を停止する。
(Al膜形成工程)
Al膜形成工程は、第一例の有機EL素子の電極膜形成方法のAl膜形成工程と同じであり、説明を省略する。
図3(b)を参照し、成膜対象物50の電子注入層53の表面にAl膜54を形成した後、坩堝21の加熱を停止する。
(金属電極膜形成工程)
副加熱装置37を動作させて、副坩堝361、362内の金属電極膜材料を蒸発させる。金属電極膜材料の蒸気は真空槽11内に放出され、成膜対象物50の表面に到達し、図3(c)を参照し、成膜対象物50のAl膜54の表面に金属電極膜55が形成される。
金属電極膜材料は、好ましくはCuと、Agと、Inと、Snと、Biと、Pbと、Mgと、Znのうちいずれか一種類の金属又はその金属を含む合金である。これらの金属原子は、Al原子より原子半径が大きく、溶融した金属原子が副坩堝361、362の壁内に侵入して副坩堝361、362を損傷させることはない。
移動装置15により成膜対象物50は副坩堝361、362に対して相対移動されており、大面積の成膜対象物50に対しても均一な膜厚で金属電極膜55が成膜される。
金属電極膜55を形成した後、副加熱装置37による金属電極膜材料の加熱を停止する。
真空槽11内の真空雰囲気を維持しながら、成膜済みの成膜対象物50を搬送室17内に移動させる。
次いで、未成膜の成膜対象物50を搬送室17から真空槽11内に移動させ、上述の各工程を順に繰り返す。
なお、第二例の有機EL素子の電極膜形成装置10bから電子注入層材料放出部60を省略し、電子注入層形成工程はAl膜形成工程、金属電極膜形成工程を行う真空槽11とは別の真空槽内で行ってもよい。
また、Al蒸気放出部20と金属電極膜材料放出部30とを互いに異なる真空槽11に設け、Al膜形成工程と金属電極膜形成工程とを互いに異なる真空槽11内で行ってもよいが、同一の真空槽11内で行った方が、真空槽11の数を低減でき、低コストである。
<第三例の有機EL素子の電極膜形成装置の構造>
第三例の有機EL素子の電極膜形成装置の構造を説明する。
図5は第三例の有機EL素子の電極膜形成装置10cの内部平面図である。
第三例の有機EL素子の電極膜形成装置10cの構造のうち、第二例の有機EL素子の電極膜形成装置10bの構造と同じ部分には、同じ符号を付して説明を省略する。符号36は金属電極膜材料放出部30の副坩堝を示している。
本実施形態では、Al蒸気放出部20の坩堝21と、金属電極膜材料放出部30の副坩堝36は、真空槽11内で、互いに平行な二本の直線に沿ってそれぞれ並んで配置されている。
移動装置15は、坩堝21と副坩堝36の上方に設けられ、成膜対象物50を、成膜対象物50の表面に平行で、坩堝21又は副坩堝36の並びに対して直角な副直線に沿って移動できるように構成されている。
移動装置15を動作させて成膜対象物50を移動させると、成膜対象物50は、坩堝21の真上位置と副坩堝36の真上位置とを順に通過するようになっている。
<第三例の有機EL素子の電極膜形成方法>
第三例の有機EL素子の電極膜形成方法を説明する。
図5を参照し、真空排気部12を動作させて、真空槽11内を真空排気し、真空雰囲気を形成する。以後、真空排気部12の動作を継続して、真空槽11内の真空雰囲気を維持する。
本実施形態では、第三例の有機EL素子の電極膜形成装置10cは、ホール注入層材料放出部71と、ホール輸送層材料放出部72と、赤色発光層材料放出部73と、緑色発光層材料放出部74と、青色発光層材料放出部75と、電子輸送層材料放出部76と、電子注入層材料放出部77とを有している。
各材料放出部71〜77は、不図示の移動装置の移動方向に関して、坩堝21より上流側に、上流から下流に向かって符号71〜77の順に配置されている。
各材料放出部71〜77からそれぞれ真空槽11内に蒸着材料の蒸気を放出させる。
また、坩堝21内のアルミニウムからアルミニウムの蒸気を放出させ、副坩堝36内の金属電極膜材料から金属電極膜材料の蒸気を放出させる。
移動装置15を動作させて、成膜対象物50を、ホール注入層材料放出部71より上流側から下流に向かって移動させ、各材料放出部71〜77の真上位置を通過させる。
各材料放出部71〜77の真上位置を通過中に、各材料放出部71〜77から放出された蒸気が成膜対象物50の表面に順に到達し、図3(a)を参照し、成膜対象物50の表面には、ホール注入層と、ホール輸送層と、赤色発光層と、緑色発光層と、青色発光層と、電子輸送層とがこの順に積層された積層膜からなる有機積層膜52が形成され、有機積層膜52の表面に電子注入層53が形成される。
次いで、移動装置15の動作を継続して、成膜対象物50を、坩堝21と副坩堝36の真上位置を順に通過させる。
坩堝21の真上位置を通過中に、図3(b)を参照し、電子注入層53の表面にAl膜54が形成され、副坩堝36の真上位置を通過中に、図3(c)を参照し、Al膜54の表面に金属電極膜55が形成される。
なお、上述の第一〜第三例の有機EL素子の電極膜形成方法の金属電極膜形成工程では、一層の金属膜から金属電極膜55を形成したが、複数の金属膜を積層させて金属電極膜55を形成してもよい。複数の金属膜を積層させて金属電極膜55を形成すると、金属電極膜55の導電性と封止性とを両立できる。
金属電極膜55の少なくとも一層は、好ましくはAlと、Cuと、Agと、Auと、Ptのうちいずれか一種類を含む金属膜又は合金膜である。これらの金属膜又は合金膜を設けると、金属電極膜55の導電性をより向上できる。
また、金属電極膜55の少なくとも一層は、好ましくはNiと、Crと、Moと、Tiと、Wと、Taと、Zrのうちいずれか一種類を含む金属膜又は合金膜である。これらの金属膜又は合金膜を設けると、金属電極膜55の封止性をより向上できる。
10a〜10c……有機EL素子の電極膜形成装置
11……真空槽
15……移動装置
20……Al蒸気放出部
21……坩堝
22……加熱装置
23……Al(アルミニウム)
24……温度測定部
25……制御装置
30……金属電極膜材料放出部
31……ターゲット
32……ターゲット保持部
33……スパッタ用電源
34……スパッタガス導入部
36……副坩堝
37……副加熱装置
50……成膜対象物
53……電子注入層
54……Al膜
55……金属電極膜

Claims (23)

  1. 電子注入層の表面に電極膜を形成する有機EL素子の電極膜形成方法であって、
    表面に前記電子注入層が露出する成膜対象物を真空雰囲気中に配置し、坩堝内のAlを800℃以下の温度に加熱して溶融させ、液体のAlから蒸気を発生させ、前記蒸気を前記真空雰囲気中に放出させ、前記電子注入層の表面にAl膜を形成するAl膜形成工程と、
    前記Al膜の表面に金属電極膜を形成する金属電極膜形成工程と、
    を有する有機EL素子の電極膜形成方法。
  2. 前記坩堝の材質はカーボンである請求項1記載の有機EL素子の電極膜形成方法。
  3. 前記坩堝のうち前記Alが接触する壁面はPBNで被覆されている請求項2記載の有機EL素子の電極膜形成方法。
  4. 前記坩堝の材質はSiNである請求項1記載の有機EL素子の電極膜形成方法。
  5. 前記電子注入層は、LiFと、Liと、CsFと、Csのうちいずれか一種類の物質を含む請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の有機EL素子の電極膜形成方法。
  6. 前記Al膜形成工程では、前記Al膜を1nm以上80nm以下の膜厚で形成する請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の有機EL素子の電極膜形成方法。
  7. 前記金属電極膜形成工程では、真空蒸着法により前記金属電極膜を形成する請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の有機EL素子の電極膜形成方法。
  8. 前記金属電極膜は、Cuと、Agと、Inと、Snと、Biと、Pbと、Mgと、Znのうちいずれか一種類の金属を含む金属膜又は合金膜である請求項7記載の有機EL素子の電極膜形成方法。
  9. 前記金属電極膜形成工程では、スパッタ法により前記金属電極膜を形成する請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の有機EL素子の電極膜形成方法。
  10. 前記金属電極膜は、Alと、Cuと、Agと、Auと、Ptと、Niと、Crと、Moと、Tiと、Feと、Wと、Taと、Zrのうちいずれか一種類の金属を含む金属膜又は合金膜である請求項9記載の有機EL素子の電極膜形成方法。
  11. 前記金属電極膜は積層膜である請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の有機EL素子の電極膜形成方法。
  12. 前記金属電極膜のうち少なくとも一層は、Alと、Cuと、Agと、Auと、Ptのうちいずれか一種類を含む金属膜又は合金膜である請求項11記載の有機EL素子の電極膜形成方法。
  13. 前記金属電極膜のうち少なくとも一層は、Niと、Crと、Moと、Tiと、Wと、Taと、Zrのうちいずれか一種類の金属を含む金属膜又は合金膜である請求項11又は請求項12のいずれか1項記載の有機EL素子の電極膜形成方法。
  14. 前記坩堝と、前記金属電極膜の材料から成るターゲットとを同一の真空槽内に配置し、
    前記Al膜形成工程と前記金属電極膜形成工程とを、前記同一の真空槽内で行う請求項9又は請求項10のいずれか1項記載の有機EL素子の電極膜形成方法。
  15. 前記Al膜形成工程の後、前記坩堝内の前記Alの加熱を続けながら、前記同一の真空槽内にスパッタガスを導入し、前記金属電極膜形成工程を行う請求項14記載の有機EL素子の電極膜形成方法。
  16. 真空槽と、
    前記真空槽内にAlの蒸気を放出させるAl蒸気放出部と、
    前記真空槽内に金属電極膜材料の粒子を放出させる金属電極膜材料放出部と、
    を有し、
    前記Al蒸気放出部は、
    Alが収容される坩堝と、
    前記坩堝を加熱して前記Alを溶融させ、液体のAlから蒸気を発生させ、前記蒸気を前記真空槽内に放出させる加熱装置と、
    前記坩堝内の前記Alの温度を測定する温度測定部と、
    前記温度測定部の測定結果に基づいて前記加熱装置の発熱量を増減して、前記Alの温度を800℃以下に維持する制御装置と、
    を有し、
    前記真空槽内に配置された成膜対象物の電子注入層の表面にAl膜を形成し、前記Al膜の表面に金属電極膜を形成する有機EL素子の電極膜形成装置。
  17. 前記坩堝の材質はカーボンである請求項16記載の有機EL素子の電極膜形成装置。
  18. 前記坩堝のうち前記Alが接触する壁面はPBNで被覆されている請求項17記載の有機EL素子の電極膜形成装置。
  19. 前記坩堝の材質はSiNである請求項16記載の有機EL素子の電極膜形成装置。
  20. 前記金属電極膜材料放出部は、
    前記金属電極膜材料が収容される副坩堝と、
    前記副坩堝内の前記金属電極膜材料を加熱して、蒸気を発生させる副加熱装置と、
    を有する請求項17乃至請求項19のいずれか1項記載の有機EL素子の電極膜形成装置。
  21. 前記坩堝と前記副坩堝とを一緒に、前記成膜対象物に対して相対移動させる移動装置を有する請求項20記載の有機EL素子の電極膜形成装置。
  22. 前記金属電極膜材料放出部は、
    前記真空槽内に配置され、前記金属電極膜材料のターゲットを保持するターゲット保持部と、
    前記ターゲット保持部に保持された前記ターゲットに電圧を印加するスパッタ用電源と、
    前記真空槽内にスパッタガスを導入するスパッタガス導入部と、
    を有する請求項17乃至請求項19のいずれか1項記載の有機EL素子の電極膜形成装置。
  23. 前記坩堝と前記ターゲット保持部とを一緒に、前記成膜対象物に対して相対移動させる移動装置を有する請求項22記載の有機EL素子の電極膜形成装置。
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